【令和8年度版】業務改善助成金をわかりやすく徹底解説!|申請はいつからいつまで?

Check!

  • 業務改善助成金は中小企業・小規模事業者が利用できる
  • 令和8年度からの変更点が理解できる
  • 申請条件・受給金額の目安がわかる

業務を効率化できるITツール導入をサポートする補助金は「デジタル化・AI導入補助金」がメジャーですが、業務改善助成金を利用することも可能です。本記事では、業務改善助成金について詳しく解説します。デジタル化・AI導入補助金との違いや、導入できる業務効率化ツールもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ビジネスコンシェルジュ編集部

編集部

この記事の編集者

ビジネスコンシェルジュ編集部

ビジネスコンシェルジュは、国内シェアNo.1ドメイン公式登録サービス「お名前.com」が個人事業主・中小企業の方々に向けて、ビジネス効率化がより身近になる情報をお届けするメディアです。

詳しくはこちら

目次

開く

閉じる

  1. 業務改善助成金の基本情報
  2. 申請できる事業者の条件
  3. 受給できる金額と助成率の仕組み
  4. 助成対象となる経費の種類
  5. 令和8年度の申請スケジュールと手続きの流れ
  6. 業務改善助成金とデジタル化・AI導入補助金は併用できる

業務改善助成金の基本情報

業務改善助成金は、厚生労働省が実施する中小企業・小規模事業者向けの支援制度です。個人事業主も、雇用している従業員がいれば利用可能です。従業員の最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上のための設備投資を行うと、その費用の一部が助成されます。

この制度の背景には、日本全体の賃金水準の底上げと、中小企業の競争力強化という2つの政策目標があります。単に賃金を上げるだけでなく、業務効率化による収益改善を通じて、持続可能な賃上げを実現する仕組みとなっています。

【最重要】2026年度の制度変更

業務改善助成金制度は、2026年度(令和8年度)から重要な変更がいくつか行われています。業務改善助成金を理解する上で、最も重要なポイントです。申請を検討している事業者は、これらの情報を必ず確認しておきましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

申請受付期間の変更内容

2026年度から、申請受付開始日が9月1日に統一されました。従来は通年で受付を行っていましたが、地域別最低賃金の改定時期に合わせた変更となります。

申請期限は、地域別最低賃金の発効日前日または11月末日のいずれか早い方となります。地域によって最低賃金の発効日が異なるため、早めの準備が重要です。

コース区分の再編について

賃金引上げコースが従来の4コース(30円・45円・60円・90円)から、3コース(50円・70円・90円)に再編されました。最低引上げ額が30円から50円に引き上げられたことで、より大幅な賃上げが求められるようになっています。

コース名

最低賃金
引上げ額

引き上げる
労働者数

助成上限額

コース区分

50円コース

50円以上

1人〜10人以上

30万円〜130万円

70円コース

70円以上

1人〜10人以上

40万円〜300万円

90円コース

90円以上

1人〜10人以上

90万円〜600万円

申請タイミングに関する新ルール

2026年度から、賃金引上げは交付申請より後に実施しなければならないルールが明確化されました。従来認められていた事後申請(既に賃上げを実施した後の申請)は不可となります。

この変更により、申請前に賃上げを実施してしまうと助成金を受けられなくなるため、必ず交付申請→交付決定→賃上げ実施の順序を守る必要があります。

申請できる事業者の条件

ここでは、業務改善助成金を受給できるのはどんな事業者かについて解説します。自社が当てはまっているかをチェックしてみましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

企業規模は中小企業・小規模事業者

業務改善助成金の対象は中小企業・小規模事業者に限定されています。企業規模の判定は、業種ごとに資本金または常時使用する労働者数で行われます。資本金または労働者数のいずれか一方が基準を満たしていれば、中小企業として認められます。

業種資本金常時使用する労働者数
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

最低賃金に関する基準

先述の企業規模に加えて、以下の最低賃金に関する基準も満たす必要があります。

  • その事業場で働く労働者の中で最も低い時給「事業場内最低賃金」が、申請年度の地域別最低賃金未満
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がない

以上をクリアした事業者は、工場や事務所などの労働者がいる事業所ごとに申請をすることができます。

不交付事由の例

  • 労働保険料の滞納がある
  • 事業主都合による離職者を発生させている
  • 従業員の賃金を引き下げている

手厚い支援が受けられる特例事業者

特例事業者は、以下の①と②のいずれかに該当する事業者を指します。対象経費が拡大するのは②に該当した場合のみなので、汎用機器等を申請したいなら②をマストで満たす必要があります。

  • ①:事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者
  • ②:原材料費の高騰など社会的・経済的慣行の変化等の外的要因により、申請前最近6か月平均の利益率(売上高総利益率又は売上高営業利益率)が、前年同期に比べ、3%ポイント以上低下している

特例事業者として認定された場合、パソコン・タブレット・スマートフォン等の汎用機器も助成対象となったり、助成率が優遇されたりします。条件を満たさない事業者よりも手厚い支援が受けられるので、該当するかどうかぜひ確認してみてください。

受給できる金額と助成率の仕組み

業務改善助成金制度で受給できる金額がどう決まるか、どんなルールが設定されているかについて詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

助成率の決定要因

助成率は、申請時点の事業場の最低賃金によって決まります。地域別最低賃金が1,050円以上か以下かで、助成率が変化します。

事業場内最低賃金助成率
事業場内最低賃金1,050円未満4/5
事業場内最低賃金1,050円以上3/4

助成上限額の設定ルール

助成上限額は、事業場規模人数・選択するコース・賃金を引き上げる労働者数によって決まります。なお、事業主単位での年間上限額は600万円です。複数の事業場で申請する場合でも、合計で600万円を超えることはできません。

▼事業場規模人数が30人以上の事業者

引き上げる
労働者数

50人コース

70円コース

90円コース

事業場規模人数が30人以上の事業者の上限額

1人

30万円

40万円

90万円

2〜3人

40万円

50万円

150万円

4〜5人

70万円

130万円

270万円

6〜7人

90万円

180万円

360万円

8人以上

110万円

230万円

450万円

10人以上

130万円

300万円

600万円

▼事業場規模人数が30人未満の事業者

30人以上と比較すると、各コース労働者数1人・2〜3人引き上げの場合の上限額が高くなっています。

引き上げる
労働者数

50人コース

70円コース

90円コース

事業場規模人数が30人未満の事業者の上限額

1人

40万円

50万円

100万円

2〜3人

70万円

100万円

240万円

4〜5人

70万円

130万円

270万円

6〜7人

90万円

180万円

360万円

8人以上

110万円

230万円

450万円

10人以上

130万円

300万円

600万円

具体的な支給額シミュレーション

以下は、実際の投資額に対しての支給額を計算したものです。導入したい業務効率化ツールがあれば、以下を参考に計算してみましょう。

投資額100万円
選択コース50円コース
引上げ人数3人
助成率4/5(80%)
計算100万円 × 80% = 80万円
上限額90万円(2~3人の50円コース)
支給額80万円(計算額が上限内のため全額支給)

助成対象となる経費の種類

ここでは、業務改善助成金の対象となる経費について解説します。自社で導入したい業務効率化ツールが対象になるかどうか、ぜひチェックしてみてください。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

対象経費になる9区分

対象となる経費は「生産性向上・労働能率の増進に資する設備投資等」になります。

重要なのは、これらの投資が生産性向上につながることを明確に説明できることです。単なる設備の更新や買い替えではなく、業務効率化や省力化の効果を示す必要があります。助成対象となる経費は、以下の9つの区分に分類されます。

経費区分具体例
①謝金外部講師の講師料金・専門家への報酬など
②旅費講師・専門家の交通費・宿泊費・設備投資のために必要な調査の旅費など
③借損料工事期間中に使用する機器等のレンタル料金・研修会場の利用料金等
④印刷製本費研修テキスト等の印刷費・マニュアルの製品費など
⑤原材料費導入した設備の動作確認に使う材料など
⑥機械装置等購入費POSレジ・勤怠管理システムなど
⑦造作費機会・設備の設置工事費・配線工事費など
⑧経営コンサルティング経費業務フロー改善支援を受けるためのコンサル費用
⑨委託費システム開発委託費・業務改善に必要な業務の外部委託費など

対象外となる経費の注意点

助成対象外となる経費の例は以下の通りです。申請前に必ず確認しましょう。

経費区分理由
単なる経費削減のための投資生産性向上につながらないため
休憩室の整備・福利厚生設備職場環境改善のみを目的としているため
中古品の購入原則として新品のみが対象のため
維持管理・修繕費用設備を元の状態に戻すための費用は、新たな生産性向上につながる投資ではないため
既に購入・契約済みの設備・サービス交付決定後に実施する事業が対象のため
パソコン・タブレット・スマートフォン等の汎用機器業務改善以外の用途にも使用できるため
(特例事業者を除く)

特例事業者における経費制限

特例事業者は、以下の①と②のいずれかに該当する事業者を指します。対象経費が拡大するのは②に該当した場合のみなので、汎用機器等を申請したいなら②をマストで満たす必要があります。

  • ①:事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場に係る申請を行う事業者
  • ②:原材料費の高騰など社会的・経済的慣行の変化等の外的要因により、申請前最近6ヶ月平均の利益率(売上高総利益率又は売上高営業利益率)が、前年同期に比べ、3%ポイント以上低下している

特例事業者として認定された場合、パソコン・タブレット・スマートフォン等の汎用機器も助成対象となります。ただし、既存の機器の買い替えや追加購入は対象外となるため、申請時には現在の保有状況を正確に報告する必要があります。

令和8年度の申請スケジュールと手続きの流れ

業務改善助成金の申請から受給までは、複数の段階を経る必要があります。全体のスケジュールを把握し、計画的に進めることが重要です。ここでは、令和8年度(2026年)の申請スケジュールについてご紹介します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

令和8年度(2026年)の申請期間

令和8年度(2026年)の申請受付期間は以下の通りです。地域によって最低賃金の発効日が異なるため、申請期限も地域ごとに異なります。自社の所在地の最低賃金発効日を必ず確認しましょう。

申請受付開始2026年9月1日
申請期限地域別最低賃金の発効日前日または 2026年11月末日のいずれか早い方

交付申請の手順

交付申請では、以下の書類を準備して都道府県労働局に提出します。

  • 業務改善助成金交付申請書(様式第1号)
  • 事業実施計画書
  • 国庫補助金所要額調書
  • 助成対象経費の見積書の写し(契約予定額が10万円未満の場合を除き、二者以上)
  • 申請前6月分賃金台帳(給与形態によっては、6月分以上の追加提出が発生)
  • 物価高騰等要件に係る事業活動の状況に関する申出書 ※特例事業者のみ
  • その他、審査の参考となる書類

審査から交付決定まで             

申請書類を提出後、都道府県労働局による審査が行われます。審査期間は通常1~2ヶ月程度です。

審査では、生産性向上の取組内容が適切か、賃金引上げ計画が実現可能か、対象経費が適正かなどが確認されます。交付決定の通知を受けるまでは、設備投資や賃金引上げを実施しないようにしてください。

設備導入と賃金引上げの実施

交付決定通知を受け取った後、計画に基づいて設備投資と賃金引上げを実施します。実施期限は2027年1月31日までです。

設備投資と賃金引上げは、交付決定後であれば順序は問いませんが、両方とも事業実施期限内に完了させる必要があります。領収書や契約書、賃金台帳など、実施を証明する書類は必ず保管しておきましょう。

実績報告と入金手続き

事業完了後、30日以内または2027年2月10日のいずれか早い方までに実績報告書を提出します。

実績報告では、実際に支出した経費の証拠書類(領収書、請求書、振込明細等)と、賃金引上げを実施したことを証明する書類(賃金台帳、就業規則等)を提出します。報告内容が審査され、承認されると助成金が指定口座に振り込まれます。入金までの期間は、実績報告提出から通常1~2ヶ月程度です。

業務改善助成金とデジタル化・AI導入補助金は併用できる

ITツール導入に利用できる補助金として有名な「デジタル化・AI導入補助金」は、業務改善助成金と併用で利用することが可能です。ただし、両方の制度で重複して補助・助成を受けることはできません。

例えば、POSレジの導入をしたい場合に、同一のシステムやデバイスをデジタル化・AI導入補助金と業務改善助成金それぞれで申請することは不可です。

販売管理システム導入にデジタル化・AI導入補助金、POSレジの導入に業務改善助成金というような形で、経費をわけで申請するようにしましょう。

まとめ

ここまで、業務改善助成金はについて解説してきました。中小企業・小規模事業者が生産性向上と賃金引上げを同時に実現するための強力な支援制度です。この制度を活用し、従業員の処遇改善と企業の競争力強化を同時に実現しましょう。

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

top