勘定科目内訳明細書とは?全16種類の書き方・記載基準・提出方法を解説

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  • 全16種類の様式と必要な様式の選び方がわかる
  • 個別に書く金額基準と100口超の簡素化がわかる
  • 登録番号欄と提出期限・提出方法がわかる

勘定科目内訳明細書とは、法人が法人税の確定申告をするときに、貸借対照表と損益計算書の各勘定科目の内訳を示して申告書に添付する書類です。預貯金等の内訳書や売掛金の内訳書など全16種類の様式があり、科目の残高や取引先ごとの金額を、様式ごとの基準に従って書きます。この記事では、国税庁とe-Taxの資料、法令をもとに、16種類の一覧、個別に書く金額の基準、100口を超えるときの簡素化、令和6年3月1日以後に終了する事業年度分で加わった登録番号の欄、提出期限と提出方法、提出前の確認の進め方を順に整理します。決算の数字と内訳書の突き合わせが手作業の負担になっている場合の見直し方にも触れます。制度は2026年10月19日時点で確認しています。

勘定科目内訳明細書づくり、いまの進め方に近いのはどれ?

Q1. 内訳書に書く数字は、いまどのように集めていますか?

目次

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  1. 勘定科目内訳明細書とは?決算書の内訳を示す、法人税申告書の添付書類
  2. 勘定科目内訳明細書は全16種類。決算書の科目から、必要な様式を探す
  3. 勘定科目内訳明細書の提出期限・提出先・提出方法
  4. どこまで書く?個別に書く金額の基準は様式ごとに違う
  5. 様式別の書き方と注意点:資産・負債・損益に分けて
  6. インボイス制度で変わった点:登録番号・法人番号の欄(令和6年3月1日以後終了事業年度分)
  7. 固定資産の内訳書と固定資産台帳は別のもの:土地・建物の記載を整理する
  8. 作成の手順と、提出前の決算書との一致チェック
  9. 毎期の作成を楽にする見直しの視点:会計データと台帳の役割を分ける
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ:勘定科目内訳明細書を作成・提出するための6つのこと
  12. 参考文献

勘定科目内訳明細書とは?決算書の内訳を示す、法人税申告書の添付書類

勘定科目内訳明細書とは、貸借対照表と損益計算書の各勘定科目について、その内訳を示す書類です。法人税の確定申告書に添付して、税務署に提出します。

国税庁が法人に送付している文書「勘定科目内訳明細書の提出について」には、貸借対照表及び損益計算書の各勘定科目の内訳明細書を、科目別の内訳書の用紙によって作成し、法人税申告書に添付して提出するよう書かれています。同じ文書は、おおむね各科目別の内訳書に準じた書類を作成しているときは、この内訳書に代えて、それを提出して差し支えないとも案内しています(国税庁「勘定科目内訳明細書の提出について」)。

法令上は、確定申告書の添付書類として定められている

法人税法第74条第3項は、確定申告書に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類を添付しなければならないと定めています(法人税法)。この財務省令にあたる法人税法施行規則第35条は、添付する書類として、貸借対照表及び損益計算書(第1号)と、それらに係る勘定科目内訳明細書(第3号)を挙げています(法人税法施行規則)。社内の任意の資料ではなく、決算書とセットで申告書に添付する書類です。同じ条には、事業等の概況に関する書類(法人事業概況説明書)なども添付書類として挙げられています。

「内訳明細書」と「内訳書」の違い、総勘定元帳との違い

様式の名前は「預貯金等の内訳書」「売掛金(未収入金)の内訳書」のように「内訳書」で終わるものが並んでいます。これらをまとめた総称が勘定科目内訳明細書で、「明細書」と「内訳書」は別の書類ではなく、一つの書類全体と、その中の個々の様式の呼び方の違いです。

総勘定元帳は、日々の取引を勘定科目ごとに記録していく帳簿です。勘定科目内訳明細書は、その元帳などの記録をもとに、決算日時点の残高や期中の金額の内訳を、税務署に示すための様式に整理したものと考えると、役割の違いがわかります。決算書そのものの読み方は、決算書とは?財務三表の読み方・種類・電帳法対応まで中小企業向けに解説で整理しています。

個人事業主は、勘定科目内訳明細書ではなく青色申告決算書を使う

勘定科目内訳明細書は、法人税の確定申告書の添付書類です。個人事業主は所得税の確定申告をするため、青色申告の場合は青色申告決算書を作成して提出します(国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」)。法人化した場合に、法人税の申告で必要になる書類と考えてください。

内訳書づくりの手間は、科目と取引先別の残高が整理されているかで変わる

内訳書づくりは、決算書の科目ごとに、取引先や相手先別の残高を取り出す作業です。会計データの中で科目や補助科目が整理されていれば、この集計は元帳から取り出せます。日々の仕訳から決算書の作成までを一つの会計ソフトで進めたい場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド会計」です。商品ページによると、面倒な帳簿・レポート・決算書を自動で作成でき、金融機関の入出金データを自動で取得して、リアルタイムで数字を共有できるとされています。口コミは4.2(14件、2026年10月19日時点の商品ページの表示)です。一方で、商品ページの注意点には「ある程度の簿記知識が必要な場合も」と書かれています。また、商品ページに勘定科目内訳明細書の作成や出力についての記載はないため、内訳書の出力に対応するかどうかは、資料や公式サイトで確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月19日)

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勘定科目内訳明細書は全16種類。決算書の科目から、必要な様式を探す

勘定科目内訳明細書は、預貯金等、売掛金、買掛金、借入金、役員給与、地代家賃など全16種類の様式に分かれています。自社の決算書に該当する科目がある様式を作成します。

e-Taxが公開している標準フォーム(令和6年3月1日以後終了事業年度分)は、次の16種類です。貸借対照表の資産、負債、損益計算書の科目に対応していて、自社の決算書に出てくる科目から、どの様式が必要かを逆引きできます。貸借対照表と損益計算書に該当する科目がない様式は、書く内容がありません(出典:e-Tax「勘定科目内訳明細書の標準フォーム等(令和6年3月1日以後終了事業年度分)」。区分の列は、様式名から筆者が整理したものです)。

項番 様式の名称 決算書の区分 主に書く内容
1預貯金等の内訳書貸借対照表(資産)金融機関名、支店名、預金の種類、口座番号、期末現在高
2受取手形の内訳書貸借対照表(資産)振出人、振出年月日、支払期日、支払銀行、金額、割引銀行名
3売掛金(未収入金)の内訳書貸借対照表(資産)相手先の名称・所在地、期末現在高
4仮払金(前渡金)の内訳書、貸付金及び受取利息の内訳書貸借対照表(資産)、損益計算書相手先、法人・代表者との関係、期末現在高、貸付金の利率と担保
5棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵品)の内訳書貸借対照表(資産)科目、品目、数量、単価、期末現在高
6有価証券の内訳書貸借対照表(資産)区分、種類、銘柄、数量、金額、期中の増減
7固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)の内訳書貸借対照表(資産)種類・構造、用途、面積、所在地、期末現在高、期中の取得・処分
8支払手形の内訳書貸借対照表(負債)支払先、振出年月日、支払期日、支払銀行、金額
9買掛金(未払金・未払費用)の内訳書貸借対照表(負債)相手先、期末現在高。未払配当金・未払役員賞与は別の欄
10仮受金(前受金・預り金)の内訳書、源泉所得税預り金の内訳貸借対照表(負債)相手先、期末現在高。源泉所得税は支払年月、所得の種類、期末現在高
11借入金及び支払利子の内訳書貸借対照表(負債)、損益計算書借入先、期末現在高、期中の支払利子額、利率、担保
12土地の売上高等の内訳書損益計算書区分(売上、仲介手数料)、所在地、地目、売上先、売上金額
13売上高等の事業所別内訳書損益計算書事業所の名称・所在地、売上高、期末棚卸高、期末従事員数
14役員報酬手当等及び人件費の内訳書損益計算書役員給与等の内訳、人件費の内訳
15地代家賃等の内訳書、工業所有権等の使用料の内訳書損益計算書貸主・支払先、支払賃借料、権利金等の期中支払、特許権や商標権などの使用料
16雑益、雑損失等の内訳書損益計算書科目、相手先、金額、取引の内容

自社の決算書の科目から必要な様式を決める

様式の選び方は、貸借対照表と損益計算書を上から順に見て、上の表の科目に残高や金額がある様式を選ぶだけです。たとえば、預金と売掛金と買掛金と地代家賃だけがある会社なら、預貯金等、売掛金、買掛金、地代家賃等の4種類が候補になります。借入金があれば借入金及び支払利子の内訳書が、役員報酬があれば役員報酬手当等及び人件費の内訳書が加わります。期末の残高がなくても、期中に有価証券を売買した、土地や建物を取得・処分した場合などは、様式に書く対象になる場合があります(次の章で触れます)。

決まった用紙でなくてもよい場合と、原価の内訳書

先ほどの国税庁の文書は、おおむね内訳書に準じた書類を作成しているときは、内訳書に代えてそれを提出して差し支えないと案内しています。会計ソフトから出力した書類などを使う場合も、考え方は同じで、科目ごとの内訳が様式の内容に沿って示されていることが前提になります。また、製造(修理)業、建設業、運送業の法人については、同じ文書で、できる限り原価の内訳書も作成するよう案内されています(製造原価、建設原価、運送原価の内訳書の様式が例示されています)。

勘定科目内訳明細書の提出期限・提出先・提出方法

勘定科目内訳明細書は、確定申告書に添付して、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出します。提出先は、本店または主たる事務所の所在地が納税地となる税務署です。

提出期限は、確定申告書と同じ「2か月以内」

法人税法第74条第1項は、内国法人は各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、税務署長に対して確定申告書を提出しなければならないと定めています。勘定科目内訳明細書は、この申告書に添付する書類なので、提出期限も同じです。たとえば3月31日が決算日の会社なら、翌日の4月1日から2か月以内で、5月31日が期限になります。

定款などの定めにより、決算の定時総会が事業年度終了の日の翌日から2か月以内に招集されない常況にあるなど、一定の場合には、申請により確定申告書の提出期限が延長される特例があります(法人税法第75条の2)。自社の申告期限や決算スケジュールの考え方は、決算スケジュールとは?四半期・決算発表の時期と自社の申告期限を解説も参考にしてください。

提出先は、納税地を所轄する税務署

内国法人の法人税の納税地は、その本店または主たる事務所の所在地です(法人税法第16条)。確定申告書は税務署長に提出するため、勘定科目内訳明細書も、本店所在地を所轄する税務署へ提出します。

書面でもe-Taxでも提出できる。電子申告が義務の法人もある

書面の場合は、様式を印刷して申告書に添付します。国税庁の文書は、各科目別の様式をホームページに掲載していて、印刷して使えると案内しています。電子申告が義務付けられている法人は、e-Taxで提出する必要があります(同文書)。法人税法第75条の4は、電子申告が義務となる特定法人として、事業年度開始の時の資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人、通算法人、相互会社、投資法人、特定目的会社を挙げています。

e-Taxで提出する場合は、会計ソフトや申告ソフトから作成するほか、e-Taxが公開しているExcelの標準フォームからCSV形式のデータを作って送信する方法があります。CSV形式のデータには注意点があり、たとえば半角のカンマは項目の区切り以外には使えません。使える文字は「JIS第1水準」と「JIS第2水準」で、これ以外の外字や半角のカナ、丸付き数字などは、全角の文字に直す必要があります(e-Tax「勘定科目内訳明細書のCSV形式データの作成方法」)。

税務上の個別の判断は、税務署または税理士に確認してください。本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。

どこまで書く?個別に書く金額の基準は様式ごとに違う

相手先ごとに個別に書く基準は様式ごとに決まっていて、売掛金や買掛金は期末残高が50万円以上、受取手形と支払手形は100万円以上、雑益・雑損失は10万円以上です。

基準に満たないものは、「その他」として一括して書けます。基準は、e-Taxの標準フォームに付いている「レコードの内容及び留意事項」に書かれていて、主なものをまとめると次のとおりです。様式によっては、役員・株主・関係会社が相手先のものや、期末残高がなくても期中に動きがあるものを、基準にかかわらず書く決まりがあります。

様式 個別に書く基準 基準にかかわらず書くもの・補足
預貯金等金額の基準は書かれていない口数が100口を超える場合は、期末現在高の多額なものから100口
受取手形一取引先の総額が100万円以上100万円以上のものが5口未満のときは、多額なものから5口程度
売掛金(未収入金)相手先別の期末現在高が50万円以上50万円以上のものが5口未満のときは、多額なものから5口程度
仮払金(前渡金)相手先別の期末現在高が50万円以上役員、株主又は関係会社が相手先のものは、50万円未満でも各別に書く
貸付金及び受取利息貸付先別の期末現在高が50万円以上役員、株主又は関係会社は各別。期末現在高がなくても、期中の受取利息額(未収利息を含む)が3万円以上のものは各別に書く
棚卸資産金額の基準は書かれていない品目は「紳士用革靴」のように書き、それ以上細分しなくてよい
有価証券金額の基準は書かれていない期末現在高がなくても、期中に売却・買入・増資払込・評価換えなどがあれば書く
固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物)金額の基準は書かれていない期末現在高がなくても、期中に売却・購入・評価換えを行ったものは書く
支払手形一取引先の総額が100万円以上100万円以上のものが5口未満のときは、多額なものから5口程度
買掛金(未払金・未払費用)相手先別の期末現在高が50万円以上50万円以上のものが5口未満のときは、多額なものから5口程度。未払配当金・未払役員賞与は別の欄に書く
仮受金(前受金・預り金)相手先別の期末現在高が50万円以上役員、株主又は関係会社が相手先のものは、50万円未満でも各別に書く
借入金及び支払利子借入先別の期末現在高が50万円以上役員、株主又は関係会社は各別。期末現在高がなくても、期中の支払利子額(未払利子を含む)が3万円以上のものは各別に書く
土地の売上高等棚卸資産の土地の売却や仲介のうち、取引金額の多額なものから各別記録口数が多い場合は、多額なものから20口でもよい
売上高等の事業所別事業所ごとに書く合計は、損益計算書の該当金額と一致するように書く
地代家賃等金額の基準は書かれていない口数が100口を超える場合は、支払賃借料などの多額なものから100口
雑益、雑損失等科目別かつ相手先別の金額が10万円以上税金の還付金は、10万円未満でも各別に書く

出典はe-Taxの「勘定科目内訳明細書の標準フォーム等(令和6年3月1日以後終了事業年度分)」に付いた各様式の「レコードの内容及び留意事項」です。役員報酬手当等及び人件費の内訳書には、金額の基準の記載がないため、上の表には含めていません。

計算例:売掛金の内訳書で、個別に書く取引先と「その他」を分ける

基準の使い方を、売掛金の内訳書で確認します。次の数字は、考え方を示すための仮の例です。期末の売掛金が取引先10社で合計945万円あり、残高が次のとおりだったとします。

取引先 期末残高(円) 内訳書での書き方
A社4,200,00050万円以上なので、名称・所在地・金額を各別に書く
B社1,850,000各別に書く
C社960,000各別に書く
D社620,000各別に書く
E社510,000各別に書く
F社からJ社(5社)1,310,000各社50万円未満なので、「その他」として合計を一括して書く
合計9,450,000貸借対照表の売掛金の金額と一致しているかを確認する

50万円以上の取引先が5社あるので、5口ルールの対象にはなりません。もし50万円以上の取引先がA社からC社の3社だけだった場合は、50万円以上のものが5口未満なので、残高の多いものから5口程度、つまりD社とE社を加えて各別に書きます。「その他」の欄には、書いた取引先を除いた残りの合計を入れ、内訳書の合計が貸借対照表の売掛金と合うようにします。

記載口数が100口を超えるときの簡素化

取引先が多い会社向けに、記載の簡素化が行われています。たとえば売掛金の内訳書で、書くべき相手先が100件を超えるときは、次のどちらかを選べます(e-Tax「勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化」、書面申告も同様)。

  1. 期末現在高の多額なものから100口についてのみ書く。この場合、100口目には、50万円未満のものも含む残額全部を一括して書きます。
  2. 期末現在高を、自社の支店や事業所別などで書く。支店や事業所の名称を相手先の名称欄に書き、期末現在高の欄にその支店や事業所の合計金額(50万円未満のものも含む)を書きます。

売掛金と未収入金は、100口を超えるかどうかを合計の口数で判断します。買掛金(未払金・未払費用)も、買掛金、未払金、未払費用の合計口数で判断します。このほか簡素化として、貸付金及び受取利息の内訳書の貸付理由欄や、借入金及び支払利子の内訳書の借入理由欄などが削除され、仮払金・仮受金の内訳書の「取引の内容」欄は「摘要」欄になり、自由記載になりました。

様式別の書き方と注意点:資産・負債・損益に分けて

各様式は、決算書の金額の内訳を、相手先・期末現在高・摘要などの欄に書いていきます。様式ごとに書き方の決まりがあるため、資産・負債・損益の順に主な点を確認します。

資産の部:預貯金等から固定資産まで

  • 預貯金等の内訳書:金融機関ごとに、預金の種類、支店名、口座番号、期末現在高を書きます。預貯金等の名義人が代表者になっているなど、法人名と異なる場合は、摘要に「名義人○○○○」のようにその名義人を書きます。
  • 受取手形の内訳書:振出人、振出年月日、支払期日、支払銀行、金額、割引銀行名及び支店名(または裏書譲渡先名)を書きます。融通手形は各別に書いて摘要にその旨を書き、為替手形は引受人の氏名と住所を摘要に書きます。
  • 売掛金(未収入金)の内訳書:科目欄に売掛金か未収入金かの別を書きます。未収入金は、その取引内容を摘要に書きます。
  • 仮払金(前渡金)の内訳書:相手先、法人・代表者との関係、期末現在高を書き、摘要に「機械設備の購入手付金」「仮払税金」のように取引の内容を書きます。
  • 貸付金及び受取利息の内訳書:貸付先、法人・代表者との関係、期末現在高、期中の受取利息額、利率、担保の内容を書きます。同じ貸付先に対する利率が2つ以上あるときは、期末に近い時期の利率を書きます。
  • 棚卸資産の内訳書:科目、品目、数量、単価、期末現在高を書きます。評価換えを行った場合は、摘要に「評価損○○○円」のように評価増減額を書きます。
  • 有価証券の内訳書:区分は、売買目的有価証券なら「売買」、満期保有目的等有価証券なら「満期」、その他有価証券なら「その他」のように書きます。種類、銘柄、数量、金額のほか、期中の増減の明細(異動年月日、異動事由、数量、金額、売却・買入先)を書きます。
  • 固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)の内訳書:種類・構造、用途、面積、物件の所在地、期末現在高、期中の取得・処分の明細を書きます。詳しくは、後の章で触れます。

負債の部:手形、買掛金、預り金、借入金

  • 支払手形の内訳書:支払先、振出年月日、支払期日、支払銀行、金額を書きます。融通手形は各別に書き、その旨を摘要に書きます。
  • 買掛金(未払金・未払費用)の内訳書:科目欄に買掛金、未払金、未払費用の別を書き、未払金は取引内容を摘要に書きます。配当金や、使用人兼務役員の使用人職務分の賞与を除く役員賞与で未払のものがある場合は、未払配当金・未払役員賞与の欄にその内訳を書きます。
  • 仮受金(前受金・預り金)の内訳書、源泉所得税預り金の内訳:科目欄に仮受金、前受金、預り金の別を書きます。社内預金の場合は、相手先に「社内預金」と書き、摘要に期中の支払利子額(未払利子を含む)を書きます。源泉所得税預り金の内訳には、支払年月、所得の種類(給与所得、退職所得、報酬・料金等など)、期末現在高を書きます。
  • 借入金及び支払利子の内訳書:借入先、法人・代表者との関係、期末現在高、期中の支払利子額、利率、担保の内容を書きます。外国法人や非居住者から借り入れたものは、国外の所在地(住所)を書きます。

損益の部:売上、人件費、地代家賃、雑益・雑損失

  • 土地の売上高等の内訳書:棚卸資産として持っている土地(土地の上に存する権利を含む)を売却した場合や、土地等を仲介した場合に、取引金額の多額なものから各別に書きます。
  • 売上高等の事業所別内訳書:事業所の名称、所在地、責任者の氏名、事業等の内容、売上高、期末棚卸高、期末従事員数などを書きます。合計は、損益計算書の該当金額と一致させます。期中に開設または廃止した事業所は、摘要にその旨と年月日を書きます。
  • 役員報酬手当等及び人件費の内訳書:役員給与等の内訳では、役員給与の合計と、その内訳として、使用人職務分、定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与、その他、退職給与を書きます。人件費の内訳では、役員給与、従業員給料手当、従業員賃金手当それぞれの総額と、そのうち代表者及びその家族分を書きます。
  • 地代家賃等の内訳書、工業所有権等の使用料の内訳書:地代・家賃の内訳に加えて、借地や借家のときに支払った権利金等がある場合は、権利金等の期中支払の内訳に書きます。権利金等を数回に分けて支払ったときは、支払年月日ごとに書きます。工業所有権等の使用料は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの名称ごとに書きます。
  • 雑益、雑損失等の内訳書:雑収入、雑益(損失)、固定資産売却益(損)、税金の還付金、貸倒損失などについて、科目別かつ相手先別の金額が10万円以上のものを書きます。税金の還付金は、10万円未満でもすべて各別に書きます。土地の売却益(損)を固定資産の内訳書に書いている場合は、この内訳書には書かなくても差し支えありません。

インボイス制度で変わった点:登録番号・法人番号の欄(令和6年3月1日以後終了事業年度分)

令和6年3月1日以後に終了する事業年度分の様式から、取引先などを書く一部の内訳書に登録番号と法人番号の欄があり、どちらかを記録すれば、名称と所在地の記載は省略できます。

e-Taxの標準フォームを確認すると、登録番号と法人番号の欄があるのは、受取手形、売掛金(未収入金)、仮払金(前渡金)、貸付金及び受取利息、固定資産(土地・建物)、支払手形、買掛金(未払金・未払費用)、仮受金(前受金・預り金)、土地の売上高等、地代家賃等、工業所有権等の使用料、雑益・雑損失等の各内訳書です。預貯金等、棚卸資産、有価証券、借入金及び支払利子、事業所別、役員報酬手当等及び人件費の内訳書には、この欄はありません。

  1. 登録番号を記録する場合は、「T」を除く13桁の数字を記録します(e-TaxのCSV形式データの場合)。
  2. 登録番号と法人番号は、同時には記録しません。登録番号を記録する場合は法人番号の欄を、法人番号を記録する場合は登録番号の欄を記録しません。
  3. 登録番号または法人番号を記録した場合は、名称(氏名)と所在地(住所)の欄の記録を省略しても差し支えありません。

登録番号を記録しない場合は、従来どおり名称と所在地を書きます。請求書側のインボイスの書き方は、請求書作成の手順と必須9項目|インボイス・電帳法対応と作成方法の選び方【2026年版】で整理しています。

固定資産の内訳書と固定資産台帳は別のもの:土地・建物の記載を整理する

固定資産の内訳書は、土地、土地の上に存する権利、建物に限って、期末現在高と期中の取得・処分の明細を書く様式です。機械装置や器具備品などの減価償却資産は、この様式の対象ではありません。

様式の名称が「土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。」となっているとおり、書く対象は、土地、借地権などの土地の上に存する権利、建物です。種類・構造、用途、面積、物件の所在地、期末現在高に加えて、期中の取得(処分)の明細として、異動年月日、異動事由、取得(処分)価額、異動直前の帳簿価額、売却(購入)先を書きます。期末現在高がなくなっていても、期中に売却、購入または評価換えを行った場合は書く必要があります。同じ種類または同じ所在地のものについて、売却先や購入先が多数あるときは、売却先または購入先ごとに書きます。

この様式は、決算書の固定資産の金額の一部を、土地・建物の単位で示すものです。機械装置や器具備品などの償却資産は、固定資産台帳と減価償却費の計算で管理します。減価償却費の計算方法は減価償却費の計算方法|定額法・定率法の求め方と仕訳を計算例で解説で、台帳の見方は固定資産台帳とは?見方や記載項目、作成時のポイントを解説で、固定資産の種類は固定資産とは?種類や流動資産との違い、減価償却についても解説で整理しています。

土地・建物の取得や処分が多い会社では、内訳書に書く期中の異動を、台帳の記録と会計データの両方で突き合わせることになります。固定資産の台帳と減価償却費の計算を一つの仕組みで管理したい場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド固定資産」です。商品ページによると、写真だけでなく証憑データやワークフローの申請リンクも添付でき、最大3つまで台帳を保管できます。減価償却の計算方法は複数あり、減価償却費はリアルタイムで反映されるとされています。一方で、詳細な料金や導入フローは問い合わせが必要で、導入から稼働までは大体2-3か月かかると、商品ページの注意点に書かれています。商品ページに勘定科目内訳明細書の出力についての記載はないため、内訳書に使える形で情報を取り出せるかは資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月19日)

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド固定資産

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固定資産管理業務をクラウド上で完結させ、資産のリアルタイムな把握・反映を行うなら、導入支援が充実したマネーフォワード クラウド固定資産の導入がおすすめです。

評判・口コミを紹介

マネーフォワード クラウド固定資産を導入したことで、固定資産にかかるルーティン業務の時間は導入前の半分程度まで削減できました。業務改善や新たな取り組みについて考えるためには、ルーティン業務を効率化してルーティン外の業務に割ける時間を作ることが大事だと考えていますので、そうした面で非常に役立っています。

固定資産の導入事例(株式会社エス・エム・エス)|マネーフォワード クラウド
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おすすめ!

  • 写真だけでなく、証憑データ・ワークフローの申請リンクも添付可能
  • 最大3つまで台帳が保管できる
  • 減価償却の計算方法は複数あり、減価償却費はリアルタイムで反映される
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気になる…

  • 詳細料金や導入フローは問い合わせが必要で、導入から稼働までは大体2~3か月かかる

マネーフォワード クラウド固定資産の導入事例では、株式会社エス・エム・エスが、月次業務について次のように語られています。

これまで月次業務に3営業日かかっていましたが、1.5営業日で済むようになり、以前と比べて半分の工数となっています。

マネーフォワード クラウド固定資産 導入事例(株式会社エス・エム・エス) 出典:導入事例ページ
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作成の手順と、提出前の決算書との一致チェック

勘定科目内訳明細書は、決算が確定したあとに、科目ごとの残高を取引先別に取り出し、様式ごとの基準で整理して、決算書の金額と合計が合うことを確認して作ります。

  1. 貸借対照表と損益計算書の科目と、期末の金額を確定します。
  2. 16種類の様式のうち、残高や金額がある科目に対応する様式を洗い出します。期末の残高がゼロでも、期中に有価証券、土地・建物、貸付金、借入金に動きがあった場合は、対象になる様式がないかを確認します。
  3. 科目ごとに、相手先別の残高や金額を、元帳や補助科目から取り出します。
  4. 様式ごとの基準で、個別に書くものと「その他」にまとめるものを分けます。役員・株主・関係会社が相手先のものと、利息が3万円以上のもの、税金の還付金は、基準にかかわらず別に書きます。
  5. 相手先の欄に、名称と所在地を書くか、登録番号または法人番号を書きます。
  6. 様式ごとの合計が、貸借対照表と損益計算書の該当科目の金額と合うかを確認します。合わない場合は、書き漏れた取引先、一括した「その他」の合計、期中に動きのあった取引を見直します。
  7. 書面で出すか、e-Taxで出すかを決め、確定申告書と一緒に期限内に提出します。

つまずきやすい点:国税庁・e-Taxの記載から

  • 売掛金と未収入金、買掛金と未払金と未払費用は、口数が100口を超えるかどうかを、科目の合計で数えます。
  • 役員、株主又は関係会社が相手先の仮払金、貸付金、仮受金、借入金は、期末残高が50万円未満でも各別に書きます。
  • 期末残高がゼロでも、期中の受取利息や支払利子が3万円以上の貸付先・借入先は書きます。
  • 有価証券と固定資産(土地・建物)は、期末の残高がなくても、期中に売買や購入・処分があれば書きます。
  • 前期に作った内訳書をもとにする場合は、前期の取引先をそのまま残さず、当期の残高と動きに合わせて書き換えます。

ここまでの内容を踏まえて、自社の内訳書づくりの進め方を、次のチェックで確認してみてください。

勘定科目内訳明細書の作り方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

毎期の作成を楽にする見直しの視点:会計データと台帳の役割を分ける

内訳書の手間を減らすには、取引先別の残高を会計データから取り出せる状態にすることと、土地・建物などの資産の情報を台帳で管理することを、分けて考えると整理しやすくなります。

この記事で取り上げた2つのサービスは、役割が異なります。商品ページで確認できた内容を、役割の違いとして整理すると次のとおりです(商品ページ確認日:2026年10月19日)。優劣や順位をつけるものではありません。

マネーフォワード クラウド会計 マネーフォワード クラウド固定資産
向いている場面日々の仕訳から帳簿・決算書までを一つの会計データにそろえたい固定資産の台帳と減価償却費の計算を、資産ごとにまとめて管理したい
商品ページに書かれた特徴帳簿・レポート・決算書の自動作成、金融機関の入出金データの自動取得、他サービスとの連携証憑データなどの添付、最大3つまでの台帳保管、減価償却費のリアルタイム反映
注意したい点ある程度の簿記知識が必要な場合もある詳細料金や導入フローは問い合わせが必要で、導入から稼働までは大体2-3か月かかる

どちらも、勘定科目内訳明細書の出力そのものについては商品ページに記載がありません。資料を請求するときは、次の4点を確認すると、自社の内訳書づくりに合うかを判断しやすくなります。

  1. 取引先別の残高を、補助科目などで科目ごとに取り出せるか。
  2. 勘定科目内訳明細書の様式、またはe-Taxで提出できるデータの形で出力できるか。
  3. 台帳と会計データの連携の範囲はどこまでか(土地・建物の取得や処分の記録をどう扱うか)。
  4. 導入にかかる期間と、データ移行や設定のサポートの範囲、料金の体系。

会計ソフトを選ぶときの考え方は、経理SaaSとは?従来型ソフトとの違いと選び方|連結会計・経理BPOとの使い分けも解説でも解説しています。固定資産管理システムの選び方は、固定資産管理システムとは?機能やメリット、選び方について解説!が参考になります。内訳書づくりが毎期の負担になっている場合は、決算期の前に、これらを資料で比べておくと、来期の準備がしやすくなります。

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入力は1回。料金はプランによって異なるため、資料で確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 勘定科目の内訳明細書はどれですか?

A. 貸借対照表と損益計算書の各勘定科目の内訳を示す、全16種類の様式の総称です。e-Taxの標準フォームでは、1の預貯金等の内訳書から、16の雑益、雑損失等の内訳書まで並んでいます。自社の決算書に該当する科目がある様式を作成します。

Q2. 勘定科目内訳明細書の記載例は?

A. 売掛金の内訳書なら、相手先別の期末現在高が50万円以上の取引先は、名称・所在地・期末現在高を各別に書き、50万円未満の取引先は「その他」として合計を一括して書きます。取引先10社・合計945万円の仮の例は、本文の計算例の表を参照してください。登録番号または法人番号を書けば、名称と所在地は省略できます。

Q3. 勘定科目内訳明細書はどこに提出するのですか?

A. 法人税の確定申告書に添付して、納税地を所轄する税務署に提出します。内国法人の納税地は、本店または主たる事務所の所在地です。提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内で、資本金の額が1億円を超える法人など電子申告が義務の法人は、e-Taxで提出します。

Q4. 勘定科目内訳明細書の作成義務はありますか?

A. 法人税法第74条第3項と、法人税法施行規則第35条第3号により、貸借対照表及び損益計算書に係る勘定科目内訳明細書は、確定申告書に添付する書類として定められています。決算書に該当する科目がない様式は書く内容がないため、作成するのは該当する様式です。個別の判断に迷う場合は、税務署または税理士に確認してください。

Q5. 少額の取引先は「その他」にまとめてもよいですか?

A. 様式ごとの基準に満たないものは、「その他」として一括して書けます。売掛金や買掛金は期末現在高50万円、受取手形と支払手形は100万円、雑益・雑損失等は10万円が基準です。ただし、役員・株主・関係会社が相手先のもの、期中の利息が3万円以上のもの、税金の還付金は、基準にかかわらず各別に書きます。

Q6. 登録番号は必ず書く必要がありますか?

A. e-Taxの留意事項では、登録番号または法人番号を記録した場合に、名称(氏名)と所在地(住所)の記録を省略しても差し支えないとされています。記録しない場合は、従来どおり名称と所在地を書きます。登録番号を記録するときは「T」を除く13桁を記録し、登録番号と法人番号は同時には記録しません。

まとめ:勘定科目内訳明細書を作成・提出するための6つのこと

  1. 勘定科目内訳明細書は、貸借対照表と損益計算書の各科目の内訳を示す書類で、法人税法第74条第3項と同法施行規則第35条第3号により、確定申告書に添付します。
  2. 様式は全16種類です。自社の決算書に該当する科目がある様式を、e-Taxの標準フォームの一覧から選びます。
  3. 個別に書く基準は様式ごとに違います。売掛金・買掛金は50万円、手形は100万円、雑益・雑損失は10万円が目安で、役員・株主・関係会社、利息3万円以上、税金の還付金は別に書きます。
  4. 記載口数が100口を超えるときは、多額なものから100口にするか、支店・事業所別に書く簡素化が使えます。令和6年3月1日以後終了事業年度分の様式では、登録番号または法人番号を書けば名称と所在地を省略できます。
  5. 提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。電子申告が義務の法人はe-Taxで提出します。提出前に、様式ごとの合計と決算書の金額を突き合わせます。
  6. 手作業の集計や台帳との突き合わせが負担なときは、会計ソフトや固定資産管理システムの資料を請求し、取引先別の残高の取り出し方、内訳書やe-Tax向けデータの出力、台帳と会計データの連携範囲を確認します。

勘定科目内訳明細書は、様式の数が多く見えても、自社の決算書の科目から必要な様式を絞り、基準に沿って整理すれば、作業の中身は決算書の金額の内訳を示すことです。税務上の個別の判断は、税務署または税理士に確認してください。本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。

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