後払い決済とは?仕組み・使い方とデメリット・トラブルの対処を解説
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- 後払い決済は商品を受け取ってから払う方法
- 従来のコンビニ払いとは商品が届く順番が違う
- 期限・上限・審査を使う前に確認する
後払い決済とは、商品やサービスを受け取ったあとに代金を支払う決済方法の総称です。国民生活センターの資料によると、制度上の明確な定義はなく、広い意味ではクレジットカードも含み、狭い意味ではネット通販の「コンビニ後払い」を指します。ネット通販では、商品と一緒に、または後日届く請求書で、コンビニや銀行から支払う方式が代表的です。この記事では、後払い決済の意味と仕組み、コンビニ決済との違い、使い方と期限、利用できる人と上限、デメリットとトラブル時の相談先を整理し、後払いを提供する店舗・事業者側の注意点まで、公的機関と各社の公式情報に沿って解説します。
後払いを提供する側の方へ:自社の状況を2問で診断
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後払い決済とは|意味と、購入者・店舗・決済事業者の関係
後払い決済とは、商品やサービスを受け取ったあとに代金を支払う決済手段で、ネット通販では決済事業者が店舗へ代金を立て替える形が一般的です。
ネット通販で使われる後払い決済は、購入者、店舗、決済事業者の3者で成り立っています。購入者が支払い方法に後払いを選ぶと、決済事業者が注文ごとに与信審査を行い、問題がなければ店舗が商品を発送します。決済事業者は、店舗から代金の債権(代金を請求する権利)の譲渡を受けて立て替え払いをし、購入者へ請求書を送って代金を回収します(出典:GMOペイメントサービス「購入者様へ<GMO後払い>」、ネットプロテクションズ「NP後払いとは」、いずれも2026年10月21日確認)。
| 登場人物 | 役割 |
|---|---|
| 購入者 | 商品を受け取ってから、請求書に従って期限までに決済事業者へ代金を支払う |
| 店舗(販売者) | 商品を発送し、代金は決済事業者から受け取る。請求書の発行や督促を自社で行わずに済む場合がある |
| 決済事業者 | 与信審査、代金の立て替え、請求書の発行、督促、入金の管理を担う |
店舗にとっては、代金を回収できないリスクと、請求書の発行・督促・入金確認の作業を、決済事業者に任せられる点が、この仕組みの大きな特徴です。ただし、どこまで任せられるかはサービスごとに違い、販売先が個人のお客様か法人の取引先かでも、選ぶサービスが変わります。次の表では、後払いを提供する側のサービスのうち、個人のお客様向けの後払いと、法人間の掛け払いの役割を比べています。
後払い・掛け払いを提供するサービス、2つの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:GMO後払いは、決済時に与信審査を行い、審査を通過して正常に完了した取引は、同社が未回収リスクを負担すると商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:GMO掛け払いは、消し込み・督促・入金管理といった負担の大きい作業を代行すると、商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロード| サービス | GMO後払い |
GMO掛け払い |
|---|---|---|
| 向いている会社 | 個人のお客様にネット通販で商品を販売し、代金の未回収や督促の手間を減らしたい会社(商品ページでは「カードより現金で払いたい顧客を抱えるEC事業」におすすめとされています) | 新規の取引先を増やしたいが、未回収リスクは減らしたい会社(商品ページの紹介) |
| 特徴 | 決済時に与信審査を行うリアルタイム与信。審査を通過して正常に完了した取引は、同社が未回収リスクを負担する。請求書の発行・督促業務・入金管理も同社が行う(公式サイト) | 消し込み、督促(架電・再発行)、入金管理といった作業を代行し、未回収リスクも同社が負担する。買い手は事前の手続きが不要で、初回の取引から利用できる |
| 注意したい点 | サイトが未完成の場合や、対面販売・電話受注販売には対応していない | 手数料や固定費の幅が広く、取り扱う商材や販売方法によっては高くつく場合がある |
| 資料・詳細 |
2サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
個人のお客様に後払いで販売する場合の一例が、GMOペイメントサービス株式会社が提供するGMO後払いです。決済時に与信審査を行い、審査を通過して正常に完了した取引は同社が未回収リスクを負担し、請求書の発行・督促業務・入金管理も同社が行うと案内されています(出典:GMOペイメントサービス「GMO後払い」、2026年10月21日確認)。購入者は商品を受け取ってから、コンビニ・銀行・郵便局などで支払えます。一方で、サイトが未完成の場合や、対面販売・電話受注販売には対応していません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
GMOペイメントサービス株式会社
GMO後払い
GMOペイメントサービス株式会社
GMO後払い
カードより現金で払いたい顧客を抱えるEC事業におすすめ
おすすめ!
- 決済時に与信審査が行える「アルタイム与信」は業界最長の事績を持ち、安心かつスムーズな取引が可能
- 与信審査通過かつ正常に完了した取引に限り、業界最低水準の料金設定で「未回収リスク100%保証」
気になる…
- サイトが未完成の場合や、対面販売・電話受注販売には対応していない
-
昨今、クレジットカード決済でのオンライン注文が当たり前だが、個人情報やクレジットカード決済をしたくない方、そのやり方がわからないシニア層にとってはオンライン注文のハードルが後払いの支払い方法がある事により下がったと思う。特に、現金で支払いたいが、代引きはNGという方にとってもむいていると思う。
-
GMO後払いを利用することで、代金未回収のリスクを大幅に軽減できたのが大きなメリットです。特に医療や通販など、商品やサービスを先に提供する業態では、支払い遅延や未払いが課題でしたが、このサービスにより与信審査や回収業務を任せられるようになり、スタッフの負担も軽減されました。顧客側も手元に商品が届いてから支払える安心感があるため、購買率アップにもつながっていると思います。
導入事例として、株式会社はぐくみプラスは、以前は後払いで入金がなかった場合に、督促状を自社で作成して送っていたと紹介しています。
「後払いでお客様から期日までにご入金がなかった場合、弊社内で督促状を作成しお送りしなければならなかったんですね。」
株式会社はぐくみプラス 執行役員 此田有紀さん(取材時期2022年3月)。出典:GMOペイメントサービス「GMO後払い」導入事例
後払い決済の範囲|広義と狭義、5つの類型と割賦販売法
後払い決済には制度上の明確な定義がなく、広義では購入後に代金を支払うキャッシュレス決済全般、狭義ではNP後払いなどの「コンビニ後払い」を指します。
国民生活センターの広報誌「国民生活」2023年5月号は、後払い決済について、制度上あるいはキャッシュレス決済の分類上の明確な定義があるわけではないと説明しています。広義ではクレジット払いも含み、商品やサービスの購入代金を購入時点ではなく後で支払うキャッシュレス決済全般をいい、狭義では株式会社ネットプロテクションズなどによる「コンビニ後払い」と呼ばれる方式を指す用語として使われることがあります。海外では、後払い決済を一般にBNPL(Buy Now Pay Laterの略)と呼び、広義ではクレジット決済も含みます。
同誌は、広い意味でとらえた後払い決済の類型を、次の5つに整理しています。
| 類型 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| クレジットカード | クレジット払いが設定された国際カード | 国際ブランドのクレジットカード |
| コード決済(クレジットカード紐付け) | スマホのコード決済にクレジットカードを紐付けて支払う場合や、クレジットカードを登録したアプリで支払う場合 | コード決済アプリ |
| キャリア決済 | モバイル通信事業者による支払い手段。コンテンツ利用料などを通信・通話料金とあわせて支払う | 携帯会社の決済サービス |
| コンビニ後払い | ネットで利用した時点で注文が完了し、代金は1か月程度後に設定された期日までにコンビニで支払う | NP後払い、ZOZOTOWNツケ払いなど |
| 発展系後払い | あらかじめ後払いアプリに支払い方法を設定しておき、利用後、決められた期日までに支払う。支払い方法には口座振替や銀行振込、請求書払いなどがあり、国内でもサービスが始まりつつあるとされる | 後払いアプリ |
この記事で「後払い決済」と書くときは、特に断らない限り、ネット通販で使われる狭義のコンビニ後払いを中心にしています。クレジットカードやキャリア決済の仕組みは、クレジットカード決済とは?仕組みやメリット・デメリットを解説、キャリア決済とは?仕組みと手数料・3社比較、法人取引との使い分けを解説で整理しています。後払い全般の種類や導入の概要は、後払いとは?種類・仕組みとメリット・導入の概要を解説をご覧ください。
割賦販売法との関係|支払いまでの期間が2か月以内か
同誌によると、国内のコンビニ後払いの多くは、利用から支払いまでの期間を2か月以内にすることで、割賦販売法の規制の対象外となっています。本来のクレジットカード取引のうち、支払いが2か月を超えるものは、割賦販売法の規制を受けます。
| 利用から支払いまでの期間 | 割賦販売法 | 同誌が挙げる例 |
|---|---|---|
| 2か月を超える | 規制を受ける | リボ払い、分割払い、利用後2か月以上経過した後での支払いが可能な場合 |
| 2か月以内 | 規制を受けない | クレジットカードの一括払い、NP後払い等の「コンビニ後払い」、キャリア決済 |
規制を受けるクレジットカード会社などには、利用者の審査(初期審査と継続的な信用管理など)や加盟店の調査が義務づけられています。一方、規制を受けないコンビニ後払いには、利用者の審査や加盟店の調査に関する制度上の義務がなく、体制は事業者の裁量に委ねられていると、同誌は述べています。この状況を受けて、後払い決済サービスを提供する事業者数社が、2021年5月に任意団体の日本後払い決済サービス協会を設立し、割賦販売法が求める加盟店管理に準じた自主規制ルールや、消費者・消費生活相談員からの問い合わせ窓口を設けています。
本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の取引や契約は、弁護士や消費生活センターなどの専門家・窓口に相談してください。
出典:国民生活センター「国民生活」2023年5月号「後払い決済(BNPL)」、2026年10月21日確認。
後払い決済とコンビニ決済・代金引換・クレジットカードの違い
後払い決済とコンビニ決済の違いは、商品が届く順番です。従来型のコンビニ払いは入金の確認後に発送され、後払い決済は先に商品が届きます。
国民生活センターの同誌によると、従来型のコンビニ払いは収納代行方式のため、利用者がコンビニで代金を支払わないと販売事業者に代金が入らず、結果として未回収になるリスクがあります。そのため、大手通販業者などでは、コンビニで代金が支払われたことを確認してから商品を発送するようにしており、利用者にとっては実質的な先払いです。これに対してコンビニ後払いは、決済事業者が立て替え払いをするため、注文後すぐに商品が発送され、利用者は後で都合のよいときにコンビニなどで代金を支払えます。
| 決済手段 | 商品が届くタイミング | 代金を支払うタイミング | 補足 |
|---|---|---|---|
| 後払い決済(コンビニ後払い) | 注文後すぐに発送される | 商品を受け取ったあと、請求書の期限までに支払う | 決済事業者が与信審査を行い、店舗へ立て替え払いをする |
| 従来型のコンビニ払い | 大手通販業者などでは、入金の確認後に発送される | 注文後、先に支払う | 利用者が支払わないと、販売事業者に代金が入らない収納代行方式 |
| 代金引換 | 商品の到着時 | 商品の受け取り時に、配達員へ支払う | 受け取りの場面で支払うため、後払いとは違い請求書は使わない |
| クレジットカード(一括払い) | 注文後すぐに発送される | カードの締め日と支払日に、口座から引き落とされる | 支払いまでの期間が2か月以内なら、割賦販売法の対象外 |
| 前払い(銀行振込など) | 入金の確認後に発送される | 注文後、先に支払う | 商品が届く前に支払うため、届かない不安が残る |
SBペイメントサービスの解説は、購入代金の主な支払い方法を、前払い決済、代金引換、後払い決済の3つに整理し、後払い決済は前払いや代金引換に比べて、決済が行われるまでの期間が長く、余裕を持って支払えるとしています。
出典:国民生活センター「国民生活」2023年5月号、SBペイメントサービス「後払い決済とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説」、2026年10月21日確認。
後払い決済のやり方|注文から支払いまでの流れと期限
後払い決済は、注文時に支払い方法で後払いを選び、商品を受け取ったあと、届いた請求書で期限までにコンビニ・銀行・郵便局などから支払います。
- ネットショップで、支払い方法に後払いを選んで注文する(このときに与信審査が行われます)
- ショップから商品が届く
- 決済事業者から請求書が届く(商品に同梱される場合と、後日郵送される場合があります。メールで電子バーコードが届く場合もあります)
- 請求書に書かれた期限までに、コンビニ・銀行・郵便局などで支払う
- 入金が確認される(GMO後払いの案内では、確認まで通常2から4営業日)
NP後払いとGMO後払いの購入者向け案内を、次の表で並べます(2026年10月21日確認)。支払いの期限や窓口は、利用するショップやサービスで違うため、手元の請求書の記載を優先してください。
| 項目 | NP後払い | GMO後払い |
|---|---|---|
| 支払い期限 | 請求書の発行日から14日以内 | 請求書の発行から14日 |
| 支払い窓口 | コンビニ・郵便局・銀行・スマホ決済 | コンビニ・銀行。ショップによって郵便局も使える。一部のショップではPayPay請求書払いとd払いが使えない |
| 請求書の届き方 | 商品に同梱される場合と、後日郵送される場合がある(ショップにより異なる) | 郵送で届く(封書タイプとはがきタイプがある)。請求書、またはメールで届く電子バーコードで、コンビニから支払える |
| 支払いの注意 | 銀行から振り込む場合は、振込手数料がかかる場合がある | 銀行から振り込む場合の振込手数料は購入者の負担。郵便局の電信振替は使えない |
支払いが済んだのに請求書や案内メールが届いたときは、入金確認に日数がかかっている可能性があります。GMO後払いの案内では、入金確認に通常2から4営業日かかり、支払いから5日以上たっても請求書が届く場合は問い合わせるよう案内されています。キャンセルや返品をしたのに請求が届いた場合は、請求停止の手続きが済んでいない可能性があるため、購入したショップへ問い合わせるとされています。
出典:GMOペイメントサービス「購入者様へ<GMO後払い>」、ネットプロテクションズ「NP後払いとは」、2026年10月21日確認。
後払い決済は誰でも使える?審査・利用上限・未成年の扱い
後払い決済は、誰でも使えるわけではありません。注文ごとに与信審査があり、結果によっては利用できず、審査の基準や理由は公表されていません。
クレジットカードを持っていなくても使える点は、後払い決済の特徴です。DGフィナンシャルテクノロジーの解説も、クレジットカードの審査や登録が不要なため、学生や主婦など幅広い層が利用できるとしています。ただし、決済事業者の購入者向け案内には、次の条件が書かれています(NP後払いとGMO後払い、2026年10月21日確認)。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 与信審査 | 注文ごとに審査があり、結果によっては利用を断られる。GMO後払いの案内では、審査の基準は開示されず、結果の理由も開示されない。審査結果がショップに開示される場合がある |
| 利用上限 | 累計の利用額が55,000円(税込)まで。複数のショップでの購入も累計に含まれる。一部のショップでは、上限額が異なる |
| 支払いの遅れ | 期限を過ぎて支払われていない取引があると、新たな利用を断られる |
| 未成年 | 法定代理人の利用同意を得て利用する |
| 名義 | 注文時に請求先として登録した人が契約者になる。代理人の名義での注文はできない |
| 本人確認 | 高額の注文や、短期間に複数の注文をしたときなどに、本人確認の連絡が入る場合がある |
上限額や条件は、サービスやショップによって異なります。実際に利用するときは、ショップの支払い方法の案内と、決済事業者の購入者向けページで確認してください。
出典:GMOペイメントサービス「購入者様へ<GMO後払い>」、ネットプロテクションズ「NP後払いとは」、DGフィナンシャルテクノロジー「後払い決済とは何?」、2026年10月21日確認。
後払い決済のメリットとデメリット|購入者の立場から
後払い決済のメリットは、クレジットカードがなくても、商品を確かめてから支払える点です。デメリットは、払い忘れへの注意と、手数料・利用上限があることです。
購入者にとってのメリット
- クレジットカードがなくても使える:カードの審査や登録が不要で、長いカード番号を入力せずに決済できると、SBペイメントサービスとDGフィナンシャルテクノロジーの解説は述べています。
- 商品を確かめてから支払える:クレジットカードも口座登録も不要で、商品が届いてから支払うため、初めてのお店でも安心して買い物ができると、NP後払いの案内は説明しています。
- 支払いまでに猶予がある:請求書の期限までは、好きなタイミングで支払えます(NP後払いとGMO後払いは、請求書の発行から14日)。
購入者にとってのデメリット
- 払い忘れに注意が必要:商品が先に届くため、支払いを忘れやすくなります。GMO後払いの案内では、期限を過ぎると回収事務手数料が加算される場合があり、入金が確認できるまで新たな利用を断られることがあります。期限内に入金が確認できないときは、メール、電話、SMS、郵送などで連絡が来る場合があります。
- 支払いの手間と手数料:請求書を持ってコンビニなどへ行く手間があります。銀行から振り込む場合は、振込手数料がかかる場合があります。ショップによっては、後払い自体に手数料がかかる場合もあります。
- 審査と利用上限がある:前の節のとおり、累計の利用上限があるため、高額の買い物には向かない場合があります。
- 販売店とのトラブルに巻き込まれることがある:次の節のとおり、後払い決済が使われた取引で、解約などをめぐる相談が寄せられています。
出典:SBペイメントサービス、DGフィナンシャルテクノロジー、NP後払い、GMO後払い購入者様向け案内、2026年10月21日確認。
後払い決済のトラブルと相談先|「お試し」定期購入・請求書が届いた
後払い決済をめぐる相談では、「お試し」のつもりが定期購入だった、解約したのに請求書が届いたという内容が目立ちます。困ったときは、消費者ホットライン188に相談できます。
国民生活センターが2020年1月23日に公表した特別調査によると、立替払い型の後払い決済サービスが関連する相談は年々増加傾向にあり、2014年度から2019年11月30日までの登録分で886件でした。2019年度(4月から11月)の相談件数は338件で、前年度の同時期(116件)の約3倍にあたります。相談の内容は、「1回目90%OFF」「初回実質0円(送料のみ)」などを強調し、実際には数か月以上の継続(定期購入)が条件になっている健康食品や化粧品などの通信販売、いわゆる「お試し」定期購入に関するものが多くみられるとされています。
同調査は、これらの相談から見えた課題として、次の3点を挙げ、後払い決済サービス事業者に、消費者トラブルを防止するよう要望しました。
- 消費者の支払い能力を超えた請求がされている
- 消費者トラブルへの対応が不十分
- 加盟店調査等が十分ではない
「国民生活」2023年5月号には、消費者トラブルの例として、「1回だと思い注文してしまった。高額で支払えないので解約したいが、販売店が応じない」「解約したはずなのに、請求書が届いた」「解約したいが電話がつながらない」といった声が紹介されています。
困ったときの確認先
| 状況 | まず確認する先 | 根拠 |
|---|---|---|
| 商品の内容、返品、キャンセル、明細、配送状況を確認したい | 購入したショップ | GMO後払いの案内で、これらの問い合わせは購入店へとされている |
| キャンセルや返品をしたのに、請求書やメールが届いた | 購入したショップ(請求停止の手続きが済んでいない可能性がある) | GMO後払いのよくある質問 |
| 請求書をなくした、支払い方法がわからない | 決済事業者のお問い合わせ窓口 | GMO後払いのよくある質問 |
| 知らない番号から、後払いの請求の連絡がある | 決済事業者が公表している発信元の番号と照らし合わせる | GMO後払いのよくある質問(SMSと自動音声の発信元番号を公表している) |
| 販売店が解約に応じないなど、解決しない | 消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターなどを案内) | 消費者庁の案内 |
消費者庁は、国民生活センターと消費者庁をかたる偽ハガキにも注意するよう呼びかけています。請求の連絡が来たときは、自分が注文したショップと決済事業者の公式の案内で、発信元を確認することが大切です。本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。
出典:国民生活センター「(特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題」(2020年1月23日)、国民生活センター「国民生活」2023年5月号、消費者庁「消費者ホットライン」、GMO後払い購入者様向け案内、2026年10月21日確認。
後払い決済の市場規模と広がり
後払い決済サービスの市場規模は、矢野経済研究所の調査で、2024年度に1兆7,000億円に迫る見込みで、2029年度には約2兆8,000億円まで拡大すると予測されています。
同調査は、後払い決済サービスが登場した当初は、若年層や主婦層などクレジットカードを利用しない層を中心に利用が広がったものの、近年はクレジットカードを持つ人も、普段使わないECサイトでの買い物で後払い決済を利用するなど、併用する動きがみられるとしています。事業者側では、分割払いの提供で利便性や決済単価の向上を図る取り組みや、物販ECに加えてサービスECや対面決済へ利用シーンを広げる取り組みが進んでいるとされます。
出典:矢野経済研究所「オンライン決済サービス市場に関する調査を実施(2026年)」、2026年10月21日確認。
後払い決済を導入する事業者が確認する6つの比較ポイント
事業者が後払い決済を選ぶときは、利用料金、与信の上限額、入金サイクル、未回収の保証、システム連携、導入実績の6点を確認します。
後払い決済を導入した店舗は、決済事業者が代金を立て替えるため、代金を回収できないリスクと、請求書の発行・入金管理・督促の作業を軽くできると、SBペイメントサービスの解説は述べています。一方で、サービスによっては、初期費用や月額料金がかかったり、キャンセル時の請求書発行や商品の一部返品の扱いが店舗側の負担になったりするため、サービス内容を事前に確認することが必要です。ヤマト運輸の解説も、選ぶときの注意点として、代金の未払い保証がついているか、取引額に合った料金プランを選んでいるかを挙げています。
| 確認する点 | 見るところ |
|---|---|
| 利用料金 | 月額料金と決済手数料の合計、オプション料金。サービス内容に対して適切か |
| 与信の上限額 | 取り扱う商品の金額より、上限額が高いか。上限を超える商品は、後払いで買えない |
| 入金サイクル | 15日締め末日払い、月末締め翌月末払いなど、サービスによって異なる。自社のキャッシュフローに合うか |
| 未回収の保証 | 代金が回収できなかったときに、決済事業者が立て替える保証があるか。保証の対象になる取引の条件は何か |
| システム連携 | 利用中のカートや顧客管理システムと、自動で連携できるか。CSVファイルの書き出しと読み込みが必要か |
| 導入実績 | 自社に近い業態や規模の導入事例が公開されているか。事例には、選んだ理由や導入後の効果が書かれていることが多い |
6点のうち、未回収の保証は、対象の条件まで確認することが大切です。たとえば、GMO後払いの公式サイトでは、同社が未回収リスクを負担する対象は、同社の与信審査を通過し、正常に完了した取引とされています。
NP後払いとGMO後払いの違い、手数料の考え方、導入の流れは、後払い決済サービスとは?仕組み・手数料の考え方とBtoC後払い・BtoB掛け払いの選び方で詳しく整理しています。サービスを比べて探す場合は、後払い決済代行サービスおすすめ7選|後払い決済サービスの種類や選ぶ際のポイントも徹底解説をご覧ください。
出典:SBペイメントサービス「後払い決済とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説」、DGフィナンシャルテクノロジー「後払い決済とは何?」、ヤマト運輸「後払い決済とは?その仕組みやメリット、導入時に注意すべきポイント」、GMOペイメントサービス「GMO後払い」、2026年10月21日確認。
法人の取引先には、個人向けの後払いとは別に「掛け払い」を使う
法人の取引先に請求書払いで販売している場合は、個人のお客様向けの後払いとは別に、企業間取引向けの掛け払いのサービスを使います。法人間の掛け払いの一例が、GMOペイメントサービス株式会社が提供するGMO掛け払いです。企業間取引の与信管理、請求書の発行、入金確認、督促業務を代行し、未回収リスクは、同社が債権の譲渡を受けることで負担する(同社の与信審査を通過し、正常に完了した取引が対象)と案内されています(出典:GMOペイメントサービス「GMO掛け払い」、2026年10月21日確認)。買い手は書類の提出が不要で、取引に必要な情報の登録が完了していれば、初回の取引から利用できます。一方で、手数料や固定費の幅が広く、取り扱う商材や販売方法によっては高くつく場合があると、商品ページに注意点が書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
GMOペイメントサービス株式会社
GMO掛け払い
GMOペイメントサービス株式会社
GMO掛け払い
新規拡大したいけど未回収リスクは減らしたい方におすすめ
おすすめ!
- 「消し込み」や「督促(架電・再発行)」「入金管理」といった業務負荷のかかる作業を代行
- 未回収リスクも負担
- 買い手は事前の手続きが不要で初回取引から利用できる
気になる…
- 手数料や固定費の幅が広く、取り扱いの商材や販売方法によっては高くつく場合も
導入事例として、リンベル株式会社は、顧客数の増加で増えた社内与信の業務を減らすために導入したと紹介しています。
「やはり弊社のように、社内与信に時間がかかる企業は導入するメリットが大きいと思います。」
リンベル株式会社 営業本部 EC統括部 デジタルギフト推進部 部長 大川和弘さん(取材時期は公式ページに記載なし)。出典:GMOペイメントサービス「GMO掛け払い」導入事例
自社の請求・回収の手間をセルフチェック
ここまでの比較ポイントを、自社の状況に当てはめて確かめてみてください。当てはまる項目が少ない場合は、今の運用で足りている可能性があります。
後払い・掛け払いの請求と回収、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
後払い決済を提供する側の注意|加盟店の責任と「お試し」定期購入
後払い決済を導入する店舗は、決済事業者の加盟店として、販売方法や解約対応の適切さが問われます。国民生活センターは、加盟店調査や苦情対応の不十分さを課題に挙げています。
前の節で触れたとおり、国民生活センターの特別調査は、後払い決済サービス事業者の加盟店である販売店に関して消費者トラブルが増えていることを受け、支払い能力を超えた請求、消費者トラブルへの対応の不十分さ、加盟店調査等の不十分さを課題として指摘しました。「国民生活」2023年5月号は、クレジットカードの加盟店契約を結べないような販売事業者でも、加盟店の審査が比較的緩いコンビニ後払いなら使えてしまう悪循環が生まれているようだと述べています。
後払い決済を導入する店舗が、購入者とのトラブルを防ぐために押さえておきたい点を、同調査と同誌の指摘から整理すると、次の3つになります(本記事の整理です)。
- 申し込みの条件を、注文の前にわかりやすく示す:「お試し」でも定期購入が条件になる場合は、購入の回数や総額、解約の条件を、購入者が注文の前に確認できる形で示します。「1回だと思い注文した」という声が、相談に挙がっているためです。
- 解約と問い合わせの窓口を機能させる:「解約に応じない」「解約したのに請求書が届く」「電話がつながらない」という声が、相談に挙がっています。解約の受付と、決済事業者への請求停止の連絡を、確実に行える体制が必要です。
- 加盟する決済事業者のルールを確認する:決済事業者の加盟店規約や、日本後払い決済サービス協会が定める自主規制ルールなどを、導入前に確認します。
加盟店に求められる内容は、契約や法令によって異なります。個別の判断は、決済事業者や弁護士などの専門家に相談してください。
個人のお客様への後払い販売で、請求書の発行、督促、入金管理を決済事業者に任せたい場合は、GMO後払いのように、与信審査、未回収リスクの負担、請求・督促を一括して担うサービスがあります。ただし、同社が未回収リスクを負担する対象は、与信審査を通過して正常に完了した取引に限られます。そのため、販売方法や解約対応を整えることは、サービスを使う場合でも、店舗側の課題として残ります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 後払い決済とは何ですか?
A. 後払い決済とは、商品やサービスを受け取ったあとに代金を支払う決済手段です。国民生活センターの資料によると、広義では購入後に代金を支払うキャッシュレス決済全般、狭義ではNP後払いなどの「コンビニ後払い」を指します。ネット通販では、決済事業者が店舗へ代金を立て替え、購入者が請求書で決済事業者へ支払う形が一般的です。
Q2. 後払い決済のデメリットは何ですか?
A. 払い忘れへの注意が必要なこと、コンビニなどで支払う手間があること、銀行から支払うと振込手数料がかかる場合があること、審査と累計の利用上限があることです。期限を過ぎると、決済事業者によっては手数料が加算されたり、新たな利用を断られたりします。
Q3. 後払いとコンビニ決済の違いは何ですか?
A. 商品が届く順番が違います。従来型のコンビニ払いは、大手通販業者などでは入金を確認してから商品が発送されるため、実質的な先払いです。後払い決済は、決済事業者が立て替えるため注文後すぐに商品が発送され、購入者は後で請求書の期限までに支払います。
Q4. 後払い決済はどうやってしますか?
A. 注文時に支払い方法で後払いを選び、商品を受け取ったあと、届いた請求書で期限までにコンビニ・銀行・郵便局などで支払います。NP後払いとGMO後払いでは、期限は請求書の発行から14日です。請求書の届き方や使える窓口は、ショップとサービスによって異なります。
Q5. 後払い決済は誰でもできますか?
A. 誰でも使えるわけではありません。注文ごとに与信審査があり、結果によっては利用できません。審査の基準や理由は公表されていません。NP後払いとGMO後払いでは、累計の利用上限が55,000円(税込)で、未成年は法定代理人の同意が必要です。一部のショップでは、上限が異なります。
Q6. 後払い決済で困ったときは、どこに相談すればよいですか?
A. 商品や返品・キャンセルは購入したショップ、請求書の再発行や支払い方法は決済事業者のお問い合わせ窓口に確認します。販売店が解約に応じないなど、解決しないときは、消費者ホットライン188で、最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます。
まとめ|後払い決済で押さえたい5つのこと
後払い決済は、商品を受け取ってから支払える手軽な決済手段ですが、条件や注意点も決まっています。最後に、押さえておきたい点を整理します。
- 意味を区別する:広義では購入後に支払うキャッシュレス決済全般、狭義ではコンビニ後払いを指します。ネット通販では、決済事業者が立て替えるコンビニ後払いが中心です。
- コンビニ決済との違いは、商品が届く順番:従来型のコンビニ払いは入金の確認後に発送され、後払い決済は先に商品が届きます。
- 使う前に、期限・上限・審査を確認する:NP後払いとGMO後払いでは、期限は請求書の発行から14日、累計の利用上限は55,000円(税込)です。注文ごとに審査があり、銀行から振り込むと手数料がかかる場合があります。
- トラブルは早めに相談する:商品やキャンセルは購入したショップへ、解決しないときは消費者ホットライン188へ相談します。「お試し」定期購入の条件は、注文の前に確認します。
- 提供する側は、保証の条件と販売方法を確認し、資料で比べる:個人のお客様向けにはGMO後払い、法人間の取引にはGMO掛け払いと、役割の違う選択肢があります。入力1回でまとめて資料を請求できます。
本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の取引や契約は、専門家や消費生活センターなどの窓口に相談してください。公的機関と各社の案内は、2026年10月21日に確認した内容に基づきます。
参考文献
- 国民生活センター「国民生活 2023年5月号 後払い決済(BNPL)」(PDF)、「(特別調査)消費者トラブルからみる立替払い型の後払い決済サービスをめぐる課題」(2020年1月23日)、2026年10月21日確認
- 消費者庁「消費者ホットライン」、2026年10月21日確認
- 矢野経済研究所「オンライン決済サービス市場に関する調査を実施(2026年)」、2026年10月21日確認
- 日本後払い決済サービス協会「公式サイト」、2026年10月21日確認
- GMOペイメントサービス株式会社「購入者様へ<GMO後払い>」「GMO後払い」「GMO掛け払い」、導入事例「リンベル株式会社」「株式会社はぐくみプラス」、2026年10月21日確認
- 株式会社ネットプロテクションズ「NP後払いとは」、2026年10月21日確認
- SBペイメントサービス株式会社「後払い決済とは?仕組みやメリット・デメリットについて解説」、2026年10月21日確認
- 株式会社DGフィナンシャルテクノロジー「後払い決済とは何?仕組みや導入のメリット・デメリット、注意点を解説」、2026年10月21日確認
- ヤマト運輸株式会社「後払い決済とは?その仕組みやメリット、導入時に注意すべきポイント」、2026年10月21日確認
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