発注書テンプレート無料|Excelの項目表・印紙・取適法の注意点を解説
Check!
- 基本項目に取引ごとの項目を足す
- 外注は取適法などの明示事項を確認
- 印紙は文書の記載内容で決まる
発注書の無料テンプレートは、freee・board・MakeLeaps・マネーフォワード クラウド請求書・弥生などが、Excel形式を中心に配布しています。ダウンロードして取引先名・品名・金額などを入力すれば使えますが、選ぶ前に確かめたいのは、記載項目に過不足がないか、印紙や下請取引の法令に合っているか、の2点です。この記事では、無料の入手先の違い、コピーして使える項目表、Excelの計算式と計算ツール、金額なし・建設・個人事業主向けの選び方、取適法・フリーランス法・印紙・インボイス・保存期間の注意点を順に整理します。内容は2026年10月20日時点の公開情報に基づきます。
発注書の作り方、いまの状況に近いのはどれ?
Q1. 発注する取引の中心は、主にどちらですか?
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発注書の無料テンプレートの入手先。5つの配布元と、選ぶ前に確認する3点
発注書の無料テンプレートは、会計・請求書サービスの運営会社などが、Excel形式を中心に無料で配布しています。次の表は、2026年10月20日に各ページを開いて確認した内容で、優劣ではなく掲載の傾向の違いです。
| 配布元 | 掲載されているテンプレート | ページで確認できた注意点 |
|---|---|---|
| freee | Excel形式の汎用テンプレート。数量と単価を入れると合計が自動で出る | ダウンロードに利用上の注意事項への同意が必要。ページに記載の更新日は2023年5月17日 |
| board | Excel形式。縦型・横型、値引き欄・品番欄・源泉徴収欄つき、英語版を含む40種類 | 登録不要・無料と記載。源泉徴収欄つきは個人事業主向けと説明 |
| MakeLeaps | Excel形式。基本用途・特殊要件・軽減税率と混合・英語の4分類 | 同じページに記載事項・印紙・送り方の書き方ガイドを併載 |
| マネーフォワード クラウド請求書 | 税理士監修のExcel形式。金額なし・工事用・Word形式・英語版も掲載 | Excelで作るときの注意点(税率の扱い・シート保護・印刷)を解説 |
| 弥生(注文書テンプレート) | 注文書のExcel形式を、シンプル・カラー・イラスト入り・個性的なデザインに分けて掲載 | 見た目の選択が中心。書き方や印鑑の解説は別記事へ案内 |
どこから入手しても、確認したい点は3つです。1つ目は、納期・支払条件・備考の欄があるか、2つ目は、消費税や軽減税率の品目を税率別に書けるか、3つ目は、外注や業務委託が多い場合に、後述する取適法やフリーランス法の明示事項を足せる書式か、です。
無料テンプレートで足りるのは、発注の件数が少なく、1件ずつ手で作って台帳に記録できる間です。案件ごとに外注先が複数あり、見積書・発注書・請求書に同じ内容を何度も入力し、納期や支払期日を別の台帳で追うようになると、転記ミスや発注漏れが起きやすくなります。こうした案件単位の発注と原価の管理を、システムで一元化する一例が、株式会社オロの「ZAC」です。商品ページによると、IT・広告・クリエイティブ・コンサルティング業などのプロジェクト型ビジネス向けのクラウドERPで、購買管理の機能では、発注予定の段階から発注・仕入・支払・債務管理までを扱え、売上の項目に仕入や外注を紐づけて登録できます。登録した予定日を過ぎても発注や仕入がされない案件には、アラートの表示と通知が行われます。また、見積から請求まで二重入力の心配がないシングルインプット設計とされ、見積管理にはワークフローが搭載されています。注意点は2つです。商品ページに「発注書」という帳票名の記載はなく、出力する帳票の仕様やデザインは導入時に決める流れであること、導入完了まで最短で3か月、平均で半年ほどかかることです。物品の仕入が中心の会社は、対象の業種が異なる可能性があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)
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発注書に入れる項目一覧。コピーして使える項目表と記入例
発注書には、宛先・発注番号・発行日・発注者・件名・明細・税額・納期・支払条件・備考を基本として入れ、取引の内容に応じて項目を足します。
次の表は、マネーフォワード クラウド請求書、MakeLeaps、プロワンの解説にある記載項目と、後述する取適法・フリーランス法の明示事項を合わせて、1つにまとめたものです。表の範囲を選んでコピーし、ExcelやGoogleスプレッドシートに貼り付ければ、自社の書式の土台にできます。記入例は説明用の架空の例です。
| 項目 | 記入例 | 区分 | 書くときの注意 |
|---|---|---|---|
| タイトル | 発注書 | 基本 | 「注文書」でも使える。外注・業務委託では、書類の名称は問われず、必要な事項が書かれているかで見られる |
| 宛先 | 株式会社サンプル 御中 | 基本 | 会社には「御中」、個人には「様」を付ける |
| 発注番号 | PO-2026-0101 | 基本 | 問い合わせと管理のため番号を振る。見積書・請求書と番号をそろえると追いやすい |
| 発行日(発注日) | 2026年10月20日 | 基本 | 外注・業務委託では「委託をした日」が明示事項になる |
| 発注者 | 会社名・住所・担当者・連絡先 | 基本 | 必要に応じて押印欄を設ける |
| 件名 | Webサイトのリニューアル制作の外注 | 基本 | 略称を避け、何の発注かが一目でわかる言葉にする |
| 明細 | 品名・数量・単価・金額 | 基本 | 種類・サイズ・個数など、できるだけ詳しく書く。作業の発注では仕様や範囲も書く |
| 小計・消費税・合計 | 小計(税抜)・消費税・合計(税込) | 基本 | 合計が発注金額と一致しているかを確かめる。税込か税抜かを明記する |
| 納期・納品場所 | 2026年11月30日・貴社指定の場所 | 基本 | 納期は取引の根幹にかかわるため、書くことが勧められている。外注・業務委託では受領期日と場所が明示事項 |
| 検査の完了期日 | 納品後10営業日以内 | 該当する場合 | 検査をする取引で書く |
| 支払条件 | 月末締め翌月末払い・銀行振込 | 基本 | 支払期日は、外注・業務委託では具体的な日が特定できるように書く |
| 見積番号・有効期限 | 見積書番号 Q-1234 | 該当する場合 | 見積書に基づく発注では、見積書の番号を書く。印紙の判断にも関係する(後述) |
| 税率区分 | 軽減税率の対象品目に印 | 該当する場合 | 軽減税率の品目がある場合は、対象品目と税率ごとの合計を書く |
| 登録番号 | インボイスの登録番号 | 任意 | 発注書はインボイスの交付書類ではないが、請求書との照合のために書く例がある |
| 備考 | 特記事項・納品方法 | 基本 | 特別な取り決めがあれば書く |
項目が多く見えても、すべてを毎回埋める必要はありません。「基本」の欄を埋めたうえで、取引の種類に応じて「該当する場合」を足す、という順に使うと、無駄な欄を抱えずに済みます。
発注書と注文書の違い
MakeLeapsの解説は、物品の注文は「注文書」、作業を伴う取引は「発注書」と呼び分けるのが厳密な使い分けだが、実務では区別せずに使われることも多いとしています。プロワンの解説は、発注書と注文書に法律上の違いはなく、どちらを使っても法的に問題ないとしています。呼び方より、記載すべき項目が書かれているかが大切です。詳しい違いは、発注書と注文書の違いとは|発行の流れや作成方法で、書類全体の位置づけは発注書とは?書き方や発行の流れ、管理する際の注意点も解説で整理しています。
金額が決まっていないとき(金額なし)の書き方
「金額なし」の発注書テンプレートは、マネーフォワード クラウド請求書のページに掲載されています。ただし、金額欄を空にした発注書は、あとで金額をめぐるトラブルになりやすい形です。公正取引委員会のフリーランス法のパンフレットは、具体的な報酬額を書くことが難しい場合は、算定方法による記載でも可能としています。たとえば「基本料金に、作業時間に応じた時間単価を掛けて算出する」といった形で、金額が決まる条件を書いておきます。取適法の対象取引では、代金の額が明示事項に入っているため、金額なしの書式を使う前に、公正取引委員会の解説で扱いを確認してください。
Excelで発注書を作る手順と計算式。崩れない作り方
Excelの発注書は、明細の金額を数量と単価の掛け算で出し、税率ごとの小計から消費税を計算し、A4用紙1枚に収まるように作ります。
- 項目表をシートに貼り付け、明細行を10行ほど用意する。
- 消費税率は、数式に直接書かず、別のセルに入力する。税率が変わっても、そのセルだけを直せばよい。
- 明細の金額に、数量と単価を掛ける式を入れる。
- 税率ごとに小計を出し、その小計に税率を掛けて消費税を出す。
- 小計と消費税を足して、合計を出す。
- 印刷範囲をA4用紙1枚に設定し、文字数に余裕を持たせる。
- 数式の入ったセルを保護し、入力するセルだけを編集できるようにする。
- 取引先へ送るときはPDFに変換する。
マネーフォワード クラウド請求書の解説は、消費税率のように変動しうる値を数式に直接埋め込まないこと、使う人が数式を書き換えないように入力するセル以外を保護すること、A4用紙1枚に収まるように作ることを挙げています。手順2・6・7は、この解説に沿ったものです。計算式の一例を次の表に示します。セルの位置は、明細が12行目から21行目、数量がD列、単価がE列、金額がF列、税率がG列、税率の入力欄がI23(10%)とI24(8%)にある場合の例です。
| 計算するもの | セル | 式の例 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 明細の金額 | F12 | =IF(D12=””,””,D12*E12) | 数量が空のとき、金額も空にする。13行目から下へコピーする |
| 10%対象の小計 | F23 | =SUMIF($G$12:$G$21,I23,$F$12:$F$21) | 税率が10%の行の金額だけを足す |
| 8%対象の小計 | F24 | =SUMIF($G$12:$G$21,I24,$F$12:$F$21) | 税率が8%の行の金額だけを足す |
| 消費税(10%) | F25 | =ROUNDDOWN(F23*I23,0) | 税率ごとの小計に税率を掛け、円未満を切り捨てる |
| 消費税(8%) | F26 | =ROUNDDOWN(F24*I24,0) | 同じく、8%の小計から計算する |
| 合計 | F27 | =F23+F24+F25+F26 | 小計2つと消費税2つを足す |
端数の処理(切り捨て・四捨五入・切り上げ)は、取引先との取り決めや請求書側の処理と合わせます。式の端数処理が相手の請求書と食い違うと、金額が数円ずれて、確認の手間が増えます。次の計算ツールは、上の表と同じく、税率ごとの小計に税率を掛けて、円未満を切り捨てる設定です。数量と単価を入れて、合計の出し方を確かめてください。
発注書の金額・消費税 計算ツール
数量・単価・税率を入れると、小計・消費税・合計を表示します(入力した値は送信されません。初期値は説明用の例です)
Excelの発注書でミスが出やすい箇所
Excelは使い慣れていて、保管と修正がしやすい一方で、ミスが出やすい箇所も決まっています。プロワンの解説は、過去のファイルを流用したときに前回の取引先名が残ること、行を挿入したときに関数の参照がずれることを挙げています。マネーフォワード クラウド請求書の解説は、自動計算に頼ると誤りを見落としやすいため、金額や税額は手入力でも確認することを勧めています。次の3つを、発注書を出す前の習慣にすると防ぎやすくなります。
- 新しい発注書は、前回のファイルを上書きせず、ひな形のコピーから作る。
- 行を足したあとは、合計の範囲が増えた行を含んでいるかを確かめる。
- 送る前に、電卓か別の表で、合計だけを検算する。
このように、ひな形の管理・式の確認・検算を人が毎回行うのが、Excelで発注書を作るときの負担です。見積書の内容を発注書へ写し、さらに請求書の確認でも見直すなら、同じ入力が3回になります。
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見積書・発注書・請求書に、同じ内容を何度も入力していませんか?
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案件ごとに外注先が複数あり、売上と外注費を結びつけて見たい会社
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場面別のテンプレートの選び方。建設・個人事業主・英語・軽減税率・Word
テンプレートは、取引の種類に合わせて選びます。外注や工事なら納期・検査・支払の欄、個人事業主への発注なら源泉徴収欄、軽減税率の品目があるなら税率別の合計欄を確認します。
| 場面 | 確認したい欄 | 掲載のある配布元の例 |
|---|---|---|
| 物品の仕入・備品の購入 | 品名・数量・単価・納期・納品場所 | 各社の汎用テンプレート(freee・board・マネーフォワード クラウド請求書) |
| 外注・業務委託(制作・開発・運営など) | 業務の内容と仕様・納期・検査・報酬・支払期日。次の章の明示事項を足す | 汎用テンプレートに、項目表の「該当する場合」の欄を足して使う |
| 建設・工事 | 工事名・工期・契約金額・支払条件 | マネーフォワード クラウド請求書(工事用)、プロワン(建設・工事) |
| 個人事業主・フリーランスへの発注 | 源泉徴収欄。源泉徴収の要否は報酬の種類で変わるため、税務署または税理士に確認する | board(源泉徴収欄つき) |
| 軽減税率の品目がある | 軽減税率の品目の明示と、税率別の合計 | MakeLeaps(軽減税率・混合の分類) |
| 海外の取引先へ出す | 英語の項目名、通貨、納期の表記 | board・MakeLeaps・マネーフォワード クラウド請求書(英語版) |
| Wordで作りたい | レイアウトの崩れと書き換えを防ぐため、送るときはPDFにする | マネーフォワード クラウド請求書(Word形式) |
建設・工事の発注では、工事の発注書に対して請負者が出す「注文請書」が、印紙税の課税文書になる場合があります。請負契約の成立を証明する注文請書は、印紙税の課税文書(請負に関する契約書)になる場合があり、国税庁の質疑応答事例でも、工事注文請書が請負に関する契約書にあたるかが取り上げられています。注文請書の書き方と印紙の考え方は、注文請書とは?書き方・注文書との違い・印紙の要否と発行後の管理まで解説で整理しています。
契約の細かい条件まで書面にして残したい場合は、発注書だけでなく、覚書などで補う方法もあります。書き方と印紙の考え方は、覚書テンプレート無料|書き方・収入印紙・電子化対応を解説【2026年最新】を参考にしてください。
見積書から発注書、注文請書、請求書までの流れと送り方
発注書は、見積書の内容を確認した発注者が出す書類で、受注者が請書で承諾を示し、納品後に請求書で代金を請求するのが一般的な流れです。
| 書類 | 出す人 | 役割 |
|---|---|---|
| 見積書 | 受注者(売る側) | 金額と条件の提示。マネーフォワード クラウド請求書の解説は、見積書は拘束力のない提示としている |
| 発注書 | 発注者(買う側) | 見積の内容を確認して、正式な発注を伝える書類。同じ解説は、契約の申込みにあたるとしている |
| 注文請書(請書) | 受注者 | 発注を引き受けたこと(承諾)を示す。マネーフォワード クラウド請求書の解説は、発注書を受けて受注書が出されると契約が成立するとしている |
| 請求書 | 受注者 | 納品後に代金を請求する。インボイスの記載事項を満たす書類は、売り手が買い手に交付する |
取引先によっては、書式を指定されることもあります。MakeLeapsの解説は、指定された書式に従うのは問題ないが、見積書と形式が違うと記載ミスが起きやすいため、表記をできるだけそろえるよう勧めています。見積書と発注書の内容に食い違いが出たときは、見積書を作り直すのが無難とも説明しています。請求書や領収書も同じ書式の考え方で作れます。領収書の書式は、インボイス対応の領収書テンプレートの選び方と書き方【2026年最新・無料】で確認できます。
発注書の送り方
MakeLeapsの解説によると、発注書の基本は印刷して郵送か手渡しで、急ぎの場合や取引先の承諾があればメールでも送れます。メールで送るときは、ExcelやWordだとレイアウトが崩れたり改ざんされたりするおそれがあるため、PDFにするのが基本とされています。件名は案件がひと目でわかるようにし、宛先は送る前に確認します。郵送では、送付状を同封し、封筒の左下に「発注書在中」と書くのが一般的です。外注・業務委託では、書面だけでなく電子メールやチャットなどの電磁的方法でも明示できます(次の章で整理します)。
発注管理台帳の列
発注書を出したあとは、納期の確認と請求書の受け取り、支払までを追う必要があります。Excelで発注管理の台帳を作るなら、次の列を持たせると、発注から支払までの抜けを見つけやすくなります。
| 列 | 入れる内容 | 使い方 |
|---|---|---|
| 発注番号 | 発注書と同じ番号 | 見積書・請求書とも同じ番号にそろえる |
| 発注日・件名・取引先 | 発注書の内容 | 取引先ごとに並べ替えられるようにする |
| 発注金額(税込) | 発注書の合計 | 請求書の金額と突き合わせる |
| 納期・納品確認日 | 納期と、実際に確認した日 | 納期を過ぎた行に色を付ける |
| 請求書の受領日 | 請求書を受け取った日 | 請求書の金額と、発注金額が一致するかを確認する |
| 支払期日・支払日 | 支払条件で決めた日と、実際に払った日 | 支払期日が近い行を抽出する |
| 発注書の保存先 | ファイル名またはフォルダ | 日付・金額・取引先で探せる名前にする |
ここまでの内容を、自社の状況に当てはめて確認します。当てはまる項目を選んでください。
発注書の作り方、いまのやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
外注・業務委託の発注書に必要な明示事項。取適法とフリーランス法
外注や業務委託では、発注書が、法律で求められる取引条件の明示を兼ねる場合があります。取適法とフリーランス法の対象取引では、取引条件を直ちに、書面または電磁的方法で明示します。
本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。自社の取引が対象になるかは、公正取引委員会の資料や専門家に確認してください。
取適法(旧・下請法)の発注時の明示
公正取引委員会のページによると、下請法は令和8年1月1日から「取適法」(中小受託取引適正化法)に変わりました(公正取引委員会 取適法特設ページ)。対象の取引は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託・特定運送委託の5つの類型です。資本金の基準に該当しなくても、従業員数の基準に該当すれば適用対象になり、製造委託等は300人、役務提供委託等は100人が基準として示されています。
発注時の明示は、公正取引委員会の「委託事業者の義務」のページで、書面または電磁的方法により、直ちに行う義務として整理されています(公正取引委員会 委託事業者の義務)。同じページが示す記載事項を、発注書の欄に置き換えると、次のようになります。
| 明示事項 | 発注書に入れる欄の例 | 区分 |
|---|---|---|
| 委託事業者と中小受託事業者の名称(番号・記号等でも可) | 宛先・発注者 | 必ず |
| 委託をした日 | 発行日(発注日) | 必ず |
| 給付の内容(役務は、提供される役務の内容) | 件名・明細 | 必ず |
| 給付を受領する期日(役務は、提供を受ける期日または期間) | 納期 | 必ず |
| 給付を受領する場所(役務は、提供を受ける場所) | 納品場所 | 必ず |
| 検査を行う場合は、検査を完了する期日 | 検査の完了期日 | 検査をする場合 |
| 代金の額 | 小計・消費税・合計 | 必ず |
| 代金の支払期日 | 支払条件 | 必ず |
| 一括決済方式の場合の金融機関名・額・期間・決済日 | 備考 | 一括決済を使う場合 |
| 電子記録債権の場合の額・支払を受けられる期間の始期・満期日 | 備考 | 電子記録債権を使う場合 |
| 原材料等を有償支給する場合の品名・数量・対価・引渡し期日・決済期日・決済方法 | 備考 | 有償支給をする場合 |
フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の取引条件の明示
フリーランス・事業者間取引適正化等法は令和6年11月1日に施行されました。公正取引委員会のパンフレットによると、フリーランスに業務委託をしたときは、直ちに、次の事項を書面または電磁的方法で明示する必要があります(第3条。公正取引委員会 パンフレット)。
- 業務委託事業者と特定受託事業者の名称
- 業務委託をした日
- 給付の内容(フリーランスにお願いする業務の内容)
- 給付を受領または役務の提供を受ける期日
- 給付を受領または役務の提供を受ける場所
- 検査をする場合は、検査を完了する期日
- 報酬の額と支払期日(具体的な報酬額を書くことが難しい場合は、算定方法でも可。支払期日は具体的な支払日を特定する)
- 金銭以外の方法で報酬を支払う場合は、支払方法に関すること
同じパンフレットによると、明示の方法は書面か電磁的方法のどちらかを発注事業者が選べます。電磁的方法は、電子メール・SNSのメッセージ・チャットツールなどで、電話などの口頭で伝えることは認められません。書類の名称は、発注書でも契約書でも構いません。電磁的方法で明示した場合でも、フリーランスから書面の交付を求められたときは、遅滞なく書面を交付しなければなりません(フリーランスの保護に支障がない場合を除く)。
テンプレートに反映するときの3点
- 項目表の「発注日」「納期・納品場所」「支払条件」を空欄にしない。外注・業務委託では、これらが明示事項そのものになる。
- 「明細」には、品目・数量・規格・仕様など、依頼する内容が具体的にわかるように書く。フリーランス法のパンフレットは、給付の内容には品目・品種・数量・規格・仕様などを明確に記載する必要があるとしている。
- 検査をする取引では「検査の完了期日」の欄を足す。一括決済や有償支給を使う取引では、取適法の明示事項に当たる欄を備考に足す。
発注書の印紙・インボイス・保存期間。税務の注意点
発注書は通常、印紙税の課税対象になりませんが、契約の成立を証明する目的の文書にあたる場合は課税されます。保存は、法人では確定申告書の提出期限の翌日から7年です。
本記事は一般的な解説であり、税務上の判断を保証するものではありません。個別の取引は、税務署や税理士に確認してください。
収入印紙が必要になるのは、どんな発注書か
国税庁のタックスアンサーNo.7118は、申込書・注文書・依頼書などは、通常は契約の申込みの事実を示すだけで、印紙税の課税対象にならないと説明しています(国税庁 No.7118)。ただし、次の3つのどれかに当てはまる注文書は、契約書として課税の対象になります。
| 当てはまる場合 | 内容 | 請書を別に作る旨の記載があるとき |
|---|---|---|
| 基本契約書や約款に基づく申込みで、自動的に契約が成立する旨が書かれている | 申込みだけで契約が成立するもの | 契約書から除かれる |
| 相手が作った見積書などに基づく申込みである旨が書かれている | 「見積書No.1234に基づく発注」など | 契約書から除かれる |
| 契約の当事者の双方の署名または押印がある | 発注者と受注者の両方が署名・押印している | 除かれない(別に請書を作る旨の記載があっても、課税の対象になる) |
項目表の「見積番号」の欄に「見積書に基づく発注」と書くと、上の2つめにあたります。その場合に、受注者が別に請書を作って契約の成立を示すなら、その旨を発注書に書いておくと、発注書は課税の対象から除かれます。書いていないと、発注書そのものが契約書として課税の対象になると、国税庁の質疑応答事例は説明しています(国税庁 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い)。課税の対象になるかどうかは、書式の名前ではなく、文書の記載内容で決まります。税額や非課税の範囲、電子データで送る場合の扱いは、国税庁の資料と、前の章で紹介した注文請書の記事の印紙の項で確認してください。
インボイスの登録番号は、発注書に必要か
国税庁の説明では、インボイスは、売り手(受注者)が買い手に、適用税率や消費税額を伝えるために交付する書類で、登録番号・取引年月日・税率ごとの対価の額・消費税額などの記載が必要です(国税庁 インボイス制度の概要)。交付する義務があるのは売り手側で、発注書を出す買い手側に、登録番号を書く義務があるとは書かれていません。
プロワンの解説も、発注書自体はインボイス制度の直接の対象ではなく、登録番号を書くのは請求書との照合をしやすくするためとしています。つまり、登録番号の欄は任意で、書くなら、請求書と同じ番号を書く、という扱いです。
発注書の保存期間と、電子データの保存
国税庁のタックスアンサーNo.5930は、法人の帳簿書類の保存期間を、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年と説明し、保存する書類に注文書・契約書・領収書などを挙げています。青色申告書を提出した事業年度に青色繰越欠損金が生じた場合は、10年です(国税庁 No.5930)。
発注書をメールにPDFで添付して送る場合は、電子取引にあたります。国税庁の電子帳簿保存法一問一答は、電子取引とは取引情報の授受を電磁的方式で行う取引で、取引情報は、取引に関して受領・交付する注文書・契約書・送り状・領収書・見積書等に通常記載される事項を指し、電子メールの添付ファイルによる取引も含まれると説明しています(国税庁 電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係))。所得税・法人税の保存義務者は、電子取引を行ったときは、その取引情報の電磁的記録を保存しなければなりません。保存の要件(タイムスタンプの付与や、検索できる状態での保存など)は、国税庁の資料で確認してください。
保存しやすくするため、発注書のファイル名は、「日付_取引先_金額」のように、あとで検索できる形に統一しておくと管理が楽になります。
テンプレートで足りるとき、仕組みに移すとき。発注書をシステムで扱う判断
発注書の作成が月に数件で、台帳に記録できているなら、無料のテンプレートで足ります。案件ごとの外注が増え、転記と確認が負担になったときが、システムを検討する目安です。
| 状況 | テンプレートで足りる | 仕組みを検討したい |
|---|---|---|
| 発注の件数 | 月に数件で、1件ずつ手で確認できる | 案件ごとに複数の外注先があり、毎月の件数が多い |
| 入力の重複 | 見積書の内容を発注書に写す程度 | 見積書・発注書・請求書・経費で同じ内容を入力している |
| 進捗の把握 | 台帳の納期・支払期日の列で足りる | 予定日を過ぎた発注や、未払いの外注費を、案件単位で自動で知りたい |
| 案件ごとの収支 | 外注費は、月末にまとめて確認すれば足りる | 案件ごとの売上と外注費を、進行中でも見たい |
| 保存と検索 | 日付・取引先・金額のファイル名で探せる | 承認の履歴や操作の記録も、まとめて残したい |
MakeLeapsの解説とプロワンの解説は、手入力が多くミスが起きやすいExcelのテンプレートに限界があるとして、クラウドサービスの利用を挙げています。選択肢は、請求書や見積書の作成サービス、発注管理のシステム、案件の収支まで扱う基幹システムなど、幅があります。自社の件数と、見たい情報の範囲で選ぶのが基本です。
案件ごとの収支までを扱いたいプロジェクト型の事業なら、ZACは選択肢の1つです。商品ページには、購買管理で、発注・仕入・支払のもれなどのミスを未然に防げると書かれています。見積管理のワークフローと、承認の履歴や操作ログの自動保存についても記載があります。口コミ・評価の欄では、ハンコで決裁していた書類がワークフロー機能で電子申請・承認に置き換わったという、導入したユーザーの評価が紹介されています。
一方で、導入は最短3か月、平均で半年ほどかかります。パラメータの範囲で対応しきれない場合は、上位版のZAC Enterpriseでの対応になると、商品ページに書かれています。いまの発注書の運用で困っていることを整理してから、資料で、必要な機能と導入の流れを確認する順番が現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 注文書のExcelテンプレートはありますか?
A. あります。freee・board・MakeLeaps・マネーフォワード クラウド請求書・弥生などが、無料でExcel形式のテンプレートを配布しています。ダウンロードの前に、納期・支払条件の欄、税率別の合計欄、外注の明示事項を足せるかを確認してください。
Q2. 金額なしの注文書テンプレートはありますか?
A. マネーフォワード クラウド請求書が、金額なしのテンプレートを掲載しています。ただし、金額欄を空にすると、あとで金額をめぐるトラブルになりやすい形です。金額を決められないときは、算定方法を書く方法があります。外注・業務委託では、報酬や代金の額が明示事項のため、対象になるかを確認してから使います。
Q3. 簡単な注文書の作り方は?
A. 宛先・発注番号・発行日・発注者・件名・明細(品名・数量・単価・金額)・小計と消費税と合計・納期・支払条件・備考を書きます。Excelで作る場合は、金額を数量と単価の掛け算で出し、A4用紙1枚に収めて、送るときはPDFにします。
Q4. 発注管理に使える無料のエクセルテンプレートはありますか?
A. 発注書とは別に、台帳を自作するのが一般的です。発注番号・発注日・件名・取引先・発注金額・納期・納品確認日・請求書の受領日・支払期日・保存先の列を持たせると、発注から支払までの抜けを見つけやすくなります。この記事の発注管理台帳の列を参考にしてください。
Q5. 発注書に収入印紙は必要ですか?
A. 通常は不要です。ただし、基本契約に基づいて自動的に契約が成立する場合、見積書に基づく申込みである旨が書かれている場合、双方の署名または押印がある場合は、契約書として課税の対象になります。請書を別に作る旨を書くと、前の2つは除かれます。個別の判断は、国税庁の資料や税務署で確認してください。
Q6. 発注書と注文書は何が違いますか?
A. 呼び方の違いで、法律上の違いはないと説明する解説が多くあります。物品は注文書、作業を伴う取引は発注書と呼び分ける解説もありますが、実務では区別せずに使われます。大切なのは、名前ではなく、納期・金額・支払条件などの必要な項目が書かれているかどうかです。
まとめ:発注書の無料テンプレートで押さえる7つのこと
- 無料テンプレートは、freee・board・MakeLeaps・マネーフォワード クラウド請求書・弥生などが配布しています。納期・支払条件・税率別の合計欄の有無で選びます。
- 発注書には、宛先・発注番号・発行日・発注者・件名・明細・税額・納期・支払条件・備考を基本として入れ、取引に応じて項目を足します。
- Excelで作るときは、税率を別のセルに入力し、数式を保護し、A4用紙1枚に収め、送るときはPDFにします。
- 建設・個人事業主・英語・軽減税率など、取引の種類に合わせたテンプレートを選びます。
- 外注・業務委託では、取適法とフリーランス法の明示事項を、書面または電磁的方法で、直ちに明示します。
- 印紙は、発注書が契約の成立を証明する文書にあたる場合に必要です。保存は、法人では7年、電子データで送る場合は電子データでも保存します。
- 案件ごとの外注が増え、転記と追跡が負担になったら、発注から支払までを案件に結びつけて管理する仕組みの資料を請求し、機能と導入の流れを確認します。
発注書は、テンプレートで始めて、件数や取引の複雑さに応じて仕組みに移していくのが現実的です。個別の判断は、専門家に確認してください。本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。
案件ごとの外注と発注を、見積から支払まで結びつけて管理したいときは
ZACの資料で、購買管理の機能と導入の流れを確認できます
参考文献
- freee「発注書(注文書)の無料Excelテンプレート」 https://www.freee.co.jp/kb/template/purchase-order/template-1/(2026年10月20日確認)
- board「【登録不要・無料】発注書(注文書)テンプレート(エクセル)」 https://template.the-board.jp/order_templates/(2026年10月20日確認)
- MakeLeaps「発注書 エクセルテンプレート/フォーマット集」 https://www.makeleaps.com/resources/templates/excel-templates-purchase-order/(2026年10月20日確認)
- マネーフォワード クラウド請求書「発注書(注文書)のテンプレート(エクセル)一覧」 https://biz.moneyforward.com/invoice/templates/purchase_order/(2026年10月20日確認)
- 弥生「発注書・注文書の無料エクセルテンプレート・フォーマット」 https://www.yayoi-kk.co.jp/seikyusho/template/order/(2026年10月20日確認)
- プロワン「発注書エクセルテンプレート」 https://pro-one-cloud.com/column/order-template/(2026年10月20日確認)
- 公正取引委員会「取適法特設ページ」 https://www.jftc.go.jp/toriteki_2025/(2026年10月20日確認)
- 公正取引委員会「委託事業者の義務」 https://www.jftc.go.jp/toriteki/toritekigaiyo/oyagimu.html(2026年10月20日確認)
- 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット」 https://www.jftc.go.jp/file/flpamph.pdf(2026年10月20日確認)
- 国税庁「No.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7118.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い」(質疑応答事例) https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/04.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/01.htm(2026年10月20日確認)
- 国税庁「インボイス制度の概要」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm(2026年10月20日確認)
- オロ「ZAC導入事例 株式会社美工」 https://www.oro.com/zac/casestudy/biko.html(2026年10月20日確認)
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「ZAC」 https://www.onamae.com/business/product/152150/(2026年10月20日確認)
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