固定残業代の計算方法とは?計算式・具体例と超過分の残業代の出し方
Check!
- 計算式は時間単価と割増率と時間
- 超過分は固定残業代を除いて計算
- 最低賃金と月45時間の上限も確認
固定残業代は、「1時間あたりの賃金 × 割増率 × 固定残業時間」で計算します。1時間あたりの賃金は、月給から割増賃金の基礎に入れない手当を除いた額を、1か月の平均所定労働時間で割って求めます。たとえば時間単価が1,250円、割増率が1.25、固定残業時間が20時間なら、固定残業代は31,250円です。実務では、これに加えて、手当として別に払う方式と基本給に組み込む方式で計算の向きが変わること、設定した時間を超えた分は別に払うこと、基本給部分が最低賃金を下回っていないかを確かめることが必要になります。本記事では、労働基準法と厚生労働省の資料に沿って、計算式、2つの方式の計算例、超過分の残業代、金額別の早見表、運用の確認点を順に整理します。
固定残業代の計算、いちばん手間がかかるのはどこですか?(2問)
Q1. 計算で迷いやすいのはどちらですか?
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固定残業代の計算式と、計算の3ステップ
固定残業代は、1時間あたりの賃金に割増率と固定残業時間をかけて求めます。月給制の場合、1時間あたりの賃金は「割増賃金の基礎となる月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間」で出します。
- 割増賃金の基礎になる月給を決める(基本給と、除外できない諸手当の合計)
- 1か月の平均所定労働時間で割って、1時間あたりの賃金(時間単価)を出す
- 時間単価に、割増率と固定残業時間をかける(時間単価 × 割増率 × 固定残業時間)
月給制の時間単価の考え方は、労働基準法施行規則第19条に定められています。月によって定められた賃金は、その金額を月における所定労働時間数(月によって異なる場合は1年間における1か月平均の所定労働時間数)で割った額が、割増賃金を計算するときの「通常の労働時間の賃金」になります(労働基準法施行規則(e-Gov法令検索))。
基本給200,000円、資格手当20,000円、家族手当10,000円、1か月の平均所定労働時間160時間、固定残業時間20時間の場合で計算します。家族手当は除外できる手当のため、基礎になる月給は基本給と資格手当の合計220,000円です。
| ステップ | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 基礎になる月給 | 200,000円 + 20,000円(家族手当は除く) | 220,000円 |
| 時間単価 | 220,000円 ÷ 160時間 | 1,375円 |
| 時間外の割増後の単価 | 1,375円 × 1.25 | 1,718.75円 |
| 固定残業代(20時間分) | 1,718.75円 × 20時間 | 34,375円 |
固定残業代の計算を毎月続ける負担と、給与計算ソフトで任せられる範囲
固定残業代の計算は、一度出して終わりではありません。昇給や手当の変更、年間休日の見直し、最低賃金の改定があるたびに、時間単価からの再計算が必要になります。この再計算と、毎月の超過分の集計を、給与計算ソフトや労務管理システムの設定として仕組みにする方法があります。
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時間単価を間違えやすい2点:除外できる手当と平均所定労働時間
時間単価の計算で間違いが出やすいのは、割増賃金の基礎から除外できる手当の仕分けと、1か月の平均所定労働時間の出し方です。除外できる手当は7種類だけで、平均所定労働時間は年間休日によって変わります。
割増賃金の基礎に入れない賃金は7種類だけ
労働基準法第37条第5項と同法施行規則第21条により、割増賃金の基礎から除けるのは次の7種類に限られます(労働基準法(e-Gov法令検索))。
| 除外できる賃金 | 根拠 |
|---|---|
| 家族手当・通勤手当 | 労働基準法第37条第5項 |
| 別居手当・子女教育手当・住宅手当 | 労働基準法施行規則第21条 |
| 臨時に支払われた賃金 | 労働基準法施行規則第21条 |
| 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など) | 労働基準法施行規則第21条 |
厚生労働省の解説では、これらは名称ではなく実質で判断されるとされています。たとえば、名称が住宅手当でも、住宅に要する費用に関係なく全員に一律で支給しているものは、基礎に含めて計算します(確かめよう労働条件(厚生労働省))。資格手当や役職手当のように、この7種類に当てはまらない手当は、時間単価の計算に入れます。
1か月の平均所定労働時間の出し方
1か月の平均所定労働時間は、「(365日 – 年間休日数)× 1日の所定労働時間 ÷ 12か月」で求められます。たとえば年間休日が120日、1日の所定労働時間が8時間なら、(365 – 120)× 8 ÷ 12 で約163.3時間です。年間休日が変わると平均所定労働時間も変わり、時間単価も変わるため、休日の見直しのたびに計算し直す必要があります。なお、割増賃金の基準になる法定労働時間(1日8時間、1週40時間)の考え方は、法定労働時間とは?言葉の意味や残業代の計算方法をわかりやすく解説でも整理しています。
手当型と基本給組み込み型で変わる、固定残業代の計算の向き
固定残業代の払い方には、基本給とは別の手当として払う手当型と、基本給の中に含める基本給組み込み型があります。手当型は時間単価から固定残業代を求める順算、組み込み型は給与総額から固定残業代を逆算する計算になります。
手当型は時間単価から順に計算する
手当型では、基本給など通常の賃金と固定残業代が別の項目になります。冒頭の計算例がそのまま当てはまり、基本給や手当が変わらなければ、固定残業代は時間単価と固定残業時間で決まります。給与明細でも、基本給と固定残業代を別の支給項目として示せるため、内訳を確認しやすい方式です。
基本給組み込み型は給与総額から逆算する
基本給組み込み型では、決まっている給与総額の中に固定残業代を含めます。このとき、固定残業代の分だけ基本給部分が小さくなるため、時間単価は「給与総額 ÷(月平均所定労働時間 + 固定残業時間 × 割増率)」で求めます。固定残業代は、この時間単価に割増率と固定残業時間をかけた額です。
給与総額300,000円、1か月の平均所定労働時間160時間、固定残業時間10時間、割増率1.25の例で計算します。
| ステップ | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 時間単価 | 300,000円 ÷(160時間 + 10時間 × 1.25) | 約1,739円 |
| 固定残業代(10時間分) | 1,739.13円 × 1.25 × 10時間 | 約21,739円 |
| 基本給部分 | 300,000円 – 21,739円 | 278,261円 |
| 検算(基本給部分の時間単価) | 278,261円 ÷ 160時間 | 約1,739円 |
検算で、基本給部分を160時間で割った額が最初の時間単価と一致していれば、計算が合っています。給与総額を単純に160時間で割ってから割増率をかける方法では、固定残業代の分だけ時間単価を高く見積もってしまい、金額がずれます。
どちらの方式でも守ること
どちらの方式でも、通常の労働時間の賃金に当たる部分と、割増賃金に当たる部分を判別できることが必要です。最高裁判所の平成29年7月7日判決を受けた厚生労働省の通達でも、基本給や諸手当にあらかじめ含めて割増賃金を支払う場合は、この2つを判別でき、割増賃金部分の金額が法定の方法で計算した額を下回るときは差額を支払うこととされています(時間外労働等に対する割増賃金の解釈について(厚生労働省))。なお、みなし残業という呼び方との違いは、みなし残業とは?固定残業との違いや違法性の基準を分かりやすく解説で整理しています。
固定残業時間を超えた分の残業代の計算と、割増率の組み合わせ
固定残業時間を超えて働いた分は、固定残業代とは別に、時間単価に割増率をかけた残業代を追加で支払います。深夜や法定休日、月60時間を超える分は、割増率が変わります。
割増率の一覧と組み合わせ
割増率は労働基準法第37条に定められています。時間外労働は25%以上、法定休日の労働は35%以上、午後10時から午前5時までの深夜労働は25%以上です。1か月の時間外労働が60時間を超えた分は50%以上で、中小企業にも2023年4月1日から適用されています(月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引上げ(厚生労働省))。
| 場面 | 割増率 | 時間単価にかける倍率 |
|---|---|---|
| 時間外労働(法定労働時間を超えた分) | 25%以上 | 1.25 |
| 時間外労働が1か月60時間を超えた分 | 50%以上 | 1.5 |
| 法定休日の労働 | 35%以上 | 1.35 |
| 深夜労働(午後10時から午前5時)の上乗せ | 25%以上 | +0.25 |
| 時間外労働と深夜労働が重なる分 | 25%+25% | 1.5 |
| 法定休日の労働と深夜労働が重なる分 | 35%+25% | 1.6 |
| 月60時間を超える時間外労働と深夜労働が重なる分 | 50%+25% | 1.75 |
所定労働時間が法定労働時間より短い会社では、所定を超えて法定労働時間に達するまでの残業(法定内残業)には、法律上の割増率は不要で、倍率は1.0です。固定残業代に法定内残業分を含める場合は、その部分の扱いを契約書に明記しておくと、あとの誤解を防げます。
超過分の計算例(月の実績から追加支給額を出す)
冒頭の手当型の計算例(時間単価1,375円、固定残業20時間)で、ある月に時間外労働が26時間、法定休日の労働が8時間あった場合を計算します。固定残業代に含めない休日労働分は、別に支払います。
| 項目 | 計算 | 追加で支払う額 |
|---|---|---|
| 時間外の超過分(26時間 – 固定20時間 = 6時間) | 1,375円 × 1.25 × 6時間 | 10,312.5円 |
| 法定休日の労働(固定残業代に含めない場合) | 1,375円 × 1.35 × 8時間 | 14,850円 |
| 追加支給額の合計 | 10,312.5円 + 14,850円 | 25,162.5円 |
超過分の時間単価には、固定残業代を含めません。基本給と除外できない手当だけで時間単価を出します。固定残業代を含めて計算し直すと、時間単価が高くなり、追加の支給額が実際より大きくなります。
月60時間を超える場合の計算
固定残業時間を30時間に設定している会社で、ある月の時間外労働が70時間になった場合を考えます。1か月の時間外労働のうち、最初の60時間までは1.25、60時間を超えた分は1.5です。時間単価1,375円のとき、固定残業代でまかなわれる30時間のほかに、追加で30時間分が1.25、残りの10時間分が1.5になります。
| 区分 | 計算 | 追加で支払う額 |
|---|---|---|
| 固定残業代でまかなう30時間 | 追加支給なし | 0円 |
| 31時間目から60時間目まで(30時間分) | 1,375円 × 1.25 × 30時間 | 51,562.5円 |
| 61時間目から70時間目まで(10時間分) | 1,375円 × 1.5 × 10時間 | 20,625円 |
| 追加支給額の合計 | 51,562.5円 + 20,625円 | 72,187.5円 |
月ごとの残業時間の把握については、勤怠管理システムによる残業管理とは?残業代の計算方法も解説も参考になります。
固定残業代の金額別・時間別の早見表
固定残業代の目安は、時間単価と固定残業時間が決まれば早見表で確認できます。時間単価1,250円で20時間分なら31,250円、固定残業代が3万円なら、時間単価1,250円の場合で約19.2時間分にあたります。
割増賃金の基礎になる月給と固定残業時間から見る金額
次の表は、割増賃金の基礎になる月給が全額に含まれ、1か月の平均所定労働時間が160時間、割増率が1.25の場合の、固定残業代の目安です。円未満は四捨五入しています。出典のある計算式から機械的に出した目安で、実在の会社の調査ではありません。
| 割増賃金の基礎になる月給 | 時間単価 | 10時間分 | 20時間分 | 30時間分 | 40時間分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 200,000円 | 1,250円 | 15,625円 | 31,250円 | 46,875円 | 62,500円 |
| 250,000円 | 1,562.5円 | 19,531円 | 39,063円 | 58,594円 | 78,125円 |
| 300,000円 | 1,875円 | 23,438円 | 46,875円 | 70,313円 | 93,750円 |
| 350,000円 | 2,187.5円 | 27,344円 | 54,688円 | 82,031円 | 109,375円 |
基本給20万円だけが基礎になる場合、20時間分の残業代は31,250円です。1時間あたりの残業代は、1,250円に1.25をかけた1,562.5円になります。
固定残業代が3万円のとき、何時間分にあたるか
固定残業代の金額から、何時間分にあたるかを逆に確かめることもできます。計算式は「固定残業代 ÷(時間単価 × 1.25)」です。
| 時間単価 | 1時間あたりの残業代(1.25倍) | 固定残業代3万円がまかなう時間 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 1,250円 | 24時間 |
| 1,250円 | 1,562.5円 | 約19.2時間 |
| 1,500円 | 1,875円 | 16時間 |
| 1,750円 | 2,187.5円 | 約13.7時間 |
| 2,000円 | 2,500円 | 12時間 |
契約書に「固定残業代3万円」としか書かれていない場合、何時間分かが分からず、超過の判断ができません。金額と時間数をセットで示すことが、計算の前提になります。
計算した固定残業代を、最低賃金・時間数・明示の3点で確認する
計算した固定残業代が適切かどうかは、基本給部分の時間単価が最低賃金を下回らないか、固定残業時間が月45時間の上限と整合するか、金額と時間数が明確に示されているかで確認します。
なお、この章は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の契約や就業規則の有効性は、社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。
基本給部分の時間単価が最低賃金を下回らないか
最低賃金の対象になる賃金には、時間外・休日・深夜の割増賃金や通勤手当、家族手当などは含まれません。月給制では、これらを除いた月給を1か月の平均所定労働時間で割り、地域別最低賃金以上になっているかを確認します(対象となる賃金は?(厚生労働省 最低賃金制度))。固定残業代は割増賃金にあたるため、基本給部分だけで確認します。
令和8年度の地域別最低賃金は、答申ベースで全国加重平均が1,177円、最高額が東京都の1,280円、最低額が1,085円で、令和8年10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です(令和8年度地域別最低賃金の答申(厚生労働省))。実際の金額と発効日は、事業所のある都道府県ごとに確認してください。
たとえば、給与総額200,000円、平均所定労働時間160時間の会社が、基本給組み込み型で固定残業を40時間分入れた場合を計算します。時間単価は200,000円 ÷(160 + 40 × 1.25)= 約952円で、基本給部分は約152,381円、固定残業代は約47,619円になります。基本給部分の時間単価952円は、最低額の1,085円も下回ります。最低額1,085円の地域で40時間分を組み込むなら、給与総額は少なくとも1,085円 × 210時間 = 227,850円が必要です。
固定残業時間は月45時間の上限と整合しているか
時間外労働の限度は、労働基準法第36条で原則として1か月45時間、1年360時間とされています。臨時的な特別の事情があって特別条項つきの36協定を結んだ場合に限り、これを超えられます(労働基準法(e-Gov法令検索))。固定残業時間を40時間に設定することについて、時間数だけで直ちに有効か無効かが決まるわけではありません。ただし、上限に近い時間を毎月の前提にする設計は、実態と合うかを慎重に確認する必要があります。時間数を長くするほど、基本給部分の時間単価が小さくなる点にも注意が必要です。
金額と時間数が明確に示されているか
固定残業代の有効性について、最高裁判所の平成30年7月19日判決(日本ケミカル事件)は、手当が時間外労働等の対価として支払われるものとされているかを、契約書等の記載のほか、使用者の説明の内容や労働者の勤務状況なども考慮して判断するとしています(エルダー2022年11月号(高齢・障害・求職者雇用支援機構))。実務では、基本給と固定残業代を区別し、対象の時間数と金額を書面で示すことが基本になります。
求人票や募集要項に固定残業代を書くときは、厚生労働省が次の3点をすべて明示するよう求めています。1つ目は固定残業代を除いた基本給の額、2つ目は固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法、3つ目は固定残業時間を超える時間外労働、休日労働、深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨です(固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします(厚生労働省))。
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固定残業代の対象者や時間数、金額が、人ごとの別々の表で管理されていませんか?
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固定残業代の計算、今のやり方で足りていますか?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
給与計算ソフトで固定残業代を扱うときの確認ポイント
給与計算ソフトで固定残業代を扱うときは、固定残業代を別の項目として設定できるか、時間単価の基礎に入れる手当を選べるか、勤怠と連携して超過分を集計できるかを、資料で確認します。
ここまでの計算を毎月手作業で行うと、除外手当の仕分け、平均所定労働時間の再計算、最低賃金の確認、超過分と割増率の集計が重なります。給与計算ソフトで確認したい点は、次の5つです。
- 固定残業代を、基本給や他の手当とは別の給与項目として設定でき、給与明細に分けて表示できるか
- 時間単価の基礎に入れる手当と、除外する手当を、項目ごとに設定できるか
- 勤怠データと連携して、固定残業時間を超えた分を自動で集計できるか
- 時間外、休日、深夜、月60時間超の割増率を、自動で切り替えて計算できるか
- 最低賃金や年間休日の変更があったとき、時間単価と固定残業代を見直しやすいか
本記事で紹介した3サービスの商品ページには、固定残業代専用の機能の記載はありません。固定残業代の設定方法や、上の5点への対応は、資料でそれぞれ確認してください。給与の項目や計算式を登録できるか、勤怠と連携できるか、条件の変更履歴を残せるかは、商品ページに記載のある確認の入口になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 固定残業代の計算方法は?
A. 固定残業代は、1時間あたりの賃金に割増率と固定残業時間をかけて計算します。1時間あたりの賃金は、割増賃金の基礎になる月給(家族手当や通勤手当などを除く)を、1か月の平均所定労働時間で割って求めます。時間外労働なら割増率は1.25です。
Q2. 固定残業代が3万円だと、残業代はいくらになりますか?
A. 固定残業代3万円は、それ自体が一定時間分の残業代です。何時間分にあたるかは時間単価で決まり、時間単価1,250円なら1時間あたり1,562.5円なので約19.2時間分です。その時間を超えた分は、別に残業代を支払います。
Q3. 固定残業代40時間はやばいですか?
A. 40時間という時間数だけで、直ちに有効か無効かが決まるわけではありません。ただし、時間外労働の限度は原則月45時間なので、上限に近い設計になります。基本給部分の時間単価が最低賃金を下回らないか、実態に合う時間数かを確認してください。
Q4. 基本給20万の残業代はいくらですか?
A. 基本給20万円のみが基礎で、1か月の平均所定労働時間が160時間なら、時間単価は1,250円です。時間外の割増率1.25をかけると1時間あたり1,562.5円で、20時間なら31,250円になります。手当がある場合は、除外できない手当を合計して計算します。
Q5. 固定残業時間を超えた分は、どう計算しますか?
A. 超過した時間に、時間単価と割増率をかけて追加で支払います。時間単価は、固定残業代を含めず、基本給と除外できない手当で出します。たとえば時間単価1,375円で6時間超過したら、1,375円に1.25と6時間をかけて、10,312.5円です。
Q6. 手当型と基本給組み込み型では、計算はどう変わりますか?
A. 手当型は、時間単価から固定残業代を求める順算です。基本給組み込み型は、給与総額から逆算し、時間単価を「給与総額 ÷(月平均所定労働時間 + 固定残業時間に割増率をかけた時間)」で出します。どちらも、通常の賃金と割増賃金に当たる部分を判別できることが必要です。
固定残業代の計算で押さえたい5つのこと
- 計算式は「時間単価 × 割増率 × 固定残業時間」で、時間単価は除外できない月給 ÷ 月平均所定労働時間で出す
- 手当型は順算、基本給組み込み型は給与総額からの逆算で計算し、通常の賃金部分と割増賃金部分を判別できるようにする
- 固定残業時間を超えた分は、固定残業代を含めない時間単価に割増率をかけて追加で支払う
- 基本給部分の時間単価が最低賃金を下回らないか、固定残業時間が月45時間の上限と整合するかを確認する
- 毎月の再計算や超過分の集計が手作業の負担になっているなら、給与計算ソフトや労務管理システムの資料を取り寄せて、固定残業代の設定方法を確認する
固定残業代の計算は、式そのものは単純でも、手当の仕分けや最低賃金の確認、超過分の集計まで含めると手間がかかります。まずは本文の早見表と計算例で自社の数字を当てはめ、手作業のどこに負担があるかを確認してください。
参考文献
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
- 労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)
- 時間外・休日労働と割増賃金(確かめよう労働条件・厚生労働省)
- 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引上げ(厚生労働省)
- 時間外労働等に対する割増賃金の解釈について(平成29年7月31日基発0731第27号・厚生労働省)
- 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします(厚生労働省)
- 対象となる賃金は?(最低賃金制度・厚生労働省)
- 令和8年度地域別最低賃金の答申(厚生労働省)
- エルダー2022年11月号(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)
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