支払調書とは?提出範囲・書き方・期限と令和9年の電子提出義務化を解説

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  • 提出期限は支払確定年の翌年1月31日
  • 5万円超など支払先ごとに基準額が違う
  • 令和9年1月から30枚以上でe-Tax必須

支払調書とは、報酬や料金、契約金、賞金などを支払った人が、支払先ごとの年間の支払金額や源泉徴収した税額を税務署に報告するために作成・提出する書類のことです。所得税法などで税務署への提出が義務づけられている「法定調書」の一種で、提出期限は支払が確定した年の翌年1月31日です。この記事では、法定調書や源泉徴収票との違い、提出が必要な人と金額の基準、書き方、提出方法、令和9年(2027年)1月から30枚以上でe-Tax等による提出が必要になる変更、提出しなかった場合の扱いの順に、国税庁の情報をもとに整理します。支払先が増えるほど集計と提出の手間が重くなるため、請求書の受け取りから支払調書の作成までを仕組みにする方法にも触れます。

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目次

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  1. 支払調書とは?法定調書・源泉徴収票との違い
  2. 支払調書の種類|報酬・料金等と不動産関係の主な4種類
  3. 支払調書を提出する人と提出範囲|いくらから必要か
  4. 支払調書の対象になる支払の例|源泉徴収が必要な報酬・料金
  5. 支払調書の書き方|記載項目と作成の流れ
  6. 支払調書の元データを整える|請求書の受領と保管
  7. 支払調書の提出期限・提出先・提出方法
  8. 令和9年1月から変わる電子提出の義務|30枚以上でe-Tax等が必要に
  9. 支払調書を提出しなかった・間違えたときの扱い
  10. 報酬を受け取る側・請求する側が押さえておきたいこと
  11. 支払調書まわりの業務を仕組みにする3サービスの役割の違い
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ:支払調書で押さえたい5つのこと
  14. 参考文献

支払調書とは?法定調書・源泉徴収票との違い

支払調書とは、報酬・料金・契約金・賞金などを支払った側が、支払先と支払金額、源泉徴収した税額を税務署に報告するための書類です。支払を受けた側ではなく、支払った側が作成して提出します。

国税庁は法定調書を、所得税法などの規定により税務署に提出が義務付けられている資料と説明しています(国税庁「法定調書(源泉徴収票、支払調書)」)。税務署は、提出された調書をもとに支払先の申告内容などを確認できるため、適正・公平な課税を実現するために必要不可欠な資料と位置づけられています。

法定調書の一種で、種類は多い

支払調書は法定調書の一種です。国税庁の「法定調書の種類及び提出期限」には、利子等・配当・保険・不動産・株式の譲渡など、令和7年4月1日現在で58種類が掲載されています(国税庁「法定調書の種類及び提出期限」)。一般の事業者が日常の業務で関わりやすいのは、フリーランスや士業への報酬などに関する「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」と、不動産の賃借などに関する3種類の支払調書です。この記事では、特に前者を中心に説明します。

源泉徴収票との違い

源泉徴収票も同じ法定調書ですが、対象となる支払が違います。源泉徴収票は給与・退職手当・公的年金等を支払ったときに作成し、支払調書は給与以外の報酬・料金などを支払ったときに作成します。

項目支払調書(報酬・料金等)源泉徴収票
対象となる支払原稿料、講演料、弁護士・税理士などへの報酬、外交員の報酬、広告宣伝のための賞金など給与、賞与、退職手当、公的年金等
支払を受ける人個人事業主、フリーランス、士業、法人など従業員、退職者、年金の受給者
提出先支払者の所轄税務署税務署(支払を受ける人への交付も法律で定められている)
提出期限支払の確定した日の属する年の翌年1月31日給与所得は翌年1月31日(中途退職者は退職の日以後1か月以内)、退職所得は退職の日以後1か月以内

提出期限は国税庁の一覧で確認した内容です。源泉徴収票を支払を受ける人へ交付しなかった場合の罰則も所得税法に定められており(所得税法第242条第6号)、源泉徴収票が提出と交付の両方を求められる点が、支払調書との大きな違いです。

手間がかかるのは「集計」と「提出」

支払調書は、その年に支払が確定した金額を支払先ごとに合計して作ります。請求書が紙やメールで届き、支払の記録が会計ソフトや表計算ソフトに分かれていると、年明けに支払先ごとの金額を突き合わせる作業が一気に重くなります。氏名・住所・マイナンバーや法人番号の確認、様式への記入、税務署への提出まで含めると、支払先が増えるほど毎年の負担が大きくなります。

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支払調書の種類|報酬・料金等と不動産関係の主な4種類

主な支払調書は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」と、不動産に関する3種類(不動産の使用料等、不動産等の譲受けの対価、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料)の4つです。どれも提出期限は、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日です。

支払調書の種類主な対象提出範囲の基準提出義務者
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書原稿料・講演料、弁護士・税理士などへの報酬、外交員やホステスの報酬、広告宣伝のための賞金など支払先の区分ごとに、年間の支払合計が5万円超または50万円超など(次の見出しで詳しく説明)所得税法の定める報酬・料金・契約金・賞金を支払う人
不動産の使用料等の支払調書不動産などの借受けの対価、権利金、更新料、礼金など同一人に対するその年中の支払合計が15万円超法人と、不動産業者である個人
不動産等の譲受けの対価の支払調書不動産などを譲り受けたときの対価(売買のほか、交換、競売、収用なども含む)同一人に対するその年中の支払合計が100万円超法人と、不動産業者である個人
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書不動産などの売買や貸付けのあっせんに対する手数料同一人に対するその年中の支払合計が15万円超法人と、不動産業者である個人

表の内容は、国税庁のタックスアンサー(No.7431・No.7441・No.7442・No.7443、令和8年4月1日現在法令等)で確認したものです。不動産関係の3種類のうち、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる個人は、提出義務がありません。また、法人に家賃や賃借料だけを支払っている場合は、不動産の使用料等の支払調書の提出は必要ありません(権利金や更新料などは対象です)。

支払調書を提出する人と提出範囲|いくらから必要か

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書は、支払先の区分ごとに決められた金額を超えた場合に提出します。弁護士・税理士への報酬や原稿料・講演料などは、同一人に対するその年中の支払合計が5万円を超えるものが対象です。

提出しなければならないのは、外交員報酬や税理士報酬など、所得税法第204条第1項各号などに規定された報酬・料金・契約金・賞金の支払をする人です(国税庁 タックスアンサー No.7431)。法人だけでなく、事業を営む個人も、支払をする側であれば対象になります。提出範囲の金額は、国税庁の案内では次のように示されています。

支払先の区分提出が必要になる金額の基準
弁護士・税理士などへの報酬、作家や画家に対する原稿料・画料、講演料など同一人に対するその年中の支払金額の合計が50,000円を超えるもの
プロ野球の選手などに支払う報酬・契約金同一人に対するその年中の支払金額の合計が50,000円を超えるもの
外交員・集金人・電力量計の検針人・プロボクサー等の報酬・料金、バー・キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金同一人に対するその年中の支払金額の合計が50万円を超えるもの
社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬(令和8年10月から「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」に名称変更)同一人に対するその年中の支払金額の合計が50万円を超えるもの
馬主に支払う競馬の賞金同一人に対するその年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係る、その年中のすべての支払金額

多くの会社に関わりが深いのは、1行目の弁護士・税理士・司法書士などの士業への報酬と、原稿料・講演料・デザイン料のような個人への報酬です。外注費や業務委託費といった契約上の名目で判断するのではなく、支払の中身が所得税法第204条第1項に掲げる報酬・料金などに当たるかどうかで判断します。名目が謝礼や研究費、取材費、車代でも、実態が報酬・料金等と同じであれば源泉徴収の対象になるとも、国税庁は案内しています(国税庁 タックスアンサー No.2792)。

消費税を含めて判断する|計算例

提出範囲の金額は、消費税および地方消費税の額を含めて判断します。ただし、請求書などで消費税等の額が明確に区分されている場合は、その額を含めないで判断しても差し支えないとされています(No.7431)。たとえば、講演料として本体価格48,000円と消費税4,800円を支払った場合は、次のようになります。

請求書の書き方判断に使える金額50,000円との関係
「講演料 52,800円(税込)」とだけ書かれていて、消費税額の区分がない52,800円50,000円を超えるため、同一人への年間合計が基準を超えれば提出範囲
「講演料 48,000円、消費税 4,800円」と区分して書かれている48,000円(消費税等を含めない判断も差し支えない)50,000円以下のため、この1件だけなら提出範囲に当たらない

この判断は、同じ人への1年間の支払を合計して行います。単発の講演料が5万円以下でも、同じ人に年に何度か支払っていて合計が5万円を超えれば、提出範囲に当たります。請求書の消費税額が区分されているかどうかで、支払う側の判断が変わるため、報酬を請求する側は、報酬額と消費税額を分けて書いておくと、支払う側が判断しやすくなります。

法人への支払も、提出が必要になることがある

「相手が会社だから源泉徴収をしない」ことと、「支払調書の提出が不要」であることは別の話です。国税庁の質疑応答事例では、法人に測量費用を支払い、法人なので源泉徴収をしなかったケースについて、所得税法第204条第1項第2号の報酬等に該当するため、支払調書の提出が必要になると回答されています(国税庁 質疑応答事例「法人に対して支払った報酬等」)。源泉徴収の要否に関係なく、支払が第204条第1項各号の報酬等に当たれば提出が必要になる、という考え方です。ただし、一定の提出範囲に該当するものに限られます。

非居住者への支払は別の支払調書になる

非居住者に対して、国内で行う人的役務の提供の対価として報酬等を支払った場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」ではなく、「非居住者に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書」を提出します。ただし、支払金額が年間50万円以下の場合は提出不要とされています(No.7431)。海外在住のフリーランスなどへの支払がある場合は、この区別に注意が必要です。

支払調書の対象になる支払の例|源泉徴収が必要な報酬・料金

支払調書の対象になりやすいのは、源泉徴収が必要な報酬・料金と重なる支払です。国税庁のタックスアンサーでは、支払を受ける人が居住者である場合の源泉徴収の対象として、次の8つが挙げられています(No.2792)。

  1. 原稿料や講演料など
  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
  3. 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構が支払う診療報酬
  4. プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
  5. 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や、芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
  6. バンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどのホステスなどに支払う報酬・料金
  7. プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

同じ国税庁の案内には、判断で迷いやすい点も示されています。直接、交通機関やホテルなどへ通常必要な範囲の交通費や宿泊費を支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてよいとされています。反対に、金銭ではなく物品その他の経済的利益で支払う場合も、報酬・料金等に含まれます。迷ったときは、支払の内容と金額を整理したうえで、所轄の税務署や税理士に確認しましょう。

支払調書の書き方|記載項目と作成の流れ

支払調書は、支払を受ける人の住所・氏名・個人番号または法人番号、区分、細目、支払金額、源泉徴収税額、摘要、支払者の情報を記載して作成します。国税庁が公表している記載要領に沿って書くのが基本です。

記載項目書く内容(国税庁の記載要領より)
住所(居所)又は所在地・個人番号又は法人番号支払調書を作成する日の現況による住所や居所、または本店や主たる事務所の所在地と、個人番号または法人番号
区分原稿料、翻訳料、講演料、弁護士等の報酬、広告宣伝のための賞金など、支払の内容。印税は書きおろし印税とその他の印税の別も書く
細目印税は書籍名、原稿料は支払回数、出演料は題名、教授料は講座名、弁護士等の報酬は関与した事件名、広告宣伝のための賞金はその名称など
支払金額その年中に支払の確定したもの。調書を作成する日にまだ支払っていないものは内書する
源泉徴収税額徴収される税額。調書を作成する日にまだ徴収していない税額があるときは内書する
摘要源泉徴収の規定の適用を受けない人で所得税を徴収しなかった場合はその旨、広告宣伝のための賞金が金銭以外の場合はその種類や明細など

書面で作成するときは、記載要領で、金額の欄に円記号や「円」の文字を書かないこと、「同上」や「〃」を使わずにすべての内容を正確に書くことが示されています(国税庁「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」記載要領(PDF))。国税庁は、令和8年8月に税務署提出用の法定調書の書面様式が変わったと案内しているため、書面で出す場合は、国税庁の手続案内に載っている最新の様式を使いましょう(国税庁「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(同合計表)」)。

作成から提出までの流れ

  1. その年に支払が確定した報酬・料金などを、支払先ごとに集計する
  2. 支払先ごとの合計額が、前の見出しで確認した提出範囲の金額を超えるかを判定する
  3. 支払先の個人番号(マイナンバー)または法人番号を確認する
  4. 区分・細目・支払金額・源泉徴収税額を、記載要領に沿って記入する
  5. 支払調書の内容をまとめた「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成する
  6. 翌年1月31日までに、所轄の税務署へe-Taxまたは書面で提出する

マイナンバーまたは法人番号の記載

税務署に提出する支払調書には、報酬・料金等の支払を受ける人のマイナンバーまたは法人番号を記載する必要があります。一方で、支払調書の写しを支払を受ける人に交付する場合は、マイナンバーを記載して交付することはできません(No.7431)。提出用と交付用で記載内容を分ける点が、つまずきやすいところです。取引先から番号を集めて管理する仕組みを整える場合は、マイナンバー管理システムの選び方を解説した記事も参考になります。

支払調書の作り方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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支払調書の元データを整える|請求書の受領と保管

支払調書の集計ミスは、請求書の受け取りの段階で起きやすくなります。支払調書の支払金額は、支払先ごとに、その年中に支払の確定した金額を合計するため、請求書の金額・日付・消費税額・登録番号が揃っていることが前提になるからです。

請求書がばらばらに届くと、集計の元データが揃わない

請求書が郵送の紙、メールのPDF、取引先の専用サイトなど複数の経路で届く会社では、経理担当者が1通ずつ内容を確認して支払の記録に入力することになります。ここで金額の転記を誤ったり、支払先の名寄せを漏らしたりすると、年明けの集計で食い違いが見つかり、調書の作成が止まります。報酬・料金の支払だけでも、士業、デザイナー、ライター、講師など、支払先が増えるほど突き合わせの量が増えます。次のような点を、請求書を受け取る段階で整えておくと、支払調書の集計が楽になります。

  • 請求書の宛名・支払先名が、支払調書に書く名称と一致しているか
  • 報酬額と消費税額が区分されているか(提出範囲の判断に使えます)
  • 支払の確定した日が、どの年に属するか
  • 支払先の個人番号または法人番号を、必要な範囲で確認できるか

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支払調書の提出期限・提出先・提出方法

支払調書の提出期限は、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日です。提出先は支払者の納税地等を所轄する税務署で、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」とともに、e-Taxまたは書面で提出します。

提出期限と提出先

令和8年中に支払が確定した報酬・料金等の支払調書であれば、期限は令和9年1月31日です。令和9年1月31日は日曜日にあたります。国税通則法第10条第2項は、国税に関する法律に定める書類の提出などの期限が日曜日や祝日などの休日に当たるときは、その翌日を期限とみなすと定めています(e-Gov法令検索「国税通則法」)。この規定のとおりなら、令和8年分の期限は翌日の令和9年2月1日(月曜日)になりますが、実際の取扱いは提出の前に国税庁の案内や所轄の税務署で確認してください。

書面で窓口に出す場合の受付時間にも注意が必要です。国税庁は、令和8年10月1日から、全ての税務署で総合窓口の受付時間を原則として午前9時から午後3時までとしています。土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)は執務を行っていません。1月は年末調整関係の書類も重なる時期のため、期限直前の持ち込みは避け、早めに準備しましょう。

提出方法は6つ

国税庁は、法定調書の提出方法として、e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト、eLTAX、認定クラウド等、光ディスク等、書面の6つを示しています。作成する法定調書の種類によって利用できるソフトが異なるため、国税庁の案内で自社の使いたい方法に対応しているかを確認しましょう。

国税庁は、法定調書の提出にはe-Taxを勧めています。e-Taxソフト(WEB版)では、報酬等の支払調書を画面上で1件ずつ入力したり、ほかのソフトで作成したCSVファイルを取り込んで送信したりできます。支払先が多い場合は、会計ソフトや支払管理のサービスで作成したCSVを取り込む方法が現実的です。

令和9年1月から変わる電子提出の義務|30枚以上でe-Tax等が必要に

令和9年(2027年)1月1日以後に提出する法定調書は、法定調書の種類ごとに、前々年に提出すべきだった枚数が30枚以上の場合、e-Tax・光ディスク等・認定クラウド等で提出する必要があります。令和8年12月31日以前に提出する法定調書の基準は100枚以上です。

提出する時期電子提出が必要になる基準枚数を数える年
令和8年12月31日以前100枚以上前々年に提出すべきだった、その法定調書の枚数
令和9年1月1日以後30枚以上前々年に提出すべきだった、その法定調書の枚数

国税庁のタックスアンサーは、具体例として、令和7年1月に提出すべき「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の枚数が30枚以上であった場合、令和9年1月に提出する「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」はe-Tax等で提出する必要があると説明しています(国税庁 タックスアンサー No.7455)。令和9年1月に提出する令和8年分の調書の判定には、令和7年1月に提出した枚数を使う、ということです。

自社が対象になるかの確かめ方

  1. 令和7年1月に提出すべきだった支払調書の枚数を、種類ごとに数える(報酬・料金等の支払調書、不動産の使用料等の支払調書など)
  2. 種類ごとの枚数が30枚以上かを確認する(合算ではなく、法定調書の種類ごとの判定です)
  3. 30枚以上の種類があれば、令和9年1月の提出はe-Taxなどの電子提出で進める準備をする

枚数は、支払先ごとに1枚の支払調書を作成する前提で数えます。報酬・料金の支払先が30件以上ある会社は、令和9年1月の提出から電子提出が必要になる可能性があります。30枚未満の会社でも、国税庁が提出にe-Taxを勧めている以上、集計したデータをCSVにして取り込める形で持っておくと、将来の基準変更にも対応しやすくなります。

支払調書を提出しなかった・間違えたときの扱い

支払調書を提出期限までに税務署長へ提出しなかったり、偽りの記載をして提出したりした場合について、所得税法第242条は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定めています(e-Gov法令検索「所得税法」)。

これは法律上の規定を紹介したもので、実際にどのように扱われるかは個別の事情によって異なります。出し忘れや記載の誤りに気づいたときは、自己判断で放置せず、所轄の税務署や税理士に早めに相談しましょう。なお、この記事は一般的な情報の提供を目的としており、法的助言や税務上の助言ではありません。個別のケースの判断は、税務署や税理士などの専門家に確認してください。

提出後に記載誤りに気づいたら

提出後に支払金額などの記載誤りを見つけた場合の訂正方法は、国税庁の質疑応答事例で示されています(国税庁 質疑応答事例「提出した法定調書に記載誤りを発見した場合の訂正方法」)。正しい内容の法定調書を作成して税務署に提出する必要があり、当初提出した調書を無効とするため、次の4つを提出します。

  1. 先に提出した法定調書の写し(右上の余白に「無効」と赤書きしたもの)
  2. 無効分の合計表(「調書の提出区分」欄に「4」と記入)
  3. 正しい内容の法定調書(右上の余白に「訂正分」と赤書きしたもの)
  4. 訂正分の合計表(「調書の提出区分」欄に「3」と記入)

手作業で集計した金額に誤りがあると、訂正のたびに4種類の書類を作り直すことになります。年間の支払先が多い会社ほど、集計の元データを正しく揃える仕組みの価値が大きくなります。

報酬を受け取る側・請求する側が押さえておきたいこと

報酬や料金を受け取る側は、支払調書を作成して提出する義務はありません。ただし、支払う側は、税務署へ提出する支払調書にマイナンバーまたは法人番号を記載する必要があるため、取引先から番号の提供を求められることがあります。

請求書の書き方によっても、支払う側の手間は変わります。前の見出しで見たとおり、提出範囲の判断では、請求書などで消費税等の額が明確に区分されていれば、その額を含めない金額で判断することも差し支えないとされています。報酬額と消費税額を分けて書き、適格請求書発行事業者の登録番号も載せた請求書を出しておけば、支払う側の確認が進めやすくなります。請求書の書き方やインボイスへの対応は、納品書テンプレートの選び方とインボイス・電帳法への対応を解説した記事でも整理しています。

見積書、請求書、領収書の作成と送付、入金の確認を、表計算ソフトや手書きで続けている場合の一例が、株式会社マネーフォワードの「マネーフォワード クラウド請求書」です。商品ページでは、見積書・納品書・請求書・領収書を作成できること、インボイス制度の要件を満たした請求書の作成・発行ができること、メール送信と郵送をそれぞれワンクリックで行えること、入金・納品・郵送などのステータスを一覧で管理できることが紹介されています。一方で、支払い方法は原則としてクレジットカードのみ(利用者が51名以上の場合は請求書払いも可能)であること、タブレットやスマートフォンには対応しておらず、対応OSはWindowsとmacOSであることも注意点として記載されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • 請求書発行に特化しているものの、「入金消込」を利用するには「マネーフォワード クラウド請求書Plus」の契約が必要

株式会社はためきの導入事例の要約です。システム開発の受託などを行う同社が、マネーフォワード クラウドの導入後、クラウド請求書から使い始め、その次に経費・会計、役員報酬の支払いのためのクラウド給与へと利用を広げたと紹介されています。

出典:マネーフォワード「株式会社はためき」導入事例(https://biz.moneyforward.com/case/13451/)

マネーフォワード クラウド請求書

請求書の作成と入金の確認が、表計算ソフトのままになっていませんか?

こんな会社に向いています

見積書から領収書までを、同じ画面で作成したい個人事業主や中小企業

請求書のメール送付や郵送、入金状況の確認を、画面上でまとめて行いたい会社

マネーフォワード クラウド請求書の資料を無料で見る

支払調書まわりの業務を仕組みにする3サービスの役割の違い

ここまでに登場した3つのサービスは、支払調書に関わる業務の別の場所を担当します。優劣ではなく、自社でいちばん負担が大きい作業に合わせて比べてください。

  • 自社が支払う側か、受け取る側(請求する側)か
  • 重いのは、請求書の受け取りと集計か、支払調書の作成と提出か、請求書の発行と送付か
  • 作りたい支払調書の種類に対応しているか(商品ページで紹介されているのは、報酬・料金・契約金・賞金の支払調書)
  • 費用と導入体制(料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認)

支払調書まわりの負担、どこが重いかで見る3サービス

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:マネーフォワード クラウド債務支払報酬、料金、契約金、賞金の支払調書をPDFとe-Tax向けCSVで出力できる点が紹介されています

資料を無料ダウンロード

この状況に合う一例:Bill One請求書受領紙もメールのPDFもオンラインで受け取ってデータ化し、請求書業務を同じサービス上で完結できる点が紹介されています

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この状況に合う一例:マネーフォワード クラウド請求書見積書から領収書までを作成し、メール送付と郵送をワンクリックで行える点が紹介されています

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サービス マネーフォワード クラウド債務支払 Bill One請求書受領 マネーフォワード クラウド請求書
向いている会社 報酬・料金の支払先が多く、請求書の受け取りから支払、支払調書の作成までをまとめたい会社 紙やメールなど複数の経路で届く請求書を、経理部門や各部門でオンラインに一元化したい会社 見積書や請求書を発行する側で、作成・送付・入金確認を効率化したい個人事業主や中小企業
特徴 AI OCRによる請求書データの自動入力、事前申請から支払いまでの一貫管理、銀行振込API、報酬等の支払調書の集計・作成(PDF・e-Tax向けCSV) 請求書の受け取りからデータ化、申請・承認、仕訳、支払い管理、保管までを同じサービス上で完結。電子帳簿保存法とインボイス制度に対応し、専任担当者が導入を支援 見積書・納品書・請求書・領収書の作成、メール送付と郵送のワンクリック対応、入金ステータスの一覧管理、インボイス制度・電子帳簿保存法に対応
注意したい点 商品ページで作成できると紹介されているのは、報酬・料金・契約金・賞金の支払調書。ほかの種類の対応や自社の支払内容に合うかは資料で確認 商品ページに、月の請求書受領件数が100件を超えた場合の有料プランへの切り替えや、従業員数による費用の記載あり。条件は資料で確認 商品ページに、支払い方法は原則クレジットカード(51名以上は請求書払い可)、スマートフォン・タブレット非対応(Windows・macOSのみ)と記載
資料・詳細

3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

まとめて資料をダウンロード

表は横にスクロールできます。内容は各商品ページで確認した情報です(確認日:2026年10月19日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 支払調書とは何ですか?

A. 報酬・料金・契約金・賞金などを支払った側が、支払先と支払金額、源泉徴収した税額を税務署に報告するために作成・提出する書類で、法定調書の一種です。支払を受けた側ではなく、支払った側が作成します。提出期限は、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日です。

Q2. 支払調書が必要な人は誰ですか?

A. 弁護士・税理士などへの報酬や原稿料・講演料など、所得税法に定められた報酬・料金・契約金・賞金を支払う人が、提出範囲の金額を超えた場合に提出します。法人だけでなく、事業を営む個人も支払をする側であれば対象です。支払先が法人でも、支払が第204条第1項各号の報酬等に当たれば、源泉徴収の要否に関係なく提出が必要になります。

Q3. 支払調書を提出しないとどうなりますか?

A. 所得税法第242条は、支払調書を提出期限までに提出しなかったり、偽りの記載をして提出したりした者を、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定めています。実際の扱いは個別の事情で異なるため、出し忘れに気づいたら所轄の税務署や税理士に早めに相談してください。この回答は法的助言ではありません。

Q4. 支払調書はどこからもらえますか?

A. 支払調書は、報酬・料金を支払った側が作成して税務署に提出する書類です。受け取る側の自動発行ではないため、必要な場合は支払った会社や取引先に依頼します。国税庁は、写しを支払を受ける人に交付する場合は、マイナンバーを記載して交付することはできないと案内しています。

Q5. 支払調書は5万円以下なら提出不要ですか?

A. 弁護士・税理士への報酬や原稿料・講演料などは、同一人に対するその年中の支払合計が5万円を超えるものが対象です。1回の支払が5万円以下でも、年間の合計が5万円を超えれば提出範囲に当たります。外交員やホステスなどの報酬のように、基準が50万円超の区分もあります。金額は消費税を含めて判断し、請求書で消費税額が明確に区分されていれば含めない金額で判断しても差し支えないとされています。

Q6. 令和9年1月から支払調書の提出はどう変わりますか?

A. 令和9年(2027年)1月1日以後に提出する法定調書は、種類ごとに、前々年に提出すべきだった枚数が30枚以上の場合、e-Tax・光ディスク等・認定クラウド等による提出が必要です。令和8年12月31日以前の提出分は、100枚以上が基準でした。

まとめ:支払調書で押さえたい5つのこと

  1. 支払調書は、報酬・料金などを支払った側が作成し、支払の確定した年の翌年1月31日までに税務署へ提出する法定調書である
  2. 提出が必要かは、支払先の区分ごとの金額基準(5万円超・50万円超など)と、消費税を含めた金額で判断する
  3. 国税庁の記載要領に沿って記入し、税務署提出用にはマイナンバーまたは法人番号を記載する
  4. 令和9年1月からは、前々年の提出枚数が種類ごとに30枚以上の場合、e-Tax等による提出が必要になる
  5. 請求書の受け取りから支払調書の作成までを仕組みにするため、資料を取り寄せて、自社の作業に合うかを検討する

支払調書は、毎年1月の期限に向けて、集計と確認の作業が集中しやすい書類です。判定の基準と提出方法を押さえたうえで、支払先や請求書の数が増えてきたら、手作業のままで続けるかどうかを一度見直してみましょう。

参考文献

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