納品書の保管期間は?法人7年・個人5年と起算日、保存方法を解説
Check!
- 法人は原則7年、個人は5年が目安
- 7年は確定申告の期限翌日から数える
- メール受領の納品書はデータで保存
納品書の保管期間は、法人は原則7年間、個人事業主は原則5年間です。法人の7年は、納品書を受け取った日や発行した日からではなく、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から数えます。ただし、青色繰越欠損金が生じた事業年度は10年、消費税の仕入税額控除に使う請求書等は7年、会社法では会計帳簿と事業に関する重要な資料が10年と、根拠によって年数が分かれます。この記事では、国税庁と法令の原文をもとに、7年と10年の違い、起算日の数え方と計算例、紙・メール・スキャンごとの保存方法、処分のタイミング、保管期間内になくしたときの対応までを順に整理します。内容は2026年10月20日時点の公開情報に基づきます。
納品書の保管、いまの運用に近いのはどれ?
Q1. 納品書は、主にどの形で受け取っていますか?
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
納品書の保管期間は?法人は原則7年、個人事業主は原則5年で、根拠によって年数が変わる
納品書の保管期間は、法人は原則7年間、個人事業主は原則5年間です。欠損金を繰り越す事業年度は10年、消費税の仕入税額控除に使う場合は7年になります。
国税庁は、法人が帳簿書類を保存する期間を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間と案内しています(国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法」)。10年になるのは、青色申告書を提出した事業年度で青色繰越欠損金が生じた事業年度などです。取引に関して作成・受領した書類の例として、注文書、契約書、送り状、領収書、見積書が挙げられており、納品書や請求書も、これらと同じ取引関係の書類として保存する扱いが一般的です。
| 根拠 | 対象 | 保管期間 | 数え始め |
|---|---|---|---|
| 法人税法関係(国税庁 No.5930) | 法人の帳簿書類(取引関係書類を含む) | 原則7年。青色繰越欠損金が生じた事業年度などは10年 | その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日 |
| 所得税法関係(国税庁の記帳・帳簿等保存の案内) | 個人事業主(白色申告・青色申告)の請求書・納品書など | 原則5年(帳簿と決算関係書類は7年) | 作成・受領した日の属する年の翌年3月15日の翌日 |
| 消費税法関係(国税庁 No.6496) | 仕入税額控除を受ける課税事業者の請求書等・帳簿 | 7年(6年目と7年目はどちらか一方でよい) | 請求書等は受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日 |
| 会社法(第432条第2項) | 株式会社の会計帳簿とその事業に関する重要な資料 | 10年 | 会計帳簿の閉鎖の時 |
個人事業主の保存期間は、国税庁の案内で、白色申告者の請求書・納品書・送り状・領収書などの書類が5年、青色申告者も「その他の書類」として請求書・納品書などが5年、帳簿と決算関係書類は7年とされています(No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度、記帳や帳簿等保存・青色申告)。消費税の課税事業者が仕入税額控除を受けるときは、帳簿と請求書等の保存が要件で、保存期間は7年です(No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存)。
7年と10年の違いは、根拠となる法律が違うことから生まれます。税法の7年は、申告した所得や税額が正しいことを確認するための期間で、会社法の10年は、株式会社が会計帳簿とその事業に関する重要な資料を保存する期間です。会社法の条文は「会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない」と定めています(会社法第432条第2項)。納品書がこの重要な資料にあたるかは取引の内容によるため、迷うときは長い10年に社内の基準を合わせるか、税理士に確認すると、年数の取り違えを避けられます。
納品書は、見積書・注文書・請求書・領収書と同じ取引の流れの中で作られ、いずれも同じ保存の対象になります。取引が増えるほど、保管する書類は納品書1枚ではなく、受注から請求までの一式で増えていきます。紙やPDFをファイルごとに保管していると、同じ取引の書類を探すのに時間がかかり、保管期限の管理も取引ごとにばらつきます。見積から受注、納品、請求までの情報を1つのシステムにまとめて管理したい場合の一例が、株式会社オロが提供する「ZAC」です。商品ページによると、知的サービス業やプロジェクト型ビジネス向けのクラウドERPで、案件・プロジェクトの見込・引合管理から顧客管理、受注、売上、請求、債権管理までを一元管理できます。ベンダーの公式ページ(ZAC インボイス制度対応)には、見積書、注文書、納品書、検収書、請求書などの帳票でインボイス制度に対応するとあり、クラウド型のため電子帳簿保存法やインボイス制度などの法改正には自動アップデートで対応するとされています。一方で、詳しい料金やプランは問い合わせが必要で、導入完了までは最短で3か月、平均で半年ほどかかると商品ページに記載があります。物販中心の会社などは、対象業種に合うかも資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)
株式会社オロ
ZAC
株式会社オロ
ZAC
業務を統合し効率化!数ヶ月先の売上・利益を正確に予測したい企業におすすめ
おすすめ!
- 案件・プロジェクトの受注前の引合・見込段階からシステムへの入力が可能
- 自動アップデートで電子帳簿保存法・インボイス対応などの法改正にも対応
- 見積もりの作成から受注、売上までのプロセスをクラウド上でシームレスに管理できる
気になる…
- 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
-
見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。
ZACの導入事例では、共同ピーアール株式会社が、紙帳票の経理側でのデータ入力が不要になったと紹介しています。事例では、経理部門の工数について次のように語られています。
経理部門全員の作業工数が、1人あたり1日1-2時間は削減されています。
ZAC 導入事例(共同ピーアール株式会社) 出典:導入事例ページ
納品書の保管期限はいつまで?起算日の数え方と計算例
納品書の保管期限は、納品書の発行日や受領日ではなく、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から数えます。3月決算の法人が2026年10月に受け取った納品書なら、7年後の期限は2034年5月31日です。
法人の計算例(3月決算)
3月決算の法人が、2026年10月に納品書を受け取った場合を考えます。納品書が属する事業年度は2026年4月から2027年3月で、法人税の確定申告書の提出期限は、決算日から2か月後の2027年5月31日です(申告期限の延長を受けている場合は、延長後の期限をもとに税理士へ確認してください)。この翌日の2027年6月1日が、保管期間のスタートです。
| 項目 | 日付・期間 | 考え方 |
|---|---|---|
| 納品書の受領 | 2026年10月 | 保管期間の起算には使いません |
| 事業年度 | 2026年4月1日から2027年3月31日 | 納品書が属する事業年度 |
| 確定申告書の提出期限 | 2027年5月31日 | 決算日から2か月後 |
| 保管期間の起算日 | 2027年6月1日 | 提出期限の翌日 |
| 保管期限(原則7年) | 2034年5月31日まで | 起算日から7年間 |
| 保管期限(欠損金を繰り越す事業年度は10年) | 2037年5月31日まで | 起算日から10年間 |
納品書の発行日から7年と数えてしまうと、実際の期限より早く廃棄してしまうおそれがあります。期限は事業年度ごとにそろうため、納品書を事業年度ごとにまとめて保管すると、期限が来たときにまとめて廃棄できます。
個人事業主の計算例
個人事業主が2026年10月に納品書を受け取った場合は、2026年分の書類です。確定申告の提出期限は2027年3月15日なので、翌日の2027年3月16日から5年間、2032年3月15日までが目安です。消費税の課税事業者で、仕入税額控除に使う請求書等は、課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間と、数え方が別になります(No.6496)。
自社の保管期間を決める判断フロー
保管期間が複数の根拠で分かれるため、自社がどれに当てはまるかを、上から順に確認します。
| 順番 | 確認すること | 当てはまる場合 |
|---|---|---|
| 1 | 消費税の課税事業者で、納品書を仕入税額控除の根拠にしているか | 7年(国税庁 No.6496) |
| 2 | 法人で、青色繰越欠損金が生じた事業年度があるか | その事業年度の書類は10年(国税庁 No.5930) |
| 3 | 株式会社で、納品書が会計帳簿の裏付けになる重要な資料か | 会社法の10年を基準にするか、税理士に確認 |
| 4 | 上のどれにも当たらない法人 | 原則7年 |
| 5 | 上のどれにも当たらない個人事業主 | 原則5年 |
どの項目にも迷うときは、一番長い期間に社内の基準を統一すると、取引先や書類の種類ごとに年数を判断する手間を減らせます。個別の判断は、税務署または税理士に確認してください。本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。
納品書の保存方法。紙・電子データ・スキャンで変わる3つのルール
納品書の保存方法は、紙で受け取ったか、メールなどの電子データで受け取ったかで変わります。電子データで受け取った納品書は、印刷した紙ではなく、データのまま保存する必要があります。
| 納品書の受け取り方・発行の仕方 | 保存の基本 | 国税庁の案内 |
|---|---|---|
| 紙で受け取った(商品に同梱、郵送) | 紙のまま保存するのが基本。スキャナ保存の要件を満たせば、データ保存に切り替えられる(任意) | スキャナ保存のリーフレット |
| メール添付・クラウド・Webサイトのマイページなど、電子データで受け取った | 電子取引データとしてデータのまま保存する(令和6年1月以降は必須) | 電子取引データの保存方法のリーフレット |
| 自社のパソコンで作成し、紙で取引先へ渡した納品書の控え | 紙の控えを保存するか、データのまま保存する | 帳簿・書類のデータ保存のリーフレット |
電子データで受け取った納品書は、印刷して紙で保管してよいか
国税庁は、申告所得税・法人税に関して帳簿書類を保存する義務がある方が、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければならないと案内しています(電子取引データの保存方法の確認リーフレット)。納品書を紙で受け取る場合は対象ではなく、「受け取ったとき」だけでなく「送ったとき」も保存が必要です。
電子データを印刷して紙で保存する方法は、令和3年度の税制改正で廃止されました。国税庁の一問一答でも、電子取引の取引情報に係る電磁的記録は、出力した書面等を保存する措置が廃止され、そのデータを保存しなければならないとされています(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】)。書面に出力して整理しておくこと自体は差し支えありませんが、データは消さずに保存します。保存するファイル形式は問われず、PDFに変換したものやスクリーンショットでも構いません。
電子取引データの保存に必要な2つの要件
- 改ざん防止の措置:タイムスタンプを付ける、訂正・削除の履歴が残るシステムを使う、改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る、のいずれかなどの方法があります。
- 検索できること:「日付・金額・取引先」で検索できる必要があります。専用のシステムがなくても、表計算ソフトで索引簿を作る方法、またはファイル名に「日付・金額・取引先」を規則的に付けて特定のフォルダに集約する方法で対応できます。
- ディスプレイやプリンタ等を備え付け、保存したデータを画面や書面に整然と明瞭に出力できるようにします。
ファイル名の付け方の例は、「20261015_110000_取引先名.pdf」のように、取引年月日、取引金額、取引先の順に並べる形です。国税庁の一問一答では、基準期間(通常は2年前)の売上高が5,000万円以下の事業者や、電子データを出力した書面を日付・取引先ごとに整理して提示できる事業者は、検索機能の確保の要件が不要とされています(税務職員からのダウンロードの求めに応じられることが前提です。問48、問52)。自社が対象かどうかは、国税庁の一問一答と税理士で確認してください。
紙の納品書をスキャンして保存する(スキャナ保存)
紙で受け取った納品書は、スキャナやスマートフォンで読み取ったデータを保存することで、紙の保存に代えられます。ただしスキャナ保存の対応は任意で、要件を満たさないスキャンだけでは紙を廃棄できません。納品書は、資金や物の流れに直結・連動する「重要書類」に分類され、契約書、請求書、領収書などと同じ扱いです。見積書、注文書、検収書は「一般書類」で、要件が一部緩やかです(はじめませんか、書類のスキャナ保存)。
| 要件 | 重要書類(納品書)の内容 |
|---|---|
| 入力期間 | 書類の作成・受領から速やか(おおむね7営業日以内)にスキャナ保存する、または業務処理サイクル(最長2か月以内)を経過した後、速やかに保存する |
| 読み取りの品質 | 解像度200dpi相当以上、赤・緑・青それぞれ256階調以上(24ビットカラー) |
| 改ざん防止 | 入力期間内のタイムスタンプの付与(入力期間内に保存したことを確認できる場合は代替可)と、訂正・削除の事実を確認できる、または訂正・削除ができないシステムの使用 |
| 帳簿との関連性 | スキャナデータと関連する帳簿の記録事項を、相互に確認できるようにする(重要書類のみ) |
| 検索機能 | 取引年月日その他の日付・取引金額・取引先での検索、日付・金額の範囲指定、2以上の項目の組み合わせ(ダウンロードの求めに応じる場合は一部不要) |
| 機器の備え付け | 14インチ以上のカラーディスプレイ、カラープリンタ、操作説明書、システム概要書などの備え付け |
スキャナ保存を始めるための特別な手続きは原則不要で、任意のタイミングで始められます。始めた日より前に受領した重要書類(過去分重要書類)をスキャナ保存する場合は、事前に税務署への届出書の提出が必要です。要件を満たすには対応ソフトの利用が一般的で、国税庁のホームページに確認方法が掲載されています。
自社で発行した納品書の控え
パソコンで作成した納品書を紙で取引先に渡した場合の控えは、データのまま保存できます(はじめませんか、帳簿・書類のデータ保存)。手書きで作成して紙で渡した控えは、スキャナ保存の対象です。納品書の控えは、請求書を発行する際の照合や、納品内容を確認されたときの証拠にもなるため、受け取った納品書と同じ期間、保管します。納品書の書き方や必須項目は、納品書テンプレートの選び方|記入例・目的別の型とインボイス・電帳法対応で解説しています。
自社の運用を確かめる作業チェッカー
ここまでの内容を、自社の運用に当てはめて確認します。当てはまる項目を選んでください。
納品書の保管、いまの運用は大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
納品書がインボイス(適格請求書)を兼ねるときの保存
納品書でも、適格請求書の記載事項を満たしていれば、適格請求書として扱われます。受け取った側が仕入税額控除を受けるには、7年間の保存が必要です。
国税庁は、取引の相手方から交付を受ける書類として「請求書、納品書等」を挙げており、書類の名称が「請求書」でなくても、記載事項を満たす書類は適格請求書等にあたります(No.6625 適格請求書等の記載事項)。記載事項には、書類作成者の氏名または名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の額の合計と適用税率、税率ごとの消費税額等、書類の交付を受ける事業者の氏名または名称が含まれます。
保存期間は、帳簿はその閉鎖の日、請求書等はその受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間です。6年目と7年目は、帳簿または請求書等のどちらか一方を保存すればよいとされています(No.6496)。納品書と請求書を別々に受け取っている場合は、どちらが適格請求書の記載事項を満たしているかを確認し、満たしている書類を7年間保存します。法人税の保存期間(原則7年)と数え始めが異なるため、納品書が適格請求書を兼ねる場合は、仕入税額控除側の期限も別に管理します。
納品書・請求書・見積書の違いと、一緒に残す書類の保管期間
納品書は、納品した商品やサービスの内容を取引先と確認するための書類です。請求書は代金を請求する書類で、役割が違うため、両方を保管します。
取引の流れでは、見積書、注文書、注文請書、納品書、受領書、請求書、領収書の順に書類が作られることが一般的です。領収書以外は、発行が法律で義務づけられているわけではなく、発行されない取引もあります。受領書の意味や領収書との違いは、受領書とは|領収書との違いや受領書を発行する際の注意点も解説で整理しています。
| 書類 | 役割 | 法人の保存(税法) | スキャナ保存での区分 |
|---|---|---|---|
| 見積書 | 取引条件と金額を示す | 原則7年 | 一般書類 |
| 注文書 | 発注の意思を示す | 原則7年 | 一般書類 |
| 契約書 | 取引条件の合意を残す | 原則7年(契約期間や会社法の10年にも注意) | 重要書類 |
| 納品書 | 納品内容を確認する | 原則7年 | 重要書類 |
| 請求書 | 代金を請求する | 原則7年 | 重要書類 |
| 領収書 | 代金の受領を証明する | 原則7年 | 重要書類 |
国税庁が取引関係書類の例として挙げる注文書、契約書、送り状、領収書、見積書は、いずれも確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存が必要です。納品書と請求書も、これらに準ずる書類として同じ期間で保存するのが一般的です。契約書の保管期間と保管方法は、契約書の保管期間や保管する方法|契約書以外の書類の保管期間も解説で詳しく解説しています。
納品書兼請求書や、受領側・発行側の違い
納品書と請求書を1枚にまとめた「納品書兼請求書」は、1枚で両方の役割を持つため、請求書として保存する期間で管理します。納品書を発行した側は納品書の控えを、受け取った側は受け取った納品書を、それぞれ同じ期間保存します。納品書の控えは、請求額の確認や、取引先から納品内容を問い合わせられたときの根拠にもなります。
納品書はいつ捨てていい?保管期限後の処分と、情報漏えいを防ぐ方法
法令上の保管期間を過ぎた納品書は、処分できます。ただし処分する前に、自社が7年と10年のどちらを基準にしているか、契約や社内規程で別の保存期間が決まっていないかを確認します。
処分する前の確認事項
- 起算日から数えた保管期限を過ぎているか(発行日ではなく、確定申告書の提出期限の翌日から数えた期限)。
- 欠損金の繰越控除や、仕入税額控除の保存期間など、より長い期間が必要な書類に当たらないか。
- 会社法の10年を社内の基準にしている場合、その期間を過ぎているか。
- 取引先との契約や社内規程で、別の保存期間を定めていないか。
紙の納品書の処分方法
納品書には、取引先名、購入内容、金額、担当者名など、取引の内容がわかる情報が含まれます。そのままゴミ箱に捨てるのではなく、シュレッダーで細かく裁断するか、機密文書の溶解処理サービスを利用します。量が多い場合は、年度ごとに箱やファイルを分けて保管しておくと、期限が来たときに仕分けずにまとめて処分できます。電子データの納品書も、保管期間が過ぎたあとに削除する際は、保存先のフォルダやバックアップを含めて確認します。
保管期限の管理表の作り方
保管期限を担当者の記憶に頼らないために、書類のまとまりごとに、起算日と期限を一覧にしておきます。次のような項目があれば、廃棄の判断と記録を同じ表で管理できます。
| 項目 | 記入例 | 目的 |
|---|---|---|
| 書類のまとまり | 2026年度(2026年4月から2027年3月)の納品書(紙) | 事業年度ごとにまとめる |
| 起算日 | 2027年6月1日 | 確定申告書の提出期限の翌日 |
| 保管期限 | 2034年5月31日 | 起算日から7年(欠損金などは10年) |
| 保管場所 | 書庫の棚、ファイルサーバーのフォルダ名 | 探す時間を減らす |
| 廃棄日・方法・担当者 | 期限後に記入 | 廃棄した記録を残す |
保管期間内に納品書を捨てた・なくしたときの対応
保管期間内に納品書を捨てた、またはなくした場合は、発行元に再発行を依頼します。取得できないときは、取引の事実を示す別の書類を整理しておきます。
納品書は、取引の内容や金額を確認する書類として、税務上の保存対象です。消費税の仕入税額控除は、帳簿と請求書等の保存が要件とされているため(No.6496)、納品書が適格請求書を兼ねている場合に紛失すると、仕入税額控除の根拠を示しにくくなります。欠損金の繰越控除を受ける事業年度の帳簿書類は10年の保存が必要で(No.5930)、期間内の廃棄は避けます。
再発行を依頼するときの注意点
- 発行元に連絡し、納品書の再発行を依頼します。再発行に応じるかどうかは取引先の判断になるため、日頃から保管期限を守るのが前提です。
- 再発行された納品書には、「再発行」と明記してもらい、発行日や納品書番号が元の書類と同じかどうかを確認します。元の納品書が見つかったときに、二重に経理処理しないためです。
- 再発行を受けられない場合は、注文書、請求書、入金記録など、同じ取引を示す書類を、取引ごとにまとめて保管します。
ネット通販・クラウドで受け取った納品書データの注意点
アスクルなどの通販サイトのマイページや、クラウドサービス上で受け取った納品書のデータは、サイト側で確認できる期間が限られることがあります。国税庁の一問一答は、領収書等のデータをECサイト上で確認できる方法で保存している場合に、法定の保存期間が満了する前にサイト上で確認できなくなるときは、その前にデータをダウンロードして保存する必要があると案内しています(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】)。納品書のデータも電子取引データなので、同様に、確認できなくなる前にダウンロードして、自社で保存する運用にしておくと安心です。
紙のまま続けるか、システムで管理するか。確認したい5つの点
納品書の管理は、書類の量と、受注から請求までの入力の重複が負担になってきたときが、見直しのタイミングです。紙の納品書をスキャナ保存に切り替えると、読み取った後の紙を廃棄でき、ファイリングの作業や保存スペースが不要になると国税庁も案内しています。一方で、要件を満たすための機器やソフト、運用ルールの整備が必要です。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 対応する帳票 | 納品書、請求書、見積書、注文書など、自社が発行・受領する帳票に対応しているか |
| 電子保存の要件への対応 | 改ざん防止と検索の要件を、どの機能で満たすのか。自社で運用ルールを用意する部分はどこか |
| 受注から請求までのデータ連携 | 見積、受注、納品、請求の情報を同じデータで管理でき、再入力を減らせるか |
| 保管期限の管理と検索 | 取引年月日・金額・取引先で検索でき、事業年度ごとに期限を管理できるか |
| 導入期間と対象業種 | 導入にかかる期間、自社の業種や取引の形に合うか |
ZACの商品ページによると、購買管理では、納品後に検品が完了したら発注管理画面から仕入登録の処理を行い、システムに債務が登録されます。登録した予定日を過ぎても発注・仕入がされない案件には、アラートの表示・通知もあるとされています。販売管理では、見込・引合から顧客管理、受注、売上、請求、債権管理までを一元管理できます。納品書そのものの保存方法や、電子帳簿保存法の要件をどの機能で満たすかは、資料や問い合わせで確認が必要です。導入には最短で3か月、平均で半年ほどかかるとされているため、早めに資料を請求して、対象業種と導入期間を確かめておくと進めやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 納品書は捨ててもいいですか?
A. 法令上の保管期間が過ぎていれば、処分できます。法人は原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年、個人事業主は5年が目安で、欠損金を繰り越す事業年度は10年です。期間内の納品書は、消費税の仕入税額控除や税務調査での説明に使うため、捨てずに保管します。処分の前に、会社法の10年や、契約・社内規程で定めた保存期間もあわせて確認してください。
Q2. 納品書の保管期間は7年と10年のどちらですか?
A. 税法では原則7年で、青色繰越欠損金が生じた事業年度などは10年です。会社法は、会計帳簿とその事業に関する重要な資料を、会計帳簿の閉鎖の時から10年保存すると定めています。納品書が重要な資料にあたるかは取引の内容によるため、迷うときは長い10年に合わせるか、税理士に確認します。
Q3. 7年間保存しなければならない書類は?
A. 法人は、帳簿と、取引に関して作成・受領した書類(注文書、契約書、送り状、領収書、見積書など)、棚卸表・貸借対照表・損益計算書などの決算関係書類を、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存します。納品書や請求書も、これらに準ずる書類として同じ期間で保存するのが一般的です。
Q4. アスクルなど通販サイトの納品書は、何年保管しますか?
A. 事業のために購入した場合は、ほかの納品書と同じ期間(法人は原則7年)保存します。紙で同梱された納品書はそのまま保管し、マイページからPDFで取得するなど電子データで受け取った場合は、データのまま要件に沿って保存します。サイト上で確認できる期間が限られることがあるため、確認できなくなる前にダウンロードしてください。
Q5. メールで受け取った納品書を、印刷して紙で保管してもよいですか?
A. 印刷した紙だけを保存する方法は認められません。令和3年度の税制改正で、電子取引データを出力した書面の保存で代える措置は廃止され、データでの保存が必要です。ファイル形式は問われず、PDFやスクリーンショットでも構いません。書面に出力して整理するのは差し支えありませんが、データは消さずに残します。
Q6. 紙の納品書をスキャンしたら、紙は捨ててよいですか?
A. スキャナ保存の要件(入力期間、200dpi相当以上の解像度とカラーでの読み取り、タイムスタンプなどによる改ざん防止、検索機能など)を満たして保存した場合に、紙を廃棄できます。要件を満たさないスキャンデータだけでは、紙の納品書の保存に代えられません。
まとめ:納品書の保管期間で押さえる6つのこと
- 納品書の保管期間は、法人は原則7年、個人事業主は原則5年です。欠損金を繰り越す事業年度は10年、仕入税額控除は7年で、会社法の10年も確認します。
- 7年は納品書の発行日ではなく、確定申告書の提出期限の翌日から数えます。3月決算で2026年10月に受け取った納品書なら、2034年5月31日までです。
- 紙で受け取った納品書は紙で、メールやWebで受け取った電子データの納品書は、印刷ではなくデータのまま保存します。
- 紙の納品書をスキャンして紙を廃棄するには、スキャナ保存の要件を満たす必要があります。
- 期限を過ぎたら、社内規程・契約・会社法の10年を確認してから、情報漏えいに注意して処分し、廃棄の記録を残します。
- 紙と手入力の管理が重いときは、受発注・販売管理システムの資料を請求し、対応帳票、電子保存の要件への対応、対象業種、導入期間を確認します。
納品書の保管は、年数を覚えるだけでなく、起算日の数え方と、受け取り方ごとの保存方法を押さえることで、期限の取り違えや保存漏れを防げます。個別の判断は、税務署または税理士に確認してください。本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。
見積から受注、納品、請求までの情報をまとめて管理したいときは、ZACの資料で、対応する帳票と対象業種、導入期間を確認できます。
ZACの資料を無料ダウンロード参考文献
- 国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_2.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6496.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm(2026年10月20日確認)
- e-Gov法令検索「会社法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086(2026年10月20日確認)
- 国税庁「電子取引データの保存方法の確認リーフレット(令和6年1月以降用)」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf(2026年10月20日確認)
- 国税庁「はじめませんか、書類のスキャナ保存(令和6年1月以降用)」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_03.pdf(2026年10月20日確認)
- 国税庁「はじめませんか、帳簿・書類のデータ保存(令和6年1月以降用)」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_02.pdf(2026年10月20日確認)
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/index.htm(2026年10月20日確認)
- オロ「ZAC 導入事例(共同ピーアール株式会社)」 https://www.oro.com/zac/casestudy/kyodo-pr.html(2026年10月20日確認)
- オロ「ZAC インボイス制度対応」 https://www.oro.com/zac/function/invoice/(2026年10月20日確認)
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「ZAC」 https://www.onamae.com/business/product/152150/(2026年10月20日確認)
この記事に興味を持った方におすすめ