パワーポイントデザインの基本とコツ|テーマ・デザイナー機能・スライドマスターの使い分け

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  • デザインを入れる3つの機能の使い分けがわかる
  • デザインの提案が出ないときの確認点がわかる
  • 用途別の考え方と出典の載せ方がわかる

パワーポイントでデザインを整えるには、「デザイン」タブのテーマとバリエーションで全体の色とフォントを決め、1枚ごとの見た目はデザインアイデア(デザイナー)で整え、共通のルールはスライドマスターで固定する順番で進めます。この3つは使える場所と効く範囲が違うため、先に使い分けを知っておくと、1枚ずつ手で直す時間を減らせます。この記事では、デザインを入れる機能の場所と使い方、提案が出ないときの確認点、無料テンプレートの探し方、用途別の考え方、スライドへの出典の載せ方、よくある失敗と直し方を、Microsoftの公式ヘルプなどで確認した内容をもとに整理します。

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目次

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  1. パワーポイントでデザインを入れる方法|テーマ・デザインアイデア・スライドマスターの使い分け
  2. デザインアイデア(デザイナー)の使い方|提案が出ないときの確認点
  3. テーマとバリエーションで全体のデザインを決める
  4. スライドマスターで体裁を固定する|フォント・ロゴ・位置を全スライドにそろえる
  5. 無料テンプレートの探し方|公式サイトの使い方と選ぶときの確認点
  6. 用途別のデザインの考え方|営業資料・提案書・社内報告・研修資料
  7. 図解・写真・グラフの見せ方|写真を複数載せるときの配置も
  8. 見やすさの基本ルール早見|1スライド1メッセージと骨子から作る順番
  9. スライドに参考文献・出典を載せる位置とレイアウト
  10. パワポデザインでよくある失敗と直し方|自作か依頼かの判断の目安も
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
  13. 参考文献

パワーポイントでデザインを入れる方法|テーマ・デザインアイデア・スライドマスターの使い分け

パワーポイントでデザインを入れる方法は3つあり、全体はテーマとバリエーション、1枚ごとはデザインアイデア、共通ルールはスライドマスターで整えます。

どの機能も、使う場所と効く範囲が違います。全体の雰囲気を決めたいのに1枚ずつ色を直したり、1枚だけ整えたいのにマスターを触ったりすると、手間が増えたり、ほかのスライドとずれたりします。まずは3つの違いを表で確認してください。

機能 開く場所 効く範囲 向いている場面 確認したい点
テーマとバリエーション 「デザイン」タブの「テーマ」「バリエーション」 全スライドの配色・フォント・効果・背景 作り始めに、全体の雰囲気を決めるとき ユーザー定義のテーマや古いテーマでは、バリエーションが表示されないことがある
デザインアイデア(デザイナー) 「デザイン」タブの「デザインの提案」 選んだ1枚のレイアウト 内容を入れたあとに、1枚ずつ見た目を整えるとき デスクトップ版はMicrosoft 365のサブスクライバー向けの機能で、インターネット接続が必要
スライドマスター 「表示」タブの「スライドマスター」 そのマスターに基づくすべてのスライド フォントやロゴ、タイトルの位置を全スライドでそろえるとき 個々のスライドを作る前に編集することが推奨されている

デザインを入れる手順は、全体から1枚へ

迷ったときは、全体から1枚へという順番で進めると、手戻りが少なくなります。

  1. 「デザイン」タブでテーマを選び、バリエーションで色・フォント・背景を調整する
  2. スライドマスターで、フォント・ロゴ・タイトルの位置などの共通ルールを固定する
  3. スライドに内容を入れる
  4. 「デザインの提案」で1枚ずつレイアウトの候補を確認し、使うものを選ぶ
  5. スライドショー表示で通して見て、配置・色・文字の読みやすさを直す

整えたスライドは、動画にして使い回すこともできる

定例会議や新人向けの説明などで、同じスライドを何度も口頭で説明し直している場合は、デザインを整えたあとの使い方も考えておくと手間が減ります。スライドの内容がほとんど変わらないのに、説明のたびに人の時間を取られているなら、スライドに原稿を付けて動画にしておく方法があります。

整えたスライドを撮影なしで説明動画にしたい場合の一例が、株式会社Stand Technologiesが提供するVideo Craftです。PowerPointと同じような操作感覚でスライドを編集でき、PowerPointやPDFの資料を取り込んだうえで、入力した原稿をAI音声が読み上げるナレーション付きの動画(MP4形式)にできます。ナレーション原稿を直すだけで動画を修正でき、撮り直しは必要ありません。一方で、PowerPointの編集データを変換する際は一部に変換に対応していない要素があるため、変換後に内容を確認する必要があります。利用できる人数もプランによって異なります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • グループ共有できる人数はプランによって異なる

毎年の新人研修の座学講義で講師の対応工数が大きいことを課題に、研修の動画化を進めた製造業の株式会社メンテック様は、「PowerPoint資料から比較的短時間で動画を作成できる点が便利だと感じました。」と紹介されています。

出典:Video Craft 導入事例「株式会社メンテック様」(株式会社Stand Technologies、2026年10月15日確認)

手持ちの資料を動画に変換できるか、利用人数に合うプランはどれかは、資料で具体的に確認できます。

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デザインアイデア(デザイナー)の使い方|提案が出ないときの確認点

デザインアイデアは、「デザイン」タブの「デザインの提案」を選ぶと、スライドの内容に合うレイアウトの候補を右側のウィンドウに表示する機能です。

スライドにテキストや写真、図、表を置くと、デザイナーがバックグラウンドで動作して候補を生成します。候補を選ぶとスライドが変わり、Ctrl+Zキーで元に戻せます。候補のウィンドウを閉じるときは、左上の「X」を選びます。写真に合った配色の提案、図・グラフ・表を配置する候補、リストやプロセス、タイムラインを読みやすいグラフィックに変える提案も、この機能の守備範囲です。

デザインの提案が出ないときの確認点

提案が出ないときの原因の多くは、機能の条件を満たしていないことです。Microsoftのヘルプに載っている主な確認点を、症状ごとに表にまとめました(2026年10月15日確認)。

症状 確認すること
「デザインの提案」ボタンがない デスクトップ版はMicrosoft 365のサブスクライバーだけが使える機能です(Web版は誰でも利用できると案内されています)。「オプションの接続エクスペリエンス」が有効か、組織の管理者が機能をオフにしていないかも確認します
ボタンはあるが灰色で押せない インターネットに接続しているかを確認します。標準表示で1枚のスライドだけを選んでいる必要があり、複数のスライドを選んでいる場合や、ノート、スライドショー表示では使えません
候補が表示されない PowerPointに付属のテーマを使っているかを確認します(ユーザー設定のテーマや、別の場所からダウンロードしたテーマでは出ない場合があります)。図形やテキストボックスを描画したスライドでは候補を出せないため、プレースホルダーに入力します
写真を置いたのに候補がない レイアウトが「タイトル」または「タイトルとコンテンツ」かを確認します。同じスライドに他のオブジェクトや図形を置かないようにします。写真は1枚のスライドにつき4枚までで、サイズは200ピクセル四方より大きいものが対象です
共同編集中に候補が出ない 複数のユーザーが同じスライドを同時に編集していると、そのスライドの候補は表示されません

デザイナーが高品質な候補を生成できない場合は、候補がまったく表示されないと説明されています。候補が出ないときは、その1枚だけ自分で整えるほうが早いことも少なくありません。自分で整えるときの考え方は、後の章で説明します。

出典:Microsoft サポート「PowerPoint の Designer を使用して本格的なスライド レイアウトを作成する」

テーマとバリエーションで全体のデザインを決める

テーマは、配色・フォント・効果・プレースホルダーの配置などをまとめたデザインの組み合わせで、「デザイン」タブから全スライドに適用できます。

新しい資料を始めるときは、「ファイル」から「新規」を選ぶ際にテーマを選べます。あとから考えが変わった場合も、「デザイン」タブでテーマとバリエーションを変更できます。同じテーマの色違いを使いたいときは「バリエーション」グループから選び、色・フォント・効果・背景のスタイルを個別に調整することもできます。

自社の色とフォントを、独自のテーマとして保存する

コーポレートカラーとフォントに合わせて、「バリエーション」で色・フォント・効果・背景のスタイルを整えたら、「テーマ」グループの下向き矢印から「現在のテーマを保存」を選びます。名前を付けて保存すると、次回以降も「カスタム」の見出しの下にテーマとして表示されます。このテーマを使った雛形のファイルを共有フォルダに置いておくと、担当者が変わっても資料の体裁がそろいます。

出典:Microsoft サポート「テーマが設定されたスライドに色とデザインを追加する」

配色は3色を基本に、色だけに頼らない

配色は、背景のベースカラー、印象を決めるメインカラー、強調に使うアクセントカラーの3色を基本にすると、まとまりが出ます。ベースカラーの面積を最も広く取り、アクセントカラーは最も伝えたい数字やキーワードだけに使います。1枚のスライドで1か所から2か所に抑えると、どこが重要かが伝わります。

グラフの系列を色だけで区別すると、色の見分けにくい人には伝わりません。線の種類や模様、ラベルを併用してください。文字と背景の明るさの差(コントラスト)を十分に取ることも、プロジェクターで投影したときの見やすさに直結します。

スライドマスターで体裁を固定する|フォント・ロゴ・位置を全スライドにそろえる

スライドマスターは、すべてのスライドに共通するフォントやロゴなどを1か所で編集し、そのマスターに基づくすべてのスライドへ反映する機能です。

「表示」タブの「スライドマスター」を選ぶとスライドマスター表示が開き、左側のサムネイルの一番上がマスタースライドです。実際の変更は、マスターに関連するレイアウトマスターに加えることが多くなります。標準表示で、ある図やロゴを削除できないときは、その要素がマスターやレイアウトマスターで定義されている場合があります。

編集は、個々のスライドを作る前に行う

Microsoftは、スライドマスターとレイアウトの編集を、個々のスライドを作る前に行うことを勧めています。先に編集しておくと、あとから追加するすべてのスライドが、その編集内容に基づいて作られます。すでにスライドを作ったあとでマスターやレイアウトを変えた場合は、変更したレイアウトを、標準表示で既存のスライドに再適用する必要があります。

ページごとにタイトルの位置やフォントがずれる原因の多くは、マスターを使わず、スライドごとに手で設定していることです。配色やフォントを選ぶ基本の考え方は、関連記事のパワポのデザイン基本ルール|見やすい資料の配色・レイアウト・型化のコツで整理しています。本記事は機能の使い分けと手順、そちらは基本ルールの考え方を中心に扱っています。

出典:Microsoft サポート「PowerPointのスライド マスターとは」

ここまでの内容を、自社の資料づくりの状況に当てはめて確認してみましょう。

パワポの資料づくり、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

無料テンプレートの探し方|公式サイトの使い方と選ぶときの確認点

無料で使えるデザインを探すなら、まずPowerPointに用意されているテーマと、Microsoftが公開しているPowerPointテンプレートのページを確認します。

Microsoftのテンプレートのページには、ビジネス提案、プロジェクト計画、ピッチデッキ、従業員研修など、用途別のテンプレートが並んでいます。プレースホルダーのテキストや画像を自社の内容に置き換え、テーマを適用してブランドカラーとフォントをスライド全体に反映する、という使い方が案内されています。完成した資料は、PowerPointファイルやPDFとして保存できます(2026年10月15日確認)。

デザインのテンプレートを配布している民間のサービスもありますが、利用条件や無料で使える範囲はサービスごとに異なります。使う前に、各サイトの利用規約で、商用利用の可否とクレジット表記の要否を確認してください。

テンプレートを選ぶときの3つの確認点

  • 余白が多く、シンプルなものを選ぶ。装飾が強いテンプレートは、内容が目立たなくなります
  • 自社の用途に合うレイアウト(表紙、本文、比較、まとめなど)がそろっているかを見る
  • 指定されているフォントが、資料を開く端末に入っているかを確認する。ない場合は別のフォントに置き換わり、レイアウトが崩れることがあります

テンプレートを自社の雛形に作り変える方法や、おしゃれに見せる配色・フォントの考え方は、関連記事のパワポをおしゃれにする方法|配色・フォント・テンプレート活用と外注の費用の考え方で解説しています。

出典:Microsoft PowerPoint「無料のオンラインの PowerPoint テンプレート」

用途別のデザインの考え方|営業資料・提案書・社内報告・研修資料

デザインで優先することは、読み手と使う場面で変わります。投影する資料は文字を減らして図を大きく、配布して読ませる資料は文章で論理をつなぎます。

投影する資料と、配布して読ませる資料は分けて作る

最初に決めたいのは、その資料を会議室で投影するのか、送付や配布で読んでもらうのかです。この2つを混同すると、投影すると文字が小さすぎて読めない、配布すると説明が足りず意味が通らない、という中途半端な資料になりがちです。

項目 投影用(プレゼン) 配布・送付用(読む資料)
文字量 キーワード中心で少なめ 文章で論理をつなぐため多め
文字サイズの決め方 スライドショー表示にして、少し離れた位置から読めるかで調整する 印刷またはPDFにして、読める大きさにそろえる
図解の役割 話の要点を一目で示す 文章の内容を整理して補う
補足情報 口頭で説明し、スライドには載せない 注釈や出典まで書き込む

用途別の考え方

用途 読み手の状況 デザインで優先すること 注意したい点
営業資料(顧客へ送る・説明する) 説明なしで読まれることがある 1枚ごとに流れが追える見出しと、図と短い文章の組み合わせ 自社の言葉を並べず、相手の課題から始める
提案書 判断の材料を探している タイトルで結論を言い、本文と図で根拠を示す 根拠に使う数字には出典を付ける
社内の定例報告 毎回同じ形式で見たい 型を固定し、変更点だけを目立たせる 担当者ごとに体裁が変わらないよう、雛形を共有する
研修・説明資料 繰り返し使われ、内容も更新される 手順は番号と図で示し、用語を統一する 内容が変わったときに直しやすい作りにする

表のとおり、同じ内容でも、用途によってデザインの優先順位は入れ替わります。どの用途でも共通するのは、先に読み手と使う場面を決めてから、テーマやレイアウトを選ぶことです。

図解・写真・グラフの見せ方|写真を複数載せるときの配置も

図解・アイコン・写真・表・グラフは、伝える内容に合わせて使い分け、1枚のスライドでは種類を絞るほど、読み手の視線が迷いにくくなります。

視覚要素 向いている内容 使うときの注意点
図解(フロー・構造図) 手順、因果関係、組織や仕組みの構造 図形の形と色の種類を絞り、矢印の向きを統一する
アイコン 項目の種類を直感的に示す、箇条書きの補助 線の太さや塗りなどのテイストを資料内でそろえる
写真・画像 製品や現場の様子など、実物を見せたい場面 解像度の低い画像を引き伸ばさない。利用条件を確認する
表 複数の項目を同じ観点で比較する 罫線を減らし、比較の観点を見出しの行と列で明確にする
グラフ 数値の推移、割合、大小の比較 伝えたい系列だけ色を付け、他はグレーにする

グラフは、初期設定のままだと凡例や目盛り線、色分けが多く、伝えたい点がぼやけがちです。グラフで言いたいこと(たとえば「今期の売上が前年を上回った」)を先に決め、その点を示すために必要な要素だけを残します。強調したい系列や数値にだけアクセントカラーを使い、それ以外はグレー系にまとめると、読み手の視線が自然に集まります。

写真を複数載せるときの見せ方

写真を複数載せるときは、枚数を絞り、大きさと縦横比をそろえて、端をそろえて並べるのが基本です。主役にしたい1枚だけを大きくし、ほかを小さくまとめると、視線の置き場がはっきりします。載せたい写真が多すぎる場合は、スライドを分けます。デザイナーがレイアウトを提案できる写真は1枚のスライドにつき4枚までなので、4枚を超える場合は自分で配置する前提で考えます。

画像や素材の利用条件を確認する

インターネット上で見つけた画像を許可なく資料に使うと、著作権の侵害にあたる可能性があります。無料素材のサイトでも、商用利用の可否やクレジット表記の要否などの条件が定められていることが多いため、利用規約を確認してから使ってください。著作物の利用に関する基本的な考え方は、文化庁の著作権のページで確認できます。

見やすさの基本ルール早見|1スライド1メッセージと骨子から作る順番

見やすい資料の基本は、1スライドで伝えるメッセージを1つに絞り、構成と骨子を先に固めてからデザインを当てることです。

資料作成で時間がかかる人の多くは、いきなりパワーポイントを開き、デザインを考えながら文章を書いています。デザインの調整と文章の修正を同時に行うと作業が行ったり来たりするため、次の4つの段階に分けて進めるのが基本です。

骨子を固めてからデザインを当てる4つのステップ

  1. 構成を決める:資料全体の流れ(結論、理由、具体例、次の行動など)と、スライドの枚数・順番を決める
  2. 骨子をテキストで書く:各スライドで伝えたい1つのメッセージを、デザインを考えずに文章だけで書き出す
  3. デザインを当てる:骨子が固まってから、テーマ、レイアウト、図解を適用する
  4. 見直す:スライドショーで通して確認し、誤字、数字の誤り、表記ゆれ、メッセージのずれを直す

2つ目の骨子の段階で、各スライドのメッセージを1行で言えるかを確認しておくと、1スライド1メッセージが自然に守られます。1行で言えないスライドは、内容が詰め込まれているか、そもそも主張が定まっていないサインです。

フォントと余白の基本

投影するプレゼン資料では、線の太さが均一で、離れた位置からも読みやすいゴシック体が基本です。フォントの種類は、日本語用と英数字用で最大2種類程度に絞ると、資料全体に統一感が出ます。強調したい部分は、フォントを変えるのではなく、太字や文字サイズ、色で差をつけます。作成したパソコンにしか入っていないフォントを使うと、別のパソコンで開いたときに別のフォントに置き換わり、レイアウトが崩れることがあります。社外に送る資料は、多くの環境に標準で入っているフォントを選ぶか、PDFに変換して渡すと安心です。

余白は、スライドの上下左右に一定の幅を確保し、要素の端をそろえます。関連する要素は近づけ、関係の薄い要素は離すと、情報のまとまりがはっきりします。パワーポイントの配置機能(左揃え、上下中央揃え、等間隔に配置など)やガイド、グリッド線を使うと、目分量に頼らず正確にそろえられます。

情報を詰め込みすぎない・強調しすぎない

よくある状態(Before) 改善した状態(After)
長い文章を段落のまま貼り付けている 要点を短い箇条書きにし、1項目1行程度に収める
箇条書きが7つも8つも並んでいる 3つから5つ程度に絞り、残りは別スライドや補足資料に回す
太字、赤字、下線、枠囲みをあちこちに使っている 強調は1枚につき1か所から2か所、方法も太字か色のどちらかに統一する
補足説明や注釈までスライド本文に書き込んでいる 投影用ならノート欄や口頭説明に移し、スライドには結論と根拠だけを残す

結論を示すタイトルにする

スライドのタイトルは、資料の中で最も読まれる部分です。「売上推移」のように何が載っているかを示すだけでなく、「新商品の投入後、売上は3か月連続で前年を上回った」のように結論を含む文にすると、読み手はグラフを詳しく見る前に要点を理解できます。タイトルは2行に収まる程度の長さを目安にし、本文や図の内容と一致しているかを確認します。パワーポイントのアウトライン表示を使うと、タイトルだけを一覧で確認できるため、資料全体の流れを見直すときに便利です。

スライドに参考文献・出典を載せる位置とレイアウト

出典は、根拠を示すスライドの下端に小さく書き、数が多い場合は最後に参考文献のスライドをまとめるのが基本です。

数値やグラフ、他者の文章や画像を資料に使うときは、読み手が根拠をたどれるように出典を示します。出典を載せる位置は、1枚ごとに書く方法と、最後にまとめる方法の2つが基本で、資料の用途に合わせて組み合わせます。

載せ方 向いている場面 レイアウトのコツ
各スライドの下端に出典を書く データ、グラフ、引用が載ったスライド 左下に1行で書く。本文より小さく、グレー系の文字にして、スライドの主役にしない。「出典:」のあとに、発行元、資料名、年を書く
最後に参考文献のスライドをまとめる 出典が多い資料、配布して読まれる資料 タイトルを「参考文献」にし、番号付きの箇条書きにする。1スライドに収まる件数にし、本文で引用した順に並べる
注釈番号で本文と対応させる 同じスライドに複数の根拠がある場合 本文に小さな番号を振り、下端または参考文献のスライドの同じ番号と対応させる

これらは実務での整え方の例で、決まった規格があるわけではありません。社内や提出先に書式の指定がある場合は、その指定に従ってください。

他者の著作物を引用するときの法律上の要件

他者の著作物を資料に載せるときは、著作権法の引用の要件にも注意が必要です。著作権法第32条第1項は、公表された著作物を引用して利用できるとしています。その引用は、公正な慣行に合致するものであり、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければなりません。また、同法第48条は、引用する場合には、その著作物の出所を、複製や利用の態様に応じて合理的と認められる方法および程度により明示しなければならないと定めています。スライドの下端の出典表記や、最後の参考文献のスライドは、この出所の明示を実務で行う方法にあたります。

本記事は一般的な情報の紹介であり、法的助言ではありません。個別の利用の可否は、専門家や権利者に確認してください。出典:e-Gov法令検索「著作権法」

パワポデザインでよくある失敗と直し方|自作か依頼かの判断の目安も

失敗の多くは、デザインの知識不足ではなく、骨子を固める前にデザインを始めること、ルールをマスターに固定していないこと、見直しの時間が残っていないことから起こります。

失敗パターン 主な原因 直し方
骨子が固まらないままデザインを始め、修正が終わらない 構成とデザインを同時に考えている 先にテキストで骨子を固め、デザインはあとから当てる
ページごとにフォントや色、タイトル位置がばらばら 共通ルールを決めず、スライドごとに手作業で設定している テーマとスライドマスターでルールを固定する
テンプレートの装飾が強く、内容が目立たない 見た目の華やかさでテンプレートを選んでいる 余白が多くシンプルなテンプレートを選び、内容を主役にする
他の端末で開くとレイアウトが崩れる 作成した環境にしかないフォントを使っている 標準的なフォントを選ぶか、PDFに変換して共有する
締め切り直前に作り始め、見直しの時間がない 作業時間の見積もりが甘く、清書に時間を取られている 見直しの時間を先に確保し、型を作って作業を減らす

自作するか、依頼するかの判断の目安

重要な提案資料のように印象が成果に直結する資料は、デザインの専門会社に依頼する価値があります。判断の軸は、資料の重要度、社内にデザインの知見を持つ人がいるか、かけられる時間の3つです。年に数回の勝負どころの資料は依頼、毎週や毎月の定例資料はテーマとスライドマスターで型を作って自作、という分け方が目安になります。依頼する場合の費用の考え方は、関連記事のパワポをおしゃれにする方法で解説しています。費用対効果を考えるときは、資料の作成時間だけでなく、完成後に何度使い回すかも含めて見積もります。

同じ説明を毎回繰り返しているとき

テーマとスライドマスターで体裁をそろえても、スライドの中身を毎回人が口頭で説明し直しているなら、時間がかかっているのは体裁ではなく説明のほうです。定例の説明や新人向けの説明のように、スライドの内容が大きく変わらない場面では、スライドに原稿を付けて動画にしておくと、同じ説明を繰り返す手間を減らせます。Video Craftは、PowerPointやPDFの資料にナレーション原稿を付けて動画にでき、原稿を直すだけで更新できるサービスです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. パワーポイントでデザインを入れるにはどうすればよいですか?

A. 「デザイン」タブでテーマを選び、バリエーションで色とフォントを調整します。内容を入れたあとは「デザインの提案」で1枚ずつレイアウトの候補を確認し、共通のフォントやロゴの位置は「表示」タブのスライドマスターで固定します。

Q2. パワーポイントでおすすめのデザインはありますか?

A. 用途と読み手によって変わるため、唯一のおすすめはありません。基本は、余白が多くシンプルなテーマを選び、色は3色を基本にして内容を主役にすることです。投影する資料は文字を減らして図を大きく、配布する資料は文章で論理をつなぐ形にします。

Q3. パワーポイントのデザインはどこにありますか?

A. 「デザイン」タブに、テーマ、バリエーション、デザインの提案があります。新しい資料を始めるときは、「ファイル」の「新規」でもテーマを選べます。全スライド共通の設定は、「表示」タブの「スライドマスター」にあります。

Q4. パワーポイントで無料でデザインを作成できるものはありますか?

A. PowerPointに付属のテーマのほか、Microsoftが公開している無料のPowerPointテンプレートのページがあります。民間のテンプレート配布サービスを使う場合は、利用規約で商用利用の可否やクレジット表記の要否を確認してください。

Q5. デザインの提案が表示されないときはどうすればよいですか?

A. デスクトップ版はMicrosoft 365のサブスクライバー向けの機能で、インターネット接続が必要です。1枚のスライドだけを選んでいるか、PowerPointに付属のテーマを使っているか、図形やテキストボックスを描画していないかを確認してください。

Q6. スライドに参考文献や出典はどこに載せればよいですか?

A. 根拠を示すスライドの下端に小さく出典を書き、数が多い場合は最後に参考文献のスライドをまとめます。他者の著作物を引用する場合は、出所を合理的な方法で明示することが著作権法で定められています。

まとめ

パワーポイントのデザインは、機能の使い分けと、内容を主役にするルールの組み合わせで整います。押さえておきたいポイントは次の4つです。

  1. 全体はテーマとバリエーション、共通ルールはスライドマスター、1枚ごとはデザインの提案と、機能を使い分ける
  2. 提案が出ないときは、Microsoft 365のサブスクライバーか、インターネット接続、付属のテーマか、図形を描画していないかを確認する
  3. 1スライド1メッセージ、3色の配色、余白とそろえを基本に、投影用と配布用を分けて作る
  4. 同じ説明を繰り返しているなら、整えた資料を動画にして使い回す方法も、資料で確認して検討する

まずは次に作る資料で、テーマとスライドマスターを先に決めるところから始めてみてください。それだけでも、あとからの手直しは減らせます。

参考文献

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