日当とは?出張手当の意味・相場・税金の扱いをわかりやすく解説
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- 日当は出張費を定額で補う手当
- 相場と非課税の条件がわかる
- 規程の決め方と管理の要点がわかる
日当(にっとう)とは、出張などで勤務地を離れる従業員に、交通費や宿泊費とは別に、1日単位で支給する手当のことです。出張中の食事代や諸雑費を補い、移動や外泊の負担に報いる目的で、領収書を集めずに出張旅費規程で決めた定額を支給するのが一般的です。法律で支給が一律に義務づけられているわけではなく、金額も会社が決められますが、非課税で支給できるかどうかは、国税庁の通達が示す基準で判断されます。この記事では、日当の意味と実費精算・日給との違い、財務省の実態調査にもとづく相場、所得税・消費税・社会保険料の扱い、出張旅費規程の決め方までを、公的資料に沿って整理します。
日当・出張精算の悩み、どこから見直す?2問で診断
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日当とは?意味と、出張手当・実費精算・日給との違い
日当とは、出張など勤務地を離れる業務のときに、交通費や宿泊費とは別に1日単位で支給される手当で、食事代や諸雑費の補てんと、移動や外泊の負担への慰労を目的にしています。
日当の意味と呼び方
日当は、出張手当、旅費日当、出張日当などとも呼ばれます。出張先での食事代、通信費、短い移動の交通費といった少額の支出を、領収書を1枚ずつ集めて精算する代わりに、あらかじめ決めた定額でまとめて補う仕組みです。1日あたりの金額を出張旅費規程に定め、出張日数に応じて支給するのが一般的です。
なお、日当という言葉は、日雇いの仕事で1日分の賃金を指すときにも使われることがあります。この場合は労働の対償として支払う賃金であり、労働基準法第11条の賃金にあたります。この記事で扱うのは、会社が従業員に支給する出張の日当です。
日当と実費精算・日給の違い
日当は、実際にかかった費用を弁償する実費精算とも、働いた日数に応じて支払う日給とも性質が違います。3つを並べると、次のように整理できます。
| 項目 | 日当 | 実費精算(交通費・宿泊費など) | 日給 |
|---|---|---|---|
| 性質 | 出張に伴う諸雑費の補てんと、負担への慰労(旅費の一種) | 出張で実際に支出した費用の弁償 | 1日働いたことへの賃金(労働の対償) |
| 金額の決まり方 | 出張旅費規程で定めた定額 | 実際にかかった額(上限を設ける会社もある) | 労働契約や就業規則で決めた1日分の額 |
| 領収書 | 規程どおりの支給なら原則不要 | 原則として必要 | 不要 |
| 所得税の扱い | 旅行に通常必要と認められる範囲は非課税 | 同左 | 給与所得として課税 |
| 社会保険の報酬 | 出張旅費は報酬等に含まれない取扱い(規程の内容で個別に確認) | 同左 | 報酬に含まれる |
日当と日給は、名前が似ていて混同されやすい用語です。日給は1日働いたことへの賃金で、働いた日数に応じて給与額が決まる給与形態です。日当は出張という特定の業務に対して給与とは別に支給する手当で、日給や基本給の代わりにはなりません。出張の日当を給与の上乗せのように扱うと、非課税の範囲を超えるおそれがあります(後述します)。
実費精算との違いは、領収書の要否です。同じ出張でも、日当は定額で領収書が要らない一方、新幹線代や宿泊費、取引先との会食費は実費精算で領収書の回収が必要です。精算全体の流れは、出張精算とは?出張費の意味や精算の流れ、出張精算の注意点を解説で整理しています。
出張が増えると、日当と実費の事務が重なる
出張が増えると、経理は、規程どおりの日当の計算、実費の領収書の確認、日当と実費の二重申請のチェックを同時に進めることになります。日当の仕組み自体はシンプルでも、規程に沿った計算を毎回手作業で行い、申請内容を目視で確認する運用は、出張の件数に比例して負担が大きくなります。
こうした手当の計算を仕組みにしたいときの一例が、株式会社LayerXが提供する「バクラク経費精算」です。商品ページによると、社内規定に沿った手当の自動計算機能があり、出張日数や走行距離に合わせて金額を自動で計算します。ほかにも、領収書の読み取り時にタイムスタンプを付与して電子帳簿保存法に対応する機能や、領収書に記載された事業者番号の有効性を自動で判定する機能が紹介されています。注意点として、導入前のサポートを受けたい場合は有償での対応となります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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気になる…
- 導入前のサポートを受けたい場合は有償での対応となる
-
自社での利用時、経費申請だけでなく、バクラクではさまざまな申請機能を自由に作ることができ、その点が非常に魅力的だった。稟議関係の申請機能を各種作ったり、その他社内的な決済が必要な事前申請を作ることができ、意思決定プロセスをスムーズに行う上で役立った。
-
役員の出張旅費精算が多く、紙の出張精算では溜め込みがちで、処理が滞ることが多かったが、移動先でも経費を利用した直後にスマホから簡単に申請できるようになり、申請作業が迅速化された。
-
会社の請求書を全て電子証憑で管理できるため、原本の管理が不要になることはもちろん、バクラクビジネスカードの利用によりクレジットカード利用の申請が簡単になり、「Bakuraku債権・債務管理」を利用することで仕訳処理や会計ソフトとの連携も可能なため、一気通貫での管理が可能です。
同社の2022年10月27日付のリリースでは、手当機能の対応例として、役職別の手当、日帰り出張と宿泊を伴う出張の手当、出張地区による加算、訪問先までの距離に応じた手当が挙げられています(株式会社LayerXのリリース)。導入事例では、東京フットボールクラブ株式会社(FC東京)が、試合の遠征やスカウティングのための出張が非常に多いなかで、領収書をスマートフォンで撮影して簡単に申請できる点を大きなメリットと感じたと紹介されています(バクラクの導入事例)。
日当を支給する目的とメリット・デメリット
日当を支給する主な目的は、出張中の食事代や雑費を補い、実費精算の事務を減らし、出張の負担に報いることです。支給するかどうか自体は会社が決めます。
日当を支給する3つの目的
- 出張中の出費の補てん: 出張先での食事は自宅より割高になりやすく、飲み物や急な備品など、1件ずつは少額の支出も積み重なります。これを日当でまとめて補います
- 精算事務の簡素化: 食事代や雑費を領収書ベースで精算すると、従業員にも経理にも大きな負担になります。定額の日当にすれば、少額の個別精算が不要になります
- 出張の負担への慰労: 移動時間の拘束、生活リズムの乱れ、外泊といった目に見えにくい負担に対する処遇という側面があります
日当の支給は法律で一律に義務づけられているものではありません。財務省の調査でも、国内出張で日当を「支給しない」と答えた会社が11.6%、海外出張では11.3%ありました(調査の詳細は次のH2で紹介します)。ただし、出張旅費規程や就業規則に日当の支給を定めた場合は、その定めに従って支払う必要があります。
会社側と従業員側のメリット
- 会社側: 少額の経費の個別精算が減り、経理の確認作業を軽くできます。金額と対象を規程で決めておけば、担当者や部署によるばらつきも抑えられます。国内出張の日当のうち通常必要と認められる範囲は、消費税の課税仕入れとして扱え、帳簿のみの保存で仕入税額控除ができます
- 従業員側: 食事代などを立て替えて領収書をためる手間が減ります。通常必要と認められる範囲の日当は所得税が非課税で、給与として受け取る場合のように課税されません
ただし、日当は出張に伴う費用を補う手当です。給与を増やす代わりに日当を高く設定すると、旅行に通常必要な費用を超えた部分が給与所得として課税されるおそれがあります。
デメリットと注意点
- 会社の支出が増える: 実費精算に加えて定額の日当が発生するため、出張が多い部署ほど累積額が大きくなります
- 規程の整備と見直しの手間: 日当を非課税で支給するには、金額・対象・条件を出張旅費規程に明文化し、就業規則との整合も確認する必要があります
- 金額が妥当でないと税務上の指摘を受ける: 後述のとおり、非課税の範囲を超えた部分は給与として扱われます
- 社内の不公平感: 役職や出張先で金額を分ける場合、区分の理由を説明できないと不満につながります
コストの目安は、簡単な計算で確かめられます。次は、出張が月に延べ40人日あり、全員に国内出張の平均額(財務省調査の2,621円)を支給すると仮定した計算例です。1か月で2,621円に40人日を掛けて104,840円、1年では104,840円に12か月を掛けて1,258,080円になります。条件は仮のものですが、出張の件数と日当の単価が、そのまま年間コストに響くことがわかります。
日当の相場は?財務省の実態調査でみる国内・海外の目安
日当の相場は、財務省が行った民間企業の調査で、国内出張の日当の平均額が2,621円でした。海外出張は、地域や役職の区分ごとに金額が変わります。
日当の金額に法律上の上限はなく、会社ごとに決まります。参考になる公的な数字として、財務省が国家公務員の旅費制度の見直しのために実施した「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート」があります。令和5年6月から7月に、旅費規程を持つ上場企業3,000社に依頼し、有効回答は551社でした(財務省の調査ページ)。上場企業が中心の調査なので、中小企業の水準とは異なる場合があります。
国内出張の日当の金額
国内出張で日当を支給している会社(487社)について、日当の最低額・最高額・平均額を会社ごとに答えてもらった結果の平均は、次のとおりです。
| 集計の対象 | 平均額 |
|---|---|
| 会社が答えた日当の最低額の平均 | 1,780円 |
| 会社が答えた日当の平均額の平均 | 2,621円 |
| 会社が答えた日当の最高額の平均 | 3,786円 |
役職によって金額を分ける会社では、役職が上がるほど金額が高くなる傾向があります。役職の区分数ごとの平均額は次のとおりです(区分の数字が大きいほど、金額の高い区分です)。
| 役職による区分 | 回答数 | 区分ごとの平均額 |
|---|---|---|
| 1区分(全員同額) | 154社 | 1,898円 |
| 2区分 | 82社 | 1区分目 1,646円 / 2区分目 2,891円 |
| 3区分 | 85社 | 1区分目 1,851円 / 2区分目 2,641円 / 3区分目 4,206円 |
なお、日当の金額は、役職のほかに、出張の距離や宿泊の有無などでも変わります。国内出張で日当が支給される要件(複数回答)は、「往復行程(距離)により判断している」が49.4%、「宿泊の有無により判断している」が44.8%、「所用時間により判断している」が20.9%、「出張先地域により判断している」が6.4%でした。役職による区分を設けていない(区分なし)会社は31.6%です。
海外出張の日当
海外出張の日当は、「定額支給」が81.5%、「支給しない」が11.3%でした。役職による区分は「区分なし」が32.5%、出張先の地域・国・都市による区分は「区分なし」が65.3%で、地域で金額を分ける会社は少数派です。円で支給する会社の区分別の平均額は、同じ調査表で5,000円台から6,000円台が多く、役職の区分を細かく分けた一部では1万円前後まで上がります。ドル建てで支給する会社では、50ドル前後から60ドル台の平均額が並びます。国内出張より高めに設定する会社が多いことがうかがえますが、具体的な金額は地域・役職の区分によって異なるため、調査報告書の表(https://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/release/itaku/seikabutsu/20240628ryohitoujittaityousa.pdf)で自社に近い区分を確認してください。
国家公務員の旅費制度は、日当から「宿泊手当」に変わった
参考として、国のルールも確認しておきます。国家公務員等の旅費に関する法律の改正により、令和7年(2025年)4月1日から、旅費の種目の名称が日当から宿泊手当に改められました。財務省の広報誌によると、宿泊を伴う旅行(2日以上の期間にわたる旅行)について一夜あたりの定額を支給し、夕食・朝食の掛かり増し分などの諸雑費を含めます。昼食代は支給しないものと整理され、宿泊料は定額支給から上限付き実費支給の「宿泊費」に改められています(財務省「国家公務員等の旅費制度の見直しについて(政令編)」)。
国家公務員の制度は民間企業を直接拘束するものではありません。ただ、日帰り出張の日当や昼食代の扱いなど、自社の規程を見直すときに、考え方の参考になります。
日当の決め方|3つの考え方と出張旅費規程に書く項目
日当の決め方に法律上の決まりはなく、会社が出張旅費規程で定めます。ただし非課税で支給するには、旅行に通常必要と認められる範囲の金額で、社内で公平な基準にそろえる必要があります。
日当の金額を決める3つの考え方
- 食事代・雑費の補てんとして決める: 出張中に想定される食事の回数と、1回あたりの目安から積み上げます。日帰りと宿泊で回数が変わるため、区分を分ける会社が多くなります
- 拘束時間や移動の負担への処遇として決める: 出張の距離、宿泊の有無、所要時間で段階を分けます。財務省の調査でも、距離で判断する会社が約5割、宿泊の有無で判断する会社が4割台でした
- 残業代の代わりにはしない: 出張中の労働時間の扱いは、労働基準法で別に判断します。労働の対償として支払うものは賃金であり、日当に残業代相当を含めたつもりでも、旅行に通常必要な費用の補てんとはいえない部分は、給与として扱われるおそれがあります
3つ目の「残業代との関係」は、特に誤解の多い点です。事業場外で働いて労働時間を算定しにくい場合には、労働基準法第38条の2の事業場外みなし労働時間制が使える場合があります。いずれにしても、労働時間と賃金の取扱いを日当で代替することはできないため、判断に迷うときは社会保険労務士に確認してください(e-Gov法令検索「労働基準法」)。
金額が妥当かを確かめる4つの確認
国税庁の所得税基本通達9-3は、非課税とされる旅費の範囲を判定するときに、次の2点を勘案するとしています。1つ目は、支給額が、使用者等の役員と使用人のすべてを通じて、適正なバランスが保たれている基準で計算されているか。2つ目は、同業種・同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるか、です(国税庁「所得税基本通達 9-3」)。これを踏まえて、規程を作るときは、次の4点を順に確認します。
- 規程に根拠があるか: 日当の金額・対象・条件を出張旅費規程に明文化している
- 社内で基準がそろっているか: 役員と従業員を通じて、区分の理由を説明できる基準で計算している
- 相場と比べて相当か: 同業種・同規模の会社の水準や、財務省調査の平均額などと比べて、極端に高くない
- 出張の実態を確認できるか: 日程・行き先・目的を出張報告書などで確認できる
出張旅費規程に書く項目
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 目的・適用範囲 | どんな場合に規程を適用するか。役員、従業員、パート、出向者など、対象者の範囲 |
| 出張の定義 | 勤務地からの距離、宿泊の有無、日帰りの区分など、日当を支給する出張の条件 |
| 日当の金額 | 国内・海外の別、日帰り・宿泊の別、役職の区分ごとの金額 |
| 支給しない場合 | 半日未満の出張、同一市内の外出、会社が食事を手配した場合など |
| 休日・移動日の扱い | 出張期間中に休日をはさむ場合や、前泊・後泊の移動日に日当を支給するか |
| 申請と精算の方法 | 仮払いの有無、申請の期限、出張報告書の提出、日当と実費精算の関係 |
| 見直しの時期 | 物価や出張の形態の変化に合わせて、金額と区分を見直す頻度 |
規程は、作って終わりではなく、運用の確認も必要です。次のセルフチェックで、自社の日当と出張精算の運用を点検してみてください。
自社の日当・出張精算、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
日当の税金の扱い|所得税・消費税・社会保険料と仕訳
日当は、旅行に通常必要と認められる範囲であれば所得税は非課税です。消費税では、国内出張の日当は課税仕入れになり、海外出張の日当は原則として課税仕入れになりません。
この節は一般的な情報の整理であり、税務・法律上の助言ではありません。個別の取扱いは、税理士・社会保険労務士・税務署などに確認してください。
所得税: 通常必要と認められる範囲は非課税
所得税法第9条第1項第4号は、給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するために旅行をした場合に、その旅行に必要な運賃、宿泊料等に充てるものとして支給される金品で、通常必要と認められるものには、所得税を課さないと定めています(e-Gov法令検索「所得税法」)。日当もこの旅費の一部として扱われます。通常必要と認められる範囲の判定は、前節の所得税基本通達9-3の2つの基準で行います。
範囲を超えた部分はどうなるのでしょうか。所得税基本通達9-4は、旅費として支給された金品が、その旅行に通常必要とされる費用の範囲を超える場合、超える部分の金額は給与所得の収入金額に算入すると定めています(国税庁「所得税基本通達 9-4」)。つまり、日当が高すぎる、出張の実態が確認できないといった場合は、超過分が給与として源泉徴収の対象になります。
消費税: 国内は課税仕入れ、海外は原則対象外
国税庁のタックスアンサーNo.6459によると、国内の出張または転勤のために役員または使用人に支給した出張旅費、宿泊費、日当等は、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額が課税仕入れになります。一方、海外への出張または転勤のために支給したものは、原則として課税仕入れになりません(国税庁「No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い」)。
インボイス制度のもとでも、社員に支給する国内の出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。社員は適格請求書発行事業者ではないため適格請求書は受け取れませんが、控除ができないわけではありません(国税庁インボイスQ&A 問107)。実費精算の出張旅費等も、通常必要と認められる部分であれば、同様に帳簿のみの保存で控除できます(同 問107-2)。
社会保険料: 出張旅費は報酬等に含まれない
日本年金機構の資料では、出張旅費や赴任旅費は、事業主が負担すべきものを被保険者が立て替えたときの実費弁償であり、労働の対償とは認められないため、社会保険の「報酬等」に該当しないとされています(日本年金機構「社会保険事務のポイント Vol.5」)。ただし、日当そのものが報酬から外れるかは、規程上の位置づけと実態(旅費の弁償か、給与の上乗せか)で判断されます。取扱いに迷う場合は、年金事務所や社会保険労務士に確認してください。
勘定科目と仕訳の例
日当の勘定科目は、旅費交通費として処理する会社が一般的です。科目は経理規程や会社の方針で決め、社内で統一しておきます。次は、日当6,000円を現金で支給した場合の仕訳の例です(金額は説明用の仮の数字です)。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 消費税の扱い |
|---|---|---|---|
| 国内出張の日当6,000円を支給 | 旅費交通費 6,000円 | 現金 6,000円 | 課税仕入れ(通常必要な範囲。帳簿のみの保存) |
| 海外出張の日当6,000円相当を支給 | 旅費交通費 6,000円 | 現金 6,000円 | 原則として課税仕入れにしない |
出張を手配から精算まで管理するシステムの全体像は、出張管理システムとは?出張管理システムの機能やメリットも解説で整理しています。
日当で迷いやすいケース|海外・休日・パート・派遣・不正受給
日当で迷いやすいのは、海外出張、休日をはさむ出張、対象者の範囲、不正受給の防止です。いずれも出張旅費規程で、あらかじめ決めておきます。
海外出張と為替の換算
海外出張の日当は、国内より高めに設定する会社が多く、財務省の調査では、円で支給する会社とドル建てで支給する会社があります。外貨で支給する場合は、精算時の為替レートをどう決めるか(支給日のレートか、精算日のレートか)を規程に定めておかないと、経理が毎回個別に判断することになります。また、前述のとおり、海外出張の日当は消費税では原則として課税仕入れになりません。
休日や移動日の日当
出張が長期にわたると、期間中に休日をはさむことがあります。休日や前泊・後泊の移動日に日当を支給するかどうかは、規程で決めます。支給する場合は、出張に伴う費用を補う実態があるかが問われ、通常必要と認められる範囲を超えると、前述のとおり超過分は給与として扱われるおそれがあります。
出張中の移動時間が労働時間になるか、休日の移動が休日労働になるかは、労働基準法上の別の論点です。日当を払っていることを理由に、これらの扱いが決まるわけではありません。個別の判断は社会保険労務士に確認してください。
パート・派遣・役員への日当
日当の対象者は、出張旅費規程の適用範囲に明記します。パートや契約社員も出張する場合は、正社員と同じ基準にするのか、別の区分にするのかを決めておきます。派遣社員や内定者などに支払った出張旅費等の仕入税額控除は、国税庁のインボイスQ&A(問107-3)で扱われています。役員の日当も、役員を含めて基準がそろっているか(所得税基本通達9-3の1つ目の基準)が問われます。
出張報告書と不正受給の防止
実際には出張していないのに日当を受け取る不正を防ぐには、出張の日程、行き先、目的を記録する出張報告書を、日当の申請と対にして保管しておくことが基本です。税務上も、出張の実態を説明できる記録が、日当を旅費として扱ううえでの根拠になります。不正が発覚した場合の処分は、就業規則の懲戒規定に沿って対応します。
出張が増えると、出張報告書と日当の申請、実費精算の領収書の突き合わせが、経理の大きな作業になります。
Bill One経費
出張のたびに、領収書の回収と日当・実費の二重申請の確認に追われていませんか?
こんな会社に向いています
社員の立替経費をなくして、経費精算を整えたい会社
領収書の受け取りから仕訳・保管までを、オンラインで一元管理したい会社
日当の管理が負担になったら|経費精算システムでできることと3サービスの違い
日当や実費の精算が負担になったら、経費精算システムで申請・承認・仕訳を一元化し、規程に沿った手当の自動計算に対応したサービスを選ぶ方法があります。
経費精算システムで変わること
経費精算システムでは、申請者が出張日数や区間などを入力すると、規程に沿って手当や交通費が計算され、承認者と経理は入力内容が正しいかを確認する運用にできます。領収書はスマートフォンで撮影して申請でき、電子帳簿保存法の要件に沿った電子保存も、システム側で対応しているサービスがあります。ただし、日当や出張手当の自動計算に対応しているか、自社の規程の区分(役職・日帰りと宿泊・距離)を設定できるかは、サービスによって異なります。選ぶときは、次の点を確認します。
- 手当・日当の計算ルールを、役職、日帰りと宿泊、距離、出張先などの条件で設定できるか
- 仮払いと精算の流れ、出張申請(事前申請)と精算を紐づけられるか
- 領収書の読み取りと、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
- 会計ソフトへの仕訳データの連携と、承認フローの設定
- 海外出張の外貨や為替の換算への対応
- 導入までの期間、サポート、無料トライアルの有無
出張の手配から精算までをまとめて管理したい場合は、出張管理システムも選択肢です(出張管理システムとは?出張管理システムの機能やメリットも解説)。
自社掲載3サービスの横断比較(2026年10月19日確認)
当サイト(ビジネスコンシェルジュ)に掲載している経費精算システムのうち、資料を自社の資料請求フォームから請求できる3サービスを、商品ページの記載にもとづいて比べます。優劣ではなく、役割の違いを示した表です。
| 項目 | Bill One経費 | ジンジャー経費 | バクラク経費精算 |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | Sansan株式会社 | jinjer株式会社 | 株式会社LayerX |
| 商品ページの「おすすめ」 | オンラインで完結し、社員の立替経費をなくしたい企業 | 経費精算のペーパーレス化を目指している企業 | OCR読み取り機能を重視し、作業の効率を上げたい方 |
| 日当・手当に関する記載 | 商品ページに記載なし(規程に沿った計算は資料で確認) | 商品ページに記載なし。公式FAQでは、役職や距離などの条件で日当付与の計算式を組めると案内 | 社内規定に沿った手当の自動計算(出張日数・走行距離)が商品ページに記載 |
| 商品ページで紹介されている特徴 | ビジネスカードで経費を支払い、領収書の受け取りから仕訳・保管までをオンラインで一元管理 | 勤怠・給与・人事・経費などを1つに集約。承認ルートや勘定科目を柔軟に設定 | ミス防止機能を複数搭載。複数枚の領収書を自動で読み取り |
| 注意したい点(商品ページ) | 初期費用が発生し、年額での支払い。無料のトライアル期間は設けられていない | 導入までに最長3か月ほどかかる場合がある。無料トライアルあり | 導入前のサポートを受けたい場合は有償 |
日当の自動計算に最も近い記載があるのはバクラク経費精算ですが、いずれも自社の規程を設定できるかは、資料や問い合わせで確認が必要です。バクラク経費精算は、前述の「出張が増えると、日当と実費の事務が重なる」で紹介しました。ここでは残りの2サービスを紹介します。
出張精算の申請・承認と、勤怠・給与・人事の情報をあわせて管理したい場合の一例が、jinjer株式会社が提供する「ジンジャー経費」です。商品ページによると、社内に散らばる勤怠・給与・人事・経費などを1つに集約でき、承認ルートや勘定科目をグループ単位・個人単位で設定できます。スマートフォンアプリでは、領収書の撮影や、ICカードの読み取りによる交通費の精算も行えます。公式サイトのよくある質問では、役職や距離などの条件で日当付与の計算式を組めると案内されています(jinjer経費のよくある質問)。注意点として、導入までに最長3か月ほどかかる場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
jinjer株式会社
ジンジャー経費
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-
トップページが見やすく、検索がしやすいので、見たいページがすぐに見つかり、対象月の表をすぐ表示することができた。毎月の給与の欄と賞与の欄があり、見たいものが探しやすかった。
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-
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- 初期費用が発生し、月払いではなく年額での支払い
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簡単に領収書を撮影しすぐに経費申請ができることが一番ありがたかった。導入前の経費申請は領収書をPDF化してシステムから申請、という古いタイプだったためかなり利便性が向上した(使用していたほぼすべての社員が満足していた印象)
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経費立替からの精算という流れを変えたことで業務効率化がはかれました。領収書をメールやチャットで提出したりする必要がなく、クラウドにアップロードすれば共有できるのでとにかく楽です。本来の業務に時間を使えるのがメリットです。
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テレワークに伴い、こちらのサービスを導入した経緯があります。今まで紙で届いた請求書に上長の押印、明細などを添えて経理に提出していましたが、一気にペーパレスできましたし、経理担当者の処理時間も大幅に減ったのではないでしょうか。請求書を受理する現場担当者も入力作業がありますが、データをアップロードすればAIが読み取ってある程度データ化してくれるのでとても便利だと思いました。
公式サイトの導入事例の一覧では、ホンダカーズ佐賀株式会社が、領収書の郵送に時間がかかるほか紛失のリスクもあったことや、電子帳簿保存法への対応に多くの工数がかかっていたことを課題として挙げています(Bill One経費の導入事例の掲載ページ)。
日当の考え方と規程の整備が済んだら、次は運用の負担です。手作業の確認が増えている会社は、3サービスの資料を取り寄せ、自社の規程を設定できるかを見比べてみてください。
日当に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 日当とはどのような手当ですか?
A. 日当とは、出張など勤務地を離れる業務のときに、交通費や宿泊費とは別に、1日単位で支給する手当です。出張中の食事代や諸雑費の補てんと、移動や外泊の負担への慰労を目的に、出張旅費規程で定めた定額を支給するのが一般的で、領収書は原則不要です。法律で支給が一律に義務づけられているわけではなく、支給するかどうかや金額は会社が決めます。
Q2. 日当と日給の違いは何ですか?
A. 日給は、1日働いたことへの賃金で、働いた日数に応じて給与額が決まる給与形態です。日当は、出張という特定の業務に対して、給与とは別に支給する手当で、出張に伴う費用の補てんの性質があります。通常必要と認められる範囲の日当は所得税が非課税ですが、日給は給与所得として課税されます。
Q3. 日当は1日いくらもらえますか?
A. 財務省が上場企業551社の回答をまとめた調査では、国内出張の日当の平均額は2,621円でした。会社が答えた最低額の平均は1,780円、最高額の平均は3,786円で、役職で区分する会社では、役職が高いほど金額が上がる傾向があります。実際の支給額は、会社の出張旅費規程や就業規則で決まるため、自社の規程で確認してください。
Q4. 日当は課税対象になりますか?
A. 出張の実態があり、旅行に通常必要と認められる範囲の金額であれば、所得税は非課税です。判断では、役員と従業員を通じて適正なバランスの基準で計算されているか、同業種・同規模の会社が一般的に支給している金額に照らして相当かを見ます。範囲を超えた部分は給与所得として課税されます。個別の判断は、税理士や税務署に確認してください。
Q5. 日当を支給しない会社は違法ですか?
A. 日当の支給は法律で一律に義務づけられているものではなく、支給するかどうかは会社が決めます。財務省の調査でも、国内出張で日当を支給しない会社が11.6%、海外出張で11.3%ありました。ただし、出張旅費規程や就業規則、労働契約に日当の支給を定めている場合は、その定めに従って支払う必要があります。
Q6. 日当や出張手当は、経費精算システムで管理できますか?
A. サービスによって異なります。商品ページによると、バクラク経費精算は社内規定に沿った手当を出張日数や走行距離に合わせて自動計算でき、ジンジャー経費は公式のよくある質問で、役職や距離などの条件で日当付与の計算式を組めると案内されています。Bill One経費は、商品ページに日当の記載がありません。自社の規程を設定できるかは、資料や問い合わせで確認してください。
まとめ|日当の基本で押さえたい5つのこと
日当は、出張に伴う費用を定額で補う手当です。意味、相場、税金の扱い、規程の決め方の順に整理すると、自社の運用を点検しやすくなります。
- 日当とは、出張など勤務地を離れる業務のときに、交通費や宿泊費とは別に1日単位で支給する手当で、実費精算や日給とは性質が違う
- 日当の支給は法律で一律に義務づけられておらず、金額は会社が出張旅費規程で決める。財務省の調査では、国内出張の日当の平均額は2,621円だった
- 通常必要と認められる範囲の日当は所得税が非課税。役員と従業員を通じた基準の公平さと、同業種・同規模と比べた相当性が判断の軸になり、超過分は給与所得として課税される
- 消費税では国内出張の日当は課税仕入れで帳簿のみの保存で控除でき、海外出張の日当は原則課税仕入れにならない。社会保険の報酬等の扱いは規程の内容で確認する
- 日当と実費の計算や確認が手作業で負担なら、経費精算システムの資料を取り寄せ、日当・手当の自動計算に自社の規程を設定できるかを見比べる
出張精算の流れや、出張全体の管理を見直したい場合は、出張精算とは?出張費の意味や精算の流れ、出張精算の注意点を解説や、出張管理システムとは?出張管理システムの機能やメリットも解説もあわせてご覧ください。
参考文献
- 国税庁「No.6459 出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当などの取扱い」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6459.htm
- 国税庁「所得税基本通達 9-3(非課税とされる旅費の範囲)・9-4」https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/02/02.htm
- 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問107 出張旅費、宿泊費、日当等」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/107.pdf
- 国税庁「同 問107-2 実費精算の出張旅費等」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/107-2.pdf
- e-Gov法令検索「所得税法」https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- e-Gov法令検索「労働基準法」https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 財務省「旅費等実態調査(民間企業の旅費規程等に関する実態調査)」https://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/20220627160951.html
- 財務省「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート 報告書」https://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/release/itaku/seikabutsu/20240628ryohitoujittaityousa.pdf
- 財務省 広報誌「ファイナンス」令和6年10月号「国家公務員等の旅費制度の見直しについて(政令編)」https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202410/202410e.html
- 日本年金機構「社会保険事務のポイント Vol.5」https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/jimupoint.files/Vol.5.pdf
- 株式会社LayerX「バクラク経費精算、手当機能を追加」(2022年10月27日)https://bakuraku.jp/news/release/20221027/
- バクラク「FC東京の導入事例」https://bakuraku.jp/case/fctokyo/
- jinjer株式会社「jinjer経費のよくある質問」https://hcm-jinjer.com/faq/keihiseisan/
- jinjer株式会社「株式会社森のエネルギー研究所の導入事例」https://hcm-jinjer.com/results/results-14708/
- Sansan株式会社「Bill One経費」https://bill-one.com/exp/
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