在庫回転率とは?計算式・目安・改善方法を数値例でわかりやすく解説

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  • 在庫回転率の意味と2つの計算式がわかる
  • 回転率3や5が何日分の在庫か換算できる
  • 悪化の原因の切り分けと改善の進め方がわかる

在庫回転率とは、一定期間のうちに在庫が何回入れ替わったかを表す指標で、商品回転率とも呼ばれます。計算式は「期間中の出庫数(金額ベースなら売上原価)÷平均在庫」で、数値が大きいほど在庫が早く売れていることを、小さいほど在庫が滞留していることを示します。ただし、高ければよいという指標ではなく、業種や商材によって適切な水準が違うため、自社の過去の推移や同業の水準と比べて読むことが大切です。この記事では、数量ベースと金額ベースの2つの計算式を数値例つきで示し、回転率を日数に直す早見表、回転率3や5の読み方、数字が悪いときの原因の切り分け、改善の打ち手、そして計算の前提になる在庫データの整え方までを順に解説します。

在庫回転率の集計、どこから整えるべき?2問でセルフチェック

Q1. 在庫回転率は、いまどのくらいの周期で出していますか?

目次

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  1. 在庫回転率とは|意味・別名・数値の読み方
  2. 在庫回転率の計算式|数量ベースと金額ベースの2通り
  3. 在庫回転期間(日数)に直す|回転率3・5・12の読み方
  4. 計算でつまずきやすい5つのポイントとセルフチェック
  5. 在庫回転率の適正値|業種ごとの傾向と、高すぎる・低すぎるときの影響
  6. 在庫回転率を改善する方法|まず出庫と在庫のどちらが動いたかを切り分ける
  7. 在庫管理システムで回転率を見る|導入前に確認する5点
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|在庫回転率を使いこなすための5つのポイント
  10. 参考文献

在庫回転率とは|意味・別名・数値の読み方

在庫回転率とは、一定期間のうちに在庫が何回入れ替わったかを示す指標です。商品回転率や棚卸資産回転率とも呼ばれ、数値が大きいほど在庫が早く売れていることを表します。

在庫の数を見るだけでは、その在庫が動いているかはわかりません。棚卸の結果が前年と同じ金額でも、1年のうちに何度も入れ替わった店と、半分が1年間動かなかった店とでは、資金の使われ方がまったく違います。在庫回転率は、この「動きの速さ」を1つの数字にしたものです。似た指標に、1回転に何日かかるかで表す在庫回転期間があり、詳しくは回転期間の節で説明します。在庫管理そのものの基本は、在庫管理とは?重要性や目的、基本的な仕事内容もあわせてご覧ください。

なぜ在庫回転率を見るのか|在庫にかかる費用

在庫は仕入代金として資金を固定し、そのうえ保管・減耗・金利などの費用がかかり続けます。中小企業基盤整備機構のJ-Net21は、小売店の在庫費用の種類として、仕入代金、保管費用、減耗費用、金利、保険料、運搬費用、返品費用の7つを挙げています。回転が遅いほどこれらの費用が積み上がるため、回転率は「在庫にどれだけ資金と費用を寄せているか」を測る物差しになります。

回転率を出す前提|在庫と出庫の記録が1か所にあること

在庫回転率は、在庫数と出庫数(または売上原価)の2つの記録から計算します。どちらかが帳票ごと・拠点ごとに分かれていたり、記録が遅れていたりすると、計算式は正しくても数字が実態からずれます。月次で回転率を出したいのに、集計だけで数日かかるという会社は少なくありません。

受注・購買・在庫が別々のExcelや帳票に分かれていて、原材料や部品の在庫を案件ごとに持つ個別受注生産の工場で、この状況に当てはまる場合の一例が、株式会社日本コンピュータ開発が提供するFUSEです。FUSEは個別受注生産を行う中小製造業向けのセミオーダー型生産管理システムで、販売管理・購買管理・在庫管理・生産工程管理・生産計画管理・実績管理の6つのパッケージで、受注から原価までを一元管理できます。在庫管理では部品や製品の在庫状況を管理し、入出庫管理と棚卸管理に対応して、欠品や過剰在庫の抑制につながるとされています。一方で、商品の仕入と販売が中心の小売・卸・ECの会社が主な対象ではなく、導入する機能の範囲によって費用や準備内容が変わるため、先に業務を整理して必要な範囲から始めるのが前提です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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在庫回転率の計算式|数量ベースと金額ベースの2通り

在庫回転率の計算式は、期間中の出庫数(金額ベースなら売上原価)を、同じ期間の平均在庫で割る形です。平均在庫は、期首と期末の在庫を足して2で割って求めます。

2つの計算式の違い

項目数量ベース金額ベース
計算式在庫回転率(回)=期間中の総出庫数÷平均在庫数在庫回転率(回)=売上原価÷平均在庫金額
平均在庫の出し方(期首在庫数+期末在庫数)÷2(期首棚卸高+期末棚卸高)÷2
分子に使う数字期間中に出庫した数量の合計売上原価=期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高
向く場面品目別・拠点別の管理、現場での改善会社全体の効率の確認、決算の数字との照合
注意点単位(個・ケース・kg)をそろえる。単価の差は見えない仕入単価の変動や在庫の評価方法の影響を受ける

分子は売上総利益(粗利)ではなく、あくまで売上原価です。粗利を入れると、利益の大きさが回転の速さに混ざってしまいます。

計算例|架空の雑貨店で数量ベースと金額ベースを比べる

次の数値は、計算の流れを説明するための例で、実在の会社のデータではありません。同じ1年間を、数量ベースと金額ベースで計算します。

  • 数量ベース: 期首在庫400個、期末在庫600個、年間の出庫数3,000個。平均在庫数は(400+600)÷2=500個。在庫回転率は3,000÷500=6回です。
  • 金額ベース: 期首棚卸高240万円、当期仕入高1,920万円、期末棚卸高360万円。売上原価は240+1,920-360=1,800万円、平均在庫金額は(240+360)÷2=300万円。在庫回転率は1,800÷300=6回です。

売上高ではなく売上原価で計算する理由

分母の平均在庫金額は仕入れ値(原価)で評価されているので、分子も原価にそろえるのが原則です。売上高を使うと、粗利益の分だけ回転率が大きく出ます。上の例で粗利益率が25%だとすると、売上高は1,800÷(1-0.25)=2,400万円で、2,400÷300=8回となり、実際の6回より速く見えてしまいます。他社や過去の数字と比べるときは、どちらを分子にしているかを必ず確認してください。

在庫の評価方法をそろえる

金額ベースの在庫(棚卸高)は、評価方法によって金額が変わります。法人は棚卸資産の評価方法を選んで税務署に届け出る手続があり、国税庁が手続を案内しています。評価方法を途中で変えると、回転率の変化が「実際に動きが変わったから」なのか「評価の仕方が変わったから」なのか区別できなくなるため、推移を見るときは同じ評価方法の数字で比べます。

在庫回転期間(日数)に直す|回転率3・5・12の読み方

在庫回転期間とは、在庫が1回入れ替わるのにかかる日数のことで、365÷在庫回転率で求められます。回転率が3なら約122日、5なら約73日、12なら約30日です。

回転率と回転期間の早見表

年間の回転率を、1回転にかかる日数と、平均在庫が出庫量の何か月分にあたるかに直した早見表です。365日と12か月で割っただけの計算なので、どの会社でも使えます。

年間の在庫回転率1回転にかかる日数(365÷回転率)平均在庫は出庫量の何か月分か
1回約365日約12か月分
2回約183日約6か月分
3回約122日約4か月分
4回約91日約3か月分
5回約73日約2.4か月分
6回約61日約2か月分
12回約30日約1か月分
24回約15日約半月分
52回約7日約1週間分

在庫回転期間は、金額で求めることもできます。式は「平均在庫金額÷(売上原価÷365)」です。前の例では300万円÷(1,800万円÷365)で約61日となり、回転率6回の約61日と一致します。

「回転率3」「回転率5」とはどういう意味か

回転率3とは、1年で在庫が3回入れ替わったことで、平均して約4か月分の在庫を持っている状態です。回転率5なら約73日、約2.4か月分にあたります。この数字が良いか悪いかは、扱う商材で変わります。購入までの検討期間が長い高額品なら標準的な場合もあり、消費期限のある食品や日用品なら、在庫が滞留しているサインかもしれません。数字だけで決めず、業種ごとの傾向と自社の過去の推移の両方で判断します。

月次で出すときの換算と注意点

決算時の年1回だけでは悪化に気づくのが遅れるため、月次で見るのが基本です。月次で出すときは、月間の出庫数(または売上原価)÷月の平均在庫で、その月の回転率を求めます。12倍すれば年間のおおよその回転率の目安になります。ただし、季節で売れ行きが大きく変わる商材は、繁忙月の数字を12倍すると実態より高く、閑散月は低く出ます。この場合は、前年の同じ月と比べるのが適切です。在庫の動きを多面的に分析する方法は、在庫分析とは?メリットや分析のやり方で整理しています。

回転期間と発注のリードタイムを並べて見る

在庫回転期間は平均の日数なので、発注から納品までのリードタイムと並べると、欠品のしやすさを点検できます。たとえば回転期間が10日なのに、発注から納品まで14日かかる品目は、安全在庫の設定が合っているか確認したほうがよい水準です。J-Net21は、安全在庫を、発注日から納品日までのリードタイムの間に出庫が早まった場合を想定して決めるものと説明しています。

計算でつまずきやすい5つのポイントとセルフチェック

在庫回転率の計算でつまずく原因の多くは、式ではなく、分子と分母に使う数字の定義がずれていることです。実務でつまずきやすい点は次の5つです。

1. 期首か期末のどちらか一方だけで割っている

在庫は期中に増減するので、期末の在庫だけで割ると、期末に仕入れを多くした年は回転率が低く出ます。基本は期首と期末の平均を使い、変動が大きい商材は月末在庫の平均を使うと数字が安定します。

2. 分子と分母の定義がそろっていない

分子に売上高、分母に原価の在庫金額を使うと、粗利益の分だけ高く出ます。数量ベースなら、出庫の単位(個・ケース・kg)と在庫の単位をそろえます。

3. 期間や評価方法が途中で変わっている

決算期の変更や在庫の評価方法の変更があると、前年との比較が成り立ちません。変更があった年は、変更前後の数字を並べず、注記を残します。

4. 商品コードや単位がばらばらで、品目別に集計できない

品目別の回転率は、同じ商品が同じコード・同じ単位で記録されていて初めて出せます。FUSEの導入事例(株式会社丸善)でも、在庫管理について、拠点統合の際の情報集約と、新たに増えた製品のマスタ整備が課題として挙げられています。回転率を出す前に、商品マスタをそろえる作業が必要になることは多いのです。

5. 返品・廃棄・拠点間の移動を出庫に含めている

倉庫から別の倉庫への移動は、売れたわけではないので、会社全体の回転率では出庫に入れません。返品や廃棄を出庫に含めるかも、あらかじめ社内で決めておきます。

セルフチェック|いまの集計のやり方で足りるか

手作業の集計がどの程度の負担になっているかを、5つの項目で確認できます。

在庫回転率を出す作業、いまのやり方で足りていますか?セルフチェック

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在庫回転率の適正値|業種ごとの傾向と、高すぎる・低すぎるときの影響

在庫回転率に、全業種共通の「正解」はありません。適正値は、業種・商材・仕入れの仕組みで大きく変わるので、比べる相手は、同じ業種の水準と、自社の過去の推移です。

業種・商材による傾向

一般に、回転が速くなりやすい業態と、遅くなりやすい業態があります。次の表は傾向を整理したもので、具体的な数値の目安は、調査の年や定義によって変わるため載せていません。

業態・商材回転率の傾向主な理由見るときの注意
生鮮食品・総菜・飲食高くなりやすい消費期限が短く、短い周期で仕入れて売り切る高すぎると欠品が増える。廃棄とのバランスを見る
日用品・消耗品の小売比較的高め購入の頻度が高く、補充も速い特売や販促の時期で変動する
家具・家電・高額品の小売低くなりやすい1点あたりの単価が高く、購入までの検討期間が長い展示品と販売用の在庫を分けて見る
製造業(原材料・仕掛品・製品)低くなりやすい仕入れから製造・出荷までの期間が長い原材料・仕掛品・製品を分けて見る
季節商品時期で大きく変動シーズン中と閑散期で出庫量が違う前年の同じ時期と比べる

同業の水準を調べる方法

同業の水準を公的な統計で確認する場合、入口になるのが、中小企業庁の「中小企業実態基本調査」です。中小企業の決算実績を集計して公表している統計で、結果の概要や統計表が公開されています。ただし、統計の用語や区分は調査ごとに定義があるため、自社の計算式(分子が売上原価か売上高か、在庫に仕掛品を含むか)と定義をそろえて使う必要があります。業界団体の資料や取引先との情報交換も参考になりますが、数字の出し方が違うことが多いので、同じ前提かどうかを先に確認します。

高すぎるとき|欠品と仕入れの手間

回転率が高すぎる状態は、在庫が常に少なく、急に注文が増えたときに応じられない可能性を示します。欠品が続くと販売機会を失います。また、在庫を絞るために仕入れの回数を増やすと、発注・検品・運搬の手間と費用が増えます。J-Net21も、多頻度少量発注は納入業者の納入コストを上げ、仕入代金に跳ね返る恐れがあると説明しています。

低すぎるとき|滞留在庫と不良在庫

回転率が低い状態が続くと、売れ残りが不良在庫になり、保管費用や処分の費用がかかります。J-Net21は、不良在庫の判断基準として、売上高がCランクなのに在庫高がAランクやBランクになっている商品や、売上がないのに在庫がある商品を挙げています。売上と在庫の2つの軸でランクを付ける方法は、ABC分析とは?やり方・活用事例で手順を紹介しています。

在庫回転率を改善する方法|まず出庫と在庫のどちらが動いたかを切り分ける

在庫回転率が下がったときは、対策の前に、分子(出庫・売上原価)と分母(平均在庫)のどちらが動いたかを切り分けます。原因によって、打つ手がまったく違うためです。

下がり方で原因を切り分ける

起きていること疑う原因確認すること打ち手の方向
出庫が減り、在庫は変わらない売れ行きの低下品目別の出庫の推移、価格、販促の有無販促、値下げ、仕入量の抑制
出庫は変わらず、在庫が増えた仕入れ過多、発注量が大きい発注点と発注量、まとめ買いの有無発注方式と発注量の見直し
出庫が減り、在庫が増えた売れないのに仕入れ続けている滞留品、季節外れの商品、旧型品滞留在庫の処分、仕入れの停止
回転率が急に高くなった在庫を減らせた、または欠品が増えた欠品の件数、緊急発注の回数欠品が出ているなら安全在庫を再設定

打ち手1|適正在庫から目標の回転率を決める

目標がないと、改善の成否を判断できません。J-Net21は、年間の平均適正在庫を「年間販売高予想÷年間予定商品回転率」で求めるとしています。たとえば年間販売高予想が2,400万円、予定回転率が8回なら、適正在庫は300万円です。ただし、この式は平均的な目安にすぎず、商品ごとの季節や安全在庫を考慮して決める必要があると、J-Net21も注意しています。J-Net21の式は販売高を使っているため、社内で売上原価ベースで管理している場合は、分子の定義をそろえて使います。

打ち手2|滞留在庫・不良在庫を整理する

回転率を上げる最初の一手は、動かない在庫の整理です。売上がCランクなのに在庫が多い品目から、値下げ・セット販売・仕入れ先への返品・処分を検討します。J-Net21は、粗利が取れなくても、固定化した資金を回収できる、今後の在庫費用を減らせるなどの効果があるとして、早めの処分を検討するよう勧めています。

打ち手3|発注方式と発注量を見直す

J-Net21は、発注方式として、決まった量を不定期に発注する定量発注方式、定まらない量を定期的に発注する定期発注方式、必要なときに必要な量を発注する都度発注方式の3つを紹介しています。定量発注は売れ筋のように出入りの激しい商品向き、定期発注は在庫コストが小さい商品や量のあまり出ない商品向き、都度発注は売れ行きを読みにくい高額商品向きとされています。品目の性格に合わせて方式を使い分けると、持ちすぎも欠品も減らせます。

打ち手4|リードタイムを短くし、需要の見込みを精度よく立てる

発注から納品までのリードタイムが長いと、欠品を恐れて多めに持つことになり、回転率が下がります。仕入れ先と納品の頻度や締め時間を相談する、受注から出荷までの流れの無駄を減らすことで、安全在庫を小さくできます。過去の販売実績を月別・品目別に整理して見込みを立てる作業も、持ちすぎを防ぐ土台になります。

打ち手5|在庫の「見える化」で管理体制を整える

どこに何がどれだけあるかが即座にわからないと、動かない在庫の存在にも気づけません。拠点・棚・ロットごとに在庫を見えるようにする考え方は、在庫の見える化とは?メリットと具体的な方法で解説しています。

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在庫管理システムで回転率を見る|導入前に確認する5点

在庫回転率は在庫と出庫の記録から計算するため、記録が1か所に自動で集まる在庫管理システムを使うと、集計の手間を減らせます。ただしシステムの種類は業態によって異なり、自社の在庫の持ち方に合うものを選ぶ必要があります。

在庫の持ち方で、検討するシステムの型が変わる

在庫の持ち方検討するシステムの型確認したい点
商品を仕入れて売る(小売・卸・EC)販売管理や受注管理と在庫が連動するもの。複数の店舗・販売チャネルの在庫を一元管理できるもの店舗・チャネルをまたいだ在庫の合算、受注から出庫までの連動
倉庫・物流拠点入出庫や棚番(ロケーション)を管理できるもの入出庫の実績、棚卸の方法、ハンディ端末やバーコードへの対応
製造業(原材料・部品・仕掛品・製品)受注・購買・生産計画と在庫がつながる生産管理システム部品表(BOM)の管理、案件や製番ごとの管理、原価の把握

製造業向けのシステムの全体像は、在庫管理システムとは?機能や種類、メリット・デメリットや、製造業向けSaaSの選び方|MES・SCM・QMSの役割分担で整理しています。製造業のデータ活用の進め方は、製造業のDXとは?スマートファクトリーとの関係と3層構造も参考になります。

導入前に確認する5点

  1. 期間を指定して、出庫数(または売上原価)と在庫数を出せるか。回転率の分子と分母になる数字です。
  2. 在庫の評価方法(先入先出法、総平均法など)を、自社の会計の方法に合わせられるか。
  3. 拠点間の移動と、販売による出庫を区別して記録できるか。
  4. 品目コードと単位のマスタを、自社の運用に合わせて整備できるか。
  5. 回転率や回転期間を、画面で見られるか。見られない場合は、データを書き出してExcelで計算できるか。

FUSEを検討するときの考え方

FUSEの商品ページには、在庫回転率を自動で算出する機能の記載は確認できませんでした。必要な場合は、資料や問い合わせで、在庫・出庫のデータをどのような形で取り出せるかを確かめてください。一方で、受注・購買・在庫・生産計画・原価を一元管理でき、案件ごとの原価をリアルタイムで把握できる点は、個別受注生産の工場が回転率の分子と分母をそろえる土台になります。FUSEは導入前に現場の業務フローや課題を整理し、自社に合うかを確認したうえで導入を進める流れで、必要な機能から段階的に導入することもできます。まず資料で、自社の在庫の持ち方に合う範囲かを確認するのが現実的です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 在庫回転率の計算式は?

A. 数量ベースは「期間中の総出庫数÷平均在庫数」、金額ベースは「売上原価÷平均在庫金額」で求めます。平均在庫は、期首と期末の在庫を足して2で割った値です。たとえば年間の出庫数が3,000個、平均在庫数が500個なら、在庫回転率は6回です。

Q2. 在庫回転率は高ければ高いほどよいですか?

A. 一概にはいえません。高いほど在庫が早く売れていることを示す一方、高すぎる場合は在庫を減らしすぎて欠品や販売機会の損失が起きている可能性や、仕入れの頻度が増えて発注・検品・配送の手間が膨らんでいる可能性があります。業種や商材に合った水準を保つことが大切です。

Q3. 在庫回転率3とはどういう意味ですか?

A. 一定期間(通常は1年)に在庫が3回入れ替わったという意味です。365日を3で割ると約122日なので、平均して約4か月分の在庫を持っている状態にあたります。高額で検討期間の長い商材なら標準的な場合もあれば、日用品や食品なら在庫が滞留している可能性もあるため、業種や自社の過去の推移と比べて判断します。

Q4. 在庫回転率5とはどういう意味ですか?

A. 年間に在庫が5回入れ替わったという意味で、1回転にかかる日数は365÷5で73日、平均在庫は約2.4か月分の出庫量にあたります。5という数字だけで良し悪しは決まらないため、同業の水準や自社の前年・前月と比べ、下がっている場合は出庫が減ったのか在庫が増えたのかを切り分けます。

Q5. 在庫回転率の計算には、売上高と売上原価のどちらを使いますか?

A. 金額ベースでは、売上原価を使うのが基本です。平均在庫金額は仕入れ値(原価)で評価されているため、分子も原価にそろえないと単位が合いません。売上高を使うと粗利益の分だけ回転率が大きく出ます。たとえば粗利益率が25%なら、売上原価で6回の在庫が、売上高では8回と計算されます。

Q6. 在庫回転率の目安は?

A. 業種や商材によって大きく異なるため、全業種共通の目安はありません。生鮮食品や飲食は高く、高額品や製造業は低くなりやすい傾向があります。同業の水準(中小企業庁の「中小企業実態基本調査」などの統計)と自社の前年・前月の推移を、分子と分母の定義をそろえて比べて判断します。

まとめ|在庫回転率を使いこなすための5つのポイント

在庫回転率は、在庫が動く速さを1つの数字にした指標です。最後に、押さえておきたいポイントを5つにまとめます。

  1. 在庫回転率は、一定期間に在庫が何回入れ替わったかを示す。数量ベースは総出庫数÷平均在庫数、金額ベースは売上原価÷平均在庫金額で求める。
  2. 分子(売上原価か売上高か)、期間、在庫の評価方法をそろえ、期首と期末の平均で計算する。
  3. 365÷回転率で日数に直すと、回転率3は約122日、5は約73日。仕入れや販売の実感とつなげて読める。
  4. 高い低いだけで判断せず、同業の水準と自社の過去の推移と比べる。下がったときは、出庫が減ったのか在庫が増えたのかを切り分けてから打ち手を決める。
  5. 在庫と出庫の記録が分散して集計が重い場合は、在庫管理システムを検討対象に加え、資料で自社の業務に合う範囲を確認する。

参考文献

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