MDMとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

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  • MDMとは、スマホやタブレットなどのモバイル端末を一元管理・運用できるシステム
  • MDMの導入で、デバイス管理の効率化や情報漏洩防止、セキュリティ対策につながる
  • MDM導入の際は、利用用途や自社で利用している端末・OSに合っているか確認

MDMとは、スマホやタブレットなどのモバイル端末を一元管理・運用できるシステムです。MDMはセキュリティの維持・強化もできるため、情報漏洩の防止に役立ちます。本記事では、MDMのメリット・デメリットや機能、選び方を解説します。

目次

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  1. MDM(モバイルデバイス管理)とは
  2. MDMが注目されている理由
  3. MDMツールの機能
  4. MDMのメリット
  5. MDMのデメリット
  6. MDMサービス・ツールの選び方
  7. MDMの導入を失敗しないための注意点
  8. まとめ

MDM(モバイルデバイス管理)とは

MDM(モバイルデバイス管理)とは、「Mobile Device Management」の略語で、スマホやタブレットなどのモバイル端末を一元管理・運用できるシステムのことです。

MDMの導入は、デバイス管理の効率化や情報漏洩の防止、セキュリティ対策につながります。モバイル端末の利用が拡大している企業や教育現場では、今やMDMの導入は欠かせません。

DXが進む医療現場においても、デバイス管理の効率化とセキュリティ対策が重要視されています。その結果、電子カルテの共有化や遠隔画像診断の実施に伴い、MDMの導入が急速に進められています。

MDMと他ツールの違い

モバイル端末の管理に役立つツールは、MDMだけではありません。ここでは、MDMと混同されやすい「MAM」「MCM」「EMM」の主な機能と、MDMとの違いについて解説します。

MDMとMAMの違い

MAM(モバイルアプリケーション管理)とは、「Mobile Application Management」の略語で、モバイル端末内のデータやアプリケーションを一元管理するツールです。

MDMがモバイル端末そのものを管理するのに対し、MAMは端末内のデータやアプリケーションのみを管理します。MAMを使えば、同じ端末内のデータやアプリケーションを業務用とプライベート用に分けて管理が可能です。

MAMは、私的利用の多いBYODへの導入で、より高い効果を発揮します。最近はさまざまな理由から、BYODを採用する企業が増えていますが、安全にモバイル端末を利用するには、ウイルス感染や情報漏洩への対策が欠かせません。

MDMとMCMの違い

MCM(モバイルのコンテンツ管理)とは、「Mobile Contents Management」の略語で、モバイル端末内の文書・映像・動画などのデジタルコンテンツを一元管理するツールのことです。

MDMがモバイル端末そのものを管理するのに対し、MCMは端末内のコンテンツのみを管理する点に違いがあります。

MCMを使えば、ログ履歴を管理したり、特定のコンテンツへのアクセスを制限できたりするだけでなく、ダウンロードやカメラ撮影などの機能制限も可能です。

MCMの導入は、コンテンツ利用によるセキュリティリスクの回避につながります。MAMと同じく、BYODを採用する企業にとっては、欠かせないツールの1つといえるでしょう。

MDMとEMMの違い

EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは、「Enterprise Mobility Management」の略語で、モバイル端末を安全かつ快適に使用できるように管理するツールです。

MDMがモバイル端末そのものを管理するのに対し、EMMは端末と端末内のアプリケーションやコンテンツを統合的に管理します。つまり、MDM・MAM・MCMの機能を併せ持つツールがEMMです。

EMMは機能が多い分、コストも高額になりますが、ハイレベルのセキュリティと利便性を併せ持っています

MDMが注目されている理由

モバイル端末のビジネスでの利用が拡大し、さまざまな職場でMDMが注目されるようになりました。ここでは、MDMが注目されている主な理由を解説します。

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モバイル端末のセキュリティリスク回避

テレワークの普及により、モバイル端末のセキュリティリスクが高まっています。スマートフォンやiPad(タブレット)といったモバイル端末は、外部に持ち出す機会が多く、個別に使用状況を確認するのは難しいのが現状です。

モバイル端末の管理を個人任せにすると、私的利用によるウイルス感染や、盗難・紛失時の情報漏洩の危険性が高まります。そこで注目されているのが、MDMのセキュリティ機能です。

MDMを使えば、アプリのインストールやWebサイトへのアクセス制限に加え、盗難・紛失時には遠隔操作でロックをかけられます。モバイル端末は持ち運びしやすい反面、情報漏洩のリスクが高いため、セキュリティ対策を一括管理できるMDMが重要視されています。

モバイル端末の一元管理の必要性

業務用モバイル端末の運用・管理はシステム管理者が行いますが、端末が大量の場合、業務効率が低下したり、セキュリティ対策に抜けが出たりする可能性があります。

そのため、大量のモバイル端末を保有する職場では、システムによる一元管理の必要性が高いです。MDMを使えば、大量のモバイル端末の運用・管理がスムーズかつ効率的に行えるため、担当者の負担軽減とコスト削減につながります。

BYODへの対応

BYODとは「Bring Your Own Device」の略称で、スマートフォンやPCなど、個人が私用として所有している端末を業務で使用すること、またはその仕組みを指します。

BYODを取り入れることで、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどでも仕事ができるため、BYODを導入する企業が増えています。しかし、個人が所有する端末であることから、セキュリティリスクや端末の紛失リスクなどを持ち合わせています。

BYODに伴うこのようなリスクを、MDMの使用によって回避が可能です。

MDMツールの機能

MDMではどのようなことができるのか、従来の作業をどのように変えていけるのか、MDMの機能と主な内容について解説します。

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機能主な内容
モバイル端末の一括管理・ネットワーク・メールの設定
・セキュリティの設定
・OS・ソフトウェアのアップデート
・利用状況の監視
盗難・紛失時の遠隔操作・リモートロック
・画面ロック
・ローカルワイプ
・仮想デスクトップ
アプリの一括管理・アプリケーションの利用状況の把握
・アプリケーションの配信管理
セキュリティ対策・データの暗号化
・ネットワーク(Wi-Fi)制限
・URLフィルタリング
・SIMの監視
・位置情報の把握
コンテンツ管理・配布・コンテンツの一斉配信
・コンテンツのアクセス制限
・コンテンツのログ状況の分析

モバイル端末の一括管理

モバイル端末の一括管理機能を活用すれば、モバイル端末のネットワーク設定・メール設定・アプリケーション設定などの初期設定を一括して行えますOS・ソフトウェアのアップデートも同様で、常に最新の状態を保ちながら万一のサイバー攻撃への対策が可能です。

セキュリティ面では、社内ポリシーに沿ったセキュリティ設定をはじめ、従業員の階層別に細かいセキュリティ対策を設けられます。

さらに、端末の利用状況や利用コンテンツの監視、位置情報の確認やデバイスの異常検知など、個別の端末を管理する機能を活用すれば、私的利用による情報漏洩の回避にもつながります。

盗難・紛失時の遠隔操作

MDMには、万一の盗難・紛失時に備えて、遠隔操作で機密情報を守る機能があります。以下では、リモートロック・画面ロック・ローカルワイプ・仮想デスクトップの機能について解説します。

リモートロック

リモートロック機能を使えば、管理サイトから遠隔で端末の操作をロックできます。盗難・紛失による情報漏洩のリスクを最小限に抑える効果があります。

製品によっては、リモートワイプ機能が使えるものもあります。リモートワイプ機能を使えば、遠隔操作で端末内のデータの消去・初期化が可能です。データを消去・初期化する前にバックアップを取る機能もあるため、大切なデータを失うことなく情報漏洩を防げます。

画面ロック

画面ロック機能を使うと、パスワードを入力しなければ、画面ロックの解除ができなくなります。画面ロック機能を使えば、第三者による不正利用を防止するだけでなく、端末の誤作動によるセキュリティリスクの回避効果もあります。

ローカルワイプ

画面ロックの機能をさらに強めたのが、ローカルワイプです。この機能では、一定回数以上パスワードの入力を間違えると、端末内のデータを遠隔で消去できます。第三者が不正に端末を入手した場合、パスワードの解除を試みることが想定されます。

パスワードが誕生日や社員番号といった解除されやすいコードの場合、試している内に解除されてしまう可能性があります。ローカルワイプ機能の活用により、パスワード解除の難易度が上がり、情報漏洩のリスクを高確率で回避できます。

仮想デスクトップ

仮想デスクトップとは、サーバー上に仮想のデスクトップを構築し、ネットワーク経由で端末とつなげる方式です。仮想デスクトップ機能を使えば、端末内のデータを仮想デスクトップ上に保存可能なため、端末の盗難・紛失時の情報漏洩のリスクを軽減できます。

その結果、サイバー攻撃の対象となるデータを端末内に保管する必要がなくなり、端末管理の負担が軽減されます。

アプリの一括管理

アプリの一括管理機能では、アプリケーションの自動配布・アンインストール・アップデートを遠隔操作で一括して行えます。アプリケーションの利用状況を個別に把握することで、業務に関係のないアプリケーションの利用を抑制し、セキュリティ強化が可能です。

私的利用による情報漏洩が懸念されるBYODにおいては、アプリの一括管理機能は必要不可欠な機能です。製品によっては、MDMにMAMを搭載しているケースもあります。

セキュリティ対策

MDMには、ウイルス感染や情報漏洩を防ぐための複数のセキュリティ機能が備わっています。データの暗号化機能を使えば、外部からの攻撃による情報漏洩を防止できます。

また、ネットワーク制限機能を利用すると、許可されたWi-Fiアクセスポイント以外への接続ができなくなります。さらに、URLフィルタリング機能には、閲覧できるWebサイトを限定する働きがあります。

どの機能も、安全性が確保されていないサイトへのアクセスを阻止し、私的利用によるウイルス感染の回避が可能です。その他、SIMの抜き差し監視機能や、GPSを使った位置情報確認機能など、セキュリティ対策に効果的な機能を備えた製品が多数登場しています。

コンテンツ管理・配信

コンテンツの管理・配信機能では、コンテンツの一斉配信やコンテンツへのアクセス・機能制限をはじめ、コンテンツのログ状況を分析できます。

特定のコンテンツへのアクセス・機能制限を使えば、業務に関係のないコンテンツの閲覧・利用を防ぎ、セキュリティリスクの低減が可能です。コンテンツのログ状況を分析することは、セキュリティ対策だけでなく、業務プロセスの改善にも役立ちます。

MDMの中にはMCMを搭載した製品も多く、利用用途に合わせてツールを選べます。

MDMのメリット

MDMの導入には、さまざまなメリットがあります。MDMの導入により、デバイス管理の効率化、セキュリティの強化、情報漏洩の防止、業務以外での端末利用の防止につながります。ここでは、MDMのメリットを解説します。

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デバイス管理を効率化できる

MDMの導入により、デバイスの一元管理が可能になるため、デバイス管理を効率化できます。デバイス管理に伴う業務は、端末の初期設定やOSのアップデート、業務上必要なアプリケーションの一斉配信、セキュリティ設定など多岐にわたります。

煩雑なデバイス管理を個別に行う場合、担当者の負担が大きく、ヒューマンエラーが発生する可能性が高いです。MDMを上手に活用することで、デバイス管理の業務が効率化され、その結果、担当者の負担軽減とコスト削減につながります。

セキュリティ対策ができる

テレワークの普及により、モバイル端末を使った業務の範囲が拡大しています。それに伴い、セキュリティも高いレベルでの対策が必要とされています。

MDMのセキュリティ対策は会社保有のデバイスだけでなく、BYODにも対応しています。社外でモバイル端末を利用する際は、画面ロック機能を使うことで、情報漏洩のリスク低減が可能です。

また、仮想デスクトップ機能を使えば、デバイス内に機密情報を保管する必要がないため、従業員のデバイス管理の負担軽減にも役立ちます。

紛失・盗難時の情報漏洩の防止

社外で使用することの多いモバイル端末は、盗難・紛失時の情報漏洩のリスクが高まります。リモートロック機能やリモートワイプ機能を活用すれば、第三者による端末の利用を防ぎ、万一に備えてデータを安全に消去できます。

GPSを使って端末の位置情報を確認し、ロックをかけたうえで画面に対応メッセージを表示させる機能も便利です。リモートロックやリモートワイプ機能を準備しておくことは、盗難・紛失時のウイルス感染や情報漏洩の回避につながります。

業務以外での端末利用防止

MDMのアプリケーション・コンテンツ管理機能を使えば、業務以外での私的な端末の利用を防止できます。

業務以外での端末の利用は、業務効率の低下や情報漏洩につながる可能性が高いです。MDMには、不要なアプリケーションのインストールを防止したり、Webサイトの閲覧やカメラ接続を制限したりする機能もあります。

URLフィルタリング機能を使えば、不正サイトへのアクセス制限が可能です。業務以外の端末利用の防止は、情報漏洩やウイルス感染を防ぐだけでなく、業務効率の改善としても役立ちます。

MDMのデメリット

MDMにはさまざまなメリットがありますが、導入の仕方によってはデメリットが発生することも考えられます。MDMの導入を検討する際は、これらの事項にも注意しなければなりません。

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導入にコストや手間がかかる

MDMの導入には、それなりのコストがかかります。クラウド型の場合、導入費用は比較的安くなりますが、従業員数とデバイスの数に応じて月額料金が変化する点がデメリットです。

一方、オンプレミス型は導入コストが高額になりやすく、管理・運用にも一定のコストがかかります。また、MDM導入後は従業員のITリテラシー研修が必要です。

自社のセキュリティ対策を万全なものにするためにも、社内ポリシーを周知し、従業員のセキュリティ意識を高める対策を講じましょう。

端末が使いづらくなる可能性がある

MDMには、セキュリティ対策として、アプリやコンテンツの使用に制限をかける機能があります。ただし、制限の範囲が広すぎると、端末の操作に時間がかかったり、使いづらく感じたりする可能性があります。

業務用端末が使いにくいことが原因で、従業員が許可なくBYODを行う可能性も否定できません。BYODを許可している企業であっても、私的使用の機能制限が厳重すぎると、業務上必要なソフトウェアまで利用できなくなることが考えられます。

MDMの運用にあたっては、社内ルールと実際の利便性を照らし合わせたうえで、制限や管理方法を決定するようにしましょう。

MDMサービス・ツールの選び方

MDMの需要が高まっている影響で、さまざまなタイプのサービス・ツールが登場しています。自社の目的にマッチした製品を導入しましょう。ここでは、MDMサービス・ツールの選び方を解説します。

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利用用途・利用範囲を明確にする

事前に利用用途や利用範囲を明確にすることで、必要な機能やどのような製品を選べばいいか判断しやすくなります。利用用途や利用範囲が曖昧な場合、必要な機能が不足していたり、反対にオーバースペックになったりする可能性があります。

基本機能のみを備えたパッケージ製品は比較的費用が安く、必要に応じてオプション機能を追加することも可能です。また、モバイル端末の利用範囲が広い、あるいは他システムとの連携を考えている場合は、一定レベルのセキュリティ対策が必要です。

あらかじめ必要なセキュリティ機能を絞り込んでおくことで、無駄のない製品選択につながります。

導入形態を確認

MDMを導入する際は、導入形態も確認すべきポイントです。オンプレミス型とクラウド型のメリット・デメリットを理解し、どちらが自社に適しているか判断しましょう。以下では、それぞれのポイントを解説します。

オンプレミス型

オンプレミス型のMDMは、自社で構築したサーバーを使用するため、社内で管理しやすく、カスタマイズの自由度が高いです。一方、アップデートやメンテナンス等の保守管理は社内で行う必要があり、担当者の業務負担が大きく、運用に手間とコストがかかります。

また、オンプレミス型は自社でサーバーを構築するため、初期費用が高く、導入までに時間がかかる点もデメリットです。しかし、セキュリティ対策はクラウド型を大きく上回るため、ハイレベルなセキュリティが必要な場合はオンプレミス型を検討してみましょう。

クラウド型

クラウド型のMDMは、オンライン上のサービスを利用するため、初期費用が安く、導入までの時間もかかりません。アップデートやメンテナンスなどの保守管理はベンダーが行うため、運用コストが高額にならず、導入しやすいのもメリットです。

ただし、サービスの利用にあたり、従業員数とデバイスの数に応じた月額料金を支払う必要があります。そして、クラウド型は提供されているサービスの範囲内でしかMDMを活用できないため、機能の追加・改良ができない点もデメリットです。

一般的に、オンプレミス型は1,000人以上の大企業向け、クラウド型は1,000人以下の企業向けと考えられていますが、製品や利用用途によっては規模感だけに依存しません。

利用端末・OSが対応しているか

導入形態を確認したら、次は自社で利用している端末やOSに対応しているかを確認しましょう。モバイル端末のOSは、iOSかAndroid OSかのどちらかですが、ノートPCの場合は、WindowsやMac OSに対応しているかを確認する必要があります。

最近は、1つの企業で複数のOSを使用しているケースも珍しくないため、マルチOSに対応する製品も登場しています。

サポート体制が充実しているか

MDMを利用するにあたって、システム障害やトラブルの発生は止むを得ません。そこで、トラブルが発生した場合はどこまで対応してくれるか、サポート対応時間や問い合わせ方法も確認しておくのがおすすめです。

特に、MDMを初めて導入する場合、操作方法や運用に戸惑うことが予想されます。導入時のサポートやレクチャーサービスがどの程度受けられるか、無料トライアルの有無も確認しておくと安心です。

セキュリティ対策を確認

MDMには複数のセキュリティ機能があるため、自社での利用シーンや運営方法に合わせて、必要な機能を洗い出しておきましょう。

盗難・紛失時には、リモートロックやリモートワイプ機能を活用し、第三者の不正利用を防止できます。また、端末の私的利用を防ぐには、ネットワーク(Wi-Fi)のアクセス制限や、URLフィルタリング機能による閲覧制限が効果的です。

さらに、SIMカードの抜きさし監視やログ分析機能は、サイバー攻撃への対策に役立ちます。その他、データの暗号化や仮想デスクトップ機能を使えば、より高いセキュリティレベルで機密情報を守れます。

あらかじめ必要なセキュリティ機能をしっかりと洗い出し、万全のセキュリティ対策が施された製品選びが大切です。

費用対効果が見合っているか

MDMの導入にはコストがかかるため、自社の予算を明確に把握して無理なく運用できるシステムを選定する必要があります。その際、意識すべきなのが費用対効果で、投じたコストに対して得られた効果を表す指標です。

MDMの費用はクラウド型・オンプレミス型といった導入形態や機能の豊富さなどによって異なります。MDMは導入後長期的に運用し続けるシステムであるため、費用と機能のバランスが取れた費用対効果の高いシステムを選定しましょう。

口コミ・導入実績を確認

MDMを選定する際は、口コミや導入実績も重要な判断基準です。口コミでは、実際にそのツールを導入した企業のリアルな感想や満足度を把握できるため、客観的な意見を取り入れて失敗の少ない選定が行えます。

また、導入実績が豊富なツールは、多くの企業に選ばれていることから信頼できるツールだと判断が可能です。特に、大企業や上場企業は高いセキュリティポリシーを設定しているため、企業の導入実績はセキュリティレベルの高さを意味します。

口コミサイトや公式ホームページの導入実績を十分に確認して、効果的な選定に活用しましょう。

MDMの導入を失敗しないための注意点

MDMは企業の情報漏洩リスクを軽減し、モバイル端末を効率的に管理するうえで欠かせない仕組みですが、導入の仕方を誤ると十分な効果を得られず、かえって現場の業務を妨げてしまうことがあります。

ここでは、MDMを導入する際に失敗しないための注意点を解説します。

従業員への周知と教育を徹底する

MDMは企業の情報セキュリティを守るために有効な仕組みですが、同時に端末の利用方法に制限を加えるケースも多く、従業員にとっては「今まで自由にできた操作ができなくなる」という不便さを感じる要因になりやすいです。

そのような背景から、導入を成功させるためには単にシステムを導入するだけでは不十分であり、従業員に対して導入目的や利用ルールを丁寧に伝えることが不可欠といえます。

また、利用方法を周知するような研修、ガイドラインの整備を行い、現場での混乱や抵抗感を最小限に抑えつつ、スムーズな定着につなげることが大事です。

運用体制を継続的に整備する

MDMの導入後は、企業のIT環境やセキュリティリスクの変化に応じて運用を見直し続ける必要があります。導入当初に設定した独自のポリシーが、数年後は現状の働き方・脅威に合わなくなっていることも珍しくありません。

そのため、定期的にセキュリティポリシーを点検し、必要に応じてアクセス制御や利用ルールを改訂することが重要です。さらに、運用担当者を明確に定め、ログ監視・インシデント対応の体制を確立しておけば、万一のトラブル発生時にも迅速に対応できます。

まとめ

MDMは、スマホやタブレットなどのモバイル端末を一元管理・運用できるシステムです。MDMの導入により、デバイス管理の効率化や情報漏洩の防止、セキュリティ対策といったメリットに期待できます。

一方、MDMの導入にはコストと手間がかかり、セキュリティの制限の範囲によっては、端末が使いづらいと感じることや、許可のないBYODを誘発する可能性があります。

MDMを導入する際は、まず利用目的と利用範囲を明確にし、必要な機能を絞り込むことが重要です。本記事の内容を参考にツールの選定を行い、デバイス管理の効率化や情報漏洩の防止など、多くのメリットが実感できる環境づくりを行いましょう。

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