SaaS型ERPとは?メリットやオンプレミス型との違いを解説

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  • SaaS型ERPは、ベンダーが提供するシステムをインターネット上で利用するERP
  • SaaS型ERPは契約後すぐに利用開始でき、運用・保守の負担軽減も可能
  • SaaS型ERPを選ぶ際は、料金体系やセキュリティレベルなどを十分に確認する

SaaS型ERPとは、インフラやアプリケーション一式をベンダーがクラウドサービスとして提供するERPのことです。SaaS型ERPの導入で、社外からでもアクセスが可能になります。本記事では、SaaS型ERPの概要やメリット、オンプレミス型との違い、導入のポイントなどを解説します。

目次

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  1. SaaS型ERPとは
  2. SaaS型ERPと他タイプのERPの違い
  3. SaaS型ERPを導入するメリット
  4. SaaS型ERPを導入するデメリット
  5. SaaS型ERPがおすすめの企業
  6. SaaS型ERPを選定する際のポイント
  7. まとめ
  8. タイプ別|ERPシステムおすすめ
  9. 経営業務をさらに効率化!関連サービスはこちら

SaaS型ERPとは

SaaS型ERPとは、ベンダーが提供するシステムをインターネットを介して利用できる、クラウド型のERPシステムのことです。

近年では、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる、インターネット環境があればソフトウェアを手軽に利用できるサービスの普及が進んでいます。

これまでのERPシステムは、オンプレミス型が主流でしたが、クラウド上で利用できるSaaS型を導入する企業が増えています。SaaS型ERPシステムを活用することで、ヒト・モノ・カネといった、企業の経営資源における一元管理が可能です。

SaaS型ERPの種類

SaaS型ERPには、パブリッククラウド型ERPとプライベートクラウド型ERPの2種類があり、それぞれインフラ環境やセキュリティ面で違いがあります。以下では、各SaaS型ERPの特徴を紹介します。

パブリッククラウド型ERP

パブリッククラウド型ERPとは、ベンダーが提供するサーバー環境でシステムを利用するタイプのERPシステムです。ベンダーが構築しているサーバーをクラウド環境で利用することになるため、他社と共同のインフラ環境で運用します。

インフラ環境の構築を自社で行う必要がなく、インターネット環境さえあればERPシステムを利用することができます。導入時の初期費用を抑えることができたり、インフラ環境の管理を行う必要がなかったりと、導入ハードルの低さが特徴です。

プライベートクラウド型ERP

プライベートクラウド型ERPは、ベンダーが提供する自社専用のサーバー環境を利用できるERPシステムです。クラウド環境ではあるものの、他社とのインフラ環境の隔離が可能です。

そのため、セキュリティの安全性を担保できます。また、自社専用のサーバー環境であるため、自社の業務特性に合わせてカスタマイズ可能な利便性の高さも特徴です。

SaaS型ERPと他タイプのERPの違い

ERPシステムには、SaaS型以外にもPaaS型ERPやIaaS型ERP、オンプレミス型ERPがあります。ERPシステムは、タイプごとにサーバー環境やカスタマイズ性などに違いがあるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

ここでは、他タイプのERPとの違いを解説します。

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PaaS型ERPとの違い

PaaS型ERPでは、ERPシステムのインフラ環境についてはベンダーが提供するクラウド環境を利用し、ソフトウェアは自社で導入して管理を行います。

ソフトウェアを自社で管理することになるため、自社の業務特性に合わせて柔軟にカスタマイズできるのがメリットです。さらに、IT環境に柔軟性を持たせられるため、自社の要件に合った環境を構築できます。

SaaS型ERPと比較すると、カスタマイズ性の高さが大きな違いです。

IaaS型ERPとの違い

IaaS型ERPは、インフラ全体をベンダーから調達し、自社でERPシステムを構築・運用する形態です。サーバーやネットワークなどのインフラをクラウド上で構築し、ERPシステムのすべてを自社で管理します。

特定の業界や企業に適した要件を、自由にカスタマイズできるのが利点です。PaaS型ERPと似ていますが、PaaS型はソフトウェアのカスタマイズに重点を置き、IaaS型はインフラ全体を自社で管理する点に違いがあります。

また、PaaS型ERPよりもカスタマイズ性が高いです。

オンプレミス型ERPとの違い

オンプレミス型ERPは、自社でサーバー環境の構築からソフトウェアの導入管理までを行うタイプのERPシステムです。ベンダーから購入するタイプと、1から開発を依頼して、ベンターの協力で環境を構築するフルスクラッチのタイプがあります。

オンプレミス型ERPの大きな魅力は、カスタマイズ性の高さです。PaaS型ERPよりもカスタマイズ性が高く、自社の業務特性に最適化しやすいです。また、自社内ですべての環境を管理するため、セキュリティ対策も強固になります。

SaaS型ERPを導入するメリット

SaaS型ERPはクラウド環境で利用でき、使い勝手が良いのが特徴です。リモートワークへの対応が可能になったり、海外拠点とも連携ができたりといったメリットがあります。

また、導入ハードルが低く、運用コストを抑えられるのも利点です。ここでは、SaaS型ERPを導入するメリットを解説します。

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外出・テレワークへの対応

SaaS型ERPの導入で、さまざまな業務を社外で行ったり、テレワークに対応したりすることが可能になります。SaaS型ERPはクラウド環境でシステムを稼働させるため、インターネットがつながる環境であれば、場所を問わずに利用できます。

また、システムメンテナンスで夜間は利用できないといった時間的な縛りも少ないため、リモートワークや在宅勤務などの働き方に適応しやすいです。そして、リモート環境で運用することによって、働き方改革の推進にも役立つといったメリットもあります。

リアルタイムな業務の可視化

SaaS型ERPでは、クラウド上で全社のデータが一元管理されるため、売上や在庫、経費などの情報をリアルタイムで把握できます。これにより、従来は報告書や手作業で確認していた業務状況も即座に反映され、経営判断と改善施策を迅速に行うことが可能です。

また、社内の各部門やプロジェクト単位での進捗状況もリアルタイムに可視化できるため、情報共有の遅れによる意思決定の停滞を防ぎつつ、部門間の協働を円滑に進められます。

低コスト・短期間での導入

SaaS型ERPは、低コストかつ短期間で導入できるのも特徴です。SaaS型であるため、インターネット環境さえつながっていれば利用できます。

SaaS型ERPシステムは基本的にパッケージ型のサービスであり、サーバー環境を構築したり、ソフトウェアを導入したりする手間がかかりません。さらに、インターネット環境さえ整備すれば運用を開始できるため、導入ハードルが低いのが魅力です。

運用・保守の負担軽減

SaaS型ERPを導入した後に必要となる運用・保守は、基本的にベンダー側が行うため、自社での運用・保守に負担がかかりません。一般的に運用・保守ではセキュリティ対策・ハードウェアの更新・ソフトウェアの更新等の作業が必要になります。

どの作業も専門的な知識が求められ、自社で作業を行う場合は負担が大きくなります。SaaS型ERPは、導入後の管理や維持にかかる企業負担を抑えて利用可能です。

海外拠点との連携

SaaS型ERPは、クラウド環境で利用可能なERPシステムのため、海外の拠点でも問題なく利用でき、連携もしやすいです。また、SaaS型ERPの中には、外国語や海外通貨への対応が可能なシステムもあります。

海外の拠点と連携することで、現地の状況をリアルタイムで確認できるため、組織全体のガバナンス強化にもつながります。

セキュリティ対策

SaaS型ERPを提供するベンダーは、クライアントの情報流出を防ぐために、セキュリティ対策に力を入れていることが多いです。SaaS型ERPを導入することにより、セキュリティ対策にも役立ちます

万が一、クライアントの情報漏洩や、セキュリティの安全性が担保されないという事象が発生すると、ベンダー側の事業リスクにつながります。そのため、ベンダーはセキュリティ対策にコストをかけています。

特に、自社でセキュリティ対策に注力できない企業の場合、SaaS型ERPを導入することでセキュリティリスクを低減できるでしょう。

SaaS型ERPを導入するデメリット

SaaS型ERPを導入することでさまざまなメリットが得られますが、オフライン環境で利用できない・カスタマイズ性が低いといったデメリットもあります。ここでは、SaaS型ERPのデメリットを解説します。

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カスタマイズ性が低い

SaaS型ERPは、基本的にパッケージ化されたサービスであることから、カスタマイズ性が低いです。初期費用や導入のハードルが低い反面、標準化されたERPを導入することになります。

ERPは自社の業務特性に合わせてカスタマイズすることで、より高い利便性を発揮できますが、SaaS型ERPではカスタマイズが不可能です。そのため、既存の業務内容や業務フローへの最適化が難しい場合があります。

ただし、SaaS型ERPの中には、業界特化型やカスタマイズ性が比較的高いシステムも存在するため、自社の業務特性に適しているシステムを選ぶようにしましょう。

インターネットがないと利用できない

SaaS型ERPはクラウド環境で稼働するため、場所を選ばずに利用できます。しかし、インターネットにつながらないと利用できないというデメリットもあります。

基本的に、外出先やリモート環境でもアクセスは可能ですが、そもそもインターネット環境がなければ使えません。そのため、インターネット環境に障害が発生してしまうと、業務が滞ってしまう可能性がある点には注意が必要です。

インフラ環境に何か問題が発生した場合に備えて、予備のインフラ環境を準備しておくと良いでしょう。

データ移行の難易度に差がある

既存のオンプレミス型ERPや個別システムからSaaS型ERPに移行する場合、データの形式・量・精度によって移行作業の難易度が変わります。特に、過去の取引データや履歴情報を正確に移行するためには、前処理・マッピング・テストが必要です。

その他、複数システムを統合して移行する場合、整合性の確認と重複データの整理も重要なポイントとなります。そのため、事前に移行計画を立てて、必要なリソースと期間を十分に確保することが大切です。

SaaS型ERPがおすすめの企業

SaaS型ERPは、企業によって求める要件が異なります。SaaS型ERPには、パブリッククラウドとプライベートクラウドの2種類がありますが、どちらもクラウド環境で利用できる点は同じです。

しかし、セキュリティの強度やコスト、カスタマイズ性に違いがあるため、自社の業務特性と予算に合わせてシステムを選ぶと良いでしょう。SaaS型ERPの導入がおすすめな企業には、以下のような特徴が挙げられます。

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コストを抑えて業務を効率化したい中小企業

SaaS型ERPは、ERPを使って業務効率化やセキュリティ対策を強化していきたい中小企業におすすめです。中小企業では人手不足の問題を抱えていることが多く、業務効率化や生産性向上が課題であることが多いでしょう。

SaaS型ERPであれば、初期費用を抑えながら短期間で導入することができ、導入後の運用コストも抑えられることから、中小企業におすすめです。

さらに、SaaS型ERPはセキュリティ面でも優れているため、社内で取り扱うさまざまな情報に関するトラブルのリスクを抑えることもできます。

ベンチャー企業やスタートアップ企業

ベンチャー企業やスタートアップ企業のような、成長段階にある企業にもSaaS型ERPがおすすめです。オンプレミス型でシステムを構築した場合、将来的な事業拡大時に規模に合わせたシステムを再度構築することになり、時間とコストがかかってしまいます。

ビジネスの成長に伴って必要な機能は変化するため、必要な段階で随時機能を追加していけるSaaS型ERPが適しています。SaaS型ERPなら、事業の成長スピードに対応しつつコストも抑えられます。

子会社と別のERPを使用したい企業

中小企業や大企業を含め、子会社や関連会社を運営する企業の場合、本社と子会社ではERPに求める要件が異なる場合が多いです。その場合、本社ではPaaS型ERPを利用し、子会社ではSaaS型ERPを利用する使い方がおすすめです。

自社の要件に合った環境を本社で構築し、子会社では低コストで運用費を抑えながらERPを活用します。複数の拠点でERPを使用したい場合には、別のERPを併用して運用していく方法もおすすめです。

SaaS型ERPを選定する際のポイント

SaaS型ERPは、システムによって特徴があります。導入にかかるコストや導入後の支援体制など、自社にマッチしたERPシステムを選定することが大切です。ここでは、SaaS型ERPを選定する際のポイントについて解説します。

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上場企業での導入実績を確認

SaaS型ERPの導入では、上場企業での導入実績があるかを参考にするのがおすすめです。上場企業がERPシステムを利用する際は機能面だけでなく、内部統制やガバナンスの強化を目的とした導入が多いです。

そのため、上場企業での導入実績があるSaaS型ERPは、内部統制のIT統制要素に対応できる機能要件を満たしている可能性が高いです。中小企業で導入する場合でも、内部統制の強化につながるため、導入実績を参考にすると良いでしょう。

コスト・料金体系を確認

SaaS型ERPを導入する前に、料金体系とコストをしっかり確認するようにしましょう。料金体系としては、月額料金制や従量課金制のサービスが多く、初期費用が高くなるのか、毎月のランニングコストが高くなるのかといった違いがあります。

また、単純に料金だけを比較するのではなく、費用対効果をしっかりシミュレーションすることも重要です。SaaS型ERPの導入によってさまざまなメリットが得られますが、自社の業務特性に合っていなければ導入するメリットが減ってしまいます。

サポート体制・セキュリティ対策を確認

SaaS型ERPを導入する際は、サービス提供元のベンダーが信頼できるのかも重要なポイントです。SaaS型ERPはベンダーが提供するクラウド環境でシステムを利用し、システムトラブル時の復旧対応やセキュリティ対策はベンダーに依存します。

万が一、システムトラブルでERPが利用できなくなってしまうと、自社の根幹をなす業務が滞ってしまうリスクがあります。費用が安くてもサポート体制が不十分であれば、自社の業務に与える影響も増大するため、ベンダーのサポート体制を十分に確認しましょう。

まとめ

SaaS型ERPは、インフラ環境やソフトウェアをベンダーが提供するクラウド型のERPのことです。SaaS型ERPを導入することで、外出先や自宅からでもアクセスが可能になり、多様な働き方にも適応しやすいといえます。

SaaS型ERPはコストを抑えながら短期間で導入できるため、人手不足に困っている企業や生産性向上に取り組んでいる企業におすすめのサービスです。しかし、カスタマイズ性の低さやオフラインで利用できないといったデメリットもあります。

サービスを選定する際は、料金体系や導入実績、サポート体制等の観点から自社にマッチしたサービスを選ぶようにしましょう。

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