OJT研修とは?意味・進め方・OFF-JTとの違いと担当者の選び方

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  • OJT研修は育成方法と担当者研修の2つの意味がある
  • 計画書と振り返りで担当者任せにしない進め方
  • 共通の知識はeラーニングで全員に同じ内容を伝える

OJT研修とは、職場で実際の業務に就きながら、上司や先輩が計画的に知識や技能を教える育成方法のことです。On-the-Job Trainingの略で、「OJT研修」という言葉は、この育成方法そのものを指す場合と、OJTを担当する先輩社員向けの研修を指す場合の2通りで使われます。厚生労働省の令和7年度「能力開発基本調査」では、正社員に計画的なOJTを実施した事業所は60.6%でした。一方で、人材育成の問題点では「指導する人材が不足している」が59.5%で最も高くなっています。本記事では、OJT研修の意味、OFF-JTとの違い、メリットとデメリット、進め方、担当者の選び方を整理し、担当者任せにしない仕組みづくりまで解説します。

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目次

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  1. OJT研修とは?意味・目的・2つの使われ方
  2. OJT研修の目的とメリット|公的調査で見る実施状況
  3. OJT研修のデメリットと失敗する原因|担当者任せにしない
  4. OJT研修の進め方|目標設定から見直しまでの5ステップ
  5. OJT担当者の選び方と育成|OJT担当者向け研修の内容
  6. OJT研修の期間と、小規模な会社での始め方
  7. OJTとOFF-JT・eラーニングの組み合わせ方|任せきりにできない教育
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

OJT研修とは?意味・目的・2つの使われ方

OJT研修とは、日常の業務に就きながら、上司や先輩が教育担当者となって知識や技能を教える育成方法のことです。OJTはOn-the-Job Trainingの略で、日本語では「職場内訓練」「職場内教育」と訳されます。実際の仕事を題材に、仕事の感覚や段取りを身につけられる点が特徴です。

厚生労働省の「能力開発基本調査」の用語の説明では、OJTのうち、教育訓練に関する計画書を作成するなどして教育担当者、対象者、期間、内容などを具体的に定め、段階的・継続的に実施するものを「計画的なOJT」としています(令和7年度 用語の説明)。研修として運営するなら、この計画的な形が基本になります。

「OJT研修」の2つの意味

「OJT研修」は、文脈によって次の2つの意味で使われます。本記事は意味1を中心に、意味2も「OJT担当者の選び方と育成」で扱います。

観点意味1:OJTという育成方法意味2:OJT担当者向けの研修
対象者新入社員・若手・中途入社者など、育成される側OJTリーダー・トレーナーなど、教える側の先輩社員や上司
目的実務を通じて仕事を身につけ、早期に戦力化する育成計画の立て方や教え方、フィードバックの方法を学ぶ

意味2は研修会社の解説で使われる用法で、リクルートマネジメントソリューションズの用語集では、OJTリーダーなどが新入社員や中途入社者をどう支援・育成するかを学ぶ研修として説明しています。SMBCコンサルティングも同様に、OJTトレーナー向けの研修を紹介しています。

OJTの共通部分を支える、eラーニング3サービスの役割の違い

OJTの弱点は、教える内容と質が担当者の力量に左右されやすいことです(後述)。そこで、会社のルールや基礎知識のように誰が教えても同じであるべき部分を、教材にして全員に届ける会社もあります。資料請求ができるeラーニング3サービスの役割の違いを、優劣ではなく向いている状況の違いとして、次の表にまとめました。

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向いている会社 OJTや研修など社員教育に悩んでいる企業。内定者・新人教育から管理職育成まで使いたい会社 初心者にも使いやすく、受講者の管理をスムーズに行いたい企業 コンプライアンス研修を全員に受けさせたい中堅・中小企業や上場準備中の企業
特徴 属人化を防いで、いつでも何回でも学べる環境をつくる。自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理ができる 不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能と、実践的な内容のコンテンツを用意。ユーザー管理でカテゴリーやグループを紐づけられる コンプライアンスに特化。ダッシュボードや自動リマインダーで管理工数を抑える。初期費用なし
注意したい点 電話・メール相談や教育プログラム設計などの手厚いサポートは「充実サポートプラン」のみ 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱い 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認する
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OJTを置き換えるものではなく、基礎知識や共通ルールの説明を教材に任せる選択肢です。まず、社員教育全般に悩む会社向けとされるSmart Boardingから見ていきます。

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OJTとOFF-JTの違い

OFF-JT(Off-the-Job Training)は、厚生労働省の用語の説明で、業務命令に基づき通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練とされ、社内の集合訓練や、社外の教育訓練機関への派遣などを含みます。OJTは職場の中、OFF-JTは職場の外で行う、という違いです。

観点OJTOFF-JT
学ぶ場所職場で、実務をしながら通常の仕事を離れた会場やオンライン
教える人上司・先輩社員社内講師・外部講師
向く内容担当業務の手順・コツ・判断の仕方基礎知識・理論・全社共通のルール
弱い点担当者の力量や忙しさで質に差が出やすい学んだ内容を現場でどう使うかイメージしにくいことがある

両者は対立するものではありません。OFF-JTで基本的な知識を入れたうえで、OJTで実務に落とし込むと、知識が効率よく身につくとSMBCコンサルティングは説明しています。

OJT研修の目的とメリット|公的調査で見る実施状況

OJT研修の目的は、新入社員や若手を実務を通じて早期に戦力化し、職場への定着を促すことです。あわせて、教える側の先輩社員の育成や、職場のコミュニケーション活性化も目的に挙げられます。

OJT研修の目的

リクルートマネジメントソリューションズの用語集では、OJTの目的として、新人の定着と戦力化の促進、早期離職の防止、OJTを担う若手から中堅社員やマネジャーの育成、共に学ぶ育成風土の醸成が挙げられています。整理すると、次の4つです。

  • 新入社員の早期戦力化:実際の業務に携わりながら、業務に直結する知識やノウハウを身につけてもらう
  • 不安の解消と定着:相談できる相手を職場につくり、早期離職を防ぐ
  • 指導役の育成:教えるために業務を整理し、指導力やマネジメントの力を伸ばす
  • 育成風土づくり:先輩と新人が共に学び、職場のコミュニケーションを活発にする

立場別に見るOJTのメリット

立場メリット具体的に起きること
新入社員個人に合わせた指導を受けられ、すぐにフィードバックをもらえる配属先の業務や本人の経験に応じて、内容や難易度を調整してもらえる
指導役の先輩教えるために業務を整理し直し、自分の理解が深まるあいまいだった手順や判断基準を言葉にする機会になる
会社外部講師や会場を手配せずに育成でき、職場の会話も増える離れた会場に集める必要がなく、新人に相談相手ができて安心感につながる

公的調査で見るOJTの実施状況

厚生労働省が2026年7月31日に公表した令和7年度「能力開発基本調査」(事業所調査)から、計画的なOJTの実施状況をまとめます。調査での「計画的なOJT」は、先ほど紹介した定義のとおり、計画書などで教育担当者・対象者・期間・内容を具体的に定めて実施するものです。

  • 正社員または正社員以外に計画的なOJTを実施した事業所は64.1%(正社員と正社員以外の両方21.6%、正社員のみ39.0%、正社員以外のみ3.5%)
  • 正社員に実施した事業所は60.6%で、前回の61.1%から0.5ポイント低下
  • 正社員以外に実施した事業所は25.1%で、前回の27.1%から2.0ポイント低下
  • 対象を職層別に見ると、正社員の新入社員は52.3%、中堅社員は38.7%、管理職層は24.9%(調査では、新入社員を入社後3年程度までの者としています)

企業規模別に、正社員に計画的なOJTを実施した事業所の割合を見ると、次のようになります。

従業員規模計画的なOJTを実施した事業所(正社員)
30-49人44.4%
50-99人51.3%
100-299人70.4%
300-999人69.8%
1,000人以上78.4%

30-49人の事業所では44.4%、1,000人以上では78.4%と、おおむね規模が大きいほど計画的な実施の割合が高くなっています。規模の小さい会社ほど、計画書を作らず現場の判断でOJTを進めているケースが相対的に多い可能性があります。出典:厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査 調査結果の概要」(21-23ページ)、報道発表資料。

OJT研修のデメリットと失敗する原因|担当者任せにしない

OJT研修の主なデメリットは、担当者の力量によって育成の質に差が出ることと、指導役の負担が増えることです。OJTは現場で行うため、担当者の知識や教え方、忙しさがそのまま新人の学びに反映されます。また、実務が中心になるため、会社全体の理念や経営方針のような全社的な考え方を学ぶ場としては向いていません。

公的調査に見る人材育成の課題

同じ調査で、能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとした事業所は80.1%でした。問題点の内訳は次のとおりです(複数回答)。

問題点割合
指導する人材が不足している59.5%
人材を育成しても辞めてしまう51.6%
人材育成を行う時間がない45.5%
鍛えがいのある人材が集まらない27.5%
育成を行うための金銭的余裕がない14.3%
人材育成の方法がわからない10.0%

上位3つのうち、「指導する人材が不足している」と「人材育成を行う時間がない」は、まさにOJTの担当者の数と時間に関わる課題です(出典:厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査 調査結果の概要」24ページ)。

OJTが失敗しやすい4つの原因と対策

原因起きること対策
目的や計画がない場当たり的な指導になり、何ができるようになったのか分からない目標と期間を決めた育成計画書を作る
担当者ごとの差教える内容・順番・厳しさが担当者で違い、新人どうしで習熟度に差が出る共通部分を教材やマニュアルにそろえ、担当者向けの研修も行う
進捗と振り返りの放置やってみせるだけで終わり、フィードバックがないまま時間が過ぎる定期的な振り返りの場を、あらかじめ日程に入れる
指導役への負担の集中通常業務との兼務で、教える時間が取れない基礎知識や手順の説明を教材に任せ、担当者は実務の指導に集中する

共通部分をそろえる最初の一歩は、手順を文章にしたマニュアルです。作り方のポイントは、OJTでマニュアル作成が必要な理由と作り方の解説記事でまとめています。

担当者ごとの差を、共通の教材でそろえる

手順書だけでは、読まれたかどうか、理解できたかどうかが分かりません。会社として必ず伝えたい内容を、教材として登録して全員に同じ形で見てもらう方法もあります。そうすれば、担当者は教材では伝えにくい実務のコツや判断の仕方に時間を使えます。

担当者ごとの差を教材でそろえたい場合の一例が、株式会社イー・コミュニケーションズが提供するSAKU-SAKU Testingです。商品ページでは、不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数搭載していること、あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意していること、ユーザー管理機能でカテゴリーやグループを紐づけられることが紹介されています。一方で、事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いです。自社のOJTで教える内容をどこまで教材にできるかは、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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OJT研修の進め方|目標設定から見直しまでの5ステップ

OJT研修は、目標設定、育成計画づくり、4段階での指導、振り返り、見直しの5ステップで進めます。順番に進めることで、担当者の経験に頼らず、誰が担当しても一定の水準で育成しやすくなります。

ステップ1:育成の目標と期間を決める

最初に、新入社員にどんな状態になってほしいのかを決めます。「どの業務を」「いつまでに」「どこまでできるように」するのかを言葉にし、新入社員と担当者の間で共有します。SMBCコンサルティングは、計画を急ぎすぎると本人の力量を超えて業務遂行をあきらめてしまい、少なすぎると物足りない職場だと感じてエンゲージメントが下がりかねないため、やや背伸びした計画にして状況を見て修正する、と説明しています。

ステップ2:育成計画書を作る

目標が決まったら、計画書に落とし込みます。厚生労働省の定義にある「教育担当者・対象者・期間・内容」に、到達目標と確認方法を加えると、計画書として使いやすくなります。

項目書く内容書き方のヒント
対象者誰を育成するか配属部署と入社時期を書く
教育担当者誰が教えるか直属の先輩と、相談役の上司を分けて書く
期間いつからいつまでか長い期間を区切って、区切りごとに目標を置く
内容どの業務を教えるか業務を「基本」と「応用」に分けて順番に並べる
到達目標何ができれば到達とするか「1人で手順どおりに処理できる」など、行動で書く
確認方法どう確認するか実演してもらう、チェックリストで確認するなど

期間に決まりはありません。アチーブメントHRソリューションズは、目指すゴールによって異なり、新入社員が実践レベルに達するには最短で3か月は必要とされるため、3か月以上を目安にするのが望ましい、と説明しています。教える手順は、マニュアルにしておくと担当者が変わっても引き継げます(OJTマニュアルの作り方)。

ステップ3:4段階で教える(Show・Tell・Do・Check)

実務の指導は、次の4段階を繰り返す方法が多くの解説で紹介されています(アチーブメントHRソリューションズ、パーソルグループなど)。

  1. Show(手本を見せる):担当者が実際にやって見せ、業務の全体像と流れを理解してもらう
  2. Tell(説明する):なぜこの作業をするのか、なぜこの手順なのかという目的と背景まで説明し、途中で質問を受ける
  3. Do(やってもらう):新入社員に実際にやってもらい、慣れるまでは放置せずに見守る
  4. Check(評価する):できた点を具体的に伝え、できなかった点は同じミスを防ぐ方法まで一緒に考える

ステップ4:定期的に振り返る

指導の後は、うまくいったことと改善が必要なことを本人にも考えてもらう振り返りの場を設けます。一方的に指摘するのではなく、本人の振り返りを促すほうが、主体的な成長につながるとされています(リクルートマネジメントソリューションズ)。振り返りの日は、後回しにされないよう、計画の段階で日程に入れておきます。

ステップ5:計画を見直す

進み具合は定期的に確認し、必要に応じて計画を修正します。予定より早く進んでいるなら応用の業務を前倒しし、つまずいているなら、その業務の教え方や教材を見直します。担当者一人で抱え込まず、人事や上司も含めて目線をそろえておくと、見直しがスムーズです。

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OJT担当者の選び方と育成|OJT担当者向け研修の内容

OJT担当者には、担当業務に十分な経験があり、新人に分かりやすく説明できる人を選びます。OJTの質は担当者に大きく左右されるため、選び方と育て方が成否を分けます。

OJTに向いている人の特徴

リクルートマネジメントソリューションズは、OJTリーダーに向いている人として、上司よりも年次が近く新入社員が身近に感じられる人、業務について詳しくやり方を教えたりフォローしたりできる人を挙げています。担当する年次としては、業務の全体の流れを俯瞰して説明できるようになる、3-5年目頃の若手から中堅社員が担うことが多いとされています。

  • 業務の全体の流れを理解していて、手順の意味を説明できる
  • 新人との年次が近く、質問や相談をしてもらいやすい
  • 指示だけでなく、やり方を示してフォローまでできる

OJT担当者向け研修で学ぶこと

担当者の力量に差が出ないように、教える側向けの研修を行う会社もあります。SMBCコンサルティングのOJT研修プログラムを例に、学ぶテーマを整理します。

学ぶテーマ内容の例
OJTの意義と目的OJTの意義、目的の明確化、教える側と教えられる側のメリット
OJT担当者の役割会社や上司からの期待、仕事の目的の確認、主体的に取り組む姿勢
育成計画の立て方目標レベルと時期の明確化、新人・後輩のレベルに合わせた計画
伝え方と報告の受け方新人・後輩を動かす伝え方、報告しやすい関係づくり
褒め方・叱り方成長させる褒め方、業務の基礎を習得させる叱り方、タイプに合わせた指導
ケーススタディビジネスマナーが身についていない、同じミスを繰り返すなど、よくある場面での対応

外部の研修を使わない場合でも、アチーブメントHRソリューションズが説明するように、社内でOJTトレーナーとしての基準を設け、研修を行って指導者としての知識やスキルを一定以上にそろえる方法があります。

担当者を孤立させない仕組み

  • 担当者に選んだ理由と期待する役割を、人事や上司から伝える(SMBCコンサルティング)
  • 困ったときの相談体制を用意する(SMBCコンサルティング)
  • 担当者どうしで情報を共有できる場を設ける(パーソルグループ)
  • 育成の成果を評価基準に組み込み、モチベーションにつなげる(リクルートマネジメントソリューションズ)

OJT研修の期間と、小規模な会社での始め方

OJT研修の期間に決まりはなく、目指すゴールによって変わります。アチーブメントHRソリューションズによると、新入社員の育成に1年ほどかける会社もあれば、業種や職種によって5か月とする会社もあります。以前は3か月ほどで完了する会社も多かったものの、新入社員が実践レベルに達するには最短で3か月は必要とされ、3か月以上を目安にするのが望ましいと説明されています。

少人数の会社が最初にやること

先ほど見たとおり、従業員30-49人の事業所では、正社員に計画的なOJTを実施した割合は44.4%にとどまります。専任の教育担当者を置けない会社では、いきなり立派な制度を作るより、次の順で小さく始めるほうが続きます。

  1. 最初の3か月に教える業務を絞り、一覧にする
  2. 一覧を、担当者・期限・確認方法つきのA4用紙1枚程度の計画書にする
  3. 振り返りの日を、最初にカレンダーへ入れる
  4. 誰が教えても同じ内容になる手順やルールは、マニュアルや教材にして共有する

最後の手順は、担当者の負担を減らす効果が大きい部分です。手順の文章化はOJTマニュアル作成の記事、研修全体の選び方や費用の考え方は企業研修の選び方の記事も参考にしてください。

OJTとOFF-JT・eラーニングの組み合わせ方|任せきりにできない教育

OJTは実務の指導に向き、会社共通のルールや基礎知識は、OFF-JTやeラーニングで全員に同じ内容を伝える方法と組み合わせると、担当者の負担と質のばらつきを抑えられます。教える内容ごとに、向いている方法を分けて考えます。

教える内容ごとの使い分け

教える内容向く方法理由
担当業務の手順・コツ・判断の仕方OJT実務を題材に教えられ、その場でフィードバックできる
会社の理念・経営方針などの全社的な考え方OFF-JT(集合研修・eラーニングなど)OJTは実務が中心で、全体像をつかみにくい(リクルートマネジメントソリューションズ)
業務の基礎知識・用語OFF-JTやeラーニングで先に入れ、OJTで使うOFF-JTで基礎を入れ、OJTでアウトプットすると効率よく身につく(SMBCコンサルティング)
法令・情報セキュリティ・ハラスメントなど全員共通のルールeラーニングなどで全員に同じ内容を、受講記録つきで担当者ごとの説明のばらつきや、説明の抜け漏れを防ぎやすい

eラーニングの種類や選び方は、eラーニングシステム(LMS)の比較記事でも整理しています。

安全衛生教育は、担当者任せにしない

労働安全衛生法第59条第1項は、事業者は労働者を雇い入れたときは、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を、厚生労働省令で定めるところにより行わなければならないと定めています。第2項により、労働者の作業内容を変更したときにも準用されます(e-Gov法令検索「労働安全衛生法」)。OJTの中で先輩が教える場合でも、必要な項目を教えられているか、実施した記録が残っているかを、労務担当者や社会保険労務士に確認してください。なお、本記事は法的助言ではなく、一般的な情報提供です。

全員共通のルール教育を、仕組みにする

新入社員に会社のルールや情報の取り扱いを教える場面は、OJTの担当者が口頭で説明しがちな部分です。担当者によって説明が変わったり、忙しさから後回しになったりすると、誰がどこまで学んだのかも分からなくなります。全員に同じ内容を、期限つきで受講してもらい、進み具合を管理者が確認できる形にしておくと、担当者は実務の指導に専念できます。

その一例が、株式会社Oysterが提供するOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンスに特化したeラーニングで、公式サイトでは法務・労務・情報領域の研修コンテンツを提供するとされています。ダッシュボードで各コースの受講進捗をまとめて確認でき、コースの期限前・期限後には自動でリマインダーを送れます。商品ページでは、管理工数を最小化できる点が特徴として挙げられています。一方で、費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認する必要があります。公式サイトのコンテンツには提供準備中のものも含まれるため、必要なコースがいま使えるかは資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. OJT研修で何をするのでしょうか?

A. OJT研修では、上司や先輩が教育担当者となり、実際の業務を通じて新入社員などに仕事を教えます。一般的には、手本を見せる、目的や背景を説明する、やってもらう、できた点と改善点をフィードバックする、という流れを繰り返します。あわせて、目標と期間を決めた育成計画書を作り、定期的に振り返ります。

Q2. OJTに向いている人はどんな人ですか?

A. 担当業務に十分な経験があり、業務の全体の流れを説明できて、新人がやり方を相談しやすい人が向いています。上司よりも年次が近く、新入社員が身近に感じられる人が適するとされ、3-5年目頃の若手から中堅社員が担当する例が多いと紹介されています。

Q3. OJT研修員とは何ですか?

A. 「OJT研修員」は、公的に定義された用語としては確認できていません。使われ方としては、OJTを受ける新入社員や中途入社者(育成対象者)を指す場合と、OJTを担当する先輩社員(OJT担当者・トレーナー・リーダー)を指す場合が混在しているようです。社内で使うときは「育成対象者」「OJT担当者」のように呼び分けると、誤解を防げます。

Q4. OJTを日本語で何といいますか?

A. OJT(On-the-Job Training)は、日本語では「職場内訓練」や「職場内教育」と訳されます。厚生労働省の調査では、日常の業務に就きながら行われる教育訓練として説明されています。

Q5. OJT研修の期間はどれくらいが目安ですか?

A. 期間に決まりはなく、目指すゴールによって変わります。新入社員の場合は、1年ほどかける会社や5か月とする会社などさまざまで、実践レベルに達するには最短で3か月は必要とされるため、3か月以上を目安にするのが望ましいと説明されています。

Q6. OJTとeラーニングは併用できますか?

A. 併用できます。OJTは実務の指導、eラーニングは会社共通のルールや基礎知識を全員に同じ内容で届ける役割に分けて使う会社があります。担当者の負担や質のばらつきが課題の場合は、資料請求で複数のサービスを比べてみてください。

まとめ

OJT研修は、育成方法としての意味と、OJT担当者向けの研修という意味の2つで使われます。担当者の力量や時間に左右されやすい方法だからこそ、計画と仕組みで支えることが重要です。押さえておきたいのは次の5つです。

  1. 「OJT研修」が、育成方法と担当者向け研修の2つの意味で使われることを確認する
  2. OJTは実務の指導、OFF-JTやeラーニングは共通の基礎知識とルール、と役割を分ける
  3. 目標・計画書・振り返りを決め、担当者任せにしない
  4. OJT担当者を、経験・説明力・年次の近さで選び、研修と相談体制で支える
  5. 担当者の負担や教え方のばらつきが大きいなら、eラーニングの資料を請求して比較する

公的調査では、人材育成の問題点として「指導する人材が不足している」が最も多く挙げられていました。担当者を増やせないなら、教える内容と受講の管理を仕組みに移し、担当者が実務の指導に集中できる環境を整えることが、現実的な一歩になります。

参考文献

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