受発注システムの比較|タイプ別の違いと選び方の判断軸を解説

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  • 受発注システム4タイプの違いを表で比較
  • 取引先の負担まで見る7つの判断軸
  • 電帳法と取適法で確認する点がわかる

受発注システムとは、見積・注文・納品・請求といった企業間の取引情報を、電話・FAX・メールではなくシステム上でやり取りし、受注側と発注側の入力や確認の手間を減らす仕組みです。経済産業省が2026年10月21日に公表した調査では、2025年の国内BtoB-EC市場規模は560.1兆円、EC化率は45.9%で、企業間取引の電子化は進んでいます。一方で、受発注システムには、社内の管理を軸にするものと、取引先との接点を軸にするものがあり、目的や向く取引が違うため、製品を並べて見比べるだけでは選びにくくなります。この記事では、製品名の一覧ではなく、4つのタイプの違い、基本機能、比較の判断軸、電子帳簿保存法と取適法で確認したいこと、自社に合うタイプの絞り方を順に整理します。個別の製品を並べた比較は、受発注管理システム15選(全20選)を徹底比較!|製造業・卸売業向きのものもで紹介しています。

受発注システム選び、どこから見直す?2問で診断

Q1. いま、一番手間がかかっているのはどちらですか?

目次

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  1. 受発注システムの比較|4つのタイプの違い
  2. 受発注システムとは?基本機能と導入で変わること
  3. 受発注システムを比較する7つの判断軸
  4. 受発注システムで確認したい法対応|電子帳簿保存法と取適法
  5. 自社に合うタイプの絞り方|判断の目安とセルフチェック
  6. 受発注システムの導入の進め方|取引先への案内と切り替えのポイント
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ|受発注システムを比較するときに押さえる6つのこと
  9. 参考文献

受発注システムの比較|4つのタイプの違い

受発注システムは、社内の管理を軸にする販売管理・ERP一体型と、取引先との接点を軸にするWeb受発注型、BtoB EC構築型、EDI型の4タイプに分けると、違いを比べやすくなります。

タイプ軸向いている取引取引先の負担確認したい点
販売管理・ERP一体型社内の管理見積・受注・発注・在庫・請求・原価を、自社内で一元管理したい。案件や取引ごとに条件が変わる製品によって異なる。取引先専用の画面を持たず、帳票を送る形のものもある対象業種に合うか、取引先向けの注文画面があるか、導入期間と運用の担当者
Web受発注型取引先との接点電話・FAX・メールで届く注文を、取引先がWeb画面から入力する形に切り替えたい取引先がIDの発行と操作を覚える必要がある。費用を受注側と発注側のどちらが持つかは製品で異なる取引先が使いやすい画面か、取引先の費用負担の有無、受注側と発注側のどちらの機能か
BtoB EC構築型取引先との接点取引先ごとの価格や商品の出し分け、カタログの掲載、継続的な注文を受けたい取引先はログインして注文する。価格やカタログの表示は取引先ごとに設定する価格設定の柔軟さ、基幹システムとの連携、サイトの運用の手間
EDI型取引先との接点(データ交換)大口の取引先や業界で、決まった形式のデータで受発注する取引先が同じ標準や形式に対応している必要がある対応する標準(業界標準、中小企業共通EDIなど)、取引先側の対応状況

比較サイトによって、タイプの分け方は異なります。アスピックは利用企業が多いタイプ、カスタマイズにも対応できるタイプ、周辺業務の効率化にも対応するタイプの3つに、ITトレンドは業種・業態特化型、BtoB EC構築型、販売管理・業務改善プラットフォーム型、汎用・中小企業向けのシンプル導入型の4つに分けています。本記事は、導入したあとの運用で何が変わるかに近い「社内の管理を軸にするか、取引先との接点を軸にするか」で整理しました。

社内の管理を軸にする、販売管理・ERP一体型

販売管理・ERP一体型は、見積、受注、発注、仕入、在庫、請求などを一つのシステムで管理し、取引ごとの金額や原価を社内で把握しやすくするタイプです。受発注の入力が販売管理や会計につながるため、転記や二重入力を減らしやすい反面、導入の範囲が広く、運用の担当者と設定の期間が必要になります。取引先との接点は製品によって異なり、専用の注文画面を持つものと、帳票を発行して送る形のものがあります。

見積から受注、発注、支払までの情報を、案件ごとに社内で一元管理したい場合の一例が、株式会社オロが提供するZACです。商品ページによると、ZACは知的サービス業・プロジェクト型ビジネスに向けたクラウドERPで、案件・プロジェクトの受注前の引合・見込の段階から入力でき、見積の作成から受注、売上までのプロセスをクラウド上で管理できます。購買管理では、発注予定の段階から入力でき、売上項目に仕入や外注を紐づけて管理できると紹介されています。見積から請求まで二重入力が起きないシングルインプット設計とも説明されています。一方で、商品ページでは、詳しい料金やプランの確認に問い合わせが必要とされ、導入完了まで最短で3か月、平均で半年ほどかかると書かれています。商品ページの対象は、IT・広告・クリエイティブ・コンサルティング業などのプロジェクト型ビジネスで、公式サイトの業種別の案内には、個別受注型製造業や設備工事・メンテナンス業も並んでいます。在庫を持って商品を継続的に販売する卸売などで使えるかどうかは、資料や担当者への確認で見極めてください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • 自動アップデートで電子帳簿保存法・インボイス対応などの法改正にも対応
  • 見積もりの作成から受注、売上までのプロセスをクラウド上でシームレスに管理できる
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気になる…

  • 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • 見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

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商品ページに掲載されている口コミは、2026年10月22日時点で1件で、総合評価は4です(2025年6月25日の投稿、IT・通信・インターネット系の企業)。見積発行時の承認を電子化でき、低粗利で提案する場合も電子的に承認へ進めて履歴が残るため、管理の負担が減るとの記載があります。一方で、VPNでの連携を含む環境の整備が大変に感じる可能性があるとも書かれています。口コミは1件のため、判断材料の一つとして、資料や担当者への確認とあわせてご覧ください。

「見積発行の際、承認を電子化できる。」

ZAC商品ページの口コミ(2025年6月25日投稿)より。出典:ビジネスコンシェルジュ ZAC商品ページ、2026年10月22日確認

ZACの公式サイトの導入事例には、タンク製作や配管工事、機械設置などを行う株式会社岩本鉄工所の事例があり、IT化が進んでおらず、案件の進捗・受注・発注管理がされていなかったことをきっかけに導入したと紹介されています。見積から始まり、発注まで案件ごとに管理する取引の一例です。

「案件の進捗・受注・発注管理がされていなかったことをきっかけにZACを導入しました。」

株式会社オロ ZAC導入事例「株式会社岩本鉄工所」より。出典:https://www.oro.com/zac/casestudy/iwamoto-if.html、2026年10月22日確認

取引先との接点を軸にする、Web受発注型・BtoB EC構築型・EDI型

Web受発注型は、取引先が専用のWeb画面から注文や発注書を入力する形で、電話・FAX・メールの注文を一つの画面に集められます。BtoB EC構築型は、取引先ごとの価格や取り扱い商品を出し分けたカタログサイトを持ち、継続的な注文を受ける形で、商品数や取引先が多い卸売・メーカーで選ばれます。どちらも、取引先が使ってくれるかどうかが成果を左右するため、取引先の負担と案内の手間を、導入前に確認します。

EDI(Electronic Data Interchange、電子データ交換)は、企業間で取引のためのデータを、通信回線を介して標準的な規約で交換する仕組みです(公正取引委員会の取適法Q&Aでの説明)。中小企業庁は、ITの利用に不慣れな中小企業でも受発注のIT化を進められるよう、「中小企業共通EDI」の仕様を策定し、取引先ごとに用意していた専用端末や用紙が不要になり、伝票をデータで一元管理できるとしています。大口の取引先から決まった形式のデータを求められる場合は、このEDI型に対応できるかが、システム選びの前提になります。

業種で絞る場合は、4タイプに重ねて考える

業種に特化した受発注システムもありますが、これは4タイプの上に重ねて考える軸です。たとえば飲食店は仕入れの発注、建設業は工事ごとの発注、食品は賞味期限や温度帯の管理が論点になり、それぞれ向く機能が異なります。業種ごとの詳しい整理は、飲食店におすすめの受発注システム|業務効率化のコツも解説、建設業におすすめの受発注システム2選|導入メリットも解説、食品業界におすすめの受発注システム2選|導入メリットも解説で紹介しています。

受発注システムとは?基本機能と導入で変わること

受発注システムとは、見積・注文・納品・請求などの取引情報を、電話やFAXではなくシステム上でやり取りし、受注側と発注側の入力と確認を減らす仕組みです。

受注する側から見れば、取引先から届く注文を一元的に受けて処理する仕組み、発注する側から見れば、仕入先への発注書の作成と送付、納期や在庫の確認を行う仕組みです。製品によって、受注側の機能が中心のもの、発注側の機能が中心のもの、両方を備えるものがあります。

機能受注側で使う場面発注側で使う場面
注文・発注書の入力と送受信電話・FAX・メール・Webで届く注文を、一つの画面で受ける発注書を作成し、仕入先へ送る。取引先ごとの発注方法の違いをまとめる
取引先ごとの価格・商品の出し分け取引先ごとの価格や取り扱い商品を設定し、見積や注文に反映する仕入先ごとの単価や品番を登録し、入力の手間とミスを減らす
帳票の作成見積書、納品書、請求書などを、受注データから作成する発注書、検収の記録を作成し、請求書との突き合わせに使う
在庫・納期の確認在庫の引当と納期の回答を、注文の画面で行う発注残や納期の遅れを一覧で確認する
履歴の検索・集計取引先別・商品別の受注履歴を検索し、集計する仕入先別・品目別の発注履歴を検索し、集計する
他システムとの連携販売管理、会計、在庫、ECなどにデータを渡す購買管理、会計、承認の仕組みにデータを渡す

受発注と、販売管理・在庫管理との違い

受発注は、注文のやり取りと、その履歴の管理が中心です。販売管理は、売上・請求・入金といった販売の流れと債権の管理、在庫管理は、在庫の数と入出庫の管理が中心で、受発注システムの中には、これらを備える製品もあります。注文を受ける側と出す側の違いは、受注とは?発注との違いや受注管理の流れ、効率化のポイントも解説と発注とは?注文との違いや発注業務の流れ、発注書の注意点も解説で、受発注管理システムの機能全般は受発注管理システムとは?主な機能とメリット・デメリットを徹底解説で紹介しています。

導入で期待できること

中小企業庁は、受発注をデジタル化すると、(1)作業効率の向上、(2)人的ミスの軽減、(3)取引記録の検索性の向上などのメリットが得られ、取引データを他のシステムのデータと連携すると、さらなる生産性の向上も期待できるとしています。同庁の資料では、2021年に受注側の48.5%が電子受発注に対応しているとされ(令和3年度取引条件改善状況調査)、FAXや電話による受発注が一定数残る一方で、電子化への対応は進みつつあります。

導入前に知っておきたい注意点

  • 取引先が使わないと、システムとFAX・メールの二重運用になる。取引先ごとに、切り替えの時期と方法を決める。
  • 取引先、品番、単価、納期などのマスタを整える作業が必要になる。入力元のデータが古いままだと、システムの中でも誤りが続く。
  • 費用は、初期費用のほかに、月額、ユーザー数、取引先数、件数などで変わることがある。取引先が費用を負担するかも確認する。
  • 業務のやり方が変わる。承認の順番、例外の注文の扱い、担当者の権限を、先に決めておく。

Excelで受注を管理している段階から移る場合の考え方は、Excelで受注管理システムは作れる?作り方とメリット・デメリットで整理しています。

受発注システムを比較する7つの判断軸

受発注システムは、取引先の使いやすさ、受発注の方法、連携、法対応、価格設定、履歴管理、導入とサポートの7つの軸で比べると、製品名に頼らず絞りやすくなります。

判断軸確認すること担当者への質問の例
1. 取引先の使いやすさ取引先のIDの発行、画面の分かりやすさ、スマホ・タブレットの対応、取引先の費用負担取引先は無料で使えますか。操作の案内資料はありますか
2. 対応する受発注の方法Web画面、FAX・メールの取り込み、EDI、CSVの取り込みのうち、自社と取引先に必要なものFAXで届く注文は、どう取り込みますか
3. 他システムとの連携会計、販売管理、在庫管理、ECとのデータ連携の方法(CSV、API)会計ソフトに仕訳のデータを渡せますか
4. 帳票と法対応見積書・納品書・請求書の様式、電子帳簿保存法の電子取引の保存要件、インボイス制度の対応訂正や削除の履歴は残りますか。日付・金額・取引先で検索できますか
5. 価格設定と取引条件取引先ごと、数量ごと、期間ごとの価格、掛率、締め日・支払条件の設定取引先ごとに価格や掛率を変えられますか
6. 権限と履歴の管理承認の流れ、担当者ごとの権限、操作の履歴承認が必要な注文だけ、上長の確認に回せますか
7. 導入期間とサポート導入に要する期間、設定の支援、取引先への案内の支援、問い合わせの窓口稼働までの期間と、自社で用意する作業はどれですか

取引先に使ってもらえるか、費用を誰が持つか

受発注システムは、自社だけが使う場合と、取引先にも使ってもらう場合で、必要な準備が大きく変わります。取引先に使ってもらう場合は、取引先のIDの発行と操作の案内が必要で、費用を受注側と発注側のどちらが負担するかは、製品によって異なります。取引先が無料で使える製品もあれば、取引先の規模や件数に応じて費用がかかる製品もあります。比較するときは、自社の負担だけでなく、取引先の負担もあわせて確認します。無料で使える受発注システムの条件と注意点は、無料で利用できる受発注管理システム2選|メリットや注意点を解説で整理しています。

費用の見方|金額ではなく、費用の項目で比べる

受発注システムの料金は、プランや取引先の数、ユーザー数、件数、導入支援の範囲などで変わるため、この記事では金額を載せません。見積を取るときは、初期費用、月額費用、ユーザー数や取引先数に応じた費用、件数に応じた費用、オプション、導入支援、保守の7項目に分けて、同じ条件で比べると、総額の違いが分かります。スクラッチ型とクラウド型で費用の考え方が異なる点は、受発注システムの費用相場は?スクラッチ型とクラウド型に分けて解説で紹介しています。

無料プランや無料トライアルは、試しに使うには便利ですが、データの保存期間、取引先の数、受発注の件数、ユーザー数に制限がある場合があります。本稼働を前提に比べるときは、有料プランの機能と費用も確認します。

他システムとの連携と、入力の二重化

受発注の情報は、販売管理、在庫管理、会計、ECなどとつながることで、入力の二重化を減らせます。連携の方法がCSVの取り込みだけなのか、APIでつなげるのかによって、日々の作業の手間が変わります。すでに使っているシステムがある場合は、そのシステムとの連携を最初に確認し、連携できない部分は手作業が残ることを前提に、運用を組みます。

受発注システムで確認したい法対応|電子帳簿保存法と取適法

受発注システムで注文書や見積書のデータをやり取りすると、電子帳簿保存法の「電子取引」にあたり、取引情報を一定の方法で保存する必要があります。

国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」によると、所得税と法人税の保存義務者が、取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的方式で授受する取引を行った場合は、その取引情報を電磁的記録、またはCOMもしくは書面により保存しなければなりません(問1)。電子取引には、EDI取引、電子メールで取引情報を授受する取引(添付ファイルを含む)、インターネット上のサイトを通じて取引情報を授受する取引などが含まれます(問2)。受発注システムでの注文のやり取りも、この電子取引に該当すると考えられます。

データのまま保存するときの要件

データのまま保存する場合の要件の概要は、国税庁の資料(問9・問17)で、次のとおり示されています。

区分要件受発注システムで確認すること
可視性見読可能装置(ディスプレイなど)の備付け、検索機能の確保日付・金額・取引先で検索できるか、画面や書面に出力できるか
真実性次のいずれかを行う。(1)タイムスタンプが付与されたデータを受領、(2)受領後遅滞なくタイムスタンプを付与、(3)データの訂正削除の記録が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムを利用、(4)訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け訂正や削除の履歴が残るか、または訂正削除ができない仕様か

国税庁は、クラウドサービスやEDIシステムを利用する場合について、取引情報に係るデータについて訂正削除の記録が残るシステム、または訂正削除ができないシステムを利用していれば、電子取引の保存に係る要件を満たすと考えられるとしています(問3)。保存期間は、各税法に定められた保存期間が満了するまでです。電子メールやダウンロードしたデータの場合は、タイムスタンプの付与や事務処理規程に基づく管理が必要になります。受発注システムを比べるときは、訂正削除の履歴と、検索・出力の機能を、判断軸の一つに入れておくと、あとから保存の方法を考え直す手間を減らせます。

国税庁が示す事務処理規程の例では、保存する取引関係情報として、見積依頼情報、見積回答情報、確定注文情報、注文請け情報、納品情報、支払情報が挙げられています(問19)。受発注の一連のデータを、どこに、どの期間、誰の責任で保存するかを、システムの導入前に決めておきます。事業規模などによる扱いの違いは、国税庁の資料で確認してください。

取適法で、発注内容の明示にシステムをどう使うか

取適法(中小受託取引適正化法)は、製造委託や役務提供委託などの取引で、委託事業者が中小受託事業者に発注するときの義務を定めた法律です。対象になるかどうかは、取引の内容や、資本金・従業員数の基準によって決まります。公正取引委員会の「よくある質問コーナー(取適法)」には、受発注システムの運用に関係する次の回答があります。

  • 電話で注文をする場合も、電話連絡後直ちに発注内容等の明示(4条明示)をしなければならず、電話のみによる発注は明示義務違反となる(Q49)。
  • EDIで発注する場合に、明示事項を記号(パターンコード)で通知するときは、それぞれの記号が何を意味するかを、あらかじめ書面または電磁的方法で中小受託事業者に明示しておけば、記号を使用できる(Q52)。
  • 代金の額が定められない正当な理由があるときは、EDIの単価欄に「0円」と表記して発注することが可能な場合がある。ただし、「0円」が実際の単価を意味しないこと、内容が定められない理由、内容を定める予定期日を明示し、決まり次第、直ちにEDIなどで補充の明示をする必要がある(Q62)。
  • 4条明示した内容の写しは7条記録(書類等の作成・保存)の一部にできるが、取引開始時に定めた事項だけの写しを保存するだけでは、記録の事項を満たせず、書類等の作成・保存義務違反になる(Q69)。

受発注システムを選ぶときは、発注内容を明示する形式、変更や補充の明示の履歴、取引の経緯の記録が残るかを、確認しておくと安心です。

本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。電子帳簿保存法や取適法の個別の判断は、国税庁、公正取引委員会、税理士や弁護士などの専門家に確認してください。

自社に合うタイプの絞り方|判断の目安とセルフチェック

自社に合う受発注システムは、「いま困っているのは取引先との窓口か、社内の管理か」と「取引先に使ってもらえるか」の2つの問いで、どのタイプから探すかを絞れます。

状況最初に見るタイプ次に確認すること
電話・FAX・メールの注文が多く、取引先がWeb画面を使えそうWeb受発注型取引先の費用負担、操作の案内、FAXの取り込み
取引先ごとに価格や取り扱い商品が違い、継続的に注文を受けるBtoB EC構築型価格設定の柔軟さ、基幹システムとの連携
大口の取引先から、決まった形式のデータでの受発注を求められているEDI型対応する標準、取引先側の対応状況
見積・受注・発注・請求の情報が別々で、案件や取引ごとの原価も把握したい販売管理・ERP一体型対象業種に合うか、導入期間、運用の担当者
窓口と社内管理の両方に課題があり、取引先の数も多い一体型、または接点型と社内管理型の組み合わせ連携の方法、取引先の負担、導入の順番
注文の件数が少なく、取引先も数社で、いまのやり方で困っていない今の方法を続ける(Excelなど)件数や取引先が増えたときに見直す

製品を並べた比較は、受発注管理システム15選(全20選)を徹底比較!|製造業・卸売業向きのものもで紹介しています。次のチェックで、いまの状況が社内の管理を軸にしたタイプと、取引先との接点を軸にしたタイプのどちらに近いかを確認できます。当てはまるものを選んでください。

自社は社内管理型と取引先接点型のどちらに近い?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

社内の情報が分かれている側に当てはまる場合の入口として、見積から受注、発注、支払までの情報を案件単位で管理する方法を、ZACの商品ページで確認できます。ただし、商品ページの対象はプロジェクト型ビジネスで、在庫を持って商品を継続的に販売する卸売などの適合は、資料で確認してください。

受発注システムの導入の進め方|取引先への案内と切り替えのポイント

受発注システムの導入は、対象の取引と業務の整理、候補の絞り込み、取引先への説明、試行運用、本稼働の順に進め、取引先への案内を早めに始めると、切り替えが滞りにくくなります。

  1. 対象の整理:受注と発注のどちらを、どの取引先から切り替えるかを決め、いまの注文の届き方と件数を書き出します。
  2. 候補の絞り込み:判断軸の表を使って、必須の条件を決め、2社から3社に同じ条件で見積と資料を依頼します。
  3. 取引先への説明:取引先に使ってもらうタイプでは、切り替えの時期、操作の案内、費用の負担を、早めに伝えます。
  4. 試行運用:一部の取引先だけで、注文から請求までの一連の流れを試し、帳票の様式や例外の注文の扱いを確かめます。
  5. 本稼働と見直し:取引先を順に広げ、FAXやメールとの併用の期間を決めて、履歴の保存と検索の方法も確認します。

切り替えのときに確認したいこと

  • 取引先・品番・単価のマスタを、誰がいつまでに整えるか。
  • 取引先がFAXやメールで注文を続けた場合の、取り込みと確認の手順。
  • 例外の注文(数量の変更、納期の変更、キャンセル)の承認と、変更の履歴の残し方。
  • 発注内容を取引先に明示する形式と、変更や補充の明示の方法(取適法の対象になる取引の場合)。
  • 電子取引のデータの保存先、保存期間、訂正削除の履歴(電子帳簿保存法)。

受発注の情報を、見積から支払まで社内で一元管理する選択肢を詳しく見たい場合は、次のボタンから、ZACの機能と対象業種を商品ページで確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 受発注システムとは何ですか?

A. 見積・注文・納品・請求などの取引情報を、電話やFAXではなくシステム上でやり取りし、受注側と発注側の入力と確認を減らす仕組みです。製品によって、受注側の機能が中心のもの、発注側の機能が中心のもの、両方を備えるものがあり、社内の管理を軸にするタイプと、取引先との接点を軸にするタイプに分けると比べやすくなります。

Q2. 受発注システムで有名なのはどれですか?

A. 知名度や利用企業数は製品によって異なりますが、自社に合うかどうかは、有名さよりも、タイプと取引先の使いやすさで決まります。比較サイトでは、利用企業が多いタイプ、カスタマイズにも対応できるタイプ、周辺業務の効率化にも対応するタイプなど、複数の切り口で製品が紹介されています。本記事の判断軸で絞ったうえで、製品を並べた比較は「受発注管理システム15選(全20選)を徹底比較!|製造業・卸売業向きのものも」を参考にしてください。

Q3. 無料の受発注システムはありますか?

A. 無料プランや無料トライアルを用意している製品はあります。ただし、データの保存期間、取引先の数、受発注の件数、ユーザー数などに制限がある場合があるため、本稼働を前提にする場合は、有料プランの機能と費用も確認します。受注側と発注側のどちらが費用を負担するかも、製品によって異なります。

Q4. 受発注システムと、販売管理システム・在庫管理システムは何が違いますか?

A. 受発注システムは注文のやり取りと履歴の管理、販売管理システムは売上・請求・入金と債権の管理、在庫管理システムは在庫の数と入出庫の管理が中心です。製品によっては、これらを一つにまとめた一体型もあります。ランキングで選ぶのではなく、自社の取引で困っている業務と、取引先に使ってもらえるかで、タイプを選びます。

Q5. EDIと受発注システムは何が違いますか?

A. EDIは、企業間で取引のデータを、標準的な規約で電子的に交換する仕組みです。受発注システムは、注文のやり取りと管理を行うシステム全体を指し、EDIに対応する製品もあります。大口の取引先から決まった形式のデータでの受発注を求められている場合は、対応する標準と取引先側の対応状況を確認します。

Q6. 受発注システムを使うとき、電子帳簿保存法への対応は必要ですか?

A. 注文書や見積書などの取引情報を電子的に授受した場合は、電子帳簿保存法の電子取引にあたり、データを一定の方法で保存する必要があります。国税庁は、取引情報のデータについて訂正削除の記録が残るシステム、または訂正削除ができないシステムを利用していれば、保存の要件を満たすと考えられるとしています。システムの比較では、訂正削除の履歴と、日付・金額・取引先での検索ができるかを確認します。個別の判断は税理士などの専門家に確認してください。

まとめ|受発注システムを比較するときに押さえる6つのこと

  1. 社内の管理を軸にするか、取引先との接点を軸にするかを、先に決める。
  2. 4タイプ(販売管理・ERP一体型、Web受発注型、BtoB EC構築型、EDI型)の違いを踏まえて、探すタイプを絞る。
  3. 取引先の使いやすさ、受発注の方法、連携、法対応、価格設定、履歴管理、導入とサポートの7つの判断軸で比べる。
  4. 取引先に使ってもらう場合は、取引先の負担と費用を誰が持つかを、導入前に確認する。
  5. 電子帳簿保存法の電子取引の保存要件と、取適法の発注内容の明示を、システムの機能と運用で確認する。
  6. 見積から支払までの情報を社内で一元管理したい場合は、ZACのようなサービスの資料を取り寄せ、自社の取引に合うかを確認する。

受発注システムは、導入すること自体が目的ではなく、取引先とのやり取りと社内の管理の手間を、無理なく減らすための手段です。まずは、いまの注文の届き方と件数を書き出し、困っている業務がどのタイプで解決できそうかを見極めてください。製品ごとの比較は、受発注管理システム15選(全20選)を徹底比較!|製造業・卸売業向きのものもも参考になります。

本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。法令の適用や契約の内容は、税理士や弁護士などの専門家に確認してください。国の資料、各社の公式ページ、商品ページは、2026年10月22日確認の内容に基づきます。

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