年末調整の源泉徴収票とは?見方・前職分の扱い・令和8年分の変更点
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- 源泉徴収票は年末調整の結果を示す書類
- 前職分が確認できないと年末調整は不可
- 令和9年1月以降はみなし提出が始まる
年末調整の源泉徴収票とは、年末調整を終えた会社が、従業員1人ひとりの1年分の給与の支払金額と源泉徴収税額などを記載して交付する書類です。年末調整では、中途入社の人から前の勤務先の源泉徴収票を受け取る場面と、年末調整のあとに会社が今年分の源泉徴収票を作って渡す場面の2つで登場します。令和8年分は給与所得控除の最低保障額が74万円になり、令和9年1月以後は源泉徴収票のみなし提出も始まります。この記事では、国税庁の資料をもとに、源泉徴収票の見方、前職分が出てこないときの対応、交付と提出の期限を、総務・経理の担当者向けに整理します。
年末調整と源泉徴収票の作業、いまの進め方に近いのはどれ?
Q1. 年末調整の申告書(扶養控除等・保険料控除など)は、いま何で集めていますか?
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年末調整の源泉徴収票とは|従業員から受け取る分と会社が出す分
年末調整の源泉徴収票とは、年末調整を終えた会社が作成して従業員に交付する、1年分の給与の支払金額と源泉徴収税額などを記載した書類です。
毎月の給与から天引きする所得税は概算のため、年末調整で1年間の税額を計算し直し、過不足を通常は12月分の給与で精算します(国税庁「年末調整のしかた」)。この精算後の源泉所得税及び復興特別所得税の合計額が、源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄に記載されます。
| 場面 | 渡す人と受け取る人 | 年末調整での役割 |
|---|---|---|
| 前の勤務先の分(中途入社の人) | 従業員から、いまの会社へ | 同じ年に受けた前の給与を今年の給与と合算して、年末調整するための資料になる |
| 今年の分 | 会社から、従業員へ | 年末調整の結果と1年分の給与・税額を従業員に知らせる。転職や確定申告でも使われる |
中途入社の人は、前の勤務先で受けた給与も含めて年末調整するため、前の勤務先の源泉徴収票で金額を確認します(国税庁タックスアンサーNo.2674)。従業員から集める申告書の一覧は、年末調整で提出すべき書類とは?年末調整ソフトについても解説の記事で整理しています。この記事は、その書類のうち源泉徴収票に絞って、見方・前職分の扱い・交付のルールまで扱います。
年末調整の書類回収と源泉徴収票の作成を、サービスで補う3つの選択肢
年末調整の書類回収や源泉徴収票の作成を手作業から切り替える選択肢には、回収に特化したもの、人事労務をまとめるもの、給与計算に含めるものがあります。
年末調整は、申告書の配布と回収、内容の確認、給与データへの転記、年税額の計算、源泉徴収票の作成と配布までが続く作業です。中途入社の人がいれば前職分の確認も加わります。どこで手作業が重くなっているかで、合うサービスが変わります。3つのサービスの役割を、商品ページで確認した内容で並べます。
年末調整の書類回収と源泉徴収票の作成を支える3サービスの役割
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|
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 年末調整の申告書を紙やメールで回収・確認していて、Webで集めたい会社 | 従業員情報・給与計算・年末調整をまとめて管理したい会社 | 給与明細や源泉徴収票をインターネット上で渡したい中小企業 |
| 特徴 | 回収のやり取りがWeb上で完結。記入ミスの防止機能があり、人事データベースを元に回答画面を自動作成してPDFで出力できる | 人事労務情報が1つで完結。アラート機能で抜け漏れを防ぎ、専任担当が継続的にサポートする | 給与・賞与明細や源泉徴収票をインターネット上で確認でき、社会保険・労働保険・年末調整など年次業務にも対応 |
| 注意したい点 | 申し込みから運用開始まで最低2-3か月程度かかる | freee会計と連携した際の画面切り替えが手間 | 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある |
| 資料・詳細 |
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年末調整の申告書を従業員から集める作業を、紙やメールから切り替えたい場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー人事労務 年調収集オプションです。商品ページでは、年調収集のやり取りがWeb上で完結でき郵送の手間を減らせること、記入ミスを防止する機能で書類作成を進めやすいこと、人事データベースを元に従業員の回答画面を自動作成してPDF形式で出力できることが紹介されています。jinjer株式会社の公式ページには、回答状況をステータスで管理できる機能や、回答情報を次年度に持ち越せる機能も記載されています。注意したいのは、商品ページのMOREに、申し込みから運用開始までに最低2-3か月程度かかるとある点です。今年の年末調整に間に合わせたい場合は、時期を資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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jinjer株式会社の導入事例では、株式会社リンレイサービスが、約1,600人分の年末調整の用紙を担当者が一人ずつ確認し、完了までに約2週間かかっていた状況から、Web収集に切り替えた効果を次のように紹介しています。
ジンジャーの年末調整収集機能を使って、Web上で収集することができるようになりました。それにより、配布した紙の紛失リスクや不備による差し戻し対応の手間が大分抑えられるようになりました。
jinjer導入事例(株式会社リンレイサービス) 出典:導入事例ページ
源泉徴収票の見方|各欄が年末調整のどの書類・計算から来るか
源泉徴収票の見方は、支払金額から給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額へと、年末調整の計算の順に欄を追うことです。
欄の並びは、年末調整の計算の流れと同じです。国税庁の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(令和8年分)」にある記載要領をもとに、主な欄が何を表し、どの書類から来ているかを表にまとめます。
| 欄 | 書かれている内容 | 元になる書類・計算 |
|---|---|---|
| 支払金額 | その年に支払が確定した給与等の総額。未払いがあれば内書きする。中途入社の人で前職分を通算して年末調整した場合は、その金額を含む | 給与の支払実績、前の勤務先の源泉徴収票 |
| 給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後) | 「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で求めた金額。所得金額調整控除がある場合は、控除後の金額 | 国税庁の年末調整用の表 |
| 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、扶養控除、特定親族特別控除、基礎控除などの合計 | 各種の申告書 |
| 源泉徴収税額 | 年末調整をした後の源泉所得税及び復興特別所得税の合計額 | 年末調整の計算結果 |
| 社会保険料等の金額 | 給与から控除した社会保険料と、保険料控除申告書の社会保険料、小規模企業共済等掛金の合計 | 給与の天引き、給与所得者の保険料控除申告書 |
| 生命保険料・地震保険料の控除額 | 保険料控除申告書に基づいて控除した金額 | 給与所得者の保険料控除申告書 |
| 配偶者(特別)控除の額 | 配偶者控除等申告書に基づいて控除した金額 | 給与所得者の配偶者控除等申告書 |
| 特定親族特別控除の額 | 特定親族特別控除申告書に基づいて控除した金額(令和7年分から新設) | 給与所得者の特定親族特別控除申告書 |
| 基礎控除の額 | 基礎控除申告書から転記する。適用がなければ0と記載する | 給与所得者の基礎控除申告書 |
| 摘要 | 前の勤務先分を通算した場合は、前の勤務先の名称・所在地、退職年月日、給与等の金額、徴収した所得税及び復興特別所得税の合計額、社会保険料の金額を記載する | 前の勤務先の源泉徴収票 |
支払金額は、給与の総支給額とは限りません。freeeのヘルプでは、支払金額は賃金台帳の課税支給額の合計と一致し、非課税の通勤手当などは含まれないと説明されています(freee人事労務ヘルプ)。従業員から「年収と違う」と聞かれたときは、この違いを案内できます。
源泉徴収税額の土台になる所得税の税率は、課税される所得金額に応じて5%から45%までの7段階です(国税庁タックスアンサーNo.2260)。毎月の源泉徴収は税額表で求め、年末調整では1年分の所得と各種控除から年税額を計算し直すため、源泉徴収票の源泉徴収税額は毎月の天引きの合計とは一致しない場合があります。
支払金額から給与所得控除後の金額を求める例
給与所得控除の額は、給与等の収入金額に応じて決まります。国税庁のタックスアンサーNo.1410にある控除額から、支払金額150万円と800万円の人の給与所得控除後の金額を計算すると、次のようになります。
| 支払金額 | 令和7年分の給与所得控除額 | 令和8年分の給与所得控除額 | 令和8年分の給与所得控除後の金額 |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 65万円 | 74万円 | 76万円(令和7年分は85万円) |
| 800万円 | 190万円(800万円に10%を掛けて110万円を足した額) | 190万円(同じ) | 610万円(令和7年分も同じ) |
令和8年分から給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられたため、収入が低い層では控除額が変わります。収入が高い層では、控除額の計算式は令和7年分と同じです。上の例は計算の流れをつかむための目安で、660万円未満の人の実際の金額は、国税庁の年末調整用の表で求めます。
3サービスの役割を比較表で見る前の勤務先の源泉徴収票を集める|中途入社者の年末調整と、出ないときの対応
中途入社の従業員が同じ年に前の勤務先から給与を受けていた場合は、その源泉徴収票を提出してもらい、今年の給与と合算して年末調整します。
前職分の源泉徴収票が必要な人と、確認の流れ
国税庁のタックスアンサーNo.2674では、就職前に同じ年中に別の会社などから給与を受け取っていないかを確認し、受け取っている場合はその給与も含めて年末調整を行うとされています。確認の流れは次のとおりです。
- 入社時に、同じ年に前の勤務先から給与を受けていないかを本人に確認する
- 受けている場合は、前の勤務先の源泉徴収票を提出してもらい、支払金額・徴収された所得税・社会保険料の金額を確認する
- 前職分を今年の給与に合算して年末調整し、今年分の源泉徴収票の摘要欄に前の勤務先の名称や金額を記載する
- 源泉徴収票が確認できない場合は、年末調整はできず、本人が確定申告で精算する
国税庁の手引には、4月1日に就職した従業員の記載例があります。前の勤務先の源泉徴収票に基づき、支払金額1,095,000円、源泉徴収税額15,180円、社会保険料控除額169,722円を含めて年末調整し、摘要欄に前の勤務先の名称や退職年月日などを記載しています(法定調書の作成と提出の手引の記載例)。
従業員が提出しない・不備があるときの回収の進め方
前職分の源泉徴収票は、本人が前の勤務先から受け取って会社へ出すものです。入社時の必要書類に前職分の確認を入れ、年末調整の案内を出す時点で、まだ受け取っていない人を一覧にして個別に依頼すると、年末の回収が集中しにくくなります。紙やExcelで進捗を管理していると、誰が未提出かを把握するだけで手間がかかります。
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前の勤務先への交付の依頼は、本人から行ってもらうのが基本です。会社は、依頼の期限と、期限を過ぎても確認できないときの扱い(本人の確定申告)を、案内の段階で伝えておきます。
前の勤務先が源泉徴収票を交付しないとき
国税庁の源泉徴収票不交付の届出手続では、源泉徴収票が交付されない給与所得者向けに、交付期限を過ぎたあとに提出できる届出書が案内されています。交付期限は、中途退職の人は退職後1か月、そのほかは翌年1月31日です。届出書には、給与明細書を保存している場合はその写し、勤務先に源泉徴収票の交付を求めたことが分かる書類を添付します。この手続は、すでに交付された源泉徴収票の再発行には使えません。紛失した場合は、源泉徴収票を作成した前の勤務先に再発行を依頼するのが基本です。
それでも前職分が確認できないときは、前述のとおり年末調整はできず、本人が確定申告で精算します。会社としては、確定申告が必要になることを従業員に早めに伝えておくと、年明けの問い合わせを減らせます。
年末調整と源泉徴収票の作業、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
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会社が出す源泉徴収票|交付期限・提出範囲・令和8年分の変更点
会社は、給与を支払ったすべての従業員に源泉徴収票を交付します。期限は翌年1月31日までで、年の中途で退職した人には退職日以後1か月以内です。
従業員が源泉徴収票を使う場面
会社が交付した源泉徴収票は、従業員が次のような場面で使います。問い合わせに答えられるよう、用途を押さえておきます。
- 転職したとき: 転職先が年末調整で前職分を確認するために、前の勤務先の源泉徴収票を提出します(No.2674)。
- 確定申告をするとき: 給与の収入が2,000万円を超える人、2か所以上から給与を受けている人、給与・退職所得以外の所得が20万円を超える人などは、確定申告が必要になる場合があります(No.2020)。源泉徴収票の金額を使って申告します。
- 前職分を確認できず年末調整ができなかったとき: 本人が確定申告で精算するため、前の勤務先の源泉徴収票が必要です。
- 収入を示す書類として: 住宅ローンや賃貸契約、保育園の申込みなどで、提出を求められることがあります。求めるかどうかは提出先の判断です。
交付・提出のルールと期限
| 区分 | 期限・方法 | 国税庁の説明 |
|---|---|---|
| 従業員への交付 | 翌年1月31日まで。年の中途で退職した人は退職日以後1か月以内 | 提出範囲に関係なく、給与を支払ったすべての受給者に交付する。電子交付は、本人の承諾など一定の要件を満たす場合にできる |
| 税務署への提出 | 翌年1月31日まで | 法定調書合計表を添付して、所轄の税務署へ提出する。受給者交付用と違い、税務署提出用にはマイナンバーを記載する |
| 市区町村への提出(給与支払報告書) | 令和9年2月1日(月) | 受給者の令和9年1月1日現在の住所地の市区町村へ提出する。eLTAXなどで提出する |
上の期限は、国税庁のタックスアンサーNo.7411と、令和8年分の手引をもとにしています。交付は全員に必要ですが、税務署への提出は次に説明するように、令和8年分から取扱いが変わります。
令和8年分から変わる提出範囲と、みなし提出
| 比べる項目 | 令和8年12月31日以前に提出するもの | 令和9年1月1日以後に提出するもの |
|---|---|---|
| 税務署に提出する範囲 | 年末調整をした人は、役員・弁護士等以外なら支払金額が500万円を超える人など、金額で判定 | 年の中途で退職した人で支払金額が30万円以下の場合を除く、すべての給与等 |
| 市区町村への給与支払報告書との範囲 | 税務署提出の範囲と異なる | 同じ範囲になる |
| 税務署への提出 | 源泉徴収票を税務署へ提出する | 給与支払報告書を市区町村に提出すれば、税務署に提出したものとみなされる(みなし提出) |
国税庁の手引では、令和9年1月1日以降は源泉徴収票のみなし提出の特例が始まり、税務署提出用の源泉徴収票を作る必要は基本的になくなるとされています。ただし、従業員への交付は引き続き必要です(源泉徴収票のみなし提出の特例)。令和8年分の源泉徴収票は令和9年1月に提出するため、新しい取扱いの対象になります。
あわせて、令和8年度の税制改正で、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の見直し、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例が、令和8年分の年末調整から反映されます(国税庁「年末調整のしかた」、令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ等)。令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はなく、改正後の控除は令和8年12月の年末調整で反映します。給与所得控除は、令和8年分・9年分で収入が220万円までの場合に74万円です。
こうした改正は、申告書の様式や計算の確認を増やします。給与計算ソフトや人事労務システムで源泉徴収票を作成している会社は、令和8年分の年末調整に対応した状態かを、ベンダーの案内で確認してください。給与計算ソフトの選び方は、源泉徴収票が作成できる給与計算ソフトを比べた記事で整理しています。
年末調整の申告書は7年間保存する
源泉徴収義務者は、扶養控除等(異動)申告書、配偶者控除等申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書などを、提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存します。電子データで提供された場合も、書面と同様に保存します(No.2503)。国税庁のこのページには源泉徴収票の控えの保存期間は書かれていないため、控えの扱いは税務署や顧問の税理士に確認してください。
源泉徴収票の作成を手作業から切り替える場合
源泉徴収票の作成は、年末調整の計算結果を各欄に転記する作業です。申告書の内容、給与の支払実績、前職分の金額を1つずつ照らし合わせるため、手作業では転記ミスが起きやすくなります。年末調整の計算から源泉徴収票の出力までを同じ仕組みで行えるかが、見直しの目安になります。
年末調整の計算から源泉徴収票の出力までを同じ仕組みで進めたい場合の一例が、フリー株式会社が提供するfreee人事労務です。商品ページでは、従業員情報や給与計算などの人事労務情報を1つで完結できること、アラート機能でイレギュラーな業務の抜け漏れを防げること、既存業務の見直しや操作法のレクチャーなどを専任担当が継続的にサポートすることが紹介されています。freeeのヘルプには、年末調整の計算結果を確定すると、管理者が全員分の源泉徴収票をPDFで一括出力でき、従業員がログインして自分でPDFを発行することもできると説明されています。ただし、ミニマムプランでは従業員自身による出力に対応していません。注意したいのは、商品ページのMOREに、freee会計と連携した際の画面切り替えが手間だとある点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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年末調整のDX化と給与計算の内製化
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freeeを導入する前まではExcelで各自が自己報告でした。そのため正確な勤務時間や残業時間などが曖昧でした。また、Excelを回収した人がそれぞれの勤務時間を集計するというアナログなやり方だったので、freeeを導入したことでそれが一括管理になったことが一番のメリットです。また、有給休暇申請などもfreee上で完結するので業務効率化に繋がっていると思います。
freeeの導入事例では、株式会社エヌワンシステムが、紙で回収していた年末調整の作業について、導入前後の変化を次のように紹介しています。
3サービスの役割を比較表で見る導入前と比較すると年末調整にかかる作業は5分の1になりました。
freee導入事例(株式会社エヌワンシステム) 出典:導入事例ページ
令和8年分の年末調整から源泉徴収票の交付・提出までのスケジュール
令和8年分は、令和8年12月の年末調整で改正後の控除を反映し、源泉徴収票を作成して翌年1月31日までに交付します。給与支払報告書の提出期限は令和9年2月1日です。
| 時期 | やること | 確認する点 |
|---|---|---|
| 令和8年11月まで | 毎月の給与の源泉徴収 | 令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はない |
| 令和8年12月 | 年末調整で、改正後の基礎控除・給与所得控除などを反映して精算する | 申告書の回収漏れと、中途入社の人の前職分の源泉徴収票 |
| 令和8年12月から令和9年1月 | 源泉徴収票を作成し、従業員に交付する(電子交付は承諾など一定の要件がある) | 年の中途で退職した人は退職日以後1か月以内に交付 |
| 令和9年1月31日まで | 従業員への交付期限 | 書面を求められた人には書面で渡す |
| 令和9年2月1日(月) | 給与支払報告書の市区町村への提出期限 | 提出すれば税務署に源泉徴収票を提出したものとみなされる |
上の日付は、国税庁の年末調整のしかた、令和8年度税制改正のページ、令和8年分の手引で確認した内容です。回収に時間がかかる会社は、申告書の配布時期を前倒しできるかも合わせて検討します。この記事の法令・手続の説明は、国税庁の令和8年4月1日現在の案内をもとにしたもので、法的・税務上の助言ではありません。個別の判断は、所轄の税務署や税理士に確認してください。
源泉徴収票を電子で渡す|電子交付の条件と、再発行を減らす運用
源泉徴収票は、従業員の承諾など一定の要件を満たせば電子で交付できます。ただし、従業員から書面での交付を求められたときは、書面で渡す必要があります。
国税庁のタックスアンサーNo.7411では、受給者への交付は、本人の承諾等の一定要件のもとで、電磁的方法による提供ができるとされています。ただし、受給者から請求があった場合は書面で交付する必要があります。電子で渡す運用に変えるときは、次の点を決めておくと迷いません。
- 電子交付の承諾を、いつ・どの方法で取るか(入社時、または年末調整の案内と同時など)
- 書面を希望する従業員への対応(印刷して渡す、郵送するなど)
- 年の中途で退職する人への交付期限(退職日以後1か月以内)に間に合う作成フロー
- 紛失や再発行の依頼を受けたときの、出力と本人確認の手順
- 従業員に渡す源泉徴収票にはマイナンバーを記載しないこと(税務署提出用との違い)
電子で渡す運用は、紙の印刷・配布の手間に加えて、再発行の依頼対応も減らす効果が期待できます。電子化全体のメリットや手順は、年末調整を電子化するメリットを扱った記事にまとめています。
年の中途で退職する人への交付
年の中途で退職する人には、退職日以後1か月以内に源泉徴収票を交付します(No.7411)。年の中途で退職した人は、死亡退職や12月分の給与を受けた後の退職など一定の場合を除き、年末調整の対象になりません(No.2665)。退職後に再就職した人は、転職先の年末調整か本人の確定申告で精算するため、この源泉徴収票が前職分の資料になります。退職手当等を支払う場合は、給与所得の源泉徴収票とは別に、退職所得の源泉徴収票が必要になります(国税庁のF1-2)。
電子で渡す運用とあわせて、市区町村への給与支払報告書の出し方も確認しておきます。国税庁の手引によると、前々年に税務署へ提出すべきだった源泉徴収票(みなし提出されたものを含む)が30枚以上ある場合は、eLTAXまたは光ディスク等の電子的方法で給与支払報告書を提出する必要があります。また、給与支払報告書をeLTAXで提出すると、従業員が確定申告をする際にマイナポータル連携の対象となり、確定申告書に給与情報が自動入力されるため、従業員に案内するよう手引で勧められています(法定調書の作成と提出の手引)。
給与明細と一緒に源泉徴収票もインターネット上で渡し、ペーパーレスにしたい場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー給与です。商品ページでは、給与や賞与明細・源泉徴収票などをインターネット上で確認でき、ペーパーレス化につながること、社会保険や労働保険・年末調整など年次業務にも対応していること、人事情報から給与計算・各種社会保険の電子申請までシリーズ連携で進められることが紹介されています。注意したいのは、商品ページのMOREに、所得税や住民税率は手動で変更する必要があるとある点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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- 給与や賞与明細・源泉徴収票などインターネット上で確認できペーパーレス化に
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- 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある
-
ジンジャー給与を導入したことで、勤怠データの手入力ほぼ不要になり、業務負担が大幅に軽減されました。給与計算のミスも減り、確認作業の時間短縮にもつながっています。クラウド上で作業できるため、場所を問わず作業できる点もメリットです。
ジンジャーの導入事例では、社会福祉法人西春日井福祉会が、約750名分の給与明細と年末調整のペーパーレス化について、源泉徴収票の扱いも含めて次のように紹介しています。
年末調整は、今年初めてジンジャーで対応しましたが、大量の紙を削減することができました。源泉徴収票なども、必要になったときに再発行の手続きをしなくてよくなりました。
jinjer導入事例(社会福祉法人西春日井福祉会) 出典:導入事例ページ
源泉徴収票を電子で渡す仕組みがあれば、退職者や紛失した人から依頼が来るたびに、印刷して渡す手間を減らせます。毎年の年末調整のたびに紙の配布と再発行対応に時間を取られている場合は、給与計算の仕組みごと見直す選択肢もあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 年末調整の源泉徴収票とは何ですか?
A. 年末調整を終えた会社が作成し、従業員に交付する、1年分の給与の支払金額と源泉徴収税額などを記載した書類です。毎月の給与から天引きした所得税は概算のため、年末調整で1年間の税額を計算し直して精算します。その精算後の源泉所得税及び復興特別所得税の合計額が、源泉徴収票の源泉徴収税額に記載されます。中途入社の人は、前の勤務先の源泉徴収票を会社に提出し、今年の給与と合算して年末調整します。
Q2. 源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」とは何ですか?
A. 給与所得控除後の給与等の金額から差し引いた、所得控除の合計額です。国税庁の手引では、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除及び基礎控除の額の合計額を記載するとされています。
Q3. 年末調整で提出が必要な書類は何ですか?
A. 従業員から会社へ出す書類は、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、基礎控除申告書、配偶者控除等申告書、保険料控除申告書、特定親族特別控除申告書などです。住宅借入金等特別控除を受ける人は、住宅借入金等特別控除申告書も出します。中途入社の人は、前の勤務先の源泉徴収票も必要です。書類の一覧は、年末調整で提出すべき書類を扱った記事で整理しています。
Q4. 令和8年分の源泉徴収票はいつもらえますか?
A. 会社は、給与を支払ったすべての従業員に、翌年1月31日までに源泉徴収票を交付します。年の中途で退職した人には、退職日以後1か月以内に交付します。令和8年分の年末調整を行った会社では、令和8年12月の給与で精算したあと、源泉徴収票を作成して交付する流れになります。
Q5. 前の会社の源泉徴収票がないと、年末調整はできませんか?
A. 同じ年に前の勤務先から給与を受けていて、その金額が確認できない場合は、年末調整はできません。その場合は、従業員本人が確定申告で精算します(国税庁タックスアンサーNo.2674)。前の勤務先から交付されないときは、交付期限を過ぎたあとに、税務署へ源泉徴収票不交付の届出書を出す手続があります。
Q6. 源泉徴収票をなくしたときはどうすればよいですか?
A. 源泉徴収票を作成した勤務先に、再発行を依頼するのが基本です。国税庁の源泉徴収票不交付の届出手続は、交付されない場合の手続で、すでに交付された源泉徴収票の再発行には使えません。退職者から依頼が来ても対応できるよう、会社側は作成した源泉徴収票を出力できる状態にしておくと安心です。
まとめ|年末調整の源泉徴収票で押さえたい5つのこと
- 源泉徴収票は、前の勤務先から受け取る分と、会社が今年分として出す分の2つの場面で登場します。
- 見方は、支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額の順に、年末調整の計算を追うことです。
- 中途入社の人は、入社時に前職分の有無を確認します。確認できないときは、年末調整はできず本人が確定申告で精算します。
- 令和8年分は、交付期限(翌年1月31日まで、退職者は1か月以内)と、令和9年1月以後のみなし提出、給与所得控除の最低保障額74万円を確認します。
- 回収・転記・配布の手作業が重いときは、年調収集、人事労務、給与計算のサービスの資料を請求し、年末調整への対応範囲と運用開始までの期間を比べます。
源泉徴収票は、年末調整の結果をまとめた1枚です。見方と交付のルールを押さえておけば、従業員からの問い合わせにも落ち着いて答えられます。給与計算の中での年末調整の位置づけは、給与計算における年末調整を扱った記事も参考になります。
参考文献
以下の出典は、すべて2026年10月20日に確認しました。
- 国税庁「No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm
- 国税庁「No.2674 中途就職者の年末調整」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2674.htm
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
- 国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm
- 国税庁「F1-2 退職所得の源泉徴収票(同合計表)」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100052.htm
- 国税庁「No.2020 確定申告」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
- 国税庁「No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2503.htm
- 国税庁「令和8年分年末調整のしかた(手順などの説明)」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index/shikata.htm
- 国税庁「令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ等について」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026kiso/index.htm
- 国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(令和8年分)」第2章 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebiki2026/PDF/02.pdf
- 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/hotei/index/minashi.htm
- 国税庁「F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100017.htm
- jinjer株式会社「クラウド型年末調整システム ジンジャー人事労務の年調収集オプション」 https://hcm-jinjer.com/nencho/
- jinjer株式会社「株式会社リンレイサービスの導入事例」 https://hcm-jinjer.com/results/results-14710/
- jinjer株式会社「社会福祉法人西春日井福祉会の導入事例」 https://hcm-jinjer.com/results/165208/
- フリー株式会社「株式会社エヌワンシステムの導入事例」 https://www.freee.co.jp/cases/n1system/
- freee人事労務ヘルプ「年末調整のその他書類(源泉徴収票・源泉徴収簿・控除申告書)を発行する」 https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/900003005643
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「ジンジャー人事労務 年調収集オプション」 https://www.onamae.com/business/product/117974/
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「freee人事労務」 https://www.onamae.com/business/product/70872/
- お名前.comビジネスコンシェルジュ「ジンジャー給与」 https://www.onamae.com/business/product/26135/
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