タイムカードの保管期間は何年?5年と3年の違い・起算日・保管方法
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- 本則は5年、当分の間は3年が保管期間
- 起算日は支払期日が遅ければ支払期日
- 退職金や時効に備え3年超の保管も検討
タイムカードの保管期間は、労働基準法109条で5年と定められています。ただし、同法143条の経過措置により、当分の間は3年とされています。数え始める日(起算日)は、賃金の支払期日が最後の記録の完結の日より遅ければ、その支払期日です。この記事では、保管期間の根拠、起算日の数え方と計算例、出勤簿や賃金台帳など他の書類との違い、3年を超えて保管したほうがよい場面、紙と電子データそれぞれの保管方法、手書きや1分単位の記録の扱いまでを、厚生労働省の資料と条文に沿って整理します。紙のタイムカードの保管や廃棄時期の管理に負担を感じている総務・人事の担当者向けに、勤怠管理システムの選び方にも触れます。
タイムカードの保管、自社の状況から合う勤怠管理システムを探す
Q1. 今のタイムカードは、どのように保管していますか?
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目次
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- タイムカードの保管期間は原則5年・当面は3年|労働基準法109条と143条
- タイムカードの保管期間の起算日|支払期日が遅ければ支払期日から数える
- 勤怠に関わる書類の保管期間の早見表|タイムカード以外はどうなるか
- 保管期間が過ぎたらすぐ捨ててよいか|3年を超えて残すかどうかの考え方
- 紙のタイムカードの保管方法|整理・紛失対策・廃棄の注意点
- 自社の保管体制を点検する|起算日・廃棄時期・保管場所のセルフチェック
- 電子データでタイムカードを保管・記録する場合の考え方
- タイムカードの記録の扱い|勤怠表との違い・1分過ぎの残業代・勤怠管理の義務
- タイムカードの保管・記録を電子化するときの勤怠管理システムの違い|3サービスの役割を比較
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|タイムカードの保管で押さえたい5つのこと
- 参考文献
タイムカードの保管期間は原則5年・当面は3年|労働基準法109条と143条
タイムカードの保管期間は、労働基準法109条で5年と定められていますが、143条の経過措置により、当分の間は3年とされています。
保管期間の本則と、現在の経過措置
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 本則の保管期間 | 5年間 | 労働基準法109条 |
| 現在適用される保管期間 | 3年間(「当分の間」の経過措置。条文に終了時期は書かれていない) | 労働基準法143条1項 |
| タイムカードの位置づけ | 「その他労働関係に関する重要な書類」の例として、出勤簿、タイムカード等の記録が挙げられている | 厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」Q2-1 |
| 賃金請求権の時効 | 本則5年、当分の間は3年(退職手当は5年) | 労働基準法115条・143条3項 |
109条は、労働者名簿、賃金台帳、雇入れ・解雇・災害補償・賃金その他労働関係に関する重要な書類を、使用者が保存しなければならないと定めています。厚生労働省のQ&Aは、このうち「その他労働関係に関する重要な書類」の例として、出勤簿、タイムカード等の記録、労使協定の協定書、始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類(使用者自らが記録したもの、残業命令書とその報告書、労働者が自ら労働時間を記録した報告書)などを挙げています(厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」)。つまり、紙のタイムカードも、勤怠システムの打刻データも、会社が労働時間の記録として使っているものは保管期間の対象です。
3年になっているのは、賃金請求権の時効とそろえた経過措置
2020年4月1日に施行された改正労働基準法で、賃金請求権の時効が2年から5年に延長され、あわせて記録の保存期間も3年から5年に延長されました。ただし、いずれも経過措置として「当分の間」は3年が適用されています。厚生労働省の事業者向けサイトも、労働関係書類の保存期間は経過措置として当分の間3年になっていると説明しています(厚生労働省「スタートアップ労働条件」)。
「当分の間」がいつまでかは、条文に期限が書かれていません。将来、経過措置が終わって本則の5年に戻る可能性があるため、保管ルールを決めるときは、最新の内容を厚生労働省の資料で確認してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
保管期間の管理を、勤怠システムで支える場合の一例
保管期間の管理を紙とファイルで続けていると、月ごと・年ごとの整理や、廃棄してよい時期の確認が担当者の負担になります。勤怠データを電子で持ち、出力や保存をシステムに任せたい場合の一例が、株式会社カオナビが提供する「カオナビ勤怠」です。商品ページでは、月次・日次の勤務データや出勤簿などをCSVまたはPDFで出力でき、データはシステム上で5年間自動保存されると紹介されています。打刻はPC・タブレット端末・スマートフォン・ICカードリーダーに対応し、打刻忘れ・残業時間の超過・休日出勤の未届け・申請の承認待ちはアラートで通知できます。システム上の保存年数が自社の保管ルールや法律上の期間を満たすかどうかは、資料やデモで確認してください。注意点として、カオナビのオプション扱いのため、詳細な費用は問い合わせで確認する形で案内されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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タイムカードの保管期間の起算日|支払期日が遅ければ支払期日から数える
タイムカードの保管期間の起算日は、最後の記録が完結した日が原則ですが、賃金の支払期日がそれより遅い場合は、その支払期日から数えます(労働基準法施行規則56条)。
書類ごとの起算日(労働基準法施行規則56条)
| 書類 | 起算日 |
|---|---|
| 労働者名簿 | 労働者の死亡、退職または解雇の日 |
| 賃金台帳 | 最後の記入をした日 |
| 雇入れ・退職に関する書類 | 労働者の退職または死亡の日 |
| 災害補償に関する書類 | 災害補償を終わった日 |
| 賃金その他労働関係に関する重要な書類(出勤簿・タイムカード等) | その完結の日 |
| 賃金台帳・重要な書類で、賃金の支払期日が上の日より遅い場合 | その支払期日 |
厚生労働省のQ&Aは、賃金計算期間を当月1日から末日、賃金支払期日を翌月10日と定めている会社では、タイムカード等の賃金計算に係る記録の保存期間は、翌月10日から起算して3年の保存が必要になると例示しています(厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」Q2-3)。打刻した月の末日から数えるのではない点が、見落とされやすいところです。
廃棄してよい時期の計算例
次の表は、起算日を支払期日として、3年(現行の経過措置)と5年(本則)の目安を並べたものです。日付は計算のための例で、実際の廃棄は、就業規則や賃金規程の支払日と、期間の数え方を確認して決めます。
| 賃金の締め日と支払日 | 対象 | 起算日 | 3年の目安 | 5年の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 末日締め・翌月10日払い | 2026年10月分(10/1から10/31) | 2026年11月10日 | 2029年11月ごろまで | 2031年11月ごろまで |
| 末日締め・翌月25日払い | 2026年10月分(10/1から10/31) | 2026年11月25日 | 2029年11月ごろまで | 2031年11月ごろまで |
| 15日締め・当月25日払い | 2026年10月15日締めの分(9/16から10/15) | 2026年10月25日 | 2029年10月ごろまで | 2031年10月ごろまで |
日単位まで厳密に数えるより、起算日の属する月の末日までは残しておく、というように社内で「廃棄の基準日」を決めておくと、数え間違いによる早すぎる廃棄を防げます。年に1回、前年の同じ月分をまとめて廃棄する運用にすると、廃棄の抜けや二重の確認も減ります。
退職者のタイムカードも、在職者と同じ期間は保管する
退職者のタイムカードは、退職した時点で保管義務がなくなるわけではありません。賃金台帳や出勤簿・タイムカード等の記録は、上の表のとおり、それぞれの完結の日や支払期日から数えます。労働者名簿だけは、退職・死亡・解雇の日が起算日です。退職した人の分を別の箱にまとめる場合でも、廃棄の時期は月ごとの起算日で判断する必要があります。
退職手当(退職金)の請求権の時効は、143条3項により、当分の間も5年のままです。退職金の支給に関わる書類は、3年で捨てずに5年以上残しておくと、請求があった場合の確認に使えます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
勤怠に関わる書類の保管期間の早見表|タイムカード以外はどうなるか
勤怠に関わる書類の多くは、労働基準法109条の記録として5年(当分の間3年)ですが、労働安全衛生規則に基づく労働時間の状況の記録は、3年と別に定められています。
| 書類・記録 | 保管期間 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| 労働者名簿 | 5年(当分の間3年)。起算日は退職・死亡・解雇の日 | 労働基準法109条・143条、施行規則56条 |
| 賃金台帳 | 5年(当分の間3年)。起算日は最後の記入日。支払期日が遅ければ支払期日 | 労働基準法108条・109条・143条、施行規則54条・56条。労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜の労働時間数などを記入する |
| 出勤簿・タイムカード等の記録 | 5年(当分の間3年) | 厚生労働省Q&A Q2-1。「その他労働関係に関する重要な書類」の例 |
| 残業命令書とその報告書、労働者が自ら労働時間を記録した報告書 | 5年(当分の間3年) | 厚生労働省Q&A Q2-1 |
| 労使協定の協定書 | 5年(当分の間3年) | 厚生労働省Q&A Q2-1 |
| 年次有給休暇管理簿 | 5年(当分の間3年) | 厚生労働省Q&A Q2-2。労働基準法施行規則24条の7に定める記録 |
| 労働時間の状況の記録(面接指導のための把握) | 3年 | 労働安全衛生規則52条の7の3第2項。タイムカードによる記録、パソコンの使用時間の記録等の客観的な方法で把握する |
労働時間の状況の記録は、安全衛生法令側で3年と定められている
労働安全衛生法66条の8の3は、長時間労働者への医師による面接指導を実施するため、事業者に労働者の労働時間の状況を把握することを求めています。労働安全衛生規則52条の7の3は、その方法をタイムカードによる記録、パソコン等の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とし、把握した記録を作成して3年間保存するための措置を講じるよう定めています(e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」)。
同じタイムカードが、労働基準法上の「労働時間の記録」と、安全衛生法令上の「労働時間の状況の記録」の両方の役割を持つことが多いため、保管ルールは長いほうの期間にそろえておくと、書類ごとの扱いの違いで迷いません。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
保管期間が過ぎたらすぐ捨ててよいか|3年を超えて残すかどうかの考え方
法律上の最低ラインは当面3年ですが、退職金の時効が5年であることや、本則が5年であることを踏まえ、3年を超えて残すかどうかは、会社が自社のルールとして判断します。
3年を超えて残しておいたほうがよい場面
- 退職手当の請求権の時効は5年のため、退職金に関わる書類を3年で廃棄すると、請求があったときに確認できなくなる(労働基準法115条・143条3項)
- 厚生労働省は、時効が更新される場合もあるため、実際には3年を過ぎても労働関係書類が必要になることがあると説明している(厚生労働省「スタートアップ労働条件」)
- 労働基準監督官は、事業場に臨検して帳簿や書類の提出を求めることができ、これを拒む、または提出をしないと罰金の対象になる(労働基準法101条・120条4号)
- 「当分の間」の経過措置が終わって本則の5年に戻る場合に備え、5年を基準に保管ルールを組んでおけば、あとで運用を変えずにすむ
保管義務に違反した場合の罰則
109条の保存義務に違反した場合は、労働基準法120条1号により、30万円以下の罰金の対象になります。賃金台帳を調製して労働時間数などを記入する義務(108条)も、同じ120条1号の対象です。厚生労働省のガイドラインも、賃金台帳に労働日数や時間外・休日・深夜の労働時間数を適正に記入しない、または故意に虚偽の時間数を記入した場合は、120条により30万円以下の罰金に処されるとしています(厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。
3年か5年か、社内ルールを決める3つの方法
| 社内ルールの案 | 考え方 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 法律上の最低ラインの3年にそろえる | 保管の手間と場所を最小限にできる | 退職金関係の書類は5年以上残す、時効の更新があり得る、といった例外を別に決めておく |
| 本則の5年にそろえる | 経過措置が終わっても運用を変えずにすむ。退職金の時効とも合う | 紙の場合は保管場所が増える。電子データなら負担は小さい |
| 書類の種類で分ける(タイムカードは5年、退職関係は5年以上など) | 必要な書類だけを長く残せる | 種類ごとの起算日と廃棄日を台帳などで管理する手間がかかる |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
紙のタイムカードの保管方法|整理・紛失対策・廃棄の注意点
紙のタイムカードは、事業場ごとに年月順で整理し、保管場所と廃棄予定日を明記しておくと、臨検や社内の確認で探しやすくなり、誤って廃棄するミスも防げます。
事業場ごと・年月ごとに整理する
賃金台帳は、各事業場ごとに調製することが労働基準法108条で求められています。タイムカードも、賃金の計算と結び付けて確認することが多いため、事業場ごとに分け、さらに賃金計算期間(年月)ごとに箱やファイルを分けておくと、起算日からの廃棄管理もしやすくなります。箱の外側には、含まれる年月と、廃棄してよい時期を書いておきます。従業員ごとにまとめる方法もありますが、監督署の確認や社内の集計は月単位で行うことが多いため、年月ごとの整理のほうが探しやすい場合があります(実務上の一例です)。
紛失・災害・誤廃棄への備え
紙のタイムカードは、火災や水害、移転時の紛失、担当者の交代による誤廃棄のおそれがあり、原本を失うと、労働時間の記録を示せなくなります。保管場所は施錠できる場所にし、保管ルールを文書にして担当者が替わっても引き継げるようにします。月次の締め後に、スキャンして電子データも残す方法もありますが、原本と電子データのどちらを正本とするかは、社内で決めておく必要があります。
廃棄するときの個人情報の扱い
タイムカードには、従業員の氏名と出退勤の時刻が記録されています。廃棄するときは、そのまま一般ごみに出さず、シュレッダーや溶解処理など、内容が読み取れない方法を選びます。廃棄した日と対象の年月を台帳に残しておくと、あとから「いつ、どの分を廃棄したか」を確認できます。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
自社の保管体制を点検する|起算日・廃棄時期・保管場所のセルフチェック
次の5項目のうち、自社に当てはまるものを選んでみてください。2項目以上当てはまる場合は、保管のルールか仕組みを見直す余地があります。
タイムカードの保管、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
電子データでタイムカードを保管・記録する場合の考え方
労働基準法109条の条文は、保存の方法を紙か電子かで限定しておらず、厚生労働省のガイドラインは、始業・終業時刻の確認を、使用者の現認か、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録によることを原則としています。
始業・終業時刻は、現認か客観的な記録で確認する
厚生労働省のガイドラインは、労働日ごとの始業・終業時刻を使用者が確認し記録する方法として、使用者が自ら現認して確認し適正に記録する方法と、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎として確認し適正に記録する方法を挙げています。勤怠システムの打刻データは、後者の客観的な記録にあたります。紙のタイムカードを電子データに切り替える場合は、打刻の記録そのものを保管の対象にするのか、集計後のデータだけを残すのかを、保管ルールで決めておく必要があります。
打刻の方法の決め方は、タイムカードの打刻ルールの必要性|具体例や問題点も解説で、紙のタイムカードと勤怠管理システムの違いは、タイムカードは廃止すべきか?タイムカードと勤怠管理システムの比較で整理しています。
手書きのタイムカードや出勤簿、自己申告制は違法か
ガイドラインは、客観的な記録や現認による確認を原則とし、自己申告制でやむを得ず把握する場合には、次のような措置を求めています。手書きの記録が直ちに違法と判断されるわけではありませんが、客観的な記録がとれるのに自己申告だけに頼る運用は、実態との乖離を指摘されやすくなります。個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。
- 対象の労働者に、実態を正しく記録して適正に申告することを十分に説明する
- 労働時間を管理する者に、適正な運用を含むガイドラインの内容を説明する
- 必要に応じて実態調査を行い、入退場の記録などと比べて著しい乖離があれば、申告時間を補正する
- 申告時間を超えて事業場内にいた理由を報告させる場合は、その報告が適正かを確認する
- 申告できる時間外労働に上限を設けるなど、適正な申告を妨げる措置をとらない
出典は、厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」です。
電子化に使える助成金の案内があった
2020年に公表された厚生労働省のQ&Aでは、賃金関係記録の電子データ化や記録保存に向けて労務管理用ソフトウェアや労務管理用機器を導入する場合は、働き方改革推進支援助成金が活用できるとされていました。助成金は年度ごとに内容や対象が変わるため、現在使えるかどうかは、厚生労働省の助成金の案内ページと、都道府県労働局で確認してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
タイムカードの記録の扱い|勤怠表との違い・1分過ぎの残業代・勤怠管理の義務
タイムカードは出退勤の時刻を記録するもので、勤怠表はそれを月ごとの勤務実績にまとめた表です。どちらも、労働時間を正しく把握し賃金を計算するための記録として、会社が管理する必要があります。
勤怠表・出勤簿・タイムカードの違い
| 名称 | 主な役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| タイムカード | 出勤・退勤の時刻の記録 | 紙のカードに打刻する方式のほか、ICカードや勤怠システムの打刻データを指して使われることもある |
| 出勤簿 | 出勤した日・時刻を日ごとに記録する帳簿 | 厚生労働省Q&Aでは、出勤簿、タイムカード等の記録は、同じ「重要な書類」として扱われている |
| 勤怠表 | 1か月などの期間の出勤日数、労働時間、残業、休暇を一覧にした表 | タイムカードなどの記録を集計して作る。賃金計算や賃金台帳の記入の基礎になる |
これらの呼び名は、法令で細かく区別して定義されているわけではなく、会社によって使い分けが異なります。大切なのは、どの名前で呼んでいても、労働時間の記録として使っているものは、同じ保管期間の対象になるという点です。勤怠表の作り方は、勤怠表とは?勤怠表の目的や勤怠表作成のメリット・デメリットを解説で解説しています。
タイムカードが1分過ぎたら、残業代は発生するか
厚生労働省は、1日の労働時間は1分単位で計算しなければならず、端数を切り上げることは問題ないが、切り捨てることはできないとしています。そのため、終業時刻を1分過ぎても業務を続けていた時間は、労働時間として賃金の支払いの対象になります(厚生労働省「確かめよう労働条件」)。
ただし、割増賃金(25%以上)が付くのは、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた分です。所定労働時間が7時間の会社なら、8時間までは割増のない通常の賃金、8時間を超えた分から割増の対象になります。割増の端数処理は、1か月の時間外等の合計で30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる方法が認められており、1日ごとの切り捨ては認められていません(同ページ)。なお、打刻の時刻がそのまま労働時間になるわけではなく、打刻したあとに私的に残っていた時間などは、使用者の指揮命令下にないものとして労働時間にあたらないことがあります。
勤怠管理は法律上の義務か
「勤怠管理を行うこと」を一言で義務づける1つの条文があるわけではありませんが、複数の規定で、労働時間の把握と記録が使用者に求められています。賃金台帳には労働日数や時間外・休日・深夜の労働時間数を記入する必要があり(労働基準法108条、施行規則54条)、長時間労働者への面接指導のため、労働時間の状況を把握する義務もあります(労働安全衛生法66条の8の3)。勤怠管理の基本は、勤怠とは?意味・勤怠管理の義務・システムの選び方をわかりやすく解説【2026年最新】でも整理しています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の事案の判断は、労働基準監督署・都道府県労働局の総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などに確認してください。
タイムカードの保管・記録を電子化するときの勤怠管理システムの違い|3サービスの役割を比較
紙のタイムカードの保管から電子データの保存へ切り替えるときは、データの保存と出力の仕組み、打刻の方法と集計の自動化、給与計算までのつながりの3点で、サービスの役割が分かれます。ここでは、本文で紹介したカオナビ勤怠に加えて、ジンジャー勤怠とfreee人事労務を、各商品ページで確認した内容(2026/10/20確認)で並べます。優劣や順位ではなく、役割の違いを比べるものです。
タイムカードの記録と保存を支える勤怠管理システム3サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:カオナビ勤怠は、勤務データや出勤簿をCSV・PDFで出力でき、データはシステム上で5年間自動保存されると紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ジンジャー勤怠は、PC・スマートフォン・タブレット・交通系ICカードなど複数の方法で打刻でき、100種以上の集計項目で自動集計できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:freee人事労務は、勤務時間をもとにした給与計算や年末調整の電子申告まで、同じシステムで進められます。
資料を無料ダウンロード| サービス | カオナビ勤怠 |
ジンジャー勤怠 |
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|---|---|---|---|
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| 商品ページの評価 | 評価・口コミは0件(2026/10/20確認) | 4.4(14件。2026/10/20確認) | 4.5(20件。2026/10/20確認) |
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以前は1台のパソコンでしか作業ができず、作業待ちが発生していましたが、クラウド型のジンジャー勤怠を導入したことで、場所を問わず複数人が同時にアクセス・作業できるようになりました。業務効率が大きく向上しました。
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打刻の漏れや修正についての対応漏れが減った(対応率が向上した)また管理職としてメンバーの勤怠管理が容易になった。管理部門側での対応負荷も減ったようで業務時間が減少、効率化が実現できたため導入満足度は高かった
導入事例の要約です。社会福祉法人三重ベタニヤでは、毎月200名以上分のタイムカードを各施設から集めて表計算ソフトに転記・集計し、給与計算システムへ手入力しており、集計だけで2から3営業日かかっていました。ジンジャーの導入後は、打刻データを直接取り込み、給与計算システムへワンクリックで連携できるようになり、入力と確認の工数が大幅に減ったと紹介されています。この事例に保管期間の記述はありませんが、紙のタイムカードの集計を置き換える流れの参考になります(出典:ジンジャーの導入事例ページ)。
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従業員と人事に関する契約書から労務管理が一括して管理ソフトで可能なため、業務の効率がとても上がる。また、チャットサービスがあるため、不備や操作が不明な場合は手軽に問い合わせることができて助かった。
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年末調整のDX化と給与計算の内製化
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時間内と時間外の残業時間が別々に表示され、さらにそれぞれの時給も記載されているところが良いと思います。 ほかのfreeeの機能ともリンクできるので、勤怠であったり毎年恒例の年末調整であったり、情報が共有できます。その点についてとても良いと感じました。
導入事例の要約です。株式会社DNソリューションズでは、勤怠を表計算ソフトで管理し、休暇や残業の申請をメールで行っていたため、承認状況がわかりにくく、月末の勤怠の締め作業に約5営業日かかっていました。freeeの導入後は、勤怠の入力状況を可視化して締め前に修正や連絡ができるようになり、申請・承認のワークフローも見える化され、締め作業は2営業日に短縮されたと紹介されています(出典:freeeの導入事例ページ)。
タイムカードと連動する給与計算ソフトの選び方は、タイムカードと連動できる給与計算ソフトおすすめ2選|選び方も解説も参考になります。
保管期間のルールを決めたうえで、勤怠データの保存や給与計算までのつなぎ方を比べたい場合は、勤怠と給与計算を同じ仕組みで扱えるサービスが選択肢になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. タイムカードの保管期間は何年ですか?
A. 労働基準法109条の本則は5年ですが、143条の経過措置により、当分の間は3年とされています。出勤簿、タイムカード等の記録は、109条の「その他労働関係に関する重要な書類」として厚生労働省のQ&Aに例示されています。経過措置の終了時期は条文に書かれていないため、最新の内容は厚生労働省の資料で確認してください。
Q2. タイムカードの保管期間はいつから数えますか?
A. 最後の記録が完結した日が原則ですが、賃金の支払期日がそれより遅い場合は、支払期日から数えます(労働基準法施行規則56条)。たとえば、賃金計算期間が当月1日から末日、支払期日が翌月10日なら、翌月10日から3年(本則は5年)が保管の目安です。
Q3. 勤怠表とタイムカードの違いは何ですか?
A. タイムカードは出勤・退勤の時刻を記録するもの、勤怠表はそれらを月ごとなどに集計して、出勤日数・労働時間・残業・休暇をまとめた表です。法令で細かく定義されているわけではなく、会社によって呼び方が異なります。労働時間の記録として使っているものは、どの名前でも同じく保管期間の対象です。
Q4. 勤怠管理は法律上義務付けられていますか?
A. 「勤怠管理」と一言で義務づける条文はありませんが、賃金台帳に労働日数や時間外・休日・深夜の労働時間数を記入する義務(労働基準法108条)や、長時間労働者への面接指導のために労働時間の状況を把握する義務(労働安全衛生法66条の8の3)があります。把握した記録は、労働安全衛生規則52条の7の3により3年間保存します。
Q5. 出勤簿を手書きで書くのは違法ですか?
A. 手書きであること自体が直ちに違法と判断されるとは限りません。ただし、厚生労働省のガイドラインは、使用者の現認か、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間などの客観的な記録による確認を原則とし、自己申告制には実態の説明、必要に応じた実態調査、適正な申告を妨げない措置などを求めています。個別の判断は労働基準監督署や社会保険労務士に確認してください。
Q6. タイムカードが1分過ぎたら、残業代は発生しますか?
A. 1日の労働時間は1分単位で計算し、端数の切り捨てはできないとされているため、終業時刻を1分過ぎて業務をしていれば、その時間も賃金の支払い対象です。ただし、割増賃金が付くのは1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた分で、所定労働時間を超えても法定の範囲内なら割増のない通常の賃金になります。
まとめ|タイムカードの保管で押さえたい5つのこと
タイムカードの保管期間は、労働基準法上は5年、当分の間は3年です。次の5つを順に確認すると、保管と廃棄の抜けを防げます。
- タイムカードは「その他労働関係に関する重要な書類」として、5年(当分の間3年)の保管対象であることを確認する
- 起算日は、賃金の支払期日が完結の日より遅ければ支払期日。書類ごとに、廃棄してよい時期を計算して決める
- 退職金関係の書類や時効の更新を考え、3年を超えて残すか、5年にそろえるかを社内ルールにする
- 紙は事業場・年月ごとに整理し、電子は客観的な記録として保存の範囲と期間を決める
- 手作業の保管と廃棄管理に負担があるなら、勤怠管理システムの資料を取り寄せ、データの保存や出力の仕組みを比べて検討する
制度は法改正で変わることがあるため、実際の運用では厚生労働省の最新の資料も確認してください。
参考文献
- e-Gov法令検索「労働基準法」https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- 厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A(令和2年4月1日)」https://www.mhlw.go.jp/content/000617980.pdf
- 厚生労働省「スタートアップ労働条件 賃金台帳等の労働契約関係の書類の保存期間は何年ですか?」https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/syuugyoukisoku/q6.html
- 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(岡山労働局の掲載ページ)https://jsite.mhlw.go.jp/okayama-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/roudoujikangaidorain.html
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 時間外・休日労働と割増賃金」https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya_jikangai.html
- 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
- ジンジャー「社会福祉法人三重ベタニヤの導入事例」https://hcm-jinjer.com/results/131464/
- freee「株式会社DNソリューションズの導入事例」https://www.freee.co.jp/cases/dn-solutions/
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