AIエージェントの作り方|ノーコードから開発まで5ステップで解説

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  • AIエージェントは作る前に範囲を決める
  • 最初は参照と下書きから始めて広げる
  • 使う全員のルールと理解度もそろえる

AIエージェントの作り方は、目的と任せる範囲を決め、作り方を選び、ナレッジを用意し、指示・ツール・権限を設計して、テストしながら運用する5ステップです。AIエージェントとは、AI事業者ガイドライン(第1.2版)で「特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステム」とされる仕組みで、質問に答えるだけの生成AIと違い、ツールを使って作業を進める点が特徴です。プログラミングなしで作れるDifyやMicrosoft Copilot Studioから、LangChainなどを使うコード開発まで選択肢があり、最初の分かれ道は「誰が作り、誰が運用するか」にあります。本記事では、5ステップの全体像、作り方の選び方、DifyとCopilot Studioの手順、作る前に決める権限と確認、運用までを整理します。内容は2026年10月20日時点の公式情報にもとづきます。

AIエージェントの作り方を読む前に、社内で次に整えたいことを診断

Q1. いま一番知りたいのは、どちらですか?

目次

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  1. AIエージェントの作り方は5ステップ|全体像と、各ステップで決めること
  2. 作ったあとに残る課題|使う全員に同じルールと理解をそろえる3つの選択肢
  3. AIエージェントの仕組み|4つの要素と、生成AI・チャットボット・RPAとの違い
  4. ステップ1|目的と任せる範囲を決める。作る前に埋める仕様シート
  5. ステップ2|作り方を選ぶ。ノーコード・ローコード・コード開発の違い
  6. ステップ3・4|ナレッジ・指示・ツールを設計し、DifyとCopilot Studioで作る
  7. ステップ5|テストして公開する。よくある失敗とセキュリティの確認点
  8. 最初の1業務の選び方|AIエージェントに任せやすい業務の候補3つ
  9. 運用|評価と改善を続け、試験運用から本番へ広げる
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|AIエージェントの作り方で押さえたい6つのこと
  12. 参考文献

AIエージェントの作り方は5ステップ|全体像と、各ステップで決めること

AIエージェントの作り方は、目的と任せる範囲の決定、作り方の選択、ナレッジの準備、指示・ツール・権限の設計、テストと運用の5ステップで進めます。

ステップ決めることつまずきやすい点
1. 目的と任せる範囲を決める対象の業務を1つ選び、ゴールと、AIに任せる範囲・人が確認する範囲を決める範囲を広げすぎて、何を確認すればよいか分からなくなる
2. 作り方を選ぶノーコード・ローコード・コード開発のどれで作るか、誰が運用するか機能の比較から入り、運用する人がいないまま作ってしまう
3. ナレッジを準備する参照させる資料の範囲、更新する担当、見せてよい相手古い資料や、見せるべきでない資料まで入れてしまう
4. 指示・ツール・権限を設計する役割と禁止事項、使うツール、できる操作の範囲、止め方指示があいまいで、期待と違う動きをする。権限を広く与えすぎる
5. テストして運用するテストの質問と合格の基準、公開先、利用状況の見直し時期成功例だけで公開し、失敗しやすい質問を試していない

順番で大事なのは、道具を選ぶ前に、目的と任せる範囲を決めることです。何を任せるかが決まっていないと、どの作り方が合うか、どの資料を参照させるか、どの操作を許すかが決められません。各ステップの中身は、このあと順に解説します。

作ったあとに残る課題|使う全員に同じルールと理解をそろえる3つの選択肢

AIエージェントは作って終わりではなく、使う人が入力する情報や出力の確認のしかたをそろえる必要があり、研修や理解度の確認を支えるeラーニングが選択肢になります。

総務省「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIの活用方針を「積極的に活用する」または「活用する領域を限定して利用する」と答えた日本企業は68.9%でした。一方で、組織的な取組は「ない」と答えた割合も27.0%あり、中小企業で特に高い傾向が示されています。リスク対策では「全社的な指針やガイドラインを整備している」が41.1%で最も高く、他の3か国(米国・ドイツ・中国)では、導入前の専門的な審査体制や、導入後の定期的な評価・検証が日本より高い傾向があったとされています。AIエージェントはツールを使って自律的に動くため、指針をつくるだけでなく、使う人全員が同じ基準で理解している状態が欠かせません。そのための手段として、eラーニングがあります。本記事の内容と相性のよい3サービスを、役割の違いで並べます(内容は各サービスの商品ページ・公式サイトで確認した情報にもとづきます。AIエージェントの作り方を学ぶ教材かどうかは、各社の資料で確認してください)。

AIエージェントを使う全員のルールと理解をそろえる、eラーニング3サービスの役割

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:OneCompliance(ワンコンプライアンス)情報セキュリティなどの研修を、管理画面で受講状況を見ながら進められます。

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この状況に合う一例:Smart Boarding自社の教育内容を学習プログラムとして整備できると、商品ページで紹介されています。

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この状況に合う一例:SAKU-SAKU TestingCBTをベースにした豊富なテスト機能で、理解度を確かめられます。

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サービス OneCompliance(ワンコンプライアンス) Smart Boarding SAKU-SAKU Testing
向いている会社 情報セキュリティや個人情報保護などの研修を、全社でそろえたい会社 作り方の手順書や利用ルールを、自社の学習コースにしたい会社 研修のあとにテストを出し、理解度を集計して確かめたい会社
特徴 法務・労務・情報領域の研修をeラーニングで提供。ダッシュボードと自動リマインダーで管理工数を抑える 社内独自の教育内容を学習プログラムとして整備でき、学習進捗の管理もできる CBTをベースにしたeラーニングで、テスト機能が豊富。ユーザー管理でカテゴリーやグループに紐づけられる
注意したい点 費用は人数に応じた課金体系で、問い合わせで確認。AI専用のコースは一覧にない 電話・メール相談や教育プログラム設計のサポートは「充実サポートプラン」のみ 事務局運営やカスタマーデスクを使う場合はオプション扱い
資料・詳細

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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

AIエージェントを使う人に、入力してよい情報や情報漏えいへの注意を同じ基準で学んでもらいたい場合の一例が、株式会社Oysterが提供するOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。商品ページでは、研修の実施・管理を自動化して工数を最小化できること、最新で網羅的なコンテンツを提供することが特徴として紹介されています。公式サイトのコース一覧には、外部攻撃や情報漏洩、メールの誤送信などを扱う「情報セキュリティ」、個人情報の定義や事業者の義務を学ぶ「個人情報保護法」、「著作権/肖像権」があります(2026年10月20日確認)。一方で、AIの利用そのものを扱う専用のコースは一覧になく、AIエージェントの作り方を学ぶ教材でもありません。費用は受講人数に応じた課金体系のため、問い合わせでの確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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OneCompliance 導入事例(株式会社プリメディカ。導入の背景・課題感として掲載) 出典:導入事例ページ

AIエージェントの仕組み|4つの要素と、生成AI・チャットボット・RPAとの違い

AIエージェントは、LLM(大規模言語モデル)を頭脳に、ナレッジ・ツール・メモリを組み合わせて、目標に向けて手順を考えながら動く仕組みです。作る側は、この4つの要素のそれぞれに何を設定するかを決めることになります。

要素役割作るときに決めること
LLM(頭脳)依頼の意味を読み取り、次に何をするかを判断して文章にするどのモデルを使うか。難しい判断を任せるか、定型の応答にとどめるか
ナレッジ(参照する資料)社内規程やマニュアルなど、答えの根拠にする資料を持つどの資料を入れるか、誰が更新するか、見せてよい相手は誰か
ツール(手足)APIの呼び出しや、申請の起動など、外部の操作を行うどの操作を許すか。承認が要る操作はどれか
メモリ(記憶)やり取りの内容を覚え、あとの対応に使う何を覚えさせるか。個人情報を覚えさせないか

この4つは、各ツールの公式資料でも同じように整理されています。Microsoft Copilot Studioでは、エージェントの「指示」「知識」「ツール」などを設定して作り、GitHub Copilotハーネスで動かす場合はモデルやメモリも設定項目になります(Microsoft Learn、2026年10月20日確認)。LangChainの公式資料も、エージェントを「モデルとハーネス」と整理し、ハーネスにはプロンプトとツールなどが含まれるとしています。ガイドライン上の定義は冒頭のとおり、「特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステム」です。なお、複数のAIエージェントが自律的に意思決定を下してアクションを起こす目標主導型のAIシステムは、より包括的な概念として「エージェンティックAI」と呼ばれると、同じガイドラインの脚注に書かれています。

生成AI・チャットボット・RPAとの違い

作り方が変わるのは、何を自動化したいかで道具が違うためです。違いは、判断を誰がするか、実行まで進むかで整理できます。

種類判断実行向く場面
生成AI(対話型)質問に応じて文章を作る原則、人が結果を使う下書き、要約、アイデア出し
チャットボット用意した問答や分岐に沿って答える案内が中心よくある質問への定型回答
RPA決めたルールどおりで、判断はしない画面操作などを手順どおりに繰り返す手順が固定された定型作業
AIエージェント目標に向けて、手順を考えて選ぶツールを使って進める情報収集や加工を伴い、状況で手順が変わる作業

仕組みの詳細や、RPAとの使い分けはAIエージェントとは|生成AI・RPAとの違いと導入5ステップと、AI自動化とは?できること一覧・RPAとの違い・導入手順を解説で整理しています。この記事は、それらの記事で扱う「導入の判断」ではなく、自分で作る手順に絞って解説します。

ステップ1|目的と任せる範囲を決める。作る前に埋める仕様シート

ステップ1では、対象の業務を1つに絞り、AIに任せる範囲、使う資料、できる操作、人の承認、止め方を、作る前に6項目で書き出します。

AIエージェントは自律的に動くため、作ってから範囲を考えると、権限が広すぎたり、確認する人がいなかったりしがちです。次の仕様シートを先に埋めておくと、ステップ2以降の選択が楽になります(進め方の一例であり、公的な書式ではありません)。

項目書くこと決める人の例
1. 目的どの業務の、どの作業を、何のために任せるか。完了の基準業務の担当者
2. 参照する資料ナレッジに入れる資料、更新の担当、見せてよい相手資料の持ち主
3. できる操作読む、下書きを作る、登録する、送る、削除する、のどこまで許すか情報システムの担当者
4. 人の承認どの操作の前に、誰が内容を確認するか業務の責任者
5. 止め方と記録異常のときに止める手順、実行の記録を残す場所情報システムの担当者
6. 見直しの時期テストと利用状況を、いつ誰が見直すか作成した担当者

任せる範囲は4段階で考える|最初は参照と下書きから

仕様シートの「できる操作」と「人の承認」は、次の4段階で考えると決めやすくなります。これも考え方の一例です。

段階できること例人の関わり
1. 参照のみ資料を検索して回答する就業規則の問い合わせへの回答回答を見た人が判断する
2. 下書きの作成文書やメールの案を作る問い合わせへの返信案人が確認して送る
3. 承認つきの実行申請や登録などの操作を準備し、承認後に実行する申請フローの起動実行の前に人が承認する
4. 承認なしの実行影響が小さい定型の操作を自動で実行する定型の通知の送信事後に記録を確認する

最初は1と2から始め、テストで動きが安定した操作から段階を上げていくのが安全です。経済産業省・総務省のAI事業者ガイドライン(第1.2版)も、公平性に関する指針の中で、AIに単独で判断させるだけでなく適切なタイミングで人間の判断を介在させる利用を検討することと、その際に人間の判断が自動化バイアスに左右されない対策を講じることを求めています。ツール側にも、人の確認を組み込む仕組みがあります。Copilot Studioのエージェントフローは人間のレビューステップを含められ、LangChainの公式資料でも、基盤のLangGraphにhuman-in-the-loop(人の関与)の機能があると説明されています。

ステップ2|作り方を選ぶ。ノーコード・ローコード・コード開発の違い

作り方は、画面操作だけで作るノーコード、一部に設定や式を書くローコード、プログラムで組むコード開発の3つに分かれ、運用する人の技術力と連携したいシステムで選びます。

方式向いている場面主なツール例注意したい点
ノーコード現場の担当者が、まず1業務で試すDify、n8n細かな制御や独自の連携には限りがある。クラウド版かセルフホストかで管理の責任が変わる
ローコードMicrosoft 365など、使っている業務基盤とつなげて社内に展開するMicrosoft Copilot Studio基盤のライセンスや課金の仕組みを確認する。作成できる人の権限を決める
コード開発自社システムとの連携や、複数のエージェントの協調など、細かな制御が要るLangChain(LangGraph)、CrewAI開発と保守ができる技術者が要る。テストや監視の仕組みも自分で用意する

主なツールの特徴|公式資料で確認した内容

ツール公式資料で確認できる特徴確認しておきたい点
DifyAIアプリを作るオープンソースのプラットフォーム。エージェントやチャットボットを作り、Webアプリとして公開したり、APIで自社製品に組み込んだりできるクラウド版(無料のSandboxプランあり)と、Docker Composeで自社環境に入れるセルフホスト版がある
Microsoft Copilot Studioエージェントやワークフローを作り、管理するためのローコードのスタジオ。Teamsやウェブサイトなどのチャネルに公開できる使うハーネス(エージェントを動かす基盤)で機能と課金が変わる。利用はCopilotクレジットを消費することがある
n8nAI機能と業務プロセスの自動化を組み合わせた、fair-codeライセンスのワークフロー自動化ツールクラウド版の無料トライアルと、Docker Composeなどのセルフホストがある
LangChainLLMを使うエージェントを作るフレームワーク。モデル、ツール、システムプロンプトを指定して作る。基盤のLangGraphで人の関与や永続化を使えるPythonなどの開発が前提
CrewAI自律的に動く複数のエージェントを連携させる、オープンソースのフレームワーク。全体の流れを決めるFlowsと、協働するCrewsで構成される公式は、本番向けではまずFlowから始め、必要な場面でCrewを使うことを勧めている

上の表は、各社の公式資料を2026年10月20日に確認した内容です。ツールの機能や料金体系、名称は短い周期で変わるため、使う前に最新の公式資料で確認してください。古い解説記事の情報にも注意が必要です。例えばAWSのAmazon Bedrock Agentsは、公式ドキュメントで新規のお客様の受け付けを終了したと案内されており、同様の機能にはAmazon Bedrock AgentCoreが案内されています。

どれで作るかを決める3つの問い

  1. 運用するのは誰か。現場の担当者が運用するならノーコードかローコード、開発と保守の担当者を置けるならコード開発も候補になる
  2. 参照させたい資料と、使いたい業務の基盤はどこにあるか。Microsoft 365やTeamsの中で完結させたいならCopilot Studio、複数のサービスをつなぐ流れを作りたいならDifyやn8nが候補になる
  3. データを置く場所の条件はあるか。社外のクラウドに置けない資料を扱うなら、セルフホストできるツールか、社内の承認を得たサービスに限る

この3つの問いは、一般的な選び方の考え方の例です。迷う場合は、運用する人が決まっているかを最優先で考えてください。作ったあとに設定を直せる人がいないと、どのツールでも運用が止まります。

ChatGPTでAIエージェントを作るには|2026年10月時点の公式案内

ChatGPTで独自のエージェントのようなものを作る方法として、これまで「GPTs」が使われてきました。OpenAIのヘルプによると、GPTsの新規作成と公開は、Free・Go・Plus・Proの個人アカウントでは利用できず、Business・Enterprise・Eduのワークスペースで、設定と権限が許す場合に作成できます。作成画面では、Instructions(指示)、Knowledge(参照資料)、Capabilities(機能)、Actions(外部APIとの接続)を設定します。ただし同じヘルプには、OpenAIがカスタムGPTの提供終了を計画し、ワークフローをPluginsへ移行することを勧めていると書かれています。影響を受けるEnterpriseワークスペースの終了予定日は2026年12月11日で、ほかのプランも同じ時期の見込みです。また、操作を実行する「ChatGPT agent」のヘルプには、ChatGPT agentは現在利用できず、長時間の多段階タスクにはChatGPT Workを使うよう案内されています(いずれも2026年10月20日確認)。ChatGPTで作る場合は、公式の最新の案内を確認してから始めてください。

ステップ3・4|ナレッジ・指示・ツールを設計し、DifyとCopilot Studioで作る

ナレッジには答えの根拠にする資料だけを入れ、指示には役割・手順・禁止事項を具体的に書き、ツールには必要な操作だけを許すと、エージェントの動きが安定します。

ナレッジ|答えの根拠にする資料を絞る

ナレッジは、エージェントが答えるときに参照する資料です。IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」は、RAGを、AIが知らないことを社内メールサーバなどの外部接続システム上で検索して、プロンプトの一部に取り込んで参考にする仕組みと説明しています。Copilot Studioでは、ファイルのアップロード、公開されたウェブサイト、SharePointなどをナレッジとして追加できます。入れる資料は、次の3点で絞ります。

  • 根拠にしてよい資料か。社内規程やマニュアルなど、最新版が決まっているものに限る
  • 更新する担当がいるか。古い資料が残ると、エージェントも古い内容で答える
  • 見せてよい相手か。エージェントを使える人が、元の資料を見られる人より広くならないようにする

指示|役割・手順・禁止事項・出力の形を具体的に書く

指示は、エージェントの役割や振る舞いを定める文章です。OpenAIのGPTsのヘルプは、多段階の作業は「条件が起きたら何をするか」の形で段階を明示することと、禁止事項を並べるより、やるべきことを具体的に書くほうが効果的であることを挙げています。この考え方は、ほかのツールの指示にも使えます。社内規程の問い合わせに答えるエージェントを例にすると、次のように書きます(書き方の一例です)。

役割:社内の就業規則に関する問い合わせの一次対応を行う

参照:登録した就業規則だけを根拠にする。書かれていないことは「規程に記載がありません。人事担当へ確認してください」と答える

手順:1. 質問に当てはまる規程を探す。2. 規程の名称と内容を示す。3. 申請が必要な場合は、手続きの案内だけを行う

禁止:個人の給与や評価に関する質問には答えず、人事担当への連絡を案内する

出力:結論、根拠の規程名、確認先の3点を短くまとめる

ツール|必要な操作だけを許す

ツールは、エージェントが外部で行える操作です。Copilot Studioのドキュメントでは、コネクタ、MCP、ワークフローなどがツールとして挙げられています。先ほどの4段階でいう「参照のみ」「下書きの作成」から始め、申請の起動のような実行を伴う操作は、承認の手順を付けて追加します。操作ごとに「失敗したときに元へ戻せるか」を確かめておくと、許す範囲を決めやすくなります。

Difyで作る手順|公式チュートリアルの流れ

Difyの公式クイックスタートは、Dify Cloudでワークフローを作る手順を案内しています(例は複数のSNS向けの投稿文を作るワークフローで、エージェントの設計にもそのまま使える流れです)。

  1. cloud.dify.aiでサインアップする。新規アカウントは無料のSandboxプランで始まる
  2. 「Integrations」の「Model Provider」でモデルのプロバイダーを設定し、「Default Models」で既定のモデルを選ぶ。モデルが選べないときは、まずこの設定を確認する
  3. 「Studio」から「Create from Blank」を選び、「Workflow」を作る
  4. 入力、LLM、条件分岐(IF/ELSE)、繰り返し、出力などのノードをキャンバスに置いてつなぎ、各ノードの設定をする
  5. 「Test Run」で動かし、ノードごとの「Last Run」のログで、どこで想定とずれたかを確認する
  6. 問題がなければ「Publish」で公開する。公開後に変更したときは、再度の公開が必要になる

Copilot Studioで作る手順|公式が示すライフサイクル

Copilot Studioのドキュメントは、エージェントの流れを作成、構築、テスト、発行、モニタリングの5段階で示しています。使うハーネスで画面と機能が分かれる点が、ほかのツールにはない特徴です。

段階行うこと本記事のステップ
作成ホームから、使うハーネスを選んで新しいエージェントを作るステップ2
構築エージェントの役割、知識、できること、制限を設定するステップ3・4
テストプレビューで会話して確かめ、評価でテストセットを作って品質を測るステップ5
発行Teamsやウェブサイトなどのチャネルにデプロイするステップ5
モニタリング本番の状況、セッション、クレジットの利用状況を見て改善点を探す運用

ハーネスには、自然言語で説明して作るGitHub Copilotハーネスと、トピックと呼ぶ会話の流れを設計する標準ハーネスなどがあります。公式は、一方で作ったエージェントを他方へ移行できないと説明しているため、作り始める前に選んでください。利用状況に応じた課金があり、エージェントの利用・構築・テスト・評価でCopilotクレジットを消費することがあるため、費用の見込みは公式の最新の案内で確認します。

ここまでの手順は、設定した値や画面の例を残しておくと、担当者が替わっても同じように作り直せます。その手順書を、自社の研修コースとしてまとめておきたい場合の一例が、株式会社FCEが提供するSmart Boardingです。商品ページでは、インプットとアウトプットの両方に対応する学習体系、社内独自の教育内容を学習プログラムとして整備できること、直感的に操作できる管理画面、オンライントレーニングが追加料金なしで受け放題であること、導入時から運用後まで続く伴走型のサポートが紹介されています。一方で、電話やメールの相談、教育プログラムの設計といった手厚いサポートは、「充実サポートプラン」のみとされています。AIエージェントに関する教材が含まれるかは資料で確認し、自社の手順書を研修にする場合は、作成の進め方を担当者に相談してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!

今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。

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Smart Boarding 導入事例(株式会社ミツハシ)の見出し 出典:導入事例ページ

ステップ5|テストして公開する。よくある失敗とセキュリティの確認点

テストでは、うまくいく質問だけでなく失敗しやすい質問も試し、公開の前に、誤った答え・古い資料・広すぎる権限・外部データ経由の不正な指示の4点を確認します。

テストで試す質問の種類

質問の種類例確認すること
通常の質問出張の申請はどうするか根拠の資料が示され、答えが正しいか
資料にない質問規程に書かれていない特例の可否推測で答えず、確認先を案内するか
権限外の依頼他人の評価や給与を教えてほしい禁止事項どおりに断るか
あいまいな依頼「あれを申請しておいて」勝手に実行せず、不足を聞き返すか
資料が改訂された場合改訂前後で答えが変わる質問最新の資料で答えているか

確認の道具は、ツールごとに用意されています。Copilot Studioではプレビューでの対話確認と、テストセットを使う評価があり、DifyにはノードごとのLast Runのログがあります。AWSのドキュメントも、エージェントの推論の過程をトレースで確認するよう案内しています。成功する質問だけで公開せず、失敗しやすい質問の結果を残して、公開後の見直しの基準にしてください。

よくある失敗5つと防ぎ方

失敗起きる理由防ぎ方
範囲が広すぎて精度が出ない1つのエージェントに多くの業務を任せている1業務に絞って始め、動きを見てから広げる
期待と違う動きをする指示があいまいで、禁止事項や出力の形がない役割・手順・禁止事項・出力を具体的に書き、テストで直す
古い内容で答えるナレッジに古い資料が残り、更新の担当がいない資料ごとに更新担当と見直しの時期を決める
想定外の操作をしてしまう許す操作が広く、承認の手順がない必要な操作だけを許し、実行の前に人が承認する
誤りに気づかず使われる答えを確認する人と基準が決まっていない用途ごとに確認者と、一次情報で確かめる項目を決める

セキュリティの確認点|誤り・外部データ・管理

IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」は、生成AIが出鱈目を答える現象をハルシネーションと呼び、完全に防ぐ方法はまだ分かっていないと説明しています。そのため、エージェントの答えや実行結果は、重要なものほど人が一次情報で確かめる設計にします。

エージェントに外部のメールやウェブページ、資料を読ませる設計では、別の注意も要ります。同じ資料では、RAGなどを通じてプロンプトに入り込むデータの中に不正なプロンプトを混ぜ込み、AIの直接の利用者ではない第三者が行う攻撃を「間接プロンプトインジェクション」と呼び、AIシステムの利用者にも警戒が必要な攻撃類型としています。外部から届いた内容を読み込んで操作まで進める設計は、この攻撃の影響を受ける形になるため、読み込める範囲と、実行できる操作を分けて決めてください。

総務省の白書でも、企業が生成AIの活用で懸念するリスクは、「社内情報の漏洩などのセキュリティリスク」が最も高く、「出力結果の精度に問題がある」「著作権等の権利を侵害する可能性がある」が続きました。作る人が増えるほど、管理の仕組みも要ります。Copilot Studioのドキュメントには、組織内のエージェントの在庫管理、セキュリティ管理、役割ベースのアクセス、コスト管理を行える旨が書かれており、DLP(情報漏えい防止)などのガバナンス制御に対応するとされています。作成者が分からないエージェントが増えないよう、作る人と公開の手順を、最初に決めておきます。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。

入力してよい情報の範囲や、出力の確認のしかたを文書にしても、全員が読んで理解したかを確かめる場面は残ります。理解度をテストで確かめたい場合の一例が、株式会社イー・コミュニケーションズが提供するSAKU-SAKU Testingです。商品ページでは、CBTをベースにしたeラーニングで、テスト機能が豊富であること、不慣れな人でも作成・登録しやすいコンテンツ機能があること、ユーザー管理機能でカテゴリーやグループを紐づけられることが紹介されています。注意したい点として、事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとされています。AIエージェントの利用に関する問題が用意されているかは、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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最初の1業務の選び方|AIエージェントに任せやすい業務の候補3つ

最初の1業務は、失敗しても影響が小さく、効果が見えやすい、資料の検索や下書きを中心にした業務から選びます。

総務省の令和8年版情報通信白書では、日本企業が生成AIを利用している業務類型は「議事録・メール作成補助」が約7割と最も高く、導入効果を実感した割合も約7割でした。次いで「営業・販売」が約6割、「社内ヘルプデスク」が約5割と続きます。文章を読む・書く・探す作業から始める企業が多いことがうかがえます。次の表は、この傾向を踏まえた最初の1業務の候補を、仕様シートの項目に当てはめた設計の例です(公開された企業の事例ではありません)。

業務の候補任せる範囲(4段階)ナレッジの例人が確認すること
社内の問い合わせの一次対応1. 参照のみ。申請が必要なら案内にとどめる就業規則、経費精算のルール、FAQ規程の根拠が示されているか。答えられない質問を担当者へ回せているか
議事録・レポートの下書き2. 下書きの作成会議の文字起こし、過去のレポートの型決定事項や数値が元の記録と合っているか。社外に出す前に確認する
顧客への返信案の作成2. 下書きの作成。送信は人が行う過去の対応履歴、製品の案内、対応方針個人情報を入力・出力に含めていないか。誤った回答をそのまま送っていないか

この3つは、どれも段階1か2から始められます。動きが安定して、確認の負担が減ってきたら、申請の起動のような3の段階へ広げます。複数の処理をつなぐ設計の考え方は、AIワークフローとは?RPAとの違いと設計手順4ステップ、SaaSとの関係はSaaSとAI|生成AI・AIエージェントで変わる役割と「SaaSの死」、導入時の注意点で解説しています。

1つのエージェントで始め、必要なら複数に広げる

設計の型には、推論と行動を交互に繰り返しながら進める方法があります。2022年に公開された論文「ReAct」は、大規模言語モデルに推論の過程と課題に応じた行動を交互に生成させる手法を示し、質問応答の課題で、外部の情報源から追加の情報を取得することで、誤りの連鎖を抑えられたと報告しました。複数のエージェントを組み合わせる設計もありますが、CrewAIの公式資料が本番向けではまずFlowから始めることを勧めているように、最初は役割を絞った1つのエージェントで試し、動きを確かめてから分けるほうが、原因を切り分けやすくなります。

運用|評価と改善を続け、試験運用から本番へ広げる

運用では、公開後の利用状況と誤りの記録を定期的に見直し、指示・ナレッジ・権限を直しながら、効果が確認できた業務へ段階的に広げます。

総務省の白書は、日本の企業ではリスク対策として全社的な指針の整備が最も多い一方、米国・ドイツ・中国では、導入前の専門的な審査体制や導入後の定期的な評価・検証が日本より高い傾向があったとしています。作って公開したあとの評価と検証を、日々の運用に組み込めるかが差になります。Copilot Studioには、パフォーマンスの監視、カスタム指標の追跡、セッション成果の分析ができるアナリティクスと、公開の前後に品質を検証する評価の機能があります。どのツールを使う場合も、次の3つを定期的に見直します。

  • 使われ方:どの質問が多いか、使われなくなった機能はないか
  • 誤りの記録:間違った答えや、人が直した内容。原因が指示・ナレッジ・ツールのどれかを切り分ける
  • 権限と資料:許している操作や参照する資料が、今の業務に対して広すぎたり古かったりしないか

試験運用から本番に広げるときは、小さく試す、効果を確かめる、対象を広げる、の順で進めます。効果の測り方や広げる判断は、AIエージェントとは|生成AI・RPAとの違いと導入5ステップの「効果をどう確認するか」で3つの指標として整理しています。対象を広げるたびに、使う人が増え、入力される情報や求められる確認も変わります。指示の書き方や確認の手順を直したら、その内容を研修にも反映して、全員が最新のやり方を学べる状態にしておきます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. AIエージェントを自作するにはどうすればいいですか?

A. 目的と任せる範囲を決め、作り方(ノーコード・ローコード・コード開発)を選び、ナレッジを用意し、指示・ツール・権限を設計して、テストしながら運用する5ステップで進めます。最初は1つの業務に絞り、資料の参照や下書きの作成から始めると、失敗したときの影響を小さくできます。

Q2. ChatGPTでAIエージェントを作ることはできますか?

A. OpenAIのヘルプによると、GPTsの新規作成と公開は個人アカウントでは利用できず、Business・Enterprise・Eduのワークスペースで、設定と権限が許す場合に作成できます。ただしOpenAIはカスタムGPTの提供終了を計画しており、Pluginsへの移行を勧めています。2026年10月20日時点の案内のため、始める前に公式の最新情報を確認してください。

Q3. ChatGPTはAIエージェントですか?

A. ChatGPTは主に、対話で文章などを作る対話型のAIサービスです。AIエージェントかどうかは、AI事業者ガイドラインの定義にある「目標の達成のために環境を感知し自律的に行動する」機能を使うかどうかで変わります。OpenAIのヘルプには、操作を実行するChatGPT agentは現在利用できず、長時間の多段階タスクにはChatGPT Workを使うよう案内されています(2026年10月20日確認)。

Q4. AIエージェントの利用料金はいくらですか?

A. 金額はツールやプラン、使い方で変わるため、公式の最新の案内で確認してください。費用は、ツールの利用料、モデルの利用料、作成と運用にかかる人の工数に分けて考えます。Difyのクラウド版には無料のSandboxプランがあり、Copilot Studioでは、エージェントの利用・構築・テスト・評価でCopilotクレジットを消費することがあります。

Q5. プログラミングができなくてもAIエージェントは作れますか?

A. Difyやn8nのようなノーコードのツール、Copilot Studioのようなローコードのツールなら、プログラミングなしでも作れます。ただし、任せる範囲、参照する資料、許す操作、人の承認の決定は技術の問題ではなく業務の判断のため、業務を知る担当者が決める必要があります。

Q6. AIエージェントを作ったあと、社内で気をつけることは何ですか?

A. 入力してよい情報の範囲、答えを確認する人、エージェントが実行できる操作と承認の場面、外部のメールやウェブページを読み込ませるときの注意を決め、全員に同じ基準で周知することです。総務省の白書では、日本企業のリスク対策は全社的な指針の整備が41.1%で最も多く、指針を決めたあとに全員が理解している状態をつくることが次の課題になります。

まとめ|AIエージェントの作り方で押さえたい6つのこと

AIエージェントは、目標に向けて環境を感知し、自律的に行動するAIシステムです。作る前に任せる範囲を決め、小さく始めて、確認しながら広げることが、安全に作るための基本になります。

  1. AIエージェントは、生成AI・チャットボット・RPAと、判断と実行の範囲が違うことを押さえる
  2. 作り方は5ステップ。道具を選ぶ前に、目的と任せる範囲を決める
  3. 仕様シートで、参照する資料・できる操作・人の承認・止め方を決め、最初は参照と下書きから始める
  4. ノーコード・ローコード・コード開発は、運用する人と連携する基盤で選び、使う前に公式の最新の案内を確認する
  5. テストでは失敗しやすい質問も試し、誤り・古い資料・広い権限・外部データ経由の不正な指示を確認する
  6. 使う人が増える前に、入力のルールと理解度の確認をそろえるため、eラーニングの資料を請求して比較する

AIエージェントの性能やツールは、今後も短い周期で変わります。変わらないのは、どこまで任せ、どこで人が確認するかを決めるのは作る側だということです。まず1つの業務で、仕様シートを埋めるところから始めてください。

参考文献

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