雇用保険被保険者資格喪失届とは?提出期限・書き方・添付書類

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  • 期限は退職日の翌日から数えて11日以内
  • 離職票の希望は退職前に本人へ確認する
  • 59歳以上は離職証明書の提出が必要

雇用保険被保険者資格喪失届とは、従業員が雇用保険の被保険者でなくなったときに、事業主が事業所を管轄するハローワークへ提出する届出書です。退職のほか、死亡、週の所定労働時間が20時間未満になった場合、役員に就任した場合などにも提出します。提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内で、退職の場合は退職日の翌日から数えて11日以内が最終日の目安です。退職者が離職票を希望するときは、離職証明書もあわせて提出します。この記事では、提出が必要なケース、期限の数え方、項目ごとの書き方、添付書類、窓口・郵送・電子申請の違い、間違えたときの訂正までを、法令とハローワークの公表資料にもとづいて整理します。

退職者の雇用保険の手続き、今のやり方はどちらに近いですか?

Q1. 資格喪失届や離職証明書は、どのように作っていますか?

目次

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  1. 雇用保険被保険者資格喪失届とは|事業主がハローワークに出す届出
  2. 資格喪失届を出すケース|退職だけではない場面と離職票の要否
  3. 提出期限の数え方|退職日の翌日から数えて11日以内が目安
  4. 資格喪失届の書き方|主な記入欄とつまずきやすい点
  5. 離職証明書と離職票|出す場合・省ける場合
  6. 提出方法と添付書類|窓口・郵送・電子申請の違い
  7. 提出後の流れと、間違えたときの訂正・取消
  8. 提出漏れ・遅れを防ぐ運用|よくある失敗と確認のしかた
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|資格喪失届の提出で押さえる6つのこと
  11. 参考文献

雇用保険被保険者資格喪失届とは|事業主がハローワークに出す届出

雇用保険被保険者資格喪失届とは、従業員が雇用保険の被保険者でなくなったことを、事業主がハローワークへ届け出る書類です。提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内です。

雇用保険法第7条は、事業主に対し、雇用する労働者が被保険者となったことや被保険者でなくなったことなどを、厚生労働省令で定めるところにより届け出るよう求めています。このうち、被保険者でなくなったときの届出が資格喪失届です。届出の義務を負うのは事業主で、退職する従業員本人が出す書類ではありません。

提出の基本|誰が・どこへ・いつまでに

資格喪失届の提出の基本を、法令とハローワークの案内から整理すると、次の表のとおりです。

項目内容根拠
提出する人事業主(会社)。従業員本人ではない雇用保険法第7条
提出先事業所の所在地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)の長。年金事務所を経由して提出することもできる施行規則第7条第1項・第2項
提出期限被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内施行規則第7条第1項
離職が原因のとき離職証明書(様式第5号)と、離職の日前の賃金の額を証明できる書類(賃金台帳など)を添える。離職票を希望しない退職者の分は、離職証明書を添えないこともできる(離職の日に59歳以上は除く)施行規則第7条第1項・第3項

出典:e-Gov法令検索「雇用保険法」、e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」、ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者資格喪失届」(2026年10月19日確認)。

期限内に出す必要がある理由

資格喪失届は、会社の義務であると同時に、退職者の失業給付の手続きの出発点でもあります。失業給付のうち基本手当は、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることなどが要件で(特定理由離職者などは1年間に6か月以上)、雇用保険法第13条に定められています。被保険者であった期間と、被保険者でなくなった日を事業主が正しく届け出ることが、退職者が給付を受けるための前提になります。

厚生労働省(三重労働局)の案内でも、失業給付の申込みには原則として離職票が必要とされています。事業主は、被保険者資格喪失の事実があった日の翌日から起算して10日以内(退職日の翌日から数えて11日以内)に資格喪失届を提出しなければならないとされています。出典:厚生労働省(三重労働局)「雇用保険給付窓口からのお知らせ」(2026年10月19日確認)。

届出をしなかった場合について、雇用保険法第83条は、事業主が第7条の規定に違反して届出をせず、または偽りの届出をしたときは、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。個別の事案への当てはめは、管轄のハローワークや社会保険労務士に確認してください。本記事は法令と公的資料にもとづく一般的な解説であり、法的助言ではありません。

届出は、退職者が出るたびに賃金台帳や出勤簿で離職の日・賃金・所定労働時間を確認し、様式に記入して期限内に出す作業です。退職が重なる月や従業員が多い会社ほど、確認と転記の手間は大きくなります。手作業を減らす方法として、届出書類の作成や電子申請、人事情報の管理を扱うサービスを、役割の違いで3つ並べます。

退職手続きの書類づくりと人事情報の管理を見直す3サービスの役割の違い

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比較表の内容は、各サービスの商品ページに掲載されている特徴・おすすめポイント・注意点にもとづいています(2026年10月19日確認)。各サービスが対応する届出の種類や電子申請の範囲は、プランや契約内容によって異なる場合があるため、資料やデモで確認してください。入退社の手続き書類を作る負担を減らしたい場合の一例が、freee株式会社が提供するfreee人事労務です。商品ページでは、入社・退職手続きの機能として、従業員がオンライン上で必要な手続きを進められ、社会保険や雇用保険など加入が必要な書類を自動作成できると紹介されています。従業員から集めた情報を各種保険の申請項目に自動転記する仕組みで、勤怠管理・給与計算・年末調整まで同じサービスで扱えます。一方で、スマホからの出退勤が使いにくく、全体的に持て余してしまう機能もある、という指摘が商品ページに挙げられています。資格喪失届を含め、どの届出書類をどこまで自動で作成できるかは、資料や問い合わせで確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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導入先の社会福祉法人幸樹会では、勤怠の集計から給与計算までの作業時間が、担当者の感覚として従来の1/4-1/5程度に短縮されたと紹介されています(freee人事労務とfreee勤怠管理Plusを利用した事例。入退社の手続きに関する記載はありません)。

社会福祉法人幸樹会の導入事例の要約より(出典:freee株式会社「社会福祉法人幸樹会の導入事例」)

資格喪失届を出すケース|退職だけではない場面と離職票の要否

資格喪失届を出すのは、退職や解雇のほか、死亡、週の所定労働時間が20時間未満になった場合、役員への就任、移籍出向などで被保険者でなくなったときです。

場面ごとの整理

ハローワークの様式の注記では、資格喪失届の6欄(喪失原因)に、死亡・在籍出向・出向元への復帰などの離職以外の理由は1、契約期間の満了・任意退職・定年等は2、事業主の都合による解雇や事業主の勧奨等による任意退職は3を入力するとされています。この区分と、離職証明書の要否を、場面ごとにまとめました。

場面6欄(喪失原因)の区分離職証明書(離職票)確認したい点
自己都合の退職、定年、契約期間の満了2離職票を希望する場合は添える離職の日と、離職理由を裏づける退職届や契約書を手元に置く
事業主の都合による解雇、事業主の勧奨等による任意退職3離職票を希望する場合は添える離職理由は退職者の給付に関わるため、実態に沿って記載する
被保険者の責めに帰すべき重大な理由による解雇、天災等による事業の継続不能に伴う解雇2離職票を希望する場合は添える解雇通知など、理由を確認できる書類を残す
死亡1(離職以外の理由)離職にあたらないため添える対象ではない死亡の日が、原因となる事実のあった年月日になる
在籍出向、出向元への復帰1離職にあたらないため添える対象ではない出向先で被保険者になるかなど、扱いをハローワークに確認する
移籍出向退職金またはこれに準じた一時金の支給があった場合は2。それ以外の出向は1離職にあたる場合は添える一時金の支給の有無で区分が変わる
週の所定労働時間が20時間未満になった様式の注記で区分を確認する離職の扱いかをハローワークに確認する一時的な減少か、契約上の恒常的な変更かを整理する
役員に就任した様式の注記で区分を確認する離職の扱いかをハローワークに確認する兼務役員など、労働者として扱われるかを確認する

出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者資格喪失届」、雇用保険法施行規則第7条、厚生労働省(福岡労働局掲載)の労働保険の加入手続案内リーフレット(2026年10月19日確認)。リーフレットには、法人の役員や同居の親族は一定の場合を除き労災保険・雇用保険の対象にならないと書かれています。解説記事では、役員就任などを「3以外の離職」に区分する例も見られます(例:OBC、東芝の解説)。区分に迷う場合は、管轄のハローワークに確認してください。

表の「離職証明書」の欄は、雇用保険法施行規則第7条が、被保険者でなくなったことの原因が離職であるときに離職証明書を添えるよう定めていることにもとづいています。死亡や在籍出向のように離職にあたらない場合は、離職証明書の対象になりません。ただし、実際の添付書類の扱いは、ハローワークの案内で変わることがあるため、提出前に確認しておくと安心です。

週20時間未満と、2028年10月からの変更

雇用保険法第6条は、1週間の所定労働時間が20時間未満の人には、原則として雇用保険法を適用しないと定めています。パートやアルバイトの契約を見直して所定労働時間が20時間未満になると、被保険者でなくなるため、資格喪失届の対象になる場合があります。一時的に勤務時間が減っただけの場合と、契約上の所定労働時間が変わった場合では扱いが異なるため、契約書の内容で整理することが大切です。

この20時間の基準は、令和6年(2024年)に成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」により、2028(令和10)年10月1日から10時間に変わります。今の基準で喪失の対象になっている人でも、施行後は被保険者として扱われるケースが出てきます。出典:厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要」、厚生労働省「令和6年改正(令和6年法律第26号)」、厚生労働省「雇用保険の適用拡大等について」(2026年10月19日確認)。制度改正の前後は、届出の対象者が変わるため、最新の厚生労働省の案内を確認してください。

社会保険側の手続きとの違い

退職に伴う手続きでは、雇用保険のほかに、健康保険・厚生年金保険の資格喪失の手続きも必要です。こちらは年金事務所や健康保険組合に提出する別の届出で、提出期限や提出先が雇用保険とは異なります。退職した人に渡す資格喪失の証明書類については、資格喪失証明書とは?発行手順・書き方・法的位置づけを解説の記事で整理しています。雇用保険の資格喪失届は、この社会保険の手続きと同じ日に出すとは限らないため、別々に期限を管理しましょう。

事業所の廃止や、会社の合併・事業譲渡で事業所が変わる場合の届出は、通常の退職と手順が異なることがあります。こうしたケースは、事前に管轄のハローワークに相談したうえで、必要な書類を確認してください。

提出期限の数え方|退職日の翌日から数えて11日以内が目安

提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内です。退職の場合は、退職日の翌日から数えて11日以内が最終日の目安になります。

退職日からの期限早見表

退職の場合、被保険者でなくなる日は退職日の翌日です。その翌日を1日目として10日目までが期限なので、退職日からは11日後が最終日になります。厚生労働省(三重労働局)の案内も、期限を「退職日翌日から数えて11日以内」と説明しています。この考え方を日付に当てはめると、次のとおりです。

退職日(最後の勤務日の例)被保険者でなくなる日(退職日の翌日)数え始める日(その翌日)提出期限(退職日の11日後)
2026年10月31日2026年11月1日2026年11月2日2026年11月11日
2026年11月15日2026年11月16日2026年11月17日2026年11月26日
2026年11月30日2026年12月1日2026年12月2日2026年12月11日
2026年12月31日2027年1月1日2027年1月2日2027年1月11日

表は、上の考え方を日付に当てはめた計算例で、公的機関が示す例そのものではありません。三重労働局の案内には、7月20日付の退職の場合に7月21日を1日目とし、7月31日が11日目になる例が載っています(出典:厚生労働省(三重労働局)「雇用保険給付窓口からのお知らせ」、2026年10月19日確認)。「退職日から10日以内」と数え間違えると、1日早く出す計算になります。早く出す分には問題ありませんが、期限の最終日の見込みを誤ると、退職者が多い月に提出が遅れる原因になります。

期限の最終日がハローワークの閉庁日にあたる場合の扱いは、確認できた公的資料に記載が見当たりませんでした。年末年始や連休をまたぐ退職では、最終日を当てにせず、余裕をもって管轄のハローワークの案内を確認し、早めに提出してください。

期限を過ぎてしまったとき

期限を過ぎても、届出の義務がなくなるわけではありません。気づいた時点で、管轄のハローワークに事情を伝えて相談し、できるだけ早く提出します。提出が遅れると、退職者の離職票の交付も遅れ、失業給付の手続きに影響が出ます。

厚生労働省(三重労働局)の案内では、事業所から離職票がなかなか届かない場合でも、退職日から相当期間が過ぎていれば「仮手続き」という形で失業給付の申込みができるとされています。仮手続きは、退職日の翌日から数えて12日目以降の来所が目安で、7月20日付の退職なら8月1日から可能という例が示されています。ただし、これは退職者側の救済的な取扱いで、会社が期限内に提出する義務を軽くするものではありません。

期限管理のコツ

  • 退職日が決まった時点で、「被保険者でなくなる日」と「提出期限」を退職者の管理表に書き込む
  • 離職票を希望するかどうかを、退職日より前に本人へ確認する(離職の日に59歳以上は必ず離職証明書が必要)
  • 3月末や年末など退職が重なる時期は、期限の近い順に提出分を並べ替える
  • 最後の給与で控除する雇用保険料の料率は、雇用保険料率【令和8年度】一般は1.35%|計算方法・適用時期の記事で確認する

資格喪失届の書き方|主な記入欄とつまずきやすい点

資格喪失届は、ハローワークインターネットサービスの様式を印刷して記入します。個人番号、離職日、喪失原因、離職票の希望の有無などの欄を、退職者の資料と突き合わせて書きます。

様式の入手と印刷の注意

様式は、ハローワークインターネットサービスの帳票一覧から入手できます。ハローワークの注意書きでは、第1面・第2面のある申請書は両面とも印刷すること、A4の白色用紙に等倍(倍率100%)で印刷することが求められています。等倍以外で印刷すると窓口で受理できないとされています。光学式文字読取装置(OCR)で読み取るため、読取時の基準マーク(3点の■)に欠けやかすれがないか、様式が極度に傾いていないか、文字や枠線が二重になっていないかも確認する必要があります。

この様式は、印刷後に手書きで記入する箇所もあります。内容を入力して印刷する場合は、半角と書かれていない項目は全角で入力します。外字は使えず、カタカナの「ヰ」「ヱ」は「イ」「エ」で入力するよう案内されています。

主な記入欄の整理

ハローワークの注意書きにある欄番号にしたがって、主な記入欄を整理します。事業主の住所・氏名の欄は、法人の場合、主たる事業所の所在地、法人の名称、代表者の氏名を入力します。

欄書くこと注意点
1欄(個人番号)退職者の個人番号(マイナンバー)印刷後に記載する欄。取扱いに注意し、提出時の送付方法も考える
5欄(原因となる事実のあった年月日)被保険者でなくなったことの原因となる事実のあった年月日退職なら退職日など、事実のあった日を記載する。期限の起算は、その翌日(被保険者でなくなった日)の翌日になる
6欄(喪失原因)1から3の区分の数字死亡・在籍出向などは1、契約満了・任意退職・定年等は2、事業主の都合による解雇や勧奨等による退職は3
7欄(離職票交付希望)有か無のチェック離職の日に59歳以上は「有」。後で給付を受ける可能性があるときも「有」
8欄(1週間の所定労働時間)5欄の年月日現在の1週間の所定労働時間契約上の所定労働時間を記載する
9欄(補充採用予定)ハローワークの紹介その他の方法で、離職を補う採用を予定しているか予定していれば「有」、予定していなければ「無」
10欄・20欄・25欄(氏名変更)10欄に新氏名、20欄に変更前の氏名、25欄に氏名変更年月日氏名変更があった場合に記載する
23欄(離職後の住所)離職後の住所または居所明らかでないときは離職時の住所または居所を入力する
14から19欄(外国人労働者)ローマ字氏名、在留カード番号、在留期間、国籍・地域、在留資格など外国人雇用状況の届出を兼ねられる。外交・公用の在留資格者と特別永住者は対象外

出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者資格喪失届」の利用上の注意(2026年10月19日確認)。欄番号は同ページの注意書きの表記にそろえています。様式は改訂されることがあるため、提出時点で入手できる最新の様式を使ってください。

喪失原因(6欄)の選び方

6欄は、離職理由にかかわる欄で、退職者の失業給付の扱いにも関わります。ハローワークの注意書きにある区分を、場面で並べ直すと次のとおりです。

数字区分主な場面
1死亡、在籍出向、出向元への復帰、その他離職以外の理由従業員が亡くなった場合、在籍出向、出向元に戻る場合など
2天災等による事業継続不能に伴う解雇、被保険者の責めに帰すべき重大な理由による解雇、契約期間の満了、任意退職(事業主の勧奨等によるものを除く)、定年等の事業主の都合によらない離職、移籍出向(退職金または一時金の支給があるもの)自己都合の退職、定年退職、契約満了など
3事業主の都合による解雇、事業主の勧奨等による任意退職等会社都合の解雇、希望退職の募集に応じた退職など

離職理由は、退職者が後で失業給付を受けるときの扱いに関わるため、本人の申告や退職届だけでなく、会社が把握している事実に沿って記載することが大切です。見解が分かれそうな場合は、管轄のハローワークに相談して区分を確認してください。

記入欄の多くは、従業員の入社時に集めた個人情報と、賃金台帳・出勤簿の記録を転記する作業です。一度入力した従業員情報を再入力せずに使える仕組みなら、記入と突き合わせの手間を減らせる可能性があります。

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離職証明書と離職票|出す場合・省ける場合

離職証明書は、離職の原因が退職などの離職である場合に、資格喪失届に添えて提出する書類です。退職者が離職票を希望しないときは省けますが、離職の日に59歳以上の場合は省けません。

離職証明書と離職票の関係

雇用保険法施行規則第7条は、被保険者でなくなったことの原因が離職であるときは、資格喪失届に、離職証明書(様式第5号)と、賃金台帳その他の離職の日前の賃金の額を証明できる書類を添えるよう定めています。ハローワークは、この離職証明書をもとに離職票(様式第6号)を交付し、事業主を通じて退職者に渡されます。退職者は、失業給付の申込みの際に離職票を持参します。

厚生労働省(三重労働局)の案内では、失業給付の申込みに必要な持ち物として、離職票(1と2)、マイナンバーカード、印鑑、写真、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードが挙げられています。離職票は会社に請求するもの、と案内されています。つまり、会社の提出が遅れるほど、退職者の手続きが先に進みません。

離職証明書を省ける場合・省けない場合

状況離職証明書根拠
退職し、離職票の交付を希望する資格喪失届に添えて提出する施行規則第7条第1項
退職したが、離職票の交付を希望せず、離職の日に59歳未満添えないことができる施行規則第7条第3項
離職の日に59歳以上離職票の希望の有無にかかわらず提出する施行規則第7条第3項ただし書
死亡、在籍出向など離職にあたらない喪失対象にならない(離職が原因のときに添える書類のため)施行規則第7条第1項

出典:e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」第7条(2026年10月19日確認)。ハローワークの注意書きでは、7欄は離職票の交付を希望しない場合でも、妊娠・出産・育児・疾病・負傷・親族の看護などの理由で一定期間職に就けない場合や、60歳以上の定年等による離職後に一定の期間求職の申込みをしないことを希望する場合で、後で失業給付を受けようとするときは「有」にするよう案内されています。実務では、後から離職票が必要になっても作り直しの手間が少ないよう、希望の有無を退職前に確認しておくことが大切です。

離職証明書の作成でつまずきやすい点

離職証明書は、離職の日前の賃金の額を賃金台帳などで証明する書類です。給与データと人事データが別々の場所にあると、退職のたびに賃金の支払状況を拾い直し、転記して確認する作業が発生します。賃金台帳の記録が整っているかどうかで、離職証明書の作成にかかる時間が大きく変わります。

書類の作成と電子申請までを1つの流れで進めたい場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー人事労務です。商品ページでは、各種帳票を自動で作成でき、情報収集から電子申請までの作業を一気通貫で行えるため、出社や役所へ行く手間がかからないと紹介されています。複数人の入退社をまとめて申請できる「一括申請形式」も採用されています。一方で、労務管理を中心に行う場合は便利だが、プラスアルファの機能を望む場合は他サービスの申し込みが必要と記載されています。離職証明書を含め、どの帳票を自動作成できるかは、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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導入先の社会福祉法人西春日井福祉会では、重複作業の解消により、作業担当者の作業時間を月間68時間減らせたと紹介されています(ジンジャーの人事・給与・ワークフローの利用事例で、入退社手続きや電子申請に関する記載はありません)。

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提出方法と添付書類|窓口・郵送・電子申請の違い

提出方法は、管轄ハローワークの窓口、郵送、電子申請(e-Gov)の3つです。資本金1億円超の法人など特定法人は、電子申請で届け出ることが定められています。

3つの提出方法の比較

提出方法向く場面注意点
窓口に持参する不備をその場で相談したい、初めて作成する開庁時間内に管轄のハローワークへ行く必要がある。A4白色・等倍で印刷した様式を持参する
郵送する窓口に行く時間が取りにくいマイナンバーが含まれるため、特定記録や簡易書留など受取確認ができる方法が勧められている。離職票の返送用に、切手を貼った返信用封筒を同封する解説が多い
電子申請(e-Gov)で届け出る印刷や持参の手間を減らしたい、特定法人である電子申請のための事前準備(アカウントや証明書など)が必要。操作の詳細は、ハローワークの案内やe-Govのヘルプで確認する

出典:ハローワークインターネットサービス、ハローワークインターネットサービス「申請等をご利用の方へ」、解説例としてOBC、東芝(2026年10月19日確認)。電子申請はe-Gov電子申請から行います。窓口・郵送の受付方法の細部は、ハローワークによって異なる場合があります。

特定法人は電子申請が義務

雇用保険法施行規則第7条第7項は、特定法人については、資格喪失届と添付書類の提出に代えて、記載すべき事項を電子情報処理組織を使用して提出することにより届出を行うものと定めています。特定法人とは、事業年度開始の時における資本金の額、出資金の額などが1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社をいいます(同規則に定めがあります)。電気通信回線の故障や災害などで電子申請が困難なときは、例外として紙で届け出られます。解説記事では、この義務化が2020年4月から始まったと紹介されています。

添付書類の考え方

資格喪失届に添える書類として、雇用保険法施行規則第7条は、労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳、登記事項証明書その他、被保険者でなくなったことの事実と、その事実のあった年月日を証明できる書類を挙げています。一方で、同条は、職業安定局長が定めるところにより、これらの書類を添えないことができるとも定めています。実際にどの書類を求められるかは、管轄のハローワークの案内で変わることがあるため、事前に確認すると安心です。

解説記事では、離職票を交付する場合の添付書類として、出勤簿、労働者名簿、賃金台帳、離職証明書、退職届など離職理由を確認できる書類が挙げられています。離職票を交付しない場合は、離職証明書は原則不要ですが、59歳以上は必要になります。離職理由によっては、解雇通知書などの追加書類を求められることもあります。

  • 出勤簿(退職日から遡った記録。賃金支払の基礎になった日数の確認に使う)
  • 労働者名簿(氏名・生年月日・入社日などの確認に使う)
  • 賃金台帳(離職の日前の賃金の額の確認に使う。離職証明書の作成にも必要)
  • 退職届や解雇通知書、契約書(離職の事実と理由を確認できる書類)
  • 離職証明書(離職票を希望する場合や59歳以上の場合)

上の書類は、解説記事で挙げられている例と、法令の例示を整理したものです。提出先のハローワークが求める書類を最終的な基準にしてください。

提出前の確認リスト

  1. 退職日から数えて、提出期限の日付を確認した
  2. 離職票の希望の有無を本人に確認し、59歳以上は離職証明書を用意した
  3. 個人番号、被保険者番号、事業所番号の記載を、保管している資料と突き合わせた
  4. 5欄の事実のあった年月日と、6欄の喪失原因の区分を、退職届や契約書と確認した
  5. 8欄の所定労働時間と、23欄の離職後の住所を記載した
  6. A4白色の用紙に等倍で印刷し、基準マークに欠けやかすれが無いことを確認した

この確認を、退職者が出るたびに手作業で繰り返している会社は少なくありません。次のセルフチェックで、今の運用に手作業がどれくらい残っているか確認してみてください。

退職手続きの運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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提出後の流れと、間違えたときの訂正・取消

提出後は、ハローワークで内容が確認され、離職票を希望した場合は離職票が交付されます。内容を誤って届け出たときは、訂正・取消願で修正します。

提出後の流れ

  1. 事業主が、資格喪失届(離職の場合は離職証明書も)をハローワークへ提出する
  2. ハローワークが内容を確認し、届出の確認通知書を渡す(訂正や取消の際に、この確認通知書が必要になる)
  3. 離職票の交付を希望した場合は、ハローワークが交付した離職票を、事業主が退職者へ速やかに渡す
  4. 退職者が、離職票(1と2)などを持ってハローワークで失業給付の手続きをする

確認通知書は、訂正・取消願の様式に「各届出書の提出時に安定所からお渡ししたもの」と書かれているものです(出典:厚生労働省(福岡労働局掲載)「雇用保険被保険者資格取得・喪失届等訂正・取消願」様式、2026年10月19日確認)。離職票の受け渡しについては、前述の三重労働局の案内のとおり、退職者は離職票を会社に請求する立場です。離職票を受け取った退職者から問い合わせがあれば、速やかに対応しましょう。

退職者の最後の給与から控除する雇用保険料や、退職後の社会保険の手続きは、資格喪失届とは別の手続きとして進みます。雇用保険料の料率や端数処理は雇用保険料率【令和8年度】一般は1.35%|計算方法・適用時期の記事で、健康保険の資格喪失証明書は資格喪失証明書とは?発行手順・書き方・法的位置づけを解説の記事で確認できます。

提出内容を誤ったときの訂正・取消

提出した資格喪失届の内容に誤りがあったときや、提出自体を取り消したいときは、訂正・取消願で修正します。この様式では、冒頭の5つの欄(被保険者番号・事業所番号・被保険者氏名など)に、訂正または取消の対象となる確認通知書の内容をそのまま記入するよう案内されています。

項目内容
必ず添付するもの被保険者証、確認通知書、様式第4号(資格喪失届)
持参する書類(訂正・取消の根拠を確認できるもの)労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、住民票・戸籍謄(抄)本、被保険者証、各種届確認通知書、契約書、その他関係書類
記入の方法訂正の場合は、誤(旧)と正(新)を並べて記入する。取消の場合は、取消理由を記入する
代表者氏名記入押印または自筆による署名のいずれか

出典:厚生労働省(福岡労働局掲載)「雇用保険被保険者資格取得・喪失届等訂正・取消願」様式(2026年10月19日確認)。氏名の誤りや生年月日の誤りなど、訂正の内容によって必要な書類が変わる場合があるため、管轄のハローワークで事前に確認してください。提出後に気づいた誤りは、退職者の給付に影響する前に早めに訂正することが大切です。

提出漏れ・遅れを防ぐ運用|よくある失敗と確認のしかた

資格喪失届の失敗は、期限の数え間違い、離職票の希望の確認漏れ、退職以外の喪失の見落とし、用紙の印刷不備に集約できます。

よくある失敗防ぐための確認根拠
期限を、退職日の10日後だと数え間違える退職日の翌日が被保険者でなくなる日で、その翌日から10日以内(退職日から11日後)と数える施行規則第7条、三重労働局の案内
離職票の希望を聞き漏らし、後で作り直しになる退職前に希望を確認する。59歳以上は必ず離職証明書を用意する。後で給付を受ける可能性があれば「有」にする施行規則第7条第3項、ハローワークの注意書き7欄
週20時間未満への変更や役員就任の届出を忘れる契約変更や役員就任の情報を、人事・総務で共有する雇用保険法第6条、厚生労働省リーフレット
用紙を等倍で印刷せず、窓口で受理されないA4白色・等倍で印刷し、3点の基準マークを確認するハローワークインターネットサービス
離職理由(6欄)を実態と違う区分で記載する退職届や解雇通知で事実を確認し、迷えばハローワークに相談するハローワークインターネットサービス
氏名変更の旧氏名を書き漏らす10欄・20欄・25欄を確認するハローワークインターネットサービス
郵送でマイナンバー入りの書類を紛失する特定記録や簡易書留など、受取確認ができる方法で送る解説記事(OBC・東芝)

手続き全体を俯瞰したい場合は、労務管理で行う手続き一覧|手続きのタイミングにごとに分けて解説の記事で、毎月・毎年・その都度の手続きを確認できます。システムによる労務管理の考え方は、労務管理システムとは?メリット・デメリット、機能や選び方を解説の記事で整理しています。法令の取扱いに関わる点は、本記事の内容だけで判断せず、厚生労働省・ハローワーク・社会保険労務士に確認してください。

退職の記録を、離職の傾向を見直す材料にする

資格喪失届の提出は、期限内に正しく出すことが目的です。ただ、離職理由や離職の日、退職者の部署や勤続年数の記録は、退職が続いている部署の傾向や、早期の離職が多い時期を見直す材料にもなります。届出の控えが紙や担当者のファイルに分かれていると、こうした見直しがしにくくなります。

退職者を含む人材情報を一元化し、離職の傾向をつかむ仕組みを考える場合の一例が、株式会社カオナビが提供するカオナビです。商品ページでは、組織ツリー図・配置バランス図・社員データグラフなど、人材データを可視化する機能が豊富で、分析機能があり、1社に1人の専任サポートがつくと紹介されています。届出書類の作成を主な目的にした商品ではないため、資格喪失届そのものの作成は、ハローワークの手続きや他の仕組みとあわせて考える必要があります。目的や規模により価格に幅があり、詳細料金は問い合わせが必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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導入企業:TOTO株式会社、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)など

口コミ

「カオナビ」での運用に切り替えてからは、さまざまな面で効果が出たと感じています。今までメールで行なっていたExcelシートの授受や記入漏れはほとんどなくなりましたし、評価者や人事担当者が入力の進捗確認もできるようになることで、一部入力が遅れている人がいたとしても全体の進行が止まることがなくなりました。また、以前はExcelに設定していた計算式が壊れるといったトラブルもあったので、その対応に対する手間を考えると効果は絶大です。

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  • 当日初めて一緒に働くメンバーが多い職種なので、顔がわかることですぐに挨拶ができ、業務を開始できる。社歴を知ることもできるので、自分の先輩なのか後輩なのかが業務前にわかる。部署異動があってもすぐに反映される。

導入先の株式会社スタートークでは、退職者アンケートを取っていても事前の防止策につなげられていなかった課題に対し、毎月のパルスサーベイで離職の兆候を把握し、面談などの対応で離職を防げた例が出ていると紹介されています(離職率の具体的な数値は示されていません)。

株式会社スタートークの導入事例の要約より(出典:株式会社カオナビ「株式会社スタートークの導入事例」)
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よくある質問(FAQ)

Q1. 雇用保険資格喪失届は誰が出すのですか?

A. 事業主(会社)が出します。従業員が雇用保険の被保険者でなくなったとき、事業主が、事業所の所在地を管轄するハローワークの長あてに、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に提出します。退職者本人が出す届出ではありません。社会保険労務士に手続きを任せる場合も、届出の主体は事業主です。

Q2. 雇用保険資格喪失届はどこでもらえますか?

A. ハローワークインターネットサービスの帳票一覧から様式を入手して印刷できます。A4の白色用紙に等倍(倍率100%)で、第1面・第2面とも印刷します。電子申請(e-Gov)で届け出る場合は、様式を印刷せず、画面の入力項目に沿って申請します。

Q3. 雇用保険喪失届を出さないとどうなる?

A. 雇用保険法第83条は、事業主が届出をせず、または偽りの届出をしたときは、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。実務では、離職票を出せず、退職者の失業給付の手続きが遅れる影響も大きくなります。離職票がなくても、退職日の翌日から数えて12日目以降に仮手続きができるとハローワークは案内していますが、会社は期限内に提出する必要があります。個別の判断は、ハローワークや専門家に確認してください。

Q4. 資格喪失届の提出期限はいつまでですか?

A. 被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内です。退職の場合は、退職日の翌日が被保険者でなくなる日なので、退職日の翌日から数えて11日以内が最終日の目安です。例えば2026年10月31日に退職した場合は、2026年11月11日が目安になります。

Q5. 離職票を希望しない退職者でも離職証明書は必要ですか?

A. 離職の日に59歳未満で、離職票の交付を希望しない場合は、離職証明書を添えないことができます。離職の日に59歳以上の場合は、希望の有無にかかわらず離職証明書を提出します。後で失業給付を受けるつもりがある場合は、離職票の希望を「有」にしておく案内がハローワークの注意書きにあります。

Q6. パートやアルバイトが退職したときも提出しますか?

A. 雇用保険の被保険者になっていた人が退職したときは、パートやアルバイトでも提出します。1週間の所定労働時間が20時間未満の人は、原則として被保険者ではないため、資格喪失届の対象にならないのが基本です。20時間の基準は、2028年10月1日から10時間に変わる予定です。

まとめ|資格喪失届の提出で押さえる6つのこと

雇用保険被保険者資格喪失届は、従業員が被保険者でなくなったときに、事業主が期限内にハローワークへ提出する届出です。提出の流れを、行動としてまとめます。

  1. 退職・死亡・週20時間未満・役員就任など、被保険者でなくなる場面を整理し、届出が必要か確認する
  2. 被保険者でなくなる日(退職日の翌日)の翌日から数えて10日以内(退職日の11日後)に提出する
  3. 離職票の希望の有無を退職前に確認し、離職の日に59歳以上の退職者は離職証明書を用意する
  4. A4白色・等倍で様式を印刷し、個人番号・被保険者番号・喪失原因などを資料と突き合わせて記入する
  5. 窓口・郵送・電子申請から提出方法を選び、特定法人は電子申請で提出する。誤りは訂正・取消願で早めに修正する
  6. 手作業の確認や書類づくりが負担なら、入退社の手続き書類を扱う人事労務のサービスの資料を取り寄せ、自社の運用に合うか確認する

期限の数え方と提出前の確認リストを手元に置いて、退職が出るたびに見直してください。手作業の確認が多く残っている会社は、3つのサービスの資料を比べると、届出書類の作成範囲と電子申請への対応の違いを確かめられます。

参考文献

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