ERPのシェアを調査別に解説|国内・世界の最新動向と選び方

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  • ERPのシェアは測り方で首位が変わる
  • 世界はOracleとSAPが僅差で並ぶ
  • 選ぶ時はシェアより自社の業務範囲

ERPのシェアは、世界でも日本でも、どの調査を見るかで1位が変わります。世界では、調査会社Apps Run The Worldの2025年の集計でOracleが6.7%、SAPが6.6%と僅差で、上位10社を合わせても31.9%にとどまります。日本では、ITRの2024年度の売上金額シェアでオービックが16.2%で1位、ノークリサーチの導入社数シェア(2025年)では、中堅・中小企業でSMILEシリーズが15.1%で1位です。この記事では、世界と国内のシェアを調査ごとに整理し、市場規模、ERPを提供する主な企業、シェアを参考にERPを選ぶときの確認点までまとめます。確認日は2026年10月22日で、各調査の出典は本文と参考文献に載せています。

ERPのシェアを調べる目的に合わせて、2問で読む場所を案内します

Q1. ERPのシェアを調べている目的は、どちらに近いですか?

目次

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  1. ERPのシェアは調査によって首位が変わる。4つの測り方の違い
  2. ERPの世界シェア。OracleとSAPが僅差で、上位10社でも約3割
  3. 日本のERPシェア。売上金額・導入社数・利用者アンケートで見る
  4. ERPの市場規模。国内は2,000億円台で、SaaSの伸びが大きい
  5. ERPを提供する主な企業・会社。海外ベンダーと国内ベンダーの顔ぶれ
  6. ERPの提供形態。クラウド・オンプレミス・ハイブリッドと、シェアの見方
  7. シェアを参考にERPを選ぶポイント。シェアだけで決めない6つの確認
  8. ERP導入のメリットと注意点。導入前に決めておきたいこと
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ:ERPのシェアを読むときに押さえる5つのこと
  11. 参考文献

ERPのシェアは調査によって首位が変わる。4つの測り方の違い

ERPのシェアは、売上金額・導入社数・利用者アンケートなど測り方によって順位が変わるため、1つの数字だけで「国内1位」とは言えません。代表的な4つの調査を、測り方の違いで並べます。

測り方調査対象と時期1位と数字
世界の売上金額Apps Run The World世界のERPアプリ売上、2025年Oracle 6.7%
国内の売上金額ITR(ITR Market View:ERP市場2026)国内54ベンダーのERP売上、2024年度オービック 16.2%
国内の導入社数(中堅・中小企業)ノークリサーチ年商500億円未満の1,300社が回答、2025年7-8月SMILEシリーズ 15.1%
利用者アンケートBOXIL(ボクシル)ERPの導入に携わった1,793人、2025年3月マネーフォワード クラウドERP 13.55%

売上金額のシェアは、1社あたりの売上が大きい製品の影響を受けやすく、導入社数のシェアは、小規模な会社が多く使う製品の影響を受けやすいと考えられます。利用者アンケートは、回答者がどの層かによって結果が変わります。数字を引用するときは、調査名・年・対象の3つを一緒に書かないと、別の調査の数字と混ざってしまいます。順位は各調査の集計結果であり、製品の優劣を示すものではありません。

シェアの数字とは別に、役割の違いで比べる3つのERP

シェアが高いERPが、自社の業務に合うとは限りません。次の表は、お名前.comビジネスコンシェルジュに掲載している、資料請求ができるERPの役割の違いです。優劣や順位ではなく、向いている会社の違いで並べています。

シェアとは別の軸で比べる、ERP3つの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:MA-EYESは、SaaS・SaaS+・一括の3種類から導入形式を選べると商品ページで紹介されています

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この状況に合う一例:ZACは、プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理し、個別原価計算を自動化できると商品ページで紹介されています

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この状況に合う一例:マネーフォワード クラウドERPは、会計から人事労務までの連携が商品ページで紹介されています

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サービス MA-EYES ZAC マネーフォワード クラウドERP
向いている会社 プロジェクト型の会社、広告業(版により機能が異なる) IT・広告・クリエイティブ・コンサルなど、プロジェクト型の知的サービス業 会計から人事労務まで、バックオフィスをつなげたい会社
特徴 導入形式をSaaS・SaaS+・一括の3種類から選べる。プロジェクト単位の収支管理と、広告業向けの販売管理に特化 プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理し、個別原価計算を自動化できる、プロジェクト型ビジネス向けのクラウドERP 必要な基幹システムだけを組み合わせ、豊富なAPIで他システムと連携できるクラウド型ERP
注意したい点 導入形式によって、一部使えない機能がある 導入完了まで最短3か月、平均で半年ほど 見積もりや支援プランの確認は問い合わせが必要で、見直す業務が多いほど時間がかかる
資料・詳細

3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

まとめて資料をダウンロード

表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

案件やプロジェクトの単位で収支を管理したい会社の一例が、株式会社ビーブレイクシステムズが提供する「MA-EYES」です。商品ページによると、プロジェクト管理に特化した「プロジェクト型企業向け」と、販売管理に特化した「広告業界向け」の2つがあり、導入形式をSaaS・SaaS+・一括の3種類から選べます。SaaSは初期費用が低く導入期間が短いため小規模での利用に、一括はカスタマイズ性に優れ大規模での利用に向くと説明されています。注意点として、導入形式によって一部使えない機能があると紹介されています。料金は利用モジュールやユーザー数などで変わるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社ビーブレイクシステムズ

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株式会社ビーブレイクシステムズ

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自由度の高さも◎規模や予算に応じて導入したい方におすすめ

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  • 導入形態が「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べてニーズにあわせやすい
  • 「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つのサービス提供
  • 導入後も安心して使える手厚いサポートサービスが魅力
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気になる…

  • 導入形式によって一部使えない機能がある

導入事例では、株式会社インターネットイニシアティブが、複数のシステムに同じマスタ情報があり多重入力・多重管理の手間が出ていたことを課題に挙げ、データの一元管理を進めたと紹介されています。

今回のデータの一元管理で、これまでの多重入力・管理の手間が解消され、作業効率を図ることができました。

MA-EYES 導入事例(株式会社インターネットイニシアティブ) 出典:導入事例ページ

次の章からは、まず世界のシェア、続いて日本のシェアを、調査ごとに確認します。

ERPの世界シェア。OracleとSAPが僅差で、上位10社でも約3割

2025年の世界のERPアプリ市場は約1,456億ドルで、1位のOracle(6.7%)と2位のSAP(6.6%)が僅差で並び、上位10社の合計は31.9%です(Apps Run The World、2026年8月発表)。特定の1社が大きなシェアを持つ市場ではなく、多くのベンダーに分かれています。

順位ベンダー主なERP製品(出典の表記)2025年のERP売上(百万ドル)シェア
1OracleOracle Fusion Cloud ERP、Oracle NetSuite ERP、Cerner9,7196.7%
2SAPSAP S/4HANA、SAP Business ByDesign、SAP Business One9,6106.6%
3IntuitIntuit QuickBooks Online、Intuit Enterprise Suite6,4974.5%
4CSI SoftwareCSI Harris、Jonas、Volaris、Perseus、Topicus、Vela5,8414.0%
5MicrosoftMicrosoft Dynamics 365 for Finance and Operations、Microsoft Dynamics 365 Business Central3,2332.2%
6FIS GlobalFIS Core Banking、FIS GETPAID、FIS Integrated Payables2,9172.0%
7RoperDeltek CostPoint、Aderant Expert、Vertafore AMS3602,8612.0%
8SageSage Intacct、Sage X32,4591.7%
9InforInfor CloudSuite Enterprise (Infor LN)、Infor CloudSuite Industrial (SyteLine)、Infor M31,9001.3%
10WorkdayWorkday Financial1,4221.0%

この集計は、ERPアプリのライセンス・保守・SaaSの売上を合計した推計で、Apps Run The Worldは、公開情報、自社のデータベース、年次調査やベンダーからの情報にもとづく推計だと注記しています。市場全体は前年から11%増え、上位10社の合計は31.9%、それ以外のベンダーの合計が68.1%です。

「SAPが世界トップ」という古い数字に注意

2023年の集計をもとに、SAPが6.2%、Oracleが5.0%、Intuitが4.5%と紹介する記事があります(ITmedia ITセレクトの解説)。最新の2025年の集計では、OracleがSAPを上回り、Apps Run The WorldはOracleが2年連続で1位だと述べています。記事に載っている数字が何年の集計かを、まず確認してください。

また、この表にはQuickBooksのような小規模企業向けの会計製品、銀行向けの基幹製品(FIS)、業種特化の製品(Cerner、Deltek、Vertaforeなど)も含まれています。日本の中堅・中小企業が検討するERPとは顔ぶれが違うため、世界の順位をそのまま国内の選定に当てはめることはできません。国内の状況は、次の章で見ます。

日本のERPシェア。売上金額・導入社数・利用者アンケートで見る

日本のERPシェアは、売上金額ではオービックが16.2%(ITR、2024年度)、中堅・中小企業の導入社数ではSMILEシリーズが15.1%(ノークリサーチ、2025年)で、調査によって1位が異なります。3つの調査を順に見ます。

売上金額のシェア(ITR)

ITRが2026年3月に発刊した「ITR Market View:ERP市場2026」では、国内54ベンダーを対象に、ERP市場の2024年度の売上金額を2,558億円(前年度比18.0%増)としています。ベンダー別の売上金額シェアでは、オービックが16.2%で1位とオービック自身が発表しています(2026年3月18日)。同社は、業務分野別でも会計業務分野が16.9%、販売業務分野が25.1%で、いずれも1位だと発表しています。

なお、この順位は売上金額の比較で、導入している会社の数を示すものではありません。次の導入社数のシェアと合わせて読むと、見え方が変わります。

中堅・中小企業の導入社数シェア(ノークリサーチ)

ノークリサーチは、年商500億円未満の中堅・中小企業1,300社を対象にした2025年の調査(2025年7-8月)で、導入済みのERPのうち最も主要なもの1つを選んでもらう単一回答の設問を集計しています。上位10製品は次のとおりです(回答はn=516)。

順位ERP製品(出典の表記)ベンダー(出典の表記)導入社数シェア
1SMILEシリーズ(V/BS/Air)OSK(大塚商会)15.1%
2GLOVIA smart / iZ / SUMMIT富士通14.0%
3SAP ERPSAPジャパン12.0%
4SAP Business OneSAPジャパン7.9%
5奉行 V ERPOBC5.6%
6OBIC7オービック5.2%
7Microsoft Dynamics 365(Business Centralを含む)日本マイクロソフト4.7%
8マネーフォワード クラウドERPマネーフォワード2.9%
9EXPLANNER/ZNEC2.5%
10ビズインテグラル(SCAWを含む)NTTデータ・ビズインテグラル1.9%

この表は年商500億円未満の企業が対象で、大企業のシェアではありません。また、2023年の同社の調査を引用する記事では、SMILEシリーズが37.0%などと紹介されていますが、これは複数回答で集計した数字です。2025年は最も主要なものを1つ選ぶ単一回答なので、数字は直接比べられません。調査ごとに設問の形式が違うことも、引用するときの確認点です。

同社のリリースは、上位10製品について、導入済みと導入予定のシェアの差を比べると、国産ベンダーは増加・横ばい・微減、外資系ベンダーは減少の傾向だと述べています。

利用者アンケートによるシェア(BOXIL)

BOXILは、ERPの導入に携わった全国20-60代の1,793人にインターネットで調査し(2025年3月21-22日)、導入したERPを尋ねています。結果は、マネーフォワード クラウドERPが13.55%で最も高く、Microsoft Dynamics 365 Business Centralが7.98%、SAP Business Oneが7.81%、OBIC7が5.80%、freee統合型ERPが5.63%で、この5つで全体の40.77%を占めたとしています。同社が自社で実施した独自のアンケートで、ノークリサーチやITRの調査とは対象も集計の方法も違います。

この結果に名前が出るクラウド型ERPの一例が、株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウドERP」です。商品ページによると、会計から人事労務までのバックオフィス全体を連携し、手作業を自動化できるクラウド型ERPで、必要な基幹システムだけを組み合わせて導入できます。最新の法制度に合わせた自動アップデートや、上場企業向けのSOC報告書の提供も紹介されています。注意点として、会計や人事がメインなら使いやすい一方、その他の機能を中心に使う場合は連携や他サービスとの併用が必要になるとされています。料金は、見積もりの問い合わせで確認してください。

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  • 電子マネーやPOSレジはもちろん、勤怠や人事といったさまざまなサービスとの連携が可能
  • AIを搭載しており、「自動入力」「自動仕訳」でらくらく
  • 会計・確定申告・請求書・経費など、自社にあわせたニーズで使える
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  • 会計や人事メインであれば使いやすいが、その他の機能をメインで扱いたい場合には連携や他サービスを併用する必要がある

導入事例では、バルス株式会社が、業務の属人化や情報の分散化が起こらないバックオフィス体制を目指して導入したと紹介されています。

業務の属人化や情報の分散化も課題であると感じているため、それぞれの業務や情報のありかを明確にすることで、業務の標準化にも取り組んでいます。

マネーフォワード クラウド導入事例(バルス株式会社) 出典:導入事例ページ

シェアの上位に名前が出ているかどうかより、会計や人事労務などの連携先と業務の範囲が自社に合うかが、選ぶときの焦点になります。資料で、連携できる範囲を確かめられます。

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製品の一覧や、機能・特長の違いを知りたい場合は、ERPおすすめ15選の比較記事で整理しています。この記事は、シェアの数字の読み方に絞った解説です。

ERPの市場規模。国内は2,000億円台で、SaaSの伸びが大きい

国内のERP市場は、矢野経済研究所の推計で2025年のパッケージライセンス市場が2,020億7,000万円(前年比13.1%増)、ITRの調査で2024年度の売上金額が2,558億円(前年度比18.0%増)で、どちらも2桁の成長です。2つの調査は集計の範囲が違うため、数字が異なります。

調査集計の範囲直近の実績今後の見通し
矢野経済研究所(2026年10月8日発表)ERPパッケージライセンス市場(エンドユーザ渡し価格ベース)。従来型パッケージのコンサルティング・SI、保守サポートなどの売上は含まない。クラウド型はライセンスに保守運用を含む2025年は2,020億7,000万円(前年比13.1%増)2026年は2,279億6,000万円(前年比12.8%増)、2021-2026年の年平均成長率は13.0%
ITR(2026年3月5日発表)国内54ベンダー(パッケージのみ16社、SaaSのみ15社、両方23社)のERP売上2024年度は2,558億円(前年度比18.0%増)。パッケージは3.5%増、SaaSは28.2%増2025年度は16.7%増の見込み。2024-2029年度の年平均成長率は、パッケージがマイナス0.9%、SaaSが20.0%

成長の理由について、ITRは、老朽化したシステムと保守契約の終了を背景としたリプレース需要の増加を挙げています。矢野経済研究所は、インボイス制度への対応が一巡したことや、生成AIの導入検討が落ち着いたことで2025年の伸びは2024年より落ち着いたものの、既存システムを入れ替える動きが市場を押し上げていると分析しています。

SaaSとパッケージで伸びが分かれている点は、2つの調査で共通しています。矢野経済研究所のリリースは、システムの標準機能に自社の業務を合わせるFit to standardの考え方が根付き始めたことや、標準を基本としながら独自のカスタマイズを加えるクリーンコアが広がり始めたことを背景に、SaaSの利用が進むと予測しています。リリースの見出しでは、2027年にはSaaSのみの市場が3割になる見通しを示しています。

ERPを提供する主な企業・会社。海外ベンダーと国内ベンダーの顔ぶれ

ERPを提供する主な企業は、世界ではOracle、SAP、Intuit、Microsoftなど、日本の中堅・中小企業向けでは大塚商会、富士通、SAPジャパン、OBC、オービックなどで、上で紹介した調査の上位に名前が出ています。どの調査で名前が出たかを、ベンダーごとに整理します。

ベンダー(出典の表記)主なERP製品(出典の表記)名前が出た調査
OracleOracle Fusion Cloud ERP、Oracle NetSuite ERP世界の売上(1位)
SAP / SAPジャパンSAP S/4HANA、SAP ERP、SAP Business One世界の売上(2位)、国内の導入社数(3位・4位)、利用者アンケート(3位)
Microsoft / 日本マイクロソフトMicrosoft Dynamics 365(Business Centralを含む)世界の売上(5位)、国内の導入社数(7位)、利用者アンケート(2位)
OSK(大塚商会)SMILEシリーズ国内の導入社数(1位)
富士通GLOVIA smart / iZ / SUMMIT国内の導入社数(2位)
オービックOBIC7国内の売上(1位)、国内の導入社数(6位)、利用者アンケート(4位)
OBC奉行 V ERP国内の導入社数(5位)
マネーフォワードマネーフォワード クラウドERP国内の導入社数(8位)、利用者アンケート(1位)
NECEXPLANNER/Z国内の導入社数(9位)
NTTデータ・ビズインテグラルビズインテグラル(SCAWを含む)国内の導入社数(10位)
freeefreee統合型ERP利用者アンケート(5位)

会社名・製品名は、各調査の出典の表記のままです。正式な会社名と製品名は、各社の公式サイトで確認してください。

一覧から分かるのは、世界で上位のベンダーと、日本の中堅・中小企業で導入されているベンダーが重なるのはSAPとMicrosoftだけで、国内では大塚商会、富士通、OBC、オービックなど、国内に拠点を置くベンダーの製品が多く挙がっていることです。また、ERPは製品を開発するベンダーだけでなく、販売や導入を支援する会社(販売会社やシステム開発会社)が間に入る場合も多く、製品に加えて導入を支援する会社の体制も確認点になります。

業種によって必要な機能が変わるため、建設業向けは建設業向けERPの解説記事、物流業向けは物流業向けERPの解説記事のように、業種別に分けて確認すると絞り込みやすくなります。

ERPの提供形態。クラウド・オンプレミス・ハイブリッドと、シェアの見方

ERPの提供形態は、クラウド(SaaS)型、オンプレミス型、両方を組み合わせるハイブリッド型に分かれ、市場ではSaaSの伸びが大きい一方、小規模企業では導入予定のSaaSの割合が下がる調査結果もあります。シェアの数字を見るときも、どの提供形態の製品の数字かを意識すると読み違えを減らせます。

提供形態特徴確認したい点
クラウド型(SaaS)ベンダーが用意した環境を、インターネット経由で使う。サーバーの準備や構築が不要で、導入までの期間を短くしやすい標準機能に自社の業務を合わせる前提になりやすい。ベンダーの運用や通信環境に依存する
オンプレミス型自社のサーバーに構築して使う。業務に合わせた作り込みがしやすい導入費用と期間が大きくなりやすい。保守や更新を自社で行う
ハイブリッド型基幹の部分と周辺の業務で、オンプレミスとクラウドを使い分ける連携の設計と、データの持ち方の整理が必要になる

クラウドERPとSaaSは、同じ意味ではない

ノークリサーチは、2025年の調査リリースで、「クラウドERP≠SaaS」という視点が大切だと述べています。調査では、ユーザー企業が考えるクラウドERPが、「SaaSの組み合わせでERPを構築できる」ことを目指すのか、「パッケージとSaaSを選択・併用できる」ことが理想なのかによって、SaaS形態のERPの位置づけが変わるとしています。また、年商5億円未満の小規模企業では、導入済みと比べて導入予定のSaaSの割合が下がり、年商50-100億円の企業では上がっていると報告しています。クラウドを訴求するときに、小規模企業にSaaSを提案するだけでは足りないという分析です。

導入形式を自社の規模や運用に合わせて選べるERPの一例が、前に紹介したMA-EYESです。商品ページでは、SaaS・SaaS+・一括の3種類があり、SaaS+は一括と同じ製品をSaaS形式で導入する形式と説明されています。

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シェアを参考にERPを選ぶポイント。シェアだけで決めない6つの確認

ERPは、シェアの高さだけで選ぶと自社の業種や規模、業務の範囲と合わない場合があるため、規模・業務範囲・提供形態・カスタマイズの考え方・法改正と連携・導入期間と体制の6つで絞り込みます。シェアは候補を挙げる材料にとどめ、次の確認で決めます。

確認点見るものシェアの数字との関係
1. 会社の規模自社の年商・従業員数に近い会社が、どの製品を使っているかノークリサーチの調査は年商500億円未満が対象。大企業の導入実態とは別
2. 業務の範囲会計、販売、購買、生産、人事労務、プロジェクト管理のうち、どこまでを1つのシステムで扱うかシェアの数字は、機能の範囲の広さを示さない
3. 提供形態クラウド型かオンプレミス型か、両方を組み合わせるかSaaSの伸びは大きいが、小規模企業では導入予定のSaaS割合が下がる調査もある
4. 標準かカスタマイズか業務をERPの標準に合わせるか、ERPを自社の業務に合わせて変えるか後述のとおり、年商規模では決まらない
5. 法改正と連携電子帳簿保存法・インボイス制度への対応と、他のシステムとのAPI連携最新の法制度に自動で対応するかは、製品ごとに資料で確認する
6. 導入期間と体制導入完了までの期間、支援を受けられる体制、見積もりの範囲導入期間は製品や形式で大きく異なる

「標準に合わせる」か「自社に合わせる」かは、年商規模では決まらない

ノークリサーチは、業務システムを自社の要件に合わせることを重視する考え方をFit to Company Standard、ユーザー企業の要件をシステムに合わせることを重視する考え方をFit to Product Standardと説明しています。このうち、導入済みのERPについて「ERPの機能に合わせて自社の業務を改善できる」ことを望むと答えた割合を、年商別に集計した結果が次の表です。

年商割合回答数
5億円未満25.0%n=28
5億円以上10億円未満19.6%n=56
10億円以上20億円未満28.2%n=71
20億円以上50億円未満23.4%n=77
50億円以上100億円未満15.0%n=100
100億円以上300億円未満21.1%n=109
300億円以上500億円未満21.3%n=75

割合は15.0%から28.2%の間で上下しており、年商が大きいほど高い、または低いという並びにはなっていません。同社も、年商規模などでFit to Company StandardかFit to Product Standardかを判断するのは難しいと結論づけています。つまり、「大きい会社だからカスタマイズ型」「小さい会社だから標準型」と決めつけず、自社の業務のうち、標準に合わせられる部分と、独自に残す部分を分けて考えることが大切です。

案件やプロジェクトの単位で、売上・仕入・工数・経費を管理している会社の一例が、株式会社オロが提供する「ZAC」です。商品ページによると、IT・広告・クリエイティブ・コンサルティングなどのプロジェクト型ビジネスに向けたクラウドERPで、プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理し、個別原価計算の自動化ができます。見積から請求まで二重入力が起きないシングルインプット設計で、電子申請・ワークフローのログを自動で保存できる点も紹介されています。注意点は、導入完了まで最短で3か月、平均で半年ほどかかることで、詳しい料金やプランは問い合わせが必要です。

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評価・口コミ(一部抜粋)
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  • 見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

導入の時期が決まっている場合は、いつまでに使い始めたいかを、資料請求や問い合わせの段階で担当者に伝えておくと、日程の見通しを立てやすくなります。

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ここまでの確認点を、自社の状況に当てはめて試せるチェックを用意しました。当てはまる数で、次の一歩の目安が変わります。

ERPの検討に進む段階か、セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

中小企業がERPを導入するべきかどうかや、導入率などは、中小企業のERP導入を解説した記事で整理しています。

ERP導入のメリットと注意点。導入前に決めておきたいこと

ERP導入のメリットは、部門ごとに分かれたデータの一元化と二重入力の削減で、注意点は、導入の費用と期間、業務の見直し、データの整理、使う人への定着です。シェアの上位かどうかとは別に、次の点を導入前に決めておきます。

観点メリット注意点と、導入前に決めること
データ売上・仕入・経費などを1つのデータベースで管理でき、二重入力が減る既存のデータの整理と、移行の範囲を決める。移行前に、マスタ(取引先・勘定科目など)の表記をそろえる
経営の把握部門をまたぐ数字を、同じ基準で集計できる集計したい指標(案件別の利益、部門別の費用など)を先に決める
内部統制承認フローやアクセス権限、操作ログを一元的に管理できる製品がある承認ルールと権限の設計を、導入前に決める。製品によって機能の範囲が違う
法改正への対応クラウド型では、法改正に合わせた更新を提供している製品がある対応の範囲と時期は、製品ごとに資料で確認する
費用と期間サーバーの準備が不要なクラウド型は、導入までの期間を短くしやすい費用は構成やユーザー数で変わり、導入期間も製品で異なる。見積もりで範囲を確認する
定着業務の流れが標準化され、属人化を防ぎやすい標準に合わせる業務と、残す業務を分け、使う人への説明と問い合わせの窓口を用意する

導入期間は、商品ページによると、ZACは最短で3か月・平均で半年ほど、マネーフォワード クラウドERPは専任担当者のサポートで契約から最短1か月とされています。同じERPでも、構成や導入形式、移行するデータの量で期間が変わるため、資料で自社の場合の目安を確認することが大切です。

資料を請求すると、同じ項目で3つのERPを並べて確認できます。導入形式の選び方を、前に紹介したMA-EYESの資料で確かめることもできます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. ERPシステムの世界シェアは?

A. Apps Run The Worldの2025年の集計では、Oracleが6.7%、SAPが6.6%、Intuitが4.5%、CSI Softwareが4.0%、Microsoftが2.2%です。上位10社の合計は31.9%で、特定の1社が大半を占める市場ではありません。2023年の集計ではSAPが1位だったため、古い記事の数字は年を確認してください。

Q2. 日本のERPシェアランキングは?

A. 調査によって異なります。ITRの2024年度の売上金額シェアでは、オービックが16.2%で1位です(オービックの発表)。ノークリサーチの2025年の導入社数シェア(年商500億円未満)では、SMILEシリーズ15.1%、GLOVIA 14.0%、SAP ERP 12.0%の順です。BOXILの利用者アンケートでは、マネーフォワード クラウドERPが13.55%で1位でした。

Q3. ERPの大手企業は?

A. 世界の売上では、Oracle、SAP、Intuit、CSI Software、Microsoftなどが上位です。日本の中堅・中小企業の導入社数では、大塚商会のSMILEシリーズ、富士通のGLOVIA、SAPジャパンのSAP ERPとSAP Business One、OBC、オービック、日本マイクロソフトなどが上位に出ています。調査により顔ぶれが違うため、規模や業種に近い調査で確認してください。

Q4. 4大ERPとは?

A. 「4大ERP」として公的に定められた分類は確認できませんでした。世界の売上の上位4社で見ると、Apps Run The Worldの2025年の集計ではOracle、SAP、Intuit、CSI Softwareです。日本の中堅・中小企業の導入社数の上位4製品では、ノークリサーチの2025年の調査で、SMILEシリーズ、GLOVIA、SAP ERP、SAP Business Oneです。記事によって「4大」の指すものが異なるため、調査名と年を確認してください。

Q5. シェアが高いERPを選べば失敗しませんか?

A. 失敗しないとは言えません。シェアは調査ごとに測り方が違い、対象の企業規模や業種も限られます。ノークリサーチの調査でも、標準に合わせるかカスタマイズするかの考え方は、年商規模では決まらないとされています。自社の業務範囲、提供形態、導入期間、連携先を資料で比べて決めてください。

Q6. ERPを提供する会社は、どう選べばよいですか?

A. 製品の機能だけでなく、導入を支援する会社の体制と、自社の規模・業種での実績を確認します。クラウド型かオンプレミス型か、導入期間、見積もりの範囲、法改正への対応、他のシステムとの連携を、同じ項目で並べて比べると違いが分かります。お名前.comビジネスコンシェルジュでは、3つのERPの資料をまとめて請求できます。

まとめ:ERPのシェアを読むときに押さえる5つのこと

  1. ERPのシェアは、売上金額・導入社数・利用者アンケートなど測り方で1位が変わります。数字は、調査名・年・対象の3つで読みます。
  2. 世界では、Oracle(6.7%)とSAP(6.6%)が僅差で、上位10社でも31.9%です(Apps Run The World、2025年)。古い記事の数字は、年を確認します。
  3. 日本では、売上金額はオービック(16.2%、ITR、2024年度)、中堅・中小企業の導入社数はSMILEシリーズ(15.1%、ノークリサーチ、2025年)が1位です。
  4. 国内の市場は2,000億円台で、SaaSの伸びが大きくなっています。ただし、シェアの高さは自社に合うことを示しません。規模・業務範囲・提供形態・導入期間などの6つの確認点で絞ります。
  5. 候補が絞れたら、MA-EYES、ZAC、マネーフォワード クラウドERPのような、役割の違うERPの資料を請求して、導入形式、導入期間、連携の範囲を同じ項目で比べます。

シェアの表は、候補を挙げるための材料です。自社でどの業務のデータを1つにしたいのかを決めてから、資料で確かめてください。

参考文献

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