契約書レビューに使えるWordの機能|Wordの利便性と注意点を解説
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- Wordは多くの企業で使用され、使い慣れていることから契約書作成にも使用される
- Wordで契約書を作成する際は、フォントやフッターなどに関する基本ルールがある
- 契約書作成・レビューする際のWord機能は複数あるため、活用にはスキルが必要
契約書はWordで作成されることが多く、契約書レビューにもWordのスキルが求められます。本記事では、契約書をWordで作成する理由と基本ルール、契約書レビューに役立つWordの機能を解説し、契約書レビューをする際の注意点についても紹介します。
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契約書レビュー業務にはWordスキルが必要

ビジネス環境において頻繁に取り扱われる契約書は、作成にWordが使用されるケースが多いです。そのため、企業法務担当者にとってWordは不可欠なツールであり、契約書の作成やレビューにおいて大きな役割を果たします。
Wordにはさまざまな機能が備わっているため、契約書のレビューや作成に活用できる機能を選定し、操作の基本から応用までを習得する必要があります。Wordの機能を十分に活用することは、効率的な法務遂行に繋がるでしょう。

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契約書をWordで作成する理由
Wordはその使いやすさから、多くの企業の法務部門で採用されています。文書作成における柔軟性と操作性が高いため、体裁の整った契約書を効率よく作成できることが大きな理由の一つです。
また、複数の関係者がおなじ文書を編集することもでき、変更履歴の追跡機能があるため、誰が何を変更したかを確認可能で、透明性が確保されます。
加えて、Wordは多くのユーザーが既に使い慣れており、トレーニングや教育の負担が少ないという点もWordが選ばれる理由でしょう。
無料のテンプレートも利用可能
Wordではさまざまな無料テンプレートが用意されており、契約書作成向けのテンプレートも利用できます。インターネット上でダウンロードできるWord用のテンプレートも多数あり、一から作る手間を省けるため便利です。
契約書の具体的な記載内容は、個々の取引によって大きく異なるため、テンプレートにある条項をそのまま採用することはできませんが、体裁を整えるという意味では非常に有用です。
Wordで契約書を作成・レビューする際のおすすめ機能

契約書の作成やレビューは、Wordの多彩な機能を活用することで、より効率的かつ正確に行うことができます。以下で、Wordで契約書を作成・レビューする際におすすめの、12の機能について解説します。
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Wordで契約書を作成・レビューする際のおすすめ機能
コメント機能
コメント機能では、特定の箇所にコメントを追加でき、修正や提案に関する情報を明確に記録します。他のユーザーとのコラボレーションもしやすく、コメントへの返信や議論も簡単に行うことができます。
コメントのやり取りによって、契約書の変更点や提案の理由を透明化し、スムーズなコミュニケーションをすることが可能です。コラボレーションの効率を高め、契約書の品質を向上させるためには、コメント機能を積極的に活用しましょう。
変更履歴機能
変更履歴機能をオンにしておけば、変更箇所がひと目でわかります。どこをどう変更したかが明確になり、レビュー後の確認もしやすくなります。
また、複数の関係者が文書にアクセスして変更を行うこともできるため、協力作業が効率的に行えるでしょう。
比較機能
比較機能は、元の文章と修正後の文章を比較できる機能です。 元の文章と修正後の文章を比較することで、どの部分が変更されたのか、また変更の妥当性などをチェックしやすくなります。
仮に変更履歴やコメントを残さずに変更を行った場合でも、比較機能を使用すれば簡単に確認作業を進められます。
新しいウィンドウを開く機能
新しいウィンドウを開く機能は、同じ契約書の異なる箇所を同時に表示・編集できる機能です。この機能を使えば、契約書の条件や内容を編集しながら、他の部分も同時に見ることで一貫性を保てます。
例えば、1つのウィンドウで契約書の冒頭にある「定義」を確認しながら、もう1つのウィンドウで各条項を見れば、誤りを減らして作業の効率を向上させることができます。特に、契約書の複雑な部分や大規模な文書で役立つ機能です。
エディター機能
エディター機能は、文書内の誤字脱字や、文法・スタイルの間違いを指摘し、修正の提案を行ってくれる機能です。文章の内容までは踏み込めませんが、日本語やテキスト設定の誤り、冗長なフレーズなどについて適切な表現に改善してくれます。
目視では見落としやすい誤りも瞬時に表示してくれるので、契約書に求められる正確性と一貫性を確保するための大きな助けとなるでしょう。
タブ機能
タブは文書内のテキストを縦に整列させたり、特定の情報を列ごとに整理できる機能です。契約書内の情報をわかりやすく整理し、読み手に迅速かつ効果的に伝えることができます。
なお、タブの設定や調整が煩雑になる可能性があるため、文書構造をよく考えて使用しましょう。また、異なるバージョンのWordで開いた際にレイアウトが崩れる場合があることから、互換性にも注意が必要です。
アウトライン機能
アウトライン機能は、文書の階層構造を整理し、情報を体系的に表示する機能です。この機能を活用すると、文書内のセクションやサブセクションを階層的に整理でき、複雑な情報でも見やすく表示されます。
見出しやタイトルを使って文書の概要を作成し、読者に重要なポイントを強調することが可能です。特に大規模な文書では効果的で、情報の整理と理解を容易にします。
改行と段落
改行と段落は、契約書作成とレビューに欠かせない機能です。改行は文章内の行末における行の区切り、段落は文章の区切りを示します。改行は内容の小さな区切りに、段落は大きなテーマやアイデアの区切りに使用します。
改行と段落を適切に設定することで、契約書の構造を明確にし、読み手に内容をわかりやすく伝えられます。
インデント機能
インデント機能では、段落の頭部や行末にスペースを調整できます。この機能を使用すると、契約書内のテキストの配置を整え、視覚的な整合性を維持できます。また、箇条書きや番号付きリスト、引用文などの異なる文体を区別するのにも便利です。
注意点としては、過度なインデントや無駄なスペースは文書を混乱させる原因となります。また、異なるWordバージョンでの互換性にも気をつけましょう。
ルーラー機能
ルーラーは、文書内の水平と垂直の余白と配置を表示し、フォーマットを調整するツールです。文書内のテキストやオブジェクトの位置、マージン、インデント、タブを精密に調整できます。
また、ルーラーを使うことで、契約書の見栄えを向上させることができます。例えば、段落のインデントや行間隔を微調整し、テキストや署名の配置を正確に行うことが可能です。
書式コピー機能
書式コピー機能では、既存のテキストや段落に適用されている書式設定を簡単に他の箇所に適用できます。フォント、スタイル、インデント、リストなどの書式設定を一括してコピーすることが可能です。
書式コピーを適切に活用すれば、契約書内で一貫性を維持し、フォーマットの統一感を保てます。
ページ区切り機能
ページ区切り機能を利用すると、異なるセクションや章を新しいページから開始でき、文書の整合性を高め、読み手にわかりやすいフォーマットを作成できます。
ただし、過度なページ区切りは文書を冗長にし、読みにくくする恐れがあります。必要な箇所にのみ適用し、セクションごとに異なる設定が必要な場合は慎重に設定しましょう。
編集記号の表示機能
編集記号の表示機能では、印刷時には見えない文字や設定を画面上に表示し、文書の正確性を確認します。特徴は誤ったスペースや改行、タブ、ページ区切りを即座に検出できることです。
これにより、文書が整然としているか、読み手にとってわかりやすいフォーマットであるかを確認できます。編集記号を使えば、契約書の品質を向上させるだけでなく、文書作成プロセスを効率化することが可能です。
契約書をWordで作成・レビューする際の注意点

契約書をWordで作成・レビューする際の重要な注意点は、明確な表現と一貫性です。文書内の文章は簡潔かつ曖昧さのないように記述し、法的な意味を明確に伝える必要があります。ここでは、以下の注意点について解説します。
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契約書をWordで作成・レビューする際の注意点
基本の作成ルールを守る
契約書の作成において、 Wordを使用する際には基本ルールが存在します。ここでは、契約書作成の基本ルールとして「フォントの基本」「フッター・ヘッダーは使用しない」の2項目について詳しく解説します。
フォントの基本
フォントの選択については厳格なルールはありませんが、通常、信頼性と読みやすさを重視し、和文契約書にはMS明朝・MSゴシック・游ゴシックなどが選ばれます。これらは一般的とされ、視覚的に整った印象の契約書を作成できます。
また、フォントサイズについては、10〜12ptが一般的です。フォントが小さすぎると読みにくく、大きすぎると文書が長くなって見づらくなります。適切なサイズを選ぶことで、契約書全体をバランスよく見せることが可能です。
フッター・ヘッダーは使用しない
フッター・ヘッダーとは、文書の上部(ヘッダー)と下部(フッター)に追加情報やテキストを挿入するための領域です。これらの領域には通常、ページ番号・文書のタイトル・著者名・日付などの情報を挿入します。
しかし、契約書の文書作成においては、基本的にフッター・ヘッダーは使用しない方が良いでしょう。理由としては、フッターやヘッダーに情報を配置すると本文と混同してしまい、契約書の理解に誤解を生じさせる可能性があるからです。
また、契約書は明確かつ簡潔である必要があります。フッターやヘッダーに過剰な情報を含めると文書を複雑にし、重要なポイントが埋もれてしまいます。したがって、契約書では本文に必要な情報を適切に配置し、文書のシンプルさと明確さを保つことが重要です。
レイアウト・表記を統一させる
スタイルやフォント、インデントなどのレイアウトは統一し、整然とした外観を維持しましょう。修正がある場合は変更履歴を有効にし、コミュニケーションを密に保ちながら修正漏れを防ぐことが大切です。
また、条文番号の整合性や誤字脱字、表記の一貫性を確認して文書の正確性を保ちます。用語や条件は法的文脈で正確に使用し、セクションや章の構成を整理しつつ、契約書の論理的なフローを確保しましょう。
権限設定をして機密情報を守る
通常、契約書は自社の情報だけでなく、取引先の情報も記載されているため、管理を徹底する必要があります。機密情報保護の観点から適切なセキュリティ対策を講じ、不正アクセスなどに注意しなければなりません。
文書への権限設定は有効な手段です。関係者に対してアクセス権(閲覧権)や編集権を適切に付与することで、編集ミスや外部からの不正アクセスを防ぐことにもつながります。
バージョン管理を適切に行う
契約書の管理・保管では、バージョン管理の徹底が必要です。特に、Wordで複数人が何度も変更を加えていると、どれが最新なのかわからなくなる可能性があります。ファイル名に日付を入れるなど、命名規則をチーム内でルール化しておくのがおすすめです。
日付の他にも、バージョン番号やアルファベットをつけるなど、自社で管理しやすい方法でルールを定めておきましょう。また、特定のフォルダを作るなどして保存する場所も決めておくと、後に検索する際に容易になります。
契約書レビューには専用ツールを使うのもおすすめ

Wordの機能を駆使しながら契約書レビューを行うのも良いですが、近年ではより簡単に契約書レビューを行える専用のツール(サービス)も登場しています。AI技術などを使って多くのレビュー工程を自動化できるのが特徴です。
具体的には、表記の誤りやリスクのある条項などをツール側で自動で検出し、修正案とともに表示してくれます。自社のレビュー基準を設定するなど、カスタマイズを加えることも可能です。
こうしたツールを使うことで、契約書レビューにかかる手間や時間を大幅に短縮でき、ヒューマンエラーや人的コストの削減にもつながります。利用料金はかかるものの、手間をかけずに質の高い契約書レビューを行えるので、結果的にメリットが大きいといえるでしょう。

【行政書士監修】おすすめのAIリーガルチェック/契約書レビューサービス9選を徹底比較!選び方やメリットも解説
本記事では、法律の専門家である行政書士の岡高志さんに取材協力をいただき、行政書士の視点からAI契約書レビューサービスの選び方や注意点を解説します。さらに、ビジコン編集部が厳選したおすすめの契約書レビューサービスも紹介!この記事を読めば、あなたに合ったおすすめのAIリーガルチェック/契約書レビューサービスがわかる!リーガルチェック?AI契約書レビュー?そんなあなたでも大丈夫!選び方やメリットまで詳しく解説します。
まとめ

契約書レビューにおいて、Wordの機能の活用は効果的です。例えば、変更履歴機能を利用して文書の変更点を追跡し、コメント機能を使って詳細な指摘を伝えることで、クリアで明瞭なコミュニケーションが可能となります。
また、比較機能を用いて異なるバージョン間の変更点を簡単に確認し、新しいウィンドウを開いて同時に複数の箇所を参照することで、誤りや見落としを減少させることもできます。
なお、過度な装飾や複雑なフォーマットは理解を難しくし、誤解を生む可能性があることから注意が必要です。つまり、読みやすさ・シンプルさを保つことが重要です。Wordの機能を適切に活用することで、契約書の品質向上と効果的な管理が実現できるでしょう。
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