リダイレクトの設定方法は?ドメイン変更時のURL転送方法も解説
サイト運営に欠かせないのがリダイレクトの知識です。
リダイレクトはドメインやURLが変更になった際に、ユーザーが迷子にならない様、しかるべきページへ導く重要な役割を担っています。
しかし、一口にリダイレクトといっても様々な方法があり、適切な方法を選択しないと思わぬデメリットを被ることもあります。
今回の記事では、リダイレクトの基礎知識や場面ごとの使い方、実際の設定方法について解説します。
リダイレクトとは?
ウェブサイトの運営において欠かせない技術のひとつが、リダイレクトです。
リダイレクトとは、ウェブページを訪れたユーザーを自動的に別のウェブページへと転送する仕組みです。
ウェブページが何らかの理由で公開できなくなった場合、そのまま削除するとページを訪れたユーザーには「ページが見つかりません」などのエラー画面が表示されます。
エラー画面を目にしたユーザーは失望して別のページへと移動してしまうかもしれませんし、中にはサイトが閉鎖されたと勘違いする人もいるかもしれません。
リダイレクトを利用すれば、設定したページをユーザーが開いた瞬間に、強制的に別のページへと転送することができます。
例えば、間違った内容のページを訪れたユーザーを正しいページへ転送したり、改修中のページを訪れたユーザーをメンテナンス告知のページへ転送したり、といった使い方が可能になります。
リダイレクトには次に挙げる様な2つの役割があります。
ユーザーの利便性の向上
リダイレクトの1つめの役割は、ユーザーに適切なウェブページを提示することです。
公開したウェブページには検索エンジン、SNS、他サイトなどからリンクが張られユーザーが流入してきますが、何らかの都合でページを削除した場合、外部リンクから訪れたユーザーは行き場を失ってしまいます。
そこでリダイレクトによってあらかじめ転送先を指定すれば、ユーザーはしかるべきページへと移動できるため、利便性の向上に繋がります。
検索エンジンの評価の継承
リダイレクトは単にユーザーを他のウェブページへと転送するだけではありません。
設定によってはそのページの検索エンジンの評価を別のページへと継承することができます。これが2つめの役割になります。
検索エンジンに高く評価され上位に表示されているウェブページを削除するのは、アクセス数の面で大きなダメージになりますが、リダイレクトを利用すれば、その評価を転送先のページに引き継ぐことで上位表示を維持することができます。
リダイレクトが必要になる場面
ウェブページを公開できなくなった際に緊急避難的に使われるリダイレクトですが、実際にはどのような場面で活用されているのでしょうか。
リダイレクトが使われる4つの具体的なシーンを紹介しましょう。
記事ページのURLが変更になったとき
記事ページの公開後に、URLを変更しなければならないこともあります。
例えば、間違って同じ内容の記事を2本公開してしまったりした場合や、URLに指定する文字列のスペルを間違ってしまった場合、そのままページを削除すると訪れたユーザーにはページが存在しないことを示す404エラーが表示されます。
その際は削除ではなくリダイレクトを設定して、正しいページへとユーザーが自動的に移動するように設定しておきます。
サイトのドメインを変更したとき
サイトのドメインを変更すると、サイト内の全ての記事のURLが変更になるため、以前のURLにアクセスしても記事が読めなくなります。
この場合も、以前のURLから新しいドメインのURLにリダイレクトされるように設定しておけば、過去のURLにアクセスしたユーザーも新ドメインのサイトに誘導できます。
PCとスマホでURLが異なるとき
PC向けのページとスマホ向けのページを別々に用意しているサイトでは、アクセスしたデバイスによってそれぞれのページへとユーザーを振り分けなければなりません。
その場合もリダイレクトを利用すれば、閲覧しているデバイスを判定して適切なページへと移動させることができます。
メンテナンス画面を表示させたいとき
サイトの改修を行っている最中は、デザインが未完成の状態になっているので、ユーザーには訪れて欲しくありません。
そこで「メンテナンス中」とアナウンスするページを作成して、サイトを訪れたユーザーを全てそのページにリダイレクトで移動させます。
これで改修中のサイトを見られる心配なく、安心して作業を進めることができます。
主なリダイレクトの種類
リダイレクトには複数の技術があり、それぞれに特徴があります。
特に、リダイレクト処理をサーバー側(サーバーサイド)とブラウザ側(クライアントサイド)のどちらで行うか、またリダイレクトの際に元のページの検索エンジンの評価を引き継ぐか引き継がないかは、重要な意味を持ちます。
ここではリダイレクトの4つの種類を解説しましょう。
サーバーサイドリダイレクト
リダイレクトの処理をサーバーが行う方式です。
ユーザーがサーバーにアクセスした時点でリダイレクトの処理が適用され、元ページを表示する前に指定されたページへと転送されます。
サーバーサイドリダイレクトはGoogleが推奨している転送方式で、後述する301リダイレクトと302リダイレクトが主に使われています。
クライアントサイドリダイレクト
ユーザーがウェブページを開いた際に、ブラウザ上で転送が実行される方式です。
ページ内にリダイレクトの処理が記述されていて、ページを一度開いてから次のページへと転送が行われます。
ページを連続して表示するためサーバーに負荷がかかりやすく、またGoogleの評価を引き継ぎにくいため推奨されていない方式ですが、サーバーサイドの設定を行う権限がない場合や、一時的な転送の際に利用されます。
クライアントサイドリダイレクトの主な用途
- サーバーの管理者権限がない状態で転送を設定する
- 警告や注意などを表示した後で転送する
301リダイレクト
サーバーサイドリダイレクトの一種で、Googleの検索順位の評価を迅速に継承できるリダイレクトです。
転送先のページは、転送前のページの検索順位をそのまま引き継ぐことが可能で、検索上位に位置するページであれば、その位置をそのまま維持できます。
301リダイレクトはページの転送処理を永続的に続けたい場合に利用される転送方式です。
301リダイレクトの主な用途
- サイトを他のサーバーに移転する
- サイトのドメインを変更する
- サイトにサブドメインを追加する(「www」の追加など)
- サイトのSSL化を実施する(「http」から「https」への変更)
- ミスがあったページから正しいページへと転送する
302リダイレクト
サーバーサイドリダイレクトの一種で、Googleの検索順位の評価は継承されます。
301リダイレクトとの違いは一時的なリダイレクトのための設定であることで、改修中のページへのアクセスを期間限定で別のページに転送したい場合などに利用されます。
302リダイレクトの主な用途
- メンテナンスの期間中、別のページに転送する
- 期間限定のキャンペーンページに転送する
- PCからアクセスしたユーザーのみ別のページに転送する
- A/Bテストで2つのページを比較する
サーバーサイドリダイレクトの種類と設定例
サーバーサイドリダイレクトは、ブラウザがウェブページを表示する前の段階で、サーバー上の処理によって転送を実行する方法です。
サーバーサイドリダイレクトは以下の2種類です。
.htaccessリダイレクト
.htaccessはサーバーで動作するウェブサーバーソフト「Apache(アパッチ)」を制御するための設定ファイルで、この.htaccessにリダイレクトの処理を設定するのが.htaccessリダイレクトです。
リダイレクト処理の中ではよく使われている方式ですが、基本的にApacheが動作しているサーバーでしか使えません。
.htaccessで「aaa.html」へのアクセスを「bbb.html」に301リダイレクトで転送したい場合は以下のような書式になります。
RewriteEngine on RewriteRule ^aaa.html$ /bbb.html [R=301,L]
PHPによるリダイレクト
HTMLファイルの先頭、HTMLヘッダー部分にPHPによる転送処理を書き込むことでリダイレクトを行う方式です。
HTMLの内容がブラウザに読み込まれるよりも先にPHPによるリダイレクトが行われるため、サーバーサイドの処理となります。
PHPリダイレクトのコードは以下の通りで、「https://www.aaa.com/」に転送先のURLを入力した上で、HTMLのヘッダー内に追記しましょう。
<?php header('Location: https://www.aaa.com/'); exit; ?>
クライアントサイドリダイレクトの種類と設定例
クライアントサイドリダイレクトでは、ウェブサイト上で転送の設定をすることで、ブラウザ(クライアント)でリダイレクトの処理を行います。
検索エンジンに推奨されているやり方ではありませんが、設定が手軽に行えるため一時的にユーザーを別のページへと誘導したい場合にはよく使われます。
JavaScriptリダイレクト
ウェブページ内にリダイレクトを実行するJavaScriptのコードを挿入し、転送を実行する方法です。
JavaScriptはブラウザが解釈して実行するため、クライアントサイドリダイレクトになりますが、近年のGoogleはJavaScriptのコードを解釈できるようになっているため、検索上の評価をある程度は引き継げるとされています。
JavaScriptリダイレクトのコードは次の通りで、「https://www.aaa.com/」の部分に転送先のコードを設定します。
<script> window.location.href = 'https://www.aaa.com/'; </script>
meta refreshリダイレクト
meta refreshは転送処理を行うHTMLタグです。
ウェブページのheadタグの中(<head>と</head>の間)にタグを記載しておくと、ウェブページにアクセスしたユーザーを指定したURLへと移動させます。
meta refreshタグは以下の通りで、「https://www.aaa.com/」の部分で転送先のウェブページを設定、「数秒」の部分で何秒後に転送が実行されるかを指定できます。
<meta http-equiv="refresh" content="秒数;URL=https://www.aaa.com/">
リダイレクトに関するQ&A
リダイレクトはユーザーの転送だけでなく、Googleへの評価にも関わるため、その設定は一筋縄では行きません。
ここではリダイレクトに関する疑問、起こりがちなトラブルの対策について解説していきます。
Q:Googleサーチコンソールから警告が届いた
リダイレクトの処理を行った後に、「リダイレクトの警告」や「不正なリダイレクト」などの警告を目にすることがあるでしょう。
「リダイレクトの警告」はページの転送の際に表示される警告ページで、「不正なリダイレクト」とGoogleサーチコンソールに届くアラートのことです。
これらの警告は、301リダイレクトで検索エンジンの評価を継承する設定にも関わらず、関連性の薄いページを転送先に指定した場合に発生します。
この場合は、リダイレクトが関連性のあるページに正しく行われているか、再度チェックしてみましょう。
Q:リダイレクトが機能しているか確認したい
リダイレクトを設定した後で、本当に転送が正しく機能しているのかどうかを確認したい場合は、リダイレクトチェックツールを利用しましょう。
「ohotuku.jp」や「リダイレクトチェッカー」では、リダイレクトを設定したウェブページのURLを入力すると、遷移の要素をチェックしてくれます。
Q:リダイレクトが検索エンジンに反映されるまでの期間は?
リダイレクトの設定の検索エンジンへの反映は、クローラーの巡回頻度にもよりますが、早い場合には即日、遅くても1週間程度で完了することが多いようです。
Googleの検索評価の継承も同時に行われますが、301リダイレクトと302リダイレクトではやや異なり、302リダイレクトの方が引き継ぎに時間がかかるようです。
Q:301リダイレクトはいつまで続けるべき?
長期的なリダイレクトに利用される301リダイレクトですが、時間が経ったからといってリダイレクトを解除すると、転送先のページのGoogleの評価も失われてしまいます。
301リダイレクトの評価の継承は、リダイレクトされていないと無効になるため、検索順を維持したいのであればそのまま転送し続けましょう。
まとめ
今回はリダイレクトの役割と種類、設定方法について解説しました。
リダイレクトは別のページへとユーザーを移動させるシンプルな処理ですが、様々なやり方があり、どれも設定の方法や効果に違いがあります。
特に、検索エンジンの評価を新しいページに継承できるかどうかは重要で、長期的に転送処理を適用する場合、サイト全体のアクセス数にも関わってくるので、適切なリダイレクトが行われているかは、しっかり確認しておく必要があります。
リダイレクトの特徴と違いを理解して、サイトにトラブルが発生したときも慌てずにユーザーを別のページに誘導できるようになりましょう。
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