ビジネスチャットツール比較|5つの軸で見る主要5サービスの違い
Check!
- 比較は5つの軸で絞り込める
- 社外連絡と無料の上限を確認する
- 候補を絞ってトライアルで試す
ビジネスチャットツールの比較は、機能の多さではなく、社外の相手とのやりとり、無料プランの範囲、通話や会議、普段の仕事道具との相性、管理とセキュリティの5つの軸で、自社の連絡の形に合うかを見るのが基本です。本記事では、Chatwork、Slack、Microsoft Teams、LINE WORKS、Google Chatの5サービスについて、各社の公式ページで確認できた内容を表で並べ、選ぶ前の判断の順番、IPAの手引きに沿った確認項目、導入後に連絡が流れてしまう問題への備えまでを整理します。内容は2026年10月22日時点の公式ページにもとづきます。
ビジネスチャットツールを比べる前に、自社の状況を診断
Q1. 連絡する相手は、主にどちらですか?
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目次
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- ビジネスチャットツールの比較は、5つの軸と役割の分け方で考える
- 主要5サービスの違いを、公式ページの情報で比べる
- ビジネスチャットツールの機能を比べる|どれにもある機能と、差が出る機能
- ビジネスチャットツールを選ぶ5つの比較ポイントと、見落としやすい点
- 自社の状況別に見る|どんなビジネスチャットツールから比べるか
- 管理とセキュリティを比べる|IPAの手引きの確認項目をチャットに当てはめる
- ビジネスチャットツールの比較で見落としやすい失敗|連絡が流れる、周知が届かない
- ビジネスチャットツールを比べたあとの導入の進め方|トライアルと運用ルール
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|ビジネスチャットツールを比較するときの6つのこと
- 参考文献
ビジネスチャットツールの比較は、5つの軸と役割の分け方で考える
ビジネスチャットツールの比較は、社外とのやりとり・無料の範囲・通話や会議・既存ツールとの相性・管理の5つの軸で、自社の連絡の形に合うかを見ます。
ビジネスチャットとは、会話形式でやりとりでき、グループ、ファイル共有、検索、通知などを備えた連絡のツールです(基本はビジネスチャットとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説で整理しています)。比べるときの軸は、次の5つに絞ると迷いにくくなります。
- 社外の相手とやりとりできるか: 取引先や協力会社を招く仕組みと、見せる範囲の管理
- 無料で使える範囲: メッセージの閲覧期間、人数、連携できるアプリの数などの上限
- 通話・会議の範囲: 1対1だけか、グループ通話や画面共有まで同じ場所でできるか
- 既存の仕事道具との相性: Microsoft 365、Google Workspace、LINEなど普段の土台となじむか
- 管理とセキュリティ: 管理者がメンバーや社外ユーザー、ログを管理できるか
もう1つ、比較の前に決めておきたいのが役割の分け方です。チャットは連絡が速い反面、会話が時系列で流れていきます。全員に確実に読んでほしい周知をチャットに流すと埋もれやすく、既読の数だけでは読まれたかまでわかりにくいため、「連絡と依頼を回す場所」と「周知を残して読まれ方を見る場所」を分ける考え方があります。
連絡と依頼を回す道具と、周知を残す道具の役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:Chatwork。チャットとタスクで、社内外のメンバーとの連絡や依頼を1か所で回す受け皿になります。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ourly。周知したい内容を社内報として配信し、閲覧率や読了率を見ながら届き方を確かめられます。
資料を無料ダウンロード| サービス | Chatwork | ourly |
|---|---|---|
| 向いている会社 | 社内外のメンバーとの連絡や依頼を、チャットとタスクで1か所に集めたい会社 | 全社員に伝えたい内容を、どれだけ読まれたかを確かめながら周知したい会社 |
| 特徴 | チャットに加え、通話機能やタスク・ファイル管理などの機能がある。まずは無料のフリープランから始められる | 記事ごとの閲覧率に加え、読了率・リアクション率といった独自の指標で分析できる。知識や経験がなくても入稿できる入稿・管理画面 |
| 注意したい点 | 商品ページでは、より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める場合は上位のプランの契約が必要とされている | 数十名から千名以上で利用できるが、アカウントの人数規模によって料金が変動し、詳細は問い合わせが必要 |
| 資料・詳細 |
表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
連絡と依頼の抜け漏れを減らしたい場合の一例が、株式会社kubellが提供するChatworkです。商品ページでは、チャットだけでなく通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実していること、まずは無料で始められるフリープランがあることが紹介されています。導入事例には、メールでは大事な情報が埋もれやすかったため、グループチャットを細かく分けて情報を管理する運用が紹介されており、依頼の見落としを減らす使い方の参考になります。注意点として、商品ページでは、より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める場合は上位のプランの契約が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
Chatwork株式会社
Chatwork
Chatwork株式会社
Chatwork
タスク管理やビデオ通話も◎初めて導入する中小企業におすすめ
おすすめ!
- まずは無料で始められる「フリープラン」の提供
- チャットだけでなく通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実
- 年齢性別問わず社内外でも使いやすいシンプルさが魅力
気になる…
- より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める方はエンタープライズの契約が必要
メールでは大事な情報が埋もれやすかったため、グループチャットを細かく分けて情報を管理し、重要な情報の見落としがなくなったと紹介されています(内容を要約)。
Chatwork導入事例(株式会社モリチュウ。取材2022年9月) 出典:導入事例ページ
全社への周知が読まれたかを確かめたい場合の一例が、社内報サービスのourlyです。商品ページでは、記事ごとの閲覧率に加えて読了率・リアクション率といった独自の指標で分析できること、知識や経験がなくても入稿できるシンプルな入稿・管理画面があることが紹介されています。チャットに流した連絡は、読まれたかどうかが既読の有無程度にしかわかりませんが、社内報なら、どの記事がどこまで読まれたかを見て、次の伝え方を直せます。注意点として、アカウントの人数規模によって料金が変動し、詳細は問い合わせが必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
初めての利用でも直観的な操作でわかりやすく、情報の伝え漏れを防止する独自の機能を搭載したWeb社内報システムなら、ourlyの導入がおすすめです。
評判・口コミを紹介
ourlyを導入する前は年1回の全社集会など物理的なコミュニケーションがメインだったので、どうしても頻度に限界がありました。また店舗ごとに、どれくらい情報が伝わっているかを可視化できないという課題がありました。
ourly導入によって、社内のコミュニケーションが格段に円滑になったと感じています。
導入事例(株式会社アントワークス)|ourly株式会社
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- 記事ごとの閲覧率はもちろん、読了率・リアクション率といった独自の指標で分析可能
- 知識や経験がなくても入稿できるシンプルな入稿・管理画面
- 社内報支援だけではなく組織改善まで支援する体制がある
気になる…
- 数十〜千名以上で利用可能だが、アカウントの人数規模によって料金が変動し、詳細は問い合わせが必要
主要5サービスの違いを、公式ページの情報で比べる
Chatwork・Slack・Teams・LINE WORKS・Google Chatは、社外連絡や無料の範囲が違います。各社の公式情報で比べます。
| 項目 | Chatwork | Slack | Microsoft Teams | LINE WORKS | Google Chat |
|---|---|---|---|---|---|
| なじむ土台・特徴 | チャット、タスク管理、ファイル管理、ビデオ・音声通話をまとめたビジネスチャット | チャンネルでの会話を中心に、アプリ連携で仕事の流れに組み込む使い方が案内されている | チャット、通話、ビデオ会議を使うサービス。Microsoft 365のプランにも含まれる | LINEのような使い勝手のビジネスチャット。トーク、メール、掲示板が一つのアプリで完結すると案内されている | Google Workspaceの一部。Gmail、カレンダー、Meet、Googleドライブなどと連携する |
| 社外の相手とのやりとり | Chatworkユーザー同士なら、社内外を問わずつながれる(商品ページ)。フリープランの組織外コンタクトは1ユーザーあたり20人まで | Slackコネクトで、社外のパートナー、ベンダー、顧客とチャンネルやダイレクトメッセージで仕事を進められる。使える範囲はプランで異なる | 一般法人向けプランの比較表に、ゲストアクセスが含まれると記載されている | LINEユーザーともトークができると案内されている | 公式の製品ページでは確認できなかったため、導入前に管理者向けのヘルプで確認する |
| 無料で使える範囲 | フリープランあり。メッセージの閲覧は直近40日以内、ユーザー数は1組織あたり100人まで、通話は1対1 | フリープランあり。メッセージ履歴は90日間、アプリは最大10個、ハドルミーティング(音声・ビデオ)は1対1 | 一般法人向けプランの比較ページに掲載されているTeamsを含むプランは、有料のプラン | フリープランあり。トーク、掲示板、カレンダー、タスク、アンケート、アドレス帳が基本機能。メンバー数やストレージには上限がある | Workspaceの一部で、追加の費用はかからないと案内されている(Workspaceの契約が前提) |
| 通話・会議 | ビデオ通話・音声通話あり。スタンダード以上は14人までと案内されている | ハドルミーティングで、音声・ビデオ会議と画面共有ができる | 会議は参加者300人、長さ30時間までと比較表に記載されている | フリープランのグループ音声・ビデオ通話は4人まで、最大60分。スタンダード以上は200人まで | Google Meetと連携する |
| 連携・管理の特徴 | 外部サービス連携(API)あり。社外ユーザー制限やIPアドレス制限などは、プロフェッショナルプランの機能として案内されている | Slack App ディレクトリで2,600種類を超えるアプリから選べると案内されている | 250種類以上のTeams向け統合ビジネスアプリが使えると比較表に記載されている。従業員1-300人向けのプラン | スタンダード以上で管理者機能が使え、アドバンストではメールとDriveが加わる | Webhookやカスタム開発で外部サービスと連携でき、Jira、GitHub、Asanaなどの主要アプリとの連携に対応すると案内されている |
確認日は2026年10月22日です。表の読み方は3つです。1つ目は、数字や上限は確認日時点のもので、プランの名前や条件は変わることです。2つ目は、表は優劣をつけたものではなく、同じ項目の公式の案内を並べただけだということです。3つ目は、料金の具体額は載せていないことです。料金はプランによって異なるため、各社の公式ページや資料で確認してください。
個別のサービスを13種類まで一覧で見たい場合は、ビジネスチャットおすすめ13選を徹底比較!|無料で使えるツールや仕事で役立つ機能を搭載したものもが向いています。本記事は、比べるための軸と、公式情報で確認できる違いに絞っています。
社外とのやりとりは、サービスごとに仕組みが違う
社外の相手とやりとりする仕組みは、サービスによって考え方が違います。Chatworkはユーザー同士でつながる形、SlackはSlackコネクトで社外のパートナーとチャンネルを共有する形、LINE WORKSはLINEユーザーとトークできる形と、公式の案内でも別の仕組みとして説明されています。取引先がすでに使っているツールがあれば、それに合わせると、相手に新しく登録してもらう手間が減ります。
無料の範囲は、履歴の閲覧期間と人数の上限から見る
無料プランは、使える機能よりも上限が違います。公式の案内では、Chatworkのフリープランはメッセージの閲覧が直近40日以内、Slackのフリープランはメッセージ履歴が90日間とされています。過去のやりとりを探し直す使い方が多い会社は、無料の範囲で足りるかを先に確かめておくと、あとから有料プランに切り替えるかどうかの判断がしやすくなります。
ビジネスチャットツールの機能を比べる|どれにもある機能と、差が出る機能
ビジネスチャットツールの機能は、メッセージやファイル共有などの共通機能と、通話やタスク、外部連携など、サービスで差が出る機能に分けると比べやすくなります。
どのサービスにもそろっている基本機能
公式ページを見ると、5つのサービスはいずれも、グループでのやりとり、1対1のメッセージ、ファイルの共有を機能として挙げています。基本のチャット機能だけで比べると差がつきにくいため、次の3つは「あって当たり前」として、確認だけにとどめると効率的です。
- グループとダイレクト(1対1)でのメッセージのやりとり
- ファイルの共有と、過去のメッセージの検索
- 通知の設定と、未読や既読の確認
サービスで差が出やすい機能
差が出やすいのは、次のような点です。公式の案内では、Chatworkはタスク管理を機能として挙げ、LINE WORKSはトーク、掲示板、カレンダー、タスクなどを基本機能としています。Slackは外部アプリとの連携を前面に出し、TeamsやGoogle Chatは、それぞれMicrosoft 365とGoogle Workspaceの中で使う形です。
- タスク管理: 依頼を期限つきで追えるか(チャットに流れた依頼の見落とし対策になる)
- 通話・会議の人数と時間: 無料プランでは1対1までか、数人までか
- 外部アプリ・サービスとの連携: 数の上限と、使っているサービスが対応しているか
- 掲示板やカレンダーなどの周辺機能: チャット以外の連絡手段をまとめられるか
既読と通知は、機能の有無よりも運用のルールで差が出る
既読が付く機能は、読まれたかを確認しやすい反面、確認のための返信を求め合う負担にもなります。通知も、増えすぎると本当に必要な連絡が埋もれます。機能の有無だけで選ばず、ビジネスチャットの既読機能とは?メリット・デメリットを解説で整理している使い方と合わせて、自社でどう運用するかを決めておくと、導入後に迷いません。
タスク管理とチャットを同じ場所で使いたい場合は、Chatworkのように両方を備えたサービスが候補になります。資料で機能の範囲を確かめてから、他のサービスと比べると判断しやすくなります。
チャットとタスクで、連絡と依頼をまとめたい会社に
Chatworkの資料を無料でダウンロードできます
ビジネスチャットツールを選ぶ5つの比較ポイントと、見落としやすい点
比較ポイントは、取引先が使っているか、費用の見方、使いやすさ、管理の手間、拡張性の5つです。表の数字を見るだけでなく、自社の使い方に当てはめて確認します。
取引先や協力会社が、すでに使っているか
社外の相手とやりとりが多い会社では、相手が使っているツールに合わせるのが近道です。相手に新しいアカウントを作ってもらう必要がなければ、導入時の依頼の手間が減ります。取引先ごとに別のツールを使い分けている場合は、どれを主として使うか、ほかの連絡手段をどうするかも決めておきます。
費用は、金額よりも「何に対して課金されるか」を見る
費用は、1ユーザーあたりの課金か、プランごとに機能と上限が変わる形かで、全体の見え方が変わります。無料プランの上限、有料プランに切り替える条件、途中で一部のメンバーだけ変えられるかを確認します。たとえばChatworkの公式の案内では、フリープランから有料プランへのアップグレードは組織内の全ユーザーが対象で、一部のユーザーだけのアップグレードはできないとされています。LINE WORKSは、メンバーごとにプランを変えるような複数プランの組み合わせはできないと案内しています。料金の具体額は、各社の公式ページや資料で確認してください。
使いやすさは、全員が触って確かめる
使いやすさは、ITに慣れた人だけで判断すると、実際の利用者との感覚がずれます。LINEに近い操作感を重視する現場なのか、ふだんMicrosoft 365やGoogle Workspaceを使っている事務の人が中心なのかで、合うサービスは変わります。無料プランやトライアルで、普段の連絡と同じ場面を試し、現場の人の感想を聞くのが堅実です。
管理の手間と、拡張性も確認する
管理者が、メンバーの追加や削除、社外ユーザーの範囲、ログの扱いをどこまで設定できるかは、会社の規模が大きくなるほど効いてきます。あわせて、API連携や外部アプリ連携で、いま使っている勤怠や経費、問い合わせ管理の通知をチャットに集められるかも見ておくと、導入後の使い道が広がります。
自社の状況別に見る|どんなビジネスチャットツールから比べるか
自社の状況によって、最初に比べるサービスは変わります。普段の土台、連絡の相手、現場の使い方から、先に確認する軸を決めます。
| 自社の状況 | 最初に見る軸 | 見るポイントの例 |
|---|---|---|
| 取引先や協力会社との連絡が多い | 社外の相手とのやりとり | 取引先が使えるか。Chatworkのユーザー同士の接続、Slackコネクト、LINE WORKSのLINEユーザーとのトークを比べる |
| Microsoft 365を全社で使っている | 既存の仕事道具との相性 | Teamsが、Microsoft 365のプランに含まれる形で候補になる |
| Google Workspaceを使っている | 既存の仕事道具との相性 | Google Chatが、Workspaceの一部として追加の費用なしで使えると案内されている |
| 店舗や現場でスマートフォン中心、LINEに慣れている | 使いやすさ、通話の範囲 | LINE WORKSの使い勝手と、フリープランの通話の上限(4人まで、最大60分)を確かめる |
| 外部アプリや自動化を使いたい | 連携・拡張性 | Slackの外部アプリとの連携。無料プランはアプリが最大10個までなので、有料プランの条件も確かめる |
| まず無料で小さく試したい | 無料で使える範囲 | Chatworkの直近40日の閲覧、Slackの90日の履歴など、履歴の上限が自社の使い方で足りるか |
比べるときの順番
- 自社の連絡の棚卸し: メール、電話、LINEのどれを、チャットに移したいかを決める
- 社外の相手との連絡があるかを確認し、ある場合は取引先が使っているツールを調べる
- いまの土台(Microsoft 365、Google Workspace、LINEなど)に合うかを見る
- 無料の範囲の上限が、自社の使い方で足りるかを確かめる
- IPAの手引きに沿った確認項目で、管理とセキュリティを確認する
- 候補を2から3つに絞り、トライアルで同じ場面を試す
管理とセキュリティを比べる|IPAの手引きの確認項目をチャットに当てはめる
ビジネスチャットツールの管理とセキュリティは、機能の有無に加え、利用者側の運用も含めて比べます。IPAの手引きの項目を当てはめると漏れが減ります。
IPA(情報処理推進機構)の「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」は、クラウドサービスを利用する前に確認する項目を、15項目のチェックシートにまとめています。手引きによると、クラウドサービスは、事業者に委ねる部分は利用者が直接管理できないため、サービスの機能だけでなく、付随するセキュリティ対策もきちんと確認したうえで利用する必要があるとされています。また、クラウドサービス固有のリスクとして、インターネットを使うこと、1台のコンピュータを多数で共用すること、1つのサービスが複数の事業者で構成されることの3点が挙げられています。
この15項目のうち、チャットの比較に使いやすい項目を、次のように読み替えられます。
- どの業務で利用するか明確にする: どの連絡をチャットで行い、個人情報や機密情報を載せてよいかを決める
- 管理担当者を決める: メンバーの追加・削除、設定の変更をする人を決める
- 利用者の範囲を決める: 社外ユーザーを招いてよいか、退職者のアカウントをどう扱うかを決める
- 利用者の認証を厳格に行う: パスワードの使い回しをせず、2段階認証などの機能が使えるかを見る
- バックアップに責任を持つ: 重要なやりとりやファイルを、手元にも残せるか(ログのエクスポートなど)を確かめる
- 付帯するセキュリティ対策を確認する: 通信やファイルの暗号化など、公開されている対策を読む
- 利用者サポートの体制を確認する: 受付時間や、管理者向けの問い合わせ窓口があるかを見る
- 利用終了時のデータを確保する: 別のサービスに移るとき、データを取り出せるかを確かめる
- データ保存先の地理的所在地を確認する: 扱うデータによっては、サーバーの設置国の法規制が関係する
たとえばChatworkの公式のセキュリティのページでは、通信のすべてを暗号化していること、アップロードされたファイルも暗号化していることが案内されています。特定のIPアドレスからのアクセス制限や、登録されたモバイル端末だけに制限する機能なども挙げられており、料金プランのページでは、社外ユーザー制限、IPアドレス制限などがプロフェッショナルプランの機能として示されています。Slack、Teams、LINE WORKS、Google Chatにも、それぞれの公式ページで管理・セキュリティの機能が案内されているため、同じ項目で確認し、足りない部分は資料や問い合わせで補います。
なお、この章は情報セキュリティの確認の目安を示すもので、法的な助言ではありません。個人情報や取引先の機密情報を扱う場合の判断は、社内の規程や専門家にも相談してください。
ビジネスチャットツールの比較で見落としやすい失敗|連絡が流れる、周知が届かない
導入後の失敗で多いのは、連絡が流れて重要な情報が埋もれることと、周知したつもりが読まれていないことです。比較の段階で、運用でどう防ぐかも決めておきます。
導入の目的やメリット・デメリットは、ビジネスチャットを導入する目的とは?メリット・デメリットも解説で詳しく整理しています。ここでは、比較の段階で見落としやすい点に絞ります。
連絡が時系列で流れて、重要な情報が埋もれる
チャットは会話が時系列で積み重なるため、大事な連絡も、次のやりとりに押し流されて見えなくなります。対策は、依頼はタスクにして期限つきで追う、重要な連絡は固定表示やノートに残す、話題ごとにグループを分ける、といった運用です。それでも、全社員に確実に読んでほしい周知は、チャットとは別に、読まれ方を確認できる場所に残しておくと、見落としの原因を探しやすくなります。
ourly
全社に伝えたことが、実際に読まれたのかわからない、と感じていませんか?
こんな会社に向いています
全社員への周知の内容を、閲覧率や読了率で確かめたい会社
チャットとは別に、周知の内容を社内報として残したい会社
通知が増えすぎて、かえって見落とす
通知が多いほど、すべてのメッセージを確認するのが負担になり、重要な連絡を見落とします。メンション(宛先を指定する機能)の使い方、通知を出す時間帯、緊急の連絡の手段は、導入前にルール化します。運用のルールの例は、ビジネスチャットの運用ルールとは?設定の重要性やルールの例を解説が参考になります。
社外の相手と共有する範囲が決まっていない
社外の相手を招く場合、どのグループに入れるか、どのファイルを共有するかを決めずに使い始めると、意図しない情報が見えてしまいます。管理者が、社外ユーザーの範囲を制限できる機能があるかを比較の段階で確認し、あわせて、退職者や取引終了後の相手のアカウントの扱いも決めておきます。
ビジネスチャットツールを比べたあとの導入の進め方|トライアルと運用ルール
比較のあとは、候補を2から3つに絞ってトライアルで同じ場面を試し、運用のルールを決めてから導入します。確認の順番は次の5つです。
- 連絡の棚卸し: メール、電話、LINEのうち、どの連絡をチャットに移すかを決めます。すべてを移す必要はなく、相手や重要度、頻度で使い分けます(使い分けの考え方はビジネスチャットとメールはどう使い分ける?具体的な場面別に解説で整理しています)。
- 候補を2から3つに絞る: 社外の相手、無料の範囲、土台、管理の5つの軸で、先に外せるものを外します。
- 無料プランやトライアルで試す: 公式の案内では、Chatworkのスタンダードとプロフェッショナルには1か月間の無料トライアル、LINE WORKSの有償プランには30日間の無料トライアルがあるとされています。同じ連絡の場面を各サービスで試し、現場の人に感想を聞きます。
- 運用のルールを決める: 使ってよい情報、返信の目安、通知の時間帯、社外ユーザーの招き方を、最初に決めておきます。
- 定着を確認する: 数週間使って、連絡が流れて困っていないか、周知が読まれているかを見直します。
運用のルールが決まっていても、全社への周知が読まれているかがわからなければ、見直しの材料がありません。連絡と依頼はチャットで、周知は閲覧状況を確認できる場所でと分けておくと、次に何を直すかが見えやすくなります。まずは、使う場面に近いサービスの資料で、機能と注意点を比べてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ビジネスチャットツールのランキングは、どこで確認できますか?
A. 本記事では順位をつけていません。よいツールは、社外とのやりとりが多いか、Microsoft 365やGoogle Workspaceを使っているか、現場がスマートフォン中心かなどで変わるためです。比較サイトのレビュー評価は参考になりますが、母数や基準がサイトごとに違います。まず自社の軸を決め、候補を2から3つに絞って試すのが堅実です。
Q2. ChatworkとSlackは、どちらがよいですか?
A. 優劣ではなく、重視する軸で選びます。公式の案内では、Chatworkはチャット、タスク管理、ファイル管理、通話をまとめた形で、フリープランはメッセージの閲覧が直近40日以内です。Slackはチャンネルでの会話と外部アプリ連携が特徴で、フリープランは履歴が90日間、アプリは最大10個です。内容は2026年10月22日時点で、最新は各公式ページで確認してください。
Q3. LINE WORKSとMicrosoft Teamsは、どちらがよいですか?
A. 普段の土台と現場の使い方で選びます。LINE WORKSはLINEのような使い勝手で、LINEユーザーともトークができると案内されており、フリープランもあります。TeamsはMicrosoft 365のプランに含まれる形で、会議は参加者300人、長さ30時間までと公式の比較表に記載されています。社内でMicrosoft 365を使っているか、現場がLINEに慣れているかで、先に試すほうが変わります。
Q4. ビジネスチャットツールは無料で使えますか?
A. 無料プランがあるサービスもありますが、上限はサービスごとに違います。Chatworkのフリープランはメッセージの閲覧が直近40日以内、Slackのフリープランは履歴が90日間、LINE WORKSのフリープランはグループ通話が4人まで、最大60分です。Google ChatはGoogle Workspaceの一部として追加の費用はかからないと案内されています。上限が自社の使い方で足りるかを先に確かめてください。
Q5. ビジネスチャットのおすすめのアプリは、どう選べばよいですか?
A. 社外の相手とのやりとり、無料の範囲、通話や会議、既存の仕事道具との相性、管理とセキュリティの5つの軸で候補を絞ります。スマートフォンのアプリで使う場面が多い会社は、パソコンとスマートフォンで同じ履歴を見られるか、通知の設定が細かくできるかも、無料プランやトライアルで試して確かめます。
Q6. メールや電話は、すべてビジネスチャットに移すべきですか?
A. すべてを移す必要はありません。社内の短い連絡や依頼はチャット、正式な通知や社外への書面はメール、急ぎの確認は電話というように、相手、重要度、頻度で使い分けます。取引先が使っていないツールを無理に使わせると、かえって連絡が増えるため、相手に合わせる場面も残しておきます。
まとめ|ビジネスチャットツールを比較するときの6つのこと
ビジネスチャットツールの比較は、5つの軸で候補を絞り、公式情報と無料の上限を確かめ、トライアルで試してから決めるのが基本です。
- 社外の相手とのやりとり、無料の範囲、通話・会議、既存の仕事道具との相性、管理とセキュリティの5つの軸で比べる
- 無料プランの上限(履歴の閲覧期間、人数、アプリの数)を、公式ページで確認日つきで確かめる
- 普段の土台(Microsoft 365、Google Workspace、LINEなど)と、取引先が使っているツールで候補を絞る
- 連絡と依頼を回す場所と、周知を残して読まれ方を見る場所を、分けて考える
- IPAの手引きの確認項目で、管理担当者、利用者の範囲、認証、バックアップ、サポートを確認する
- 候補を2から3つに絞り、資料やトライアルで同じ場面を試してから、運用のルールを決めて導入する
連絡と依頼の抜け漏れを減らしたい場合は、Chatworkの資料で機能と注意点を確認できます。全社への周知の届き方を確かめたい場合は、ourlyの資料も比べてみてください。
参考文献
- Chatwork「料金プラン」(2026年10月22日確認): https://go.chatwork.com/ja/price/
- Chatwork「セキュリティ」(2026年10月22日確認): https://go.chatwork.com/ja/security/
- Chatwork導入事例「株式会社モリチュウ」: https://go.chatwork.com/ja/case/morichu.html
- 株式会社kubell「会社概要」: https://www.kubell.com/about/company/
- Slack「料金プラン」(2026年10月22日確認): https://slack.com/intl/ja-jp/pricing
- Slack「Slackコネクト」(2026年10月22日確認): https://slack.com/intl/ja-jp/connect
- Microsoft「一般法人向け Microsoft Teams: プランと機能」(2026年10月22日確認): https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/compare-microsoft-teams-business-options
- LINE WORKS「利用料金」(2026年10月22日確認): https://line-works.com/pricing/
- LINE WORKS株式会社「LINE WORKS」(2026年10月22日確認): https://line-works.com/
- Google Workspace「Google Chat」(2026年10月22日確認): https://workspace.google.com/intl/ja/products/chat/
- IPA「中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き」: https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/ug65p90000019cbk-att/sme_guideline_v4.0_app_7.pdf
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