DMCAとは?申請の流れと、虚偽通告・悪用されたときの対処法
Check!
- DMCAは米国法だが日本のサイトにも関わる
- 通知から復元までの流れと必要な要素を整理
- 身に覚えのない通知は反対通知を検討する
DMCAとは、1998年10月28日に米国で署名されたDigital Millennium Copyright Act(デジタルミレニアム著作権法)のことです。ネット上の著作権侵害に備え、権利者の通知を受けたサービス事業者が対象のコンテンツを速やかに削除すれば、事業者の賠償責任が一定の条件で免除される仕組みを含んでいます。米国の法律ですが、Googleは著作権侵害の通知にDMCAに準じて応じる方針を示しており、日本語のページや日本の事業者のコンテンツも、通知を通じて削除や検索結果からの除外の対象になりえます。本記事では、意味、通知から反対通知までの流れ、Googleへの申請手順、虚偽通告への対処、日本の法律との違い、社内の備えを、条文と公的資料に沿って整理します。
DMCAの悩みから、社内教育の仕組みづくりの一例を診断
Q1. いま気になっているのは、どちらですか?
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DMCAとは?米国の著作権法と、日本のサイトにも関わる理由
DMCAとは、1998年10月28日に署名された米国の著作権法で、ネット上の侵害への対応と、サービス事業者が責任を免れる条件を定めたものです。正式名称のDigital Millennium Copyright Actを日本語にしたのが「デジタルミレニアム著作権法」です。
米国著作権局の概要資料によると、この法律は全5編で、ネット上の侵害対応に関わるのは第2編の「Online Copyright Infringement Liability Limitation Act」です。オンラインサービス事業者が著作権侵害の責任を負わなくてよい条件を定めています(米国著作権局「The Digital Millennium Copyright Act of 1998 Summary」)。一般に「DMCA申請」と言うときは、この第2編の通知と削除の手続きを指します。
「DMCA」という言葉の主な使われ方
同じ「DMCA」でも、文脈によって指すものが違います。
| 使われ方 | 指しているもの | 補足 |
|---|---|---|
| 法律そのもの | 米国のデジタルミレニアム著作権法(1998年署名) | 法律全体の名前 |
| DMCA申請・DMCA通報 | 権利者が事業者に出す、削除を求める通知 | 法律上の用語は「通知」 |
| DMCA攻撃・DMCA砲 | 侵害がないのに、競合などの記事を消す目的で出す虚偽の通知 | 通称で、法律上の用語ではない |
| DMCAレポート | 通知や、通知に関するデータの報告 | 公的に定義された用語は確認できていない |
米国の法律なのに、日本のページが対象になる理由
DMCAは米国の法律で、日本の法律ではありません。それでも日本のサイトが関わるのは、Googleのような米国企業のサービスが、通知に応じる方針をとっているためです。Googleの法務ヘルプは、著作権侵害の通知についてデジタル ミレニアム著作権法に準じて応じることをポリシーとしていると説明しています(Google「法的な理由でコンテンツを報告する」)。Googleの検索結果から対象のURLが除外されれば、日本語のページでも検索からの流入に影響します。
対応が担当者任せだと起きること|eラーニング3サービスの役割の違い
DMCAの通知は、無断転載された自社のコンテンツを守るために申請する側にも、自社が使った素材について通知を受ける側にもなりえます。サイトやSNSの公開担当者が複数いる会社では、他者の素材の扱いや、通知が届いた時の確認の順番が人によって違いがちで、知らないうちに他者の素材を使ったり、通知への対応が遅れたりします。DMCAそのものを教えるサービスではありませんが、社内のルールを教材にして全員に同じ内容で届け、受講状況を確認する手段として、資料請求ができるeラーニング3サービスの役割の違いを、優劣ではなく向いている状況の違いとして次の表にまとめました。
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|
|---|---|---|---|
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| 特徴 | 属人化を防いで、いつでも何回でも学べる環境をつくる。自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理ができる | 不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能と、実践的な内容のコンテンツを用意。ユーザー管理でカテゴリーやグループを紐づけられる | コンプライアンスに特化。ダッシュボードや自動リマインダーで管理工数を抑える。初期費用なし |
| 注意したい点 | 電話・メール相談や教育プログラム設計などの手厚いサポートは「充実サポートプラン」のみ | 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱い | 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認する |
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どのサービスにも、DMCAや著作権を専門に扱うコースがあるとは、商品ページや公式サイトでは確認できていません。使いどころは、自社で決めたルールや手順を全員に同じ形で届けて、受講状況を確認することです。まず、社員教育全般に悩む会社向けとされるSmart Boardingから見ていきます。
サイトやSNSの運用ルール(他者の素材の使い方、通知が届いた時の連絡先)が担当者ごとにばらつく場合の一例が、株式会社FCEが提供するSmart Boardingです。内定者・新人教育からリーダー・管理職の育成まで幅広い場面で使え、自社オリジナルのコースを作成したり、学習の進捗を管理したりできる点が特徴です。一方で、電話やメールでの相談、教育プログラムの設計といった手厚いサポートは「充実サポートプラン」のみが対象です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!
今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。
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Smart Boarding 導入事例(株式会社ミツハシ。導入前の課題として掲載) 出典:導入事例ページ
DMCAの仕組み|通知と削除(ノーティスアンドテイクダウン)の流れ
DMCAの通知と削除とは、権利者の通知を受けたサービス事業者が対象を速やかに削除し、発信者から反対通知があれば一定期間後に復元する仕組みです。英語ではnotice and takedown(ノーティスアンドテイクダウン)と呼ばれ、米国著作権法512条に定められています。
通知から復元までの流れ
米国著作権局の512条の解説と条文をもとに、流れを整理します。条文のうち、事業者が責任の免除(セーフハーバー)を受けるための条件が、通知への迅速な対応です。条文は、通知を受けた事業者が、侵害を主張された資料を速やかに削除するか、アクセスを無効にすることを求めています(512条(c)(1)(C))。
| 段階 | 主な動き | 根拠 |
|---|---|---|
| 1. 通知 | 権利者または代理人が、事業者の指定代理人(designated agent)に、書面で侵害を通知する | 512条(c)(3) |
| 2. 削除 | 事業者は、対象の資料を速やかに削除するか、アクセスを無効にする | 512条(c)(1)(C) |
| 3. 反対通知 | 資料を削除された利用者が、誤りや誤認による削除だと考えるとき、事業者に反対通知を出す | 512条(g)(3) |
| 4. 復元 | 事業者は反対通知の写しを権利者に送り、受領から10営業日以上14営業日以内に資料を復元する | 512条(g)(2)(B)(C) |
| 5. 訴訟 | 復元の前に、権利者が利用者への訴訟を起こしたと事業者の指定代理人に通知した場合、復元されない | 512条(g)(2)(C) |
出典:米国著作権局「Section 512 of Title 17」、Cornell Law School「17 U.S. Code 512」。復元までの期間は条文上の定めで、実際のサービスの運用や画面は異なることがあるため、通知を受けた場合は各サービスの案内を確認してください。
通知に必要な6つの要素
権利者が出す通知には、条文上、次の要素を含める必要があります(512条(c)(3)(A))。申請フォームの入力欄や宣誓の文言は、この要素に沿って作られています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 署名 | 権利者または権限を持つ代理人の、物理的または電子的な署名 |
| 侵害された著作物の特定 | 侵害されたとする著作物を特定する情報。1つのサイトに複数ある場合は代表的な一覧でもよい |
| 侵害している資料の特定 | 削除してほしい資料と、その場所を事業者が特定できるだけの情報(URLなど) |
| 連絡先 | 通知する権利者または代理人の連絡先情報 |
| 善意の陳述 | 対象の利用が、権利者・代理人・法律のいずれによっても許されていないと、善意で信じているという陳述 |
| 正確性と権限の宣誓 | 通知の内容が正確であり、偽証罪の罰を受けることを前提に、権利者を代理する権限があるという宣誓 |
要件を実質的に満たしていない通知は、事業者が侵害を知っていたかどうかの判断では、原則として考慮されません。ただし、重要な要件は満たしているのに他の要件が不足している場合は、事業者が通知者に連絡するなどの合理的な措置をとるよう求められています。
虚偽の通知・誤った反対通知への責任
512条(f)は、侵害があると、または誤って削除されたと、故意に重大な虚偽の表示をした人は、その表示を信頼した事業者などが負った損害、費用、弁護士費用について賠償責任を負うと定めています。通知を出す側も、反対通知を出す側も、内容が正確であることが前提です。
事業者側に求められる条件
- 指定代理人を米国著作権局に登録すること。登録はオンラインの名簿(DMCA Designated Agent Directory)で公開され、登録から3年で失効するとされているため、更新が必要です
- 繰り返し侵害を行う利用者のアカウントを、適切な場合に終了させる方針を採用し、合理的に実施すること(512条(i)(1)(A))。この条件を満たさない事業者は、512条の責任の制限を受けられません
なお、本記事は米国法の一般的な内容を整理したもので、法的助言ではありません。個別の事案は、弁護士など専門家に相談してください。
DMCAの申請方法|Google検索への申請手順と準備するもの
DMCAの申請は、著作権者または代理人が、Googleの報告フォームで侵害の内容とURLを入力し、宣誓と署名をして送信する流れが基本です。画面の文言や順序は変わることがあるため、最新の手順はGoogleの公式ページで確認してください。
申請できる人と、事前に集めておく情報
Googleの報告フォームでは、最初に、報告するコンテンツが表示されているGoogleのサービス(Google検索、YouTubeなど)を選びます。サービスごとにレポートを個別に送る必要があります。次に報告の理由を選び、著作権の場合は、著作権者本人か、権利者から正式に代理を許諾されているかを答えます(Google「Google 上のコンテンツを報告」)。入力の手間を減らすため、次の情報を先に集めておきます。
| 準備するもの | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 申請者の立場 | 著作権者本人か、代理人か | 代理人の場合は、権利者の名前も入力する |
| 自分の著作物 | 元のコンテンツのURLや、作成した記録 | 作成日時や編集履歴が分かるものを手元に残す |
| 侵害しているページ | 無断で使われているページのURL(複数可) | トップページではなく、該当ページのURLを正確に控える |
| 連絡先 | 氏名、会社名、メールアドレス、国・地域 | 申請内容は公開される場合がある(後述) |
| 宣誓の内容の理解 | 内容が正確であること、虚偽の場合は責任を問われうること | 512条(f)の責任を理解してから署名する |
Googleへの申請の流れ(5つのステップ)
複数の解説記事(Tayori、ミエルカなど)が紹介している流れは、次の5つのステップです。
- 報告ページにアクセスし、対象のサービス(Google検索など)と、法律上の理由(著作権)を選ぶ
- 氏名、会社名、メールアドレス、国・地域などの連絡先を入力する。代理人の場合は権利者の名前も入力する
- 侵害されている著作物の内容と、正規に掲載している元のURLを書く。侵害しているページのURLも入力する
- 宣誓(内容が正確であり、虚偽でないこと)の文言を読み、チェックを入れる
- 日付を選び、氏名を入力して署名し、送信する
テキストのコンテンツの場合、動画向けの設問には「いいえ」と答える形になると、アイティベルは説明しています。画面は変更されることがあるため、迷う項目は、Googleのヘルプの案内に従ってください。
申請の内容はLumenで公開される場合がある
Googleが受け取った個々の法的通知は、Lumenプロジェクトに送られて公開される場合があります。Lumenは、送信者の電話番号、メールアドレス、住所などの個人の連絡先を削除すると、Googleは説明しています(Google「法的な理由でコンテンツを報告する」)。Lumenは、ハーバード・ロースクール図書館に置かれた研究プロジェクトで、削除要請の通知を集めて分析しています(Lumen「About」)。
つまり、入力した著作物の説明や、侵害を主張したURLが、他人の目に触れる可能性があります。会社として申請する場合は、公開されてよい内容かを、申請前に社内で確認しておきます。
Google以外のサービスの場合
Googleのほかにも、X(旧Twitter)にはDMCAの報告ページ(X「DMCA」)があります。YouTubeなど、サービスごとに案内が違うため、侵害が見つかったサービスごとに、公式の手順を確認します。Googleのヘルプにあるとおり、同じコンテンツがGoogleの複数のサービスに出ている場合も、サービスごとの報告が必要です。
申請の前に確認したいこと
申請する側も、相手の利用が許される範囲に当たらないかを確認しておきます。日本の著作権法32条は、公表された著作物は、公正な慣行に合致し、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行う場合は、引用して利用できると定めています(e-Gov法令検索「著作権法」)。米国法にはフェアユースの考え方もあり、こうした利用に当たる場合は、通知が誤りと判断される余地があります。引用の要件は、引用とは?著作権法の5要件・転載との違いの記事で整理しています。
DMCAの通知が届いたら|確認の順番と反対通知の出し方
DMCAの削除通知が届いたら、まず通知の対象URLと申立人を確認し、侵害のおそれがあれば修正や削除を、身に覚えがなければ反対通知を検討します。慌てて削除したり、確認せずに反対通知を出したりすると、自社の立場が悪くなることがあります。
届いたらまず確認する4つのこと
- 通知の送り元と内容が、サービス事業者の正規のものか。Googleの場合は、「DMCAに基づくGoogle検索からの削除のお知らせ」という件名のメールが届くと、複数の解説記事が紹介しています(ミエルカ、N-WORKS)。メール内のリンクを開く前に、公式の管理画面などからも通知を確認します
- 対象となっているURLと、申立人が主張している著作物は何か
- 自社が作った文章・画像か、他者の素材を使った部分か。引用や許諾で使った場合は、その根拠(契約書、素材サイトの利用規約、引用元の記録)が手元にあるか
- 対応の期限や、事業者が案内している手続きの有無
状況別の対応の目安
| 状況 | 対応の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 他者の素材を許可なく使っていた | 該当部分を削除または差し替える。許諾が得られるなら取得する | 削除したあとも、同じ素材を使っていないか、ほかのページも確認する |
| 引用・許諾済みなど、正当な利用だと考える | 根拠をそろえて、反対通知を検討する | 反対通知は偽証罪の宣誓を前提にするため、根拠が弱いまま出さない |
| 自社が作ったオリジナルで、身に覚えがない | 作成記録を確認し、反対通知を検討する | 虚偽の通告の可能性もある。事実だけを落ち着いて書く |
| 判断がつかない | 弁護士などの専門家に相談する | 期限や手続きは事業者の案内を確認する |
反対通知に必要な4つの要素
条文上、反対通知には次の要素を含める必要があります(512条(g)(3))。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 署名 | 利用者の物理的または電子的な署名 |
| 削除された資料の特定 | 削除された、またはアクセスが無効にされた資料と、削除前にあった場所 |
| 誤りや誤認だという陳述 | 資料が誤りまたは誤認で削除されたと、善意で信じているという、偽証罪の罰を前提とした陳述 |
| 氏名・住所・電話番号と、管轄への同意 | 利用者の氏名・住所・電話番号と、連邦地方裁判所の管轄への同意、通知者からの送達を受けることへの同意 |
出典:Cornell Law School「17 U.S. Code 512」。連邦地方裁判所の管轄への同意が求められる点は、日本の事業者にとって負担になりえます。反対通知を出す前に、専門家に相談することを勧めます。なお、本記事は法的助言ではありません。
Googleの場合は、通知メールに記載された手続きから異議申し立てを行う形が、解説記事で紹介されています。理由は感情を交えず事実のみを書くのがよいと、レピュ研は説明しています。復元までの期間は条文上10営業日以上14営業日以内ですが、実際の運用は事業者の案内を確認してください。
通知への対応手順を、担当者が変わっても同じにする
通知への対応は、確認する人、判断する人、期限が決まっていないと、通知の見落としや対応の遅れにつながります。手順書にしても、読まれたか、理解されたかは分かりません。手順を教材にして、受講状況を確認する方法もあります。
手順を教材にして共有したい場合の一例が、株式会社イー・コミュニケーションズが提供するSAKU-SAKU Testingです。商品ページでは、不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数搭載していること、あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意していること、ユーザー管理機能でカテゴリーやグループを紐づけられることが紹介されています。一方で、事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いです。自社の通知対応の手順をどこまで教材にできるかは、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社イー・コミュニケーションズ
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初心者にも◎受講者の管理をスムーズに行いたい方におすすめ
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- あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意
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- 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる
SAKU-SAKU Testing
通知が来た時の確認の順番が、担当者の頭の中にしかなくありませんか?
こんな会社に向いています
対応手順を、自社の教材として手軽に作りたい会社
担当者をグループ分けして、受講状況を管理したい会社
DMCAの悪用・虚偽通告とは|DMCA攻撃の手口と備え
DMCAの悪用とは、著作権の侵害がないのに削除通知を出し、競合や不都合な記事を検索結果などから消そうとする行為を指して使われる言葉です。「DMCA攻撃」「DMCA砲」とも呼ばれます。
なぜ虚偽の通知でも削除されてしまうのか
事業者は、通知を受けると、侵害の有無を審査する前に、対象を速やかに削除する仕組みになっています。先ほど見たとおり、条文が事業者に求めているのは、通知への迅速な対応(512条(c)(1)(C))です。ミエルカは、通知を受けた事業者は速やかに削除し、侵害の審査は行わないと説明しています(ミエルカ)。そのため、侵害がなくても、いったんは削除される可能性があります。
レピュ研は、悪用の主な目的を、情報隠し、競合による順位の引き下げ、嫌がらせとし、申請件数が膨大で、審査を精密に行うことが難しいのではないかと指摘しています(レピュ研「DMCAの悪用に有効な対策とは?」)。アイティベルは、虚偽の申し立てでコンテンツが無効化され、SEOの価値が一時的になくなる「DMCA攻撃」が報告されていると紹介しています(アイティベル)。
検索流入や事業への影響
- 対象のURLが検索結果から除外されると、そのページからの流入がなくなる
- ページが商品の説明や問い合わせの入り口になっている場合、売上や問い合わせにも影響する
- SNSでは、投稿の削除やアカウントの制限につながることがある(各サービスの規約と運用による)
悪用に備える5つのこと
| 備え | 内容 | 参考 |
|---|---|---|
| 通知を受け取れる状態にする | Google Search Consoleに登録し、削除申請の通知を受け取れるようにする。宛先は1人に限らず、複数人で共有する | レピュ研、Boxil(登録) |
| 作成の証拠を残す | 作成日時や編集履歴を記録し、タイムスタンプのサービスの利用も検討する | アイティベル |
| 無断利用を見つける | Googleアラートや重複検出のツールで、自社の文章の無断利用を検知する | アイティベル |
| 他者の素材を使う時の条件を決める | 引用のルールや素材の利用条件の確認を、公開前のチェック項目にする | アイティベル(制作と法務の連携) |
| 対応の手順を決める | 通知が来た時に、誰が確認し、誰が判断し、いつまでに対応するかを決めておく | 本記事の整理 |
Boxilの解説は、事前にGoogle Search Consoleに登録しておくと、新しいDMCAの申請をメールで受け取れると説明しています(Boxil「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは?削除申請方法と悪用への対処」)。
虚偽通告をされた側が取れる手段
まず、前の章の反対通知です。そのうえで、虚偽の通知を出した側には、512条(f)により損害賠償などの責任が生じる可能性があります。日本で、虚偽の申請による被害をどう扱うかは、事案によって異なります。レピュ研は、損害が生じた場合に業務妨害や損害賠償を請求できる可能性があるという弁護士の見解を紹介し、ネットトラブルに強い弁護士への相談を勧めています。なお、本記事は法的助言ではありません。
DMCAと日本の法律の違い|情報流通プラットフォーム対処法との比較
DMCAは米国の法律で、日本では著作権法と、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)が、権利侵害への対応を定めています。手続きの順番が違う点が、いちばん大きな違いです。
| 観点 | DMCA(米国) | 日本(情報流通プラットフォーム対処法) |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 米国著作権法512条 | 情報流通プラットフォーム対処法(2025年4月1日施行の改正で、旧「プロバイダ責任制限法」から改称) |
| 対象 | 著作権の侵害 | 著作権のほか、名誉毀損やプライバシー侵害など、他人の権利の侵害 |
| 事業者の責任 | 通知に速やかに対応するなどの条件を満たせば、責任の制限を受けられる | 権利侵害を知っていた場合などでなければ、賠償責任を負わない(3条1項) |
| 発信者への確認 | 先に削除し、発信者が反対通知を出せば、10営業日以上14営業日以内に復元する | 申出を受けた事業者が発信者に同意するかを照会し、照会から7日を経過しても同意しない旨の申出がなければ、削除しても発信者への賠償責任を負わない(3条2項2号) |
| 事業者に求められること | 指定代理人の登録、繰り返し侵害者への方針など | 削除申出の窓口・手続の整備と公表、運用状況の透明化など(大規模特定電気通信役務提供者が対象) |
出典:e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」、総務省「令和7年版 情報通信白書」。
大規模なプラットフォーム事業者への義務
2025年4月1日に施行された改正により、一定規模以上のプラットフォーム事業者には、削除申出への対応の体制整備と、運用状況の透明化に関する義務が定められました。総務省は、大規模特定電気通信役務提供者として、Google LLC(YouTube)、LINEヤフー、Meta Platforms(Facebook、Instagram、Threads)、TikTok、X Corp.などが指定されたと公表しています(総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応」)。
日本の著作権者が使える手段
日本の著作権法112条1項は、著作権者などは、著作権を侵害する者または侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止または予防を請求できると定めています(e-Gov法令検索「著作権法」)。また、情報流通プラットフォーム対処法は、事業者の責任の制限と並んで、発信者情報の開示を請求する権利についても定めています(同法1条)。DMCAの通知は、あくまでも米国法にもとづく、事業者に対する手続きのひとつです。どの手段が適切かは、侵害の相手や場所によって変わるため、専門家に相談してください。なお、本記事は法的助言ではありません。
著作権トラブルに備える社内ルールと教育|公開担当者が知っておくこと
DMCAへの備えは、自社の著作物の証拠を残すこと、他者の素材を使う条件を決めること、通知の受け口と対応手順を決めることの3点から始められます。どれも、個人の注意力ではなく、社内のルールと教育で支える内容です。
最初の3つの備え
| 備え | やること | 決めておく人・場所 |
|---|---|---|
| 自社の著作物の証拠 | 文章・画像の元データ、作成日時、編集履歴を保存する | 公開担当者と、保管先のルール |
| 他者の素材の使い方 | 引用の条件(公正な慣行、正当な範囲)と、素材サイトの利用規約の確認を、公開前のチェックに入れる | 公開前の確認者 |
| 通知の受け口と手順 | 通知メールの宛先を複数人にし、確認する人、判断する人、期限を決める | 宛先のメーリングリストと、判断者 |
AIで生成した画像や文章を使う場合の著作権の考え方は、AIの著作権|生成AI時代の権利と実務対応で整理しています。引用の要件は、先に紹介した引用とは?著作権法の5要件の記事も参考にしてください。
ルールを全員に同じ内容で届ける
ルールを決めても、公開に関わる全員が同じ内容を知らなければ、運用はそろいません。担当者が口頭で説明すると、説明が変わったり、忙しさから後回しになったりします。全員に同じ内容を、期限つきで受講してもらい、進み具合を管理者が確認できる形にしておくと、通知への対応や素材の扱いが、担当者の経験に左右されにくくなります。
その一例が、株式会社Oysterが提供するOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンスに特化したeラーニングで、公式サイトでは、各種法令、労務・ハラスメント、情報セキュリティ領域の研修をeラーニングで実施できるとされています。ダッシュボードで各コースの受講進捗をまとめて確認でき、コースの期限前・期限後には自動でリマインダーを送れます。商品ページでは、管理工数を最小化できる点が特徴として挙げられています。一方で、費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認する必要があります。公式サイトのコンテンツには提供準備中のものも含まれ、著作権を専門に扱うコースがあるかは公式サイトでは確認できていません。必要なコースがいま使えるかは、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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コンプライアンスに特化!上場準備中/IPO準備中、上場企業、大手グループ会社、監査法人、金融機関/フィンテック、中堅/中小企業の方に特におすすめ

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社内に法務専任担当や教育専任担当がおらず、社内のみでの実施が困難
OneCompliance 導入事例(株式会社プリメディカ。導入の背景・課題として掲載) 出典:導入事例ページ
研修全体の選び方や費用の考え方は、企業研修の選び方の記事で、eラーニングの種類はeラーニングシステム(LMS)の比較記事でも整理しています。
DMCA・著作権トラブルへの備えセルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
チェックの結果が少なければ、今のやり方で足りている可能性があります。多い場合は、ルールの作成と、全員への周知を分けて考えると、進めやすくなります。
著作権まわりの社内ルールを、全員に同じ内容で届けるeラーニングを比べる
3サービスの資料をまとめてダウンロードよくある質問(FAQ)
Q1. DMCAとはどういう意味ですか?
A. DMCAは、Digital Millennium Copyright Actの略で、日本語ではデジタルミレニアム著作権法といいます。1998年10月28日に米国で署名された著作権法で、ネット上の著作権侵害に対し、権利者の通知を受けたサービス事業者が速やかに削除するなどの条件を満たせば、事業者が責任の制限を受けられる仕組みを含んでいます。
Q2. DMCA通報のやり方は?
A. 著作権者または代理人が、Googleなどのサービスの報告フォームで、連絡先、侵害されている著作物の内容と元のURL、侵害しているページのURLを入力し、宣誓の文言に同意して署名し、送信します。申請内容がLumenで公開される場合があるため、公開されてよい内容かを事前に確認してください。画面の文言は変わることがあるため、最新の手順は公式ページで確認してください。
Q3. DMCA攻撃(DMCA砲)とは何ですか?
A. 著作権の侵害がないのに、競合や不都合な記事を検索結果などから消す目的で、虚偽のDMCA通知を出す行為を指して使われる通称です。法律上の用語ではありません。事業者が通知を受けて速やかに削除する仕組みを悪用したもので、身に覚えのない通知を受けたときは、反対通知を検討します。
Q4. DMCAレポートとは何ですか?
A. 「DMCAレポート」は、公的に定義された用語としては確認できていません。使われ方としては、権利者がDMCAにもとづいてサービス事業者へ行う報告(通知)を指す場合と、通知に関するデータを集めた報告(Googleの透明性レポートなど)を指す場合があるようです。文脈で意味を確かめてください。
Q5. DMCAは日本のサイトにも適用されますか?
A. DMCAは米国の法律で、日本国内の事業者に直接適用される法律ではありません。ただし、Googleのように、デジタル ミレニアム著作権法に準じて著作権侵害の通知に応じる方針を示す米国企業のサービスでは、日本語のページも通知を通じて削除や検索結果からの除外の対象になりえます。日本の事業者のサービスでは、情報流通プラットフォーム対処法や著作権法が関わります。
Q6. 身に覚えのないDMCA通知が届いたら、どうすればよいですか?
A. まず、通知の送り元と、対象のURL、主張されている著作物を確認します。自社が作った内容や、引用・許諾で使った内容であれば、根拠をそろえて反対通知を検討します。反対通知は偽証罪の宣誓を前提とするため、期限や手続きを事業者の案内で確認し、判断に迷う場合は弁護士などの専門家に相談してください。
まとめ
DMCAは米国の法律ですが、Googleなどの米国企業のサービスを通じて、日本のサイトにも関わります。申請する側にも、通知を受ける側にもなりうるため、仕組みと手順を知っておくことが備えになります。押さえておきたいのは次の6つです。
- DMCAが、米国の法律であることと、「DMCA申請」「DMCA攻撃」などの言葉の使われ方を確認する
- 通知、削除、反対通知、復元という流れと、512条の要件(通知の6要素、反対通知の4要素)を押さえる
- 申請する時は、Googleなどの報告フォームに必要な情報を集め、内容がLumenで公開されうることを理解しておく
- 通知が届いたら、対象URLと申立人を確認し、侵害のおそれがあれば修正・削除、身に覚えがなければ反対通知を専門家と相談して検討する
- 悪用に備えて、Google Search Consoleへの登録、作成の証拠の保存、通知の宛先の複数化を進める
- 社内ルールを全員に同じ内容で届ける手段として、eラーニングの資料を請求して比較する
DMCAへの備えは、法律の知識だけでなく、公開に関わる全員が同じルールで動ける状態をつくることです。通知への対応や素材の扱いを担当者の経験に任せず、ルールの周知と受講状況の確認を仕組みにすることが、現実的な一歩になります。
参考文献
- 米国著作権局「The Digital Millennium Copyright Act of 1998 Summary」https://www.copyright.gov/legislation/dmca.pdf
- 米国著作権局「Section 512 of Title 17」https://www.copyright.gov/512/
- Cornell Law School「17 U.S. Code 512」https://www.law.cornell.edu/uscode/text/17/512
- 米国著作権局「DMCA Designated Agent Directory」https://dmca.copyright.gov/osp/
- Google「法的な理由でコンテンツを報告する」https://support.google.com/legal/answer/3110420?hl=ja
- Google「Google 上のコンテンツを報告」https://support.google.com/legal/troubleshooter/1114905?hl=ja
- Lumen「About」https://lumendatabase.org/pages/about
- e-Gov法令検索「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000137
- e-Gov法令検索「著作権法」https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048
- 総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai.html
- 総務省「令和7年版 情報通信白書 情報流通プラットフォーム対処法の施行」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd123210.html
- Tayori「DMCAとは?申請手順や、申請するときの注意点、悪用されたときの対処法まで解説」https://tayori.com/blog/dmca/
- ミエルカ「DMCAとは?Google・X(Twitter)での申請方法、悪用された際の対処」https://mieru-ca.com/blog/dmca/
- アイティベル「DMCAとは?申請手順や虚偽通告への対処方法などSEO担当者が知っておくべきこと」https://it-bell.com/knowledge/dmca/
- N-WORKS「DMCAとは?通報の仕方と虚偽通告された場合の対処法を解説」https://n-works.link/blog/marketing/dmca
- レピュ研「DMCAの悪用に有効な対策とは?」https://repyuken.com/taisaku/6730
- Boxil「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは?削除申請方法と悪用への対処」https://boxil.jp/mag/a2987/
- Smart Boarding 導入事例(株式会社ミツハシ)https://smartboarding.net/example/11813/
- OneCompliance公式サイトhttps://onecompliance.jp/
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