持分会社とは?合同・合名・合資の違いと株式会社との比較を条文で解説
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- 合名・合資・合同の総称で社員が経営
- 設立は定款の認証が不要で6万円から
- 2024年の設立の約3割が持分会社
持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社の3つを総称する、会社法上の呼び方です。出資者である「社員」が会社の経営に関わる会社形態で、定款に別段の定めがなければ社員が業務を執行します。社員の責任は種類ごとに異なり、合名会社は全員が無限責任、合資会社は無限責任社員と有限責任社員の組み合わせ、合同会社は全員が有限責任です。設立のときに定款の公証人の認証は要らず、2024年の設立登記は、持分会社の合計が41,804件で、設立登記全体の約29.8%を占めました。この記事では、条文と法務省・国税庁の公開情報に沿って、株式会社との違い、メリットとデメリット、運営のルール、設立の流れと費用、設立後の経理までを整理します(2026年10月21日確認)。
持分会社の経理の手間を、2問で診断
Q1. 持分会社との関わりは?
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目次
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- 持分会社とは|合名・合資・合同の総称で、社員が経営に関わる会社形態
- 持分会社でも会計帳簿は必要|帳簿・請求書・支払を整える3つの選択肢
- 持分会社と株式会社の違い|所有と経営・責任・設立・公告を表で比較
- 持分会社のメリット|設立の手軽さ・運営の自由度・意思決定の速さ
- 持分会社のデメリット|社員の責任・資金調達・持分の譲渡・知名度
- 持分会社の運営ルール|業務執行・代表・加入・退社・定款変更を条文で整理
- 持分会社の損益分配・利益の配当・出資の払戻し|合同会社だけにある財源の制限
- 持分会社の設立の流れと費用|定款の作成から設立登記・税務の届出まで
- 持分会社は今どれくらいある?2024年の登記件数から見る現状
- 持分会社から別の会社形態へ|種類変更と株式会社への組織変更
- 持分会社と株式会社のどちらを選ぶ?5つの質問で整理
- 持分会社の設立後に必要な経理|帳簿・計算書類・請求書の保存
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|持分会社で押さえたい5つのこと
- 参考文献
持分会社とは|合名・合資・合同の総称で、社員が経営に関わる会社形態
持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社の3つを総称する、会社法上の呼び方です(出典:e-Gov法令検索「会社法」第575条第1項)。会社法が定める会社の種類は、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4つで(出典:e-Gov法令検索「会社法」第2条第1号)、このうち株式会社以外の3つが持分会社にあたります。
持分会社の出資者は「社員」と呼ばれ、会社に雇われている従業員を指す言葉ではありません。条文は、社員が会社に対してもつ地位や権利を「持分」と表しています(たとえば、持分の譲渡を定めたe-Gov法令検索「会社法」第585条)。株式会社では、出資者である株主と、経営を担う取締役などが分かれているのが一般的です。これに対して持分会社では、定款に別段の定めがなければ、社員が業務を執行します(出典:e-Gov法令検索「会社法」第590条第1項)。
| 項目 | 合名会社 | 合資会社 | 合同会社 |
|---|---|---|---|
| 社員の責任(定款の記載) | 社員の全部が無限責任社員(第576条第2項) | 社員の一部が無限責任社員、その他が有限責任社員(第576条第3項) | 社員の全部が有限責任社員(第576条第4項) |
| 責任の中身 | 会社の財産で債務を完済できないときなどに、連帯して会社の債務を弁済する(第580条第1項) | 無限責任社員は左と同じ。有限責任社員は出資の価額が限度(第580条第1項・第2項) | 出資の価額(まだ履行していない分)が限度(第580条第2項) |
| 出資の目的 | 金銭等に限られない | 無限責任社員は金銭等に限られない。有限責任社員は金銭等に限る | 全員が有限責任のため、金銭等に限る(第576条第1項第6号) |
| 設立登記までの出資の履行 | 第578条の定めは合同会社のもの | 第578条の定めは合同会社のもの | 登記の時までに、出資の全額の払込みまたは給付が必要(第578条) |
| 設立登記の登録免許税 | 申請1件につき6万円 | 申請1件につき6万円 | 資本金の額の1,000分の7(6万円に満たないときは6万円) |
| 2024年の設立登記の件数 | 11件 | 19件 | 41,774件 |
登録免許税は国税庁 No.7191 登録免許税の税額表、設立の件数は法務省 登記統計 商業・法人 2024年 第32表 会社及び登記の種類別 会社の登記の件数で確認した内容です(2026年10月21日確認)。
持分会社の例は?商号の文字で見分けられる
持分会社の例は、商号に「合同会社」「合名会社」「合資会社」のいずれかの文字を用いている会社です。会社は、種類に従って商号中にその種類を示す文字を用いなければならず、他の種類の会社と誤認されるおそれのある文字は使えません(出典:e-Gov法令検索「会社法」第6条第2項・第3項)。実際に多いのは合同会社で、2024年の設立登記では、持分会社の設立の99.9%を合同会社が占めました(詳しくは後述の登記件数の節を参照)。
持分会社でも会計帳簿は必要|帳簿・請求書・支払を整える3つの選択肢
持分会社は、会社法により、適時に正確な会計帳簿を作り、閉鎖の時から10年間、帳簿と事業に関する重要な資料を保存しなければなりません(出典:e-Gov法令検索「会社法」第615条、2026年10月21日確認)。社員は、営業時間内であればいつでも計算書類の閲覧を請求でき、この権利は定款によっても、事業年度の終了時の請求を制限できません(出典:e-Gov法令検索「会社法」第618条)。経営に関わる社員の全員が、会社の数字を同じ目線で確認できる仕組みは、設立の段階から決めておきたい項目です。作業の役割ごとに3つのサービスを比べます。
持分会社の経理を支える3サービスの役割の違い
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|---|---|---|---|
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| 注意したい点 | ある程度の簿記知識が必要な場合もある。商品ページに、持分会社に固有の機能(社員の持分や出資の管理)の記載はない | 価格を確認するには問い合わせが必要。持分会社に固有の機能の記載はない | 開封や受領・保管の代行はオプション。持分会社に固有の機能の記載はない |
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【レビュー】マネーフォワードクラウド会計を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある会計ソフトの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド会計」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。
導入事例として、株式会社HITOMIOテクノロジーズは、1か月経っても終わらなかった月次決算が6営業日になったと、マネーフォワードの導入事例で紹介されています。持分会社の事例ではなく、帳簿づけの手作業を減らした例です。
「経理の作業部分はどんどん省略化。1ヶ月経っても終わらなかった月次決算が6営業日になりました。」
株式会社HITOMIOテクノロジーズ「マネーフォワード クラウド会計」導入事例(公開当時の情報)。出典:マネーフォワード「株式会社HITOMIOテクノロジーズ」導入事例、2026年10月21日確認
持分会社と株式会社の違い|所有と経営・責任・設立・公告を表で比較
持分会社と株式会社の最大の違いは、出資者が会社の経営にどう関わるかと、会社の債務に負う責任の範囲です。持分会社は、社員が業務を執行するのが原則で、責任の範囲は種類ごとに異なります。株式会社の株主の責任は、その有する株式の引受価額が限度です(出典:e-Gov法令検索「会社法」第104条)。設立の手続き、決算の公告、役員の任期などの運営面にも違いがあります。
| 項目 | 持分会社(合名・合資・合同) | 株式会社 |
|---|---|---|
| 出資者の呼び方と責任 | 社員。無限責任か有限責任かは種類による(第576条・第580条) | 株主。責任は、その有する株式の引受価額が限度(第104条) |
| 所有と経営 | 定款に別段の定めがなければ、社員が業務を執行する(第590条第1項) | 株主とは別に、取締役などが経営するのが一般的 |
| 持分・株式の譲渡 | 他の社員の全員の承諾が必要。定款で別段の定めも可(第585条第1項・第4項) | 株主は、その有する株式を譲渡できる(第127条) |
| 設立時の定款の認証 | 持分会社の設立の定め(第575条)に、認証の規定はない | 公証人の認証が必要(第30条第1項) |
| 設立登記の登録免許税 | 合名・合資は6万円。合同は資本金の1,000分の7(最低6万円) | 資本金の額の1,000分の7(最低15万円) |
| 決算の公告 | 持分会社の章(第575条から第675条)に、決算の公告の定めはない | 貸借対照表の公告が必要(第440条第1項)。一部の例外あり |
| 役員の任期 | 持分会社の章に、任期の定めはない | 取締役の任期は、原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで(第332条第1項) |
| 資金調達 | 株式がなく、株式の発行による調達はできない。社員の出資や借入が中心 | 株式の発行などで調達できる |
| 2024年の設立登記の件数 | 41,804件(合名11・合資19・合同41,774の合計) | 98,671件 |
合名会社の個別の仕組みは合名会社とは?無限責任の仕組み・設立費用・合同会社との違いを解説、合資会社の仕組みと設立の手続きは合資会社とは?意味・仕組み・株式会社との違いと設立手続きで詳しく解説しています。
持分会社と間違えやすい2つの言葉
- 持株会社(ホールディングス):他の会社の株式を保有して経営を管理・支配することを目的とする会社を指す、事業内容による呼び方です。会社の種類ではなく、実務解説では、原則として株式会社の形態で設立されるとされています(出典:freee「持分会社とは?種類・株式会社との違い・設立のメリット・デメリットを解説」、2026年10月21日確認)。
- 持分法適用会社(「持分法会社化」):連結決算で、親会社などが議決権を保有する関連会社などに使う会計処理(持分法)の対象になる会社を指します。会社法の会社の種類である持分会社とは別の概念で、会社の種類とは関係のない会計上の区分で、持分法適用会社が持分会社であることも株式会社であることもあります。連結決算の流れは連結会計とは?対象企業や連結会計の手順などをわかりやすく解説で解説しています。
持分会社のメリット|設立の手軽さ・運営の自由度・意思決定の速さ
持分会社のメリットは、株式会社より設立の手続きと費用が軽いことと、損益の分配や業務の進め方を定款で自由に決めやすいことです。主なものを条文と公的資料で確認します(2026年10月21日確認)。
| メリット | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 定款の認証が不要 | 株式会社の定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じません。持分会社の設立の定めに、この認証の規定はありません | 会社法第30条、第575条 |
| 登録免許税が低く設定されている | 合名・合資は6万円、合同は資本金の1,000分の7(最低6万円)です。株式会社は最低15万円です | 国税庁 No.7191 |
| 決算の公告が不要 | 株式会社は貸借対照表の公告が義務です。持分会社の章に、決算の公告の定めはありません | 会社法第440条、第5編第2章 |
| 役員の任期がない | 取締役の任期(第332条)のような、一定期間で終わる仕組みは、持分会社の章にありません | 会社法第332条、第575条から第675条 |
| 損益の分配を決められる | 定款に定めがなければ出資の価額に応じて分配し、定款で別の割合も定められます | 会社法第622条 |
| 意思決定がシンプル | 社員が2人以上のときは、定款に別段の定めがなければ社員の過半数で決め、常務は各社員が単独でできます | 会社法第590条 |
| 退社して持分の払戻しを受けられる | 退社した社員は、出資の種類を問わず、持分の払戻しを受けられます | 会社法第611条第1項 |
これらのメリットの多くは、合同会社・合名会社・合資会社に共通します。種類ごとの違いは、社員の責任の範囲です。社員の責任を軽くしたい場合は合同会社、無限責任社員を含む設計にも意味がある場合は合名会社や合資会社が、検討の対象になります。
持分会社のデメリット|社員の責任・資金調達・持分の譲渡・知名度
持分会社のデメリットは、種類によっては社員が無限責任を負うこと、株式による資金調達ができないこと、持分の譲渡に他の社員の全員の承諾が要ることなどです。違法な会社や特別な会社という意味ではなく、会社法が定める正式な会社形態です。
社員の責任はどこまで?無限責任と有限責任の違い
| 場面 | 無限責任社員 | 有限責任社員 |
|---|---|---|
| 会社の債務への責任 | 会社の財産で債務を完済できないときなどに、連帯して弁済する(第580条第1項) | 出資の価額(まだ履行していない分)が限度(第580条第2項) |
| 債権者から見た関係 | 連帯して負うため、社員のそれぞれに請求できる関係になる | 限度額の範囲で責任を負う |
| 退社したとき | 退社の登記をする前に生じた債務について、従前の責任の範囲で弁済する責任が残る。登記の後2年以内に請求または請求の予告をしない債権者には、登記後2年を経過した時に消滅する(第612条) | 同じ第612条の対象。責任の範囲は従前のとおり |
| 責任の種類が変わったとき | 無限責任社員が有限責任社員になっても、変更の登記の前に生じた債務には無限責任社員としての責任が残る(第583条第3項・第4項) | 有限責任社員が無限責任社員になると、その前に生じた債務にも無限責任社員として責任を負う(第583条第1項) |
合同会社は全社員が有限責任ですが、責任がまったく生じないわけではありません。業務を執行する有限責任社員が、その職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、第三者に生じた損害を連帯して賠償する責任を負います(出典:e-Gov法令検索「会社法」第597条)。業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって職務を行う義務も負います(出典:e-Gov法令検索「会社法」第593条第1項)。
そのほかのデメリット
- 資金調達の手段が限られる:持分会社には株式がなく、株式の発行による資金調達や上場の道は取れません。資金は、社員の出資と金融機関からの借入が中心です。
- 持分の譲渡に全員の承諾が要る:社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、持分を他人に譲渡できません。定款で別段の定めをすることはできます(出典:e-Gov法令検索「会社法」第585条第1項・第4項)。
- 退社の払戻しで資金が出ていく:退社した社員は持分の払戻しを受けられるため、会社の資金繰りへの影響を見込んだ資金計画が要ります(出典:e-Gov法令検索「会社法」第611条第1項)。
- 社員の死亡や欠けた場合の影響が大きい:死亡は退社の事由で、社員が欠けたことは解散の事由です。詳しくは運営ルールの節で説明します。
- 知名度が低い場合がある:2024年の設立登記では、持分会社の99.9%が合同会社でした。合名会社と合資会社は年間の設立が合わせて30件で、取引先や金融機関が会社の形態に不慣れな場合があります。
本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。責任の範囲や定款の設計は、弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。
社員が責任を負う会社ほど、債務の状況を見える化しておきたい
合名会社や合資会社の無限責任社員は、会社の債務について個人としても責任を負う場合があります。合同会社でも、業務を執行する社員は善管注意義務を負います。仕入先への支払や未払の請求書の状況を、早く正確につかむことは、会社と社員の双方にとって大切です。受領した請求書の入力から承認、振込までを一つの流れで管理する場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供するマネーフォワード クラウド債務支払です。商品ページによると、請求書メールを自動で取り込み、AI-OCRで「支払依頼申請」の下書きを作成します。適格請求書の判定、柔軟な申請経路の設定、銀行振込APIによるワンクリックの振込にも対応しています。ただし、商品ページでは開封や受領・保管の代行はオプションとされており、持分会社に固有の機能の記載はありません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド債務支払
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振込み対応!請求業務をオンラインで完結したい方におすすめ
AI OCR機能や承認フローの効率化により、請求書の電子保存や自動入力で請求書管理を効率化するなら、マネーフォワード クラウド債務支払の導入がおすすめです。

評判・口コミを紹介
導入後の最大のメリットは、やはりペーパーレス化により紙にまつわる作業や手間がすべてなくなったことです。経費や支払の問い合わせの際に毎回紙を探す手間、ファイリングする手間、会計監査や税務調査の際に紙の資料を収集する手間がなくなりました。
経費の導入事例(マックス株式会社)|株式会社マネーフォワード
おすすめ!
- 銀行振込APIと連携しているため、ワンクリックで振込みができる
- AI-OCRにより、適格請求書の判定業務を効率化
- ワークフローは自社にあわせて柔軟に申請経路の設定が可能
気になる…
- 開封や受領・保管の代行はオプションとなる
導入事例として、宇都宮ヤクルト販売株式会社は、導入前に紙の請求書の処理で多くの時間を費やしていたと、マネーフォワードの導入事例で紹介されています。
「同社は以前まで、毎月100件以上届く紙の請求書処理に、多くの時間を費やしていました。」
宇都宮ヤクルト販売株式会社「マネーフォワード クラウド債務支払」導入事例。出典:マネーフォワード「宇都宮ヤクルト販売株式会社」導入事例、2026年10月21日確認
持分会社の運営ルール|業務執行・代表・加入・退社・定款変更を条文で整理
持分会社の運営は、会社法の持分会社の規定と定款で決まります。定款に別段の定めがあればそちらが優先される項目が多く、設立時に定款をどう書くかが運営の中身を左右します。主な項目を整理します(出典:e-Gov法令検索「会社法」第5編第2章、2026年10月21日確認)。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 業務の執行 | 定款に別段の定めがなければ、社員が業務を執行します。社員が2人以上のときは過半数で決め、常務は各社員が単独でできます(他の社員が完了前に異議を述べたときを除く) | 第590条 |
| 業務執行社員の義務 | 業務を執行する社員は、善良な管理者の注意をもって職務を行い、法令と定款を守って会社のために忠実に職務を行います。競業や利益相反取引には、他の社員の承認が要ります(定款で別段の定めも可) | 第593条・第594条・第595条 |
| 会社の代表 | 業務を執行する社員が会社を代表し、2人以上いれば各自が代表します。代表社員を定めることもできます。代表権への制限は、善意の第三者に対抗できません | 第599条 |
| 持分の譲渡 | 他の社員の全員の承諾が必要です。業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾で譲渡できます | 第585条 |
| 社員の加入 | 定款を変更した時に効力が生じます。合同会社で出資が未履行のときは、履行を完了した時に社員となります | 第604条 |
| 任意退社 | 存続期間を定めない場合、事業年度の終了時に退社でき、6か月前までの予告が必要です。やむを得ない事由があるときはいつでも退社できます | 第606条 |
| 法定退社 | 定款で定めた事由の発生、総社員の同意、死亡、合併による消滅、破産手続開始の決定、解散、後見開始の審判、除名などで退社します | 第607条 |
| 定款の変更 | 定款に別段の定めがなければ、総社員の同意で変更します | 第637条 |
| 解散と継続 | 定款で定めた存続期間の満了、総社員の同意、社員が欠けたことなどで解散します。一部の事由では、清算が結了するまで、社員の全部または一部の同意で継続できます | 第641条・第642条 |
定款で変えられること、法律で決まっていること
持分会社は「定款自治」が広く認められる会社形態です。ただし、すべてを定款で変えられるわけではありません。条文の文言をもとに、主なものを分けて整理します(個別の定款の設計は専門家に確認してください)。
| 区分 | 項目 | 条文の根拠 |
|---|---|---|
| 定款で別段の定めができる | 業務の執行の方法と決定の方法(社員の過半数など) | 第590条第1項・第2項 |
| 定款で別段の定めができる | 持分の譲渡の要件(他の社員の全員の承諾) | 第585条第4項 |
| 定款で別段の定めができる | 競業の禁止・利益相反取引の承認の要件 | 第594条第1項、第595条第1項 |
| 定款で別段の定めができる | 任意退社の時期と予告の期間 | 第606条第2項 |
| 定款で別段の定めができる | 社員の死亡・合併による消滅の場合に、相続人などが持分を承継すること | 第608条第1項 |
| 定款で別段の定めができる | 損益分配の割合、利益の配当・出資の払戻しの請求の方法 | 第622条第1項、第621条第2項、第624条第2項 |
| 定款で別段の定めができる | 定款の変更の要件(総社員の同意) | 第637条 |
| 法律で決まっている | 社員の責任の中身(連帯して弁済する責任、有限責任社員の限度) | 第580条(別段の定めを認める文言がない) |
| 法律で決まっている | 退社した社員が、登記の前に生じた債務に負う責任と、登記後2年で消滅する扱い | 第612条(別段の定めを認める文言がない) |
| 定款でも制限できない | 社員が事業年度の終了時に、計算書類の閲覧・謄写を請求できること | 第618条第2項ただし書 |
合同会社の唯一の社員が死亡したらどうなる?
合同会社の唯一の社員が死亡すると、その社員は退社したことになり、社員が欠けたことで会社は解散します。定款に、相続人が持分を承継する旨の定めがある場合は、相続人が社員となり、解散を避けられます。条文の流れは次のとおりです。
- 死亡は、社員が退社する事由の一つです(第607条第1項第3号)。
- 社員が欠けたことは、会社の解散の事由です(第641条第4号)。持分会社を継続できる旨の規定(第642条)は、定款で定めた存続期間の満了・定款で定めた解散の事由の発生・総社員の同意による解散に限られ、社員が欠けたことは含まれません。
- 例外として、社員が死亡した場合の相続人が持分を承継する旨を定款で定めておくと、相続人は承継した時に社員となり、定款の変更をしたものとみなされます(第608条第1項から第3項)。相続人が2人以上いるときは、権利を行使する者1人を定める必要があります(第608条第5項)。
出典:e-Gov法令検索「会社法」第607条・第608条・第641条・第642条、2026年10月21日確認。一人で経営する合同会社では、将来の相続に備えて、定款に承継の定めを置くかどうかを、設立の段階で専門家と確認しておくと安心です。
持分会社の損益分配・利益の配当・出資の払戻し|合同会社だけにある財源の制限
持分会社の社員は、利益の配当と出資の払戻しを、会社に請求できます。損益の分配の割合は、定款に定めがなければ、各社員の出資の価額に応じて決まります。合同会社には、債権者を守るための財源の制限があり、合名会社・合資会社にはありません(出典:e-Gov法令検索「会社法」第621条・第622条・第624条・第628条・第632条、2026年10月21日確認)。
| 項目 | 合名会社・合資会社 | 合同会社 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 損益の分配 | 定款に定めがなければ、出資の価額に応じる。定款で別の割合も定められる | 同左 | 第622条 |
| 利益の配当 | 社員は請求できる。請求の方法などは定款で定められる | 社員は請求できるが、配当額が配当をする日の利益額を超える場合はできない | 第621条・第628条 |
| 出資の払戻し | 社員は請求できる。請求の方法などは定款で定められる | 定款を変更して出資の価額を減少する場合を除き、請求できない。払戻額が剰余金額などを超える場合もできない | 第624条・第632条 |
| 退社時の持分の払戻し | 退社した社員は、出資の種類を問わず、持分の払戻しを受けられる | 同左 | 第611条 |
「合同会社はやめたほうがいい」という声の背景には、こうした財源の制限や、株式会社と比べた知名度の差があります。形態ごとに制限の中身が違うだけで、どちらかが劣るという意味ではありません。自社が配当や払戻しをどう使うかを想定したうえで、定款の設計を専門家と詰めてください。
持分会社の設立の流れと費用|定款の作成から設立登記・税務の届出まで
持分会社の設立は、社員になろうとする者が定款を作成し、その全員が署名または記名押印して、本店の所在地で設立の登記をする流れです(出典:e-Gov法令検索「会社法」第575条第1項・第579条)。定款の公証人の認証は不要です。会社全般の設立手続きは、設立とは?意味と創業・創立との違い、会社設立の手続き・費用を解説にまとめています。
- 基本事項を決める:商号(種類に応じた文字を含める)、会社の目的、本店の所在地、社員(氏名または名称と住所)、各社員の出資の目的と価額を決めます。
- 定款を作成する:目的、商号、本店の所在地、社員の氏名または名称と住所、社員が無限責任社員か有限責任社員かの別、社員の出資の目的とその価額または評価の標準を記載します(出典:e-Gov法令検索「会社法」第576条)。定款は電磁的記録でも作成できます(第575条第2項)。
- 出資を履行する:合同会社は、設立の登記の時までに、出資の全額の払込みまたは給付が必要です(出典:e-Gov法令検索「会社法」第578条)。
- 設立登記を申請する:本店の所在地を管轄する法務局に申請します。会社は、本店の所在地で設立の登記をすることで成立します(第579条)。手続きの案内は法務局「持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)」で確認できます。
- 税務などの届出をする:設立の日(設立登記の日)以後2か月以内に、法人設立届出書を、定款の写しなどを添付して納税地の所轄税務署長に提出します(出典:国税庁 No.5100 新設法人の届出書類、2026年10月21日確認)。社会保険・労働保険の手続きも、会社の状況に応じて必要になります。
設立にかかる主な費用
| 項目 | 合名会社・合資会社 | 合同会社 | 株式会社(参考) |
|---|---|---|---|
| 設立登記の登録免許税 | 申請1件につき6万円 | 資本金の額の1,000分の7(6万円に満たないときは6万円) | 資本金の額の1,000分の7(15万円に満たないときは15万円) |
| 定款の認証 | 不要 | 不要 | 公証人の認証が必要で、別に手数料がかかる |
| 定款の印紙税 | 設立時に作成する定款の原本は課税文書で、4万円 | 同左 | 株式会社の定款のうち、公証人が保存するもの以外は非課税 |
登録免許税の額は国税庁 No.7191 登録免許税の税額表、定款の印紙税は国税庁 No.7141 印紙税額の一覧表(第1号の文書から第20号の文書まで)で確認できます(2026年10月21日確認)。このほかに、法人の実印の作成費用、印鑑証明書や登記事項証明書の取得費用、専門家に依頼する場合の報酬などがかかることがあります。資本金の額に最低額の定めはなく、出資の額は定款で決めます。
持分会社は今どれくらいある?2024年の登記件数から見る現状
2024年に設立登記された持分会社は、合名会社11件、合資会社19件、合同会社41,774件の合計41,804件です。同じ年の株式会社の設立登記は98,671件で、持分会社と株式会社の設立の合計140,475件のうち、持分会社は約29.8%(41,804件)を占めます。持分会社の設立のうち、合同会社が占める割合は約99.9%です(出典:法務省 登記統計 商業・法人 2024年 第32表 会社及び登記の種類別 会社の登記の件数、2026年10月21日確認。割合は本記事での計算)。
| 登記の種類(2024年) | 合名会社 | 合資会社 | 合同会社 | 持分会社の合計 | 株式会社 |
|---|---|---|---|---|---|
| 設立 | 11 | 19 | 41,774 | 41,804 | 98,671 |
| 解散 | 82 | 350 | 5,279 | 5,711 | 20,795 |
| 清算の結了 | 85 | 334 | 4,326 | 4,745 | 18,717 |
| 組織変更による解散 | 29 | 120 | 1,614 | 1,763 | 47 |
| 種類変更による設立 | 44 | 9 | 110 | 163 | 該当なし |
この表の数字は登記の件数であり、会社の数そのものではありません。「持分会社の合計」は、3つの種類の件数を足した本記事の計算です。読み取れるのは次の点です。新しく設立される持分会社は、ほとんどが合同会社です。合名会社と合資会社は、新規の設立が合わせて年に30件にとどまる一方、種類変更によって合名会社になった登記が44件ありました。また、持分会社の組織変更は株式会社への変更を指すため(出典:e-Gov法令検索「会社法」第746条)、「組織変更による解散」の行は、持分会社から株式会社へ変わった登記にあたり、合同会社が1,614件を占めます。
持分会社から別の会社形態へ|種類変更と株式会社への組織変更
持分会社は、定款の変更で別の種類の持分会社に変わる(種類変更)ことも、組織変更で株式会社になることもできます。定款の変更は、定款に別段の定めがなければ総社員の同意で行います(出典:e-Gov法令検索「会社法」第637条、2026年10月21日確認)。
| 変更の内容 | 方法 | 条文 |
|---|---|---|
| 合名会社から合資会社・合同会社へ | 有限責任社員を加入させる、または社員の一部を有限責任社員とする定款の変更で合資会社に。社員の全部を有限責任社員とする定款の変更で合同会社に | 第638条第1項 |
| 合資会社から合名会社・合同会社へ | 社員の全部を無限責任社員とする定款の変更で合名会社に。社員の全部を有限責任社員とする定款の変更で合同会社に | 第638条第2項 |
| 合同会社から合名会社・合資会社へ | 社員の全部を無限責任社員とする定款の変更で合名会社に。無限責任社員を加入させる、または社員の一部を無限責任社員とする定款の変更で合資会社に | 第638条第3項 |
| 持分会社から株式会社へ | 組織変更計画を作成し、効力発生日に株式会社になる。総社員の同意が必要(定款に別段の定めがある場合を除く) | 第743条・第746条・第747条・第781条第1項 |
無限責任社員が有限責任社員になっても、変更の登記をする前に生じた債務については、無限責任社員として弁済する責任が残ります。この責任は、登記後2年以内に債権者が請求または請求の予告をしなければ、登記後2年を経過した時に消滅します(出典:e-Gov法令検索「会社法」第583条第3項・第4項)。変更の手続きと登記は専門家に相談してください。
持分会社と株式会社のどちらを選ぶ?5つの質問で整理
持分会社と株式会社のどちらが向いているかは、資金調達の計画、社員(出資者)の人数と関係、責任の範囲をどう設計するかで決まります。次の5つの質問で考えると整理しやすくなります。
| 質問 | はいの場合 | いいえの場合 |
|---|---|---|
| 1. 株式による資金調達や上場、ストックオプションを想定している? | 株式会社を検討する(持分会社に株式はない) | 質問2へ |
| 2. 出資者と経営者を分け、経営を専任の経営者に任せたい? | 株式会社を検討する(持分会社は社員が業務を執行するのが原則) | 質問3へ |
| 3. 設立の費用と手間を抑え、定款で運営ルールを決めたい? | 持分会社を検討する(認証不要、登録免許税が低い) | 質問4へ |
| 4. 出資者が会社の債務に個人として責任を負うことを受け入れられる? | 合名会社・合資会社も選択肢になる | 合同会社または株式会社を検討する |
| 5. 取引先や金融機関が、会社の形態をどう見るかを確認した? | 設立の準備を進める | 先に確認する(形態が理由で取引条件が変わる場合がある) |
この表は判断の整理用で、正解を示すものではありません。事業の内容や将来の計画によって結論は変わるため、設立前に、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に相談してください。
持分会社の設立後に必要な経理|帳簿・計算書類・請求書の保存
持分会社の設立後に必要な経理は、会計帳簿の作成と保存、毎事業年度の計算書類の作成と保存、税務の申告です。決算の公告は義務ではありませんが、会計帳簿と計算書類は作る必要があります(出典:e-Gov法令検索「会社法」第615条・第617条、2026年10月21日確認)。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 会計帳簿 | 適時に正確な会計帳簿を作成し、閉鎖の時から10年間、帳簿と事業に関する重要な資料を保存する | 会社法第615条 |
| 成立の日の貸借対照表 | 会社の成立の日における貸借対照表を作成する | 会社法第617条第1項 |
| 各事業年度の計算書類 | 各事業年度に係る計算書類を作成し、作成の時から10年間保存する | 会社法第617条第2項・第4項 |
| 計算書類の範囲 | 合名会社と合資会社は、損益計算書・社員資本等変動計算書・個別注記表を、規則に従って作成すると定めた場合に、その定めたものが対象になる。合同会社は3つとも対象 | 会社計算規則第71条 |
| 社員による閲覧 | 社員は、営業時間内はいつでも計算書類の閲覧・謄写を請求できる | 会社法第618条 |
会社計算規則の定めでは、合名会社・合資会社が作らなければならない計算書類は貸借対照表が基本で、損益計算書などは作ると定めた場合に対象になります(出典:e-Gov法令検索「会社計算規則」第71条、2026年10月21日確認)。税務上必要な書類は別に確認が必要なため、顧問税理士や所轄の税務署に確認してください。経理の外部委託を検討する場合は、経理BPOとは|委託できる範囲・給与計算・移行手順を整理も参考になります。
請求書も「事業に関する重要な資料」として10年間保存する
会計帳簿とあわせて、事業に関する重要な資料も10年間の保存が求められます。取引先から届く請求書は、その代表的なものです。紙で届く請求書、メールで届くPDFなどを、保存の面でも支払の面でも一か所で扱いたい場合の一例が、Sansan株式会社が提供するBill One請求書受領です。商品ページによると、請求書をオンラインで受け取ってデータ化し、クラウド上で一元管理でき、家賃や顧問料など毎月発生する定額の支払いを自動で登録する設定や、仕訳入力にも対応します。電子帳簿保存法とインボイス制度の法改正にも都度対応するとされています。データ化の精度は、Sansan株式会社が規定する条件を満たした場合のものとして、99.9%と紹介されています。ただし、商品ページには持分会社に固有の機能の記載はなく、価格を確認するには問い合わせが必要です。
Sansan株式会社
Bill One請求書受領
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月次決算が加速!社内全体の請求書業務を加速させたい企業におすすめ

評判・口コミを紹介
Bill Oneであれば紙の請求書でもオンラインで受領・データ化することが可能なため、それらの作業を行うことなく、請求書をオンラインで簡単に確認できるようになり、業務時間を3000時間程度削減できました。また、テレワークの前に請求書をスキャンするための残業がなくなり、経理担当者1人あたりのテレワーク実施時間が月44時間から月84時間へと増加しました。
ニュース(株式会社ボディワークホールディングス)|Sansan株式会社
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-
支払請求書の管理漏れを防げるようになりました。紙で届いた請求書もスキャンして取り込めるうえ、電子帳簿保存法に対応しているため、紙の保管・管理の手間が大幅に削減。業務効率が格段に向上しました。さらに、300件/月まではずっと無料で利用できる点もコストめんで大変ありがたく、導入しやすかったです。
導入事例として、株式会社サッポロライオンは、全国100店舗以上で対応していた請求書業務を集約し、業務効率化を実現したと、Bill One請求書受領の公式サイトで紹介されています。
「全国100店舗以上で対応していた請求書業務を集約し、業務効率化を実現」
株式会社サッポロライオン導入事例の見出し。出典:Bill One請求書受領「導入事例」、2026年10月21日確認
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持分会社の経理、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
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ここまで見てきたとおり、持分会社は社員が経営に関わり、種類によっては社員が会社の債務に責任を負う形態です。そのため、帳簿・請求書・支払の状況を正確につかめる仕組みを設立の段階から整えることが、会社と社員の両方を守ることにつながります。設立後の経理を見直したいときは、3つの資料をまとめて取り寄せて比べる方法もあります。
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Q1. 持分会社とは何ですか?
A. 持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社の3つを総称する会社法上の呼び方で、株式会社以外の会社の種類にあたります。出資者は「社員」と呼ばれ、定款に別段の定めがなければ社員が業務を執行します。設立のときに定款の公証人の認証は要りません。2024年の設立登記は、持分会社の合計が41,804件で、設立登記全体の約29.8%でした。
Q2. 持分会社と株式会社の違いは何ですか?
A. 最大の違いは、出資者の関わり方と責任です。持分会社は社員が業務を執行するのが原則で、責任の範囲は種類ごとに異なります。株式会社の株主の責任は、引き受けた株式の引受価額が限度です。ほかに、持分会社には定款の認証が不要で決算の公告の定めがなく、役員の任期の定めもありません。設立登記の登録免許税は、持分会社が最低6万円、株式会社が最低15万円です。
Q3. 持分会社の社員はどこまで責任を負いますか?
A. 種類によって異なります。合名会社の社員は全員が無限責任で、会社の財産で債務を完済できないときなどに、連帯して弁済する責任を負います。合資会社は無限責任社員と有限責任社員が混在し、有限責任社員は出資の価額が限度です。合同会社は全員が有限責任です。業務を執行する有限責任社員が悪意または重大な過失で職務を行ったときは、第三者への損害賠償責任を負います。責任の範囲は専門家に確認してください。
Q4. 合同会社の唯一の社員が死亡したらどうなりますか?
A. 死亡は社員の退社の事由で、社員が欠けたことは解散の事由です。そのため、定款に特別な定めがなければ、会社は解散します。定款に、社員が死亡した場合に相続人が持分を承継する旨を定めておくと、相続人は承継した時に社員となります。相続人が2人以上いるときは、権利を行使する者を1人定める必要があります。手続きは専門家に相談してください。
Q5. 持分法会社化(持分法適用会社)と持分会社は何が違いますか?
A. 持分会社は、合名会社・合資会社・合同会社を指す会社法上の会社の種類です。持分法適用会社は、連結決算で、親会社などが議決権を保有する関連会社などに持分法という会計処理を使う、その対象になる会社を指します。会社の種類ではなく会計上の区分のため、両者は別の概念です。
Q6. 持分会社の設立にはいくらかかりますか?
A. 国税庁の税額表では、設立登記の登録免許税は、合名会社・合資会社が申請1件につき6万円、合同会社が資本金の額の1,000分の7(6万円に満たないときは6万円)です。定款の公証人の認証は不要で、その手数料はかかりません。設立時に作成する定款の原本は印紙税の課税文書で、税額は4万円です。電磁的記録で作成する場合の扱いは、国税庁の案内などで確認してください。このほかに、法人の実印の作成費用、証明書の取得費用、専門家に依頼する場合の報酬などがかかることがあります。
まとめ|持分会社で押さえたい5つのこと
持分会社は、合名会社・合資会社・合同会社の総称で、社員が経営に関わる会社形態です。責任の範囲と運営の自由度を理解したうえで、設立後の運営と経理まで見通して選ぶことが大切です。最後に、押さえておきたい点を整理します。
- 持分会社は3種類の総称:合名会社は全社員が無限責任、合資会社は無限責任社員と有限責任社員の組み合わせ、合同会社は全社員が有限責任です。
- 設立は軽く、運営は定款で決める:定款の公証人の認証は不要で、登録免許税は最低6万円です。決算の公告や役員の任期の定めもありません。
- 責任と資金調達の制約を確認する:無限責任社員の責任、株式による資金調達ができないこと、持分の譲渡に全員の承諾が要ることを理解しておきます。
- 社員の死亡・退社に備える:死亡は退社の事由で、社員が欠けると解散します。相続人が持分を承継する定めは、定款に置いておく必要があります。
- 経理の仕組みを整える資料を取り寄せる:帳簿づけならマネーフォワード クラウド会計、請求書の受領と保管ならBill One請求書受領、承認から振込までならマネーフォワード クラウド債務支払と、役割が違う選択肢があります。
本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言や税務上の助言ではありません。個別の判断は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家や、所轄の税務署に相談してください。法令・統計と各社の商品ページは、2026年10月21日に確認した内容に基づきます。
参考文献
- デジタル庁 e-Gov法令検索「会社法」(第2条・第6条・第30条・第104条・第127条・第332条・第440条・第575条・第576条・第578条・第579条・第580条・第583条・第585条・第590条・第593条・第594条・第595条・第597条・第599条・第604条・第606条・第607条・第608条・第611条・第612条・第615条・第617条・第618条・第621条・第622条・第624条・第628条・第632条・第637条・第638条・第641条・第642条・第743条・第746条・第747条・第781条)、2026年10月21日確認
- デジタル庁 e-Gov法令検索「会社計算規則」(第71条)、2026年10月21日確認
- 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」、「No.7141 印紙税額の一覧表(第1号の文書から第20号の文書まで)」、「No.5100 新設法人の届出書類」、2026年10月21日確認
- 法務省 登記統計 商業・法人(e-Stat)「第32表 会社及び登記の種類別 会社の登記の件数(2024年)」、2026年10月21日確認
- 法務局「持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)」、2026年10月21日確認
- 実務解説:freee「持分会社とは?種類・株式会社との違い・設立のメリット・デメリットを解説」、KEIYAKU WATCH「持分会社とは?株式会社との違いや持分会社の種類などを分かりやすく解説!」、BOXIL Magazine「持分会社とは?株式会社との違いやメリット・デメリットを徹底解説!」、2026年10月21日確認
- マネーフォワード「株式会社HITOMIOテクノロジーズ導入事例」「宇都宮ヤクルト販売株式会社導入事例」、Sansan株式会社「Bill One請求書受領 導入事例」、2026年10月21日確認
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