採用証明書とは?企業の書き方・提出期限・再就職手当との関係を解説
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- 失業手当を受ける人の再就職の証明書
- 企業が雇入年月日などを事実どおり記入
- 提出は就職日の前日までが原則
採用証明書とは、失業手当(基本手当)を受けている人が再就職するときに、ハローワークへ提出する書類のことです。採用した事業主が、雇入年月日・職種・従業員数・採用経路などを証明して記入します。提出の目的は、再就職した日以降の失業手当を止めることと、早く再就職した人に支給される再就職手当の申請につなげることです。この記事では、採用証明書の意味、必要な理由、企業が記入する項目と書き方、提出期限と間に合わないときの対処、再就職手当の流れを、厚生労働省の資料と雇用保険法の条文で確認した範囲で整理します。採用を決めた会社の総務・人事の担当者、依頼を受けて初めて書く方、そして書類を持つ採用者本人のいずれにも使えるようにまとめました。あわせて、採用証明書が必要になる「採用後」の前に見直したい選考と定着の考え方にも触れます。
採用証明書の対応と、採用時の見極め。社内でどこまで整っていますか?2問で確認
Q1. いま知りたいのはどちらですか?
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採用証明書とは?誰が書き、誰がどこへ出す書類か
採用証明書とは、失業手当(基本手当)を受けている人が再就職するとき、ハローワークへ出す書類で、採用した事業主が雇入年月日などを証明します。事業主が書き、本人が持参または郵送で提出します。
厚生労働省のQ&Aには、再就職が決まったときは「就職先に採用証明書の記入を依頼し、ご持参ください」とあり、採用証明書は後日郵送などで提出することもできると書かれています(厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」)。会社が自分から作る書類ではなく、採用者から依頼を受けて記入する書類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書類の目的 | 雇入年月日などの事実を事業主が証明し、失業手当を正しく止め、必要な給付を行うため |
| 提出する人 | 失業手当を受けていて、再就職が決まった採用者本人(代理や郵送の扱いは、ハローワークの案内に従う) |
| 記入する人 | 本人記入欄(支給番号・氏名・住所など)は採用者、事業主記入欄(雇入年月日・職種・事業所の情報など)は採用した会社 |
| 出す先 | 採用者が失業手当を受けているハローワーク(公共職業安定所) |
| 主な使い道 | 失業手当の停止の手続き、再就職手当の申請に必要な確認 |
出典:厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」、東京労働局(ハローワーク)の様式掲載ページ(2026年10月20日確認)。様式の細かい項目はハローワークごとに違うため、採用者が持っている様式に合わせてください。
なお、会社が従業員の在籍を証明する書類には「在籍証明書」もあり、こちらは別の書類です。違いは在籍証明書の書き方や法務上の注意点を解説した記事で整理しています。
採用証明書が必要になるのは、採用が決まったあと
採用証明書は、内定を出し、採用者が就職日を迎える前後に必要になる書類です。書類そのものは、記入欄を埋めて渡せば足ります。一方で、採用側の担当者が本当に頭を悩ませるのは、その手前の「この人は入社後に長く働いてくれるか」という選考の見極めです。公的な制度にも、定着を意識した条件が出てきます。再就職手当は「1年を超えて勤務することが確実」であることが支給要件の一つで(後述)、採用者の側にも、採用した会社に定着するかどうかが関わってきます。
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採用証明書が必要な理由|失業手当の停止と再就職手当の申請
採用証明書が必要な理由は2つあり、再就職した日以降の失業手当を止めるためと、早く再就職した人が再就職手当を受けるための確認のためです。どちらも、事業主が雇入年月日を証明することが土台になります。
失業手当を止めるため|不正受給を防ぐ書類
失業手当は、失業の状態にあることが前提の給付です。就職や就労をしたのに申告しないで受け取り続けると、不正受給にあたります。ハローワークの案内でも、パート・アルバイト・日雇・試用期間なども含めて、就職・就労を失業認定申告書で申告しないことは不正受給として禁止されています(ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」)。厚生労働省のQ&Aには、申告せずに受給すると、以後の支給停止や、不正受給額の3倍の納付を命じられることがあると書かれています(厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」)。
雇用保険法10条の4は、偽りその他不正の行為で失業等給付を受けた人に、全部または一部の返還と、不正に受けた額の2倍に相当する額以下の納付を命じることができると定めています(第1項)。さらに第2項は、事業主が偽りの届出・報告・証明をしたために給付が支給されたときは、受給した人と連帯して納付を命じることができると定めています(雇用保険法(e-Gov法令検索)。2026年10月20日にe-Govの本文で確認)。つまり、会社が書く「雇入年月日」は、事実どおりであることが前提の証明です。ここは条文の紹介で、法的助言ではありません。個別の判断は、ハローワークや社会保険労務士にご相談ください。
再就職手当を受けるため|8つの要件と計算例
再就職手当とは、基本手当の受給資格の決定を受けたあとに早期に安定した職業に就いた人に支給される手当で、早い再就職を促すための制度です(ハローワークの再就職手当リーフレット)。支給には、厚生労働省のQ&Aに挙げられた次の8つの要件をすべて満たす必要があります。
| 再就職手当の要件(厚生労働省Q&A) | 採用証明書との関係 |
|---|---|
| 就職日の前日までの失業の認定を受けたあとの支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること | 雇入年月日が、残日数の計算の基準になる |
| 1年を超えて勤務することが確実と認められること | 雇用期間の定めの有無・雇用形態の欄を正しく書く必要がある |
| 待期(7日間)の満了後の就職であること | 雇入年月日で確認される |
| 離職理由による給付制限を受けた場合、待期満了後1か月間は、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であること | 採用経路の欄で確認される |
| 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引等で密接な関係にある事業主を含む) | 事業所の情報で確認される |
| 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと | 本人の側の要件 |
| 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと | 採用の内定日と関係する |
| 原則として、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす雇用であること | 雇用保険加入の有無の欄と関係する |
出典:厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」(Q39・Q40)。右の列は、様式の項目と要件の関係を整理した説明で、公的資料の記述そのものではありません。実際に支給されるかどうかは、ハローワークが判断します。
支給額は、基本手当日額(上限あり)に支給残日数と給付率を掛けて求めます。所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合は支給残日数の70%、3分の1以上を残した場合は60%です。ハローワークのリーフレットにある計算例を、表にまとめます。
| 例(基本手当日額は4,000円) | 支給残日数 | 給付率 | 再就職手当の額 |
|---|---|---|---|
| 所定給付日数90日。給付制限期間中に就職 | 90日 | 70% | 4,000円×90日×70%=252,000円 |
| 所定給付日数270日。受給資格決定日以後50日目に就職 | 228日 | 70% | 4,000円×228日×70%=638,400円 |
| 所定給付日数270日。受給資格決定日以後100日目に就職 | 178日 | 60% | 4,000円×178日×60%=427,200円 |
出典:ハローワークの再就職手当リーフレットの計算例(2026年10月20日確認)。金額は例で、実際の額は人によって異なります。上の2行目と3行目は、所定給付日数270日の3分の2にあたる180日を境に、給付率が70%から60%に変わることを示しています。同じ日額でも、早く就職するほど額が大きくなる仕組みです。
再就職手当の基本手当日額には上限があり、リーフレットには令和9年7月31日までの額として、離職時の年齢が60歳未満で6,745円、60歳以上65歳未満で5,454円と書かれています(毎年8月1日に改定)。また、再就職手当を受けた人が同じ再就職先に6か月以上雇用され、その6か月の賃金が離職前より低い場合には、就業促進定着手当を受けられることがあります。申請は、就職した日の翌日から1か月以内に、再就職手当支給申請書を本人・代理の方・郵送のいずれかで出します。
採用証明書の書き方|企業が記入する項目と注意点
採用証明書の書き方の基本は、事業主記入欄を、出勤簿・タイムカード・労働者名簿などの確認できる書類にもとづいて事実どおりに書くことです。様式の冒頭にも、これらの関係書類を確認したうえで証明するよう書かれています。
様式はハローワークごとに項目が少し違います。2026年10月20日に確認した東京労働局の様式には「雇用保険加入の有無」の欄があり、高知のハローワークのサイトに掲載された様式には「雇用の内定日」「今後の採用予定」の欄がありました(東京労働局(ハローワーク)の様式掲載ページ、ハローワーク高知の様式)。以下は、東京労働局の様式をもとに整理した項目です。
| 項目 | 記入する人 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 支給番号 | 採用者(本人) | 雇用保険受給資格者証に記載されている番号。会社では確認できないため、本人が記入する。様式にも、本人が受給資格者証を見て必ず記入するよう書かれている |
| 氏名・生年月日・住所・電話 | 採用者(本人) | 本人記入欄。会社が先に事業主記入欄を書いて渡す場合も、ここは本人に確認してもらう |
| 雇入(予定)年月日 | 事業主 | 「在籍となる初日」を書く。試用期間・パート・研修で在籍する期間も含む。一週間の所定労働時間もあわせて書く |
| 従業員数 | 事業主 | 雇入年月日の時点の、支社・支店・営業所を含む企業全体の人数。解説サイトによれば、パート・アルバイトも含めて数える(サポネット「採用証明書とは?書き方や重要性を解説します」) |
| 職種 | 事業主 | 社内の呼び名ではなく、「営業」「経理事務」のように業務内容がわかる名称で書く(解説サイトの説明) |
| 雇入年月日前の就労の有無 | 事業主 | 雇入年月日より前に、臨時・アルバイト・日雇いなどで働いた期間があれば「有」とし、期間を書く |
| 採用経路 | 事業主 | 安定所の紹介、職業紹介事業者の紹介(事業者名・所在地・電話・担当者名)、求人広告・新聞折り込み等、知人・取引先等の紹介から選ぶ |
| 雇用形態・雇用期間の定めの有無 | 事業主 | 常用・臨時・パート・派遣・その他から選ぶ。有期契約かどうかは、再就職手当の「1年を超えて勤務することが確実」という要件に関わるため、雇用契約書や労働条件通知書と合わせる |
| 雇用保険加入の有無 | 事業主 | 「無」の場合は理由を書く(東京労働局の様式の欄) |
| 事業所の所在地・名称・代表者氏名・電話・雇用保険適用事業所番号 | 事業主 | 証明欄。雇用保険適用事業所番号は、解説サイトによれば「雇用保険適用事業所設置届 事業主控」や「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」で確認できる(マネーフォワード クラウド「採用証明書とは?必要な理由や書き方」) |
出典:東京労働局(ハローワーク)の様式掲載ページに掲載の様式(2026年10月20日確認)。「解説サイトの説明」と書いた項目は、サポネット「採用証明書とは?書き方や重要性を解説します」、マネーフォワード クラウド「採用証明書とは?必要な理由や書き方」などの記述にもとづくもので、公的資料の記載そのものではありません。迷う項目は、採用者が失業手当を受けているハローワークに確認してください。
雇入年月日で迷いやすい3つのケース
雇入年月日は、記入ミスが最も起きやすい項目です。様式の裏面の注意事項は、雇入年月日を「事業主と本人の間で取り決めた在籍となる初日」と説明し、通常は最初に出勤する日や実際に出勤した日になるものの、これらが異なる場合があるので注意するよう求めています。
| ケース | 雇入年月日にする日 | 考え方 |
|---|---|---|
| 雇用日が会社の休業日にあたる(例:1月1日が雇用日で、出勤は1月4日から) | 1月1日 | 出勤の初日ではなく、在籍となる初日を書く |
| 出勤すべき初日に欠勤した(例:1月23日に欠勤し、1月24日から出勤) | 1月23日 | 欠勤した日でも、在籍が始まっている日が雇入年月日 |
| 正社員に切り替わる前に、臨時・パート・試用期間・アルバイトの期間がある(例:6月20日から働き、7月1日に正社員) | 6月20日 | 正社員や本採用に限らず、臨時・パート・見習い・試用・研修の期間も在籍の初日に含まれる |
出典:様式の裏面「雇用年月日についての注意事項」の例(東京労働局(ハローワーク)の様式掲載ページ、ハローワーク高知の様式)。内定日や、雇用契約書を交わした日を書かないよう注意してください。
押印と事業所の情報の書き方
押印の有無は様式によって異なります。2026年10月20日に確認した東京労働局の様式には代表者の押印欄がなく、ハローワーク高知のサイトに掲載された様式には「代表者名 印」の欄がありました。解説サイトには押印が不要になったと書くものも、ハローワークに届け出た登録印が必要と書くものもあるため、押印は採用者が渡された様式に従って判断してください。事業所の所在地・名称・代表者名は、登記の内容と合わせておくと誤記を防げます。従業員を雇用するときに履歴事項全部証明書が必要になる場面は、履歴事項全部証明書の取得方法を解説した記事に整理されています。
採用証明書の提出期限と、間に合わないときの対処
採用証明書の提出期限は、就職日と次回の認定日の前後関係で決まります。原則は、就職日が次回認定日より前なら就職日の前日までに、後なら次回認定日にハローワークで申告します。
| 就職日の位置 | 採用者がすること |
|---|---|
| 次回の認定日より後に就職する | 指定された次回の認定日にハローワークへ行き、就職が決まったことを申告する |
| 次回の認定日より前に就職する | 原則として就職日の前日にハローワークへ行き、就職を申告する。前日が土日祝日の場合は、その前の開庁日に行く |
| 給付制限期間中に採用された | 就職日の前日に来所する必要はない |
出典:厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」(Q37)。採用証明書は就職先に記入を依頼して持参し、後日郵送などで提出することもできると書かれています。
企業側の都合で、期限までに採用証明書を書けない場合があります。たとえば、本社で一括して処理している、出社を確認してからでないと証明できない、といったケースです。解説サイトでは、採用者からハローワークに事情を説明して了承を得れば手続きを進められ、記入済みの採用証明書は採用者または会社が郵送する方法が紹介されています(サポネット「採用証明書とは?書き方や重要性を解説します」、キメテ「採用証明書の書き方・記入例」)。公的な手続きの取り扱いは、ハローワークの窓口によって異なることがあるため、遅れそうな時点で採用者に伝え、本人からハローワークに確認してもらうのが確実です。
採用が決まってから、再就職手当の申請までの流れ
流れは、採用者が様式を用意し、企業が記入し、採用者が提出し、再就職手当を申請する順です。企業が動くのは、主に記入と、後日の再就職手当支給申請書の事業主欄です。
- 採用者が、ハローワークで受け取った「受給資格者のしおり」などにある採用証明書の様式を用意し、本人記入欄を書く
- 企業が、事業主記入欄と事業所の情報を記入して採用者に返す(依頼から返却までの日数は、期限から逆算して決める)
- 採用者が、期限までにハローワークへ提出する(解説サイトによれば、受給資格者証と失業認定申告書もあわせて持参する)
- ハローワークが内容を確認し、再就職手当の対象になる場合は、再就職手当支給申請書を渡す(インターネットでも入手できる)
- 採用者から後日依頼があれば、企業が再就職手当支給申請書の事業主欄を記入する(雇入年月日などは、採用証明書と同じ内容にそろえる)
- 採用者が、就職した日の翌日から1か月以内に、再就職手当支給申請書を提出する
出典:厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」、ハローワークの再就職手当リーフレット、サポネット「採用証明書とは?書き方や重要性を解説します」、マネーフォワード クラウド「採用証明書とは?必要な理由や書き方」。手順5は解説サイトの説明で、ハローワークの案内で確認するよう採用者に伝えてください。前の勤務先を離れる手続きについては、資格喪失証明書の発行手順を解説した記事も参考になります。
企業側のよくある失敗と、内定通知に添える一言
採用証明書の失敗の多くは、雇入年月日の誤りと、依頼に気づくのが遅れることから起きます。様式の注意書きや公的な案内から、確認の観点を整理します。
| よくある失敗 | 起きること | 確認の根拠 |
|---|---|---|
| 雇入年月日に、内定日や契約書を交わした日を書く | 在籍となる初日とずれる。不正受給につながる場合は、事業主も連帯して納付を命じられることがある | 様式の注意事項、雇用保険法10条の4第2項 |
| 雇用契約書や労働条件通知書と、雇用形態や期間が食い違う | 解説サイトでは、雇用契約書や労働条件通知書と一致していないと受理されないとされる | 解説サイト(キメテ) |
| 従業員数に、自分の事業所の人数だけを書く | 様式は、支社・支店・営業所を含む企業全体の数を求めている | 様式の注記(東京労働局) |
| 支給番号を会社が調べて書こうとする | 会社は番号を確認できない。本人が受給資格者証を見て記入する | 様式の記載 |
| 依頼に気づくのが遅く、期限に間に合わない | 採用者が手続きを進められない。遅れるときは本人からハローワークへの説明が必要 | 厚生労働省Q&A(Q37)、解説サイト |
| 派遣スタッフの依頼を、派遣先が書こうとする | 派遣では雇用主が派遣元のため、派遣元が証明するとされる | 解説サイト(キメテ) |
出典:様式(東京労働局(ハローワーク)の様式掲載ページ)、雇用保険法(e-Gov法令検索)、厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」、キメテ「採用証明書の書き方・記入例」。解説サイトの記述は、記事の公開時点の説明で、取り扱いはハローワークの窓口で確認してください。
内定通知に案内を添えておく
採用証明書は、採用者から依頼があって初めて作る書類で、会社が自分から作る必要はないと解説されています(サポネット「採用証明書とは?書き方や重要性を解説します」)。そのうえで、依頼のし忘れを防ぐために、内定通知に「失業手当を受給中で、採用証明書が必要な方は、〇月〇日までに担当者へご連絡ください」といった一文を添えておく方法が紹介されています。依頼を受けた日付、記入して返した日付、雇入年月日を台帳に書いておくと、問い合わせがあったときに確認しやすくなります。
採用証明書を出す前に見直したい、選考と定着の考え方
採用証明書は採用が決まったあとの書類ですが、採用側にとって大切なのは、その人が入社後に自社で力を発揮し、長く働いてくれることです。公的な制度にも、その視点が反映されています。再就職手当は1年を超えて勤務することが確実であることが要件で、就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人が同じ再就職先に6か月以上雇用され、その賃金が離職前より低い場合に受けられることがあります(厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」、ハローワークの再就職手当リーフレット)。入社後に早い時期で離れてしまうと、採用した会社にも、採用された本人にも負担が残ります。
選考の見極めで守りたい公正な採用選考の基本
選考の方法を見直すときは、公正な採用選考の考え方が前提になります。厚生労働省は、採用選考の基本を、応募者の基本的人権を尊重することと、応募者の適性・能力にもとづく基準で選考することの2点としています。判断の基準は「求人職種の職務遂行上必要な適性・能力をもっているかどうか」で、本籍や家族の職業などの本人に責任のない事項は、採用基準にしてはならないとされています(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。
同じ特設サイトの「採用選考の具体的な方法」では、適性検査について、目的に合った種類を選び、専門的な知識と経験を持つ人が実施すること、結果を絶対視せず「うのみにしないようにしましょう」としています。適性・能力に関係のない事項を把握しないこと、結果だけで採否を決めないことも求められています。面接についても、質問を職務遂行に必要な適性・能力を評価できるものに事前に決め、評価の基準を事前に定めておくよう案内されています(厚生労働省「事業主の皆様へ 採用選考の具体的な方法」)。つまり、検査や第三者の評価は、面接の質問や評価基準を作る材料として使い、結果だけで合否を決めない使い方が前提です。
今の選考がこの前提に沿っているか、下のチェックで確かめてみてください。
中途採用の見極めと定着、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
チェックが2つ以上当てはまる場合は、面接官の感覚や本人の説明に頼る部分が残っています。基準を社内のデータで作る方法と、前職での働きぶりを第三者に確かめる方法の2つの方向があり、次に紹介する2つのサービスがその一例です。
社員のデータから採用基準を作る
社員の受検結果から自社の採用基準を作り、基準にあう候補者かを数値で比べたい場合の一例が、株式会社リーディングマークが提供する「ミキワメ 適性検査」です。商品ページでは、社員に適性検査を受けてもらい、その結果から自社の社風を分析して採用基準を設定し、採用候補者が自社で活躍できるかを14段階で比較・判定する点が紹介されています。10分の性格検査と20分の能力検査を受けられる点、社内受検は人数無制限で受けられる点も記載されています。注意点として、受検から分析まですべてシステム上で行うため、紙での受検や、個室で目の前で受けてもらう方法はできません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。なお、サービス名は、運営会社の公式サイトでは「ミキワメAI 適性検査」と表記されることがあります。
株式会社リーディングマーク
ミキワメAI 適性検査
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採用時だけでなく従業員に◎部署単位で社風を分析したい企業におすすめ
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株式会社フィッツコーポレーションの導入事例より(ミキワメAIの導入事例まとめ)
経歴や働きぶりを第三者に確かめる
候補者と一緒に働いたことのある上司や同僚の評価、経歴の確認など、面接や書類ではわかりにくい情報を、内定前後に確かめたい場合の一例が、back check株式会社が提供する「back check」です。商品ページでは、リファレンスチェックとコンプライアンスチェックをオンラインで実施できる点と、リファレンスチェックは候補者への依頼からレポート取得までの平均日数が4.6日とされる点が紹介されています。注意点として、実施にあたっては候補者への説明と同意が前提で、運用サポートの範囲は企業によって異なるため、問い合わせでの確認が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。公正な採用選考の観点から、確かめる内容は職務に必要な適性・能力に関わる事項に限り、結果だけで採否を決めないよう、運用のルールを社内で決めておくことが大切です。
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前職での働きぶりを、第三者の評価で確かめたい会社
経歴の確認に手間がかかっている会社
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よくある質問(FAQ)
Q1. 採用証明書はどうやってもらえますか?
A. 採用者が、ハローワークで渡された「受給資格者のしおり」などにある様式を用意し、就職先の事業主に記入を依頼します。本人記入欄は本人が、雇入年月日などの事業主記入欄は採用した会社が書きます。様式が手元にない場合は、ハローワークのサイトからも入手できます。
Q2. 採用証明書はいつ書いてもらえばいいですか?
A. 内定が決まったあと、ハローワークに提出する期限に間に合う時期に書いてもらいます。提出は、就職日が次回認定日より前なら原則として就職日の前日までです。会社の返却に日数がかかる場合は、早めに採用者へ伝えてください。
Q3. 採用証明書は必ず必要ですか?
A. 失業手当を受けていた人が再就職するときに提出する書類です。失業手当を受けていない人には必要ありません。会社が自分から作る書類ではなく、採用者から依頼があったときに記入します。再就職手当を申請する場合も、採用証明書の提出が前提になります。
Q4. 採用証明書は自分で書けますか?
A. 本人記入欄(支給番号・氏名・住所など)は自分で書けますが、雇入年月日や職種などの事業主記入欄と証明は、採用した会社が書きます。会社の証明が必要な書類のため、すべてを自分で書くことはできません。
Q5. 提出期限に間に合わないときはどうすればいいですか?
A. 会社の都合で遅れる場合は、採用者本人からハローワークに事情を説明し、了承を得ます。厚生労働省のQ&Aでは、採用証明書は後日郵送などで提出することもできるとされています。取り扱いは窓口によって異なることがあるため、早めに相談してください。
Q6. 雇入年月日を間違えて書いたらどうなりますか?
A. 雇入年月日を事実と違う内容で書き、それが不正受給につながる場合は、雇用保険法10条の4第2項により、事業主が受給した人と連帯して返還・納付を命じられることがあると、様式に書かれています。記入前に、出勤簿・タイムカード・労働者名簿などで在籍の初日を確認してください。
まとめ|採用証明書で押さえたい6つのこと
- 採用証明書は、失業手当を受けている人の再就職を、事業主が証明してハローワークに出す書類
- 目的は、失業手当を正しく止めることと、再就職手当の申請につなげること
- 事業主は、出勤簿・労働者名簿などで確認して、雇入年月日・職種・従業員数・採用経路を事実どおりに書く。支給番号は本人が書く
- 提出は、就職日が次回認定日より前なら原則として就職日の前日まで。遅れるときは本人からハローワークへ相談し、後日郵送もできる
- 様式や押印の有無はハローワークごとに異なるため、採用者が持つ様式に従う
- 採用後に慌てないよう、内定通知に案内を添える。選考の見極めと定着を見直すなら、適性検査やリファレンスチェックの資料を取り寄せて比べる
参考文献
- 厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508.html
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html
- ハローワーク「再就職手当リーフレット」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/saishuushokuteate.pdf
- 東京労働局(ハローワーク)「採用証明書」の様式掲載ページ https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/kakushu_jouhou/sinsei_todokede/kyufu.html
- ハローワーク高知「採用証明書」の様式 https://jsite.mhlw.go.jp/kochi-hellowork/content/contents/saiyo_syomei.pdf
- デジタル庁 e-Gov法令検索「雇用保険法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html
- 厚生労働省「事業主の皆様へ 採用選考の具体的な方法」 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/methods.html
- サポネット「採用証明書とは?書き方や重要性を解説します」 https://saponet.mynavi.jp/column/detail/ty_romu_t07_certificate-of-adoption_230428.html
- マネーフォワード クラウド「採用証明書とは?必要な理由や書き方」 https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/67578/
- キメテ「採用証明書の書き方・記入例」 https://business.kimete.jp/saiyoucertificate/
- テキカク 導入事例「株式会社五味八珍」 https://tekikaku.lafool.jp/case-study/gomihattin/
- ミキワメAI 導入事例まとめ https://mikiwame.com/lab/entry/mikiwame-introduction-example/
- back check 導入事例「株式会社Mico」 https://site.backcheck.jp/case/Mico
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