KPTとは?Keep・Problem・Tryの意味と進め方・具体例
Check!
- KPTはKeep・Problem・Tryで振り返る手法
- Tryは担当と期限を付けて次回に確認する
- 振り返りの材料は作業時間の記録で事実にする
KPT(ケプト)とは、仕事やプロジェクトを「Keep(良かったので続けること)」「Problem(問題点)」「Try(次に試すこと)」の3つに分けて振り返り、次の行動を決めるフレームワークです。読み方は「ケーピーティー」または「ケプト」で、付箋とホワイトボード、あるいはスプレッドシートがあれば、短い時間で始められます。一方で、やってみると「Problemが感覚の話で終わる」「決めたTryが次の回までに動いていない」という形で止まりがちです。この記事では、KPTの意味と読み方、メリットとデメリット、進め方、書き方の例、続けるコツ、PDCAやYWTとの違い、テンプレートとツールの順に整理します。最後に、Tryを実行して数字で確かめるための、作業時間(工数)の記録についても扱います。
自分たちの振り返りの現在地を2問で確認
Q1. 振り返りたいのは、どちらに近いですか?
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KPTとは?Keep・Problem・Tryの意味と読み方
KPTとは、Keep(良かったので続けること)、Problem(問題点)、Try(次に取り組むこと)の頭文字を並べた、仕事やプロジェクトの振り返りのフレームワークです。
読み方は「ケーピーティー」または「ケプト」で、KPT法とも呼ばれます(キーエンスの解説による。キーエンス)。ソフトウェア開発の振り返りで使われてきた手法として紹介されることが多く、現在は業種を問わず、チームの定例や個人の振り返りでも使われています(SHIFT ASIA)。
Keep・Problem・Tryの3つの意味
| 要素 | 意味 | 書くときの問い |
|---|---|---|
| Keep | 成果が出ていて、今後も続けたいこと | うまくいったことは何か。次も同じ形で続けたいことは何か |
| Problem | 解決したい課題・問題点 | 時間がかかったこと、つまずいたこと、直したいことは何か |
| Try | KeepとProblemを受けて、次に取り組むこと | 次の期間に、誰が何を試すか |
Problemだけを書き出す振り返りと違い、Keepを先に置くのがKPTの特徴です。うまくいったことを残してから課題に入るので、振り返りがダメ出しの場になりにくく、良かった点を次も続ける判断材料にできます。
KPTが使われる場面
KPTは、プロジェクトの終了時、毎週や毎月の定例会議の最後、トラブルが起きた直後など、仕事に区切りがついたタイミングで使われます(SHIFT ASIA)。スクラムでは、スプリントの最後にスプリントレトロスペクティブを行います。スクラムガイドは、その目的を「品質と効果を高める方法を計画すること」とし、スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発生したかを話し合って、最も役立つ変更を特定するとしています(スクラムガイド2020年版(日本語))。KPTは、この振り返りの場で使える進め方の1つです。
振り返りの材料が記憶頼みだと、KPTは空回りしやすい
KPTで最初に詰まりやすいのは、KeepとProblemの材料です。数週間前の作業を、メンバーの記憶だけで思い出すと、印象に残った出来事ばかりが並び、どの作業にどれだけ時間がかかったのかは見えません。厚生労働省の資料は、実行の段階で評価に使えるよう活動記録を残すこと、評価の段階では結果そのものよりも、なぜその結果になったのかという要因分析が重要であることを示しています。計画の段階では、必要となる工数(稼働時間)を見積もって、スケジュールに落とし込む手順も挙げています(厚生労働省「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」)。
KPTを案件やプロジェクトの振り返りに使うなら、予定の工数と実績の工数を並べて見られると、Problemを「忙しかった」ではなく「この工程が予定を超えた」と書けます。案件ごとの予定と実績を並べて振り返りたい場合の一例が、ZAC(株式会社オロ)です。商品ページでは、知的サービス業・プロジェクト型ビジネス向けのクラウドERPとして紹介され、プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理して個別原価計算を自動化できる点、勤怠管理と工数管理を一元化してプロジェクトや作業工程別の作業時間を集計できる点、予算計画立案から差異分析までのプロジェクト管理機能が挙げられています。一方で、詳しい料金やプランは問い合わせが必要で、導入完了までは最短で3ヶ月、平均で半年ほどかかるとされています。案件単位で原価まで見たい会社向けです。導入までに時間がかかるとされているため、数人のチームの振り返りだけが目的なら、規模が合わない場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

株式会社カヤック(アプリ・ゲーム開発業)の代表取締役CEOは、ZAC Enterprise導入後のメリットについて、導入事例の中で次のように話しています。
「これまで「多分こうなんじゃないかな」という直感で判断していたことに関して、データによる裏付けができるようになるので、直感的な判断にも確信が持てるようになると思います。」
出典:株式会社カヤック ZAC導入事例(株式会社オロ。インタビュー掲載時点の内容で、KPTの導入事例ではありません)
KPTのメリットとデメリット|向いている場面と注意点
KPTのメリットは、準備が少なく誰でも始められること、課題と次の行動が1回の振り返りで決まること、書き出す形式なので発言が苦手な人も意見を出せることです。デメリットは、Problemに偏りやすいことと、続けないと効果が薄いことです。
KPTのメリット
1つめは、課題を早く見つけて動けることです。Problemを具体的に書き出すと、漠然としていた課題が共通の言葉になり、Tryまでをその場で決められます。定期的に行えば、課題の見落としも減らせます(キーエンス)。
2つめは、コミュニケーションのきっかけになることです。意見を付箋に書いて貼り出す形なので、発言が得意でない人も意見を出しやすく、立場の違うメンバーの視点を集められます(SHIFT ASIA)。
3つめは、シンプルで汎用性が高いことです。3つの要素だけで構成され、特別な準備もいらないため、初めて振り返りを行うチームでも始めやすい手法です。個人の振り返りにも使えます(ラクスライトクラウド(blastengine))。
4つめは、改善の積み重ねを実感しやすいことです。前回のTryがうまくいけば次のKeepに、うまくいかなければ次のProblemに戻すので、少しずつ良くなっているかを確かめられます(SHIFT ASIA)。
KPTのデメリットと対処
| 注意点 | 起きること | 対処の例 |
|---|---|---|
| Keepが軽視される | Problemの話ばかりになり、雰囲気が重くなる | Keepを先に全員が書く。うまくいったことにも時間を割く |
| 振り返りと問題解決が混ざる | 解決策の議論に入り込み、振り返りの時間が足りなくなる | ファシリテーターを決め、先に原因まで、次にTryと順番を分ける |
| 続けないと効果が薄い | 1回きりで終わり、Tryが忘れられる | 開催日を決めて定例にする。前回のTryの確認から始める |
| Tryが抽象的 | 「もっと連携する」のように、実行したかどうかを確かめられない | 担当者・期限・確認方法をTryに付ける(後述) |
KPTだけで、複雑な課題の構造や、数か月単位の計画の進み具合まで扱えるわけではありません。大きな計画の進行管理にはPDCAなどを組み合わせ、KPTは短いサイクルの振り返りに使うと役割を分けられます。違いは後半の章で整理します。
KPTのやり方|準備の目安と6ステップ
KPTのやり方は、振り返りの対象とテーマを決め、Keep・Problemを書き出し、原因を掘り下げて、Tryを決めるという流れです。準備はホワイトボードと付箋、またはスプレッドシートで足ります。
始める前に決めておくこと
| 項目 | 目安 | 出典・補足 |
|---|---|---|
| タイミング | プロジェクトの終了時、毎週・毎月の決まった日、課題が出たとき | 定例として開催日を決めておくと、判断の手間が減る(SHIFT ASIA) |
| 所要時間 | 1時間程度。長くても1時間半ほど | 長いと集中が切れ、重要度の低い話が増える(SHIFT ASIA)。スクラムのレトロスペクティブは、1か月のスプリントで最大3時間(スクラムガイド2020年版(日本語)) |
| 参加人数 | 10名以下。5名前後が進めやすい | 解説によって3-8人程度とする例もあり、人数が多いときは小さなチームに分ける(SHIFT ASIA、ラクスライトクラウド(blastengine)) |
| 用意するもの | ホワイトボード、付箋、ペン。または同時に編集できるスプレッドシート | 集まれないときはオンラインのツールを使う(SHIFT ASIA) |
| 役割 | ファシリテーター(進行役)を1人決める | 議論の発散や時間超過を防ぐ(キーエンス) |
KPTの6ステップ
- テーマと対象期間を決める:「今月の定例会議の運営」「A案件の開発工程」のように、1回の振り返りで扱う範囲を絞り、事前に共有します
- フォーマットを用意する:ホワイトボードや紙を、Keep・Problem・Tryの3つの区画に分けます
- KeepとProblemを個別に書き出す:まず各自が付箋に書きます。細かいことでもかまいません。他の人の意見に反応するのは、全員が書き終えてからにします
- 書き出した内容を深掘りする:「なぜうまくいったのか」「なぜ起きたのか」を順にたどり、原因をそろえます。数が多いときは、重要なProblemから時間をかけます
- Tryを決める:原因に対して、次に誰が何をするかを「〇〇をする」の形で書きます。担当者と期限も付けます
- 実行して、次回に確認する:次の振り返りの最初に、前回のTryの結果を確認します。うまくいったものはKeepに、うまくいかなかったものはProblemに戻します
ステップ3から4にかけて、Keepを軽視しないことが大切です。Problemの原因をたどるのと同じ要領で、Keepについても「なぜうまくいったのか」を言葉にしておくと、再現できる形で次に残せます。
KPTの具体例|Keep・Problem・Tryの書き方
KPTの書き方の基本は、Keepは事実と理由、Problemは起きたことと影響、Tryは次の行動と担当・期限まで書くことです。以下は説明のための記入例で、実在の事例ではありません。
記入例(週次の定例会議を振り返る場合)
| 区分 | 記入例 |
|---|---|
| Keep | 会議の冒頭に5分、各自の進捗を共有する形にしたら、確認の連絡が減った |
| Problem | 議題が当日に追加されることが多く、重要な議題の時間が足りなかった。原因は、議題を集める締め切りがないこと |
| Try | 議題の提出締め切りを前日17時にする(担当:進行役、期限:次回の定例まで)。次回の最初に、締め切りに間に合った議題の割合を確認する |
記入例(プロジェクトを振り返る場合)
| 区分 | 記入例 |
|---|---|
| Keep | レビューを工程の途中に入れたことで、最終段階の手戻りが少なかった |
| Problem | テスト工程が予定より長引いた。見積もりのときに、仕様確認の時間を入れていなかった |
| Try | 見積もりのチェックリストに「仕様確認」を足す(担当:プロジェクトリーダー、期限:次の案件の見積もり前)。工程ごとの予定時間と実績時間を記録して、次の振り返りで比べる |
Tryは「実行したかどうか」を確かめられる形で書く
KPTが続かない大きな理由は、Tryが抽象的で、実行したのかどうかを誰も確かめられないことです。Tryは「〇〇をすること」と明確に書き、次の回で評価できる形にします(SHIFT ASIA)。
| よくある書き方 | 書き直しの例 | 足したもの |
|---|---|---|
| もっと連携を取る | 毎朝10分、前日の進捗と今日の予定を共有する | 頻度・時間・内容 |
| 見積もりの精度を上げる | 次の案件から、見積もりに「仕様確認」の工程を入れる | 対象・変える点 |
| レビューを徹底する | 毎週金曜に、その週の成果物のレビューを30分行う(担当:リーダー) | 担当・頻度 |
| 気をつける | 確認項目を5つにまとめ、提出前にチェックする | 行動に直した形 |
Tryの数も絞ります。多すぎると、どれも実行されないまま次の回を迎えます。重要度と手間を見て、次の期間で実行できる数に絞ってください。
KPTを続けるコツと、うまくいかないときの見直し方
KPTを続けるコツは、安心して意見を出せる場にすること、テーマを絞ること、前回のTryの確認から始めることの3つです。続かないときは、Tryの量と現実の作業量が合っていない場合が多くあります。
意見を出しやすい場をつくる
発言や議論がしやすい環境づくりでは、人の発言を否定しない、最後まで聞く、互いに質問を投げかけるといった基本を守ります(キーエンス)。書き出す段階では、本人が「言うまでもない」と思う些細なことが重要な場合もあるため、批判を避けて数を集めます(SHIFT ASIA)。意見が偏るときは、ファシリテーターが全員に均等に発言を求める、事前に匿名で意見を集めるといった工夫があります(ラクスライトクラウド(blastengine))。
形だけの振り返りにしない
繰り返すうちに、書く内容が毎回同じになり、形式的になることがあります。テーマを毎回変える、前回のTryの結果を確認して議論に使う、といった工夫で、実際の改善につなげられます(ラクスライトクラウド(blastengine))。作業時間を記録して、前後で比べて効果を確かめる考え方は、AI業務効率化の進め方|棚卸・適用・検証の3段階と効果の測り方の記事でも、効果検証の前提として整理しています。
Tryが実行されないときは、量と見積もりを見直す
厚生労働省の資料は、計画どおりに実行できない原因を、計画が十分に精査されていないことと整理し、目標も含めて現実的な計画に修正するよう示しています(厚生労働省「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」)。KPTのTryも同じで、実行できなかったときは、本人の意欲を責めるより、Tryの量や、必要な時間の見積もりが現実と合っていたかを見直します。そのためには、Tryにどれだけの作業時間を割けたのかが、記録として残っていると判断しやすくなります。
個人や少人数のチームで、作業時間を手軽に記録して、次の振り返りの材料にしたい場合の一例が、Kiroku(株式会社かなめ)です。商品ページでは、社員の勤務(タイムカード)と、プロジェクトの工数・予算の管理を1つのシステムで行えること、プロジェクト別・タスク別・ユーザー別にデータを抽出して一覧表示でき、CSVでも出力できるレポート機能、無料トライアルが用意されていることが紹介されています。注意点として、サービス連携やAPI利用の詳細は、問い合わせで確認する必要があると記されています。商品ページで紹介されているのは、勤務と工数・予算・経費の管理で、案件の原価計算や販売管理までを1つで扱う用途は紹介されていません。まず作業時間の記録から始めたい場合の選択肢です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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作業チェッカー|いまの振り返りの回し方を確かめる
次のチェックは、ここまでの内容を自分たちの振り返りに当てはめるためのものです。当てはまる数が少なければ、今のやり方のまま続けて問題ありません。
KPTの回し方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
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KPTとPDCA・YWT・スクラムの振り返りの違い
KPTは振り返りのためのフレームワークで、PDCAは業務改善を回す循環そのものです。YWTは学びの整理、スクラムのレトロスペクティブはチームの改善を話し合う場の名前で、KPTはその場で使う形式の1つになります。
| 名称 | 構成 | 向く場面 | KPTとの違い |
|---|---|---|---|
| KPT | Keep・Problem・Try | 業務やプロジェクトの短いサイクルの振り返り | 続けることと課題を分けて書き、次の行動まで決める |
| PDCA | Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善) | 目標を立て、実行して改善する業務改善の全体 | KPTは、PDCAのCheckとActionの場面で使える振り返りの形式 |
| YWT | Y(やったこと)・W(わかったこと)・T(次にやること) | 研修や勉強会、個人の学びの整理 | 課題の洗い出しより、経験からの学びの言語化が中心 |
| Start・Stop・Continue | 始めること・やめること・続けること | 取り組みの取捨選択を話し合う場 | Problemの代わりに、やめることを明示的に考える |
| スクラムのレトロスペクティブ | 目的と時間の枠はスクラムガイドが示し、進め方の形式は書かれていない | スプリントの最後の改善の話し合い | 場の名前。KPTは、その場で使える進め方の1つ |
YWTの構成はBOXIL、Start・Stop・Continueの構成はラクスライトクラウド(blastengine)の解説による一般的な整理です。
KPTとPDCAの違い
PDCAは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の循環を繰り返して、業務の改善や効率化を図る手法です。厚生労働省の資料は、Checkでは評価そのものよりも、なぜそのような結果になったかという要因分析が重要で、Actionでは、うまくいった点も記録しておくことが大切だとしています(厚生労働省「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」)。
この説明は、KPTにそのまま重なります。Keepは「うまくいった点を記録して続ける」、Problemと深掘りは「要因分析」、Tryは「次の計画に反映する改善案」にあたります。PDCAで計画から回すとき、Check・Actionの場面でKPTを使い、決めたTryを次のPlanにする、という使い分けができます。
KPT分析とは
KPT分析は、KPTの手順でKeepとProblemを書き出し、原因を掘り下げて、Tryに落とし込む一連の振り返りを指して使われる言い方です。KPTとKPT法も、同じ手法を指します。特別な計算や分析ツールが必要な手法ではなく、書き出した内容を分類し、原因をたどることが「分析」にあたります。
KPTのテンプレートとツールの選び方
KPTのテンプレートは、Keep・Problem・Tryの3つの区画と、Tryの担当・期限・確認日の欄があれば足ります。ツールは、対面ならホワイトボードと付箋、離れた場所ならスプレッドシートやオンラインホワイトボードを選びます。
スプレッドシートで使える列の例
| 列 | 書く内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 日付・テーマ・参加者 | 振り返りの対象と日付 | 次回に前回分を探しやすくする |
| Keep | 続けたいことと、その理由 | 1行に1つ |
| Problem | 起きたこと、影響、原因 | できるだけ事実で書く |
| Try | 次に行うこと | 「〇〇をする」の形で |
| 担当・期限 | Tryを行う人と日付 | 空欄のままにしない |
| 確認日・結果 | 次の回で確認した結果 | できた、一部できた、できなかった、の3段階でもよい |
この表を1枚のシートに回ごとに追記していくと、Tryの結果が次の回のKeepやProblemにつながります。回数が増えるほど、過去のTryの履歴が残り、同じ課題が繰り返されていないかを確かめられます。
方法ごとの向き不向き
| 方法 | 向く場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| ホワイトボードと付箋 | 同じ場所に集まれるチーム。意見を一覧で見たいとき | 記録は写真などで残す必要がある |
| スプレッドシート | 離れた場所の同時編集。Try履歴を残したいとき | 書式を決めないと、回ごとに見づらくなる |
| オンラインホワイトボード(Miroなど) | 付箋を使う形を、離れた場所で再現したいとき | ツールの操作に慣れる時間が必要 |
| かんばん形式のタスク管理(Trelloなど) | Tryをカードにして、進み具合を管理したいとき | 振り返りの議論そのものは別の場で行う |
SHIFT ASIAは、KPTはできるだけ対面で、ホワイトボードと付箋で行うのが望ましいとし、集まれない場合はオンラインのツールを使うと整理しています。Miroは複数人で共有・編集できるオンラインホワイトボード、Trelloはタスクをカードで管理するツールとして紹介されています(SHIFT ASIA)。Trelloの公式ページはこちらです。ツールは目的ではなく、Tryを書いて、確認するまでを続けるための手段です。
KPTの結果を数字で確かめる|Tryの追跡と工数・予実の記録
KPTの結果を数字で確かめるとは、Tryに担当と期限を付けて追跡し、作業時間(工数)の予定と実績を記録して、次の振り返りで見比べることです。Keep・Problemが事実に基づくようになり、Tryの効果も確かめやすくなります。
Tryを台帳で追跡し、前回の結果から始める
前の章のシートに、Tryの担当・期限・結果の欄を作り、次回の最初に結果を確認します。うまくいった行はKeepに移し、うまくいかなかった行は原因を書いてProblemに戻します。この確認を省くと、KPTは「書いて終わり」になります。振り返りの頻度と場を階層ごとに決めて、改善サイクルを形だけで終わらせない考え方は、DXのステップとは?3段階・4段階の違いと進め方、役割分担を解説の記事のステップ6でも整理しています。
工数と予実を見るツールの選び方
Tryの効果を「時間が減ったか」「予定と実績の差が縮んだか」で確かめたい場合は、作業時間や案件ごとの予定と実績を記録できる仕組みが必要です。表計算でも始められますが、案件が増えると集計に手間がかかります。この記事で取り上げた3つのサービスについて、商品ページ(2026年10月20日確認)の内容で整理すると、次のとおりです。
| サービス | 商品ページでの位置づけ | 向いている状況 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| ZAC(株式会社オロ) | プロジェクト型ビジネスに最適化されたクラウドERP | 案件ごとの原価と工数を、予定と実績で管理したい企業 | 詳しい料金やプランは問い合わせが必要。導入完了までは最短で3ヶ月、平均で半年ほど |
| Kiroku(株式会社かなめ) | 勤務管理とプロジェクト管理ができる工数管理システム | 使いやすさを重視する方や、記録データを活用したい方 | サービス連携やAPI利用の詳細は問い合わせで確認 |
| MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ) | 予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるERPシステム | 自社に合った柔軟なプロジェクト管理を実現したい企業 | 工数管理に特化しており、工程管理には対応していない可能性がある |
どれが良いかは、見たい数字の粒度で変わります。作業時間の記録だけなら、シンプルなツールで足ります。案件ごとの原価や収支まで見たいなら、ERP型を検討します。
プロジェクトの予実や収支を、自社の管理項目に合わせて見たい場合の一例が、MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)です。商品ページでは、予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるオールラウンドなERPシステムとして紹介され、導入前から導入後までのフルサポート体制、クラウドでありながら標準機能へのカスタマイズが柔軟で、分析設定に独自の項目を追加できる点が挙げられています。注意点として、工数管理に特化しているため、工程管理には対応していない可能性があると記されています。KPTの振り返りで見たい切り口が、会社ごとに決まっている場合に確認したいサービスです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社ビーブレイクシステムズ
MA-EYES
株式会社ビーブレイクシステムズ
MA-EYES
自社に合った柔軟なプロジェクト管理を実現したい方におすすめ

おすすめ!
- 予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるオールラウンドなERPシステム
- 導入前から導入後まで充実したフルサポート体制を完備
- クラウドでありながら標準機能へのカスタマイズも柔軟で、分析設定にも独自の項目追加が可能
気になる…
- 工数管理に特化しているため、工程管理には対応していなそう
小さく始める判断のしかた
- 作業時間を記録する習慣がまだない:まず表計算か、Kirokuのような記録に絞ったツールで1か月ほど試す
- 案件ごとの予定と実績の差が、Problemによく出てくる:ZACのような、案件単位の原価と工数を扱うサービスの資料を確認する
- 見たい切り口(部門、顧客、工程など)が会社ごとに決まっている:MA-EYESのように、分析の項目を柔軟に設定できるサービスの資料を確認する
- 今のやり方で振り返りが回っている:記録の仕組みを足さず、KPTのシートを続ける
案件ごとの工数・原価を、自社の項目に合わせた分析で見たい場合は、MA-EYESの資料で、対応できる範囲や導入の進め方を確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. KPTとは何ですか?
A. Keep(良かったので続けること)、Problem(問題点)、Try(次に取り組むこと)の3つに分けて仕事やプロジェクトを振り返り、次の行動を決めるフレームワークです。付箋とホワイトボード、またはスプレッドシートがあれば、短い時間で実施できます。Problemだけでなく、うまくいったKeepも残す点が特徴です。
Q2. KPTは何の略で、どう読みますか?
A. Keep・Problem・Tryの頭文字をとった略称です。読み方は「ケーピーティー」または「ケプト」で、KPT法と呼ばれることもあります。キーエンスやSHIFT ASIAの解説でも、この2つの読み方が紹介されています。
Q3. PDCAとKPTの違いは何ですか?
A. PDCAは、計画・実行・評価・改善の循環を回して業務を改善する手法の全体で、KPTは、その評価と改善の場面で使える振り返りの形式です。KPTのKeepは「うまくいった点の記録」、Problemは「要因分析」、Tryは「次の計画に反映する改善案」にあたります。厚生労働省の資料も、評価では要因分析が重要で、うまくいった点も記録するとしています。
Q4. KPT分析とは何ですか?
A. KPTの手順でKeepとProblemを書き出し、原因を掘り下げて、Tryに落とし込む一連の振り返りを指して使われる言い方です。特別な計算が必要な手法ではなく、書き出した内容を整理して原因をたどる作業が分析にあたります。
Q5. KPTは、どのくらいの頻度と時間で行えばよいですか?
A. プロジェクトの終了時や、毎週・毎月の決まった日に定例として行うのが一般的です。SHIFT ASIAの解説では、1時間程度、長くても1時間半ほどが目安とされています。スクラムガイドでは、レトロスペクティブは1か月のスプリントで最大3時間とされています。チームの規模や対象の大きさに合わせて決めてください。
Q6. 意見が出ないときや、Tryが実行されないときはどうすればよいですか?
A. 意見が出ないときは、まず各自が付箋に書き出し、人の意見を否定しない約束を決めます。Tryが実行されないときは、Tryの量が多すぎないか、担当者と期限があるか、必要な作業時間の見積もりが現実と合っているかを見直します。次の回の最初に前回のTryを確認する流れを、定例に組み込むのも有効です。
まとめ:KPTで押さえたい5つのこと
- KPTは、Keep(続けること)・Problem(問題点)・Try(次に試すこと)の3つで振り返り、次の行動を決めるフレームワークである
- 進め方は、テーマを決め、KeepとProblemを個別に書き出し、原因を掘り下げ、Tryを決め、次回に確認する6ステップである
- Tryは「〇〇をする」の形で、担当者と期限を付け、次の回の最初に結果を確認する
- PDCAの中では、KPTはCheckとActionの場面で使える。Keepは続ける記録、Problemは要因分析、Tryは次の計画になる
- 振り返りの材料を記憶に頼っているなら、作業時間や案件の工数・予実を記録する仕組みを検討し、ZAC・Kiroku・MA-EYESなどの資料を取り寄せて、自社に合うかを確認する
KPTは、書き方よりも、続けて、前回のTryを確認することで効果が出る手法です。まずは次の定例の最後の30分から、小さく始めてみてください。
参考文献
- スクラムガイド2020年版(日本語) https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf
- 厚生労働省「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」 https://www.mhlw.go.jp/content/000812225.pdf
- SHIFT ASIA「振り返りのフレームワーク「KPT法」とは|そのメリットや進め方、実施のポイントについて」 https://shiftasia.com/ja/column/kpt%E3%81%A8%E3%81%AF/
- キーエンス「【いまさら聞けない】KPT法の基礎からプロの活用術まで」 https://www.keyence.co.jp/ss/general/manufacture-tips/kpt.jsp
- ラクスライトクラウド(blastengine)「KPTとは?振り返りの方法と効果を高める3つの実践ポイント」 https://blastengine.jp/blog_content/kpt/
- BOXIL「KPTとは?振り返りのフレームワークの進め方や成功のコツ、活用シーン」 https://boxil.jp/mag/a7047/
- 株式会社オロ「株式会社カヤック ZAC導入事例」 https://www.oro.com/zac/casestudy/kayac.html
- Trello(日本語公式ページ) https://trello.com/ja
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