電子帳簿保存法の対象書類は?一覧と対象外の書類・保存方法を解説
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- 対象書類は4種類で義務は電子取引のみ
- 紙で受け取った書類は紙のまま保存可
- メールやクラウドの書類はデータで保存
電子帳簿保存法の対象書類は、国税関係帳簿、決算関係書類、請求書や領収書などの取引関係書類、そして電子取引で授受した取引データの4種類です。このうち保存が義務になっているのは、メールやクラウドなど電子データでやりとりした取引情報(電子取引データ)だけで、帳簿や紙の書類を電子化するかどうかは事業者が選べます。紙で受け取った請求書や領収書は電子取引ではなく、紙のまま保存できます。この記事では、国税庁の一問一答(令和8年7月版)をもとに、書類ごとの区分、対象外になる書類、電子取引に当たる受け取り方、紙やレシートの扱い、保存期間、よくある失敗までを順に整理します。内容は2026年10月21日時点の公開情報に基づきます。
電子帳簿保存法の対象書類、いまの運用に近いのはどれ?
Q1. 請求書や領収書は、主にどの形で受け取っていますか?
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目次
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- 電子帳簿保存法の対象書類は4種類|保存が義務なのは電子取引データだけ
- 取引関係書類の一覧|請求書・領収書・見積書は重要書類と一般書類のどちらか
- 電子帳簿保存法の対象外になる書類|保存不要のものと、紙で保存するもの
- 電子取引データに当たる受け取り方|メール・クラウド・アプリ明細・FAX
- 紙で受け取った書類・レシート・PDF化した書類の扱い|紙のままかスキャナ保存か
- 対象書類の保存期間|法人は原則7年、個人事業主は書類により5年か7年
- 電子取引データの義務化はいつから?2024年1月の本格化と2027年1月の特例
- 対象書類の保存でよくある失敗|国税庁の一問一答で確認できる5つのこと
- 受け取りから支払いまでを仕組みで回す|システムを選ぶときの確認点
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|電子帳簿保存法の対象書類で押さえたい5つのこと
- 参考文献
電子帳簿保存法の対象書類は4種類|保存が義務なのは電子取引データだけ
電子帳簿保存法の対象書類は、国税関係帳簿・決算関係書類・取引関係書類・電子取引データの4種類で、保存が義務になるのは電子取引データだけです。
国税庁の一問一答(令和8年7月版)は、電子帳簿保存法の内容を、自分で一貫して電子的に作成した国税関係帳簿書類の電子データ保存、紙で受け取った書類などのスキャナ保存、電子取引で授受した取引情報の電子データ保存の3つに分けて説明しています(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】」令和8年7月、問1)。前の2つは事業者が選べる任意の制度です。保存が義務になっているのは、所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます)と法人税の保存義務者が電子取引を行った場合の、電子取引データの保存だけです(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問1)。
| 書類の種類 | 主な書類 | 電子データで保存する方法 | 義務か任意か |
|---|---|---|---|
| 国税関係帳簿 | 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など | 最初の記録段階から一貫して電子的に作成したものを、電子データのまま保存する(電子帳簿等保存)。紙に出力して保存してもよい | 任意 |
| 決算関係書類 | 棚卸表、貸借対照表、損益計算書、計算・整理・決算に関して作成したその他の書類 | 電子的に作成したものは、電子データで保存できる。紙で作成したものは、スキャナ保存の対象外 | 任意 |
| 取引関係書類 | 注文書、契約書、送り状、領収書、見積書、請求書、納品書など(受け取ったものと、自社が作成して相手に渡した控え) | 自社が電子的に作成して紙で渡した控えは、電子データで保存できる。紙で受け取ったものや手書きの控えは、スキャナ保存で電子化できる | 任意 |
| 電子取引データ | メール添付、クラウドサービス、EDI、Webサイトからのダウンロードなど、電子的な方法で授受した注文書・契約書・領収書・請求書などの取引情報 | データのまま保存する。出力した書面の保存では足りない | 義務 |
紙で受け取った書類は、電子取引ではないため、これまでどおり紙のまま保存できます。スキャナ保存で電子化するかどうかは任意です。3つの保存区分の成り立ちや改正の経緯は【2026年最新】電子帳簿保存法とは?改正点などをわかりやすく解説で、紙の書類をPDFで保存するときの要件は電子帳簿保存法に基づいたPDF保存とは|注意すべき要件を解説で解説しています。この記事では、どの書類がどの区分に当たるかの判定を中心に整理します。
受け取り口が増えるほど、保存の仕組みが要る
対象書類のうち、電子取引データは、メール、クラウド、Webサイト、アプリの明細と、受け取り口が増えるほど保存漏れが出やすくなります。受け取りから保存、支払いまでを仕組みで管理したい場合の選択肢を、役割の違いで並べます。
書類の受け取りから保存、支払いまでを仕組みにする3サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:invox電子帳簿保存は、さまざまな国税関係書類の日付・金額・取引先を自動でデータ化し、検索できる形で保存したい場合の一例です。
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|
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| 注意したい点 | タイムスタンプやオペレータによる対応、ワークフロー設定はベーシックプラン以上のみ | 価格を確認するには問い合わせが必要 | 開封や受領・保管の代行はオプション |
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取引関係書類の一覧|請求書・領収書・見積書は重要書類と一般書類のどちらか
取引関係書類のうち、契約書・領収書・請求書・納品書などは重要書類、見積書・注文書・検収書などは一般書類に分かれ、この区分はスキャナ保存の入力方法を決めます。
取引関係書類とは、取引に関して相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類と、自社が作成したこれらの書類の写しです(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問2)。電子取引データの保存範囲は、これらの書類を紙で保存する場合の範囲と変わりません。売上や仕入に係る書類のほか、水道光熱費や旅費交通費など、事業上の費用に係る書類も含まれます。
国税庁の一問一答には、国税関係帳簿書類のスキャナ保存の区分表があります。資金や物の流れに直結・連動するかどうかで、重要書類と一般書類を分けています(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」令和8年7月、区分表)。紙で受け取った書類や、手書きで作って相手に渡した控えをスキャナ保存する場合に使う区分です。
| 区分 | 主な書類 | スキャナ保存での入力方法 |
|---|---|---|
| 重要書類(特に重要) | 契約書、領収書(それぞれの写しを含む) | 速やかに、または業務サイクル後速やかに入力する |
| 重要書類 | 請求書、納品書、送り状、預り証、借用証書、預金通帳、小切手、約束手形、有価証券受渡計算書、社債申込書、定型的な約款のない契約の申込書、輸出証明書(納品書を除き、写しを含む) | 速やかに、または業務サイクル後速やかに入力する |
| 一般書類 | 検収書、入庫報告書、貨物受領証、見積書、注文書、定型的な約款のある契約の申込書、納品書の写し | 適時に入力する |
| スキャナ保存の対象外 | 帳簿(仕訳帳、総勘定元帳など)、決算関係書類(棚卸表、貸借対照表、損益計算書など) | スキャナ保存はできない。電子帳簿等保存の対象 |
電子データで受け取った書類は、重要書類か一般書類かに関係なく、すべて電子取引データとして保存します。この区分を意識するのは、紙の書類をスキャナ保存したい場合だけです。納品書は、受け取った原本は重要書類、控えの写しは一般書類と、原本と写しで区分が分かれます。
帳簿と決算関係書類は、一貫して電子的に作ったものだけが電子保存の対象
電子帳簿等保存の対象になるのは、自分で最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成した帳簿と書類です(出典:国税庁「電子帳簿保存法の概要」)。会計ソフトで作成した仕訳帳や総勘定元帳、貸借対照表、損益計算書が該当します。手書きで作った帳簿や、紙に書いた決算書は、この制度で電子データとして保存する対象になりません。
一定の国税関係帳簿について、訂正・削除の履歴が残るなどの「優良な電子帳簿」の要件を満たして保存し、あらかじめ届出書を提出すると、過少申告加算税が5%軽減される制度もあります(出典:国税庁「電子帳簿保存法の概要」)。
電子帳簿保存法の対象外になる書類|保存不要のものと、紙で保存するもの
電子帳簿保存法の対象外になる書類には、電子保存の対象にならないものと、保存そのものが不要なものの2種類があり、前者は紙で保存します。
対象外と聞くと、保存しなくてよいと考えがちですが、電子保存の対象外というだけで、税法上の保存が不要になるわけではありません。国税庁の一問一答で確認できる扱いを、次の表に整理します。
| 書類・場面 | 電子帳簿保存法での扱い | 実際の保存 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 手書きで作成した帳簿・決算関係書類 | 電子帳簿等保存の対象外(一貫して電子的に作成したものが対象) | 紙で保存する | 国税庁「電子帳簿保存法の概要」 |
| 紙で作成した決算関係書類(棚卸表、貸借対照表、損益計算書など) | スキャナ保存の対象外 | 紙で保存する | スキャナ保存関係 問2 |
| 売上伝票などの伝票類 | 国税関係書類に当たらず、スキャナ保存の適用はない | 各税法で保存すべき書類に当たらない | スキャナ保存関係 問2 |
| 紙で受け取った・紙で渡した取引関係書類 | 電子取引ではない。スキャナ保存は任意 | 紙のまま保存できる | 帳簿書類関係 問1 |
| 取引情報が含まれていないメール | 電子取引データとして保存する必要はない | 保存不要 | 電子取引関係 問6 |
| e-Taxのダイレクト納付等の受信通知(納付区分番号通知、納付完了通知) | 取引情報に当たらず、保存義務はない | 保存義務なし | 電子取引関係 問9 |
| 誤りや単純な書き損じのある見積書、検討段階の粗々な見積書、取引を希望する会社から一方的に送られてきた見積書 | 保存の必要はないものと考えられる | 保存不要と考えられる | 電子取引関係 問2 |
| インターネットバンキングで「振込依頼を受け付けた旨」だけが表示される画面 | 取引情報に当たらない | 保存不要 | 電子取引関係 問10 |
| データとは別に、書面の請求書や領収書を原本として受領している場合 | 取引慣行や社内ルールで書面が原本なら、その書面を保存する。内容が同一で書面を正本とする取り決めがあれば、書面のみで足りる | 書面を保存する | 電子取引関係 問5・問16 |
ここで挙げた扱いは、国税庁の一問一答に基づく一般的な整理です。個別の事情で扱いが変わることがあるため、判断に迷うときは税務署または税理士に確認してください。本記事は法的助言ではありません。
電子取引データに当たる受け取り方|メール・クラウド・アプリ明細・FAX
電子取引データは、請求書や領収書などの取引情報を電子的な方法で授受したもので、受け取った場合だけでなく送った場合も保存が必要です。
電子取引とは、取引情報の授受を電磁的方式で行う取引のことで、EDI取引、インターネット等による取引、電子メールによる授受(添付ファイルを含みます)、ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用した取引などが当たります(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問2)。受け取り方ごとの扱いを、次の表にまとめます。
| 受け取り方 | 電子取引に当たるか | 保存するもの・注意 | 出典 |
|---|---|---|---|
| メールに添付されたPDFの請求書・領収書 | 当たる | 添付ファイルを保存すればよい。メール本文に取引情報があるときは、そのメールを保存する。メールソフトで閲覧できるだけでは、検索できる状態の保存として十分といえない | 問4・問5・問6 |
| Webサイトからダウンロードした請求書・領収書、表示画面のスクリーンショット | 当たる | データを保存する。サイト上で随時確認できる状態なら、必ずしもダウンロードしなくてもよい場合がある | 問5・問45 |
| 請求書・領収書をやりとりするクラウドサービス | 当たる | 訂正削除の記録が残る、または訂正削除ができないシステムで授受・保存していれば、保存の要件を満たすと考えられる | 問5・問7 |
| スマホ決済アプリ・クレジットカード・交通系ICカードの利用明細 | 当たる | 支払日時・支払先・支払金額などが分かる利用明細データを保存する | 問5・問8 |
| インターネットバンキングによる振込 | 当たる | 振込日・金額・振込先が分かるデータを保存する。オンライン上の通帳や入出金明細でも保存できる | 問10・問11 |
| ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機での受信 | 当たる | データで保存する。紙に印刷されるFAXは、紙で受け取った書類として扱う | 問2・問5 |
| 従業員が立て替えて受け取った電子領収書 | 当たる(会社の行為として) | 会社として集約して保存・管理する | 問12 |
| 労働条件通知書・雇用契約書をメールやクラウドで授受 | 当たる | 契約期間、賃金などが書かれた取引情報に当たるため、データを保存する | 問3 |
表の出典は、いずれも国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)の問番号です。FAXの扱いはFAX書類は電子帳簿保存法の対象になる?|対応方法を詳しく解説、請求書を電子で発行・受領する場合の全体像は電子請求書とは?メリットや電子帳簿保存法の法改正についても解説で詳しく扱っています。
電子取引データの保存で求められること|検索と改ざん防止
電子取引データの保存には、真実性と可視性を確保する要件があります。改ざん防止は、タイムスタンプの付与、訂正削除の履歴が残るシステムの利用、不正な訂正・削除を防ぐ事務処理規程の備付けなどのいずれかで対応します(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問5・問18)。タイムスタンプの仕組みは電子帳簿保存法におけるタイムスタンプとは?要件や付与方法を解説で解説しています。
検索は、取引年月日・取引金額・取引先で探せる状態にします。専用のシステムがなくても、表計算ソフトで一覧表を作る方法や、ファイル名に日付・金額・取引先を統一した順序で入れる方法で、要件を満たせると考えられています(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問50)。基準期間(前々年または前々事業年度)の売上高が5,000万円以下の事業者や、出力した書面を日付・取引先ごとに整理して提示できる事業者は、検索機能の確保が不要です(税務職員のダウンロードの求めに応じられることが前提です)(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問21)。
メールやクラウドで受け取った書類を、日付・金額・取引先で検索できる形で保存したい場合の一例が、株式会社invoxが提供するinvox電子帳簿保存です。商品ページでは、さまざまな国税関係書類の「日付」「金額」「取引先」を自動でデータ化できること、「AI OCR」「オペレータ確認」に対応し99.9%以上の高精度をうたっていること、訂正削除の履歴が残せて無期限の保存とワークフロー設定が可能なことが、おすすめの点として紹介されています。一方で、タイムスタンプやオペレータによる対応、ワークフロー設定は、ベーシックプラン以上のみです。ベンダーの公式ページには、電子取引ソフトと電帳法スキャナ保存ソフトのJIIMAの法的要件認証を取得していると記載されています(invox電子帳簿保存 公式ページ)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月21日)
株式会社invox
invox電子帳簿保存
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気になる…
- タイムスタンプやオペレータによる対応、ワークフロー設定はベーシックプラン以上のみ
「invox電子帳簿保存に保存されるようになったことにより、検索性が上がり、書類が電子化されて一箇所にまとまっているので探しやすいですね。」
宮崎ダイハツ販売株式会社(invox電子帳簿保存の導入事例、2023年6月16日公開。公開当時の情報)(出典: invox公式サイト)
紙で受け取った書類・レシート・PDF化した書類の扱い|紙のままかスキャナ保存か
紙で受け取った請求書やレシートは、電子取引ではないため紙のまま保存でき、スキャナ保存で電子化するかどうかは任意です。
国税庁の一問一答の一覧表では、相手から受け取った書類の保存方法は、紙が原則で、スキャナ保存は特例(要件を満たす場合)とされています(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】」令和8年7月、問1)。紙の書類を電子化しなくても、制度違反にはなりません。
スキャナ保存を選ぶ場合は、要件を満たして保存し、書面との同等確認を行ったあとであれば、紙の書面は即時に廃棄して差し支えありません。入力期間を過ぎた場合は、電子データとあわせて紙も保存します(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」令和8年7月、問3)。一方、スキャナ保存の要件を満たさずに保存されている電子データは、各税法上の保存書類として取り扱われません。紙の原本の保存もないときは、仕入税額控除の否認や青色申告の承認の取消しの可能性があります(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」令和8年7月、問59)。つまり、紙をPDFにしただけでは、紙の代わりになるとは限りません。
反対に、メールで受け取ったPDFは、そのデータ自体が保存の対象です。電子取引データを印刷した紙は、令和3年度の税制改正後は保存書類として取り扱われないため、紙だけを残しても保存したことになりません(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問5)。
| 受け取り方 | 保存の基本 | 電子化する場合 |
|---|---|---|
| 紙で受け取った(郵送・手渡し) | 紙のまま保存する | スキャナ保存の要件を満たせば、紙に代えてデータで保存できる(任意) |
| メール・クラウドなどデータで受け取った | データのまま保存する(義務) | 印刷した紙の保存では足りない |
| 同じ内容を書面とデータの両方で受け取った | 内容が同一で、書面を正本とする取り決めがあれば、書面のみで足りる | データに書面にない補足情報が含まれるときは、書面とデータの両方を保存する |
レシートの扱い
国税庁の一問一答で書類名として挙がっているのは領収書です。支払いの証明として受け取るレシートも、領収書にあたる書類として保存するのが一般的です。紙で受け取ったレシートは紙のまま保存でき、スキャナ保存は任意です。メールやアプリで受け取った電子レシートや利用明細は、電子取引データとして、データで保存します(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問5)。領収書の保存方法の全体像は電子帳簿保存法改正で領収書の保存はどうなる?要件や保存方法を解説で扱っています。
自社の運用を確かめる作業チェッカー
ここまでの内容を、自社の運用に当てはめて確認します。当てはまる項目を選んでください。
対象書類の保存、いまの運用は大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
対象書類の保存期間|法人は原則7年、個人事業主は書類により5年か7年
保存期間は、法人は帳簿も書類も原則7年で、個人事業主は帳簿の多くが7年、請求書などの取引書類が5年です。電子データで保存しても、同じ期間の保存が必要です。
電子帳簿保存法は、保存の方法の特例を定めた法律で、保存期間は所得税法や法人税法などの定めに従います。電子取引データも、それぞれの法律で定められた期間の保存が必要です(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問17)。
| 区分 | 帳簿・決算関係書類 | 請求書・見積書・契約書・納品書などの書類 | 数え始める日 |
|---|---|---|---|
| 法人(青色・白色) | 帳簿は7年。棚卸表、貸借対照表、損益計算書は7年 | 注文書、契約書、領収書などは7年 | 事業年度の確定申告書の提出期限の翌日 |
| 法人(欠損金が生じた事業年度) | 青色繰越欠損金が生じた事業年度などは10年 | 同左 | 事業年度の確定申告書の提出期限の翌日 |
| 個人事業主(青色申告) | 帳簿と決算関係書類は7年 | その他の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)は5年。現金預金取引等関係書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証など)は7年(前々年分の事業所得・不動産所得が300万円以下の場合は5年) | 帳簿は閉鎖の日、書類は作成または受領の日の属する年の翌年3月15日の翌日 |
| 個人事業主(白色申告) | 法定帳簿は7年、任意帳簿は5年 | 請求書、納品書、送り状、領収書などは5年 | 帳簿は閉鎖の日、書類は作成または受領の日の属する年の翌年3月15日の翌日 |
消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存する請求書等と、インボイス発行事業者が交付した適格請求書の写しや提供した電磁的記録は、上の区分にかかわらず7年間の保存が必要です(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問17)。なお、電子取引データを保存しているスマートフォンを交換するときは、保存期間中に、交換後の端末へ移行して保存を続けるなどの対応が必要になります(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問21)。
電子取引データの義務化はいつから?2024年1月の本格化と2027年1月の特例
電子取引データの保存は、令和6年(2024年)1月1日以後に行う取引から、要件に従った保存が求められています。2026年1月から新たに始まる保存義務は、国税庁の一問一答には示されていません。
| 時期 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 令和4年(2022年)1月1日から令和5年(2023年)12月31日 | 電子取引データについて、要件に従った保存ができないやむを得ない事情があり、出力書面を提示できる場合、出力した書面のみの保存も認められた(宥恕措置) | 電子取引関係 問98 |
| 令和6年(2024年)1月1日以後 | 宥恕措置は終了。要件に従った電子データの保存が必要。税務署長が相当の理由を認め、電子データと出力書面の提示・提出に応じられる場合は、保存時の要件が不要になる猶予措置がある | 電子取引関係 問93・問98 |
| 令和9年(2027年)1月1日以後 | 請求書等の電子取引データを自動で保存し、帳簿に連携する仕組みを使い、要件を満たす場合は、重加算税の加重措置(10%)の対象から除かれる特例が施行される。利用は任意で、あらかじめ届出が必要 | 電子取引関係 問65 |
猶予措置の「相当の理由」には、システムや社内のワークフローの整備が間に合わないなど、要件に従って保存する環境が整っていない事情も含まれます。事前の申請は不要です。ただし、整備が整っているのに資金繰りや人手不足などの理由もなく要件に従っていない場合は、猶予措置は受けられません。整備が整えば、その後の電子取引には適用されません(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問93・問94)。
猶予措置を使うときも、出力した書面だけを保存する対応は認められず、電子データそのものの保存が必要です。相当の理由ややむを得ない事情がないのに、電子データが要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消し対象になり得ます(ただし、違反の程度などを総合的に見て判断されます)(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月、問97・問98)。本記事は一般的な解説であり、法的助言ではありません。判断は税務署または税理士に確認してください。
対象書類の保存でよくある失敗|国税庁の一問一答で確認できる5つのこと
よくある失敗は、印刷して紙だけで保存する、検索できない状態で置く、立替の電子領収書を集約しない、猶予措置で出力書面しか残さない、機種変更でデータを失う、の5つです。
| よくある失敗 | 国税庁の一問一答での扱い | 出典 |
|---|---|---|
| メールで受け取ったPDFを印刷し、紙だけをファイルに綴じている | データの保存が必要。出力した書面の保存措置は令和3年度の税制改正で廃止され、出力した書面は保存書類として取り扱われない | 電子取引関係 問5 |
| メールソフトで開けるだけにして、保存したつもりになっている | 検索できる状態で保存する必要があり、メールソフト上で閲覧できるだけでは十分といえない | 電子取引関係 問5 |
| 立替で受け取った電子領収書が、従業員のスマートフォンやメールに残ったままになっている | 会社として集約して保存・管理するのが望ましい。集約までの間は、検索条件に紐づけて保存状況を管理すれば端末への保存も認められるが、税務調査で速やかに出力できる体制が必要 | 電子取引関係 問12 |
| 猶予措置を使いながら、出力した書面しか保存していない | 電子データそのものの保存が必要で、出力書面のみの保存は認められない | 電子取引関係 問93・問97 |
| スマートフォンの機種変更で、保存していたデータを失う | 保存期間中は、交換後の端末へ移行して保存を続ける、または交換前の端末を動く状態にしておくなどの対応が必要 | 電子取引関係 問21 |
受け取り口を一覧にして、保存先と担当を決める
失敗の多くは、受け取り口が複数に分かれ、どこに何が届き、どこへ保存するかが決まっていないことから起きます。例えば、紙、メール、クラウドの請求書サービス、経費精算のアプリ、カード明細の受け口を一覧にし、それぞれの保存先、担当者、検索のしかたを決めておくと、保存漏れに気づきやすくなります。受け取り口を一つにまとめられれば、確認する場所そのものが減ります。
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請求書の受け取りから処理までを、社内全体で進めたい会社
受け取りから支払いまでを仕組みで回す|システムを選ぶときの確認点
保存の仕組みを選ぶときは、JIIMA認証の有無と、初期設定が要件を満たす設定になっているかを確認します。保存のあとは、確認・承認・支払いまでの流れも見直します。
ソフトを選ぶときは、JIIMA認証と設定を確認する
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)は、市販のソフトウェアやサービスを対象に、電子帳簿保存法の機能要件への適合を確認(認証)しています。認証を受けたソフトウェアは、スキャナ保存の機能要件を満たしているといえます(出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」令和8年7月、問60)。認証を受けたものの一覧は、国税庁のJIIMA認証情報リストから確認できます。ただし、認証を受けたソフトでも、初期設定が要件を満たす設定でない場合や、設定の変更で満たさなくなる場合があります。システム概要書の備付けなど、機能以外の要件もあるため、マニュアルで設定を確認してください。
保存ができたあとも、請求書は内容の確認、承認、支払いへと進みます。受け取った請求書の確認から承認、銀行振込までを一つの流れで進めたい場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供するマネーフォワード クラウド債務支払です。商品ページでは、銀行振込APIと連携しているためワンクリックで振込みができること、AI-OCRにより適格請求書の判定業務を効率化できること、ワークフローは自社にあわせて柔軟に申請経路の設定が可能なことが、おすすめの点として紹介されています。一方で、開封や受領・保管の代行はオプションです。ここで紹介した3サービスが、電子帳簿保存法の要件のどこまでに対応するかは、機能や設定が商品ごとに異なるため、資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月21日)
株式会社マネーフォワード
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- 開封や受領・保管の代行はオプションとなる
「振込用のデータを出力し、そのままネットバンキングに取り込んでまとめて振り込みができるようになったので、振込業務がかなり楽になりました。」
株式会社HITOMIOテクノロジーズ(マネーフォワード クラウドの導入事例、2021年8月31日公開。公開当時の情報)(出典: マネーフォワード公式サイト)
よくある質問(FAQ)
Q1. 電子帳簿保存法の対象書類は何ですか?
A. 国税関係帳簿(仕訳帳、総勘定元帳など)、決算関係書類(貸借対照表、損益計算書など)、取引関係書類(請求書、領収書、見積書、契約書など)、電子取引データの4種類です。保存が義務なのは電子取引データだけで、そのほかは電子保存するかどうかを選べます。
Q2. 電子帳簿保存法の対象外となる書類は何ですか?
A. 手書きで作成した帳簿や決算関係書類は、電子帳簿等保存の対象外で、紙で保存します。紙で作成した決算関係書類や、売上伝票などの伝票類は、スキャナ保存の対象になりません。取引情報を含まないメールや、e-Taxの受信通知のように、保存義務のないものもあります。
Q3. 電子帳簿保存法の対象書類はPDFファイルですか?
A. PDFと決まっているわけではありません。対象かどうかは、ファイル形式ではなく、取引情報を電子的に授受したかどうかで決まります。PDF、画像、スクリーンショット、メール本文、クラウド上のデータも対象です。エクセルやワードで受け取ったデータをPDFに変換して保存することも、取引内容が変更されるおそれのない合理的な方法であれば問題ないとされています(電子取引関係 問42)。
Q4. 請求書をPDF化したら原本扱いになりますか?
A. 紙の請求書をスキャンしてPDFにした場合は、スキャナ保存の要件を満たして保存していれば、書面との同等確認のあとで紙を廃棄できます。要件を満たさないデータは保存書類として取り扱われないため、紙の保存が必要です。メールで受け取ったPDFの請求書は、そのデータ自体が保存の対象で、印刷した紙では足りません。
Q5. 電子帳簿のレシートは紙のまま保存していいですか?
A. 紙で受け取ったレシートは電子取引ではないため、紙のまま保存して構いません。電子化するスキャナ保存は任意です。メールやアプリで受け取った電子レシートや利用明細は電子取引データなので、データで保存します。
Q6. 電子帳簿保存法は2026年1月から義務化されますか?
A. 電子取引データの保存は、令和6年(2024年)1月1日以後の取引から、要件に従った保存が求められています。国税庁の令和8年7月版の一問一答には、2026年1月から新たに始まる保存義務は示されていません。令和9年(2027年)1月1日からは、電子取引データを自動で保存し帳簿に連携する仕組みを使う場合の重加算税の特例が始まりますが、利用は任意で、あらかじめ届出が必要です。
まとめ|電子帳簿保存法の対象書類で押さえたい5つのこと
電子帳簿保存法の対象書類は、書類の種類と受け取り方で扱いが変わります。次の5つを順に確認してください。
- 対象書類は、国税関係帳簿・決算関係書類・取引関係書類・電子取引データの4種類で、保存が義務なのは電子取引データだけです。
- 紙で受け取った請求書やレシートは電子取引ではなく、紙のまま保存できます。スキャナ保存は任意です。
- メール・クラウド・アプリ明細などで受け取った書類は、印刷ではなくデータで保存し、日付・金額・取引先で検索できる状態にします。
- 保存期間は、法人は原則7年、個人事業主は帳簿の多くが7年、請求書などの取引書類が5年で、電子データでも同じです。
- 受け取り口が増えて手作業が重いなら、請求書の受領と保存の仕組みを検討し、資料で対応する書類の種類と機能を確認します。
参考文献
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答(Q&A)」令和8年7月版:【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】、【スキャナ保存関係】、【電子取引関係】、2026年10月21日確認
- 国税庁「電子帳簿保存法の概要」、2026年10月21日確認
- 国税庁「電子帳簿保存法 パンフレット(過去の主な改正を含む)」、2026年10月21日確認
- 国税庁「JIIMA認証情報リスト」、2026年10月21日確認
- invox「invox電子帳簿保存」、「宮崎ダイハツ販売株式会社 導入事例」、2026年10月21日確認
- Sansan株式会社「ニュースリリース(2024年11月26日)」、2026年10月21日確認
- マネーフォワード「株式会社HITOMIOテクノロジーズ導入事例」、2026年10月21日確認
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