オンプレミス環境とは?構成要素・クラウドとの違い・運用のポイントを解説

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  • オンプレミスは設備も運用も自社で担う形態
  • クラウドでもデータと設定は自社の責任
  • 運用は台帳・更新・バックアップ・監視が要

オンプレミス環境とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどの情報システムを自社で保有・設置し、構築から運用・保守まで自社で担う利用形態のことです。クラウドサービスのように事業者の設備を借りて使うのではなく、設備もデータも自社の管理下に置く点が特徴です。本記事では、オンプレミス環境の意味と構成要素、代表例、クラウド環境との違い、メリット・デメリット、「時代遅れ」と言われる理由、運用で必要なこと、クラウドへの移行と併用の考え方を整理します。内容は、2026年10月21日時点の総務省・警察庁・IPA・NIST・Microsoftなどの公開情報と、各サービスの商品ページにもとづきます。

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目次

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  1. オンプレミス環境とは|自社で設備を持ち、運用まで自社で担う形態
  2. オンプレミス環境の構成要素|設備から運用体制まで、どの層を自社が担うか
  3. オンプレミスの代表例|自社で運用されることの多いシステム
  4. オンプレミス環境とクラウド環境の違い|責任範囲・費用・導入・拡張性
  5. オンプレミス環境のメリットとデメリット
  6. オンプレミスは時代遅れ?|クラウドが広がっても残る理由
  7. オンプレミス環境の運用で必要なこと|台帳・更新・バックアップ・監視
  8. オンプレミスからクラウドへ移すときの考え方|段階移行と併用
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|オンプレミス環境で押さえたい6つのこと
  11. 参考文献

オンプレミス環境とは|自社で設備を持ち、運用まで自社で担う形態

オンプレミス環境とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアを自社で保有・設置し、構築から運用・保守まで自社で担うシステムの利用形態、またはその環境のことです。

「オンプレミス」は、英語のon-premisesを片仮名にした言葉です。premisesは「敷地・構内」を意味し、「構内にある」という意味合いから、自社の敷地で設備を持つ形態を指すようになりました。もともと企業が情報システムを使う方法は自社で設備を持つ形しかなく、わざわざ区別する名前はありませんでした。クラウドが登場し、区別する必要が生まれたことで、「オンプレミス」という呼び方が使われるようになったと、住友電工情報システムの解説は説明しています(住友電工情報システム「オンプレミスとは?」)。「オンプレ」と略されたり、「自社運用型」と呼ばれたりもします(GROWIの解説)。当サイトの用語集でも、オンプレミスとはとして短くまとめています。

「環境」という言葉は、システムが動く土台の一式を指します。サーバーなどの機器、それを置く場所、ネットワーク、OSやミドルウェア、アプリケーション、そして運用の体制までを含みます。似た言葉と並べると、違いが分かります。

言葉意味設備の持ち主運用の担い手
オンプレミス環境サーバーなどの設備を自社で保有し、構築から運用まで自社で行う自社自社
クラウド環境事業者が管理する設備を、インターネット経由で利用する事業者事業者と利用者で分担
ハウジング事業者のデータセンターに、自社の機器を設置して運用する自社自社(設置場所は事業者)
ホスティング事業者がデータセンターで運用しているサーバーを借りて利用する事業者事業者と利用者で分担

(上の表は、GROWIの解説にもとづく整理です。)ポイントは、オンプレミスかどうかを決めるのが「設備が社内にあるか」ではなく、「自社が管理して運用するか」だという点です。GROWIの解説でも、社外のデータセンターに自社のサーバーやネットワーク機器を設置して運用する形も、オンプレミスと言えるとされています。

オンプレミス環境では、社内のパソコンやネットワーク機器の不調も、自社で切り分けて直すのが基本です。IT担当者がいない、または兼務で手が回らない会社では、PC・ネットワークの相談先を外部に持つ選択肢があります。その一例が、株式会社庚伸のDr.オフィスSystanです。商品ページでは、電話での相談、遠隔操作での解決、必要に応じたIT技術者の訪問という3段階で支援することと、定額制で追加料金が発生しにくいとされる点が、おすすめのポイントとして紹介されています(2026年10月21日確認)。注意点は、トラブル復旧を目的としない「データ移行」が別途見積になることと、訪問対応が東京23区を中心に展開されていることです。商品ページにオンプレミスのサーバー運用という記載はないため、対応範囲は資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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オンプレミス環境の構成要素|設備から運用体制まで、どの層を自社が担うか

オンプレミス環境は、設置場所、ネットワーク機器、サーバー、OSとアプリケーション、データと運用体制の各層で成り立ち、そのすべてを自社が担います。

Microsoftは、オンプレミスのデータセンターでは、お客様がスタック全体を所有すると説明しています(Microsoft Learn「クラウドにおける共同責任」)。ここでいう「スタック」は、建物から顧客データまでの各層の積み重ねのことです。次の表は、層ごとに中身の例を挙げ、オンプレミス環境での担当を示したものです(層の区分と担当はMicrosoftの責任マトリックス、中身の例は本記事での整理です)。

層中身の例オンプレミス環境での担当
物理データセンターサーバールーム、電源、空調、入退室の管理自社
物理ネットワークルーター、スイッチ、ケーブル自社
物理ホスト物理サーバー、ストレージ自社
オペレーティング システムWindows ServerやLinux、仮想化の基盤自社
ネットワークコントロールファイアウォールの設定、ネットワークの分割自社
アプリケーション業務システム、社内Webシステム自社
構成と設定、IDとユーザー、顧客データ各種の設定、アカウント、業務データ自社(クラウドでも利用者に残る)
クライアント デバイス社員のパソコンやスマートフォン自社(クラウドでも利用者に残る)

層が多いぶん、自由に設計できる反面、各層に担当者と手順が必要になります。オンプレミス環境の運用が負担になりやすいのは、この「全部が自社の仕事」という構造が理由です。

オンプレミスとプライベートクラウドは同じではない

「自社専用の環境だからオンプレミス」と考えられることがありますが、両者は同じではありません。NIST(米国国立標準技術研究所)のクラウドの定義では、プライベートクラウドは、単一の組織が専用で使うクラウド基盤で、その組織または第三者が所有・管理・運用でき、設置場所は組織の敷地内でも敷地外でもよいとされています。一方、パブリッククラウドは、クラウド事業者の敷地内に存在するとされています(NIST SP 800-145)。つまり、プライベートクラウドは、オンプレミスで構築することも、事業者のデータセンターで提供を受けることもできます。

NISTはクラウドを、オンデマンドのセルフサービス、幅広いネットワークアクセス、リソースの共用、迅速な伸縮性、サービスの計測可能性という5つの特徴で説明しています。自社に設備を置いて運用しているだけでは、これらの特徴を備えるとは限りません。クラウドかオンプレミスかは、設置場所だけでなく、設備を誰が持ち、どのように提供されるかで見ます。

オンプレミスの代表例|自社で運用されることの多いシステム

オンプレミスの代表例は、社内に置くファイルサーバーやメールサーバー、会計・販売管理などの基幹システム、認証基盤、工場の生産管理に近いシステムなど、自社で運用するシステムです。

どのシステムをオンプレミスにするかは、会社の事情で決まります。次の表は、自社で持つ形が選ばれやすいシステムの例と、その理由として挙げられやすい点をまとめたものです(各社の解説に共通する整理で、すべての会社に当てはまるわけではありません)。

システムの例自社で持つ理由として挙げられやすい点
ファイルサーバー、メールサーバー社内ネットワークで完結し、アクセス権限を自社で細かく決められる
会計・販売管理などの基幹システム既存のシステムやデータベースと連携しやすく、自社の業務に合わせて作り込める
認証・ID管理の基盤社内の端末やシステムとの連携を、自社の運用ルールに合わせて組める
工場・設備に近い生産管理のシステム設備に近い場所で処理し、通信の遅れを小さくしたい
PBX(社内電話の交換機)などの専用システム社内の回線や既存の機器との接続を、自社で管理したい

営業支援、給与計算、名刺管理、プロジェクト管理、契約書管理のように、クラウド版とオンプレミス版の両方がある業務システムも多くあります。業務システムごとのオンプレミス型の選び方は、当サイトのオンプレミス型のSFAツール、オンプレミス型給与計算システム、オンプレミス型の名刺管理ソフト、オンプレミス型プロジェクト管理ツールの各記事で解説しています。

オンプレミス環境とクラウド環境の違い|責任範囲・費用・導入・拡張性

オンプレミス環境とクラウド環境の最大の違いは、設備を自社で持つか事業者から借りるかで、それによって費用の出方、導入の速さ、拡張のしやすさ、運用の担当範囲が変わります。

項目オンプレミス環境クラウド環境
設備の持ち主自社クラウド事業者
費用の出方機器やライセンスの購入など、導入時にまとまった投資が必要になりやすい。金額は構成で大きく異なる利用量に応じた月額や従量の支払いが中心。料金体系はサービスごとに異なる
導入の速さ機器の選定・調達・設置が必要で、時間がかかりやすい契約して設定すれば、使い始められることが多い
カスタマイズ設計の自由度が高い提供されるサービスの範囲に左右される
拡張・縮小機器の追加や入れ替えが必要容量の変更や追加に、比較的速く対応できる
社内ネットワークでの完結社内ネットワークだけで完結させやすいインターネット、または専用線などでの接続が前提
運用・保守の担当物理設備から設定・データまで自社事業者と利用者で分担(データ・ID・設定は利用者に残る)

(上の表は、Microsoft Learn、総務省、住友電工情報システム、GROWI、BOXILの解説にもとづく一般的な傾向です。製品やサービスによって例外があります。)

責任範囲で見る|クラウドに移すと何が事業者に移るか

違いを最もはっきり示すのが、責任範囲です。Microsoftの責任マトリックスを、オンプレミスから、IaaS、PaaS、SaaSの順に並べると、クラウドへ移すほど、下の層の責任が事業者に移ることが分かります(「顧客」を自社、「Microsoft」を事業者として読み替えています)。

責任領域オンプレミスIaaSPaaSSaaS
顧客データ自社自社自社自社
構成と設定自社自社自社自社
IDとユーザー自社自社自社自社
クライアント デバイス自社自社自社共有
アプリケーション自社自社共有共有
ネットワークコントロール自社自社共有事業者
オペレーティング システム自社自社事業者事業者
物理ホスト自社事業者事業者事業者
物理ネットワーク自社事業者事業者事業者
物理データセンター自社事業者事業者事業者

(上の表は、Microsoft Azureの説明にもとづく例です。事業者やサービスによって責任の分け方は異なるため、実際の契約や公式の説明で確認してください。)注目したいのは、上の3行です。顧客データ、構成と設定、IDとユーザーは、どの形態でも自社に残ります。Microsoftも、データ、エンドポイント、アカウント、アクセス管理は、デプロイの種類に関係なく常に利用者側の責任だと説明しています。クラウドに移すと、物理設備や基盤の運用の負担は減りますが、データと設定の責任はなくなりません。

クラウドの利用状況と、選ばれている理由

総務省の令和7年通信利用動向調査によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は83.5%で、全社的に利用している企業は60.0%でした。一方で、全社的には利用していない企業が4割あり、その内訳は、一部の事業所・部門で利用している企業が23.5%、利用していないが今後利用する予定がある企業が5.6%、利用していないし今後も利用する予定もない企業が6.8%、クラウドサービスについてよく分からない企業が4.1%です(総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。

クラウドサービスを利用する理由(複数回答)の上位は、次のとおりです。

クラウドサービスを利用する理由(総務省 令和7年調査)割合
場所、機器を選ばずに利用できるから50.7%
安定運用、可用性が高くなるから45.1%
資産、保守体制を社内に持つ必要がないから42.8%
災害時のバックアップとして利用できるから38.7%
既存システムよりもコストが安いから19.4%

「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が42.8%と3番目に高く、オンプレミス環境の負担(設備の保有と保守体制)を避けたい意向がうかがえます。一方、「既存システムよりもコストが安いから」を挙げた企業は19.4%で、クラウドは必ず安くなるとは限らないことも読み取れます。

費用の考え方|購入した機器の耐用年数と、実際の更改時期は別

オンプレミス環境では、サーバーなどの機器を購入するのが基本です。減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一では、器具及び備品のうち電子計算機について、パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く)は4年、その他のものは5年と定められています(e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」)。サーバー用のものは前者から除かれているため、後者の区分で検討することになります。ただし、耐用年数は税務上の計算に使う年数で、実際に安心して使える期間や、メーカーの保守期限とは別です。更改の時期は、保守期限や性能もあわせて計画してください。個別の税務上の扱いは、税理士や所轄の税務署に確認してください(本記事は税務上の助言ではありません)。

オンプレミス環境のメリットとデメリット

オンプレミス環境のメリットは、自社の要件に合わせた設計と管理がしやすい点、デメリットは、導入の投資と運用・保守の負担をすべて自社で負う点です。

メリット

  1. 自社の要件に合わせて設計できる: 機器やソフトウェアの構成、性能、機能を、自社の業務に合わせて決められます
  2. 既存のシステムと連携しやすい: 社内ネットワークの中で、既存の基幹システムやデータベースとつなぐ構成にしやすくなります(ITトレンドの解説)
  3. セキュリティの方針を自社で決められる: データの保管場所、アクセス権限、ネットワークの構成を、自社の規程に合わせて決められます
  4. 社内ネットワークだけで完結させやすい: 外部のネットワークに依存せず、閉じた環境で使う運用にしやすくなります
  5. システムの更新時期を自社で管理しやすい: バージョンアップの時期を、自社の業務の都合に合わせて決められます(ITトレンドの解説)

デメリット

  1. 初期投資が大きくなりやすい: サーバー、ネットワーク機器、ライセンスの購入と、設置の工事が必要です
  2. 運用・保守の負担が自社に残る: 更新プログラムの適用、障害対応、バックアップ、監視、機器の管理を自社で行います
  3. 導入に時間がかかる: 機器の選定、調達、設置、設定を経て、使い始めるまでに時間がかかります
  4. 拡張・縮小に機器の手配が要る: 利用量が増えたときは、機器の追加や入れ替えが必要です
  5. 災害・停電・設備の故障への備えを自社で用意する: 設置場所の電源や空調、離れた場所へのバックアップなどを自社で整えます
  6. 担当者に依存しやすい: 運用の知識が特定の人に集中すると、その人が不在のときに対応できなくなります

オンプレミスだから安全、とは限らない

「自社の中にあるから安全」という考え方には注意が必要です。Microsoftは、オンプレミス環境で満たされない責任の一般的な例として、IT担当者の不足やシステム停止への懸念による修正プログラムの適用の遅れ、サーバールームの物理的なセキュリティの不足、ネットワーク監視の不足、老朽化したハードウェア、バックアップや災害復旧の不備を挙げています(Microsoft Learn「クラウドにおける共同責任」)。

警察庁の「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、近年のランサムウェア攻撃は、インターネットに露出した箇所から攻撃者が遠隔操作でネットワーク内部に侵入する手口が多くを占めるとされています。被害組織へのアンケート結果では、侵入経路はVPN機器が6割以上を占め、攻撃者は未修正のぜい弱性、漏えいした認証情報や簡易なパスワード、設定不備などを悪用するとされています(警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」)。社内に設置したVPN機器やサーバーの更新を自社で管理するオンプレミス環境では、こうした機器の更新プログラムの適用が、運用の重要な仕事になります。

オンプレミスは時代遅れ?|クラウドが広がっても残る理由

オンプレミスは時代遅れとは言い切れず、クラウドの利用が広がる一方で、全社的にクラウドを使う企業は6割にとどまり、要件によってオンプレミスを選ぶ場面も残っています。

総務省の調査では、クラウドを一部でも利用する企業は83.5%と、利用は広がっています。ただし、全社的に利用している企業は60.0%で、残りの企業は、一部だけの利用か、利用していません。国内の解説では、運用コストやセキュリティの面から、クラウドからオンプレミスへ戻す動きもあると説明されています(住友電工情報システム、GROWIの解説)。どちらが優れているかではなく、システムごとの要件で選ぶ時代になっている、と見るのが実態に近いでしょう。

次の表は、状況ごとの考え方の目安です。優劣を示すものではなく、検討の出発点としてお使いください。

状況向きやすい選択
既存の基幹システムと密に連携しており、作り替えが難しいオンプレミスを残す、または段階的に移す
データの保管場所や運用の方法を、社内規程で厳しく決めているオンプレミス、または専用のプライベートクラウド
利用量の増減が大きい、拠点やテレワークで場所を選ばず使いたいクラウド
IT担当者が少なく、兼務で手が回らないクラウド(物理設備や基盤の運用を事業者に移せる範囲が広い)
一部のシステムだけ、先に移したいオンプレミスとクラウドの併用

なお、クラウドに移しても、データ、ID、設定の責任は自社に残ります。「移せば運用がなくなる」わけではなく、運用の中身が変わると考えてください。

オンプレミス環境の運用で必要なこと|台帳・更新・バックアップ・監視

オンプレミス環境の運用では、機器とソフトウェアの台帳づくり、更新とサポート期限の管理、バックアップ、監視と障害対応、設備の維持を、自社で継続して行う必要があります。

運用タスク内容確認のポイント
台帳づくり機器、OS、ソフトウェア、ネットワーク機器のバージョン、保守期限、担当者を一覧にする期限管理と更新の土台になる。更新の漏れを防ぐ
更新プログラムの適用OS、ミドルウェア、ネットワーク機器のファームウェアなどを更新する未修正のぜい弱性は侵入の入口になる(警察庁)。いつ誰が適用するかを決める
サポート期限の管理使っている製品のサポート終了日を把握し、入れ替えを計画する例: Windows Server 2016は、延長サポートが2027年1月に終了する(Microsoft Lifecycle)
バックアップ取得し、別の場所に保管し、戻せることを確認するIPAの中小企業ガイドライン第4.0版は「バックアップを取ろう!」を6か条に追加。戻す訓練が無いバックアップは不備の例(Microsoft)
監視と障害対応サーバーとネットワークの稼働を監視し、止まったときの一次対応者と連絡先を決める夜間・休日の対応を誰が担うかを、止まる前に決めておく
設備の維持電源、空調、入退室の管理、サーバールームの環境監視物理的なセキュリティの不足は、オンプレミスで起きやすい不備の例(Microsoft)
更改(入れ替え)の計画保守期限、耐用年数、性能を見て、入れ替えの時期と予算を決める耐用年数と保守期限は別。早めに計画する

(上の表は、Microsoft Learn、Microsoft Lifecycle、IPA、警察庁の公開情報をもとにした整理です。Windows Server 2016の日付は、Microsoft Lifecycleのページで2026年10月21日に確認しました。)

この表の7つは、どれも担当者が1人で全部を把握するには、重くなりやすい仕事です。次のセルフチェックで、今の運用に抜けがないかを確かめてみてください。

オンプレミス環境の運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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オンプレミスからクラウドへ移すときの考え方|段階移行と併用

オンプレミスからクラウドへ移すときは、システムの棚卸し、移行順の決定、運用体制の見直しの順に進め、一部から始めて併用する方法もあります。

  1. 棚卸しをする: 動いているシステムとサーバーを一覧にし、用途、担当者、つながっているシステム、保守期限を整理します。前の節の台帳が、そのまま出発点になります
  2. 移す・残す・やめるに分ける: 利用量の増減、既存システムとの連携、社内規程を見て、クラウドに向くもの、オンプレミスに残すもの、役目を終えたものに分けます
  3. 責任範囲を確認する: クラウドに移しても、データ、ID、設定は自社に残ります。移したあとの運用ルールと担当者を先に決めます
  4. 影響の小さいものから移す: 総務省の調査で利用が多いのは、ファイル保管・データ共有(73.3%)、社内情報共有・ポータル(61.4%)、電子メール(57.4%)です。業務への影響が比較的小さいものから試す方法があります
  5. 併用の運用を決める: 移したものと残したものの両方について、監視、バックアップ、更新の担当を決めます

国内の解説では、オンプレミスとクラウドを併用する形を「ハイブリッドクラウド」と呼ぶことが多くあります。なお、NISTの定義でいうハイブリッドクラウドは、プライベート、コミュニティ、パブリックのうち2つ以上の異なるクラウド基盤を組み合わせたものです。オンプレミスとクラウドの併用は、移行の途中の形としても、恒久的な形としても選べます。

クラウドへ移す、または一部を移したあとの運用を任せたい場合の一例が、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社のAWS監視・運用 マネージドクラウド for AWSです。ここでは、役割の違いで3つのサービスを並べます(2026年10月21日に商品ページで確認した内容です)。3サービスは、いずれもオンプレミス環境の運用を専門とするものではありません。

オンプレミス環境の運用とクラウド利用を支える3つの選択肢

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よくある質問(FAQ)

Q1. オンプレミス環境とは何ですか?

A. オンプレミス環境とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアを自社で保有・設置し、構築から運用・保守まで自社で担うシステムの利用形態、またはその環境のことです。クラウドのように事業者の設備を借りるのではなく、設備もデータも自社の管理下に置きます。社外のデータセンターに自社の機器を置いて運用する形も、オンプレミスと呼ばれることがあります。

Q2. オンプレミス環境とクラウド環境の違いは何ですか?

A. 最大の違いは、設備を自社で持つか、事業者から借りるかです。オンプレミスは機器の購入などの初期投資と、運用・保守の負担がすべて自社にかかる一方、設計の自由度が高くなります。クラウドは利用量に応じた支払いが中心で、物理設備や基盤の運用を事業者に移せます。ただし、データ、ID、設定の責任は、どちらでも利用者に残ります。

Q3. オンプレミスの代表例は何ですか?

A. 社内に置くファイルサーバーやメールサーバー、会計・販売管理などの基幹システム、認証・ID管理の基盤、工場の生産管理に近いシステム、PBXなどが代表例です。同じ種類のシステムでも、クラウド版とオンプレミス版の両方がある製品が多くあります。

Q4. オンプレミスの欠点は何ですか?

A. 主な欠点は、初期投資が大きくなりやすいこと、更新プログラムの適用、障害対応、バックアップ、監視などの運用・保守を自社で行う必要があること、導入に時間がかかること、拡張に機器の手配が要ること、災害や停電への備えを自社で用意することです。運用の知識が特定の担当者に集中しやすい点にも注意が必要です。

Q5. オンプレミスは時代遅れですか?

A. 時代遅れとは言い切れません。総務省の令和7年通信利用動向調査では、クラウドを一部でも利用する企業は83.5%と広がっていますが、全社的に利用している企業は60.0%です。既存システムとの連携、社内規程によるデータ管理、設備に近い処理など、要件によってオンプレミスを選ぶ場面が残っています。システムごとに要件で選ぶ考え方が実態に近いでしょう。

Q6. オンプレミス環境からクラウドへ移すときは、何から始めればよいですか?

A. まず、動いているシステムとサーバーを台帳に一覧にし、用途、担当者、つながっているシステム、保守期限を整理します。そのうえで、クラウドに向くもの、オンプレミスに残すもの、役目を終えたものに分け、影響の小さいものから移します。移したあとも、データ、ID、設定は自社の責任として残るため、運用ルールと担当者を先に決めてください。

まとめ|オンプレミス環境で押さえたい6つのこと

オンプレミス環境は、設備を自社で持ち、構築から運用までを自社で担う形態です。自由度が高い反面、運用の負担も自社にかかるため、台帳と手順を整え、システムごとに要件でクラウドとの使い分けを考えることが大切です。

  1. オンプレミス環境とは、サーバーなどの設備を自社で保有し、構築から運用・保守まで自社で担う形態である。社外のデータセンターに自社の機器を置く形も、オンプレミスと呼ばれることがある
  2. 設置場所、ネットワーク、サーバー、OS、アプリケーション、データまで、各層を自社が担う。プライベートクラウドとは同じではなく、設置場所も敷地内とは限らない
  3. クラウドとの違いは、設備の持ち主と責任範囲である。データ、ID、設定は、どちらの形態でも利用者に残る
  4. メリットは設計・連携・管理の自由度、デメリットは初期投資と運用・保守の負担である。オンプレミスだから安全とは限らず、更新プログラムの適用が重要になる
  5. 運用は、台帳、更新、サポート期限、バックアップ、監視、設備、更改の7つで考える。サポート期限は日付で管理する
  6. 運用の負担が重いなら、PC・ネットワークの相談先、クラウドへ移したあとの監視と運用、利用料の支払いの整理を外部に任せる選択肢の資料を請求して比較する

まずは、いま動いているサーバーとネットワーク機器を、台帳の形で1つ書き出すところから始められます。

参考文献

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