ウェビナーの開催方法とは?必要なもの・やり方・流れを詳しく解説

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  • ウェビナーの配信方法には、リアルタイム配信とオンデマンド配信の2種類がある
  • ウェビナー開催には、コスト削減だけでなく、集客力を向上させるなどのメリットがある
  • オフラインセミナーと違って視聴者の反応が分かりにくいため、対策が必要になる

近年、セミナーを開催する際にWeb上での「ウェビナー」を採用する企業が増えてきています。本記事では、これからウェビナーの開催を検討している方のために、開催時に必要なものや具体的なやり方の手順、成功させるための重要ポイントなどを詳しく解説しています。

目次

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  1. ウェビナーとは
  2. ウェビナー開催に必要なもの
  3. ウェビナーを開催するやり方
  4. ウェビナーを成功させる重要ポイント
  5. まとめ

ウェビナーとは

ウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた造語で、オンライン上で行うセミナーのことです。ウェブセミナーやオンラインセミナーと呼ばれることもあります。インターネット環境があれば、どこからでも参加できるのが大きなメリットです。

ウェビナーは、Webミーティングと違い、ホストの画像と音声は参加者全員と共有されますが、参加者の画像や音声はホストが許可した場合にのみ共有できる仕組みとなっています。したがって、ホストがセミナーを開催し、ホストが指名した人のみ質問などが行えます。

ウェビナーの配信方法は、決められた時間にセミナーを生配信で開催するリアルタイム配信と、ホストが録画したセミナー動画を配信するオンデマンド配信の2種類です。

リアルタイム配信では、リアルタイムで参加者とのコミュニケーションが取れます参加者は指定時間に視聴しなくてはなりません。一方、オンデマンド配信は編集した画像で配信でき、質の高いセミナーをいつでも視聴できます。ただし、視聴者の参加はできません。

本記事では、企業がマーケティングウェビナーを開催する際に必要なものや開催方法などについて詳しく解説します。

ウェビナー開催に必要なもの

マーケティングウェビナーの開催で最も重要なことの1つに、ウェビナー開催中に参加者を離脱させないことがあります。そのためには、視聴しやすいウェビナーを行う必要があり、下記にあるものの準備が必要です。

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パソコンまたはタブレット端末

動画を配信するウェビナーを開催するには、高速回線のインターネット環境が必要です。また、パソコンやタブレットとの接続は有線で行う方が安定した配信ができ、参加者の離脱を防げます。

また、ウェビナーでは動画を扱えるPCスペックが必要で、CPUはCore i5相当以上のもの、できればCore i7以上あれば安定した動画配信が可能です。配信中にパソコン内の他のツールも利用するならメモリは8GB以上をおすすめします。

カメラ

現在販売されているノートパソコンやタブレットにはカメラが標準搭載されていますので、それを利用することも可能です。しかし、性能が低いものが多く、画角も狭いのでWebミーティングであれば十分ですが、ウェビナーに向いているとは言えません

画像で細かい文字も鮮明に映したいなら、外部カメラをおすすめします。外部カメラを選ぶならフルHD(1080p)以上、フレームレート30fps程度、画角90°程度のものがおすすめです。また、複数人でウェビナーを行う場合の画角は画角120°程度が目安になります。

マイク

マイク内蔵のパソコンやタブレットも多いですが、音のクリアさがなかったり、雑音が入ったりするのでおすすめはできません。相手に聞き取りやすい音で配信するためには外付けマイクがおすすめです。

マイクの形状には、マイク単体型・ヘッドセット型・スピーカー型などがあります。マイク単体型は雑音を拾いにくく、ハウリングを起こしにくいタイプで、ヘッドセット型はマイクが口に近くクリアな音声になります。

スピーカー型は、スピーカーとマイクが一体になっており、複数名の音声を拾いたい場合に便利です。マイクの形状のほかに指向性もチェックしましょう。話し手が1人の場合は単一指向性のもの、話し手が複数でマイクを囲むような配置なら双指向性がおすすめです。

配信会場

ウェビナーは大きな会場を確保しなくても簡単に開催できるセミナーですが、配信会場はどこでもいいというわけではありません。第一条件はネット環境のある会場であり、できれば有線でつなげられる会場がおすすめです。

配信会場としてよく使われるのが自社の会議室です。会議室からの配信では、周囲の音を拾う場合もあるので、その部屋で配信をしていることを周知し、静かな環境を保つ必要があります。事前の画像確認で映りが悪ければ、照明などを用意するのがおすすめです。

また、貸しスタジオもよく利用されます。音響や照明などの環境がそろい、専門のスタッフの協力も得られるので、質の高い映像と音質のウェビナーが行えます。他には自宅での開催もできますが、照明などを使ってよりよい画質で配信できるような調整が必要です。

台本

講師やパネリストがいるウェビナーでは司会者を置く場合が多いです。司会者は、セミナーの内容や台本を講師やパネリストだけでなく、セミナーを支援してくれるスタッフとも共有する必要があります。

ウェビナーの台本は文字ばかりでは分かりにくいので、タイムスケジュールに沿った表示予定画面を並べ、その横にその画面で話す内容などを記しておくと見やすくなります。支援スタッフは台本に沿って、画面や音声の共有を切り替えていきます。

資料

セミナー内で使う資料の準備も必要になります。資料作成で重要なのは、参加者が見やすいことと飽きないことです。スマホでの参加者がいることを考え、24pt以上のフォントサイズかつ少ない文字数、さらに色やマーカーを使って見やすく工夫するようにします。

また、同じ画像を5分以上見せられると、参加者の離脱率は高まります。1画像1情報と考えておきましょう。パワーポイントなどではプロジェクターに合わせて4:3サイズの画像にしますが、ウェビナーではパソコンなどで視聴しますので、16:9サイズが適切です。

資料を事前に配布する場合は、ウェビナー参加への案内メールやウェビナー開催の概要ページに、資料ページのURLを記載してダウンロードしてもらうように案内します。終了後の配布であれば、アンケート機能を利用して資料ページURLの紹介ができます。

ウェビナーを開催するやり方

基本的にウェビナーは下記の5つのステップで開催します。ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説していきます。

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ウェビナーツールを選定する

ウェビナーを行うにはウェビナーツールが必要です。ウェビナーツールには無料で利用できるものも数多くあります。無料のものは機能や参加人数に制限があるものが多いので、必ず確認が必要です。また、有料ツールでも適正人数が設定されています。

有料ツールの料金体系には、主に月額定額制と従量課金制があるので、自社の開催頻度などを考慮して選択しましょう。中には参加者ごとにアカウントの取得や登録が必要なツールもありますが、敷居が高くなるため気軽に参加してもらうウェビナーには適しません。

配信環境・配信機材を準備する

配信環境・配信機材の準備は、顧客獲得のためのマーケティングウェビナーにおいて大変重要です。必ず配信状況や映像の映り具合を確認しましょう。映り具合の調整に照明が必要になる場合もあります。また、背景に参加者が気になる物の映り込みがないかも確認します。

加えて、背景とする壁やカーテンに細かな縞模様やメッシュ模様が入っていると、カメラを通した映像にモアレと呼ばれるちらつく縞模様が発生する場合があります。モアレの発生は参加者の集中力を奪い離脱を招く原因となるので、映像での確認が必要です。

集客を行う

集客で気をつけなければならないのは、ウェビナーツールの適正人数を超えないようにすることです。適正人数以上の参加者がウェビナーにアクセスすると、アクセスできなかったり、配信が断続的になったりして参加者の離脱に大きな影響を与えます。

また、ウェビナーへの参加を勧めておいて、参加できないのは会社の信用失墜にもつながるので、注意しなくてはなりません。よく行われる重客のための告知方法には、Webサイト・ブログ・SNS・メール・セミナーポータルサイトなどがあります。

リハーサルを行う

リハーサルは、ウェビナーツールを利用したことのないスタッフや講師・パネラーがいる場合は特に慎重に行いましょう。聴き手が目の前にいないウェビナーは、聴き手の反応が分かりにくいというデメリットがあることを全員で共有し、カバーできる体制作りが必要です。

リハーサルは、本番通りのツール設定で主催者と参加者の両方の画面・音声の共有ができるか、台本に問題がないかを確認します。そして、その場でカメラやマイクと出演者全員の位置関係の調整をします。同時にウェビナーツールや機器の使い方も確認しましょう。

ウェビナーを実施する

ウェビナー開始30分前には配信準備を完了し、開始時刻前に全員がスタンバイします。ウェビナーでは早口になりがちですので、ゆっくり丁寧に抑揚をつけて話すことが大切です。また、早口になったら周りのスタッフがサインを送るのも効果的です。

当日の質問には簡潔に答え、回答に不足があれば司会者がフォローできる体制を取っておくと、参加者への印象がよくなります。また、終了後にアンケート機能を利用した満足度調査を行うと、各回のウェビナーを評価するための資料となります。

ウェビナーは開催して終わりでなく、開催してからが営業の始まりです。ウェビナーの参加者は自社の商品やサービスに興味を抱いてくれた見込み顧客となります。見込み顧客を優良顧客に育てていくためには、メールや電話でのアフターフォローが重要です。

ウェビナーを成功させる重要ポイント

企業がウェビナーを開催する最大の目的は、顧客を拡大して企業収益を上げることです。したがって、参加者に興味を持ってもらえるウェビナーにしなくてはなりません。ここでは、そのための6つのポイントを解説します。

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目的に応じてターゲットを絞り込む

マーケティングウェビナーは、製品やサービスの販路拡大のために行います。そのため、製品やサービスに興味のある参加者にターゲットを絞り、購入に結びつく集客が必要です。また、既存顧客と新規顧客では集客方法も異なります。

既存顧客をターゲットに絞るなら、顧客データから買い替え検討中の顧客や同じようなサービス・商品を利用している顧客を洗い出し、ウェビナーの開催メールを送付するのがおすすめです。ただし、ウェビナーの内容も新規顧客に行うものとは変える必要があります。

一方、新規顧客の獲得を目的とするなら、Web広告・ポータルサイト・SNSなどが効果的です。Web広告は検索ワードなどから広告を表示するリスティング広告や、関連性が高いサイトのバナー広告などが有効です。新規顧客の獲得にはコストがかかります。

参加しやすい開催日時を考慮する

ターゲットとなる参加者層が参加しやすい開催日時を考慮することも重要です。例えば、子育て中の方をターゲットにする場合、子どもが学校や幼稚園に行っているお昼の時間帯や寝た後の夜の時間帯だと参加しやすいでしょう。

また、ビジネスマンが業務中に研修の一環として視聴することを想定している場合は、平日の日中に開催すると集客をしやすくなります。このように、開催日時はウェビナーの集客に大きな影響を与えるため、ターゲットに合わせて計画しましょう。

導線をシンプルにする

既存顧客の集客は、すでに企業側に顧客データがあるので比較的簡単です。しかし、新規顧客の場合は申込みにたどり着くまでの導線が複雑であったり、たどり着いても記入項目が多かったりすると、途中で諦めてしまう方も多くいます。

また、新規顧客は自社との関係が築けていないので、個人情報の記入に躊躇する方も多いです。したがって、新規顧客の参加方法の導線や申し込む際の記入事項は、できる限りシンプルにしましょう。連絡先さえ分かれば後から情報を送って追客することが可能です。

参加者とコミュニケーションを取る

ウェビナーは従来型のオフラインセミナーと違い、直接参加者の反応が見えないというデメリットがあります。その点を少しでもカバーするために、チャット機能で参加者の反応を感じ取りながら説明を付け加えるなどの方法がおすすめです。

そして、時折質問タイムを設けるなどすると、親しみやすいウェビナーになって参加者の印象がよくなり、離脱の防止にもつながります。参加者がセミナーに参加しているという実感を持たせられると、効果的なウェビナーになるでしょう。

配信トラブルを想定しておく

ウェビナー開催中に、映像や音声が乱れるなどのトラブル情報がチャットを通して入ってくる場合があります。講師がその場で対応するのは難しいので、対応できるスタッフの配置が必要です。起こりうるトラブルの原因や対処法は事前にマニュアル化しておきましょう。

また、ウェビナーを講師とスタッフの共同ホストで開催しておけば、仮に講師の通信が切断してしまってもウェビナーの強制終了は防げます。配信トラブルは、参加者側に問題がある場合もあるので、想定される改善策をチャットで連絡することも可能です。

録画してアーカイブを残す

ウェビナー開催中の内容は録画し、アーカイブを残すようにしましょう。そうすることで、当日は都合が合わず参加できなかった人にも後日視聴してもらえるため、視聴層の拡大に繋がります。また、参加者が後から振り返りたい場合にも活用可能です。

さらに、録画は主催者側が配信内容を見直し、改善するためにも活用できます。このように、アーカイブを残すことは、主催者側にも参加者側にも多くのメリットがあるため、忘れずに録画して有効活用しましょう。

まとめ

近年、Web上で行うウェビナーを活用して効果を上げている企業が増えています。ウェビナーの配信方法には、リアルタイム配信とオンデマンド配信の2種類がありますが、リアルタイム配信は参加者とのコミュニケーションが取れる点で人気があります。

ウェビナーは企業において、社員教育で活用されるとともに、顧客への販売促進や新規顧客獲得のために使われています。ウェビナーの活用にはコツがありますが、ウェビナーを上手に活用すれば、顧客の拡大化が図れ、企業の利益を増大させることが可能です。

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