業務委託の源泉徴収は必要?対象の報酬・計算方法・納付期限を解説
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- 源泉徴収が必要なのは個人への対象報酬
- 税率は10.21%で100万円超は20.42%
- 納付は翌月10日で支払調書も確認
業務委託の源泉徴収が必要になるのは、支払先が個人で、報酬が所得税法204条に挙げられた種類(原稿料、デザイン、講演、士業の報酬など)にあたるときです。契約書に「業務委託」と書いてあるだけでは決まらず、支払先が法人であれば原則として不要です。必要な場合は、報酬に10.21%を掛けた額(100万円を超える部分は20.42%)を差し引き、支払った月の翌月10日までに国へ納めます。この記事では、対象になる報酬と対象外の業務、法人・個人・給与の見分け方、請求書を使った計算例、納付期限と加算税、支払調書、受け取る側の確定申告までを、国税庁と法令の原文をもとに順に確認します。
外注先への源泉徴収、どこから確認する?2問で目安がわかります
Q1. 業務委託の報酬を支払う相手はどちらに近いですか?
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業務委託で源泉徴収が必要になるのはどんなとき?
業務委託の報酬から源泉徴収が必要なのは、支払先が個人で、報酬が所得税法204条の対象にあたり、支払う側にも源泉徴収の義務があるときです。国税庁も、源泉徴収が必要な報酬・料金を、支払先が個人(居住者)か法人かで分けて示しています(No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは)。
一般に「業務委託契約」は、請負、委任、準委任といった契約をまとめて呼ぶ言い方で、源泉徴収の要否は契約書の題名では決まりません。見るのは、支払先、報酬の中身、支払う側の立場の3点です。
- 支払先は個人か、法人か(法人なら原則として源泉徴収は不要)
- 報酬は所得税法204条に挙げられた種類か(挙げられていない業務は対象外)
- 支払う側は、給与の源泉徴収義務を負う法人または個人か(給与を支払っていない個人は不要)
3つすべてに当てはまるときに、報酬から源泉徴収します。早見表にすると次のとおりです。
| 支払先と業務 | 具体例 | 源泉徴収 |
|---|---|---|
| 法人 | ライティングやデザインを制作会社に外注する、税理士法人に顧問を依頼する | 原則として不要(例外は馬主である法人への競馬の賞金) |
| 個人で、204条に挙げられた報酬 | 個人のライター、デザイナー、翻訳者、講師、税理士、社会保険労務士への報酬 | 必要(支払う側が給与の源泉徴収義務を負う場合) |
| 個人で、204条に挙げられていない業務 | システム開発、データ入力などの事務代行 | 不要(全額を支払い、受け取る側が確定申告で納税) |
支払先の個人が増えるほど、対象かどうかの判断、請求書ごとの計算、納付、年明けの支払調書までを、給与の源泉徴収とは別に回すことになります。こうした給与まわりの確認を、1つの仕組みに寄せたい場合の一例が、フリー株式会社が提供するfreee人事労務です。
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源泉徴収の対象になる報酬の種類と、対象外になりやすい業務
源泉徴収の対象になるのは、所得税法204条に挙げられた報酬・料金で、原稿料やデザイン、講演、士業の報酬、モデルや外交員の報酬などがあります。条文に挙がっていない業務の報酬は、業務委託であっても対象になりません(e-Gov法令検索 所得税法)。
| 種類(204条) | 条文・政令に挙がっている主な内容 | 業務委託でよくある例 |
|---|---|---|
| 原稿・デザイン・講演など(1号) | 原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み、デザインの報酬、放送謝金、著作権や工業所有権の使用料、講演料。政令で翻訳、通訳、校正、脚本、版下、技芸やスポーツの教授なども追加 | ライター、デザイナー、翻訳者、通訳、校正者、講師への報酬 |
| 士業など(2号) | 弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士など | 顧問契約の報酬、書類作成や手続き代行の報酬 |
| モデル・外交員など(4号) | プロ野球選手、職業拳闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人など。政令でプロサッカー選手やプロゴルファーなども追加 | モデル、外交員への報酬 |
| 芸能・出演など(5号) | 映画、演劇、ラジオやテレビへの出演、演出、企画の報酬。政令で音楽、舞踊、落語などの芸能のほか、映画や演劇の撮影、照明、編集なども追加 | 映画、演劇、放送への出演者、演奏者、演出家への報酬 |
| その他 | 診療報酬(3号)、ホステス等の報酬(6号)、専属契約金(7号)、広告宣伝のための賞金や馬主への競馬の賞金(8号) | 一般の業務委託では多くありません |
1号から5号の詳しい範囲は、所得税法施行令320条に定められています(所得税法施行令)。税率や計算の詳細は後の章で扱います。
システム開発や事務代行など、条文に挙がっていない業務は対象外
204条は報酬の種類を限定して列挙しているため、挙がっていない業務の報酬は源泉徴収の対象外です。たとえばプログラミングを中心としたシステム開発や、データ入力などの事務の代行は、列挙された報酬の種類に含まれません。ただし、1つの案件にデザインや翻訳などが含まれる場合は、その部分が対象になるかどうかを個別に確かめる必要があります。判断に迷うときは、所轄の税務署や税理士に確認してください。
謝礼や取材費という名目でも、実質が報酬なら対象になる
国税庁は、名目が謝金、研究費、取材費、車代などでも、実質が報酬・料金と同じなら源泉徴収の対象になると示しています。一方で、旅費や宿泊費を支払う側が旅行会社などに直接支払い、金額が通常必要な範囲であれば、報酬に含めなくてよいとされています(No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは)。金銭ではなく物品などで支払う場合も報酬として扱われます。
支払先が法人のとき、発注者が個人のとき、給与にあたるときの違い
支払先が法人なら源泉徴収は原則として不要で、支払先が個人でも、発注する側が給与の源泉徴収義務を負わない個人であれば、204条の報酬の多くは源泉徴収しなくてよいとされています。つまり、同じ報酬でも、相手と自社の立場で扱いが変わります。
支払先が法人の場合
国税庁は、支払先が内国法人の場合に源泉徴収が必要なのは、馬主である法人への競馬の賞金だけとしています(No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは)。ライティングやデザインを制作会社に外注する場合などは、報酬を全額支払います。
法人か個人かが分かりにくいのは、研究会や劇団のような団体です。国税庁は、法人税の納税義務があることや、定款や規約、日常の活動から独立した団体として存在することを示せる場合は法人として扱い、そうでなければ個人として扱うと説明しています。契約時に、請求書の名義や登記の有無を確認しておくと判断しやすくなります。
発注する側が個人事業主の場合
所得税法204条2項2号では、1号から5号、7号、8号の報酬のうち、給与の源泉徴収義務を負う個人(同法183条1項)以外の個人から支払われるものは、源泉徴収の規定を適用しないとされています(e-Gov法令検索 所得税法)。給与を支払っていない個人事業主が、個人のデザイナーに外注する場合は、デザインの報酬でも源泉徴収は不要ということです。
反対に、従業員に給与を支払っている個人事業主や、法人は、204条の対象となる報酬を個人に支払うときに源泉徴収が必要です。なお、常時2人以下の家事使用人だけに給与を支払う場合は、給与の源泉徴収が不要とされています(同法184条)。
給与にあたる場合は、給与として源泉徴収する
契約書が業務委託でも、実態が雇用に近ければ給与にあたります。給与にあたる報酬は204条の対象から除かれ(同条2項1号)、給与の源泉徴収税額表で求める扱いになります。国税庁の通達(消費税法基本通達1-1-1(個人事業者と給与所得者の区分))は、契約の形式ではなく、雇用契約またはこれに準ずる契約に基づく対価かどうかで区分するとし、区分が明らかでないときは次の4つの事項を総合して判定するとしています。
| 確認する事項 | 請負・業務委託寄りの状態 | 給与寄りの状態 |
|---|---|---|
| 他人による代替 | 他の人に代わりに作業してもらえる | 本人が自分で作業することが前提 |
| 指揮監督 | 作業の進め方や時間を、委託先が自分で決める | 発注側の指揮監督を受けて作業する |
| 完成品が滅失した場合の報酬 | 不可抗力で完成品が滅失したとき、既に提供した役務の報酬を権利として請求できない | 既に提供した役務の報酬を、権利として請求できる |
| 材料や用具の提供 | 委託先が自分の材料や用具を用意する | 発注側から材料や用具を提供される |
契約の種類ごとの違いは、BPOと人材派遣の違いとは?業務委託・請負・RPOまで整理や、業務委託・業務請負の勤怠管理とは|契約の種類や注意点について解説でも整理しています。
業務委託の源泉徴収税額の計算方法と請求書の書き方
業務委託の源泉徴収税額は、報酬が100万円以下なら報酬額に10.21%を掛け、100万円を超える部分には20.42%を掛けて求めます。10.21%は、所得税10%に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加えた率です。
計算式
原稿料やデザインの報酬、弁護士や税理士などの報酬は、支払金額をAとして次の式で求めます(No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき、No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金)。
- Aが100万円以下の場合は、A × 10.21%
- Aが100万円を超える場合は、(A – 100万円) × 20.42% + 102,100円
1円未満の端数は切り捨てます。100万円を超えるかどうかは、同じ人に1回に支払う金額で判断します(所得税法205条)。
司法書士や外交員は、一定額を引いてから計算する
司法書士、土地家屋調査士、海事代理士の報酬は、同じ人に1回に支払う金額から1万円を差し引いた残額に10.21%を掛けます。外交員、集金人、電力量計の検針人の報酬は、同じ人にその月中に支払う金額から12万円を差し引いた残額に10.21%を掛けます(所得税法205条、同法施行令322条)。外交員への報酬と同じ月に給与も支払う場合は、12万円から給与の額を差し引いた金額が控除額になります。
消費税が区分されているかで、対象の金額が変わる
報酬に消費税等が含まれている場合、源泉徴収の対象は消費税等を含めた金額が原則です。ただし、請求書などで報酬の額と消費税等の額が明確に区分されているときは、報酬の額だけを対象にしてかまいません。インボイス制度の開始後もこの扱いは変わっていません(No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは)。
金額別の早見表と、請求書の記載例
報酬と消費税が区分されていない場合(税込の金額で計算する場合)の源泉徴収税額は、次のとおりです。
| 報酬の金額(A) | 源泉徴収税額 | 計算 |
|---|---|---|
| 5万円 | 5,105円 | 50,000円 × 10.21% |
| 10万円 | 10,210円 | 100,000円 × 10.21% |
| 30万円 | 30,630円 | 300,000円 × 10.21% |
| 50万円 | 51,050円 | 500,000円 × 10.21% |
| 100万円 | 102,100円 | 1,000,000円 × 10.21% |
| 120万円 | 142,940円 | (1,200,000円 – 1,000,000円) × 20.42% + 102,100円 |
| 150万円 | 204,200円 | (1,500,000円 – 1,000,000円) × 20.42% + 102,100円 |
次に、報酬30万円(税抜)に消費税10%を加えて請求する場合を比べます。請求書で報酬と消費税が区分されていれば報酬の30万円が対象になり、区分されていなければ税込の33万円が対象になります。
| 項目 | 報酬と消費税を区分した請求書 | 区分していない請求書(税込の合計のみ) |
|---|---|---|
| 報酬の額 | 300,000円 | 330,000円(税込) |
| 消費税等の額 | 30,000円 | (区分なし) |
| 源泉徴収の対象額 | 300,000円 | 330,000円 |
| 源泉徴収税額 | 30,630円 | 33,693円 |
| 実際に支払う額 | 299,370円(330,000円 – 30,630円) | 296,307円(330,000円 – 33,693円) |
請求書に、報酬の額、消費税等の額、源泉徴収税額、差し引いた支払額を並べて書いておくと、支払う側と受け取る側が金額を照合しやすくなります。区分の書き方は取引先と事前にそろえておくと、手戻りが減ります。この計算例は、国税庁が示す計算式を当てはめた一例です。
令和9年1月以後は防衛特別所得税が加わる
令和9年1月1日以後に生ずる所得については、源泉徴収する税に防衛特別所得税が加わります。国税庁のあらましでは、合計の税率は改正前と同じで、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じないと示されています(国税庁 防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし)。この記事の計算式は、そのまま使えます。
源泉徴収した所得税の納付期限と、納め忘れたときの加算税
業務委託の報酬から源泉徴収した所得税は、原則として報酬を支払った月の翌月10日までに納付します。所得税法204条1項にも、徴収した日の属する月の翌月10日までに国へ納付すると定められています(e-Gov法令検索 所得税法)。
納付期限と納付方法
納付期限が土曜日、日曜日、祝日などにあたる場合は、その休日明けの日が期限になります(No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例)。納付方法は、e-Taxで所得税徴収高計算書のデータを送信して納付する方法と、納付書を添えて金融機関や税務署の窓口で納付する方法があります(No.2110 事業主がしなければならない源泉徴収)。
納期の特例は、報酬の種類によっては使えない
給与の支払人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、承認を受ければ納付を年2回にまとめられる納期の特例があります。ただし、所得税法216条が特例の対象に含めている報酬は、給与や退職手当に加えて、204条1項2号の士業などの報酬だけです。国税庁も、対象を給与や退職手当、税理士や弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収した所得税としています(No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例)。したがって、原稿料やデザインの報酬(1号)、モデルや外交員の報酬(4号)などは、この特例の対象に含まれず、原則どおり翌月10日が期限になります。
| 原則 | 納期の特例 | |
|---|---|---|
| 納付期限 | 支払った月の翌月10日 | 1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日 |
| 使える報酬 | すべての源泉徴収した所得税 | 給与、退職手当、204条1項2号の士業などの報酬 |
| 手続き | 不要 | 税務署への申請と承認が必要(給与の支給人員が常時10人未満) |
納め忘れると、不納付加算税と延滞税がかかる
源泉徴収した国税が法定納期限までに納められなかった場合、税務署長は不納付加算税として、納税の告知に係る税額などに10%を乗じた額を徴収します。納税の告知を受ける前に自主的に納付したときは5%に軽減されます(国税通則法67条)。そのほか、納付が遅れた日数に応じて延滞税がかかります。納付の義務を負うのは、報酬を支払う側です。
支払調書と源泉徴収票の違い。業務委託先に源泉徴収票は出る?
業務委託先の個人への報酬について税務署へ提出するのは、源泉徴収票ではなく「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」で、支払った年の翌年1月31日までに提出します。源泉徴収票は、給与や退職手当などについて作成する書類です(No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等)。
報酬の支払調書は、支払った金額が一定の基準を超える場合に提出します。国税庁が示す提出範囲は次のとおりです(No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出)。
| 対象 | 提出基準(同じ人へのその年中の支払額) |
|---|---|
| 弁護士、税理士などの報酬、作家や画家の原稿料・画料、講演料など | 合計5万円超 |
| プロ野球選手などの報酬・契約金 | 合計5万円超 |
| 外交員、集金人、検針人、プロボクサーなどの報酬・料金、ホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金 | 合計50万円超 |
消費税等を含めた金額で判断しますが、区分されている場合は除いて判断しても差し支えないとされています。提出先は支払者の所轄税務署で、e-Taxまたは書面で、法定調書合計表と併せて提出します。
支払を受ける側に支払調書の写しを渡す義務については、No.7431に記載がありません。ただし、受け取る側は支払調書で源泉徴収された額を確認できるため、求められたときに渡すかどうかを取引先との取り決めとして決めておくと、手間が減ります。写しを渡す場合は、マイナンバーを記載して交付することはできないと、国税庁が注意しています。
報酬から所得税を引かれたら?受け取る側の確定申告と精算
業務委託の報酬から源泉徴収された所得税は、その年の所得税の前払いにあたり、個人事業主やフリーランスは確定申告で精算します。報酬が源泉徴収の対象外の場合や、支払先が法人の場合は、そもそも所得税は引かれません。
所得税が引かれる場合と引かれない場合
個人が204条の報酬を受け取る場合は、10.21%(100万円を超える部分は20.42%)を差し引かれた金額が振り込まれます。システム開発のように対象外の業務の報酬は、全額が振り込まれ、受け取った側が確定申告で所得税を計算して納めます。
確定申告で、源泉徴収された税額を差し引く
国税庁は、確定申告について、税金が源泉徴収されたり予定納税されたりしている場合に、その差額を精算する手続きだと説明しています(No.2020 確定申告)。年間の所得に対する所得税額より、源泉徴収された額の合計が多ければ、納め過ぎた分は還付を受けられます。還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます(No.2030 還付申告)。
源泉徴収された額は、支払調書や、取引先の請求書の控除欄で確認できます。取引先ごとの源泉徴収税額を年間で集計しておくと、申告の際に迷いません。具体的な申告の要否や必要経費の扱いは、所轄の税務署や税理士にご確認ください。
源泉徴収でよくある間違いと確認ポイント
源泉徴収の間違いは、支払先の種類、業務の種類、消費税の扱い、納付と調書の4点で起きやすくなります。ここまでの公的な資料をもとに、確認したいポイントを整理しました。
| 間違い | 起きる理由 | 確認すること |
|---|---|---|
| 法人への報酬から源泉徴収してしまう | 法人は原則として対象外のため | 請求書の名義や登記の有無で、法人か個人かを先に確認する |
| システム開発などの対象外の報酬から引いてしまう | 204条は報酬の種類を限定して列挙しているため | 業務が1号から8号のどれにあたるかを確認する。案件にデザインなどが含まれるときは内訳を確認する |
| 給与を払っていない個人事業主が源泉徴収してしまう | 204条2項2号で、給与の源泉徴収義務を負わない個人からの支払いは対象外とされているため | 自社が給与の源泉徴収義務を負うかを確認する |
| 消費税の区分の有無で金額が違う | 区分されていれば報酬の額だけが対象のため | 請求書で報酬と消費税が分けて書かれているかを確認する |
| 納期の特例を報酬全般に使ってしまう | 特例の対象は給与、退職手当、204条1項2号の士業などの報酬に限られるため | 原稿料やデザインなどの報酬は、翌月10日までに納付しているかを確認する |
| 支払調書の提出を忘れる | 提出基準が報酬の種類で異なるため | 同じ人への年間の支払額が基準を超えていないかを、年末に集計して確認する |
取引先が少ないうちは、この確認を担当者が手作業でこなせても、外注先が増えるほど、確認の負担と抜け漏れの余地が大きくなります。次のチェックで、自社の運用を振り返ってみてください。
外注先への源泉徴収、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
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外注先への源泉徴収と給与まわりの手作業が負担なら、給与計算ソフトを比べる
報酬の源泉徴収の判断や計算そのものは国税庁の資料で決まっていますが、給与の源泉徴収、年末調整、帳票の作成、書類の保管といった周辺の作業は、手作業だと人数の増加とともに負担が増えます。こうした作業を見直す手段の一つが、給与計算ソフトや労務管理システムです。ソフト選びの全体像は、源泉徴収票が作成できる給与計算ソフトおすすめ7選|選び方も解説で扱っています。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 業務委託の報酬から源泉徴収は必要ですか?
A. 支払先が個人で、報酬が所得税法204条に挙げられた種類(原稿料、デザイン、講演、士業の報酬など)にあたり、支払う側が給与の源泉徴収義務を負う場合に必要です。支払先が法人の場合は、馬主である法人への競馬の賞金を除き、原則として不要です。
Q2. 業務委託で源泉徴収をしなくてもよい場合は?
A. 主に3つあります。支払先が法人の場合、システム開発や事務代行のように204条に挙がっていない業務の場合、給与の源泉徴収義務を負わない個人(従業員に給与を支払っていない個人事業主など)が支払う場合です。実態が給与にあたる場合は、給与として源泉徴収します。
Q3. 業務委託で所得税は引かれますか?
A. 個人が204条の対象になる報酬を受け取る場合は、報酬の10.21%(100万円を超える部分は20.42%)が所得税として引かれます。支払先が法人の場合や、対象外の業務の報酬は引かれず、受け取った側が確定申告で所得税を計算して納めます。
Q4. 業務委託で源泉徴収票は出ますか?
A. 業務委託の報酬は給与ではないため、基本的には源泉徴収票ではなく、報酬の支払調書が作成されます。支払調書は、支払額が基準(弁護士や原稿料などは年間5万円超)を超える場合に、翌年1月31日までに税務署へ提出されます。受け取る側への交付は、取引先との取り決めで確認してください。
Q5. 業務委託で源泉徴収がある場合、確定申告は必要ですか?
A. 個人事業主やフリーランスは、確定申告で年間の所得にかかる所得税額を計算し、源泉徴収された額を差し引いて精算します。源泉徴収された額が多ければ還付を受けられ、還付申告は翌年1月1日から5年間提出できます。申告の要否は所得の状況で変わるため、税務署や税理士にご確認ください。
Q6. 源泉徴収の計算方法と納付期限は?
A. 報酬が100万円以下なら報酬額に10.21%を掛け、100万円を超える部分は20.42%を掛けて102,100円を加えます。納付期限は、報酬を支払った月の翌月10日です。原稿料やデザインなどの報酬は、納期の特例の対象に含まれません。
業務委託の源泉徴収のまとめ:確認したい6つのこと
- 源泉徴収が必要なのは、支払先が個人で、報酬が所得税法204条の対象にあたり、支払う側に給与の源泉徴収義務があるときです。法人への支払いは原則として不要です。
- システム開発や事務代行など、204条に挙がっていない業務の報酬は対象外です。名目が謝礼や取材費でも、実質が報酬なら対象になります。
- 税額は報酬が100万円以下なら10.21%、100万円を超える部分は20.42%で、請求書で報酬と消費税を区分すれば、報酬の額だけが対象になります。
- 納付期限は原則として支払った月の翌月10日で、原稿料やデザインの報酬は納期の特例の対象に含まれません。
- 業務委託先には源泉徴収票ではなく支払調書を作成し、基準を超える場合は翌年1月31日までに税務署へ提出します。
- 外注先への手続きが増えて手作業の負担が気になるときは、給与計算ソフトや労務管理システムの資料を取り寄せて、対応範囲を比べます。
本記事は国税庁や法令の公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、法的助言や個別の税務判断を行うものではありません。具体的な取り扱いは、所轄の税務署や税理士などにご確認ください。
参考文献
- 国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm
- 国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm
- 国税庁 No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2798.htm
- 国税庁 No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm
- 国税庁 No.2110 事業主がしなければならない源泉徴収:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2110.htm
- 国税庁 No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7431.htm
- 国税庁 No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm
- 国税庁 No.2020 確定申告:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
- 国税庁 No.2030 還付申告:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
- 国税庁 消費税法基本通達1-1-1(個人事業者と給与所得者の区分):https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/01/01.htm
- 国税庁 防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0026005-024_02.pdf
- e-Gov法令検索 所得税法:https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- e-Gov法令検索 所得税法施行令:https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096
- e-Gov法令検索 国税通則法:https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066
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