源泉徴収税額表の見方を解説|令和8年分・令和9年分の違いと計算例
Check!
- 令和8年分と9年分の表の違いがわかる
- 甲乙丙欄と扶養親族等の数の数え方がわかる
- 月額表・日額表・賞与の計算例がわかる
源泉徴収税額表とは、国税庁が毎年公表している、給与や賞与から天引きする所得税(復興特別所得税を含む)の額を求めるための表です。社会保険料等を差し引いたあとの給与額と扶養親族等の数に当てはめると、その月に源泉徴収する税額が分かります。表は月額表・日額表・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の3種類があり、令和8年分の表は令和8年中に支払う給与等に、令和9年分の表は令和9年1月以後に支払う給与等に使います。この記事では、国税庁の令和8年分・令和9年分の表をもとに、甲欄・乙欄・丙欄の違い、扶養親族等の数の数え方、同じ条件で2つの表を引き比べた計算例までを、給与計算の担当者向けに整理します。
源泉徴収税額の計算、いまの進め方に近いのはどれ?
Q1. 毎月の源泉所得税は、いまどのように求めていますか?
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
源泉徴収税額表とは?令和8年分と令和9年分の使い分け
源泉徴収税額表とは、給与や賞与から天引きする所得税額を求めるために国税庁が公表している表です。支払う年に合った表を使い、社会保険料等を差し引いた後の金額で引きます。
会社は、従業員に給与を支払うときに所得税を天引きして国に納める源泉徴収義務者です。納期限は、原則として給与を支払った月の翌月10日です。給与の支給人員が一定以下の事業所で納期の特例の承認を受けている場合は、1月から6月までの分を7月10日、7月から12月までの分を翌年1月20日までに納めます(国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表(表紙)」)。毎月の天引き額を一つひとつ計算する手間を減らすために用意されているのが、この税額表です。
表は年ごとに改められます。国税庁は、令和9年分の表について、令和8年度税制改正で所得税の基礎控除の引上げ等が行われたことに伴い税額が変更になったと案内し、令和8年分以前の給与等の税額を求めるときには使わないよう注意を促しています(国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表」)。
| 給与等を支払う時期 | 使う表 | 国税庁の案内 |
|---|---|---|
| 令和8年中 | 令和8年分の源泉徴収税額表 | 令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更はなく、令和8年12月の年末調整で改正後の控除額により1年間の税額を計算し直して精算します |
| 令和9年1月以後 | 令和9年分の源泉徴収税額表 | 税額には防衛特別所得税相当額と復興特別所得税相当額が含まれます |
表そのものは国税庁のサイトで無料で見られますが、毎年入れ替わるうえ、令和9年分からは防衛特別所得税も税額に含まれます。従業員ごとに扶養親族等の数が違い、月給・日給・賞与で使う表も分かれるため、手作業で引き続けている会社では、表の切り替え時に確認の手間と取り違えのリスクが増えます。そこで、給与計算ソフトや人事労務システムに税額の計算を任せる会社もあります。表の見方に進む前に、役割の違いが分かるよう、この記事で取り上げる3サービスを比べておきます。
源泉徴収税額の計算まわりを任せるサービス、役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:freee人事労務商品ページに、入社手続き、勤怠、給与計算、年末調整までまとめて管理できると記載があります。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ジンジャー給与商品ページに、給与計算、賞与計算、年末調整、月変算定に対応すると記載があります。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ジンジャー人事労務商品ページに、従業員情報の収集や各種帳票の自動作成などが記載されています。
資料を無料ダウンロード| サービス | ジンジャー給与 |
ジンジャー人事労務 |
|
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 勤怠、給与計算、入退社手続き、年末調整まで、ひとつのサービスで管理したい中小企業 | 手当や給与体系が複雑で、給与計算、賞与計算、年末調整をひとつの仕組みで処理したい会社 | 従業員情報の収集、各種帳票の作成、電子申請までを一気通貫で管理したい会社 |
| 特徴 | 勤怠管理、給与計算、給与明細作成、入社・退社手続き、年末調整の電子申告に対応。労務管理機能の説明に「最新の法令や税制に自動で対応」との記載があります。 | 給与計算、賞与計算、年末調整、月変算定に対応し、給与明細や源泉徴収票をWeb明細で公開できます。ジンジャー勤怠・ジンジャー人事労務と連携できます。 | 組織管理、従業員管理、マイナンバー管理、従業員情報の収集、システム連携などの機能があり、各種帳票の自動作成や電子申請までを行えると記載があります。 |
| 注意したい点 | freee会計と連携する際、画面の切り替えに手間がかかる点が挙げられています。 | 所得税や住民税率は手動で変更する必要があると記載があります。単体導入では打刻機能や人事データ管理機能はありません。 | 労務管理を中心にしたい場合に便利で、プラスアルファの機能を求める場合は他サービスの申込が必要と記載があります。給与計算機能の記載はないため資料で確認してください。 |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
源泉所得税の計算を含む給与計算まわりの手間を減らしたい場合の一例が、フリー株式会社が提供するfreee人事労務です。商品ページでは、勤怠管理や給与計算などの労務管理をクラウド上で行えるシステムで、入社手続きから勤怠、給与計算、年末調整までをまとめて管理でき、社会保険や税金の知識がなくても給与計算を利用しやすいと紹介されています。労務管理機能の説明には、最新の法令や税制に自動で対応できるとの記載もあります。注意したいのは、商品ページのMOREに、freee会計と連携する際に画面の切り替えに手間がかかる点が挙げられていることです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
フリー株式会社
freee人事労務
フリー株式会社
freee人事労務
経理や労務管理初心者でもとにかく使いやすい給与計算ソフト
おすすめ!
- 従業員情報や給与計算などあらゆる人事労務情報がこれ1つで完結
- 国内シェアNo.1のAWSを採用し企業のデータを厳重に管理
- アラート機能でイレギュラーな業務の抜け漏れを防ぐ
- 既存業務の見直しや操作法のレクチャーなど専任担当が継続的にサポート
気になる…
- freee会計と連携した際の画面切替が手間
-
オンライン上でのやり取りのみで、実際に顔を会わせない状態で労務関係のやり取りをするという課題は解決できました。また、源泉徴収などもオンライン上で完結するので非常に使いやすいです。
-
freeeを導入する前まではExcelで各自が自己報告でした。そのため正確な勤務時間や残業時間などが曖昧でした。また、Excelを回収した人がそれぞれの勤務時間を集計するというアナログなやり方だったので、freeeを導入したことでそれが一括管理になったことが一番のメリットです。また、有給休暇申請などもfreee上で完結するので業務効率化に繋がっていると思います。
-
社員の事務手続系タスクを一元管理しやすくなったと思います。 処理ミスや申請漏れに関してもアラートのようになるためミスがわかりやすく軽減したように感じます。 年末調整も社員が各自で行うため、管理側のタスク量も大幅削減ができていました。
freeeの導入事例では、有限会社有志建設が、紙の勤怠表と手計算で6日かかっていた給与計算について、導入後の効果を次のように紹介しています。
6日かかっていた給与計算が1日で終り、さらに計算結果の正確性も高まった
freee導入事例(有限会社有志建設) 出典:導入事例ページ
令和8年分から令和9年分で何が変わった?
令和9年分の源泉徴収税額表は、令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ等に伴い、令和8年分から税額が変更されています。令和8年中の源泉徴収は、令和8年分の表のままです。
国税庁の「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」によると、令和8年度の税制改正で、基礎控除額が合計所得金額に応じて引き上げられ、給与所得控除の最低保障額も65万円から74万円に引き上げられました。これに伴い、令和9年分以後の源泉徴収税額表が改正されています。
ただし、すぐに毎月の天引き額が変わるわけではありません。同じ資料では、令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じないとされ、令和8年12月の年末調整で、引上げ後の基礎控除額などで1年間の税額を計算し、令和8年分の表で源泉徴収した税額との精算を行うとされています。
令和8年分と令和9年分の表の違い
| 比べる項目 | 令和8年分 | 令和9年分 |
|---|---|---|
| 月額表の甲欄で税額が0円になる範囲(社会保険料等控除後の給与等の金額) | 105,000円未満 | 111,000円未満 |
| 控除対象扶養親族の所得要件(表の使い方の注記) | 所得の見積額が58万円以下 | 所得の見積額が62万円以下 |
| 税額に含まれるもの | 所得税と復興特別所得税 | 所得税と防衛特別所得税と復興特別所得税 |
| 同じ条件の計算例(社会保険料等控除後356,600円・扶養親族等2人・甲欄) | 7,020円 | 6,860円 |
扶養親族等の所得要件については、令和8年12月1日以後に支払う給与等から改正後の要件が適用されると、国税庁の改正のあらましに記載があります。新たに要件を満たすことになった親族がいる従業員は、扶養控除等(異動)申告書の提出が必要になります。表の数字だけでなく、従業員から集める申告書の内容も毎年見直す必要があるということです。
防衛特別所得税については、国税庁のタックスアンサーに、令和9年1月1日以後に生ずる所得から復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、源泉徴収すべき所得税の額の1%相当額の防衛特別所得税が併せて源泉徴収されると案内されています(No.2260 所得税の税率)。令和9年分の表では、これらが税額に含まれた形で示されています。
源泉徴収税額表は3種類。支払い方法で使い分ける
源泉徴収税額表には、月額表、日額表、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の3種類があり、給与の支払い方法と賞与かどうかで使い分けます。
| 表 | 使う給与等 | 使う欄 |
|---|---|---|
| 月額表 | 月ごとに支払うもの、半月ごと・10日ごとに支払うもの、月の整数倍の期間ごとに支払うもの | 甲欄・乙欄 |
| 日額表 | 毎日、週ごと、日割りで支払うもの(日雇賃金を除く)と、日雇賃金 | 甲欄・乙欄(日雇賃金は丙欄) |
| 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 | 賞与。ただし、前月中に普通給与の支払がない場合や、賞与の額が前月中の普通給与の額の10倍を超える場合は月額表を使う | 甲欄・乙欄 |
分け方の根拠は、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額の求め方(令和8年分)」と、タックスアンサー「No.2511 税額表の種類と使い方」にまとめられています。パートやアルバイトに日給や時給で給与を支払う場合でも、あらかじめ雇用契約の期間が2か月以内と決められていれば日額表の丙欄を使い、そうでなければ甲欄か乙欄を使います。
日雇賃金の考え方
日雇賃金とは、日々雇い入れられる人に、労働した日または時間によって算定し、労働した日ごとに支払う給与等です。同じ勤務先から継続して2か月を超えて給与等が支払われた場合、2か月を超える部分は日雇賃金に含まれません。短期のアルバイトを雇う会社は、雇用契約の期間を確認してから丙欄を使うかどうかを決めます。
電子計算機で計算する場合の特例
給与計算を電子計算機などの事務機械で処理している場合は、月額表の甲欄を適用する給与等について、表を引く代わりに、財務大臣が告示する計算方法で税額を求めることができます。社会保険料等を控除した後の給与等の金額から、給与所得控除額、基礎控除額、配偶者(特別)控除額、扶養控除額または特定親族特別控除額を引き、残った金額を別表に当てはめる方法です(国税庁「電算機計算の特例(令和8年分)」)。給与計算ソフトが税額を自動で求めている背景には、こうした仕組みがあります。ソフトの具体的な計算方法や更新の扱いは製品ごとに異なるため、導入前に資料で確認するのが確実です。
3サービスの役割を比較表で見る甲欄・乙欄・丙欄の違い。扶養控除等申告書の提出で決まる
甲欄は給与所得者の扶養控除等申告書を提出している人、乙欄は提出していない人、丙欄は日雇賃金に使う欄です。乙欄は甲欄より税額が高く設定されています。
| 欄 | 使う人 | 表 | 押さえたい点 |
|---|---|---|---|
| 甲欄 | 扶養控除等申告書を提出している人(主たる給与) | 月額表・日額表・賞与の算出率の表 | 扶養親族等の数に応じて0人から7人の列を選ぶ |
| 乙欄 | 申告書を提出していない人(従たる給与を含む) | 月額表・日額表・賞与の算出率の表 | 扶養親族等の数は使わず、給与額だけで税額が決まる |
| 丙欄 | 日雇賃金の支払を受ける人 | 日額表 | 2か月を超えて継続して支払う場合は日雇賃金にならない |
税額の差は大きく、令和8年分の月額表で、社会保険料等控除後の給与等の金額が356,000円以上359,000円未満の行を見ると、甲欄で扶養親族等0人なら12,220円、乙欄なら71,900円です。同じ給与でも、申告書が出ているかどうかで毎月の手取りが大きく変わります。
乙欄になる主なケース
- 従業員が申告書を出し忘れている、または会社が回収できていない。
- 2か所以上から給与を受けていて、その勤務先が従たる給与の支払者にあたる。主たる給与は甲欄、従たる給与は乙欄で求めます(No.2520 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収)。
- 従たる給与についての扶養控除等申告書が出ている場合は、月額表の乙欄の税額から、扶養親族等1人につき1,610円(日額表は50円)を控除します。
申告書の提出時期と会社側の確認
扶養控除等(異動)申告書は、その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに、給与の支払者へ提出してもらいます。記載内容に異動があったときは、異動の日の後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに異動申告書を出してもらいます(国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」)。
会社側にとっては、全員分の申告書の回収漏れ、前年からの異動の反映、記載内容の確認が毎年の作業になります。甲欄と乙欄を取り違えると、従業員の手取りだけでなく、年末調整での過不足にも影響します。
freee人事労務
申告書の回収や、給与計算とのつながりに手間がかかっていませんか?
こんな会社に向いています
入社手続きから勤怠、給与計算、年末調整までをまとめて管理したい中小企業
労務の情報を一か所に集めて、確認の手間を減らしたい会社
扶養親族等の数の数え方。ひとり親は何人と数える?
扶養親族等の数とは、源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計数に、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生などに該当するごとの加算を足した数で、甲欄の0人から7人の列を選ぶために使います。
| 区分 | 数え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 源泉控除対象配偶者 | 給与の支払を受ける人の所得の見積額が900万円以下で、生計を一にする配偶者の所得の見積額が95万円以下の場合に1人 | 夫婦の双方がお互いを源泉控除対象配偶者にすることはできません |
| 源泉控除対象親族(控除対象扶養親族) | 生計を一にする16歳以上の親族で、所得の見積額が58万円以下(令和9年分は62万円以下)の人を1人ずつ | 16歳未満の扶養親族は数えません |
| 源泉控除対象親族(特定親族) | 19歳以上23歳未満の親族で、所得の見積額が100万円以下の人を1人ずつ | 100万円を超え123万円以下の特定親族は、月々の扶養親族等の数には含まれません |
| 本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に該当 | 該当するごとに1人を加算 | 複数に該当すれば、その数だけ加算します |
| 配偶者や扶養親族に障害者・同居特別障害者がいる | 該当するごとに1人を加算 | 16歳未満の扶養親族に障害者がいる場合も、障害者として加算の対象です |
表は国税庁の「給与所得の源泉徴収税額の求め方(令和8年分)」の注記を整理したものです。扶養親族等の数が7人を超える場合は、7人を超える1人ごとに、月額表なら1,610円、日額表なら50円を控除した金額とします。令和9年分の表の注記では、所得要件が62万円に改められています(令和9年分)。
ひとり親の場合は何人と数えるか
本人がひとり親に該当する場合に加算されるのは、1人分です。障害者、寡婦、勤労学生にも該当する場合は、該当するごとにそれぞれ1人が加算されます。子どもについては、ひとり親の加算とは別に、16歳以上で所得要件を満たすなど源泉控除対象親族にあたる人数分を数えます。16歳未満の子は、扶養親族等の数には加算しません。実際の数え方は従業員が出した申告書の記載で決まるため、会社は申告書の内容を確認します。
扶養親族等の数は、年の途中で結婚や出産、就職などによって変わることがあります。そのたびに異動申告書を受け取り、反映する作業が必要です。従業員が増えるほど、申告書の回収と数え間違いの確認が、給与計算のたびに積み重なります。
従業員情報を集めて管理する部分から見直したい場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー人事労務です。商品ページでは、これまでバラバラに管理していた人事情報を1つのデータベースに統合し、組織管理、従業員管理、マイナンバー管理、従業員情報の収集などを行えるクラウド型の人事労務管理システムと紹介されています。良い点としては、各種帳票が自動で作成でき、情報収集から電子申請までを一気通貫で行える点が挙げられています。注意したいのは、MOREに、労務管理を中心にしたい場合は便利だが、プラスアルファの機能を望む場合は他サービスの申込が必要とあることです。扶養控除等申告書の取り扱いや給与計算機能は商品ページに記載がないため、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
おすすめ!
- 「各種帳票」が自動で作成でき、大幅に時間削減できる
- 情報収集から電子申請までの作業を一気通貫で行え、出社や役所へ行く手間もかからない
- 「一括申請形式」を採用しているため、複数人の入退社でもらくらく
気になる…
- 「労務管理メイン」で行いたい場合は便利だが、+αの機能を望む場合は他サービスの申し込みが必要
月額表の見方と計算例。令和8年分と令和9年分を比べる
月額表では、給与から社会保険料等を引いた金額の行と、扶養親族等の数の列が交わるところの金額が、その月に源泉徴収する税額です。
- その月の給与等の額を確認します。課税されない通勤手当など、非課税の部分は含めません。
- 給与等の額から、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの社会保険料等を引きます。
- 月額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」の欄で、1の金額が含まれる行を探します。
- 申告書を提出している人は甲欄の、扶養親族等の数の列を選びます。提出していない人は乙欄を選びます。
- 行と列が交わるところの金額が、その月に源泉徴収する所得税等の額です。
国税庁の「給与所得の源泉徴収税額の求め方」にある設例で確認します。月額の給与等が420,000円、社会保険料等が63,400円、扶養親族等が2人(源泉控除対象配偶者あり、源泉控除対象親族1人)の場合、社会保険料等控除後の金額は356,600円です。月額表の「356,000円以上359,000円未満」の行を見ます。
| 同じ条件で引いた税額 | 令和8年分の表 | 令和9年分の表 |
|---|---|---|
| 甲欄・扶養親族等0人 | 12,220円 | 11,880円 |
| 甲欄・扶養親族等2人(この設例) | 7,020円 | 6,860円 |
| 甲欄・扶養親族等3人 | 5,410円 | 5,240円 |
| 乙欄 | 71,900円 | 71,800円 |
出典は、国税庁の月額表(令和8年分、令和9年分)です。この設例では、令和9年分の表のほうが160円低くなっています。基礎控除などの引上げが、税額表にも反映されているためです。
税額が0円になる範囲と乙欄の扱い
甲欄は、社会保険料等控除後の給与等の金額が令和8年分で105,000円未満、令和9年分で111,000円未満なら、扶養親族等の数にかかわらず0円です。乙欄は、同じ範囲でも給与等の金額の3.063%に相当する金額が税額になります。パートの給与が少額でも、申告書が出ていなければ税額が発生することに注意が必要です。
なお、この税額は、給与から差し引く所得税と復興特別所得税(令和9年分は防衛特別所得税を含む)を合わせた額です。住民税や社会保険料は別に計算します。
源泉徴収税額の求め方、いまのやり方で足りる?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
日額表と賞与の源泉徴収税額の求め方
日額表は日給や週給などの給与に使い、賞与は前月の給与額から率を引き、賞与の額に掛けて税額を求めます。それぞれ使う表と手順が異なります。
日額表の計算例
日額表の見方は月額表と同じで、その日の社会保険料等控除後の給与等の金額の行と、甲欄の扶養親族等の数の列、または乙欄・丙欄の列が交わるところが税額です。令和8年分の日額表で、社会保険料等控除後の給与等が1日11,750円の場合は、「11,700円以上11,800円未満」の行を見ます(国税庁「令和8年分 日額表」)。
| 欄 | 税額(令和8年分の日額表) |
|---|---|
| 甲欄・扶養親族等0人 | 395円 |
| 甲欄・扶養親族等2人 | 225円 |
| 乙欄 | 2,340円 |
| 丙欄 | 69円 |
丙欄は日雇賃金に使う欄のため、同じ給与額でも乙欄より税額がかなり低くなります。どの欄に当たるかを誤ると税額が大きく変わるため、雇用契約の期間と申告書の提出状況を確認します。
賞与の計算例
賞与は、原則として「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使います。手順は、前月の給与から社会保険料等を引いた金額を求め、扶養親族等の数に応じた甲欄でその金額が当てはまる行を探し、「賞与の金額に乗ずべき率」を読み取って、賞与から社会保険料等を引いた金額に掛けるというものです(国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」)。
たとえば、前月の給与(社会保険料等控除後)が300,000円で、扶養親族等が2人の場合、算出率の表の甲欄で扶養親族等2人の列を見ると、276千円以上321千円未満の行の率は4.084%です。賞与(社会保険料等控除後)が500,000円なら、500,000円に4.084%を掛けて、源泉徴収する税額は20,420円となります。この行の率は、令和8年分の表(算出率の表)でも、令和9年分の表(算出率の表)でも同じです。
月額表を使う賞与の特例
前月中に普通給与の支払がない場合や、賞与の額が前月の給与の額の10倍を超える場合は、算出率の表ではなく月額表を使って、賞与の額を6か月(賞与の計算期間が6か月を超えるときは12か月)で割るなどの手順で税額を求めます。入社直後の賞与や、決算賞与のように金額が大きい賞与では、この特例に当たらないかを確認します。
賞与や日給のパートが混ざる会社では、使う表も欄も従業員ごとに変わります。給与の種類ごとに計算の仕組みを整えたい場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー給与です。商品ページでは、給与計算、賞与計算、年末調整、月変算定に対応し、給与明細や源泉徴収票をWeb明細として公開できるクラウド型の給与計算ソフトと紹介されています。給与体系別の機能があり、年次や勤務形態、各種手当ごとの自動計算ができるとの記載もあります。ジンジャー勤怠やジンジャー人事労務と連携すると、勤怠データや人事データを転記せずに給与計算へ反映できるとされています。注意したいのは、商品ページのMOREに、所得税や住民税率は手動で変更する必要があるとあることです。年ごとの税額表の改正にどう対応するかは、資料で必ず確認してください。単体で導入する場合は、打刻機能や人事データ管理機能がないことにも注意が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

おすすめ!
- 給与や賞与明細・源泉徴収票などインターネット上で確認できペーパーレス化に
- 社会保険や労働保険・年末調整など年次業務にも対応
- シリーズ連携で人事情報から給与計算・各種社会保険の電子申請までジンジャーで完結
- 優れたUIで価格も安く気軽に導入しやすい
気になる…
- 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある
-
ジンジャー給与を導入したことで、勤怠データの手入力ほぼ不要になり、業務負担が大幅に軽減されました。給与計算のミスも減り、確認作業の時間短縮にもつながっています。クラウド上で作業できるため、場所を問わず作業できる点もメリットです。
ジンジャーシリーズの導入事例では、西田工業株式会社が、勤怠集計から給与計算までの業務に10日ほどかかっていたところ、導入後は5日で完了するようになったと紹介しています。事例では次のように語られています。
工数がほぼ半分になり、毎月の業務がとても楽になりました。
ジンジャー導入事例(西田工業株式会社。勤怠集計から給与計算までの作業時間について) 出典:導入事例ページ
源泉徴収された税額は戻る?年末調整・副業・報酬の扱い
毎月源泉徴収した所得税は概算の額で、年末調整で1年間に納めるべき税額と比べて差額を精算します。払いすぎていれば戻り、不足していれば追加で徴収されます。
国税庁によると、年末調整は、毎月の給与等から源泉徴収した所得税等の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税等の額との差額を精算するものです(No.2665 年末調整の対象となる人)。過不足が出たときの精算の方法は、No.2675 年末調整の過不足額の精算に記載があります。年末調整の流れ全体は、給与計算における年末調整とは?計算方法や注意点を詳しく解説で解説しています。
税額表と所得税の税率表(速算表)の違い
税額表は、毎月の給与から天引きする概算の額を求める表です。1年間の所得税額は、課税される所得金額に、次の速算表を使って求めます。給与計算における所得税の全体像は、給与計算における所得税とは?計算方法や源泉所得税との違いを解説も参考にしてください。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
出典は国税庁の「No.2260 所得税の税率」です。確定申告では、このほかに基準所得税額の2.1%の復興特別所得税を併せて申告・納付します。
年末調整を受けられない場合は確定申告
1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人などは、年末調整の対象外です。また、従たる給与は原則として年末調整できないため、本人が確定申告して精算します。
副業の給与と乙欄
副業先の給与が従たる給与にあたる場合、副業先の源泉徴収は乙欄で行われます。扶養控除等申告書は、いずれか1か所の支払者にしか出せないためです。乙欄で源泉徴収された分は、本人が確定申告で精算します(No.2520)。会社としては、副業を認めている従業員に、確定申告が必要になる場合があることを案内しておくと親切です。
個人事業主・業務委託先への支払いには税額表を使わない
源泉徴収税額表は、給与等に使う表です。個人事業主やフリーランスに支払う原稿料、講演料、弁護士などの特定の資格を持つ人への報酬・料金には、税額表ではなく別の源泉徴収の仕組みがあります。税率は10.21%で、支払金額が100万円を超える部分は20.42%の二段階税率とされています(国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」の案内。令和9年1月1日以後は防衛特別所得税も併せて源泉徴収されるため、最新の案内を確認してください)。請求書の金額と消費税の区分によって対象額が変わる点にも注意が必要です。
3サービスの役割を比較表で見る税額表を毎回引く運用を続けるか、仕組みに任せるか
従業員数が少なく給与形態が単純なら、税額表を引く運用でも足りる場合があります。扶養親族等の管理や賞与・日給が増えるほど、ミスの起きやすい箇所が増えます。
| 運用 | 向いている会社 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 国税庁の税額表を見ながら手作業で計算 | 従業員が少なく、給与の支払い方が月給のみなど単純な会社 | 年ごとの表の切り替え、扶養親族等の数の確認、賞与・乙欄・丙欄の判断を担当者が行う必要がある |
| 給与計算ソフトや人事労務システムで計算 | 従業員が増えた、賞与・日給・パートなど給与の種類が混在する会社 | 税額表の更新や税率の設定の扱いは製品ごとに異なる。商品ページには、自動で対応と記載のあるサービスも、税率の手動変更が必要と記載のあるサービスもある |
システムに任せる場合でも、どこまで自動で、どこから担当者の作業が残るのかは製品ごとに違います。資料を請求するときは、次の点を確認すると、導入後の運用をイメージしやすくなります。
- 年ごとの税額表の改正を、どのような方法で反映するか(自動更新か、手動での設定変更か)。
- 月額表・日額表・賞与の算出率の表、甲欄・乙欄・丙欄の使い分けを、従業員ごとに自動で判定できるか。
- 扶養控除等申告書の情報を、システム上でどのように収集・管理できるか。
- 年末調整の機能と、毎月の源泉徴収の情報がどのようにつながるか。
- 勤怠データを転記せずに給与計算へ反映できるか。
給与計算ソフトを比べるときの選び方は、源泉徴収票が作成できる給与計算ソフトおすすめ8選でも解説しています。この記事で取り上げた3サービスは、役割が異なります。給与計算から年末調整までをまとめたいなら、freee人事労務。賞与や給与体系の計算を中心にするなら、ジンジャー給与。従業員情報や申告書類の管理から整えるなら、ジンジャー人事労務。比較表に戻って、役割を見比べることで、自社に近い順に整理できます。まずは資料で、税額表の更新の扱いと、自社の給与の種類に対応できるかを確認してください。
入力は1回。料金はプランによって異なるため、資料で確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 源泉徴収税額表とは何ですか?
A. 給与や賞与から天引きする所得税(復興特別所得税を含む)の額を求めるために、国税庁が毎年公表している表です。月額表・日額表・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の3種類があり、社会保険料等を引いた後の給与額と扶養親族等の数に当てはめて税額を求めます。令和8年中の給与には令和8年分、令和9年1月以後の給与には令和9年分の表を使います。
Q2. 源泉徴収税額表の見方を教えてください。
A. 社会保険料等を引いた後の給与額が当てはまる行を探し、甲欄なら扶養親族等の数の列、乙欄なら乙欄の列との交点を読みます。甲欄は扶養控除等申告書を提出している人、乙欄は提出していない人に使います。たとえば令和8年分の月額表で、社会保険料等控除後の給与が356,600円、扶養親族等が2人なら、7,020円です。
Q3. 扶養親族のひとり親は何人まで数えますか?
A. 本人がひとり親に該当する場合に加算されるのは1人分です。障害者・寡婦・勤労学生にも該当するときは、該当するごとに1人ずつ加算されます。子どもは別に、16歳以上で所得要件を満たすなど源泉控除対象親族にあたる人数分を数え、16歳未満は数えません。実際の数は従業員の申告書の記載で決まるため、内容を確認してください。
Q4. 所得税の税率の一覧表はありますか?
A. 国税庁の速算表があります。課税される所得金額が195万円未満は5%、195万円以上330万円未満は10%、330万円以上695万円未満は20%、695万円以上900万円未満は23%、900万円以上1,800万円未満は33%、1,800万円以上4,000万円未満は40%、4,000万円以上は45%の税率に、それぞれの控除額を差し引いて税額を求めます。毎月の源泉徴収は、この速算表ではなく税額表で求めます。
Q5. 賞与の税金の計算方法は?
A. 前月の給与から社会保険料等を引いた金額と扶養親族等の数で、賞与の算出率の表の甲欄から率を探し、賞与から社会保険料等を引いた金額に掛けます。前月の給与が300,000円、扶養親族等2人なら率は4.084%で、賞与500,000円の税額は20,420円です。前月に給与がない場合や賞与が前月給与の10倍を超える場合は、月額表を使う特例があります。
Q6. 源泉徴収税額とは戻ってくるものなのですか?
A. 毎月の源泉徴収は概算のため、年末調整で1年間に納めるべき税額と比べて差額を精算します。払いすぎていれば戻り、不足していれば追加で徴収されます。年末調整の対象外の人や、従たる給与(副業先など)は、本人が確定申告で精算します。
まとめ:源泉徴収税額表を正しく使うための5つのこと
- 給与を支払う時期に合った年分の表を使います。令和8年中は令和8年分、令和9年1月以後は令和9年分です。
- 社会保険料等を引いた後の金額で、月額表・日額表・賞与の算出率の表のどれを使うかを決めます。
- 扶養控除等申告書の提出の有無で、甲欄と乙欄を使い分けます。申告書の回収と異動の反映は毎年の作業です。
- 扶養親族等の数を正しく数えます。ひとり親・障害者などの加算や、16歳未満・特定親族の扱いを確認します。
- 手作業の負担や取り違えが気になる場合は、給与計算ソフトや人事労務システムの資料を請求し、税額表の更新の扱いを確認します。
源泉徴収税額表は、一度仕組みを理解すれば難しくありません。毎年の改正と従業員ごとの違いをどう管理するかが、実務での負担の中心になります。
参考文献
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/01.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「令和9年分 源泉徴収税額表」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2027/01.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf(2026年10月19日確認)
- 国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方(令和8年分)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/data/19-22.pdf(2026年10月19日確認)
- 国税庁「令和9年分 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2027/data/01-07.pdf(2026年10月19日確認)
- 国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収税額表(日額表)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/data/08-14.pdf(2026年10月19日確認)
- 国税庁「令和8年分 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/data/15-16.pdf(2026年10月19日確認)
- 国税庁「No.2511 税額表の種類と使い方」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2511.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「No.2520 2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2520.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2523.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm(2026年10月19日確認)
- 国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm(2026年10月19日確認)
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「freee人事労務」 https://www.onamae.com/business/product/70872/(2026年10月19日確認)
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「ジンジャー給与」 https://www.onamae.com/business/product/26135/(2026年10月19日確認)
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「ジンジャー人事労務」 https://www.onamae.com/business/product/26140/(2026年10月19日確認)
この記事に興味を持った方におすすめ









