再委託と外注の違いとは?下請け・派遣との違いと契約書の確認点

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  • 再委託は受けた業務をさらに任せること
  • 可否は契約の種類と契約書で決まる
  • 再委託先の監督責任は委託元にも及びうる

再委託と外注の違いは、外注が外部の事業者への依頼全般を指すのに対し、再委託は、発注者から業務を請けた事業者が、その業務の全部または一部をさらに別の事業者へ任せる点にあります。再委託は、元の契約を前提にした二段目以降の委託で、外注の一種として扱われます。外注も再委託も民法に定義のない契約実務の言葉で、再委託できるかどうかは、契約の種類と契約書の再委託条項で決まります。この記事では、下請け・派遣・協力会社との違い、再委託にあたらないケース、契約書の書き方、個人データの監督や取適法・フリーランス法の確認点、運用管理までを、一次情報をもとに整理します。

再委託・外注の契約まわりの状況から、合うサービスの一例を見てみる

Q1. 再委託について、いまの立場はどちらに近いですか?

目次

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  1. 再委託と外注の違いとは?二段目以降の委託かどうかで見分ける
  2. 再委託できるかは契約の種類で決まる|請負と準委任の違いと民法第644条の2
  3. 再委託にあたらないケースとは?外注・派遣・自社対応との見分け方
  4. 再委託のメリット・デメリット|委託元・受託者・再委託先の立場別に整理
  5. 再委託を認めるときの確認点|民法・個人情報保護法・取適法・フリーランス法の早見表
  6. 契約書の再委託条項|禁止・事前承諾・条件付き許可の3つの書き方
  7. 再委託の運用管理|台帳に残す項目と見直しのタイミング
  8. よくある質問(FAQ)
  9. 再委託と外注の違いで押さえたい6つのこと
  10. 参考文献

再委託と外注の違いとは?二段目以降の委託かどうかで見分ける

再委託とは、発注者から業務を請けた事業者(受託者)が、その業務の全部または一部を、さらに別の事業者へ委託することです。

外注は、社内で行わずに外部の事業者へ任せることの全般を指し、発注者が初めて外部に頼む取引も含みます。再委託は、すでに発注者との契約があり、その業務を受託者がさらに外へ出す場合に限られます。たとえば、A社がB社に業務を委託し、B社がその業務の一部をC社に任せるとき、A社からB社への委託が外注(一次委託)で、B社からC社への委託が再委託です。

項目外注(一次委託)再委託
意味自社の業務を、外部の事業者に任せる発注者から請けた業務を、受託者がさらに別の事業者に任せる
契約の流れ発注者と受注者の1本(A社とB社)発注者と受託者の契約(A社とB社)に加えて、受託者と再委託先の契約(B社とC社)がある
発注者の許諾自社の発注なので、第三者の許諾は要らない契約の種類と契約書で決まる。準委任・委任は、原則として発注者(委任者)の許諾が必要(民法第644条の2)
指示・変更の伝え方発注者が受注者に直接伝える発注者から受託者を通して再委託先に伝わる。発注者と再委託先の間には、通常は契約関係がない
管理の立場受注者が発注者に対して業務を行う受託者が再委託先を選び、管理する立場になる。個人データを扱う場合は、委託元の監督が再委託先にも及びうる(個人情報保護法第25条)

民法の条文をe-Gov法令検索で確認すると、「外注」「業務委託」「再委託」「下請」という語は出てきません。民法が定めているのは、請負(第632条)、委任(第643条)、準委任(第656条)といった契約の種類で、外注や再委託は、それらの契約を実務で呼び分けるための言葉です。名称ではなく、どの契約の種類で、誰と誰が契約しているかを確認します。

再委託が入ると、元の契約書に加えて、受託者と再委託先の契約、発注書や請書、承諾の記録が、階層ごとに増えます。委託する側も受ける側も、どの契約がどの案件に紐づくのかを把握しにくくなるため、契約書と取引書類の管理を見直したい会社向けに、3サービスを役割の違いで比べます。

再委託・外注の契約と取引書類を見直す3サービスの役割の違い

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注意したい点 詳しい料金やプランについては、問い合わせが必要です。 導入時に、業務フローの見直しが必要な場合があります。 フォルダ管理の自由度が低い点が、商品ページで注意点として挙げられています。
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「発注請書は紙の書類でやり取りするケースが多く、書類管理の業務負荷が過大だったほか、印紙の貼り忘れによる手戻りも頻繁に発生していた。」

株式会社TS東京(導入事例より)(Biz Connectionの導入事例)

外注と委託の違いは?

外注は、社内で行わず外部に任せるという発注側の見方を表す言葉で、委託は、相手に業務を頼む行為を指す契約実務の言葉です。意味はほぼ重なり、外注は委託の一種として説明されることが多く、契約書では「外注」よりも「委託」や「請負」の語が使われるのが一般的です。

民法で「委託」の語が出てくるのは、委任と準委任の条文です。第643条は、委任を「法律行為をすることを相手方に委託し」と定め、第656条は、委任の規定を「法律行為でない事務の委託」に準用すると定めています。請負は、第632条が「ある仕事を完成することを約し」と定めており、成果物の完成を約束する契約として区別されます。

下請け・再々委託・協力会社・派遣との違い

言葉意味再委託との関係
下請け請負契約で、請け負った仕事の全部または一部を、他の事業者に請け負わせること(建設業法は「下請負」と呼ぶ)再委託のうち、請負の形をとるもの。再委託は準委任なども含むため、再委託のほうが広い言葉
再々委託再委託を受けた事業者が、さらに別の事業者に委託すること個人データの監督では、再々委託以降も、再委託と同様に確認することが望ましいとされる
協力会社・パートナー企業契約書や現場での呼び名で、法律上の区分ではない発注者と直接契約していれば外注、受託者と契約していれば再委託。呼び名ではなく契約の相手で判断する
派遣派遣元が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて働かせる形態業務の遂行を事業者に任せる再委託とは別。実態が派遣なのに請負・委託の名目をとると、偽装請負の問題になりうる

請負・準委任と偽装請負の区別は、BPOと業務委託の違いとは?請負・準委任の契約類型と偽装請負の判断基準で整理しています。契約の種類ごとの責任の違いは、SaaSと業務委託の違い|責任の所在・契約類型・BPaaSまで判断軸で整理も参考になります。

再委託できるかは契約の種類で決まる|請負と準委任の違いと民法第644条の2

再委託できるかどうかは、請負か準委任かという契約の種類と、契約書の再委託条項で決まります。準委任・委任は原則として発注者の許諾が必要で、請負は契約書に制限がなければ認められると説明されるのが一般的です。

契約の種類内容再委託の扱い
請負(民法第632条)仕事の完成を約束し、その結果に対して報酬を支払う民法の条文に、再委託や下請の語はありません。仕事の完成が目的のため、契約書に制限がなければ、受託者が第三者に任せることは認められると説明されるのが一般的。契約書で禁止や事前承諾制にする例も多い
準委任(民法第656条)法律行為でない事務を委託する(調査・運用・相談業務など)委任の規定が準用され、民法第644条の2により、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者(再委託先)を選任できない
委任(民法第643条)法律行為(契約の締結など)を委託する同じく民法第644条の2。委任者の許諾かやむを得ない事由が必要
契約書で別に定めた場合再委託の可否・承諾の方法・範囲を、当事者で決める契約書の定めが、実務上の基準になる。民法の原則より、契約書の条項を先に確認する

民法第644条の2第1項は、「受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。」と定めています(e-Gov法令検索 民法)。復受任者の選任は第644条の2に定められており、第644条は受任者の注意義務の条文です。契約書や社内資料に条番号を引くときは、条の2の付け忘れがないか、条文で確認します。

なぜ再委託は禁止されるのか

準委任や委任は、受託者の技能や信頼を前提に業務を任せる契約です。誰が実際に作業するかは発注者にとって重要なため、民法は、許諾かやむを得ない事由がない限り、復受任者の選任を認めていません。

加えて実務では、再委託によって情報に触れる人が増えて漏えいのリスクが高まる、品質や責任の所在が見えにくくなる、といった理由から、契約書で再委託を禁止したり、事前承諾制にしたりすることが多くあります。再委託は一律に禁止されているのではなく、契約の種類と契約書で、認められる範囲が決まります。

業法で一括の再委託が制限される場合

民法とは別に、業種ごとの法律が再委託を制限していることがあります。建設業法第22条は、建設業者が請け負った建設工事を一括して他人に請け負わせてはならないと定めています。多数の者が利用する施設や工作物に関する重要な工事で政令で定めるもの以外は、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得ていれば、この規定は適用されないとされています(e-Gov法令検索 建設業法)。

建築士法第24条の3は、委託者の許諾を得た場合でも、委託を受けた設計または工事監理の業務を、建築士事務所の開設者以外の者に委託してはならないと定めています。延べ面積が300平方メートルを超える建築物の新築工事に係るものは、一括して他の建築士事務所の開設者に委託することも禁じられています(e-Gov法令検索 建築士法)。委託する業務を所管する法令に、再委託の制限がないかも確認します。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の契約や紛争については、弁護士などの専門家にご相談ください。

再委託にあたらないケースとは?外注・派遣・自社対応との見分け方

再委託にあたらないのは、受託者が業務を第三者に任せていない場合です。受託者が自社の人員で行う場合や、発注者が別の事業者に直接頼む場合は、再委託ではありません。

場面判定理由と確認点
発注者のA社が、別の事業者C社にも直接依頼した再委託ではない(別の外注)A社とC社が直接契約しており、受託者のB社を通していない
受託者のB社が、自社の従業員や役員に業務を行わせた再委託ではないB社自身が業務を行っている。契約書に、担当者の資格や人数の条件がないかは確認する
B社が派遣会社から受け入れた派遣労働者を、B社の指揮命令のもとで働かせた一般に再委託として扱わないB社自身が業務を行っている。ただし、契約書で派遣労働者の利用に届出や承諾を求める例もあるため確認する
B社が、業務に使う備品やソフトウェアを購入した通常は再委託ではない業務そのものを任せていない。契約書の「再委託」の定義に、調達まで含める例もある
B社が、業務の一部をC社に任せ、C社が作業や成果物を納める再委託準委任なら委任者の許諾が必要。請負なら、契約書の定めを確認する
C社が、さらに別のD社に任せた再々委託再委託と同様に、事前の報告や承諾を求めることが多い。個人データを扱う場合のガイドラインも同様(後述)

請負で請負人が他の事業者に仕事の一部を任せることを、「再委託にあたらない」と整理する解説もあれば、「再委託にあたるが原則認められる」と整理する解説もあります。呼び方の違いにすぎないため、契約書に再委託や下請の制限があるかを確認します。なお、契約書の定義で「再委託」の範囲が広く決められている場合は、その定義が優先されます。

自社の経理や総務の業務を外部に任せるだけの外注は、再委託ではなく一次委託ですが、委託先が業務の一部をさらに外へ出すことはあります。たとえば経理BPOでは、委託できる範囲と、委託先の再委託の有無を契約前に確認します。詳しくは、財務BPOとは?経理BPOとの違いと委託できる範囲・できない範囲を解説で整理しています。

ここまでの内容を踏まえて、自社の再委託の管理が足りているかを、次のセルフチェックで点検してみてください。

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再委託のメリット・デメリット|委託元・受託者・再委託先の立場別に整理

再委託のメリットは、専門技能の補完や繁忙期の人員確保など、受託者が業務を進めやすくなることです。デメリットは、再委託先の見えにくさと、情報漏えいや責任の所在のリスクです。立場によって見え方が変わります。

立場メリットデメリット・リスク
委託元(発注者)受託者1社と契約すれば足り、契約や支払の窓口が増えない。受託者が専門技能を補えば、対応できる範囲が広がる再委託先が見えにくい。情報に触れる人が増えて漏えいのリスクが高まる。品質が委託元の基準を下回るおそれや、中間の費用が上乗せされる場合がある
受託者繁忙期の人員確保、不足する技能の補完、納期の短縮ができる再委託先の選定と管理が必要になる。再委託先の対応が不十分だと、発注者への対応や信用に影響する
再委託先元請を通じて、仕事の機会を得られる発注者の意向が伝わりにくい。元の契約の条件に左右され、報酬の支払時期などが元の契約を基準に決まることがある

再委託する理由の例

再委託が選ばれる理由は、一般に次のようなものです。

  • 自社に不足する専門技能や資格を、再委託先で補う
  • 繁忙期や大型案件で、人員を一時的に増やす
  • 作業を分担して、納期を短縮する
  • 拠点や言語、地域の対応を、現地の事業者に任せる
  • 定型的な作業を外に出し、受託者の担当者を中核の業務に回す

いずれも、再委託先の選定と管理を受託者が引き受けることが前提です。発注者が再委託を認める場合は、受託者が再委託先を適切に管理できるかを、契約書や報告で確かめます。

責任の所在と、管理の負担

再委託では、発注者と再委託先の間に契約関係がないため、品質や情報管理の問題が起きたときの責任の整理が難しくなります。個人データを扱う場合は、委託元が受託者に対する必要かつ適切な監督を行っていなければ、再委託先が不適切な取扱いをしたとき、元の委託元の法違反と判断されうるとされています(個人情報保護委員会ガイドライン通則編の注記)。責任を受託者と再委託先に任せきりにせず、委託元も、再委託先の範囲と管理方法を把握しておく必要があります。

委託の階層が増えるほど、誰とどの契約を結び、どの書類をどこに保管したかの把握が負担になります。

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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の契約や紛争については、弁護士などの専門家にご相談ください。

再委託を認めるときの確認点|民法・個人情報保護法・取適法・フリーランス法の早見表

再委託を認めるときは、民法の原則に加えて、個人データの監督、下請取引の適正化、フリーランスとの取引のルールを確認します。再委託に関わる主な法令の条文は次のとおりです。

法令条文再委託との関係
民法第644条の2準委任・委任では、委任者の許諾かやむを得ない事由がなければ、復受任者を選任できない
個人情報保護法第25条個人データの取扱いを委託する場合、委託先に対する必要かつ適切な監督を行う。再委託先も、ガイドラインで確認が望ましいとされる
取適法(中小受託取引適正化法)第2条第4項「役務提供委託」の定義に、業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部または一部を他の事業者に委託することが含まれる。請けた業務の再委託は、対象になりうる
フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)第4条第3項元委託者から受けた業務を特定受託事業者に再委託した場合の、報酬の支払期日の特例
建設業法・建築士法第22条・第24条の3一括して請け負わせることや、設計・工事監理の再委託を制限

個人データを扱う業務の再委託

個人情報保護法第25条は、個人情報取扱事業者が個人データの取扱いの全部または一部を委託する場合に、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないと定めています(e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律)。

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、委託先が再委託を行おうとする場合は、委託を行う場合と同様に、委託元が、再委託する相手方、再委託する業務内容、再委託先の個人データの取扱方法などについて、委託先から事前報告を受けるか承認を行うことが望ましいとしています。あわせて、委託先を通じて、または必要に応じて自らが、定期的に監査を行うことで、再委託先が安全管理措置を講じていることを十分に確認することが望ましいとされています。再委託先が再々委託を行う場合以降も同様です(個人情報保護委員会 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)、3-4-4、PDF60-61ページ)。同ガイドラインは、監督が不十分な事例として、再委託の条件に関する指示を委託先に行わず、委託先の取扱状況の確認も怠った結果、再委託先が個人データを漏えいした場合などを挙げています。

委託先のセキュリティ体制と契約条項の考え方は、BPOセキュリティとは?情報漏えいリスクと委託先の選び方・契約・監督を解説でも整理しています。

取適法の対象になる再委託

取適法(中小受託取引適正化法)は、令和8年1月1日に施行された法律で、委託事業者から中小受託事業者への委託取引を対象に、書面などによる条件の明示や、支払期日などを定めています(公正取引委員会 取適法)。「役務提供委託」は、事業者が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部または一部を、他の事業者に委託することと定義されています(第2条第4項。建設業を営む者が請け負う建設工事を他の建設業者に請け負わせることは除かれます)(e-Gov法令検索 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)。

公正取引委員会のQ&Aは、荷主から請け負った運送を再委託することとなる取引は役務提供委託に該当する(Q34)としています。一方で、企業が自ら用いる役務である、弁護士・公認会計士・産業医との契約は、対象外です(Q32)(公正取引委員会 よくある質問コーナー(取適法))。顧客から請け負った業務を協力会社に再委託する場合は対象になりうる一方、自社のために使う役務を外部に任せるだけの外注は、対象外になる場合があります。実際に対象になるかは、委託事業者と中小受託事業者の資本金や従業員数の基準、委託する役務の内容で決まるため、公正取引委員会の資料(委託事業者の義務)で確認してください。

フリーランスへ再委託するときの支払期日

フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、報酬の支払期日を、原則として、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければならないとしています(第4条第1項)。

他の事業者(元委託者)から業務委託を受けた特定業務委託事業者が、その業務の全部または一部を特定受託事業者に再委託した場合は特例があります。再委託である旨、元委託者の名称、元委託業務の対価の支払期日などを明示したうえであれば、再委託の報酬の支払期日は、元委託支払期日から起算して30日の期間内で、できる限り短い期間内に定められなければなりません(第4条第3項。e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)。元の契約の支払期日を基準にする特例のため、受託者は、再委託先に条件を伝える時点で、元の契約の支払期日を把握しておく必要があります。

再委託を認める前の確認手順

  1. 元の契約の種類(請負か準委任か)と、契約書の再委託条項を確認する。
  2. 再委託する業務の範囲と、個人データや機密情報を扱うかを確認する。
  3. 再委託先の名称・所在地・担当業務・取扱方法を、委託先から報告してもらう。
  4. 再委託先に、元の契約と同等の秘密保持や安全管理を課すかを決める。
  5. 承諾は、書面または電磁的方法で記録し、元の契約書と同じ場所に残す。
  6. 再委託先の変更や追加があるときは、再度の報告や承諾を求める。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の契約や紛争については、弁護士などの専門家にご相談ください。

契約書の再委託条項|禁止・事前承諾・条件付き許可の3つの書き方

契約書の再委託条項は、禁止、事前承諾、条件付き許可の3つの型で整理できます。どの型を選ぶかは、業務の性質と、扱う情報の重さで決まります。

型向く場面条項の一例確認点
禁止機密性の高い情報や個人データを扱う。受託者の技能を前提にしている受託者は、本契約に基づく業務の全部または一部を、第三者に再委託してはならない。全面禁止で現場が回るか。例外が必要なら、事前承諾の型にする
事前承諾再委託の可能性はあるが、発注者が相手を確認したい受託者は、あらかじめ委託者の書面または電磁的方法による承諾を得た場合に限り、業務の一部を第三者に再委託することができる。承諾の方法と期限。承諾の記録の保管場所
条件付き許可再委託が日常的で、条件を満たせば認めたい受託者は、再委託先の名称、所在地および再委託する業務の範囲を委託者に届け出たうえで、再委託先に本契約と同等の義務を課すことを条件に、業務の一部を再委託することができる。受託者は、再委託先の行為について自ら責任を負う。届出の内容と時期。再委託先に課す義務の範囲。責任の所在

上の条項は、考え方を示すための一例です。実際の契約書は、業務の内容や、請負か準委任かに合わせて、専門家に確認してもらうことをおすすめします。

再委託条項と合わせて決める項目

  • 再委託の可否と、承諾の方法・期限
  • 再委託先の範囲(国内に限るか、所在地の制限など)
  • 再委託先に課す義務(秘密保持、安全管理、個人データの取扱い)
  • 報告と監査(定期報告の頻度、立入りの可否)
  • 責任の所在と、損害賠償の範囲
  • 再委託先を変更・追加するときの再承諾
  • 契約終了時の、データの返還・消去と報告

これらを契約書にそろえても、委託先ごとに契約書を結び、押印・郵送・返送待ちをしていると、承諾や覚書が整うまでに時間がかかります。再委託の可否や条件を契約書や覚書として整えたあと、オンラインで結びたい場合の一例が、SMBCクラウドサイン株式会社の「SMBCクラウドサイン」です。商品ページでは、日本の法律に特化し、弁護士が監修した、契約締結から契約書管理までを行うクラウド型電子契約サービスと紹介されています。契約書の金額や期間などを自動で読み取って登録するAI契約書管理や、一括送信、帳票作成とテンプレート、検索機能を備えるとも紹介されています。注意点として、フォルダ管理の自由度が低い点が挙げられています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • フォルダ管理の自由度が低い

導入事例では、山一建設が、担当者ごとに異なっていた発注方法を、SMBCクラウドサインでの発注書の送付に統一し、何をいつ発注したかをシステム上で把握できるようになったと紹介されています(SMBCクラウドサインの導入事例)。対象は発注書ですが、書面のやり取りを電子化して履歴を残すという点は、再委託の承諾や覚書にも通じます。

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本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の契約や紛争については、弁護士などの専門家にご相談ください。

再委託の運用管理|台帳に残す項目と見直しのタイミング

再委託は、認めたあとの管理が抜けやすい取引です。元の契約の再委託条項、承諾の記録、再委託先の情報、契約期限を、契約ごとに台帳へ残します。

台帳に残す項目残す理由見落としたときの困りごと
元契約の種類と再委託条項再委託できる条件と、承諾が必要かを確認する基準になる承諾が必要な契約なのに、承諾なしで再委託が進む
承諾の日付・方法・内容誰がいつ何を認めたかの記録になる範囲を超えた再委託が起きたときに、認めた範囲を説明できない
再委託先の名称・所在地・担当業務情報の流れと、監督の対象を把握する再々委託を含め、情報を誰が扱っているか分からなくなる
再委託先に課した義務秘密保持や安全管理が、元の契約と同等かを確認する再委託先で漏えいが起きたとき、条件を求めていたか確認できない
個人データの有無ガイドラインに沿った事前報告・承認・監査が要るかを判断する個人データの再委託に、必要な確認がされていない
契約期間・更新・終了時の返還消去更新の判断と、終了後の情報の扱いを管理する意図しない自動更新や、案件終了後にデータが残り続ける

件数が少ないうちは、台帳と共有フォルダで足ります。委託先や再委託先が増え、担当者が異動すると、契約書や承諾の記録が部署ごとに分かれ、確認が属人化します。契約書を一元管理し、契約期限が近づいたときに通知を受け取る仕組みがあれば、更新の抜け漏れや、承諾の確認漏れを減らせます。

契約書の見直しは、契約の更新時、再委託先の追加や変更があったとき、法改正があったときに行います。取適法のように、近年施行された法律に合わせて、取引条件や書面の内容を見直す場面もあります。

紙・PDF・電子で結んだ契約書を、まとめて検索し、期限を把握したい場合の一例が、Sansan株式会社の「Contract One」です。商品ページでは、紙・PDF・電子契約など、あらゆる形式の契約書をデータ化して一元管理でき、全文検索や、契約期限のアラート通知、自動更新設定などの管理機能を備えると紹介されています。中小受託取引適正化法などの法改正への対応を支援するとも紹介されています。全文検索を使えるため、再委託に関する条項を含む契約書を探す場面で役立つことがあります。注意点として、導入時に、業務フローの見直しが必要な場合があるとされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Sansan株式会社

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  • あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
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  • 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も

導入事例では、イオンマーケティングが、創業以来の紙の契約書をすべてデータ化して一元管理し、期限通知機能で契約更新時期が近づくと自動でアラートメールを発信することで、担当者の異動や退職があっても更新期限を検知でき、意図しない契約更新や更新漏れのリスクを回避できるようになったと紹介されています(Sansan株式会社のプレスリリース)。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 再委託と外注の違いは何ですか?

A. 外注は、外部の事業者へ任せることの全般を指し、再委託は、発注者から請けた業務を、受託者がさらに別の事業者へ任せることを指します。A社がB社に委託し、B社がC社に任せるとき、A社からB社が外注(一次委託)、B社からC社が再委託です。どちらも民法に定義のある言葉ではなく、請負か準委任かという契約の種類と、契約書の定めで扱いが決まります。

Q2. 再委託にあたらないケースは何ですか?

A. 受託者が自社の従業員や役員に業務を行わせる場合、発注者が別の事業者に直接依頼する場合、業務に使う備品やソフトウェアを購入するだけの場合などは、再委託にあたらないのが一般的です。受託者が派遣労働者を自らの指揮命令のもとで働かせる場合も、一般に再委託として扱いません。ただし、契約書で再委託の範囲を広く定義している場合は、その定義に従います。

Q3. なぜ再委託は禁止されているのですか?

A. 一律に禁止されているわけではありません。準委任や委任は、受託者の技能や信頼を前提にした契約のため、民法第644条の2は、委任者の許諾かやむを得ない事由がなければ復受任者を選任できないと定めています。実務では、再委託によって情報に触れる人が増え、品質や責任の所在が見えにくくなるため、契約書で禁止や事前承諾制にすることが多くあります。

Q4. 再委託する理由にはどのようなものがありますか?

A. 自社に不足する専門技能や資格を補う、繁忙期に人員を増やす、作業を分担して納期を短縮する、拠点や地域の対応を現地の事業者に任せる、といった理由が一般的です。いずれも、再委託先の選定と管理を受託者が引き受けることが前提で、発注者が認める場合は、再委託先の範囲と管理方法を契約書や報告で確認します。

Q5. 再委託と下請けは何が違いますか?

A. 下請けは、請負契約で請け負った仕事の一部を他の事業者に請け負わせることを指し、再委託のうち請負の形をとるものです。再委託は、準委任や委任で業務を任せる場合も含むため、再委託のほうが広い言葉です。建設業法は、請負の再委託を「下請負」と呼び、一括して他人に請け負わせることを制限しています。

Q6. 再委託を認めるとき、契約書に何を定めますか?

A. 再委託の可否、承諾の方法と期限、再委託先の範囲、再委託先に課す秘密保持や安全管理の義務、報告と監査、責任の所在、再委託先を変更するときの再承諾、契約終了時のデータの返還・消去を定めます。個人データを扱う場合は、個人情報保護委員会のガイドラインが、再委託する相手方や業務内容の事前報告か承認を求めることを望ましいとしています。

再委託と外注の違いで押さえたい6つのこと

  1. 再委託は、発注者から請けた業務を、受託者がさらに別の事業者へ任せることです。外注は外部への依頼全般で、再委託は二段目以降の委託にあたります。
  2. 外注・委託・再委託・下請けは、民法に定義のない実務の言葉です。請負、委任、準委任のどの契約かで、扱いが変わります。
  3. 準委任・委任は、民法第644条の2により、委任者の許諾かやむを得ない事由がなければ再委託できません。請負は、契約書の定めを確認します。
  4. 再委託にあたるかは、受託者が業務を第三者に任せているかで判断します。自社の人員や直接の外注は、再委託ではありません。
  5. 再委託を認めるときは、個人情報保護法の監督、取適法、フリーランス法、業法の制限を確認し、承諾を書面か電磁的方法で残します。
  6. 委託先や再委託先が増えて、契約書や承諾の記録の管理が重いときは、契約書の一元管理や電子契約サービスの資料を取り寄せ、自社に合うか比べます。

参考文献

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