フローチャートツールの選び方|無料・Excel・専用ツールを比較
Check!
- ツールは描く道具と運用の道具で分ける
- 共同編集と書き出し形式で種類別に比べる
- 無料は上限と保存場所を先に確認する
フローチャートツールとは、業務の手順や処理の流れを、図形と矢印で描いて共有するためのツールです。選ぶときは、ExcelやPowerPointなどのOfficeアプリ、ブラウザで使える無料の作図ツール、Canvaやオンラインホワイトボード、Lucidchart・Cacoo・Visioのような業務向けの専用ツールの4種類から、使う人数、共同編集の有無、書き出し形式、無料で足りる範囲の4つで絞ると迷いません。この記事では、各ツールの公式ページで確認できる機能を2026年10月20日時点で整理し、Excelとパワポのどちらで作るか、無料でどこまで使えるか、記号の意味と作り方まで扱います。最後に、描いたフローを担当・進捗・工数の運用につなげる方法も紹介します。
フローチャートの使い方を2問で確認
Q1. フローチャートで整理したい業務は、どちらに近いですか?
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目次
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フローチャートツールの選び方|「描く道具」と「流れを回す道具」を分ける
フローチャートツールは、図を描くだけで足りるのか、描いた手順を担当・進捗・工数まで運用するのかを先に決め、そのうえで人数・共同編集・書き出し形式・無料の範囲で絞ります。
図を描くだけなら、Excel・Word・PowerPointの図形、Googleの図形描画、draw.io、Canva、Miro、Lucidchart、Cacoo、Visioなどから選べます。各ツールの違いは、後半の比較表で整理します。一方で、フローチャートに描いた手順は、描いた時点で終わりではありません。誰が、どの順で、どれだけの時間をかけて進めるのかを追う段階があり、案件ごとに仕事が動く会社では、この段階を描く道具とは別に用意したほうが運用しやすくなります。
描いたフローを案件の進捗と工数で回すサービスの例
次の3つは、フローチャートを描くツールではなく、描いた手順を案件・プロジェクトの進捗や工数で運用するためのサービスです。お名前.comビジネスコンシェルジュの商品ページ(2026年10月20日確認)の内容で、役割の違いを比べます。図を描くだけが目的の場合は、この章を読み飛ばして、次の章からお読みください。
フローチャートで整理した業務を、案件の進捗と工数で回す3サービス
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:ZAC。工程管理で作業進捗と原価進捗を一元管理できる点が、商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Kiroku。勤務とプロジェクトの工数・予算の管理が1つのシステムで行える点が、商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:MA-EYES。分析設定に独自の項目を追加できる点が、商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロード| サービス | Kiroku |
MA-EYES |
|
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | IT・広告・クリエイティブ・コンサルティング業など、案件単位で動く企業(株式会社オロ) | 手軽に導入したい、使いやすさ重視の企業。記録データを活用したい企業(株式会社かなめ) | 自社に合った柔軟なプロジェクト管理を実現したい企業(株式会社ビーブレイクシステムズ) |
| 特徴 | 勤怠管理と工数管理を一元化し、プロジェクトや作業工程別の作業時間を集計できる。工程管理で作業進捗と原価進捗を一元管理できる | 社員のタイムカード・勤務管理と、プロジェクトの工数・予算管理が1つのシステムで行える | 予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるERP。標準機能へのカスタマイズが柔軟で、分析設定に独自の項目を追加できる |
| 注意したい点 | 導入完了まで最短で3ヶ月、平均で半年ほど。詳しい料金やプランは問い合わせが必要 | サービス連携やAPI利用の詳細は問い合わせで確認する | 工数管理に特化しているため、工程管理には対応していなそうと商品ページに記載がある |
| 資料・詳細 |
表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
フローチャートで整理した業務を、案件ごとの進捗と工数・原価で回したい場合の一例が、ZAC(株式会社オロ)です。商品ページでは、知的サービス業・プロジェクト型ビジネスに向けたクラウドERPとして紹介され、勤怠管理と工数管理を一元化してプロジェクトや作業工程別の作業時間を集計できる点、工程管理でスケジュールをガントチャート形式で可視化し、作業進捗と原価進捗を一元管理できる点、見積管理にワークフロー機能があり承認プロセスを自動化できる点が挙げられています。一方で、導入完了まで最短で3ヶ月、平均で半年ほどかかるとされ、詳しい料金やプランは問い合わせが必要です。案件単位で動く会社向けで、図を描くだけが目的の会社には、規模が合わない場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

おすすめ!
- 個別原価計算の自動化で業務を効率化できる
- 独自設計で柔軟性を保ちつつ、安価での導入が可能
- タイムリーなプロジェクト管理で利益の着地が可視化できる
気になる…
- 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
-
見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

株式会社カヤック(アプリ・ゲーム開発業)の代表取締役CEOは、ZAC Enterprise導入後のメリットについて、導入事例の中で次のように話しています。
「これまで「多分こうなんじゃないかな」という直感で判断していたことに関して、データによる裏付けができるようになるので、直感的な判断にも確信が持てるようになると思います。」
出典:株式会社カヤック ZAC導入事例(株式会社オロ。インタビュー掲載時点の内容で、フローチャートの事例ではありません)
フローチャートとは?記号の意味と種類
フローチャートとは、業務や作業の流れを、開始・終了、処理、判断などの図形と矢印でつないで表した図です。文章では伝わりにくい手順の順番や分かれ道を、ひと目で共有できます。
Canvaの解説では、フローチャートは業務フローや承認プロセス、問い合わせ対応、マニュアル作成、プロジェクトの進行手順など、さまざまな場面で使われるとされています(Canva)。ツールを選ぶ前に、記号と種類を押さえておくと、必要な機能が見えてきます。
基本の記号と書き方の例
Lucidchartの解説では、基本の記号は楕円(開始・終了)、四角(処理)、入出力、矢印(流れの方向)、ひし形(判断)の5つとされています(Lucidchart)。Visioの公式ページも、開始/終了、プロセス、判断事項、データ、サブプロセス、ドキュメントの図形を用意し、判断事項は「決定の結果によって次のステップが決まるポイントを示す」図形としています(Microsoft サポート)。
| 記号の役割 | 一般的な図形 | 書き方の例(説明のための例です) |
|---|---|---|
| 開始・終了 | 楕円(丸みのある図形) | 「申請を受け付ける」「処理完了」 |
| 処理(作業) | 四角 | 「内容を確認する」「担当者に連絡する」 |
| 判断・分岐 | ひし形 | 「必要書類はそろっているか」(「はい」「いいえ」で分岐) |
| 入出力・データ | 入力や出力を表す図形 | 「申込書を受け取る」「通知メールを送る」 |
| 流れの方向 | 矢印 | 上から下、または左から右へそろえる |
日本の規格では、JIS X 0121「情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号」が、データ流れ図、プログラム流れ図、システム流れ図、プログラム網図、システム資源図で使う記号とその用法を規定しています(日本規格協会の規格ページでは、発行年月日1987-04-01、確認年月日2026-06-22。JSA Webdesk)。情報処理の文書化を対象とした規格なので、社内の業務フローを描くときは、規格に厳密に合わせるより、チームで記号の意味をそろえておくことが大切です。
フローチャートの種類と使い分け
Miroの解説では、プロセスフローチャート、スイムレーンフローチャート、データフロー図、ワークフロー図、技術フローチャート、意思決定フローチャート、循環型フローチャートなどが挙げられています(Miro)。業務で使う場面では、次の整理が目安になります。
| 種類 | 描くもの | 向く場面 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 基本(プロセス)フローチャート | 開始から終了までの手順と、判断による分岐 | 手順書・マニュアルの作成、処理の流れの確認 | Visioでは「基本フローチャート」のテンプレートがあり、各ステップを単純な図形で表せる(Microsoft サポート) |
| 業務フロー図 | 業務全体の流れ、担当者、部署間の関係 | 部署をまたぐ申請・承認の整理 | Canvaの解説では、フローチャートの一種として扱われることもある |
| スイムレーンフローチャート | 担当者や部署ごとに帯を分けた手順 | 誰がどこで作業するかを明らかにしたいとき | Lucidchartにスイムレーンのテンプレートがあり、Visioでは「部門連係フローチャート」のテンプレートが用意されている |
| データフロー図 | データがどこから入り、どこへ流れるか | システムや帳票のやり取りの整理 | MiroとLucidchartの解説に種類として記載 |
| BPMN | 業務プロセスの標準的な表記法 | 業務プロセスを標準の表記でそろえたいとき | Visioでは、BPMN 2.0標準に従った図を作成できる(Visio ProfessionalとVisio Plan 2が対象) |
単純な手順の共有なら基本のフローチャートで足ります。担当者や部署が増えたらスイムレーン、システムを含む整理ならデータフロー図と、扱う範囲が広がるほど、対応できるテンプレートや記号を持つツールが必要になります。RPAの導入に向けて業務の流れを整理する場合は、RPA導入に向けたフローチャートの作り方も参考になります。
フローチャート作成ツールの種類別の比較|共同編集・書き出し・無料の範囲
フローチャート作成ツールは、Office・無料のブラウザ作図・デザインとホワイトボード型・業務向けの専用ツールの4種類に分けると比べやすく、共同編集と書き出し形式、無料の範囲で差が出ます。
次の表は、各社の公式ページ(2026年10月20日確認)に書かれている内容だけで整理したものです。料金の金額は、プランや契約条件で変わるため載せていません。無料の範囲や機能の条件は変更されることがあるので、導入前に公式ページで最新の内容を確認してください。
| 種類 | 代表的なツール | 公式ページで確認できる特徴 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| Office | Excel・Word・PowerPoint | Microsoftの公式ページでは、SmartArtでフローチャートを作る手順が、Excel・Word・PowerPointのすべてを対象に案内されている(Microsoft サポート) | 分岐や担当者が増えると、図形の配置や線の調整に手間がかかる場合がある |
| ブラウザの作図(Google) | Google 図形描画 | Google Workspaceの公式ヘルプでは、ブラウザ上でフローチャートや図を作成でき、ドキュメントに挿入した図は元の図形描画にリンクされ、更新できるとされている(Google ヘルプ) | 社内でGoogle Workspaceを使っているかで向き不向きが分かれる。テンプレートなどの機能は公式ヘルプで確認する |
| 無料のブラウザ作図 | draw.io(diagrams.net) | 公式サイトに「Free forever」「No sign-up required」と記載があり、保存先を自分で選べる。SVG・PNG・PDFで書き出せ、リアルタイム共同編集の記載もある(draw.io) | 保存先を自分で選ぶ仕組みなので、チームで使うときは保存場所とアクセス権のルールを先に決める |
| デザイン・ホワイトボード型 | Canva / Miro | Canva: フローチャート用テンプレート、図形と矢印を自動で接続する「クイックフロー」、PNG・PDF・共有リンクでの保存と共有、閲覧・コメント・編集の権限設定(Canva)。Miro: テンプレート、スイムレーンやデータフロー図などの種類、AIフローチャート生成のツール(Miro) | どちらも無料プランに上限がある(次の章)。厳密な記号や表記法を使う業務フローは、専用ツールのほうが合う場合がある |
| 業務向けの専用作図 | Lucidchart / Cacoo / Visio | Lucidchart: 同時編集、コメント、データリンク、改訂履歴、Visio・draw.ioファイルの読み込み、スイムレーンのテンプレート、AIでの図の作成(Lucidchart)。Cacoo(株式会社ヌーラボ): リアルタイム共同編集、フリープラン、30日間の全機能の試用、テンプレート(Cacoo)。Visio: 基本フローチャート、部門連係フローチャート、ワークフロー図(Microsoft サポート) | プランによって使える機能が変わる。Visioは、BPMNなど方法論の図がProfessionalとPlan 2のみ、Excelデータからの自動作成はPlan 2のみ |
比較するときの6つの観点
- 作る人と見る人の数:同時に編集するのか、閲覧とコメントだけの人がいるのか。Canvaは「編集」「コメント」「表示」の権限を設定できると案内しています
- 描ける図の種類:基本のフローチャートで足りるのか、スイムレーン・データフロー図・BPMNまで必要か
- テンプレートとAI:一から描くか、テンプレートを書き換えるか。Lucidchartは、テキストで説明した流れから生成AIが図を作成できると案内しています
- 書き出しと取り込み:PNG・PDF・SVGなど、資料や手順書に貼れる形式で出せるか。他ツールで作ったファイルを読み込めるか
- 保存場所と運営会社:図のデータをどこに置くのか、自社の情報管理のルールに合うか。日本語のサポート窓口があるか
- 無料の範囲と試用:作成数・共同編集の人数・書き出しの制限。Cacooは30日間の全機能の試用、Miroは無料プランの上限を公式ページで案内しています
迷ったときの判断フロー
上の観点を、はい・いいえで進める判断フローにまとめました。公式ページの記載にもとづく目安で、すべての会社に当てはまるものではありません。
| 順番 | 問い | 「はい」の場合 | 「いいえ」の場合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 図を作るのは1人で、資料や文書に貼れば足りる? | Office(ExcelやPowerPoint)か、Google 図形描画で足りる | 2へ進む |
| 2 | 複数人で同時に編集したり、コメントを付けたりする? | 3へ進む | 無料で使えるdraw.ioなどの作図ツールで十分な場合が多い |
| 3 | スイムレーンやBPMNなど、業務向けの図を描く? | Lucidchart・Cacoo・Visioのような専用ツールを検討する | Canva・Miro・draw.ioなど、テンプレートを使いやすいツールを検討する |
| 4 | 描いたフローを、案件ごとの進捗や工数で追いたい? | 運用のサービスを別に検討する(この記事の最初と最後の章) | 作図ツールで完結する |
業務の流れを描いたあとに、現状の可視化そのものを進めたい場合は、業務可視化ツールおすすめ10選も参考になります。
3サービスの役割を比較表で見るエクセル・パワポ・ワードのどれで作る?Officeと専用ツールの違い
ExcelもPowerPointもWordも、SmartArtでフローチャートを作れます。どれで作るかは、完成した図を使う場所で決めるのが基本です。
Microsoftの公式ページは、フローチャートの作成手順を、Excel、Word、PowerPointのすべてを対象として案内しています。手順は、[挿入]タブの[図]から[SmartArt]を選び、[SmartArtグラフィックの選択]の[手順]からレイアウトを選んで、ボックスにテキストを入力するものです(Microsoft サポート)。つまり、「エクセルかワードのどちらで作るのが良いか」「エクセルとパワポのどっちか」という疑問は、機能の差ではなく、図をどこで使うかで決まります。次の表は、使い分けの目安です(公式の推奨ではなく、使う場面からの整理です)。
| アプリ | 向く使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| Excel | 作業表やチェックリスト、集計表と同じブックに、手順の図を置きたいとき | 図が大きくなると、セルとの位置関係の調整が必要になる |
| PowerPoint | 説明資料やマニュアルとして、1枚の図で見せたいとき | 手順が多いと1枚に収まらず、スライドを分ける必要がある |
| Word | 手順書や規程など、文書の本文に図を入れたいとき | 図の編集が文書の流れに影響することがある |
エクセルでフローチャートを作るツールは?
Excelの標準機能では、SmartArtと図形でフローチャートを作れます。Excelの表のデータから図を自動で作りたい場合は、Visioの「データ ビジュアライザー」があります。Microsoftの公式ページによると、Excelブックから基本フローチャートや部門連係フローチャートを自動的に作成でき、この機能はVisio Plan 2でのみ利用できます(Microsoft サポート)。ステップのIDを一意に入力するなど、表の形を決めて入力する手間はあるので、図を頻繁に更新する会社向けの方法です。
Officeで足りなくなる目安
- 手順を複数人で同時に編集したい、またはコメントでレビューしたい
- 担当者や部署ごとの帯(スイムレーン)で、手順を分けて示したい
- 図の更新が頻繁で、版の履歴を残したい(Lucidchartには改訂履歴の機能があると案内されています)
- 社外の関係者にも、リンクで見てもらいたい
どれか1つでも当てはまる場合は、前の章の比較表から、共同編集に対応した専用ツールやブラウザの作図ツールを検討します。当てはまらなければ、Officeの図形で十分です。
無料で使えるフローチャートツールと、無料の範囲の確かめ方
無料で使える代表例は、draw.io、Canva、Miro、Cacooです。ただし作成数や素材、機能に上限があるため、使い始める前に無料の範囲を確認します。
| ツール | 公式ページに書かれている無料の範囲 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| draw.io | 「Free forever」「No sign-up required」「No lock-in」と記載(draw.io) | 保存先をどこにするか。共同編集に使う保存先の条件 |
| Canva | 無料のテンプレート・図形・フォントでフローチャートを作成できる。一部の素材や機能はCanvaプロ向け(Canva) | 使いたいテンプレートが無料の範囲に入っているか |
| Miro | 料金ページでは、無料プランは編集可能なボード3つ、メンバー数は無制限と案内(Miro 料金ページ) | ボードの上限を超えたときの扱い。フローチャートを何枚作るか |
| Cacoo | フリープラン(一部機能に制限)があり、アカウント作成後30日間は全機能を無料で試せる(Cacoo) | 制限される機能の内容は、公式で確認する |
| Lucidchart | 公式ページに、無料のテンプレートと、無料アカウント作成の案内がある(Lucidchart) | 無料プランの具体的な上限は、このページに記載がない。プラン比較で確認する |
無料プランで始めるときは、次の3点を確認すると、あとから困りにくくなります。1つ目は、作れる図の数と、共同編集できる人数です。2つ目は、PNG・PDF・SVGなど、手順書や資料に貼る形式で書き出せるかです。3つ目は、図のデータの保存場所と、社内の情報管理のルールに合うかです。業務の手順書として長く使う図は、無料の範囲で足りなくなったとき、有料プランへ移るか、別のツールへ移すかを、先に決めておくと安心です。
図を描くツールの選定と並んで、描いた手順の進み具合を追う方法も、あわせて検討すると運用が安定します。進捗と工程の管理には、ガントチャート作成ツールおすすめ12選の記事も参考になります。
フローチャートの作り方|6ステップとよくある失敗
フローチャートの作り方は、目的と読み手を決め、開始と終了を置き、手順と判断を書き出して、矢印でつなぎ、最後に見直す流れです。どのツールでも同じ手順で進められます。
- 目的と読み手を決める:誰が、何のために使う図かを決めます。新人向けの手順書か、承認の流れの共有かで、描く細かさが変わります
- 開始と終了を決める:どこから始まり、何が起きたら終わりかを、最初に1つずつ置きます
- 手順を順番に書き出す:1つの図形に1つの作業を入れます。1つに複数の動作を詰め込むと、読み手が追えなくなります
- 判断と分岐を入れる:「はい」「いいえ」で分かれる点を、ひし形で示します。分岐の先は、どちらも次の手順や終了につなぎます
- 矢印でつなぎ、流れをそろえる:Canvaの解説では、基本的に上から下、または左から右へ流れをそろえると読みやすくなるとされています
- 見直して共有する:記号の意味と文言をそろえ、関係者にレビューしてもらいます。保存場所と更新担当も決めておきます
よくある失敗と直し方
Miroの解説では、明確な目的を定めて描き始める前に主要な手順を整理すること、標準的なフローチャート記号を使って構成をシンプルで論理的に保つこと、すべてにラベルを付けて関連する手順をグループ化すること、更新しやすくアクセスしやすく共有しやすい状態にしておくことが、ベストプラクティスとして挙げられています(Miro)。次の表は、これを失敗の側から整理したものです。
| よくある失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 目的を決めずに描き始める | 細かすぎる、または粗すぎる図になり、読み手が使えない | 読み手と使う場面を、先に1行で書く |
| 記号の意味が人によって違う | 分岐や作業の見分けがつかず、誤解が生まれる | 標準的な記号を使い、凡例を付ける |
| 1枚に全部を詰め込む | 流れが追えず、更新もしにくい | 大きな流れと、細部の図(サブプロセス)に分ける |
| 分岐の出口がない | 「いいえ」の場合に何をするかが分からない | 分岐のどちらにも、矢印と次の手順を置く |
| 描いたあと、更新されない | 実際の作業と図が食い違い、使われなくなる | 更新担当と見直しの時期を決め、保存場所を1か所にする |
描いたフローチャートを運用に乗せる|更新・担当・工数の記録
描いたフローチャートを運用に乗せるとは、手順ごとの担当者と作業時間を記録し、実際の流れと図のずれを定期的に直すことです。図は、描いた時点から古くなり始めます。
厚生労働省の資料「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」は、計画の段階で、実施する項目の順序とともに、必要となる工数(稼働時間)を見積もってスケジュール表に落とし込むこと、実行の段階で、評価に使えるよう活動記録をできるだけ残すこと、評価の段階では、結果そのものよりも、なぜそうなったかという要因分析が重要であることを示しています(厚生労働省)。フローチャートに当てはめると、図が「実施する順序」にあたり、工程ごとの作業時間の記録が、見直しの根拠になります。
この記録は、図の更新にも役立ちます。実際の作業時間が図の想定と大きく違う工程は、手順が抜けているか、分岐が増えている可能性があるためです。Miroの解説も、フローチャートは更新しやすく、アクセスしやすく、共有しやすい状態にしておくことで、長期にわたって価値を発揮するとしています(Miro)。
まず作業時間の記録から始める
案件の原価までは見ず、まず誰がどの作業にどれだけの時間をかけたかを残したい場合の一例が、Kiroku(株式会社かなめ)です。商品ページでは、社員のタイムカード・勤務管理と、プロジェクトの工数・予算管理を1つのシステムで行える点、作業量や作業時間を明確にして自分の作業量の確認に使える点、レポートや分析機能の活用で分担や作業の偏りを防げる点が、特徴として紹介されています。簡単登録で無料から始められるとも記載があります。注意点として、サービス連携やAPI利用の詳細は問い合わせで確認する必要があります。商品ページで紹介されているのは勤務と工数・予算の管理で、フローチャートを描く機能ではありません。図は別のツールで描き、記録を残す役割を分ける使い方になります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
おすすめ!
- 社員の勤務や工数の管理が1つで行え、コストダウンに貢献
- どれだけ作業しているのか明確にでき、自分の作業量や作業時間の確認にも最適
- レポートや分析機能を活用することで、分担や作業の偏りを防止
気になる…
- サービス連携やAPI利用についての詳細は問い合わせで確認
作業チェッカー|いまの運用を確かめる
次のチェックは、ここまでの内容を自社の運用に当てはめるためのものです。当てはまる数が少なければ、今のやり方のまま続けて問題ありません。
描いたフローチャートの運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
手順の見直し効果を、案件の工数や損益で確かめるときの選び方
手順の見直しの効果は、見直し前後の工数を同じ切り口で比べると確かめられます。切り口が会社ごとに決まっているなら、分析の項目を追加できるサービスが候補になります。
フローチャートを描き直しても、効果が数字で見えなければ、次の見直しの判断材料になりません。「申請から承認までが何日短くなったか」「ある工程の作業時間が何時間減ったか」のように、図の工程と同じ単位で数字を集める必要があります。工程ごとの集計の切り口(部門、顧客、工程など)が自社で決まっているときは、標準の項目だけでは足りない場合があります。
この記事で取り上げた3つのサービスについて、商品ページ(2026年10月20日確認)の内容で、どんな状況に向くかを整理すると、次のとおりです。
| 状況 | 候補 | 商品ページで確認した内容 |
|---|---|---|
| 案件ごとの予定と実績、原価まで見たい | ZAC | 工程管理で作業進捗と原価進捗を一元管理。導入完了までは最短で3ヶ月、平均で半年ほど |
| まず勤務と工数の記録から始めたい | Kiroku | 勤務管理とプロジェクトの工数・予算管理が1つのシステム。サービス連携やAPIは問い合わせで確認 |
| 自社の項目で工数や損益を分析したい | MA-EYES | 標準機能へのカスタマイズが柔軟で、分析設定に独自の項目を追加できる。工程管理には対応していなそうと記載 |
見直し前後の数字を、自社の見たい項目で比べたい場合の一例が、MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)です。商品ページでは、予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるERPシステムとして紹介され、導入前から導入後までのフルサポート体制、クラウドでありながら標準機能へのカスタマイズが柔軟で分析設定に独自の項目を追加できる点が挙げられています。注意点として、工数管理に特化しているため、工程管理には対応していなそうと記されています。フローチャートのように工程の流れを描く用途は、商品ページ上は対象外の可能性があるため、描く役割は別のツールに任せ、数字で比べる役割に絞って確認する使い方になります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社ビーブレイクシステムズ
MA-EYES
株式会社ビーブレイクシステムズ
MA-EYES
自社に合った柔軟なプロジェクト管理を実現したい方におすすめ

おすすめ!
- 予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるオールラウンドなERPシステム
- 導入前から導入後まで充実したフルサポート体制を完備
- クラウドでありながら標準機能へのカスタマイズも柔軟で、分析設定にも独自の項目追加が可能
気になる…
- 工数管理に特化しているため、工程管理には対応していなそう
株式会社ドワンゴの情報システム部門などの担当者は、MA-EYES導入の効果について、導入事例の中で次のように話しています。
「また、プロジェクト単位での人件費、労務費が見えるようになったため、残業時間の調整や個人の品質、生産性の向上に関する分析データを抽出することができるようになりました。」
出典:株式会社ドワンゴ MA-EYES導入事例(株式会社ビーブレイクシステムズ。2012年1月現在の内容で、フローチャートの事例ではありません)
小さく始める判断のしかた
- 図は描いたが、工程ごとの作業時間は誰も記録していない:まず表計算か、Kirokuのような記録に絞ったサービスで、1か月ほど試す
- 案件ごとの予定と実績の差が、見直しのたびに話題になる:ZACのような、案件単位の原価と工数を扱うサービスの資料を確認する
- 見たい切り口(部門、顧客、工程など)が会社ごとに決まっている:MA-EYESのように、分析の項目を柔軟に設定できるサービスの資料を確認する
- 手順の共有だけが目的で、今のやり方で回っている:記録の仕組みを足さず、図の更新だけを続ける
案件ごとの工数・損益を、自社の項目に合わせた分析で見たい場合は、MA-EYESの資料で、対応できる範囲や導入の進め方を確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 無料で使えるフローチャートツールはありますか?
A. あります。draw.ioは公式サイトに「Free forever」「No sign-up required」と記載があり、CanvaとMiroには無料プラン、Cacooにはフリープランがあります。ただし、作成できる図の数や素材、機能には上限があるため、書き出し形式や共同編集の人数を、使い始める前に公式ページで確認してください。
Q2. フローチャートは、エクセルとパワポのどちらで作るのが良いですか?
A. 完成した図をどこで使うかで選びます。Microsoftの公式ページは、SmartArtでのフローチャートの作成を、Excel・Word・PowerPointのすべてを対象に案内しています。作業表と同じブックに置くならExcel、説明資料ならPowerPoint、手順書の本文に入れるならWordが目安です。
Q3. エクセルでフローチャートを作るツールは、何がありますか?
A. Excelの標準機能では、SmartArtと図形で作れます。表のデータから自動で作る場合は、Visioの「データ ビジュアライザー」があり、Excelブックから基本フローチャートなどを自動作成できます。この機能は、Visio Plan 2でのみ利用できると公式ページに記載があります。
Q4. フローチャートの基本の記号は何ですか?
A. 楕円(開始・終了)、四角(処理)、入出力、矢印(流れの方向)、ひし形(判断)の5つが基本です(Lucidchartの解説による)。日本の規格にはJIS X 0121があり、情報処理の文書化で使う記号と用法を規定しています。業務フローでは、チームで記号の意味をそろえておくことが大切です。
Q5. フローチャートと業務フロー図の違いは何ですか?
A. Canvaの解説では、フローチャートは個別の処理や判断の手順を示す図、業務フロー図は業務全体の流れや担当者、部署間の関係を可視化する図とされ、業務フロー図はフローチャートの一種として扱われることもあります。担当者や部署を分けて示したいときは、スイムレーンを使う方法があります。
Q6. 描いたフローチャートが、実際の作業と合わなくなったときはどうすればよいですか?
A. 更新担当と見直しの時期を決め、保存場所を1か所にします。あわせて、工程ごとの担当者と作業時間を記録すると、図の想定と実際の差に気づけます。厚生労働省の資料も、実行の段階で活動記録を残し、評価の段階では要因分析が重要としています。
まとめ:フローチャートツール選びで押さえたい5つのこと
- フローチャートツールは、図を描く道具と、描いた手順を担当・進捗・工数で運用する道具に分けて考える
- 作図ツールは、Office・Googleの図形描画・draw.io・Canva/Miro・Lucidchart/Cacoo/Visioの種類別に、共同編集・書き出し形式・保存場所・無料の範囲で比べる
- エクセル・パワポ・ワードのどれでもSmartArtで作れる。使う場所で選び、共同編集やスイムレーンが必要になったら専用ツールを検討する
- 無料プランは、作成数・共同編集の人数・書き出し形式・保存場所を、使い始める前に公式ページで確認する
- 描いた手順を運用するなら、工程ごとの作業時間を記録し、ZAC・Kiroku・MA-EYESなどの資料を取り寄せて、自社に合うかを確認する
フローチャートは、描いて終わりではなく、更新して使い続けることで価値が出ます。まずは1つの手順を、無料の範囲のツールで描いてみてください。
参考文献
- Microsoft サポート「SmartArt でフロー チャートを作成する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/office/graphics-visuals/create-a-flow-chart-with-smartart
- Microsoft サポート「Visio で基本的なフローチャートを作成する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/visio/create-a-basic-flowchart-in-visio
- Microsoft サポート「Visio のプロセス図」 https://support.microsoft.com/ja-jp/visio/process-diagrams-in-visio
- Microsoft サポート「データ ビジュアライザーのダイアグラムを作成する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/visio/create-a-data-visualizer-diagram
- 厚生労働省「PDCAサイクルを実践して生産性を高めよう」 https://www.mhlw.go.jp/content/000812225.pdf
- 日本規格協会 JSA Webdesk「JIS X 0121:1986 情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号」 https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+X+0121%3A1986
- Google Workspace ラーニング センター「ドキュメントの書式設定とカスタマイズのヒント」 https://support.google.com/a/users/answer/13003605?hl=ja
- draw.io(diagrams.net)公式サイト https://www.drawio.com/
- Canva「無料フローチャート作成ツール」 https://www.canva.com/ja_jp/online-whiteboard/flowcharts/
- Miro「無料のフローチャート作成ツール」 https://miro.com/ja/flowchart/
- Miro「料金プラン」 https://miro.com/ja/pricing/
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- Cacoo(株式会社ヌーラボ)公式サイト https://cacoo.com/ja/
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- 株式会社ビーブレイクシステムズ「株式会社ドワンゴ MA-EYES導入事例」 https://www.bbreak.co.jp/maeyes/case/interview8.html
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