オンラインストレージの暗号化とは?重要性や暗号化する方法を解説

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  • オンラインストレージの暗号化は、不正アクセスによる情報漏洩を防ぐために重要な対策
  • オンラインストレージの暗号化には、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の2方式がある
  • 暗号化だけでは全ての脅威を防げないため、暗号化以外の機能も確認するのがおすすめ

オンラインストレージはオンライン上にファイルを保存するため、強固なセキュリティ対策が必要となります。中でも暗号化は、情報漏洩を防ぐために重要な対策の1つです。この記事では、オンラインストレージにおける暗号化の重要性や方式・方法などについて解説します。

目次

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  1. オンラインストレージの暗号化とは
  2. オンラインストレージにおける暗号化方式
  3. オンラインストレージの暗号化の範囲
  4. オンラインストレージを暗号化する方法
  5. オンラインストレージを暗号化する際の注意点
  6. オンラインストレージは暗号化機能以外にも注目しよう
  7. まとめ

オンラインストレージの暗号化とは

オンラインストレージとは、インターネット上データを保存できるサービスのことで、「クラウドストレージ」とも呼ばれます。オンラインストレージの利用によって、ファイルやデータをオンライン上のサーバーにアップロードし、必要な時にアクセスできます。

オンラインストレージの主なメリットは、データのバックアップや共有が容易であり、どこからでもアクセスできる点です。一方で、サイバー攻撃の標的になりやすいため、暗号化を始めとするセキュリティ対策が重要になります。

オンラインストレージの暗号化とは、第三者による閲覧やアクセスができないようにデータの変換を行うことです。オンラインストレージの暗号化によって、データのプライバシーや機密性が保護されます。

オンラインストレージとは?メリット・デメリットと選び方を解説

オンラインストレージとは、ローカルのHDDなどの記憶容量にデータを保存せずに、インターネット上のストレージにデータを保存するサービスのことです。本記事ではオンラインストレージの仕組みや使い方、メリット・デメリット、選び方について解説します。

オンラインストレージ暗号化の重要性

オンラインストレージの暗号化が重要な理由のひとつとして、情報漏洩対策が挙げられます。個人情報や機密情報を取り扱う企業にとって、情報漏洩は大きなリスクとなり、顧客からの信頼を失う危険性もあるため、暗号化によるデータの保護が不可欠です。

オンラインストレージの暗号化により、外部からのサイバー攻撃や内部からの不正アクセスなどを防止する効果が期待できます。データやファイル自体が暗号化されるため、第三者からの閲覧リスクを軽減できます。

また、万が一データが流出してしまった場合も、暗号化が行われていれば内容を解読できないため、機密性が保たれます。

オンラインストレージのセキュリティリスクとは?必要な対策も解説

オンラインストレージは、インターネットさえあればどこからでもデータの共有ができて便利です。しかし、利用に際してはセキュリティリスクもあるため注意が必要です。この記事では、オンラインストレージ利用時に知っておきたいセキュリティリスクや対策などについて解説します。

オンラインストレージにおける暗号化方式

オンラインストレージにおける暗号化方式は、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の2種類があります。ここでは、それぞれの仕組みについて解説します。

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オンラインストレージにおける暗号化方式

  1. 共通鍵暗号方式
  2. 公開鍵暗号方式

共通鍵暗号方式

共通鍵暗号方式とは、データの暗号化と暗号化されたデータを復号する際に、同じ鍵を使う方式のことです。送信者と受信者が同じ鍵を共有するため、送信者は事前に暗号化キーを準備しておかなければなりません。

ファイルを閲覧する相手と送信者の間でのみ鍵が共有されることで、情報漏えいのリスクが最小限に抑えられるメリットがあります。また、必要な演算がシンプルであることから、暗号化・複合化といった処理も迅速に行え、作業の効率化に繋がります。

ただし、共有する相手が増えると、鍵の情報が多くの相手に伝わるため、情報漏えいのリスクが高まる点に注意が必要です。

公開鍵暗号方式

公開鍵暗号方式とは、データを暗号化する際に公開鍵を使用し、復号化には対になる秘密鍵を使う方法です。公開鍵と秘密鍵は一緒に使われ、秘密鍵がないとデータを解読できません。

公開鍵暗号方式を用いる場合、まずは受信者が公開鍵と秘密鍵を生成し、公開鍵を送信者に送ります。送信者はその公開鍵でデータを暗号化して送り、受信者は秘密鍵で解読します。

このように公開鍵暗号方式は、秘密鍵を持っている本人しかデータの復号化ができないため、セキュリティ性が高い点がメリットです。一方で、鍵の仕組みが複雑であり、計算量も多いことで、処理に時間がかかる点に注意しましょう。

オンラインストレージの暗号化の範囲

オンラインストレージの暗号化の範囲には、通信の暗号化とファイル保存の暗号化の2種類が存在します。ここでは、これらの種類について詳しく解説します。

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オンラインストレージの暗号化の種類

  1. 通信の暗号化
  2. ファイルの暗号化

通信の暗号化

通信の暗号化とは、ブラウザとサーバーの間で行われるデータのやりとりを暗号化することを指します。通信の暗号化は、「SSL/TLS」というプロトコルを使って実現されます。

SSL/TLSによって、送信されるデータは暗号がかかった状態に変換され、受け取るサーバー側でしか正しく解読できなくなります。そのため、悪意のある第三者がやりとりされているデータを盗み見ようとしても、暗号のかかったデータであるため情報漏洩を防げます。

暗号化されていないデータの送受信を行った場合、データの流出や改ざん、フィッシング詐欺などのリスクがあります。そのため、個人情報が含まれるデータのやり取りを行う際は、SSL/TLSによる通信の暗号化が欠かせません。

ファイルの暗号化

ファイルの暗号化とは、オンラインストレージに保存したファイル自体を暗号化する方法のことです。ファイルの暗号化には暗号鍵が用いられ、鍵を保有しているユーザー以外はデータを復号できません。

ファイルのセキュリティが保護されるため、万が一データが盗まれてしまっても、鍵を持っていない第三者はファイルの中身を見れません。

ただし、ファイルの暗号化に対応可能なオンラインストレージサービスは限られており、すべてのサービスでファイルの暗号化を行えるわけではありません。そのため、ファイルの暗号化を行う際は、自社が利用しているサービスの内容を確認しましょう。

オンラインストレージを暗号化する方法

オンラインストレージを暗号化するためには、暗号化機能のあるサービスを活用する方法や、暗号化ソフトを使う方法が一般的です。また、PCやOSの標準搭載機能を使うことも可能です。ここでは、オンラインストレージを暗号化する方法について解説します。

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暗号化機能のあるサービスを選ぶ

オンラインストレージを暗号化する方法として、暗号化機能のあるオンラインストレージを活用することが挙げられます。暗号化機能のあるオンラインストレージの数は多く、選択肢が豊富です。

中には通信の暗号化だけでなく、クラウド上に保存するデータ自体を暗号化できるサービスもあります。また、暗号化機能のあるサービスには、セキュリティを強化するために、二段階認証やIPアドレス制限など、さまざまな機能が備わっているケースが多いです。

さらに、クラウド上で使用できるオンラインストレージなら、使用しているパソコンの処理速度に影響を与えず利用できるでしょう。そのため、セキュリティ性や使いやすさを重視する場合、暗号化機能のあるオンラインストレージの検討がおすすめです。

暗号化ソフトを使う

暗号化ソフトとは、パソコン上のファイルやフォルダを暗号化するためのソフトウェアを指します。どんなオンラインストレージを使っている場合でも、アップロード前に自分でファイルを暗号化でき、自分で安全性を強化できるのが特徴です。

一方で、データを読み込むたびに暗号化・複合化の処理が行われるため、通信速度が低下しやすい点に注意が必要です。

暗号化ソフトを選ぶ際は、体験版などを利用して、現在使用しているOSとの相性を確認しておきましょう。動作性や使いやすさを確認しておくことで、自社に合ったソフトを選べます。

ファイル暗号化ソフトとは?導入のメリットや比較のポイントも解説

ファイル暗号化ソフトとは、ファイルやデータを第三者が読み取れなくするために暗号化するソフトです。この記事では、ファイル暗号化ソフトの機能や導入のメリット、無料ソフトと有料ソフトの違いやツールを選定する際の比較ポイントなどについて詳しく解説します。

PCやOSの標準搭載機能を使う

PCやOSに暗号化の標準搭載機能が搭載されている場合は、費用をかけずにオンラインストレージを暗号化できます。追加コストがかからず、インストールなどの操作もいらないため、コストや手間といった負担を軽減できます。

ただし、基本的に特定のフォルダやドライブのみ暗号化できる場合が多く、ファイルの種類が限られていることがある点に注意しましょう。そのため、事前に利用しているPCやOSが暗号化に対応しているか、暗号化したいデータが適しているか確認が必要です。

オンラインストレージを暗号化する際の注意点

オンラインストレージの暗号化によって、セキュリティの強化が可能になります。しかし、暗号化によって、全ての脅威を防げるわけではない点に注意が必要です。例えば、コンピューターウイルス感染によって、遠隔操作で暗号鍵を奪われるリスクがあります。

また、鍵の強度が弱いことで、ハッカーによって簡単に暗号化を解除されるケースも少なくありません。さらに、サイバー攻撃のトレンドは常に変化しており、新しい脆弱性が見つかれば、既存の暗号化技術が無力化されることもあります。

そのため、オンラインストレージを利用する際は、暗号化だけではなく複数のセキュリティ機能が備わっているかを確認することが求められます。

オンラインストレージは暗号化機能以外にも注目しよう

オンラインストレージのセキュリティを強固にするなら、暗号化機能以外にもどのようなセキュリティ対策を行っているかを確認することが大切です。ここでは、暗号化機能以外に注目したいオンラインストレージのセキュリティ対策について解説します。

おすすめのオンラインストレージ10選|選び方・比較ポイントも解説

オンラインストレージは、PCやスマホなどの端末内ではなくインターネット上にファイルを保存できるサービスです。どこからでもアクセス可能で、社内の情報共有にも役立ちます。この記事では、おすすめのオンラインストレージや選ぶ際の比較ポイントを解説します。

セキュリティ機能

オンラインストレージのセキュリティ性を重視する際は、2段階認証や多要素認証への対応、権限管理機能などについても確認するべきです。これらのセキュリティ機能によって、ログインが複雑になり、不正アクセスや情報漏洩のリスク軽減に繋がります。

また、特に社外とのファイル共有が多い場合は、アクセスログの取得や有効期限設定など、ツールの利用状況を細かく管理できる仕組みがあると安心です。

第三者機関からの認証有無

オンラインストレージを選ぶ際は、セキュリティに関する第三者機関からの認証を取得しているかを確認しましょう。例えば、ISO/IEC27001・27017やプライバシーマークなどがあり、サービスの公式サイトなどでチェックが可能です。

ISO/IEC27001・27017は、情報セキュリティを適切に管理するための国際規格です。情報の「機密性」「完全性」「可用性」をバランスよく管理する仕組みが整っており、この認証を受けているサービスは、一定のセキュリティ基準を満たしていると言えます。

また、プライバシーマークは、個人情報を正しく扱っている企業に与えられる認証で、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営しています。これらの認証有無を確認することで、安心感を持ってオンラインストレージを利用できるでしょう。

まとめ

オンラインストレージとは、オンライン上にファイルを保存するためのサービスです。オンラインストレージの暗号化により、データのセキュリティを確保し、情報漏洩を防止する効果が期待できます。

しかし、オンラインストレージの暗号化のみでは、全ての脅威を防ぐことは難しいです。そのため、オンラインストレージを選ぶ際は、暗号化以外にも2段階認証や多要素認証などのセキュリティ機能、第三者機関からの認証有無などを確認することがおすすめです。

本記事を参考に、適切な暗号化を行い、自社データのセキュリティを高めましょう。

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