原価計算アプリの選び方|原価率の計算式・無料と有料の違いを解説

Check!

  • 原価計算アプリはレシピ型と管理型の2種類
  • 原価率は原価を売価で割って求める
  • 無料アプリは少人数の材料原価向き

原価計算アプリとは、材料費や工数などを入力すると、1個あたりの原価・原価率・粗利を自動で計算してくれるアプリのことです。使い方は大きく2つに分かれ、飲食店や菓子の販売で材料原価を出す「レシピ型」と、案件や製品ごとの原価を会社全体で管理する「原価管理型」では、探すべきサービスがまったく違います。検索結果ではスマホで使えるレシピ型のアプリが目立ちますが、複数人で入力する、承認を通す、会計と数字をつなぐといった段階になると、アプリ単体では足りなくなる場面があります。この記事では、原価率の計算式と計算例、無料アプリでできる範囲、AIで原価計算するときの注意、種類別の選び方を、各アプリの公式ページと原価計算基準をもとに整理します。確認日は2026年10月20日です。

いまの原価管理に近いのはどれ?2問で診断

Q1. 原価を出したい対象は、どちらに近いですか?

目次

開く

閉じる

  1. 原価計算アプリとは?レシピ型と原価管理型の2種類
  2. 原価率・原価の計算式と計算例。原価率30%の売価も逆算する
  3. 原価計算アプリでできること。公式ページに載っている機能を整理
  4. 無料の原価計算アプリ・ソフトはある?範囲と限界
  5. AIで原価計算はできる?使えるところと検算の方法
  6. 業態別の選び方。飲食・菓子、製造業、案件型事業で必要な機能が違う
  7. 原価計算アプリ・システムの選び方。比較する4つのポイント
  8. 案件・製品別の原価を管理する場合に確認したいこと。ZACとMA-EYESの違い
  9. 原価の数字を会計・人事労務とつなぐ。マネーフォワード クラウドERP
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ:原価計算アプリ選びで押さえる5つのこと
  12. 参考文献

原価計算アプリとは?レシピ型と原価管理型の2種類

原価計算アプリとは、材料費や工数などを入力して、1個あたりの原価・原価率・粗利を自動で計算するアプリです。用途で見ると、メニューや商品の材料原価を出すレシピ型と、案件や製品ごとの原価を管理する原価管理型の2種類に分かれます。

項目レシピ型原価管理型
主な対象飲食店、カフェ、菓子・パンの販売などシステム開発、広告制作、コンサルなどの案件型事業、製造業
原価の中身材料費・包材費が中心材料費に加え、工数(人件費)・外注費・経費など
入力する人店主や料理長など、少人数現場、営業、経理など複数人
できること1食・1個の原価、原価率、売価の逆算案件別の予実、承認、会計との連携、原価の配賦
公式ページの例Fillet、キッチンコスト、なんでも原価計算、のびしろFoodZAC、MA-EYESなど(後半で紹介)

案件や製品の原価を管理するサービスの一例

レシピ型は、スマホの無料アプリから始められるものが多く、少人数なら十分に使えます。一方で、工数や外注費まで含めた案件別の原価、複数人での入力、会計との連携が必要になると、原価管理型のシステムが選択肢に入ります。次の表は、お名前.comビジネスコンシェルジュに掲載している、原価管理や基幹業務に使えるサービスの役割の違いです。優劣ではなく、向いている会社の違いで並べています。

案件・製品の原価を管理するサービス3つの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:ZACは、案件ごとの個別原価計算と工数管理が商品ページで紹介されています

資料を無料ダウンロード

この状況に合う一例:MA-EYESは、導入形式の選択と、独自の配賦基準による原価計算が商品ページで紹介されています

資料を無料ダウンロード

この状況に合う一例:マネーフォワード クラウドERPは、会計から人事労務までの連携が商品ページで紹介されています

資料を無料ダウンロード
サービス ZAC MA-EYES マネーフォワード クラウドERP
向いている会社 IT・広告・コンサルなど、知的サービス業やプロジェクト型の会社 プロジェクト型の会社、広告業(版により機能が異なる) 会計から人事労務まで、バックオフィスをつなげたい会社
特徴 プロジェクト・案件・売上明細の3階層で管理し、個別原価計算を自動化できる 導入形式を3種類から選べ、独自の配賦基準で原価を計算できる 必要な基幹システムだけを組み合わせて使うクラウド型ERP
注意したい点 導入完了まで最短3か月、平均で半年ほど。料金は問い合わせ 30日無料トライアルは、担当者との打ち合わせが必要 原価計算は商品ページに記載がなく、見積もりは問い合わせが必要
資料・詳細

3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

まとめて資料をダウンロード

表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

案件ごとに「誰が、どの案件に、何時間かかわったか」が原価になる事業では、工数を入力する手間と、原価を集計する手間が別々になりがちです。工数と原価を同じ画面で扱える仕組みを探している場合の一例が、株式会社オロが提供する「ZAC」です。商品ページによると、IT・広告・クリエイティブ・コンサルティングなど、プロジェクト型ビジネスに向けたクラウドERPで、プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理し、個別原価計算を自動化できるとされています。工数管理の機能では、勤怠と工数を一元化して、プロジェクトや作業工程別に作業時間を集計できます。一方で、導入完了までは最短で3か月、平均で半年ほどかかると商品ページに記載があり、料金は機能ごとのライセンスと利用人数で決まります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。物販や飲食の原価管理が目的の会社は、対象業種に合うかも資料で確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)

株式会社オロ

ZAC

ZAC

株式会社オロ

ZAC

業務を統合し効率化!タイムリーな損益管理を実現したい企業におすすめ

全体評価
4 (1件)
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
GOOD

おすすめ!

  • 経費種別ごとに申請項目やワークフローを設定可能
  • 最大6種類の経費精算フローを構築することができる
  • 精算した経費は当実績原価として紐づけられ、原価計算の精度を向上できる
MORE

気になる…

  • 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • 見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

導入事例では、株式会社カヤックが、メンバーをプロジェクトに投入する時間がそのまま原価になる事業で、アサインを細かく管理して原価の見込みを立てていると紹介されています。

売上に対する原価は月次でタイムリーにシステム上でチェックできますので

ZAC 導入事例(株式会社カヤック) 出典:導入事例ページ

ここまでで、原価計算アプリには2種類あること、案件型の事業ではシステムに近い選択肢があることを確認しました。次の章からは、どちらの型でも共通して必要になる原価率の計算式から順に見ていきます。

3サービスの役割を比較表で見る

原価率・原価の計算式と計算例。原価率30%の売価も逆算する

原価率は、原価を売価で割って求めます。原価の合計と売価がわかれば、原価率・粗利・売価の逆算まで、四則演算だけで出せます。アプリはこの計算を、材料の単価や使用量から自動で行っているだけです。仕組みを知っておくと、アプリの数字が合っているかを自分で検算できます。

知りたいもの計算式備考
1食・1個の原価(材料原価)材料の単価 × 使用量 を、使う材料すべてについて足す単価は「仕入れ価格 ÷ 仕入れ量」で出す。包材費も入れるかを先に決める
原価率原価 ÷ 売価 × 100売価は税抜か税込のどちらかにそろえる
粗利(材料費ベース)売価 – 原価人件費・家賃・光熱費は含まれない
粗利率粗利 ÷ 売価 × 1001 – 原価率 と同じ値になる
目標の原価率から売価を逆算原価 ÷ 目標の原価率原価率30%なら、原価 ÷ 0.3

なお、この記事の数値例は、計算の考え方を示すための仮の数字です。実在する店舗や商品の実績ではありません。

計算例1:1食の原価と原価率を出す

ある定食の材料費が、主菜の鶏肉120円、米30円、付け合わせ40円、調味料と油25円で、合計215円だったとします。売価が780円(税抜)なら、原価率は215 ÷ 780 × 100 で約27.6%、粗利(材料費ベース)は780 – 215 で565円です。原価率の目標を決めて売価を見直すときは、この式を逆向きに使います。

計算例2:原価率30%に収めるにはいくらで売ればよいか

1食の原価が300円のとき、目標の原価率ごとの売価は次のとおりです。「原価率30%の計算方法は?」という疑問には、原価を0.3で割る、が答えです。

目標の原価率売価(税抜)粗利(材料費ベース)
25%1,200円900円
30%1,000円700円
35%約857円約557円
40%750円450円

原価率を下げるほど売価は高くなり、売価を抑えるほど粗利は減ります。どの原価率が適切かは、業態やメニューの役割で変わるため、この記事では目安の数字は示しません。自社の固定費まで含めた採算で決めてください。

計算例3:仕込み品の原価と、歩留まりの影響

タレやソースのような仕込み品は、仕込み全体の材料費を出来上がり量で割って、1ミリリットルあたりの単価にします。材料費の合計が1,200円で800ミリリットルできたなら、1ミリリットルは1.5円で、1食に30ミリリットル使えば45円です。レシピ型のアプリは、この仕込み品を1つの材料として登録し、仕込みの材料価格が変わると、それを使うレシピの原価も更新する仕組みを備えています。

肉や魚、野菜のように、皮や骨などの不可食部が出る材料では、購入した量と使える量が違います。1キログラムを800円で購入し、使える部分が800グラム(歩留まり80%)なら、使える部分の単価は800 ÷ 0.8 で1キログラムあたり1,000円です。100グラム使う料理の材料費は、100円と計算します。購入価格のまま80円で計算すると、原価率が実際より低く出ます。

計算例4:案件の原価と粗利を出す(案件型の事業)

システム開発や制作の案件では、材料費のかわりに、社内の工数と外注費が原価になります。外注費が30万円、社内の作業が120時間で、1時間あたりの賃率を3,000円とすると、社内工数の原価は36万円、原価の合計は66万円です。請負金額が90万円なら、粗利は24万円、粗利率は約26.7%(原価率は約73.3%)になります。賃率は、人件費などを作業時間で割って求める社内の基準で、会社ごとに決め方が異なります。

工数の記録が漏れると、この原価は実際より小さく出ます。案件型の事業で原価管理が難しいのは、材料のように単価がはっきりしていないためです。

3サービスの役割を比較表で見る

原価計算アプリでできること。公式ページに載っている機能を整理

原価計算アプリの基本機能は、原価・原価率・粗利の自動計算と、仕入れ価格が変わったときの再計算です。そのうえで、在庫管理、栄養成分の計算、売価の逆算、他システムとの連携などが、製品ごとに加わります。主なアプリの公式ページに書かれている機能を、2026年10月20日時点で整理しました。

機能公式ページに記載のあるアプリの例主に必要になる型
原価・原価率・粗利の自動計算Fillet、キッチンコスト、なんでも原価計算、のびしろFoodレシピ型
仕入れ価格の更新で、使うレシピの原価も再計算キッチンコスト、なんでも原価計算、のびしろFood(使用する全メニューへ一括反映)レシピ型
仕込み品(ソース・生地など)を材料として登録キッチンコスト、なんでも原価計算、のびしろFoodレシピ型
目標の粗利率から販売価格を提案キッチンコストレシピ型
在庫管理・棚卸・発注Fillet(在庫・発注)、のびしろFood(在庫・棚卸)レシピ型(店舗)
栄養成分・アレルゲンの集計Fillet(栄養成分の分析)、のびしろFoodレシピ型(飲食店)
POSやレジとの連携のびしろFood(スマレジとAPI連携。スマレジのアプリマーケットでの契約が必要)レシピ型(店舗)
画像からのレシピ下書き(AI)なんでも原価計算レシピ型
案件別の原価集計・予実管理原価管理型のシステム(ZACのプロジェクト・案件別の損益管理など)原価管理型
申請・承認(ワークフロー)ZAC、MA-EYESなど原価管理型
会計や販売管理との連携原価管理型のシステム全般原価管理型

原価管理アプリを比較しているITトレンドの記事も、案件別の原価集計、予実管理、承認、会計や販売管理との連携を、原価管理アプリでできることとして挙げています(https://it-trend.jp/cost_control/article/110-6495)。レシピ型の機能と原価管理型の機能は重なる部分が少ないため、まず自社がどちらの型を探しているかを決めることが、選び方の最初の分かれ道です。

無料の原価計算アプリ・ソフトはある?範囲と限界

無料で使える原価計算アプリはあります。ただし、無料の範囲はアプリごとに違い、アプリ内課金で機能が増えるものが多いため、使い始める前に公式ページで確認が必要です。確認できた範囲は次のとおりです(2026年10月20日時点)。料金の具体額は、変更されやすいためここには書きません。

サービス公式ページの記載(2026年10月20日確認)
FilletApp Storeの表示では無料。原価と利益率の計算、レシピ開発、在庫管理、材料の発注などの機能が紹介されています
キッチンコストGoogle Playの表示は「アプリ内購入あり」。アカウント登録なしで使え、データは標準で端末内に保存され、クラウド同期を有効にした場合は暗号化されると説明されています
なんでも原価計算App Storeの説明では無料で利用でき、アプリ内課金があります。iPadにも対応しています
なんでも原価計算(公式サイト)基本機能は無料で、iCloud同期やAIの無制限利用などは一部のPremium機能です。登録不要のブラウザ体験版もあります
表計算ソフト(Excel、スプレッドシート)前章の計算式を自分で組めば、追加費用なしで原価率や売価の逆算ができます

無料の範囲で足りるのは、1人から少人数で、材料原価だけを管理する場合です。次のような状況になると、無料アプリや表計算では運用が難しくなります。

  • 複数の担当者が同じ原価データを更新するとき(端末内保存のアプリは、データの共有方法を確認する必要があります)
  • 原価に工数や外注費を入れる、案件別に利益を見るなど、材料費以外の原価が必要になったとき
  • 申請と承認を通して原価を確定したいとき
  • 原価の数字を、会計ソフトや請求のデータと二重入力せずに合わせたいとき

1つでも当てはまるなら、無料アプリを使い続けるより、原価管理型のシステムの資料を取り寄せて、できることを比べる段階です。

AIで原価計算はできる?使えるところと検算の方法

AIは、レシピの下書きづくりや、計算式の組み立てには使えますが、出てきた数字は自分で検算する必要があります。アプリの公式ページでは、なんでも原価計算が画像からレシピの下書きを作る機能を紹介しており、公式サイトではAIの無制限利用が一部のPremium機能とされています。

チャット型のAIに材料と単価を渡して原価を計算させる場合も、次の点で間違いが起きやすいため、確認の手順を決めておくと安全です。

確認すること理由と見方
合計が各行の足し算と合っているか桁や単位の取り違えで、合計がずれることがあります。電卓か表計算で足し直します
単価は自社の仕入れ価格かAIが想定した一般的な価格を使っていないかを見ます。仕入れ価格は自分で入力します
歩留まりを反映しているか購入量のまま計算していないかを見ます(前章の計算例3)
単位がそろっているかグラム、ミリリットル、個数が混ざっていないかを見ます
売価は税抜か税込のどちらか原価率の分子と分母で税の扱いをそろえます

原価は利益を決める数字なので、AIの出力をそのまま価格や発注に使わず、算式を自分で説明できる状態にしてから使うのが安全です。

業態別の選び方。飲食・菓子、製造業、案件型事業で必要な機能が違う

どの型を選ぶかは、原価の中身で決まります。材料費が中心ならレシピ型、工数や外注費まで入るなら原価管理型です。業態ごとに、確認したい点を整理します。

飲食店・カフェ・菓子やパンの販売

レシピ型の領域です。のびしろFoodの公式ページは、飲食店の原価が合わなくなる原因として、仕入れ価格の変動による価格のズレ、盛り付けの個人差による分量のズレ、手計算に時間がかかる手間のズレを挙げています。どれも、材料の単価を更新し、レシピの分量を決めて計算する仕組みがあれば減らせる性質のものです。

注意したいのは、アプリが出す粗利が材料費ベースであることです。なんでも原価計算の公式サイトも、粗利の目安には人件費、家賃、光熱費、廃棄、税金などが含まれないと明記しています。原価率が目標どおりでも、人件費や家賃を引いた利益が残るとは限りません。

製造業

製造業では、原価計算の方法そのものを先に決める必要があります。原価計算基準は、昭和37年11月8日に企業会計審議会が公表した基準で、原価計算の目的として、財務諸表の作成、価格計算、原価管理、予算の編成と予算統制、経営の基本計画の設定を挙げています(ASBJ 会計基準詳細(原価計算基準))。

同じ基準は、原価計算制度として、実際の消費量で計算する実際原価と、能率の尺度となるように消費量を予定して計算する標準原価を区別しています。個別原価計算と総合原価計算の違いは個別原価計算とは|総合原価計算との違いをわかりやすく解説、全部原価計算と直接原価計算の違いは全部原価計算と直接原価計算の違いで解説しています。計算方法が決まっていれば、アプリやシステムに求める機能(配賦、標準原価との差異分析など)も決まります。

システム開発・広告制作・コンサルなどの案件型事業

原価の大半が人の工数なので、案件別に工数を記録する仕組みがなければ、原価は出せません。ZACの商品ページは、工数管理の機能で、案件ごとに作業時間を入力すれば、どのプロジェクトに、誰が、何時間かかわったかがわかり、プロジェクト別の個別原価計算に使えると説明しています。MA-EYESの商品ページも、プロジェクト単位での売上と原価の一元管理を、赤字プロジェクトの防止につながる機能として挙げています。

ZACのロゴ

案件ごとの工数と原価を、同じ画面で集計したい会社に

ZACの資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

原価計算アプリ・システムの選び方。比較する4つのポイント

選び方の軸は、管理する単位、入力のしやすさ、他システムとの連携、サポートと費用の4つです。ITトレンドの原価管理アプリの比較記事も、管理する単位が自社に合うか、現場で入力しやすいか、外部システムと連携できるか、サポート体制と費用が適切かを比較ポイントに挙げています。ここでは、それぞれ何を確認すればよいかを具体的にします。

1. 管理する単位が自社に合うか

メニュー、商品、案件、工程、部門のうち、何ごとに原価を出したいかを決めます。メニューごとならレシピ型で足ります。案件ごと、工程ごとの原価を見たいなら、案件や工程の単位でデータを持てる原価管理型が必要です。いま使っている原価管理表の行が何を表しているかを見ると、自社の単位がわかります。

2. 入力する人が使いやすいか

原価は、入力が続かなければ意味がありません。仕入れ価格を更新するのは誰か、工数を入力するのは誰か、承認するのは誰かを決めておきます。ZACの商品ページは、スマホに最適化した画面で勤務時間の入力と申請ができると説明しています。現場の入力端末がスマホ中心か、パソコン中心かも、製品を選ぶ条件になります。

3. 会計や他のシステムとつながるか

原価のデータを会計ソフトに手で転記していると、月次の締めが遅くなります。連携の方法が、データの自動連携なのか、ファイルの取り込みなのかも確認が必要です。MA-EYESの商品ページは、原価計算の結果を会計システムに連携することで、正確な経営数字の確保に貢献するとしています。

マネーフォワード クラウドERP

原価の数字と、会計・人事労務の数字が別々に管理されていませんか?

こんな会社に向いています

会計から人事労務までを、1つの流れで管理したい会社

請求・経費・勤怠など、部署ごとのシステムを連携させたい会社

マネーフォワード クラウドERPの資料を無料で見る

4. サポート体制と費用が適切か

初期費用、導入支援、利用人数に応じた費用、連携のオプションを含めて、総額で比べます。ZACやMA-EYESの商品ページでは、料金は利用する機能や人数、導入形式によって変わると説明されており、正確な金額は問い合わせで確認する必要があります。導入にかかる期間も製品で違うため、締めの時期や決算期に合わせて、いつから使いたいかを先に決めておきます。

判断フロー:自社はどの型を探すべきか

質問「はい」の場合に向くもの
原価の中身が、ほぼ材料費と包材費かレシピ型のアプリ(無料の範囲で足りるか確認する)
原価に社員の工数や外注費を入れたいか原価管理型のシステム(工数の入力方法を確認する)
案件別、工程別に利益を見たいか原価管理型のシステム(管理する単位を確認する)
原価を複数人で入力し、承認も通したいかワークフローのある原価管理型のシステム
原価の数字を会計とつなぎ、二重入力をなくしたいか会計と連携できるシステム(連携方法を確認する)
3サービスの役割を比較表で見る

案件・製品別の原価を管理する場合に確認したいこと。ZACとMA-EYESの違い

案件や製品の原価管理で確認したいのは、工数の取り込み方、原価の配賦の仕方、導入形式の3点です。ZACとMA-EYESは、どちらも商品ページでプロジェクト単位の損益や原価の管理が紹介されていますが、得意とする場面が違います。

ZACは、案件・プロジェクト・売上明細の3階層で売上と原価を管理し、工数管理や経費管理、購買管理を案件に結びつけて集計する設計です。経費管理の機能では、発生した経費がどの案件で使われたかを結びつけて管理できます。購買管理では、売上項目に対して仕入や外注を結びつけて登録できるため、どの売上に対応する外注費かがわかります。工程管理の機能では、プロジェクトの作業進捗と原価進捗を一元管理できます。機能ごとにライセンスを選べますが、パラメータで対応しきれない場合は上位版のZAC Enterpriseでの対応になると、商品ページに記載があります。

MA-EYESは、株式会社ビーブレイクシステムズが提供するセミオーダー型のクラウドERPで、プロジェクト型企業向けの版と、広告業向けの版があります。導入形式は、SaaS、SaaS+、一括の3種類から選べ、SaaS形式は初期費用が低く導入期間が短いため、小規模での利用に適しているとされています。原価計算では、企業ごとに異なる配賦基準を設定でき、組織とプロジェクトを組み合わせた配賦による原価計算ができると商品ページで説明されています。注意点として、30日間の無料トライアルを使うには担当者との打ち合わせが必要で、気軽なお試しのみの利用はできません。導入形式や運用方法が複数あるため、自社に合う版はベンダーに相談して決める必要があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)

株式会社ビーブレイクシステムズ

MA-EYES

MA-EYES

株式会社ビーブレイクシステムズ

MA-EYES

自由度の高さも◎規模や予算に応じて導入したい方におすすめ

30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
GOOD

おすすめ!

  • 導入形態が「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べてニーズにあわせやすい
  • 「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つのサービス提供
  • 導入後も安心して使える手厚いサポートサービスが魅力
MORE

気になる…

  • 導入形式によって一部使えない機能がある

導入事例では、テックファーム株式会社が、プロジェクト単位でスピーディに収支状況を把握できるようになったと紹介されています。事例は2016年5月時点の情報に基づく記事です。

MA-EYESの導入によりプロジェクト単位でスピーディな収支状況の把握と工事進行基準に対応した売上計上を実現しました。

MA-EYES 導入事例(テックファーム株式会社) 出典:導入事例ページ
MA-EYESのロゴ

導入形式を選びながら、プロジェクトごとの収支を見たい会社に

MA-EYESの資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

原価の数字を会計・人事労務とつなぐ。マネーフォワード クラウドERP

原価計算の数字は、最終的に会計の数字と合っている必要があります。原価を別のツールで出していても、会計ソフトとの間で転記が必要なら、月次の締めが遅れ、転記の誤りも起きます。原価の集計と会計のデータを、同じ流れで管理したい場合に確認する選択肢が、株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウドERP」です。

商品ページによると、会計から人事労務までのバックオフィス全体を連携し、手作業を自動化できるクラウド型ERPです。必要な基幹システムだけを組み合わせて導入でき、銀行や他社システムとも連携でき、電子帳簿保存法やインボイス制度など法制度への対応は、無料で自動アップデートされると説明されています。承認ワークフロー、アクセス権限の管理、ログ管理の機能もあり、内部統制の強化にも使えます。契約から最短1か月での導入も可能とされています。

注意点が2つあります。1つ目に、商品ページの機能説明には、原価計算が主な機能としては挙げられていません。案件別の原価計算を主目的に探している場合は、先に前の章のような、案件・プロジェクト別の原価管理に対応したシステムを確認してください。2つ目に、見積もりや支援プランの確認には問い合わせが必要で、見直す業務フローが多いほど、導入に時間がかかります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウドERP

マネーフォワード クラウドERP

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウドERP

システム連携◎企業の成長にあわせて利用したい方におすすめ

30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
GOOD

おすすめ!

  • 電子マネーやPOSレジはもちろん、勤怠や人事といったさまざまなサービスとの連携が可能
  • AIを搭載しており、「自動入力」「自動仕訳」でらくらく
  • 会計・確定申告・請求書・経費など、自社にあわせたニーズで使える
MORE

気になる…

  • 会計や人事メインであれば使いやすいが、その他の機能をメインで扱いたい場合には連携や他サービスを併用する必要がある

マネーフォワードの導入事例には、原価計算を年次から月次で回せるようになったと紹介されたものがあります。株式会社Brushupの事例は、「マネーフォワード クラウド会計Plus」「マネーフォワード クラウド個別原価」「マネーフォワード クラウドERP」を導入したもので、原価計算を担う製品は別製品(個別原価)です。この点を踏まえて読んでください。

ひと月分の原価計算を3時間ほどで終えられるようになり、年次から月次で原価計算を回す体制へ移行することができました。

マネーフォワード クラウド導入事例(株式会社Brushup) 出典:導入事例ページ

ここまでの内容から、原価を扱うシステムを選ぶ際は、原価計算の機能を持つシステムと、会計や人事労務と連携するシステムを、別々に確認すると整理しやすくなります。3つのサービスの資料は、次のボタンからまとめて請求できます。

案件の原価を管理する2つのサービスと、会計・人事労務を連携するサービスの資料を、入力1回でまとめて請求できます。

3サービスの資料をまとめて無料ダウンロード

よくある質問(FAQ)

Q1. 原価を出す計算式は?

A. 1食・1個の原価は、使う材料ごとに「単価かける使用量」を求め、すべて足して出します。単価は「仕入れ価格を仕入れ量で割った値」です。原価率は「原価を売価で割って100をかけた値」、粗利は「売価から原価を引いた値」で出せます。皮や骨が出る材料は、歩留まりを反映した単価で計算してください。

Q2. 原価率30%の計算方法は?

A. 原価率を30%にしたい場合、売価は「原価を0.3で割った値」で求めます。原価が300円なら、売価は1,000円(税抜)です。すでに売価と原価がわかっているときは、原価を売価で割って100をかけると原価率が出ます。適切な原価率は業態やメニューで違うため、人件費や家賃も含めた採算で決めます。

Q3. 無料の原価計算ソフトはありますか?

A. あります。Filletは、App Storeの表示で無料です。キッチンコストとなんでも原価計算は、基本機能が無料でアプリ内課金があります。表計算ソフトでも計算できます。ただし、複数人での入力、承認、案件別の原価、会計との連携が必要になる場合は、原価管理型のシステムを検討する段階です。2026年10月20日時点の確認で、仕様は変わることがあります。

Q4. AIで原価計算するにはどうすればいいですか?

A. 材料、仕入れ価格、使用量、歩留まり、売価を自分で用意してAIに渡し、計算式と途中の数字を出力させます。出力された合計は、必ず電卓や表計算で足し直してください。一部のアプリには、画像からレシピの下書きを作る機能もありますが、単価や分量は自分で確認します。

Q5. レシピ型アプリと原価管理システムは何が違いますか?

A. レシピ型は、メニューや商品の材料原価と原価率を出すアプリで、少人数向けです。原価管理システムは、工数や外注費を含めた案件・製品別の原価を、複数人の入力、承認、会計との連携とあわせて管理するものです。自社の原価が材料費中心か、工数中心かで選び分けます。

Q6. 表計算から原価計算アプリに移るのは、どんなタイミングですか?

A. 計算式の修正やファイルのコピーが増えて、どれが最新かわからなくなったときが1つの目安です。複数人で同じファイルを更新している、仕入れ価格の変更を全メニューに反映するのに時間がかかる、といった状況も当てはまります。案件別の原価を見たい場合は、工数を入力する仕組みを持つシステムの資料も確認してください。

まとめ:原価計算アプリ選びで押さえる5つのこと

  1. 原価計算アプリは、材料原価を出すレシピ型と、案件や製品の原価を管理する原価管理型の2種類に分かれます。まず、自社の原価の中身が材料費中心か、工数中心かを決めます。
  2. 原価率は「原価を売価で割って100をかけた値」、目標の原価率からの売価は「原価を目標の原価率で割った値」で出せます。歩留まりと税抜・税込の扱いに注意します。
  3. 無料のアプリは、少人数で材料原価だけを管理するなら使えます。複数人の入力、承認、案件別の原価、会計連携が必要になったら、原価管理型のシステムを検討します。
  4. AIの出力は、合計、単価、歩留まり、単位、税の扱いを自分で検算してから使います。
  5. 案件別の原価や会計との連携を見直したい場合は、ZAC、MA-EYES、マネーフォワード クラウドERPの資料を請求して、工数の取り込み方、配賦、導入形式、連携方法を比べます。

原価計算は、アプリに任せても、計算の考え方は自分で説明できる状態にしておくことが大切です。まず自社の原価の中身を確認し、無料の範囲で足りるのか、システムに移る段階なのかを見極めてください。

参考文献

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top