レンタルサーバーとは?仕組み・選び方・契約手順を初心者向けに解説

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  • レンタルサーバーとは、Webサイトを公開したいユーザーにサーバーを貸し出すサービス
  • レンタルサーバーには4種類あり、一般的には「共有サーバー」が利用されている
  • レンタルサーバーを選ぶ際は、必要な容量・機能・十分なサポート体制などを確認する

レンタルサーバーとは、ホームページやブログを公開したいユーザーにサーバーを貸し出すサービスのことです。この記事ではレンタルサーバーを利用したことがない初心者向けに、サーバーの仕組みやレンタルサーバーの選び方・契約方法の手順を解説します。

目次

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  1. レンタルサーバーとは
  2. レンタルサーバーはなぜ必要か
  3. レンタルサーバーの種類とそれぞれのメリット・デメリット
  4. レンタルサーバーの相場
  5. レンタルサーバーの選び方
  6. レンタルサーバーを契約する際の手順
  7. まとめ

レンタルサーバーとは

レンタルサーバーとは、インターネット上に情報を公開したいユーザーにサーバーを貸し出すサービスのことです。「ホスティングサービス」「サーバーホスティング」と呼ばれることもあります。

個人のブログはもちろん、企業のホームページ・メールアドレス・ネットショップなどを作るには、どれもサーバーが必要です。

サーバーを購入して運用することも可能ですが、設置する場所・24時間の管理・電気代・故障時のメンテナンス・セキュリティ対策などが必要になります。そのため、設備投資できる大企業や運用知識のある方を除いては、レンタルサーバーを利用するのがおすすめです。

レンタルサーバーであれば、大きなコストがかけられない中小企業や専門知識のない個人であっても、気軽にWebサイトを立ち上げることができます。

サーバーの役割

そもそもサーバーとは何なのかを解説しておきましょう。サーバーとは、インターネット上の情報を保管しておくための大容量ハードディスクを備えたコンピューターのことです。

パソコンやスマホから「この情報が欲しい」とリクエスト(要求)を受けると、その情報を探して配信する役割を持ちます。

普段読んでいるニュースサイトや買い物をしているECサイトはもちろん、Instagram・Twitter・FacebookといったSNSやスマホアプリもすべてサーバー上にあります。

レンタルサーバーの仕組み

レンタルサーバー事業者は専用の施設にサーバーを所持しており、それらを月額や年額契約でユーザーに貸し出しています。ユーザーが作成したホームページやブログ記事を転送しておけば、必要なときにサイトに表示してくれるという仕組みです。

自分で高額な設備投資を行う必要がなく、専門知識を持ったプロが管理・運営してくれます。なお、転送できる情報の量や配信の速度に関しては、業者やプランにより異なります。

レンタルサーバーはなぜ必要か

「レンタルサーバーは本当に必要か」「無料でホームページが作れるサービスを使えば必要ないのでは」と考える方もいるかもしれません。確かに、レンタルサーバーを契約しなくても無料でWebサイトが作成できるサービスも多数存在します。

しかし、広告が入ったりデータ容量に制限があったりなどで自由度が低く、企業向けホームページを構築するにはスペック不足となることが多いです。ここでは、レンタルサーバーを何に使うのか、何ができるのかを詳しく解説します。

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オリジナルのホームページ・ブログ・ECサイトが作成できる

レンタルサーバーを利用すれば、オリジナルのホームページ・ブログ・ECサイトが作成できます。事業内容を伝えるコーポレートサイトはもちろん、定期的に新しい商品やサービスを紹介するブログの解説も可能です。

無料のホームページやブログサービスと違い、有料のレンタルサーバーなら広告は入らずデザインもカスタマイズ自在です。

最近は、専門知識がまったくない方でもすぐに見映えのいいサイトが作れるCMS(コンテンツ管理システム)も増えています。レンタルサーバーによっては、申し込み時にCMSを自動でインストールしてくれるサービスもあります。

独自ドメインが使用できる

レンタルサーバーを契約すると、独自ドメインが使用できます。簡単にいえば「好きなURLでWebサイトが作れる」ということです。

企業の場合、URLも信頼度に関わる重要な要素のため、無料のホームページサービスで提供される余計な文字列の入ったものは避けるべきです。

ドメインとは?

ドメインとは、Webサイトの住所のようなもので、ブラウザの上部に表示されているURL「 http://○○.○○」の「○○.○○」部分を指します。ドメインが住所なのに対し、サーバーは土地・Webサイトは家に例えられます。

  1. サーバー=土地
  2. ドメイン=住所
  3. Webサイト=家

レンタルサーバーが持つ広大な土地の一部を借り、住所を決めて家を建てるイメージです。なおドメインはサーバーとは別にドメイン会社と契約して取得しますが、レンタルサーバーとセットになっている場合もあります。

独自メールアドレスが使用できる

独自ドメインが取得できれば、同じ文字列のメールアドレスも使えるようになります。メールアドレスもURLと同様に会社の信頼度を表す大切な要素のため、無料のWebメールではなく独自のものを持つのがおすすめです。

自社名が入ったメールアドレスであれば、取引先にも覚えてもらいやすいでしょう。Webサイトと関連のないメールアドレスはユーザーに不信感を与える可能性もあるため、Webサイトを利用しているユーザーとのメールのやり取りは、独自メールアドレスで行いましょう。

メールサーバーとは?

メールサーバーとは、レンタルサーバーを契約するときに付随するメールの送受信用サーバーです。独自ドメインを設定すれば、好きなメールアドレスで利用できます。

メールの送受信は、サーバーが提供しているメーラーもしくは別個のメールソフトやアプリで行えます。

Webアプリが公開できる

レンタルサーバーは、Webアプリの基盤として使われることもあります。SNS・お店の予約サイト・レシピサイトなどが代表的な例です。

レンタルサーバーにはいくつか種類があり、主にWebアプリの開発に使われるのは後述する「仮想専用サーバー(VPS)」というサーバーです。

レンタルサーバーの種類とそれぞれのメリット・デメリット

レンタルサーバーには主に、共有サーバー・専用サーバー・仮想専用サーバー(VPS)・クラウドサーバーの4種類があります。ここではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

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サーバーの種類特徴
共有サーバー1台のサーバーを複数人で共有する
専用サーバー1台のサーバーを専有して使う
仮想専用サーバー(VPS)1台のサーバーの中に複数の仮想サーバーがあり、それぞれを専有する
クラウドサーバー仮想専用サーバーの機能やサイズをカスタマイズして使う

共用サーバーのメリット・デメリット

一般的に「レンタルサーバー」というと、共有サーバーを指していることがほとんどです。1台のサーバーを多数の人がシェアして使っています。専門知識不要で気軽に利用できる上に費用も安いため、初めてレンタルサーバーを利用するなら共有サーバーがおすすめです。

メリットデメリットこんな方におすすめ
費用が安い共有している他サイトが混雑すると動作が重くなるできるだけローコストでサイト運営したい方
難しい初期設定不要ですぐに利用できるサーバーダウンのリスクがあるサーバーを運用する知識がない方
自分で管理する知識は不要

専用サーバーのメリット・デメリット

1台のサーバーを丸ごと借りて使うのが専用サーバーです。自分専用のため他サイトの影響を受けることはなく容量も大きいですが、共有サーバーよりもコストが高くなります。ページ数も訪問者数も多い大規模なサイト向けです。

メリットデメリットこんな方におすすめ
専有のため管理の自由度が高いコストが高いページ数の多いサイトや安定性が重視される大規模なECサイトを運営したい方
持てる容量が大きい専門知識がないと運用できない管理する知識がある方
サイトの表示速度が速い

仮想専用サーバー(VPS)のメリット・デメリット

仮想専用サーバー(VPS=Virtual Private Server)とは、1台の物理サーバーの中に仮想技術によって作られた複数の仮想サーバーが存在するものです。1台のサーバーを共有しつつも自分専用のスペースが持てるため、使い勝手としては専用サーバーとほぼ同じです。

共有サーバーと専用サーバーの中間に位置づけられており、共有サーバーよりは自由度が高く、専用サーバーよりも安価なのが特徴です。また、Webアプリの公開にはVPSが使われることが多いです。

メリットデメリットこんな方におすすめ
共有サーバーよりも自由度が高いサーバー運用の知識が必要管理の自由度は欲しいがコストを抑えたい方
専用サーバーよりも費用が安い運用やメンテナンスの手間がかかるWebアプリの開発、公開でサーバーをレンタルしたい方

クラウドサーバーのメリット・デメリット

クラウドサーバーもVPSと同様に、1台のサーバーの中に複数の仮想サーバーがあるものです。VPSは借りられるサーバーのサイズが決まっていますが、クラウドサーバーは必要に応じてサイズや機能を変更できるのが特徴です。

VPSより自由度が高くなりますが、運用するには専門的な知識が必要となります。一般的な企業のホームページや小規模なネットショップを運営する程度であれば、クラウドサーバーはオーバースペックになるケースが多いです。

メリットデメリットこんな方におすすめ
契約後も必要に応じて機能を追加・削除できる自由に設定するには専門知識が必要アクセスの変動がある大規模なECサイトを運営する方
処理能力は専用サーバーと同等従量課金のためVPSよりも高額になることがある自分でカスタマイズする知識がある方
CPU、メモリなどを拡張できる

レンタルサーバーの相場

レンタルサーバーは、サーバーの種類によって利用料が大きく変わります。契約期間・容量が同じでもサーバーの種類が異なれば金額も大きく変わるため、導入前に利用料を確認しましょう。サーバーの種類ごとの平均的な月額料金は以下の表の通りです。

サーバーの種類月額料金の相場
共有サーバー1,000円程度
専用サーバー10,000円程度
仮想サーバー1,000円以下
クラウドサーバー5,000円程度

レンタルサーバーは1か月・半年・1年・3年のように、契約期間別でプランを用意しているケースが多く、期間が長いほど1か月あたりの利用料が安くなる傾向にあります。

ブログをお試しで作るなど、長期的に利用するか判断ができない場合は、1年程度で様子見をし、継続が決定したらさらに期間の長い割安なプランに変更するのがおすすめです。

無料のレンタルサーバーとの違い

レンタルサーバーの中には、無料で利用できるものもあります。無料ということで導入のハードルは低いですが、有料のレンタルサーバーと以下のような違いや注意点があります。

  1. 商用利用できない場合がある
  2. 保管できるデータ容量が少ない
  3. 強制的に広告が表示される
  4. サポートが手薄
  5. SSL非対応の可能性がある

商用利用を認めていないレンタルサーバーでは、アフィリエイトやECサイトの運営はできません。また、セキュリティ強化を行うSSLに非対応のサーバーは、ユーザーに不信感を与えるだけでなく、SEOにも影響します。

無料のレンタルサーバーは上記5点に注意し、必要に応じて有料のレンタルサーバーの利用も検討しましょう。

レンタルサーバーの選び方

ここからは、レンタルサーバーを選ぶ際に重要なポイントを解説します。容量・料金・サポート体制などを確認し、自社のニーズに合ったものを選んでください。

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適切な容量・料金プランはあるか

レンタルサーバーは、保管できるデータ容量に応じて料金が設定されています。作りたいサイトの規模や数に合わせて、適切なプランを選びましょう。高額なプランは容量が大きいですが、小規模なサイトであれば上位プランは必要ないことも多いです。

たとえば、企業のホームページを1つ作るだけであれば、50〜100GB程度の最低限プランで十分です。逆にサイトを複数運営したい場合や商品数の多いECサイトを作る場合は、300GB以上あると安心です。

運用年数・実績

レンタルサーバーは現在10社以上あります。どの会社を選ぶべきかは、運用年数と実績で判断するのが賢明です。運用年数が長ければそれだけ信頼を積み重ねてきた証明になるため、安心して契約できます。

またユーザー数や稼働率といった実績が明記されているかもチェックしましょう。ユーザー数が多ければ、何かトラブルや不明点が出てきたときもネット上で解決策が見つかりやすいです。

用途に合った機能があるか

必要に応じて、以下のような機能があるかも確認しましょう。最も注視したいのは「マルチドメイン機能」です。企業のホームページの他、ブログ・ネットショップ・キャンペーンサイトといった複数のページを作る予定がある場合は必須の機能です。 

機能名どんな機能か必要な方
マルチドメイン機能1つのサーバーで複数のドメインのサイトが運営できる作成したいサイトが複数ある方
CMS対応コードを書かずに完成度の高いサイトが作成可能なCMSをインストールできるWebデザインの知識はないが簡単に見映えのいいサイトを作りたい方
バックアップ機能万が一トラブルがあったときのために自動でデータを複製する手動でバックアップをとる方法がわからない方や手間を省きたい方

データ転送量

「データ転送量」とは、サーバーに保管できる容量とは異なります。具体的には、以下のようなものがデータ転送量に該当します。

  1. サイトを表示した際にサーバーから閲覧者に転送されるデータ量
  2. メールを送受信した際に転送されるデータ量

サイトの訪問者が多くなると転送量も比例して大きくなります。レンタルサーバーのプランによってはデータ転送量に制限があり、契約している量を上回るとサイト表示が遅くなるだけでなく警告を受けることもあるので注意が必要です。

画像・動画の多いサイトを作る場合や多数のアクセスが見込まれる場合は「無制限」のプランを選びましょう。

サイトの表示速度

サイトの表示速度もまたレンタルサーバー選びにおいて重要な項目です。表示速度が遅いとSEO(検索エンジンからサイトに訪れる人を増やすこと)において不利になり、結果的に会社の知名度や売上に大きく影響します。

一般的に、表示に3秒以上かかるとユーザーは離脱すると言われています。表示速度1秒以下と謳っているレンタルサーバーも多いので、契約前にスピードに関する訴求があるかを確認してみましょう。また、プランによってスピードが変わる場合もあります。

サポート体制の充実度

レンタルサーバーにおける「サポート」とは、メールもしくは電話によるものです。サポートが充実していれば、何か不明点やトラブルがあってもすぐに質問できるので安心です。

電話サポートは上位プランのみというレンタルサーバーもあり、「メールだけでも十分なのでは」と考える方も多いかもしれません。

しかし、メールだけでは状況をうまく文章化できなかったり返信に時間を要したりするため、早急に解決したいときには不向きです。可能であれば、メールと電話どちらのサポートもあるプランがおすすめです。

レンタルサーバーを契約する際の手順

ここではレンタルサーバーを実際に契約する際の手順を解説します。ドメイン取得も必要になるため、併せて確認しましょう。

1. サーバーの運営会社・プランを決める

上記の選び方を参考に、まずはレンタルサーバーの運営会社とプランを決めましょう。契約はオンラインで完結します。支払いはクレジットカード・銀行振込・口座振替・コンビニ決済などが使えるところが多いです。

2. ドメインを取得する

ドメインはドメイン会社と契約して取得しますが、レンタルサーバーを契約したときにセットで取得できる場合もあります。「〇〇.com」「〇〇.jp」「〇〇.net」などが人気ですが、ドット以降の部分も多くの選択肢があり料金も変わってくるためよく吟味しましょう。

なお、ドメインもサーバーと同じように月額や年額がかかりますが、「レンタルサーバーを契約中はドメインが永年無料」のようなサービスを提供しているところもあります。

ただし、このようなケースはレンタルサーバーを解約するとドメインも使えなくなるため、注意が必要です。

3. ドメインの関連付け(DNS設定)を行う

レンタルサーバーとドメインどちらも契約したら、ドメインの関連付け(DNS設定)を行います。簡単にいうと取得したホームページの住所を電話帳に登録するような作業で、多くのレンタルサーバーは無料で代行してくれるので何もする必要はありません。

ただし、レンタルサーバーとドメインを別の会社で契約した場合は、自分で設定が必要なこともあります。その場合の関連付け方法は、レンタルサーバーのマニュアル等を参照しましょう。

まとめ

レンタルサーバーは、自分で運用するのが困難なサーバーを専門業者から借りて利用できるサービスです。専門的な知識がなくても、会社のホームページ・ブログ・ECサイトを気軽に制作できます。

レンタルサーバーを契約する際は、必要な容量・料金・機能・データ転送量などを確認して適切なプランを選びましょう。初心者には、必要最低限の容量かつトラブルに対処できる電話やメールサポートのあるプランがおすすめです。

また、同時に独自ドメインの取得も必要なため、あらかじめどのようなドメインにするか考えておくと、スムーズにWebサイト作成に進めます。レンタルサーバーを利用してオリジナリティの高いサイトを作り、自社のサービス訴求や売上アップに繋げていきましょう。

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