扶養控除申告書とは?必要な人・提出時期・書き方を令和9年分で解説
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- 扶養親族がいなくても原則全員が提出する
- 期限はその年最初の給与支払日の前日まで
- 令和9年分は扶養の所得要件が62万円以下
扶養控除申告書とは、正式には「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」といい、給与を受け取る人が扶養控除などの控除を受けるために勤務先へ提出する書類のことです。勤務先はこの申告書をもとに、毎月の給与から差し引く所得税の計算に使う欄(甲欄または乙欄)を決め、年末調整の計算にも使います。提出が必要なのは、扶養親族がいない人も含め、勤務先から給与を受け取る人の原則全員です。本記事では、提出が必要な人と不要な人、提出時期、令和8年分と令和9年分で変わった名称と所得要件、欄ごとの書き方、提出しなかった場合の影響、そして担当者向けの回収と保管の進め方まで、国税庁の資料に沿って整理します。
申告書の回収と年末調整、どこから見直す?2問で診断
Q1. いま、扶養控除申告書をどのように集めていますか?
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扶養控除申告書とは?役割と甲欄・乙欄の違い
扶養控除申告書とは、給与を受け取る人が扶養控除などの人的控除を勤務先に申告する書類で、毎月の源泉徴収税額と年末調整の計算の土台になります。
正式な名称は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。国税庁は、給与所得者が給与について扶養控除などの諸控除を受けるために行う手続として案内しています(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統合した様式なので、所得税と住民税に関する事項を1枚で勤務先に伝えられます。
役割は大きく2つあります。1つは、給与や賞与から源泉徴収する所得税の額を求めるとき、税額表のどの欄を使うかを決めることです。申告書を提出している人に支払う給与には源泉徴収税額表の「甲欄」を、それ以外の人に支払う給与には「乙欄」を使い、甲欄は扶養親族等の数に応じて税額を求めます(国税庁タックスアンサーNo.2511)。もう1つは、年末調整で扶養控除などを適用するときの基礎資料になることです。申告書を出さない場合は、月々の源泉徴収で受けられる諸控除が受けられず、年末調整も行われません。
申告書の回収と確認を人手で続けると負担が大きくなる
申告書は、新しく入社した人、家族構成や住所が変わった人、毎年の見直しが必要な人まで、全従業員が対象になります。担当者は、配布、回収、記載内容の確認、前年からの変更の確認、保管までを毎年繰り返します。保管は、申告書の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間と定められています(国税庁タックスアンサーNo.2503)。年末調整全体の流れは、年末調整とは?受けられる控除や必要書類などをわかりやすく解説でも整理しています。
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扶養控除申告書が必要な人・不要な人
扶養控除申告書は、勤務先から給与を受け取る人が原則として提出する書類で、扶養親族がいない人も対象です。日雇賃金などで丙欄が適用される人は提出不要です。
国税庁は、国内で給与の支給を受ける居住者は、源泉控除対象配偶者や扶養親族の有無にかかわらず、原則としてこの申告を行わなければならないと案内しています(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。つまり、提出するかどうかは、扶養する家族がいるかではなく、給与の支払を受けているかで決まります。
提出が必要な人
- 正社員、契約社員、パート、アルバイトなど、勤務先から給与を受け取る人(呼び名ではなく、給与の支払を受けているかどうかで決まります)
- 独身などで扶養親族がいない人(提出しないと、月々の源泉徴収で諸控除が受けられません)
- 年の途中で入社した人(就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出します)
- 学生アルバイト(勤労学生に該当する場合は、その旨を記載し、該当することを証する書類を添えます)
- 派遣社員(給与を支払うのは派遣元の会社なので、提出先は派遣元です。派遣先の会社が受け取る必要はありません)
- 役員(役員報酬を給与として受け取る場合)
提出が不要な人と、提出先が決まっている人
日額表の丙欄が適用される人は、申告書を提出する必要がありません(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。丙欄を使うのは日雇賃金で、パートやアルバイトに日給や時間給で支払う場合でも、あらかじめ雇用契約の期間が2か月以内と決まっていれば丙欄を使います。1か所の勤務先から継続して2か月を超えて給与が支払われた場合、その超える部分は日雇賃金に含まれません(国税庁タックスアンサーNo.2511)。
2か所以上から給与を受けている人は、いずれか1か所の給与の支払者にだけ提出できます。提出していない勤務先の給与は、乙欄で源泉徴収されます。ほかの勤務先に「従たる給与についての扶養控除等申告書」を出している場合は、主たる勤務先の申告書にある「従たる給与についての扶養控除等申告書の提出」の欄に○を付けます。
業務委託契約で報酬を支払う相手は、給与所得者ではないため、扶養控除申告書の回収対象ではありません。給与か報酬かの判断に迷う場合は、税務署や税理士に確認してください。
| 状況 | 申告書の扱い | ポイント |
|---|---|---|
| 勤務先から給与を受け取る(主たる勤務先) | 提出する | 扶養親族がいなくても提出する。出さない場合は乙欄で源泉徴収され、年末調整も行われない |
| 年の途中で入社した | 提出する | 就職後最初の給与の支払を受ける日の前日まで |
| 2か所以上から給与を受けている | いずれか1か所にだけ提出できる | 提出していない勤務先の給与は乙欄。従たる給与の申告書を出した場合は、その旨を欄に記載する |
| 日雇賃金などで丙欄が適用される | 提出不要 | 雇用契約の期間があらかじめ2か月以内のパート・アルバイトなど。2か月を超える部分は対象外 |
| 派遣社員 | 派遣元(給与の支払者)に提出する | 派遣先の会社が回収する必要はない |
提出時期はいつ?入社時・毎年・変更があったとき
扶養控除申告書の提出期限は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までです。中途就職の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出します。
国税庁は、提出時期を次のように案内しています(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。期限は「入社したとき」「毎年」「内容に変更があったとき」の3つの場面で考えると整理しやすくなります。
入社したとき
新しく入社した人は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出します。申告書を提出していない人に支払う給与には乙欄を使うため、初回の給与計算の前に回収できないと、その月の源泉徴収税額が変わります。入社手続きの書類に最初から含めておくと、回収漏れを防げます。
毎年の回収(翌年分)
翌年分の申告書も、翌年最初の給与の支払を受ける日の前日までの提出が必要です。年末調整の書類とあわせて前年のうちに配布して回収しておくと、翌年最初の給与計算に間に合います。国税庁のウェブサイトには、2026年10月19日の時点で令和9年分の様式、入力用PDF、記載例が掲載されています。
内容に変更があったとき
結婚や出産、扶養する親族の増減、氏名や住所の変更などで申告書の内容に異動があった場合は、異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに、異動の内容を記載した申告書を提出します。非居住者である親族について扶養控除や障害者控除を受ける場合は、その年の最後に給与の支払を受ける日の前日までに、親族と生計を一にする事実を記載して提出します。
| 場面 | 提出期限 | 提出する書類 |
|---|---|---|
| 入社したとき(中途就職) | 就職後最初の給与の支払を受ける日の前日 | その年分の申告書 |
| 毎年(翌年分) | 翌年最初の給与の支払を受ける日の前日 | 翌年分の申告書(異動がなければ簡易な申告書も使える) |
| 内容に異動があったとき | 異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日 | 異動の内容を記載した申告書 |
| 非居住者である親族について控除を受けるとき | その年の最後に給与の支払を受ける日の前日 | 生計を一にする事実を記載した申告書 |
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令和8年分と令和9年分で何が変わった?名称と所得要件
令和8年分の申告書では「控除対象扶養親族」が「源泉控除対象親族」に改められ、扶養親族の所得要件は令和8年分の様式で58万円以下、令和9年分の様式で62万円以下と案内されています。
国税庁の記載例には、令和8年分の所得税から、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件の引上げなどの改正が行われているので、記載漏れがないよう注意するよう書かれています(令和9年分の記載例(国税庁PDF))。令和8年分の記載例(令和8年分の記載例(国税庁PDF))でも、記載事項が「控除対象扶養親族」から「源泉控除対象親族」に改正されたと説明されています。
| 項目 | 令和8年分の様式 | 令和9年分の様式 |
|---|---|---|
| 16歳以上の親族の記載欄の名称 | 源泉控除対象親族(記載例に、控除対象扶養親族から改正と記載) | 源泉控除対象親族 |
| 扶養親族の合計所得金額(見積額) | 58万円以下 | 62万円以下 |
| 給与のみの場合の給与収入の目安 | 123万円以下 | 136万円以下 |
| 特定親族(19歳以上23歳未満)の合計所得金額(見積額) | 58万円超100万円以下 | 62万円超100万円以下 |
| 同一生計配偶者の合計所得金額(見積額) | 58万円以下 | 62万円以下 |
| 源泉控除対象配偶者(本人900万円以下の場合の配偶者の見積額) | 95万円以下 | 95万円以下 |
| 給与収入と所得金額の対応(参考表) | 123万円が58万円、160万円が95万円、165万円が100万円 | 136万円が62万円、169万円が95万円、174万円が100万円 |
上の表は、国税庁が令和8年分と令和9年分の記載例に載せている金額を並べたものです。給与のみの場合の給与収入の目安は、記載例の参考表と国税庁タックスアンサーの記載に基づいています。
令和8年分の年末調整で注意したいこと
国税庁タックスアンサーNo.1180は、扶養親族の合計所得金額の要件を58万円以下としたうえで、注記で「令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用される金額は62万円以下」と説明しています。施行日前の適用関係は、国税庁の令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&Aで確認するよう案内されています。
年初に提出された申告書が58万円の基準で書かれていても、年末調整では、令和8年分に適用される基準で扶養の判定を確認する必要があります。58万円を超え62万円以下の親族がいる従業員は、判定が変わる可能性があるため、年末調整の案内で見積額の見直しを促しておくと確認の手戻りを減らせます。最終的な取り扱いは、国税庁の案内や税務署で確認してください。
なお、ここに書いた内容は一般的な情報であり、税務上の個別の判断を示すものではありません。具体的な適用は、国税庁の最新の案内、税務署、税理士にご確認ください。
3サービスの役割を比較表で見る扶養控除申告書の書き方|欄ごとのポイント(令和9年分の様式)
扶養控除申告書は、基本事項、源泉控除対象配偶者・親族、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生、住民税に関する事項の順に、令和9年中の見積額で記入します。
ここでは、国税庁の令和9年分の記載例(国税庁PDF)に沿って、欄ごとの要点を整理します。金額は、令和9年中の合計所得金額の「見積額」で判断します。令和8年分の申告書を書く場合は、令和8年分の記載例(国税庁PDF)で、年分ごとの数字を確認してください。手書きで訂正するときの流れは、手書きでの年末調整のやり方|流れと手順、修正の仕方や必要書類も解説も参考になります。
1. 基本事項(氏名・住所・個人番号など)
所轄税務署長等の欄には、給与の支払者の所在地を所轄する税務署長と、本人の住所地の市区町村長を記載します。給与の支払者の法人番号または個人番号は、申告書を受け取った給与の支払者が付記するため、本人が記載する必要はありません。本人の個人番号は記載が必要ですが、一定の要件のもとで記載を要しない場合があるため、勤務先に確認します。2か所以上から給与を受けていて、ほかの勤務先に「従たる給与についての扶養控除等申告書」を出している場合は、その欄に○を付けます。
2. 源泉控除対象配偶者・源泉控除対象親族
源泉控除対象配偶者は、本人の令和9年中の合計所得金額の見積額が900万円以下で、生計を一にする配偶者のうち、配偶者の合計所得金額の見積額が95万円以下の人です。青色事業専従者として給与を受ける人と白色事業専従者は除きます。年末調整で配偶者(特別)控除を受けるには、この欄の記載の有無にかかわらず、「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が必要です。
源泉控除対象親族は、生計を一にする親族のうち、次の2つのいずれかに当たる人です。1つは、年齢16歳以上(平成24年1月1日以前生まれ)で、合計所得金額の見積額が62万円以下の人(控除対象扶養親族)です。もう1つは、年齢19歳以上23歳未満(平成17年1月2日から平成21年1月1日生まれ)で、見積額が62万円超100万円以下の人(特定親族)です。青色事業専従者として給与を受ける人と白色事業専従者は、どちらも除かれます。
| 区分 | 年齢の目安(令和9年分の様式) | 合計所得金額(見積額) |
|---|---|---|
| 源泉控除対象親族(一般) | 16歳以上(平成24年1月1日以前生まれ) | 62万円以下 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満(平成17年1月2日から平成21年1月1日生まれ) | 62万円以下 |
| 特定親族 | 19歳以上23歳未満(同上) | 62万円超100万円以下 |
| 老人扶養親族 | 70歳以上(昭和33年1月1日以前生まれ)。本人または配偶者の直系尊属で同居を常況としている場合は「同居老親等」、それ以外は「その他」にチェックする | 62万円以下 |
非居住者である親族は、年齢によって追加の要件があります。年齢30歳以上70歳未満の場合は、留学により国内に住所と居所がなくなった人、障害者、または本人から生活費や教育費として年38万円以上の支払を受ける人のいずれかに当たる必要があり、親族関係書類や送金関係書類の添付が必要になる場合があります。
収入が給与のみの人の見積額は、給与の収入金額から換算します。記載例の参考表では、給与の収入金額が136万円なら所得金額は62万円、169万円なら95万円、174万円なら100万円です。年収をそのまま見積額に書かないよう注意してください。
3. 障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生
本人が障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生に当たる場合にチェックを付けます。同一生計配偶者や扶養親族が障害者に当たる場合は、一般、特別、同居特別の区分から選びます。同一生計配偶者は、生計を一にする配偶者で、合計所得金額の見積額が62万円以下の人です。障害者控除の対象となる扶養親族は、源泉控除対象親族と異なり、16歳未満の人も含まれます。一方で、特定親族は扶養親族に当たらないため、本人の障害者控除の対象にはなりません。
障害者または勤労学生の内容欄には、障害の状態、手帳の種類と交付年月日、障害の程度(等級)といった該当する事実を記載します。勤労学生に当たると記載した場合は、該当することを証する書類を添えます。
4. 他の所得者が控除を受ける扶養親族等・住民税に関する事項
「他の所得者が控除を受ける扶養親族等」の欄には、別の所得者(共働きの配偶者など)が控除を受ける親族を記載します。同じ人を複数の人が重複して控除に使わないよう、夫婦などの間で誰の扶養に入れるかを決めてから記入します。
住民税に関する事項では、16歳未満(平成24年1月2日以後生まれ)の扶養親族を記載します。退職手当等の支払を受ける配偶者、扶養親族、特定親族がいる場合は、退職所得を除いた合計所得金額の見積額で判断し、配偶者の場合は133万円以下が目安です。国税庁は、この欄で不明な点は、お住まいの市区町村に確認するよう案内しています。
5. 前年から変更がないときの「簡易な申告書」
記載すべき事項が、前年に勤務先へ提出した申告書から異動がない場合は、記載に代えて異動がない旨を記載した「簡易な申告書」を提出できます。国税庁は、勤務先の指示に基づいて提出する簡易対応様式と記載例も掲載しています(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。簡易な申告書を使えるかどうかは勤務先の運用で決まるため、使う場合は、あらかじめ提出ルールを従業員に案内しておきます。
6. 記入でつまずきやすい点
- 給与収入をそのまま見積額に書いてしまう(収入と所得は別です。記載例の参考表で換算します)
- 16歳未満の子を源泉控除対象親族の欄に書いてしまう(住民税に関する事項の欄に記載します)
- 配偶者(特別)控除を受けるのに「給与所得者の配偶者控除等申告書」を出し忘れる(扶養控除等申告書とは別の書類です)
- 特定親族を本人の障害者控除の対象として書いてしまう(特定親族は扶養親族に当たりません)
- 前の年分の様式を使い回す(年分ごとに名称や所得要件が異なります。令和9年分の様式では扶養親族の所得要件は62万円以下です)
書き方を一通り確認したところで、自社の回収と確認の進め方も点検してみましょう。毎年の作業を振り返るためのセルフチェックです。
扶養控除申告書の回収と確認、今のやり方は大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
提出しないとどうなる?従業員と会社への影響
扶養控除申告書を提出しないと、月々の源泉徴収で受けられる諸控除が反映されず、年末調整も行われないため、従業員の税負担と会社側の手間の両方が増えます。
従業員への影響
- 月々の給与から源泉徴収される所得税に、扶養控除などの諸控除が反映されません(乙欄で計算されます)
- 年末調整が行われません。控除の精算は、本人が確定申告で行うことになります
- 本人が障害者、ひとり親、勤労学生などに当たる場合の申告も、この申告書で行う書類のため、申告できなくなります
会社への影響
申告書を提出していない人には乙欄で源泉徴収する必要があり、提出者と未提出者で計算の方法が分かれます。未提出者の把握と催促、後から提出された場合の取り扱いの確認、年末調整時の抜け漏れの確認が、担当者の仕事として積み上がります。提出された申告書は、7年間の保存が必要です(国税庁タックスアンサーNo.2503)。年末調整で使うほかの書類との違いは、年末調整で提出すべき書類とは?年末調整ソフトについても解説で整理しています。
提出を促すときのポイント
- 配布するときに、提出期限と、提出しない場合に乙欄で源泉徴収される点を案内する
- 国税庁の記載例を添えて、記入のつまずきを減らす
- 前年から変更がない人には、簡易な申告書を案内する(勤務先の指示に基づいて提出します)
- 提出状況を一覧にして、未提出者に期限前から個別に連絡する
未提出者の催促や記載内容の確認を毎年繰り返している会社では、給与計算と年末調整を同じ仕組みで進められるかどうかが、サービスを比べるときの観点になります。商品ページでは、jinjer株式会社が提供するジンジャー給与が、給与計算と年末調整、賞与計算、Web明細の発行に対応していると紹介されています。
扶養控除申告書の回収・保管を効率化する3つの方法
扶養控除申告書の回収と保管は、紙で配布して回収する方法、PDFやExcelで回収する方法、システムで電子的に回収して保存する方法の3つに大きく分けられます。
どの方法でも、受け取った申告書は源泉徴収義務者が保存します。所轄税務署長が提出を求めるまでの間は、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間、保存する必要があります(国税庁タックスアンサーNo.2503)。
紙で配布して回収する方法
全員に同じ様式を配れ、パソコンやスマートフォンに不慣れな人にも渡しやすい方法です。一方で、記入漏れや書き間違いは、担当者が1枚ずつ目で確認して差し戻すことになります。回収後は、氏名や扶養親族の情報を給与計算や年末調整のデータに転記する作業が必要で、保管場所や持ち出しの管理も担当者の仕事です。申告書には本人と親族の個人番号を記載するため、施錠できる場所で保管するなど、安全管理のルールを決めておきます。
PDFやExcelで回収する方法
国税庁のウェブサイトには、入力用のPDFも掲載されています(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。メールで配布して回収すれば、紙の配布と持ち運びはなくなります。ただし、返信された内容を担当者が手入力で集計して転記することになり、個人番号を含むファイルがメールで行き交う点には注意が必要です。送付方法とアクセス制限のルールを社内で決めておきましょう。
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システムで電子的に回収して保存する方法
源泉徴収義務者が一定の要件を満たす場合は、書面の提出に代えて、申告書に記載すべき事項を電子データで提供してもらうことができます。提供された電子データも、書面で提出された申告書と同様に保存します(国税庁タックスアンサーNo.2503)。国税庁は、年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)を使えば、扶養控除等申告書を簡便かつ正確に作成できるとも案内しています(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。
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3つのサービスの違いと、選ぶときの観点
比較表で並べた3つのサービスのうち、残る2つを紹介します。
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ジンジャー導入事例(社会福祉法人西春日井福祉会。人事・給与・ワークフローを利用) 出典:導入事例ページ
3つのサービスを比べるときは、次の観点で資料を確認すると、自社に合うかどうかを判断しやすくなります。
- 回収できる書類の範囲(扶養控除等申告書のほか、保険料控除申告書や基礎控除申告書などをどこまでWebで集められるか)
- 今使っている給与計算ソフトとのつながり(CSVやPDFでの出力、連携の有無)
- 導入から運用開始までの期間(年末調整の時期に間に合うか)
- 令和8年分・令和9年分のように要件や様式が変わった年の更新の進め方
- 導入後のサポートの範囲
毎年の回収、確認、保管にかかる手間が負担になっている場合は、資料を取り寄せて、自社の運用がどう変わるかを比べてみてください。3つのサービスの資料は、1回の入力でまとめて請求できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 扶養控除申告書とは何ですか?誰が出すのですか?
A. 扶養控除申告書とは、正式名称を「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」といい、給与を受け取る人が扶養控除などの控除を受けるために勤務先へ提出する書類です。国内で給与の支給を受ける居住者は、扶養親族の有無にかかわらず原則として提出します。複数の勤務先から給与を受けている場合は、いずれか1か所にだけ提出できます。
Q2. 扶養控除申告書はどこでもらえますか?
A. 通常は勤務先から配布されます。国税庁のウェブサイトの「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」のページにも、令和8年分と令和9年分の様式、入力用PDF、記載例が掲載されています。書き方で迷う場合は、勤務先の経理や総務の担当者に確認してください。
Q3. 扶養控除申告書を出さなくてもよい人はいますか?
A. 日額表の丙欄が適用される日雇賃金などの人は、申告書を提出する必要がありません。2か所以上から給与を受けている場合は、提出するのは1か所だけで、ほかの勤務先には出しません。扶養親族がいないだけでは、提出が不要にはなりません。
Q4. 扶養控除申告書を提出しないとどうなりますか?
A. 月々の源泉徴収で受けられる諸控除が受けられず、年末調整も行われません。申告書を提出していない人に支払う給与には乙欄が使われます。年末調整が行われない場合、控除の精算は本人が確定申告で行うことになります。
Q5. 令和9年分の申告書では、扶養親族の所得要件はいくらですか?
A. 令和9年分の様式では、扶養親族は令和9年中の合計所得金額の見積額が62万円以下の人です。給与のみの場合は、給与収入136万円が所得62万円に当たります。令和8年分の様式では58万円以下とされ、国税庁は令和8年分から適用される金額を62万円以下と案内しています。
Q6. 扶養控除申告書は電子データで提出・保存できますか?
A. 源泉徴収義務者が一定の要件を満たす場合は、書面の提出に代えて、記載すべき事項を電子データで提供してもらうことができます。電子データも、書面と同様に、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存します。要件の詳細は、国税庁の案内か税務署で確認してください。
まとめ|扶養控除申告書で押さえたい6つのこと
扶養控除申告書は、給与を受け取る人が勤務先に提出し、毎月の源泉徴収と年末調整の土台になる書類です。押さえたいことは、次の6つです。
- 扶養控除申告書は、給与を受け取る人が原則として勤務先に提出する書類で、扶養親族がいない人も対象になる
- 提出期限は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日まで。入社時、毎年、内容に変更があったときの3つの場面で提出する
- 令和8年分から「源泉控除対象親族」に名称が変わり、扶養親族の所得要件も見直されているため、年分に合った様式で確認する
- 書き方は、基本事項、源泉控除対象配偶者・親族、障害者・寡婦などの該当事項、住民税に関する事項の順に、国税庁の記載例と見比べて進める
- 提出しない人には乙欄が使われ、諸控除が受けられず年末調整も行われないため、配布するときに期限と影響を周知する
- 回収、確認、保管の手間が毎年大きいなら、年末調整の書類回収や給与計算を扱うサービスの資料を請求して、自社の運用に合うかを比べる
参考文献
- 国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2511「税額表の種類と使い方」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2511.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2503「給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2503.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm
- 国税庁「令和9年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/2027bun_01.pdf
- 国税庁「令和9年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 記載例」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/pdf/309.pdf
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 記載例」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/309.pdf
- freee「freee導入で年末調整にかかる作業が5分の1になりました」https://www.freee.co.jp/cases/n1system/
- ジンジャー「社会福祉法人西春日井福祉会 導入事例」https://hcm-jinjer.com/results/165208/
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