エクセルで生成AIを無料で使う方法|無料の範囲と会社での注意点

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  • 無料で使える入口と上限の違いがわかる
  • ExcelのCopilotの条件とCOPILOT関数の終了がわかる
  • 会社のExcelを渡す前の確認点がわかる

エクセルで生成AIを無料で使うには、ChatGPTやGeminiなどの無料のアカウントにExcelファイルをアップロードして分析する方法と、ExcelにChatGPTのアドインを入れて無料枠で使う方法があります。ExcelのCopilotは、公式のよくある質問に挙がる条件に無料のアカウントは含まれず、対象のMicrosoft 365などの契約が必要です。ただし、個人向けの無料プランでは入力した内容がモデルの改善に使われることがあるため、会社の顧客データや取引先の情報を渡す前に、サービスごとのデータの扱いを確かめる必要があります。本記事では、各社の公式の案内にもとづいて、無料で使える方法と上限、契約が必要な機能、COPILOT関数の終了、会社のExcelを渡す前の確認事項、社内ルールの決め方を整理します。内容は2026年10月22日時点の公式の案内です。

エクセルで生成AIを無料で使う前に、社内で次に整えたいことを診断

Q1. いま一番知りたいのは、どちらですか?

目次

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  1. エクセルで生成AIを無料で使う方法は?入口と条件を一覧で整理
  2. ChatGPT・Geminiにエクセルを渡して分析する手順と、上限の違い
  3. ChatGPT for Excelは無料で使える?入れ方・無料枠・制限
  4. ExcelのCopilotは無料で使える?契約の条件とCOPILOT関数の終了
  5. 会社のExcelを無料のAIに渡す前に確認すること|個人情報と学習への利用
  6. 無料のAIを社内で使うルールの決め方|無料で足りる場合と、仕組みが要る場合
  7. 周知と理解度の確認を支える教育サービス3つの違い|AIの操作を教える教材ではなく、運営面の支え
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|エクセルで生成AIを無料で使い始める前に押さえたい6つのこと
  10. 参考文献

エクセルで生成AIを無料で使う方法は?入口と条件を一覧で整理

エクセルで生成AIを無料で使う方法は、ChatGPT・Gemini・Claudeの無料のアカウントにExcelファイルを渡す方法と、ChatGPT for Excelのアドインを無料枠で使う方法です。

各社の公式の案内をもとに、Excelで生成AIを使う入口を、無料のアカウントで使えるものと、契約が必要なものに分けて並べます(2026年10月22日確認)。なお、無料の範囲やプランの名前は各社が見直すため、実際に使う前に公式の最新の案内を確認してください。

無料のアカウントで使える入口

入口無料で使える範囲(公式の案内)向く作業先に知っておくこと
ChatGPTにExcelファイルをアップロード無料プランでもスプレッドシートのアップロードができる。無料は1日3ファイルまで、スプレッドシートは約50MBまで(行の大きさで変わる)集計、傾向の確認、グラフの作成、条件に合う行の数え上げ混雑する時間帯は上限が下がることがある
ChatGPT for Excel(アドイン)FreeとGoは、利用量が限られた形で使える表の作成と整理、エラーの原因の説明、変更点の要約VBAやマクロには十分に対応していない場合がある
Geminiアプリにアップロードログインして、スプレッドシートをアップロードして分析できる。1ファイル100MBまで、同じプロンプトに最大10ファイルまで(状況により制限)要約、分析、アップロードしたスプレッドシートからのグラフ作成上限を引き上げるにはGoogle AIプランが必要
ClaudeにアップロードXLSXのアップロードには、アカウントでコード実行とファイル作成を有効にする必要がある。1ファイル500MBまで、1つのチャットに20ファイルまでデータの整理と分析プランごとの上限は、公式の案内と契約画面で確認する

契約が必要な入口と、終了した機能

入口条件本記事での扱い
ExcelのCopilotAIクレジットプランが含まれるMicrosoft 365 PersonalまたはFamily、Microsoft 365 Premium、商用Microsoft Copilot、Copilot Chat対象のビジネス・エンタープライズのサブスクリプションのいずれかH2「ExcelのCopilotは無料で使える?」で整理
Gemini in Google スプレッドシート対象のGoogle WorkspaceまたはGoogle AIのプランへの登録が必要無料ではないため、同じH2の最後に短く触れる
COPILOT関数2026年9月14日をもってExcelで使えなくなった同じH2で、既存のブックで起きることを整理

無料のAIの範囲は、AI全般の一覧を無料で使えるAIとは?用途別の主なAIと無料の範囲で整理しています。本記事は、そのうちExcelの作業に絞って、条件と注意点を掘り下げます。

無料で使う前に先に決めたいこと|会社のデータの扱い

無料の入口は、手軽な反面、どのプランで使うかによって、入力した内容の扱いが変わります。OpenAIの公式の案内では、個人向けのサービス(Free・Plus・Pro)では会話をモデルの訓練に使うことがあり、設定で止められると説明されています。一方、ChatGPT BusinessやEnterpriseなどの法人向けは、既定では入出力をモデルの改善に使わないと説明されています。GeminiやClaudeの個人向けにも、入力した内容が改善に使われたり、人が確認したりする場合があります(詳しくはH2「会社のExcelを無料のAIに渡す前に」で整理します)。

つまり、個人のアカウントで会社のExcelを渡すかどうかは、使う人の判断に任せると、人によって、部署によってばらつきます。AIを使う全員に、情報セキュリティや個人情報の扱いの基準を同じ形で伝えたい場合の一例が、株式会社Oysterが提供するOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。商品ページでは、ダッシュボードや自動リマインダーで研修の実施・管理の工数を減らせること、法務・労務・情報領域のコンテンツが自動で更新されることが特徴として紹介されています。公式サイトのコース一覧には「情報セキュリティ」「個人情報保護法」「著作権」などがあります(2026年10月22日確認)が、AIの利用そのものを扱う専用のコースは一覧にありません。費用は受講人数に応じた課金体系のため、問い合わせでの確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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ChatGPT・Geminiにエクセルを渡して分析する手順と、上限の違い

ChatGPTやGeminiにExcelファイルを渡す方法は、チャット画面でファイルを添付し、知りたいことと使う列・期間を文章で伝え、返ってきた集計やグラフを元のデータと照らして確かめる流れです。

手順|5ステップ(本記事の整理)

ChatGPT・Gemini・Claudeのどれも、画面の入力欄の近くにある追加ボタンからファイルを選んで添付します。ボタンの名前や位置は更新で変わるため、各サービスの最新の画面で確認してください。以下の流れは、各社の公式の案内と注意点をもとに、本記事で整理したものです。

  1. 元のファイルを複製して残し、AIに渡すのは、分析に必要な列と期間だけにしたコピーにする。顧客名や個人情報の列は、渡す前に消す
  2. 入力欄の追加ボタンから、コピーしたExcelファイル(XLSX・XLS・CSVなど)を添付する
  3. 知りたいこと、使う列、対象の期間を文章で書いて送信する。例:「売上の列を月別に集計して、前の月との差を出して」
  4. 返ってきた集計とグラフを見て、条件を変えて続けて依頼する。手順や計算の方法も答えに書かせると、確かめやすい
  5. 数字を元のファイルと照らして確認してから、報告や共有に使う

ChatGPT・Gemini・Claudeのアップロードの上限

無料で使うときに迷いやすいのが、ファイルの数と大きさの上限です。公式の案内で確認できた内容を並べます。上限は改定されるため、使う前に各社のページで確認してください。

項目ChatGPT(OpenAI)Gemini(Google)Claude(Anthropic)
対応する形式スプレッドシートはXLSX・XLS・CSV・TSVドキュメントやスプレッドシートなど、ほとんどの形式XLSXのほか、CSV・PDF・DOCXなど。XLSXはコード実行とファイル作成の有効化が必要
1ファイルの大きさスプレッドシートは約50MB(行の大きさにより変わる)動画以外は1ファイル100MBまで1ファイル500MBまで
ファイルの数無料は1日3ファイルまで。全体では3時間に80ファイルまで。混雑時は下がることがある同じプロンプトに最大10ファイルまで(状況により制限がかかる場合がある)1つのチャットに20ファイルまで
上限を上げるには有料プランで上限が広がる。プランごとの限度は公式の案内で確認Google AIプランへのアップグレードプランごとの上限は、公式の案内と契約画面で確認

出典は、OpenAIのヘルプ「Uploading files and audio to ChatGPT」、Googleの「Gemini アプリでファイルをアップロードして分析する」、Claudeのヘルプ「Upload files to Claude」です(いずれも2026年10月22日確認。参考文献に掲載)。会社のアカウントでGoogleドライブからファイルを渡す場合は、組織のWorkspace管理者が設定を有効にしている必要があると、Geminiのヘルプに書かれています。

Excelの作業でよく使うプロンプトの例(本記事の例)

次の依頼文は、各社の公式の説明にある使い道(傾向の確認、グラフの作成、数式の説明、エラーの原因の説明、表の整理)に合わせて、本記事で書いた例です。ChatGPTに関数を作らせる具体的なやり方は、別の記事で手順を詳しく紹介しています。

したいこと依頼の例(自分のファイルの列名に書き換える)確認すること
月別の集計[売上]の列を月別に集計して、前の月との差も出して。使った集計の方法も書いて合計が元のデータと合うか。集計の対象の行が抜けていないか
傾向をつかむ[商品]ごとの売上の推移を折れ線グラフにして、伸びているものと落ちているものを3つずつ挙げてグラフの軸と期間が意図どおりか
数式を作る[金額]の列が10万円以上のとき「要承認」と表示する数式を作って、どう動くか説明して数件のデータを手で計算した結果と合うか
数式を読むこのセルの数式が何をしているか、Excelに詳しくない人向けに説明して説明が、実際のセルの参照先と合っているか
マクロの案[A列が空の行を削除するVBAのマクロの案を書いて。手順も説明して動かす前に、複製したファイルで試す。ChatGPT for Excelはマクロに十分対応していない場合があると公式に書かれている
エラーの原因B145のセルでエラーが出る。数式のつながりを説明して、直し方を提案して提案どおりに直すと、他のセルの値が変わらないか
表を整える[会社名]の列の全角と半角のゆれをそろえた新しい列を作って。元の列は残して元の列が残っているか。そろえた結果に誤変換がないか

結果を確かめる4つの視点(本記事の整理)

OpenAIのヘルプには、出力は不完全だったり誤っていたりすることがあるため、数式・計算・変更したセルを確認してから使うように書かれています。Microsoftの公式のよくある質問にも、AIが生成した結果は不正確なことがあると書かれています。確認の観点を、次の4つに整理します。

  1. 範囲:AIが対象にした行・列・期間が、意図と合っているかを見る
  2. 数式:合計や件数は、自分で書いたSUMやCOUNTなどの数式で検算する
  3. 前提:除外した行、日付の形式、通貨や単位など、AIが置いた前提を、回答の説明から読み取る
  4. 共有前:共有するファイルに反映する前に、変更した内容を確かめる担当を決めておく

なお、Googleスプレッドシートの中でGeminiを使う機能(Gemini in Google スプレッドシート)は、無料のアカウントでは案内されていません(後述)。Excelファイル(.xlsx)で使うときは、Googleスプレッドシート形式で保存し直す必要があると、Googleのヘルプに書かれています。AI全体の選び方は、生成AIおすすめ12選を目的別に比較も参考になります。

ChatGPT for Excelは無料で使える?入れ方・無料枠・制限

ChatGPT for Excelは、ChatGPTのFree・Go・Plus・Proなどのアカウントで使え、FreeとGoは利用量が限られた形で使えます。

ChatGPT for Excelは、Excelの中のサイドバーで動く、表計算に特化したChatGPTです。OpenAIの公式の案内では、複数のタブ・数式・参照・前提を含む大きなファイルでも、作成・更新・説明を手伝えると説明されています。ChatGPT for Google Sheetsは別の体験として提供され、似た使い方ができます。

入れ方(公式の手順)

  1. Excel(デスクトップ版またはWeb版)を開く
  2. [ホーム]の[アドイン]を開き、「ChatGPT」を検索して追加する
  3. リボンからChatGPTを開く
  4. 対応するプランのChatGPTアカウントでサインインする

組織の事情でMicrosoft Storeからアドインを入れられない場合は、Microsoft 365の管理者が、マニフェストのファイルを使って社内に配布できると、OpenAIのヘルプに書かれています。

できること(公式の説明)

  • 予算表・進捗表・計画・テンプレートを、ゼロから作る
  • 崩れた表の整理(書式・ラベル・重複・壊れた数式)
  • よく知らないファイルの前提・数式・主要な項目の説明
  • 入力が変わったときのモデルの更新と、変更点の要約
  • シナリオの比較(基本・楽観・悲観など)の作成
  • Webの検索と、結果のブックへの取り込み

制限と、使うときの注意(公式の説明)

  • 通常のChatGPTとは別の体験で、会話の履歴やスプレッドシートのデータは同期されない。ChatGPTのメモリーも使えない
  • VBAやマクロには、十分に対応していない場合がある
  • 出力は不完全だったり誤っていたりすることがある。数式・計算・出典・変更したセルを、共有や利用の前に確認する
  • 大事な作業では、先にファイルを複製しておき、元に戻せるようにする
  • ChatGPTは、財務・法務・税務の助言者ではなく、出力を助言として扱わない

依頼文のコツ(公式の説明)

  • 何を変えてよいか、何を残すかを具体的に書く。例:「Inputsタブの前提だけを更新して。書式は変えないで。変更点を要約して」
  • 大きな編集の前は、変更するタブと範囲を先に説明させ、計画を確かめてから進める
  • 対象にしたいシートを@で指定して、依頼の対象を絞る

データの扱い|Microsoftの規約とOpenAIのログ

OpenAIのヘルプには、ChatGPT for ExcelはMicrosoft Excelの中で動き、使うにあたってはMicrosoftとの契約が適用されると書かれています。また、Microsoftのアドインマーケットプレイスの利用規約により、Microsoftがブックの内容、添付ファイル、プロンプトを読める場合があること、安全性などのために、データのログの一部がOpenAIに30日間保存されることがあることも説明されています。会社のブックで使うときは、この2点を、社内の基準を決める際に踏まえてください。

公式以外の独自のExcel向けAIアドインを使う前に

検索すると、ChatGPT以外にも、Excel向けのAIアドインや外部のサービスが無料で使えるとして多く紹介されています。公式の案内と違い、提供元ごとに規約やデータの扱いが異なるため、本記事では個別のサービス名を挙げません。使う前には、少なくとも、提供元の会社、入力した内容の送信先、機械学習への利用の有無、無料の範囲の改定の可能性を、サービスの規約で確かめてください。個人データを含む場合の考え方は、次のH2で整理します。

ExcelのCopilotは無料で使える?契約の条件とCOPILOT関数の終了

ExcelのCopilotは、単独の無料機能としては案内されておらず、公式のよくある質問に挙がる4種類のサブスクリプションのいずれかが必要です。

Microsoftの公式のよくある質問では、ExcelのCopilotに必要なものとして、次の4つが示されています(2026年10月22日確認)。Excelのアプリを持っていても、対象のサブスクリプションに含まれていないと、Copilotは使えません。

必要なもの(いずれか)本記事での読み方
AIクレジットプランが含まれるMicrosoft 365 PersonalまたはFamilyのサブスクリプション個人向けの契約。無料のMicrosoftアカウントだけでは、この条件に当たらない
Microsoft 365 Premiumのサブスクリプションモデルの切り替え(モデルスイッチャー)を使うには、この契約か商用Microsoft Copilotのサブスクリプションが必要
商用Microsoft Copilotのサブスクリプション商用向けの追加のサブスクリプション。モデルの切り替えも使える
Copilot Chat対象のMicrosoft 365またはOffice 365のビジネス・エンタープライズのサブスクリプション会社で契約済みのプランで、Copilot Chatが使える対象に当たる場合。下で詳しく整理

会社で契約済みのプランは、追加料金なしで使える場合がある

Microsoft Learnの「Microsoft Copilot Chatの管理」には、Copilot Chatは、Microsoft Entraの職場または学校アカウントでサインインし、対象のMicrosoft 365サブスクリプションを持つ対象ユーザーが、追加料金なしで利用できると書かれています。対象として、Microsoft 365 Business Basic・Standard・Premium、Microsoft 365 E3・E5などが挙げられています。

よくある質問の4つ目の条件にある「Copilot Chat対象」は、この対象を指すと読めます。つまり、会社でこうしたプランを契約している場合は、追加のCopilotのライセンスを買わなくても、条件を満たす可能性があります(本記事の読み取りです)。ただし、実際にExcelで使えるかどうかは、組織の管理者の設定で変わると、公式にも書かれています。表示されないときや、使える範囲を確かめたいときは、IT管理者に確認してください。使い方や表示されないときの確認順は、Excel Copilotとは?できること・使い方・使えない時の確認点で整理しています。Copilot全体の機能は、Copilotとは?主な機能や料金・使い方・活用例を解説も参考になります。

COPILOT関数は2026年9月14日に終了|既存のブックで起きること

セルに=COPILOT()と書いてAIの答えを出すCOPILOT関数は、2026年9月14日をもってExcelで使えなくなりました。プレビュー機能として一部のプログラムで提供されていたものです。Microsoftの公式のページによると、この関数を使ったブックの計算済みの結果は、キャッシュされた値としてブックに残ります。ただし、この関数を含むセルを再計算すると、関数が認識されず、「#NAME?」エラーになります。公式は、代わりにExcelのCopilotのウィンドウで、同じ依頼を自分の言葉で伝えるように案内しています。

検索で上位に出る解説には、関数が使える前提で書かれたものが残っている場合があります。古いブックを開く前に、必要な結果は値として貼り付けて残しておくと安心です(本記事の整理)。記事の日付と、公式の最新の案内を、あわせて確認してください。

Googleスプレッドシートで使うGeminiは、無料のアカウントでは案内されていない

GoogleスプレッドシートでGeminiを使う機能は、Googleのヘルプによると、対象のGoogle WorkspaceまたはGoogle AIのプランへの登録が必要です。Excelのファイル(.xlsx)で使うには、Googleスプレッドシート形式で保存し直す必要があります。無料のアカウントでExcelのファイルを扱うなら、前のH2のように、Geminiアプリにファイルをアップロードする方法になります。

会社のExcelを無料のAIに渡す前に確認すること|個人情報と学習への利用

会社のExcelを無料のAIに渡す前には、使うプランが個人向けか法人向けか、入力した内容がモデルの改善に使われるかを確かめ、個人データを含む場合は個人情報保護委員会の注意喚起を踏まえて判断します。

個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日)

個人情報保護委員会は、2023年6月2日付の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」で、個人情報取扱事業者に向けた注意点を示しています。内容は、次の2点です。

  • 個人情報を含むプロンプトを入力するときは、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認する
  • あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを生成AIサービスに入力し、その個人データが応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合は、個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある。このため、入力する場合は、サービスの提供事業者が、その個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確認する

顧客名簿、従業員の情報、取引先ごとの単価や担当者名が入ったExcelは、この注意喚起の対象になりうるデータです。個別の判断が必要な場合は、社内の担当部署や専門家に相談してください。本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。

サービス別のデータの扱い(各社の公式の案内)

次の表は、個人向けの無料プランを含む消費者向けのサービスと、法人向けのサービスで、入力した内容の扱いがどう説明されているかを整理したものです(2026年10月22日確認)。契約の種類によって変わるため、実際に使うプランの規約で確かめてください。

サービス個人向け(無料を含む)の扱い法人向けの扱い
ChatGPT(OpenAI)Free・Plus・Proでは、会話をモデルの訓練に使うことがある。設定の「Improve the model for everyone」をオフにするか、Privacy Portalで「Do not train on my content」を選ぶと止められる。フィードバック(高評価・低評価)を送ると、その会話全体が訓練に使われることがあるBusiness・Enterprise・Edu・APIは、既定では入出力をモデルの改善に使わない
Gemini(Google)収集したデータの一部を、人間のレビュアーが確認することがある。レビュアーに見られたくない機密情報や、サービスの改良に使われたくない情報は入力しないよう案内されている仕事用・学校用のアカウントは、組織の設定や契約の規約で確認する
Claude(Anthropic)Free・Pro・Maxでは、チャットの利用を許可した場合、Claudeの改善に使われることがある。設定で変更でき、incognitoチャットは対象外。機密性の高いビジネス文書などは、慎重に扱うよう案内されているチームなどのプランは、契約の規約で確認する
ChatGPT for Excel(アドイン)Microsoftのアドイン規約により、Microsoftがブックの内容・添付・プロンプトを読める場合がある。OpenAI側にもログが30日間保存されることがあるワークスペースの設定や契約の規約で確認する

渡す前の確認5項目(本記事の整理)

  1. 個人情報・取引先情報:顧客名、従業員の情報、取引先ごとの単価や担当者名などが入っていないか。入っているなら、列を消す、記号に置き換えるなど、渡さない形にする
  2. 使うプラン:個人向けか法人向けか。個人向けなら、学習に使われる設定を、会社として決めた状態にしてあるか
  3. 社内の規程:社外のサービスにデータを渡してよい範囲が、社内の規程で決まっているか。決まっていなければ、先に決める
  4. ファイルの用意:元のファイルを複製し、渡すのは必要な列だけにしたコピーにする
  5. 確認の担当:AIが出した数値や数式を、元のデータで検算する人と手順が決まっているか

この5項目のうち、いくつが決まっていないかを、次のチェックで確かめてください。

会社のExcelを無料のAIに渡す前に、社内の準備は足りているかセルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

無料のAIを社内で使うルールの決め方|無料で足りる場合と、仕組みが要る場合

無料のAIをExcel業務で使うルールは、使ってよいサービスとプラン、入力してよい情報、学習の設定、結果の確認担当、共有のしかた、相談先の6項目を決め、使う全員に同じ形で伝えることが基本です。

無料のままで足りる場合と、仕組みを整えたほうがよい場合(本記事の整理)

次の表は、公式の案内にもとづく判断の目安を、本記事で整理したものです。無料の入口が悪いという意味ではなく、扱う情報や人数によって、決めておく範囲が変わるということです。

見る点無料のままで足りる可能性が高い仕組みを整えたほうがよい
扱うデータ公開されている数字や、個人・取引先を特定できない集計データだけ顧客・従業員・取引先の情報や、社内の未公開の数字が入る
使う人数1人か、少人数のチームで、使い方を口頭で伝えられる複数の部署に広がり、人によって使い方がばらつく
使うプラン個人向けの無料プランで、学習に使われる設定を会社として決めてある法人向けのプランか、管理者が設定を管理できる契約が必要になる
結果の使い道自分の作業の下書きや検算で、そのまま社外に出さない報告・請求・申請などの正式な書類や数字に使う
確認の体制本人が元のデータで検算できる誰が確認するかを決め、記録を残す必要がある

社内ルールで決める6項目(本記事の整理)

  1. 使ってよいサービスとプラン:ChatGPT・Gemini・Claude・ExcelのCopilotのうち、会社として認めるものと、個人向けか法人向けかを決める
  2. 入力してよい情報:個人情報、取引先の単価、未公開の数字など、入れてはいけない情報の例を具体的に挙げる
  3. 学習の設定:個人向けのサービスを使う場合に、学習に使われる設定をどうするかを決める
  4. 結果の確認:数字や数式を元のデータで検算する担当と手順を決める
  5. 共有のしかた:AIが作った表やグラフを、社内外に共有する前の確認の流れを決める
  6. 相談先:判断に迷ったときの窓口を決め、全員に知らせる

国のガイドラインも、社内のルールづくりの参考になります。経済産業省のページには、「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」の本編のほか、チェックリストとワークシートが公開されています。自社の状況に合わせて使う参考資料として位置づけてください。AIが作った文章や画像の権利については、AIの著作権|生成AI時代の権利と実務対応で整理しています。

6項目を決めても、文書にしただけでは使われません。社内の使い方の手順や、入力してよい情報の例を、社内向けの教材として何度でも学べる形にしたい場合の一例が、株式会社FCEが提供するSmart Boardingです。商品ページでは、社内独自の教育内容を学習プログラム化でき、LMS機能で受講者ごとの進捗や理解度を確認できること、小テストを作成して配信できること、自社の資料や動画を使った研修コースを作れることが紹介されています。AIの利用に特化した既製のコースがあるかは、資料で確認してください。電話・メールでの相談や教育プログラムの設計といった手厚いサポートは、「充実サポートプラン」のみの提供です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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周知と理解度の確認を支える教育サービス3つの違い|AIの操作を教える教材ではなく、運営面の支え

3つのサービスは、無料のAIの操作を教える教材ではなく、データの基準の周知・理解度の確認・手順の教材化という運営面を支える教育サービスです。

ここまでに登場した3つのサービスを、役割の違いで並べます。優劣や順位ではなく、社内の状況に合うものを選ぶための整理です。自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。

無料のAIを社内で使うときの、教育サービス3つの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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どのサービスも、ChatGPT・Gemini・ExcelのCopilotなどの設定や操作を代わりに行うものではありません。各サービスを使うための設定は、本人と管理者が、前の章までの手順どおりに行います。そのうえで、使う人が増えたときのデータの基準の周知、理解の確認、手順の教材化を、研修の仕組みに載せるかどうかを検討する位置づけです。複数のサービスの資料をまとめて請求して、研修の内容・管理の方法・サポートの範囲を比べてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. エクセルで生成AIを無料で使うには、どうすればよいですか?

A. ChatGPT・Gemini・Claudeの無料のアカウントにExcelファイルをアップロードして分析する方法と、ChatGPT for Excelのアドインを無料枠で使う方法があります。ChatGPTの無料プランは、1日3ファイルまで、スプレッドシートは約50MBまでです。会社のデータを渡す場合は、先にサービスごとのデータの扱いを確かめてください。

Q2. ChatGPT for Excelは無料ですか?

A. OpenAIの公式の案内では、Free・Go・Plus・Proなどのアカウントで使え、FreeとGoは利用量が限られた形で使えます。VBAやマクロには十分に対応していない場合があり、Microsoftがブックの内容を読める場合がある点にも注意が必要です。利用量の上限は改定されるため、公式の最新の案内を確認してください。

Q3. ExcelのCopilotは無料で使えますか?

A. 単独の無料機能としては案内されていません。公式のよくある質問では、AIクレジットプランが含まれるMicrosoft 365 PersonalまたはFamily、Microsoft 365 Premium、商用Microsoft Copilot、Copilot Chat対象のビジネス・エンタープライズのサブスクリプションのいずれかが必要とされています。会社でBusiness StandardやE3などを契約している場合は、Copilot Chatを追加料金なしで使える対象に当たることがあるため、IT管理者に確認してください。

Q4. Excelの関数や数式をAIに作らせたり、セルの中でAIを使ったりできますか?

A. 数式は、ChatGPT・Gemini・ExcelのCopilotなどに、やりたい処理を言葉で伝えれば、作成や説明を頼めます。作られた数式は、数件のデータで検算してから使ってください。セルの中でAIを呼び出すCOPILOT関数は、2026年9月14日に終了し、既存のブックを再計算すると「#NAME?」エラーになります。

Q5. 無料の生成AIのうち、Excelに一番向いているのはどれですか?

A. 公式の案内だけでは、優劣は決められません。作業と条件で選びます。ファイルを渡して分析するならChatGPT・Gemini・Claude、Excelの画面の中で表を直接直したいならChatGPT for Excelのアドイン、契約済みのMicrosoft 365があればExcelのCopilotが候補です。会社のデータを扱う場合は、機能より先に、データの扱いと社内の規程で絞り込んでください。

Q6. 会社のExcelを無料のAIに渡してもよいですか?

A. 一律には言えません。OpenAIの公式の案内では、個人向けの無料プランは会話をモデルの訓練に使うことがあり、法人向けは既定で使わないと説明されています。個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データを入力し、出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法に違反する可能性があるため、機械学習に利用しないことなどを確認するよう注意喚起しています。個別の判断は、社内の担当部署や専門家に相談してください。

まとめ|エクセルで生成AIを無料で使い始める前に押さえたい6つのこと

エクセルで生成AIを無料で使う方法はいくつもありますが、無料の範囲は各社が決めており、個人向けと法人向けでデータの扱いも変わります。使う入口の条件と、会社のデータの扱いを確かめてから、小さく試すことが基本です。

  1. 無料で使える入口は、ChatGPT・Gemini・Claudeへのファイルのアップロードと、ChatGPT for Excelの無料枠。ChatGPTの無料プランは1日3ファイルまで
  2. ExcelのCopilotとGoogleスプレッドシートのGeminiは契約が必要。COPILOT関数は2026年9月14日に終了した
  3. 個人向けの無料プランは、入力した内容が学習に使われることがある。法人向けは既定で使わないとされるため、サービスごとに確かめる
  4. 個人データを含むExcelは、個人情報保護委員会の注意喚起を踏まえ、利用目的と、機械学習に使われないかを確かめてから渡す
  5. AIの結果は、範囲・数式・前提・共有前の4つの視点で、人が確認する
  6. 使う人が増える前に、データの基準の周知・手順の教材化・理解度の確認をそろえるため、eラーニングの資料を請求して比較する

AIの機能や無料の範囲は、今後も短い周期で変わります。変わらないのは、どの情報を渡し、どこで人が確認するかを決めるのは、使う組織の側だということです。まず、公開してよいデータの1つの作業から、無料の入口で試してください。

参考文献

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