雇用保険とは?加入条件・保険料率・失業手当と会社の手続きを解説
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- 加入条件は週20時間以上と31日以上
- 令和8年度の保険料率は13.5/1,000
- 入社は翌月10日、退職は10日以内に届出
雇用保険とは、労働者が失業したときや、育児・介護で休業したとき、自ら教育訓練を受けたときなどに給付を行い、生活と雇用の安定を支える、国が運営する強制保険制度です。労働者を雇う事業は原則として加入が義務づけられ、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある人は、本人の意思にかかわらず被保険者になります。本記事では、制度の目的と給付の種類、加入できる人・できない人、令和8年度の保険料率と計算例、失業手当(基本手当)の受給条件・金額・日数、社会保険との違いを、厚生労働省とハローワークの資料をもとに整理します。あわせて、会社が行う入退社の届出と期限、2028年10月の適用拡大、手続きを人事労務システムで支える考え方まで解説します。
雇用保険まわりの実務、どこから軽くしますか?自社に合う人事労務システムの簡易診断
Q1. 雇用保険の実務で、いちばん手間がかかっているのはどれですか?
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雇用保険とは?目的・仕組みと給付の種類
雇用保険とは、失業したときや育児・介護で休業したときなどに給付を行い、労働者の生活と雇用の安定を支える、政府が管掌する強制保険制度です。
ハローワークの制度概要によると、雇用保険は、労働者が失業して所得の源泉を失った場合、雇用の継続が困難となる事由が生じた場合、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合、子を養育するために休業した場合に、必要な給付を行う制度です。労働者を雇用する事業は原則として強制的に適用されます。あわせて、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大、労働者の能力の開発・向上などを図る「雇用保険二事業」も実施しており、二事業の保険料は事業主だけが負担します。
雇用保険の給付は5つの区分に分けられる
雇用保険の給付は、大きく5つの区分で整理できます。ハローワークと厚生労働省の案内に載っている主な給付を、区分ごとにまとめると次のとおりです。
| 区分 | 主な給付 | 内容の要点 |
|---|---|---|
| 求職者給付 | 基本手当(失業手当)、高年齢求職者給付金、特例一時金 | 離職した被保険者が、失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探し、1日も早く再就職するための給付。代表的な給付が基本手当 |
| 就職促進給付 | 再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当、移転費 | 基本手当の受給資格がある人の早期の再就職や、就職に伴う引っ越しを後押しする給付 |
| 教育訓練に関する給付 | 教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践)、教育訓練支援給付金、教育訓練休暇給付金 | 厚生労働大臣が指定する講座の受講費用の一部を支給するほか、無給の教育訓練休暇を取るときの生活を支える給付がある |
| 雇用継続給付 | 高年齢雇用継続給付、介護休業給付 | 60歳以上65歳未満で賃金が下がったときや、家族の介護で休業したときに、働き続けることを支える給付 |
| 育児休業等給付 | 出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金 | 子の年齢や養育の状況に応じて、要件を満たす場合に支給される給付 |
このうち、会社にとって実務の中心になるのは、入社・退職のたびに行う被保険者の届出と、毎月の保険料の控除です。給付の申請は、離職者や従業員が行うものと、事業主が書類を出すものがありますが、いずれも会社が持つ賃金や出勤の記録、離職証明書などが申請書類のもとになります。
会社にとっての雇用保険|入退社と保険料の実務を支える仕組み
厚生労働省の事業主向けページによると、労働者を雇用する事業は、業種や規模を問わず、農林水産業の一部を除き雇用保険の適用事業となります。事業主は、労働保険料の納付や、雇用保険法に基づく各種の届出を行う義務を負います。入社・退職のたびに届出が発生し、保険料の控除は毎月の給与計算と結びつくため、担当者がExcelや紙で1人で回している会社ほど、書類づくりと確認の負担が重なりやすくなります。こうした運用を支える選択肢が、人事労務システムです。下の表は、商品ページで確認した範囲で、3つの人事労務システムの役割の違いをまとめたものです。順位や優劣をつけるものではありません。
雇用保険の入退社手続きと保険料の運用を支える人事労務システム3サービスの役割の違い
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資料を無料ダウンロード| サービス | ジンジャー人事労務 |
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|---|---|---|---|
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| 注意したい点 | スマホからの出退勤が使いにくい、全体的に持て余してしまう機能もある、という声が商品ページに載っています。 | 労務管理を中心に行う場合は便利ですが、プラスアルファの機能を望む場合は他サービスの申し込みが必要と商品ページに書かれています。 | 目的や規模によって価格に幅があるため、詳細は問い合わせが必要と商品ページに書かれています。 |
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給料手当支給に伴う年金、社会保険料の算出にあたり、都道府県毎で違う料率をサービス側で把握しているため、計算、検算が不要で自動処理でき、月例の面倒な事務が軽減できた。
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freeeを導入する前まではExcelで各自が自己報告でした。そのため正確な勤務時間や残業時間などが曖昧でした。また、Excelを回収した人がそれぞれの勤務時間を集計するというアナログなやり方だったので、freeeを導入したことでそれが一括管理になったことが一番のメリットです。また、有給休暇申請などもfreee上で完結するので業務効率化に繋がっていると思います。
導入企業の声として、株式会社クラウンベーカリーは、入社時の情報共有について次のように述べています(出典:freee人事労務 入社手続きのページ)。
これまでは履歴書を見ながら私が情報を入力し、社労士の方にメールで「1月に○○さんが入社しました」といった情報をお送りしていたのですが、今は「○○さんが入社したので、freee上で確認してください」と伝えるだけになりました。
株式会社クラウンベーカリー
雇用保険に加入できる人・できない人|条件と2028年10月の改正
雇用保険の加入条件は、1週間の所定労働時間が20時間以上であることと、同一の事業主に31日以上引き続き雇用される見込みがあることの2つです。
厚生労働省の事業主向けページによると、雇用保険の適用事業に雇用される労働者は、原則として本人の意思にかかわらず被保険者になります。ただし、1週間の所定労働時間が20時間未満の人や、同一の事業主に継続して31日以上雇用される見込みがない人は適用除外です。正社員だけでなく、パートやアルバイトも、この2つの要件を満たせば加入の対象になります。北海道労働局の案内では、パートタイム労働者の場合、労働時間や賃金などの条件が就業規則や雇用契約書、雇入通知書などに明確に定められていることが前提とされています。
加入できない人の主な例
次の表の人は、原則として雇用保険の被保険者になりません。例外や個別の判断があるものは、管轄のハローワークで確認してください。
| 区分 | 扱い | 補足 |
|---|---|---|
| 1週間の所定労働時間が20時間未満の人 | 適用除外 | 令和10年10月1日からは、基準が「10時間未満」に変わる予定(次の見出し) |
| 同一の事業主に31日以上引き続き雇用される見込みがない人 | 適用除外 | 契約期間の定めや更新の見込みで判断が分かれる場合は、ハローワークに確認する |
| 昼間学生 | 原則として被保険者にならない | 学校や雇用の形態によって例外の扱いがあるため、個別に確認する |
| 法人の代表者・役員 | 原則として被保険者にならない | 部長・支店長・工場長など従業員としての身分があり、賃金の支払われ方や就業規則の適用などから労働者的性格が強いと認められる兼務役員は、被保険者になる場合がある |
| 同居の親族 | 原則として被保険者にならない | 個人事業主や法人の代表者と同居している親族。一定の場合は除く |
| 家事使用人 | 被保険者にならない | 家庭で家事に使用される人 |
一般の被保険者に当たる人のうち、65歳以上の人は、手続き上「高年齢被保険者」として扱われます。また、令和4年1月1日に新設された雇用保険マルチジョブホルダー制度では、複数の事業所で働く65歳以上の人が、2つの事業所(それぞれ1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して20時間以上になる場合に、本人から申し出ることで被保険者になれます。
2028年10月から「週10時間以上」に広がる
令和6年の雇用保険法の改正により、令和10年(2028年)10月1日から、雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間が「20時間以上」から「10時間以上」に変わります。厚生労働省の雇用保険部会の資料では、雇用のセーフティネットを拡げる観点から、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働者に適用を拡大すると説明されています。週10時間以上20時間未満で働くパート・アルバイトの人も、新たに対象になります。
施行までに、会社が準備できることがあります。週の所定労働時間が10時間以上20時間未満の従業員を洗い出し、雇用契約書などで所定労働時間が明確に定められているかを確認しておくことです。失業の認定の基準や賃金日額の下限など、給付の細かい取扱いも見直される予定のため、施行が近づいたら厚生労働省の最新の案内を確認してください。
週20時間前後で働く人の確認ポイント
判断のもとになるのは、実際に働いた時間ではなく、雇用契約書や就業規則などで定められた「所定労働時間」です。契約書に週の所定労働時間が明記されていれば、その時間で要件を判断します。シフト制で週ごとの時間が変わる場合や、繁忙期だけ長く働く場合の扱いは、契約の定め方や雇用の見込みで判断が分かれることがあります。迷うケースは、事業所を管轄するハローワークに確認しましょう。所定労働時間を変更したときは、加入の要件を満たすかどうかを見直す必要があります。
雇用保険料はいくら?令和8年度の料率と月給30万円の計算例
令和8年度(2026年4月から2027年3月まで)の雇用保険料率は、一般の事業で賃金の13.5/1,000、うち労働者負担は5/1,000、事業主負担は8.5/1,000です。
雇用保険料率は、事業の種類によって3つに分かれています。厚生労働省の「令和8年度雇用保険料率のご案内」をもとにした表です。カッコ内は令和7年度の率です。
| 事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 | 合計(雇用保険料率) |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 5/1,000(5.5/1,000) | 8.5/1,000(9/1,000) | 13.5/1,000(14.5/1,000) |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 6/1,000(6.5/1,000) | 9.5/1,000(10/1,000) | 15.5/1,000(16.5/1,000) |
| 建設の事業 | 6/1,000(6.5/1,000) | 10.5/1,000(11/1,000) | 16.5/1,000(17.5/1,000) |
園芸サービス、牛馬の育成、酪農、養鶏、養豚、内水面養殖と、特定の船員を雇用する事業には、一般の事業の率が適用されます。事業主負担には、事業主だけが負担する雇用保険二事業の率(一般の事業で3.5/1,000、建設の事業で4.5/1,000)が含まれています。
2026年4月からの変更点
2026年4月から雇用保険について確認できる大きな変更は、保険料率の引下げです。令和8年度は、失業等給付・育児休業給付の保険料率が、労働者負担・事業主負担ともに5/1,000に変わりました(農林水産・清酒製造の事業と建設の事業は6/1,000)。令和7年度は、一般の事業の労働者負担が5.5/1,000、事業主負担が9/1,000でした。雇用保険二事業の率は、令和7年度から変わっていません。
このほか、基本手当日額の上限額などは毎年8月1日以降に見直されることがあり、令和8年8月1日からの金額が適用されています(詳しくは次の章)。給与計算の設定は、年度の初めの料率だけでなく、8月の金額の見直しにも注意が必要です。
月給30万円の場合の計算例
労働保険料は、労働者に支払う賃金の総額と保険料率から決まり、労災保険分は全額事業主負担、雇用保険分は事業主と労働者の双方が負担します。令和8年度の一般の事業で、月の賃金が30万円の従業員1人分を当てはめると、次のようになります。
| 負担者 | 計算 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 労働者負担(給与から控除) | 30万円 x 5/1,000 | 1,500円 |
| 事業主負担 | 30万円 x 8.5/1,000 | 2,550円 |
| 合計(雇用保険料率13.5/1,000) | 30万円 x 13.5/1,000 | 4,050円 |
この表は、月の賃金30万円を単純に当てはめた目安です。実際の計算では、賃金の範囲や端数の扱いを、給与計算の設定や所轄の案内に沿って確認してください。給与計算ソフトを選ぶときの視点は、社会保険料の計算におすすめの給与計算ソフト7選|必要性を解説 で整理しています。本記事は、雇用保険の料率と仕組みに絞って解説しています。
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雇用保険料率が変わるたびの給与計算の見直し、手作業になっていませんか?
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失業手当(基本手当)はいくらもらえる?条件・日数・いつから
失業手当(基本手当)は、離職前の賃金の日額のおよそ50-80%を、年齢や被保険者期間などで決まる90日から360日の範囲で受け取れる給付です。
ハローワークの案内によると、基本手当は、雇用保険の被保険者が定年、倒産、契約期間の満了などで離職し、失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探して、1日も早く再就職するために支給されます。
受給の条件|何年(何か月)働いていればもらえるか
基本手当を受け取るには、次の2つの条件を満たす必要があります。1つ目は、ハローワークで求職の申込みを行い、就職しようとする意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けない「失業の状態」にあることです。2つ目は、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです。
| 離職の理由 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 自己都合、定年、期間満了などの一般の離職者 | 離職の日以前2年間に、通算12か月以上 |
| 倒産・解雇などによる特定受給資格者、一部の特定理由離職者 | 離職の日以前1年間に、通算6か月以上でも可 |
被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1か月として数えます。次のような状態のときは、失業の状態に当たらず、基本手当を受けられません。
- 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
- 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
日額の決まり方と計算例|公式の計算式で試算
基本手当の日額は、離職前6か月間の賃金(賞与を除く)の合計を180で割った「賃金日額」に、およそ50-80%の給付率(60-64歳は45-80%)を掛けて決まります。賃金が低い人ほど給付率が高くなります。厚生労働省が公表している令和8年8月1日からの計算式のうち、30歳未満、30歳以上45歳未満、45歳以上60歳未満の3区分に共通する部分を使うと、次のように試算できます。
| 賃金日額(w) | 基本手当日額(y)の計算式 | 試算例 |
|---|---|---|
| 3,203円以上5,480円未満 | y = 0.8 x w | w = 4,000円なら 3,200円 |
| 5,480円以上13,490円以下 | y = 0.8w – 0.3 x ((w – 5,480) / (13,490 – 5,480)) x w(1円未満切り捨て) | w = 6,000円なら 4,683円、w = 10,000円なら 6,307円、w = 12,000円なら 6,669円 |
たとえば、離職前6か月の賃金(賞与を除く)が月30万円ずつなら、6か月の合計は180万円で、賃金日額は180万円を180で割った1万円です。上の式に当てはめると、基本手当日額は6,307円です。所定給付日数が90日なら、受け取れる総額の目安は567,630円(6,307円 x 90日)、120日なら756,840円、150日なら946,050円になります。日額が賃金日額の約63%に収まっているのは、賃金日額が高めの人ほど給付率が下がる仕組みのためです。実際の金額は、年齢区分や賃金日額の上限・下限によって変わるため、ハローワークの案内で確認してください。
日額には年齢区分ごとの上限があります。令和8年8月1日現在の上限額と、所定給付日数が90日の場合の総額の上限は次のとおりです。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限 | 90日分の上限額 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 | 670,500円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 | 744,300円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 | 819,900円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 | 704,700円 |
上の表は上限額で計算した最大の目安で、実際の日額は、離職前の賃金に応じてこれより低くなるのが一般的です。
何日分もらえるか|所定給付日数
基本手当を受け取れる日数(所定給付日数)は、離職時の年齢、被保険者であった期間、離職の理由によって、90日から360日の間で決まります。自己都合退職や定年退職、期間満了などの一般の離職者は、次の表のとおりです。
| 被保険者であった期間 | 一般の離職者(全年齢)の所定給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 90日(特定理由離職者のみ。一般の離職者は12か月以上の被保険者期間が必要) |
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
倒産・解雇などによる特定受給資格者や、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことによる特定理由離職者は、年齢や被保険者期間に応じて、一般の離職者より手厚い日数になる場合があります。一部の特定理由離職者は、離職日が令和9年3月31日までの場合に限り、特定受給資格者と同じ日数が適用されます。障害のある人などの就職が困難な人は、日数が別に定められています。詳しい表は、ハローワークの「基本手当の所定給付日数」で確認してください。
もらえるまでの流れと給付制限
離職してから基本手当が振り込まれるまでの流れは、次のとおりです。
| 順序 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 離職票の受け取り | 会社から雇用保険被保険者離職票が届く。離職票が交付されない場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせる |
| 2 | 求職の申込みと受給資格の決定 | 住居を管轄するハローワークで求職の申込みをし、離職票などを提出する。離職理由もここで判定される |
| 3 | 待期(7日) | 求職の申込み後、失業の状態にある7日間は、基本手当が支給されない |
| 4 | 給付制限(自己都合などの場合) | 自己都合退職など離職理由によっては、待期のあとさらに支給されない期間がある(次の説明) |
| 5 | 失業の認定 | 原則として4週間に1度、指定された日にハローワークで失業の状態にあることを確認する。認定対象期間中に原則2回以上の求職活動の実績が必要 |
| 6 | 受給 | 失業の認定を行った日から通常5営業日で、指定した口座に振り込まれる |
自己都合退職の給付制限は、令和7年4月1日以降の離職では原則1か月です(令和7年3月31日以前の離職は原則2か月)。ただし、離職の日から遡って5年間に、正当な理由なく自己都合で離職して受給資格の決定を受けたことが2回以上ある場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇の場合は3か月になります。令和7年4月以降にリ・スキリングのために教育訓練などを受けた(受けている)場合は、給付制限が解除されると厚生労働省が案内しています。
基本手当を受けられる期間(受給期間)は、原則として離職の日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れません。病気、けが、妊娠、出産、育児などで引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を延長できます。なお、虚偽の申告などで基本手当を受けようとすると不正受給となり、以後の支給が停止され、厳しい処分が行われます。就職や就労(パート、アルバイト、試用期間を含む)、自営の開始は、失業認定申告書で申告が必要です。
失業手当以外の雇用保険の給付|再就職手当・教育訓練給付・育児休業給付など
雇用保険には、失業手当のほかに、再就職手当、教育訓練給付金、高年齢雇用継続給付、介護休業給付、育児休業給付などがあり、在職中や休業中に受け取れる給付もあります。
| 給付 | 対象・内容 | 押さえたいポイント |
|---|---|---|
| 再就職手当 | 基本手当の受給資格がある人が、安定した職業に就いた場合 | 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら、支給残日数 x 70% x 基本手当日額。3分の1以上なら60%(日額には上限がある) |
| 教育訓練給付金 | 厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した場合に、受講費用の一部を支給 | 専門実践教育訓練は最大給付率80%、特定一般教育訓練は最大50%、一般教育訓練は20%。受講開始日までの被保険者期間などの要件がある |
| 教育訓練休暇給付金 | 一般被保険者が、就業規則などに基づき、連続した30日以上の無給の教育訓練休暇を取る場合 | 基本手当に相当する給付として、賃金の一定割合が支給される。事業主との合意と、社内制度の整備が前提 |
| 高年齢雇用継続給付 | 60歳以上65歳未満で、賃金が60歳時点より下がった被保険者 | 各月の賃金が60歳時点の64%以下に下がった場合は、各月の賃金の10%相当額(令和7年4月以降に60歳に達した人) |
| 介護休業給付 | 家族の介護のために休業した被保険者 | 家族の介護のための休業中の生活を支える給付 |
| 育児休業等給付 | 出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金 | 子の年齢や養育の状況に応じて支給される |
高年齢雇用継続給付は、原則として2か月に1度、事業主が事業所の所在地を管轄するハローワークに支給申請書を提出します(本人が自ら申請することも可能です)。このように、在職中の給付では、賃金の記録や出勤の状況など、会社が持つ情報が申請書類のもとになります。従業員が給付を申請するときに、会社が必要な書類を速やかに用意できるよう、賃金台帳や出勤簿などを整えておくことが、実務では重要になります。
教育訓練や再就職の支援は、会社の人材育成とも関わります。労務管理とは|勤怠管理との違いやメリット・ポイントを解説 では、労務管理全体の中で雇用保険の手続きがどこに位置づくかを整理しています。
雇用保険と社会保険の違い|労災保険・健康保険・厚生年金保険との関係
雇用保険は、労災保険とあわせて「労働保険」と呼ばれ、健康保険・厚生年金保険などの社会保険とは別の制度で、手続きの窓口も異なります。
厚生労働省は、労働保険を、労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険の総称と説明しています。労働者を1人でも雇っている事業場は加入が義務づけられています。一方、健康保険や厚生年金保険は、医療や老後の保障を目的とする別の制度です。会社の実務では、入社・退職のたびに、労働保険(雇用保険)と社会保険(健康保険・厚生年金保険)の両方の手続きが必要になるため、混同しやすい点です。
| 項目 | 雇用保険 | 労災保険 | 健康保険・厚生年金保険 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 失業・休業・教育訓練などのときの生活と雇用の安定 | 仕事や通勤が原因の負傷・病気・死亡のときの補償 | 病気やけが、老後や障害などへの備え |
| 保険料の負担 | 事業主と労働者の双方が負担(二事業は事業主のみ) | 全額事業主負担 | 事業主と被保険者が負担 |
| 対象になる人 | 所定労働時間が週20時間以上などの要件を満たす労働者(役員・同居の親族などは一定の場合を除く) | 短時間労働者を含む、すべての労働者 | 制度ごとの加入条件を満たす人。雇用保険の対象でも、社会保険の対象になるとは限らない |
| 主な窓口 | ハローワーク | 労働基準監督署 | 年金事務所(健康保険組合の場合は組合) |
社会保険の手続きの外部委託を考えるときは、社会保険手続きの代行サービスとは?対応業務や費用相場などを解説 が参考になります。雇用保険の届出先は、社会保険と違ってハローワークです。
会社が行う雇用保険の手続き|入社・退職・届出の期限
会社が行う雇用保険の主な手続きは、入社時の資格取得届(被保険者となった月の翌月10日まで)と、退職時の資格喪失届(被保険者でなくなった事実があった日の翌日から10日以内)で、提出先は事業所を管轄するハローワークです。
| 届出 | 提出期限 | 提出・確認書類 |
|---|---|---|
| 雇用保険適用事業所設置届 | 保険関係が成立した日の翌日から10日以内 | 出勤簿、労働者名簿、賃金台帳、源泉徴収簿、法人の場合は登記簿謄(抄)本等、法人でない場合は事業の開始を証明する書類等 |
| 雇用保険被保険者資格取得届 | 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで | 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿(タイムカード)、他の社会保険の資格取得関係書類、雇用期間を確認できる資料(雇用契約書等) |
| 雇用保険被保険者資格喪失届 | 被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内 | 出勤簿、退職辞令などの書類、労働者名簿、賃金台帳、離職理由が確認できる書類など |
| 雇用保険被保険者離職証明書 | 資格喪失届とあわせて提出(離職票が不要なときは提出しなくてよい。3枚1組) | 資格喪失届と同じ(出勤簿、退職辞令などの書類、労働者名簿、賃金台帳、離職理由が確認できる書類等) |
入社の例では、4月5日に入社した人の資格取得届は、翌月の5月10日までに管轄のハローワークへ提出します(大阪労働局管内の案内の例)。期限の数え方に迷うときは、管轄のハローワークに確認してください。
入社時の流れ
- 雇い入れる人が、1週間の所定労働時間20時間以上、31日以上の雇用見込みという要件を満たすかを確認する
- 初めて被保険者となる人を雇うときは、保険関係成立の手続きを済ませたうえで、雇用保険適用事業所設置届と資格取得届を提出する
- 以前に雇用保険に加入していた人は被保険者番号があるため、本人に確認する。番号がわからないときは、前の会社名を資格取得届の備考欄に記入する
- ハローワークから交付された雇用保険被保険者証を、事業主から本人に渡す
退職時の流れ
被保険者が離職したときは、資格喪失届と、給付額などの決定に必要な離職証明書を提出します。ハローワークは、離職証明書の離職理由について、事業主と離職者で主張が異なる場合に、事実関係を調査して離職理由を判定します。離職証明書は、離職前に本人が氏名を記載することになっているため、離職理由の記載内容を本人にも確認してもらうことが大切です。離職後は、ハローワークから交付される雇用保険被保険者離職票(-1、-2)を本人に渡します。離職票が交付されない場合は、離職者がハローワークに問い合わせることになるため、離職証明書の提出が遅れないようにしましょう。
なお、健康保険の資格を失ったことを証明する書類は、雇用保険とは別の手続きです。会社が発行する書類については、資格喪失証明書とは?発行手順・書き方・法的位置づけを解説 を参照してください。入退社の届出を含む労務手続きの全体像は、労務管理で行う手続き一覧|手続きのタイミングにごとに分けて解説 で確認できます。
電子申請と、書類づくりの負担
届出は、電子申請の手続案内が厚生労働省の事業主向けページにまとめられています。ただし、電子申請に切り替えても、従業員の氏名・生年月日・賃金などの情報を集めて、書類の項目に入力する作業は残ります。情報が履歴書や紙の書類、別々のExcelに分かれていると、転記と確認の手間が積み重なります。従業員から集めた情報を、そのまま書類の項目に反映できる人事労務システムは、この部分を軽くする選択肢です。
従業員からの書類の回収と情報の登録を、紙から電子に切り替えたい会社の場合の一例が、jinjer株式会社が提供する「ジンジャー人事労務」です。商品ページでは、従業員情報の収集で、必要書類の提出依頼、提出書類の記入・提出、進捗の確認、リマインドまでを1つのシステムで扱え、提出された情報はデータベースに自動で反映されると紹介されています。申請書類の作成は人事データベースの情報に基づいて自動で行われ、一部書類はクラウド上での届出も可能とされています。注意点として、労務管理を中心に行う場合は便利ですが、プラスアルファの機能を望む場合は他サービスの申し込みが必要と商品ページに書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
おすすめ!
- 「各種帳票」が自動で作成でき、大幅に時間削減できる
- 情報収集から電子申請までの作業を一気通貫で行え、出社や役所へ行く手間もかからない
- 「一括申請形式」を採用しているため、複数人の入退社でもらくらく
気になる…
- 「労務管理メイン」で行いたい場合は便利だが、+αの機能を望む場合は他サービスの申し込みが必要
導入事例として、リソルホールディングス株式会社は、年間1,000部以上にもなる雇用契約書のペーパーレス化を導入の決め手のひとつに挙げ、導入後の効果を次のように述べています(出典:jinjer株式会社 導入事例動画の公開ニュース、2024年3月27日)。
特に雇用契約書を電子化したことにより、印刷・送付・確認の手間を大幅に削減することができました。
リソルホールディングス株式会社
雇用保険の入退社手続き、今のやり方で足りていますか?セルフチェック
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雇用保険の実務で起きやすい失敗と確認ポイント|公的資料から整理
雇用保険の実務で起きやすい失敗は、届出の期限切れ、加入要件の見落とし、離職理由の食い違い、役員や学生の扱いの誤りの4つで、いずれも公的な案内で防げます。
| 起きやすい失敗 | 根拠 | 防ぐための確認 |
|---|---|---|
| 資格取得届・資格喪失届の期限を過ぎる | 取得届は翌月10日まで、喪失届は10日以内(厚生労働省の手続き一覧表) | 入社日・退職日が決まった時点で、提出期限を逆算して担当と期日を決める |
| 離職票の交付が遅れ、離職者が給付を受けにくくなる | 離職票が交付されない場合は、離職者がハローワークに問い合わせることになる(ハローワークの手続き案内) | 資格喪失届と離職証明書を、退職の手続きの早い段階で準備する |
| 離職理由が、会社と本人で食い違う | 事業主と離職者で主張が異なる場合、ハローワークが事実関係を調査して判定する | 離職証明書の離職理由を、本人にも確認してもらい、根拠になる書類を残す |
| 所定労働時間が変わったのに、加入の要件を見直していない | 被保険者の要件は、1週間の所定労働時間20時間以上と、31日以上の雇用見込み | 所定労働時間を変更したときは、被保険者の要件を満たすかを台帳で再確認する |
| 役員を一律に加入させる、または一律に除く | 代表者は被保険者にならず、兼務役員は労働者的性格が強いと認められる場合に被保険者となる(北海道労働局の案内) | 従業員としての身分、賃金と役員報酬の支払われ方、就業規則の適用を確認し、迷えばハローワークへ相談する |
| 昼間学生のアルバイトを、一律に加入させる | 昼間学生は被保険者にならない(北海道労働局の案内) | 学籍の状況を確認し、例外に当たりそうなときはハローワークに確認する |
| 2028年10月の適用拡大の対象者を洗い出していない | 令和10年10月1日から、週所定労働時間10時間以上に拡大(雇用保険部会の資料) | 週10時間以上20時間未満の従業員を一覧にし、雇用契約書の所定労働時間を確認する |
失敗の根っこは、従業員の情報が分かれていること
上の表の失敗には、共通点があります。従業員の入社日、所定労働時間、役員かどうか、学籍の状況といった情報が、担当者のメモや別々のExcelに分かれていることです。情報が1か所にまとまっていれば、期限の逆算も、加入要件の再確認も、2028年10月の対象者の洗い出しも進めやすくなります。
入社手続きと、人事情報の一元管理をつなげたい会社の場合の一例が、株式会社カオナビが提供する「カオナビ」です。商品ページでは、人材情報を一元化するタレントマネジメントシステムとして紹介されており、労務管理では、入社手続きにかかる業務を1つの操作で完結でき、マイナンバーの収集・利用・廃棄を一元管理できるとされています。すでに利用中の給与管理システムとは、CSV出力やAPI連携で連携できます。注意点として、目的や規模によって価格に幅があるため、詳細は問い合わせが必要と商品ページに書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社カオナビ
カオナビ
株式会社カオナビ
カオナビ
あらゆる人材データをグラフや図で簡単に可視化◎見える化を重視する企業におすすめ

出典:kaonavi
導入企業:TOTO株式会社、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)など
口コミ
「カオナビ」での運用に切り替えてからは、さまざまな面で効果が出たと感じています。今までメールで行なっていたExcelシートの授受や記入漏れはほとんどなくなりましたし、評価者や人事担当者が入力の進捗確認もできるようになることで、一部入力が遅れている人がいたとしても全体の進行が止まることがなくなりました。また、以前はExcelに設定していた計算式が壊れるといったトラブルもあったので、その対応に対する手間を考えると効果は絶大です。
評価を大幅効率化、異動検討もスムーズに。サツドラHDの「カオナビ」活用法 https://www.kaonavi.jp/showcase/sat/
おすすめ!
- 「組織ツリー図」「配置バランス図」「社員データグラフ」といった社員のスキルを可視化しやすい機能が豊富
- 採用ミスマッチを防ぎ、現場で活躍できる人材を発掘できる優れた分析機能
- 1社に1人専任サポートがつき、システムを使いこなすためのサポートが充実
気になる…
- 目的や規模により価格に幅がある為、詳細料金は問い合わせる手間が必要
-
労務・人事の管理を行うことができます。また共有端末の持ち出しなどの申請もカオナビを通して行えるため、稟議や許可が通るまでの時短になります。
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本サービスの導入により、全社員の経歴や評価に関して、一元管理できるようになり、業務効率化に繋がった。また、全社員の氏名から顔写真の検索が可能となり、社員間のコミュニケーション活性化に寄与した。
-
カオナビを導入したことで、人材情報の散在や属人化といった課題が解消されました。社員の顔と情報をひと目で把握でき、評価や配置の判断がスムーズに行えるようになった点が大きなメリットです。また、育成やタレントマネジメントに活用できるため、戦略的人事の実現にもつながっています。データの一元管理により、部門間の連携も強化されました。
導入事例として、株式会社Kamogawaの執行役員(経営管理部 部長)は、社員の変更手続きの電子化について次のように述べています(出典:カオナビ 導入事例)。
社員の住所変更・扶養変更・入退社登録などが、電子申請できるようになりました。そしてその変更内容が自動で、毎日カオナビに反映されるのです。
株式会社Kamogawa 執行役員 経営管理部 部長 三上様
雇用保険の届出は、入社・退職のたびに必ず発生します。届出の手順と期限を押さえたうえで、従業員情報と書類づくりを手作業のまま続けるのか、システムで支えるのかを、自社の入退社の人数と、2028年10月の適用拡大で増えるかもしれない対象者の数に合わせて検討してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 雇用保険に入れる条件は?対象になるのはどんな人ですか?
A. 1週間の所定労働時間が20時間以上で、同一の事業主に31日以上引き続き雇用される見込みがある人です。正社員に限らず、パートやアルバイトも、この2つの要件を満たせば対象になります。法人の代表者や、昼間学生、家事使用人などは、原則として対象になりません。2028年10月1日からは、所定労働時間の基準が週10時間以上に広がります。
Q2. 雇用保険(失業手当)は、毎月いくらもらえますか?
A. 基本手当の日額は、離職前6か月の賃金(賞与を除く)の合計を180で割った賃金日額の、およそ50-80%(60-64歳は45-80%)です。たとえば賃金日額が1万円なら、令和8年8月1日からの計算式で日額は6,307円になり、30日分で189,210円が目安です。日額には年齢区分ごとの上限があり、所定給付日数は90日から360日の範囲で決まります。支給は原則として4週間に1度の失業の認定ごとに行われます。
Q3. 雇用保険は、何年働いたらもらえますか?
A. 自己都合退職などの一般の離職者は、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あれば受給資格があります。倒産・解雇などの特定受給資格者や、一部の特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算6か月以上で受給できます。受け取れる日数は、被保険者であった期間が長いほど多くなり、一般の離職者では90日、120日、150日の3段階です。
Q4. 2026年4月から、雇用保険はどうなりますか?
A. 令和8年度(2026年4月から2027年3月まで)は、雇用保険料率が下がりました。一般の事業では、労働者負担が5/1,000、事業主負担が8.5/1,000、合計13.5/1,000で、令和7年度の14.5/1,000より1/1,000低くなっています。基本手当日額の上限額などは、毎年8月1日以降に見直されることがあります。さらに、2028年10月1日からは、加入の条件が週10時間以上に広がる予定です。
Q5. 雇用保険と社会保険は、何が違いますか?
A. 雇用保険は、労災保険とあわせて労働保険と呼ばれ、失業や休業のときの給付を担います。健康保険や厚生年金保険は、医療や老後の保障を担う別の制度です。保険料の負担者や加入条件、届出先も異なり、雇用保険の届出先はハローワークです。入社・退職のときは、両方の手続きが必要になります。
Q6. 会社は、雇用保険の入社・退職の手続きをいつまでにすればよいですか?
A. 入社時の資格取得届は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに、事業所を管轄するハローワークへ提出します。退職時の資格喪失届は、被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内です。離職票が必要な従業員がいるときは、離職証明書をあわせて提出します。期限の数え方に迷うときは、ハローワークに確認してください。
まとめ|雇用保険で押さえたい6つのこと
雇用保険は、失業や休業、教育訓練のときの生活と雇用を支える強制保険制度で、会社には入退社のたびの届出と、毎月の保険料の控除という実務が発生します。迷わないために、次の6点を押さえておきましょう。
- 雇用保険の加入条件は、1週間の所定労働時間20時間以上と、31日以上の雇用見込みの2つ。2028年10月1日から、週10時間以上に広がる
- 令和8年度の雇用保険料率は、一般の事業で13.5/1,000(労働者5/1,000、事業主8.5/1,000)。月給30万円なら、労働者負担は1,500円が目安
- 失業手当(基本手当)は、離職の日以前2年間に被保険者期間が12か月以上(特定受給資格者などは1年間に6か月以上)あれば受給でき、日額は賃金日額のおよそ50-80%、日数は90日から360日
- 自己都合退職の給付制限は、令和7年4月1日以降の離職で原則1か月。待期の7日間と、4週間に1度の失業の認定を経て支給される
- 雇用保険は労災保険とあわせた労働保険で、健康保険・厚生年金保険とは別の制度。届出先はハローワーク
- 入社時の資格取得届は翌月10日まで、退職時の資格喪失届は10日以内。書類づくりと期限管理が手作業で負担なら、人事労務システムの資料を取り寄せて比べる
雇用保険の実務は、入社や退職が重なる時期に負担が集中します。制度の仕組みと期限を押さえたうえで、自社の入退社の人数に合った進め方を考える材料にしてください。本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は、管轄のハローワークや社会保険労務士などの専門家にご確認ください。
参考文献
- 厚生労働省「雇用・労働 雇用保険制度」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険制度の概要」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」、2026年10月20日確認
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「令和8年度雇用保険料率のご案内」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日から)」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「令和7年4月以降の給付制限の解除について」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「事業主の皆様へ(雇用保険)」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「手続き一覧表」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省「労働保険とは」、2026年10月20日確認
- 厚生労働省 職業安定局雇用保険課「令和6年雇用保険制度改正(令和10年10月1日施行分)について」(職業安定分科会雇用保険部会 第205回資料)、2026年10月20日確認
- 北海道労働局「雇用保険の被保険者の種類と要件」、2026年10月20日確認
- 大阪労働局 ハローワーク梅田「従業員の雇用保険の主な手続き」、2026年10月20日確認
- freee「freee人事労務 入社手続き」、2026年10月20日確認
- jinjer株式会社「リソルホールディングスの導入事例動画の公開」、2026年10月20日確認
- 株式会社カオナビ「株式会社Kamogawaの導入事例」、2026年10月20日確認
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