アルバイト・パートの給与計算方法とは?割増賃金に関する注意点も解説

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  • アルバイト・パートの給与を計算する際は、就業規則・給与規定・勤怠データを確認する
  • アルバイトの給与計算では、まず労働時間を集計し、それに時給をかけて支給額を出す
  • アルバイトに時間外労働・休日労働・深夜労働をさせた場合は割増賃金の計算も必要

アルバイト・パートは労働時間や時給が従業員によって異なるため、給与計算が複雑になりがちです。また、時間外労働や休日労働における割増賃金の計算もあるため、細心の注意が必要となります。この記事では、アルバイトの給与計算方法や注意点などを解説します。

目次

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  1. アルバイト・パートの給与を正確に計算するために
  2. アルバイト・パートの給与計算における確認事項
  3. アルバイト・パートの給与計算のやり方
  4. アルバイト・パートの給与計算における注意点
  5. アルバイト・パートの給与計算を効率化する方法
  6. アルバイト・パートの給与計算には給与計算ソフトが便利
  7. まとめ

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アルバイト・パートの給与を正確に計算するために

アルバイトやパートの多くは時給制のため、原則として「労働時間×時間給」で給与を計算します。しかし実際には、従業員によって労働時間・時給・給与形態が異なるため、単純な計算だけでは対応できないケースも少なくありません。

例えば、22時から翌5時の間で働く深夜アルバイトには、深夜手当の支給が義務づけられており、割り増しで給与計算を行う必要があります。このように、アルバイトやパートの給与計算には複雑な部分が多く、計算ミスなどが起こりやすいのが課題です。

本記事では、複雑なアルバイト・パートの給与計算を正確に行うための方法や注意点を解説します。給与計算上のミスを避けるためにも、アルバイトやパート従業員を雇用している場合は、ぜひ参考にしてください。

アルバイト・パートの給与計算における確認事項

アルバイトやパートの給与計算は、就業規則・給与規程・勤怠データの3つの事項を確認しながら行う必要があります。ここからは、アルバイト・パートの給与計算における確認事項について解説します。

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アルバイト・パートの給与計算における確認事項

  1. 就業規則
  2. 給与規定
  3. 勤怠データ

就業規則

就業規則とは、労働時間・賃金・職場内のルールなどを定めた社内規程です。企業ごとに内容は異なり、常時10人以上の従業員がいる企業は、就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が法律で義務づけられています。

就業規則には、アルバイト・パートの賃金や労働条件についても明記するため、給与計算の際に内容を確認する必要があります。

具体的に参照すべき項目は企業によって異なりますが、一般的には次のような事項がアルバイト・パートの給与計算と関わりがあります。アルバイト・パートの給与計算は、これらの事項を基に正確に行いましょう。

  1. 労働時間・休日に関する規程
  2. 賃金の取り扱いに関する規程
  3. 減給・賞罰に関する規程

参考:就業規則の作成・変更・届出|厚生労働省

給与規定

給与規程とは、給与に関するルールをまとめた規定で、就業規則の一部に当たります。給与に関するルールが膨大化・複雑化した場合には、就業規則とは別に「給与規程」として定めるケースが一般的です。

  1. 給料計算の方法
  2. 割増賃金
  3. 支払方法
  4. 締切日
  5. 支払時期
  6. 昇給
  7. 休業手当

給与の計算・支給に必要な事柄は給与規程で定められており、アルバイトやパートの給与も給与規程の内容に基づいて支給する必要があります。したがって、給与計算を行う際は、改めて内容を確認するべきでしょう。

勤怠データ

アルバイト・パートの給与は「労働時間×時間休」で計算するため、実労働時間を正確に把握しなければなりません。そのため、給与計算を行う際には、アルバイトの労働状況を記録した勤怠データを参照する必要があります。

勤怠データとは、従業員の勤務日数や労働時間を記録したものです。具体的には、タイムカード・シフト表・出勤記録簿などが勤怠データに該当します。残業時間や深夜勤務なども給与計算に関わるため、漏れや誤りがないよう適切に管理することが重要です。

アルバイト・パートの給与計算のやり方

アルバイトやパートの給与計算は、労働時間の集計・支給額の算出・保険料や税金の控除の3つの工程から進めましょう。ここからは、各段階の進め方や注意点を解説します。

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労働時間を集計する

アルバイト・パートの給与は、実際に働いた時間に時間給をかけて算出します。そのため、まずは従業員ごとに労働時間を集計する必要があります。
労働時間は、働いた時間帯や勤務日によって、主に以下のように分けられます。

  1. 通常労働
  2. 時間外労働
  3. 深夜労働
  4. 休日労働

タイムカードや出金記録簿などで勤怠管理を行っている場合、担当者は締め日にこれらの書類を回収して、従業員ごとに労働時間を確認します。従業員の人数が多いほど作業が煩雑化しやすく、計算ミスのリスクも高まるため、労働時間の集計は慎重に行いましょう。

支給額を算出する

労働時間を集計したら、従業員ごとの時給をもとに給与の支給額を算出します。基本的には、「労働時間 × 時給」で計算を行います。また、残業・深夜労働・休日労働をしたアルバイト・パートに対しては、基準の時間給に加えて割増賃金の計算も必要です。

例えば、時給1,000円・通常労働70時間の場合では、支給額は次のように計算します。

通常労働の支給額:1,000(円)×70(時間)=70,000(円)

この場合、給与支給額は70,000円となります。

保険料や税金を控除する

アルバイトやパートであっても、勤務実態・給与額が一定の基準を満たす場合には、各種保険への加入義務や所得税の納付義務があります。そのため、給与計算では、支給額を算出した後に各種保険料や税金を控除しなければなりません。

特にアルバイト・パートは、勤務時間や収入によって加入条件が変わるため、従業員ごとの勤務状況を確認しながら適切に計算することが重要です。代表的な控除を以下の表にまとめました。

概要算出方法
雇用保険料失業者に対する給付などを行う雇用保険の保険料賃金 × 雇用保険料率
健康保険料医療機関にかかる際の費用負担軽減などを行う健康保険の保険料標準報酬月額×保険料率×1/2
(残りの1/2は会社が負担)
厚生年金保険料老齢になった際の厚生年金の保険料標準報酬月額×保険料率×1/2
(残りの1/2は会社が負担)
介護保険料介護保険サービスが軽減負担で利用できる介護保険の保険料標準報酬月額×保険料率×1/2
(残りの1/2は会社が負担)
※40歳以上65歳未満の場合のみ負担
源泉所得税給与所得に課せられる所得税源泉所得税額表に基づいて算出
住民税給与所得に課せられる住民税特別徴収税額通知書などに基づいて控除

参考:令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内|厚生労働省

参考:令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|全国健康保険協会

参考:保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)|日本年金機構

アルバイト・パートが雇用保険に加入するケース

前述のように、アルバイトやパートでも雇用保険に加入しなければならないケースがあります。具体的には、以下のようなケースで加入が必要となります。

  1. 所定労働時間が週20時間以上ある場合
  2. 31日以上継続して雇用見込みがある場合

なお、当初は短期間の雇用予定であっても、31日以上雇用される見込みとなった場合、その時点で雇用保険の加入対象となります。

参考:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!|厚生労働省

アルバイト・パートが健康保険・厚生年金保険に加入するケース

雇用保険と同様に、アルバイト・パートが健康保険・厚生年金保険に加入しなければならないケースもあります。特定適用事業所に勤務しており、以下の全ての条件を満たす場合、加入対象となります。

  1. 所定労働時間が週20時間以上ある
  2. 所定内賃金が8.8万円以上
  3. 雇用の見込みが2ヶ月を超える
  4. 学生ではない

なお、これらの適用範囲は、拡大や変更が行われる場合もあります。労務の担当者は日頃から法改正に注意しましょう。

参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内|日本年金機構

アルバイト・パートの給与計算における注意点

アルバイトやパートの給与計算は複雑な部分が多いため、計算方法を正しく理解しておく必要があります。ここからは、アルバイトの給与計算で特に注意すべき点を解説します。

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割増賃金を正しく計算する

アルバイト・パートの給与計算では、時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金に注意する必要があります。それぞれの割増賃金の概要や割増賃金率について解説します。

参考:しっかりマスター 割増賃金編|厚生労働省

参考:よくあるご質問(時間外労働・休日労働・深夜労働)|厚生労働省

時間外労働

時間外労働とは、労働基準法によって定められた「法定労働時間」を超えて労働すること、またはその労働時間を指します。労働基準法が定めた法定労働時間は、1日8時間・1週間40時間です。

法定労働時間を超過してアルバイトやパートが労働した場合、その超過した時間には時間外労働として割増賃金を支払う必要があります。時間外労働に対する割増賃金の割増率は25%以上であり、次のように計算します。

基準の時間給×1.25

なお、勤務時間帯は企業やアルバイトによって規程が異なるため、残業すれば必ずしも時間外労働にあたるとは限りません。例えば、1日4時間×週5で勤務するアルバイトが1週間のうち3時間残業した場合は、1週間の総労働時間は23時間となります。

つまり、労働基準法によって定められた「1週間につき40時間」の法定労働時間を超えないため、割増賃金を必ず支払う必要はありません。

休日労働

休日労働とは、労働基準法で定められた「法定休日」に労働することを指します。法定休日は、1週間に1回、あるいは4週間を通じて4日以上付与することが義務付けられています。

法定休日は必ずしも日曜日が法定休日とは限らず、サービス業などは平日が法定休日になるケースもあります。法定休日に労働した場合は、休日労働として割増賃金を支払う必要があります。割増賃金率は35%以上で、次のように計算します。

基準の時間給×1.35

なお、休日労働と時間外労働の割増賃金の合算はできません。

深夜労働

深夜労働とは、午後10時から午前5時までの深夜の時間帯に労働することです。アルバイト・パートであっても、この時間帯に勤務した場合には、深夜労働として割増賃金を支払う必要があります。

深夜労働に対する割増賃金率は25%以上であり、次のように計算します。

通常の賃金×1.25

なお、深夜の時間帯に法定労働時間を超えて勤務した場合は、深夜労働と時間外労働の両方に該当するため、それぞれの割増率の合算が必要です。

割増賃金が重複した場合は合算する

前述の通り、割増賃金が重複した場合は合算して支給額を求める必要があります。例えば、アルバイトが深夜に残業した場合は、「時間外労働の割増率25%」と「深夜労働の割増率25%」が重複するため、合計50%の割増となります。

この場合、「基本の時間給×1.5」で給与計算を行う必要があります。

【時給1,000円・通常労働70時間・時間外労働10時間(このうち深夜労働が3時間)の計算例】

  1. 通常労働の支給額:1,000(円)×70(時間)=70,000(円)
  2. 時間外労働の支給額:1,000(円)×1.25×7(時間)=8,750(円)
  3. 深夜時間外労働の支給額:1,000(円)×1.5×3(時間)=4,500(円)
  4. 合計支給額:83,250円

また、法定休日の深夜労働については、「休日労働35%」と「深夜労働25%」を合算し、60%の割増率で計算します。なお、法定休日にはそもそも法定労働時間が存在しないため、休日労働の割増賃金と時間外労働の割増賃金については合算できません。

参考:法定労働時間と割増賃金について教えてください。|厚生労働省

労働時間は1分単位で計算する

アルバイトやパートの給与計算に用いる労働時間は、1分が基本単位です。つまり、給与計算は1分単位で行う必要があり、10分単位・15分単位のような時間の切り捨てはできません。例えば、9時から17時2分まで働いた場合、労働時間は7時間2分となります。

雇用主には、アルバイトが働いた時間すべての給与を支給する義務があります。1分や2分の労働時間も切り捨てせず、すべて給与計算に反映させましょう。

参考:労働時間を適切に把握し正しく賃金を払いましょう|厚生労働省

アルバイト・パート従業員にも給与明細は必要

雇用主は所得税法によって、正社員と同様にアルバイト・パート従業員に対しても給与明細を発行することが義務付けられています。アルバイトの給与明細に記載すべき事項を以下に挙げます。

  1. 勤怠:出勤日数・勤務時間・有給日数など
  2. 支給:基本給・通勤手当・残業手当など
  3. 控除:所得税・住民税・健康保険・厚生年金保険・雇用保険など

給与明細は、給与の支払日までに従業員に交付する必要があります。給与明細を発行しなかった場合は、所得税法違反と見なされ、雇用主は1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となります。

参考:第3章 働くときのルール|厚生労働省

アルバイト・パートにも有給が付与される

アルバイトやパートであっても、2つの条件を満たせば正社員と同様に有給休暇が発生します。1つ目は入社から半年以上経つこと、2つ目は所定労働日の8割以上出勤していることです。

また有給を年10日以上持っている従業員には、最低5日以上取得させる義務もあります。雇用期間や勤務時間の長いアルバイト・パートがいる場合は、有給のルールに違反していないかどうかも注意しなければなりません。

アルバイト・パートの給与計算を効率化する方法

アルバイト・パートの給与計算を効率化する方法として、Excelの活用や外部への委託が挙げられます。ただし、それぞれメリット・デメリットがあるため、ニーズに合った方法を選ぶことが重要です。

ここからは、アルバイト・パートの給与計算を効率化する方法について解説します。

Excelや給与計算サイトの活用

給与計算を効率化する方法として、Excelや給与計算サイトの活用が挙げられます。特に給与計算サイトは基本的に無料で利用でき、導入コストを抑えながら、基本的な給与計算を行える点がメリットです。

また、関数や計算式があらかじめ設定されているExcelテンプレートを利用すれば、手計算によるミスも削減できます。そのため、従業員数が少ない場合や、まずは簡易的に給与計算を行いたい場合におすすめです。

ただし、税制改正や社会保険料率の変更などに自動対応していないケースも多く、内容を定期的に見直す必要があります。設定ミスや更新漏れによって、計算誤りが発生する可能性もあるため、利用する際は注意が必要です。

社労士法人に委託

アルバイト・パートの給与計算を効率化する方法として、社労士法人へ業務を委託する方法があります。給与計算だけでなく、勤怠管理や社会保険手続きなどをまとめて依頼できるケースも多く、担当者の業務負担軽減につながります。

また、法改正や社会保険料率の変更にも対応できるため、計算ミスや法令違反のリスクも抑えられます。アルバイト・パートは、シフトや勤務時間によって計算が複雑になりやすいため、正確性を重視したい企業にも向いています。

一方で、外部委託には毎月の委託費用が発生します。さらに、勤怠情報や従業員情報の共有が必要になるため、確認に時間がかかる点に注意しましょう。そのため、コストとのバランスを踏まえて、委託を検討することが重要です。

アルバイト・パートの給与計算には給与計算ソフトが便利

アルバイト・パートの給与計算には、タイムカードや出勤簿の回収・労働時間の集計・割増賃金の計算・控除など、複雑な工程が数多くあります。これらの煩雑な作業が担当者の大きな負担となり、計算ミスや支給漏れなどのトラブルにつながりかねません。

このようなリスクを回避するには、給与計算ソフトの活用がおすすめです。給与計算ソフトでは、あらかじめ設定したルールに基づいて給与計算や控除が行われるため、従来のような手動での給与計算は必要ありません。

また、勤怠管理システムやタイムカードと連携できるソフトであれば、労働時間の集計も自動化できます。ひいては、人的ミスの防止や業務効率化につながるため、アルバイト・パート従業員が多い企業にもおすすめです。

給与計算ソフトとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説

給与計算ソフトとは、給与計算の自動化や給与明細の発行などを行えるソフトです。業務の効率化や法改正にも対応できる利便性があります。本記事では、給与計算ソフトをよく知らない方のために、機能やメリット・デメリット、選び方を解説しています。

給与計算ソフトを導入するメリット

給与計算ソフトは、税金・保険料の控除を含め、複雑な給与計算を自動化できるため、経理担当者の負担を大幅に軽減できます。

また、クラウド型なら法改正があった際も自動でアップデートされ、常に最新の法令に基づいた給与計算が可能です。アルバイトは時給が毎年変更されるなど、法改正が頻繁に行われるため、その対応が楽になるのは大きなメリットです。

さらに、給与計算ソフトによってペーパーレス化を推進できます。Web給与明細の発行が可能なため、大量のアルバイト従業員を抱えている場合も1人ずつ紙で渡す必要がなく、コスト削減に繋がります。

まとめ

アルバイトやパートは従業員によって時給や労働時間が異なることが多く、給与計算が複雑化しやすい傾向があります。

また、アルバイトの給与計算には労働時間の集計や支給額の算出・割増賃金の計算・控除などの煩雑な工程が多く、支給ミスや担当者の負担増大の原因となりかねません。

アルバイト・パートの給与計算を正確に行うには、給与計算ソフトの導入がおすすめです。企業ごとに異なる給与ルールを適用した給与計算や、割増賃金・控除の計算も一定程度自動化できるため、担当者の業務負担を減らしつつ、正確な支給額の算出を実現できます。

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