面倒な交通費精算を効率化して楽にするには?課題と解決策を解説

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  • 交通費精算には、精算書のミスへの対応や小口現金管理に手間がかかるなどの課題がある
  • 交通費精算業務を効率化するには、交通系ICカードや経費精算システムを活用する
  • 交通費精算アプリ・経費精算システム導入の際は、自社の課題把握と社内研修が重要

経費精算業務の中でも、特に多い業務が交通費精算ですが、交通費精算にはさまざまな課題があります。交通費の申請や承認に時間がかかり、経理担当者の業務負担になっている企業も多いです。本記事では、面倒な交通費精算業務を簡単に効率化できる方法を解説します。

目次

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  1. そもそも交通費精算とは
  2. 交通費精算の流れ
  3. 交通費精算の課題
  4. 交通費精算を効率化するメリット
  5. 面倒な交通費精算を効率化する方法
  6. 交通費精算システム・経費精算システム導入の注意点
  7. まとめ

そもそも交通費精算とは

出張や外回りなど、企業で働いていると常に発生するのが交通費です。基本的に交通費は従業員が立て替える企業が多く、会社に申請して交通費の精算をする必要があります

交通費を精算するためには、従業員が精算書を作成し、上司の承認後に経理で精算処理を行います。複数人の人員を経由することから処理が滞りやすく、従業員や経理担当者の負担も多くなってしまいます。

しかし、近年ではICカードの普及で、アプリやシステムを導入すると、交通費精算を自動化して楽に処理することが可能になりました。本記事では、交通費精算の流れや交通費精算を効率化するための方法などについて解説します。

交通費として計上できる主な費用

交通費は移動にかかった費用を指しますが、経費として精算する際には細かく分類されることがあります。一般的に、交通費として計上できる費用は以下のとおりです。

  1. 電車代
  2. バス代
  3. タクシー代
  4. ガソリン代
  5. 駐車場代

出張での新幹線代は企業ごとに異なり、旅費としてまとめて計上するケースと交通費で計上させる2つのパターンに分かれます。に分かれます。

交通費精算とは?精算書の書き方を交えて精算のやり方を解説

交通費精算とは、営業活動や出張の際に従業員が立て替えた移動費を会社が精算することを言います。本記事では、交通費精算の申請から精算までの流れや、交通費精算書を書く際の注意点、交通費精算業務を効率化するためのポイントを解説しています。

交通費精算の流れ

従業員が会社に交通費を精算してもらうには、交通費精算書の作成や上司の承認などが必要です。ここでは、一般的な交通費精算の流れを解説します。

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交通費精算書を作成

出張や営業の外回りなどで発生した交通費を会社に請求する際には、まず従業員が交通費精算書を作成しなければなりません。交通費精算書には、「日時」「利用した交通手段と経路」「運賃(片道・往復)」「訪問先の場所と目的」などを記載します。

多くの企業は社内で交通費精算書のフォーマットを用意しており、記入漏れがないように記入するだけです。タクシーは領収書がもらえますが、電車やバスを利用する場合は金額をメモして忘れないようにしましょう。

交通費精算書の書き方とは?作成時の注意点・無駄を防ぐ対策も解説

従業員が立て替えた交通費を精算する際に必要なのが交通費精算書です。頻繁に処理が発生するものですが、案外ミスや修正が多い書類でもあります。この記事では、交通費精算書の書き方・作成時に注意したいポイント・無駄や不正を防ぐための対策などについて詳しく解説します。

上司に承認を得る

交通費精算書を作成したら、直属の上司に領収書を添えて提出します。上司が内容を確認して問題が無ければ承認印を押し、その後経理に書類が回ります。

しかし、上司が出張や会議などで不在が多い場合をはじめ、他の案件を多く抱えている場合はなかなか手が回らず、迅速に承認印がもらえないこともあります。スムーズに精算処理を進めたいときには、あらかじめ上司のスケジュールを確認しておきましょう。

経理担当者に提出・承認を得る

上司の承認が終わった後、経理担当者が交通費精算書の処理を行います。交通費や経路・日付などの記載事項にミスがないか、領収書と交通費に差額が生じていないか、金額が正しいかなどをチェックします。

その他、最短ルートを通っているのか、定期区間を通っている場合には運賃が控除されているか、不正な申請をしていないかなど、入念な確認が必要です。会社によっては、間違いがないかを複数人でダブルチェックすることもあります

精算金を受け取る

交通費精算書と領収書を確認し、ミスや問題がなければ交通費の支払いをします。一般的に精算金は、経理が管理している会社の小口現金から支払われることが多いです。

仮に、精算書の内容にミスがあった場合は、申請した従業員に差し戻され、訂正してから再度提出する必要があります。多くの企業では交通費の精算を月末締めにしており、期日間近に提出する従業員が多いと、経理担当者の負担が大きくなりやすいです。

交通費精算の課題

交通費を精算する手順は多くないですが、金額の計算に時間がかかったり、精算書の不備が生じたりする課題点もあります。ここでは、交通費精算にはどのような課題があるのかを解説します。

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金額の計算に時間がかかる

交通費の精算は、申請者から上司・経理担当者を経由して支払われます。複数人の承認と確認が必要になるため、支払いが行われるまでに時間がかかってしまいます。特に、コア業務が立て込んでいると交通費精算は後回しにされやすいです。

精算書を受け取った経理担当者は、交通費の金額の計算だけでなく記載に間違いがないかを入念にチェックする必要があり、なかなかスムーズに処理ができません。さらに、管理ファイルなどに精算書の集計やデータを入力するのも、大きな負担になります。

また、経理に提出する前段階、上司に承認印をもらう工程でも、上司が不在がちな場合はなかなか手続きが進まず、経理にたどり着くまで時間がかかることも考えられます。

不備がある精算書が多い

基本的に、交通費精算書は従業員が営業や出張から会社に戻った後に作成します。しかし、他の業務が立て込んでいたり忘れてしまったりすると、精算書の作成が遅れてしまいます。

そして、精算書を後日作成する場合、金額の記憶が曖昧になることもあり、提出期日ギリギリでの作成はミスをしやすいです。特に、複数回の外回りや出張が続く従業員は、記載ミスも増えてしまいます。

経理担当者は書類にミスがないかを確認し、不備があれば再提出を促して再度チェックする必要があるため、大きな業務の負担となります。

小口現金の管理に手間がかかる

一般的に、交通費は会社の小口現金から支払われます。小口現金とは少額の費用を支払うために会社が用意している現金で、小口現金出納帳などの帳簿に付けて経理で管理しています。

小口現金から入出金するたびに帳簿付けが求められ、金額の確認や管理も経理担当者の大切な業務です。1円でも現金が合わないと、担当者は原因を探し続けなければなりません。

小口現金の管理は経理担当者の負担が大きく、頻繁に交通費の請求が発生すると大きなストレスにもつながります。

振り込み手数料がかかる

現金ではなく振り込みで経費の精算をする場合、振り込み手数料が発生します。現金を管理する手間と引き換えにコストがかかるため、経費がまれにしか発生しない企業の場合は、現金での管理がおすすめです。

反対に、多くの従業員と頻繁に経費精算をしなければならない場合は、振り込み手数料をかけてでも現金管理の手間をなくす方がメリットが大きいです。現金と振り込みのどちらが良いかは、経費精算頻度の多さに合わせて選びましょう。

交通費精算に関するルール・業務フローが曖昧

交通費精算は、会社によっては申請方法やルールが明確に周知されておらず、従業員が業務フローを理解していない場合があります

例えば、内勤をしている従業員がセミナー参加の際に交通費が発生した場合、交通費請求の方法がわからないと教えが必要となり、作成から処理されるまで時間がかかってしまいます。

また、慣れていない者が精算書を作成すると、記載ミスと書き方を勘違いしている可能性が高く、差し戻して再チェックを行う工程にも時間がとられやすいです。

交通費精算を効率化するメリット

交通費精算は単純な業務にも思えますが、従業員の申請作業から承認フロー、経理での仕訳処理や振り込みまで、多くの工程を必要とする煩雑な業務です。これらを効率化することで、以下のようなメリットが得られます。

従業員の作業負担軽減

交通費精算を効率化する最大の利点は、従業員の作業時間を大幅に削減できることです。従来は紙の領収書を貼り付けて手書きで申請書を作成したり、エクセルに入力して経理に提出したりと、多くの手間がかかっていました。

効率化によって入力作業が自動化されれば、従業員は本来の業務に集中できるようになります。また、スマートフォンアプリや交通系ICカードと連携すれば、移動履歴から自動で経路と金額を読み取れるため、申請の手間・申告ミスも減らせます。

経理部門の処理スピード向上

従業員側だけでなく、経理部門にとっても効率化は大きなメリットとなります。従来の提出された申請を1件ずつチェックし、領収書や交通費の金額を突き合わせる作業は、非常に時間のかかるものでした。

しかし、効率化ツールを導入すれば、システム上でデータを自動照合できるため、チェック作業の短縮に加え、承認フローもスムーズになります。

その結果、経理担当者が単純作業に追われず、分析や予算管理といった付加価値の高い業務にリソースを割り当てることが可能です。特に、月末月初の繁忙期には、処理スピードの向上が業務全体の効率化を大きく左右します

面倒な交通費精算を効率化する方法

交通費の精算はすべて手作業で行うと時間がかかってしまい、経理の大きな負担となります。ここでは、交通費精算を効率化するための方法について解説します。

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SuicaやPASMOなど交通系ICカードを利用

近年は交通系ICカードの普及が加速しており、多くの労働者が利用しています。ICカードはSuicaやPASMOなど、地域によって異なる名称・種類があり、公共交通機関の運賃だけでなく、コンビニやドラッグストアなどの支払いでも利用できるのが特徴です。

仕事中の公共交通機関の利用時に交通系ICカードを使えば使用履歴が残るため、どの区間の交通機関を利用したのか、運賃・日付も一目でわかり非常に便利です。

例えば、会社のタブレット端末などに、従業員のICカードの情報を記録しておけば、従業員がその都度精算書を記載する手間も省けます。さらに、タクシーや飛行機など、ICカード非対応の交通費のみ精算書を提出するだけにすると、管理が大幅に楽になります。

二重計上やプライベート利用との混合には注意

交通系ICカードで交通費精算を行う際は、二重計上やプライベート利用との混合に注意しましょう。ICカードを利用するには現金でチャージしなければなりませんが、チャージ金額と実際に利用した金額を両方経費として申請すると、二重計上につながります

また、プライベートでも利用しているICカードの場合、仕事で使った履歴との区別がつきにくくなってしまうため、経費処理する際は厳重な確認が必要です。なお、混合を避けるために、会社側が仕事用のICカードを支給するのも1つの方法です。

交通費精算システムを導入

交通費精算をシステム上で行える交通費精算システムも存在し、モバイル端末で利用できるアプリも用意されています。パソコンを開かずに、iPhoneやAndroidで簡単に使用できるのがアプリの魅力です。

交通費精算システムは交通費を手入力するだけでなく、領収書を撮影すれば自動データ化される機能、領収書のチェック・突合機能など、さまざまな便利な機能が備わっています。

多くの交通費精算システムはSuicaなどの交通系ICカードと連携が可能であり、ICカードで利用した交通費の計算をはじめ、定期区間の自動計算機能などが使えます。

料金体系としては、領収書の件数に合わせた従量課金制や、支払い金額が固定の月額料金制などがあります。システムの種類によって機能や料金が異なるため、用途に合った使いやすいタイプを選びましょう。

経費精算システムを導入

交通費精算機能が充実した、経費計算システムを導入するのもおすすめです。システムでは、交通費ICカードとの連携で申請者の作業が自動化され、精算書の作成が不要になって大幅な業務効率化に役立ちます。

また、給与計算システムや人事システムなど、経費計算システムと親和性が高い既存ツールとの連携も可能です。これらのシステムを一括して管理すると、交通費計算だけでなく業務全体の効率化が図れます。

交通黄検索機能やクレジットカードとの連携など、便利な機能が備わっているツールもあるため、自社が必要な機能を搭載した経費精算システムを導入しましょう。

経費精算システムとは?導入のメリット・デメリットと選び方を解説

経費精算システムとは、企業における経費精算業務の自動化・効率化をしてくれるものです。この記事では、経費精算システムを利用したことがない方のために、経費精算システムの機能やそのメリットやデメリット、システムの選び方など導入前に抑えておきたいポイントを解説します。

交通費精算システム・経費精算システム導入の注意点

交通費精算を効率化できる交通費精算アプリや経費精算システムは便利な反面、導入時には注意点もあります。ここでは、システム導入における注意点を解説します。

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自社の経費精算業務の課題を把握

まずは、経費精算業務について自社がどのような課題を抱えているのかを、把握する必要があります。経理担当者の業務負担はもちろん、申請者の精算書作成方法や上司から経理に書類が届くまでの流れを確認しましょう。

例えば、申請者の記載ミスが多いのか、上司の承認が得られるまでに時間がかかっているのか、経理担当者が多忙で手が回っていないのかといった課題の原因を探ります。そして、申請者・上司・経理担当者それぞれに要望をヒアリングするのが重要です。

ヒアリング結果を基に、どの交通費精算アプリや経費精算システムを導入すると、効率的な業務が実現できるかを検討しましょう。十分にヒアリングを行わないと、新しいツールを導入しても活用できていないといった状態に陥るため、注意が必要です。

無料トライアルで従業員が使いやすいか確認

交通費精算アプリや経費精算システムは、従量課金制や月額料金制などの料金体系があります。実際に従業員が使ってみて使いやすいかどうか、導入を迷っている企業の方は無料トライアルでお試しするのがおすすめです。

交通費精算アプリや経費精算システムには、スマホを経由して交通費申請から承認まで完結できるものや、Suicaで打刻申請・経費精算ができるものなどさまざまな機能が備わっています。

交通費精算アプリや経費精算システムは、経理担当者向けのタイプもあり、申請者には使い方が複雑に感じる場合があります。実際に触ってみて、操作は簡単なのか不便なところはないのかなど、確認してから導入を決めると安心です。

社内への周知のために研修を行う

今までは紙某体で交通費精算書を作成していた企業が、スマホで交通費を申請するように変えてしまうと、拒否反応を起こす従業員もいます。特に年配の従業員が多い企業は戸惑ってしまう方も多いでしょう

交通費精算アプリや経費精算システムを導入する前に、従業員向けのマニュアルを作成し実際に入力してみるなどのレクチャーを行うのがおすすめです。しっかり研修を行った上で使い方に不明点はないか、従業員一人ひとりに確認しましょう。

従業員の同意を得られず急に新システムを導入すると、使い方が分からず申請ミスが増えてしまい、経理担当者にさらに負担をかけることになります。

導入後のサポート体制まで考える

交通費精算アプリや経費精算システムを導入する前にしっかりと研修を行い、ヒアリングをしていても、いざ使いはじめると予想外の問題が浮上する場合もあります。もし問題が起こった場合でも、サポート体制を整えていればスムーズに解決に導けます。

例えば、申請者が申請方法や交通費入力の方法が分からない時は、サポートする担当者を決め、社内の経費関連の問い合わせ窓口を作るなど、あらかじめ準備しておきましょう。

また、よくある疑問点をまとめた質問集の作成や、質問できる問い合わせフォーマットを作っておくのも有効です。

まとめ

交通費の精算は、従業員が精算書を作成し、上司の承認印をもらってから経理に申請するのが一般的です。しかし、金額の計算に時間がかかり、不備のある精算書が多いことから、申請者にも経理担当者にも負担が掛かりがちです。

交通費精算アプリや経費精算システムを導入すると、交通系ICカードとの連携が可能で、交通費の管理が自動化できます。給与計算システムなどの他のツールと連動できるタイプも多く、業務全般の効率化が図れます。

自社の経費精算業務の課題を把握し、従業員が使いやすいシステムを取り入れましょう。

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