ホームページの開設に必要な要素と制作方法をまとめて解説
ホームページを開設したいという企業・個人のニーズは増える一方です。
しかし、その一方で、CMSやサーバーの選択肢が広がっていることから、ホームページ制作の全貌が見えにくく、開設して公開するまでが難しそう、といった理由で尻込みしているケースも見られます。
今回は、ホームページの開設に必要な要素やホームページ制作の手法について説明しましょう。
ホームページを開設するメリットとは?
ホームページは今や個人や企業を問わず、独立してビジネスに携わっているなら持っているのが当たり前と言えるほど普及した存在です。
しかし、当たり前のものになっているがゆえに、ホームページが果たしている役割について、自覚できていない人もいるのではないでしょうか。
ビジネスの主体となる個人・企業がホームページを持つことの、4つのメリットを挙げてみましょう。
ビジネスにおける認知度・信頼感の向上
ホームページには、仕事をする上で信頼感を醸成する効果があります。
これは企業・個人を問わずにホームページが果たしている役割で、インターネット上の自己紹介や名刺交換のようなものと考えてもいいかもしれません。
検索した際、企業のホームページに知りたい情報が掲載されていれば信頼感が増しますし、組織の認知度の向上やイメージアップにつながります。
「〇〇といえばこの人(企業)」と思われるようになったら、しめたものです。
情報発信による営業への貢献
ホームページを開設する理由として、企業・個人共に挙げているのが「情報発信」です。
最新の商品やサービスの情報を提供したり、新機能や活用事例を説明したりと、店頭の展示や営業のプレゼンだけでは提示しきれない情報を、画像や動画をふんだんに使って説明できます。
更新や変更も容易なので、緊急のリリースなどもホームページがあれば容易です。
さらに、お問合せフォームからの問い合わせを新規開拓につなげるなど、業種を問わずホームページを営業ツールとして活用している企業はたくさんあります。
顧客分析とマーケティングへの活用
ホームページには顧客や見込み客が訪れるので、マーケティングツールとしても活用できます。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析サービスを使えば、検索キーワードやアクセス時間帯・期間などのデータを集めることができます。
そのデータを元にホームページを訪れた人が、どんな傾向の人物で、何に関心を持っているのかについて、把握することができます。
アンケートフォームを公開してユーザーの情報を収集すれば、さらに精緻なデータを取れるでしょう。
求人募集ツールのひとつとして
ホームページを、優秀な人材を集めるための求人募集のメディアとして利用している企業が増えています。
新卒・中途のいずれの採用でも、特設サイトを開設して積極的に情報を発信する事例が多くなっているのです。
どんな人材を求めているのか、入社後の業務はどのような内容か、働いている社員の声などを公開すれば、自社に興味を持ってもらいやすいため、採用のミスマッチが少なくスムーズな人材確保を期待できます。
ホームページ開設に必要な4つの要素
ホームページを開設するには、ホームページ本体を用意する前に、その土台となる要素を確保する必要があります。
ここでは、ホームページ開設に必要になる要素について簡単に説明していきましょう。
サーバー
サーバーとは、文章や画像などのデータをインターネット上に公開するためのコンピュータのことで、ホームページを構成する要素のデータをアップロードすることで、ウェブで誰でも閲覧できる状態にすることができます。
家づくりに例えるとサーバーは土地にあたるため、どんなに良い資材を揃えても、その土台となるサーバーがないと、ホームページは存在することができません。
サーバーを確保する手段としては、自前で購入することもできますが、費用が高額な上にメンテナンスが大変なので、遠隔地のデータセンターにあるサーバーをレンタルする契約を結ぶのが一般的です。
レンタルサーバーの中でも共用サーバーを選べば、月額数千円程度の出費で、ホームページ運用に充分な性能のサーバーを利用できます。
ただし、ホームページのアクセス数が多い場合や、ショッピング機能など高度なサービスを提供する場合には、大きな負荷に耐える高性能なサーバーを用意する必要があり、その分、費用も高額になります。
独自ドメイン
ドメインとは、ホームページの所在を示す情報で、サーバーが土地ならドメインは住所にあたります。
ドメインはサーバーを借りた時点で自動的に付与されていますが、その文字列は意味をなさない数字やアルファベットの長大な羅列で、覚えたり入力したりするのは非常に面倒です。
そこで多くのホームページが、独自ドメインを取得しています。
独自ドメインとは、好きな文字列の組み合わせによって取得できるドメインで、「お名前.com」などのレジストラ(ドメイン登録事業者)を通じて取得できます。
独自ドメインの費用は年額数百円〜数千円程度ですが、既に他の人に利用されているものは取得できないため、まだ誰も使っていない文字列の組み合わせを選ぶ必要があります。
独自ドメインを取得すると、ホームページのURLが自分だけのオリジナルな文字列になるので、覚えてもらいやすくなるほか、サーバーを移転する場合にも、URLを変更せずに済むという利点があります。
ホームページを開設するなら独自ドメインは、最初にサーバーとセットで取得しておきましょう。
独自ドメインのメールアドレス
独自ドメインは、ホームページだけでなくメールアドレスにも利用できます。
レンタルサーバーは、ホームページの開設機能と、メールアドレスの発行機能の両方を提供しているので、独自ドメインを取得してホームページを開設したら、同じサーバーで独自ドメインのメールアドレスも作っておくといいでしょう。
メールアドレスはひとつの独自ドメインから複数作成できるので、「info@ドメイン名」や「inquiry@ドメイン名」など、用途に応じて発行し、組織のメンバーに提供したり、お問い合わせなどの窓口用にしたりするといいでしょう。
SSLサーバー証明書
SSLサーバー証明書とは、通信データが暗号化されていることを証明する電子証明書です。
Googleでは2014年からサイトの常時SSL化を検索順位の評価要因にする施策を進めており、現在SSL非対応のホームページは、検索順位の競争で不利になります。
そのため2020年現在では日本国内で開設されたホームページの約9割がHTTPS化されており、レンタルサーバーのほとんどがホームページをSSL化する機能に対応しています。
「なりすまし」「改ざん」などのリスクがある以上、SSL化は必須です。企業・個人を問わず、負担のない範囲でSSL証明書の導入を検討してみてください。
ホームページの4つの制作方法
ホームページの土台作りができたら、次はホームページ本体を制作する手法についてです。
ホームページ制作のいわば本丸にあたる作業ですが、やり方としては次の4つのパターンがあります。
ホームページ作成サービスを使う
ホームページを作る手段でもっとも簡単なのが、ホームページ作成ツールを使う方法です。
有名どころではWixやJimdo、ペライチといったサービスがあり、アカウント登録を済ませれば、ものの数分でホームページを立ち上げることができます。
メリットは、サーバーが付いてくるので自分で用意する必要がない点や、HTMLやCSSの知識がなくても、デザインテンプレートを選択するだけで、立派なルックスのホームページが作れる点です。
月額1500円程度の有料プランを選択すれば、独自ドメインやSSL化にも対応しています。
ただし、独自のデザインにしたり、細かい部分をカスタマイズしたりといったことはできません。
HTML・CSSを自分で書く
ホームページをHTMLやCSSのソースコードで作成し、それをサーバーにアップロードする方法です。
ブログが登場する以前のホームページは基本的にこのやり方で作成されていて、現在でもシンプルで軽量なホームページは、HTMLとCSSで構築されることがあります。
HTML・CSSを使って作成・開設したサイトは静的ホームページと呼ばれ、ブログのようにアクセスに応じて動的にページを生成しないため、サーバーに負荷がかかりません。
また、HTMLやCSSを直接いじれることから、デザインの変更も思いのままです。
もちろん作成にはHTMLとCSSの知識が必須で、複雑なデザインや構造のホームページを作ろうとする場合には、高度なスキルと長い作業期間が必要になります。
ホームページを構成するページの内容をひとつひとつ作ることになるため、大規模なサイト構築には向かず、また記事作成の手間もかかるため、頻繁にウェブページを追加するようなサイトにも向いていません。
CMSを利用して構築する
CMS(コンテンツマネジメントシステム)とはウェブコンテンツを管理するソフトウェアで、サーバーにインストールすることで、HTMLやCSSを直接編集することなく、管理画面から記事を作成したり投稿したりできるようになるシステムです。
有名なところでは、世界中のブログで使われている「WordPress」や、ECサイトの構築で知られている「EC-CUBE」などが挙げられます。
CMSでは、サーバーへの導入がやや面倒ですが、インストール後は管理画面から記事の作成や修正が行えるので、HTMLやCSSの知識がなくても運用できます。
また、テーマやプラグインによって、ブログのデザインや機能を追加したり入れ替えたりすることが可能で、ホームページの用途に応じて柔軟なカスタマイズができる点も魅力です。
ただし、CMSで構築したホームページを独自に改造しようとすると、HTMLやCSSだけでなく、PHPやJavascriptといったプログラミング言語の素養が求められるため、要求される技能のレベルはかなり高くなります。
また、CMSはウェブページを動的に生成する仕組み上、サーバーに負荷がかかるため、低スペックのサーバーでは運用できず、またアクセスが集中した場合に表示がもたつきやすいという欠点があります。
ウェブ制作会社に外注する
ホームページ制作でもっとも確実な方法が、外部のウェブ制作会社に依頼する方法です。
ウェブ制作会社に依頼すると、ウェブエンジニアやウェブデザイナーが、ホームページの制作からサーバーへのアップロードまで、全て行ってくれます。
その道のプロが全ての作業を負担するので、発注側はホームページ制作にリソースを奪われることがなく、またトラブルに悩まされることもありません。
また、オリジナリティや完成度の面でも、自分で作成したりCMSを使ったりするよりも、はるかにクオリティの高い仕上がりを期待できる上、一般的なホームページとは違ったデザインや、特別な機能を追加することも可能です。
難点としてはコストの高さで、ホームページの規模や制作会社にもよりますが、一般的に30万円から100万円の予算が必要になります。
また、プロジェクト進行中は制作会社と歩調を合わせる必要があり、要望を正確に伝えたり、仕様を早い段階で固めておいたりといったスムーズな段取りが求められます。
発注側の意図が不明瞭だったり、途中で方針転換があったりするるようだと、どんなに優秀な制作会社でも実力を発揮できません。
また、ホームページの開発を制作会社に任せきりにしていると、運用を始めた後でトラブル対応が全くできずに、追加の依頼によって費用がかさむといった事態も考えられます。
制作会社にホームページ制作を依頼するのは労力的には楽ですが、その舵取りや事後対応は必ずしも簡単ではないことは覚えておきましょう。
ホームページを作る前に~トップページの役割と重要性~
ホームページを作るにあたって、もっとも重要な要素のひとつがトップページです。
トップページとは、ホームページの一番最初に表示されるページで、そのサイトの顔であり、正面玄関の役目を担います。
ホームページの場合、このトップページをどのように設計するかで、サイトのイメージや使いやすさが大きく変わってきます。
ホームページのトップページに求められる役割は主に次の3点です。
ホームページの顔としての印象作り
トップページはホームページ全体の印象を決定付ける重要な役割があります。
ユーザーがホームページに抱く第一印象はトップページで決まるため、そのデザインがイマイチだと、ホームページ全体のイメージが悪くなってしまいます。
ホームページの顔であり、看板であり、玄関口でもあるトップページには、ホームページの世界観が伝わるデザインを提示する必要があるでしょう。
ホームページの各要素への導線の役割
トップページは訪れたユーザーが目的の情報にたどり着けるように誘導するためのポータル(入り口)でもあります。
多くのユーザーは検索エンジンやSNS経由で訪れるため、そこにリンクされていた記事ページから読むことになりますが、読み終えた後でトップページに移動して新しい情報を探す人はたくさんいます。
その際に、次に読むべき情報を適切に提示するガイド役を、トップページは担わなければなりません。
新着や更新情報を訪問者に伝える
トップページの重要な役割のひとつが、新着の記事や更新内容を訪問者に伝えることです。
トップページには通常、新着一覧やニュースリリースが掲載されますが、どんな情報を前面に押し出すかによって、ホームページの印象は大きく変わってきます。
例えば、速報性を重視するニュースサイトであれば新着記事が大きく表示されますし、コーポレート(企業)サイトであれば新製品や新サービスの情報がピックアップされるべきでしょう。
いずれにせよ、トップページでは新しく追加された情報を、ユーザーに分かるかたちで提示することが大事で、それによりホームページでアクティブな情報発信を行っていることを訪問者にアピールする効果があります。
以上のトップページに課せられた役割を踏まえた上で、抑えるべき4つのポイントを紹介しましょう。
カラーを統一して印象付ける
トップページを印象づける上で重要なテクニックが、全体のカラーの統一です。
ホームページのベースとなるカラーを決定し、その色の占める割合を多くすると、ユーザーの印象に残りやすいサイトになります。
もちろん全ての色を同一にする必要はなく、全体の70%をベースカラー、25%をサブカラー、5%をアクセントカラーという配分にすると、バランスの取れた美しい色構成となります。
情報過多に陥らないよう注意する
トップページからコンテンツへの導線を増やそうとして情報過多に陥っている事例はよく見かけます。
トップページの情報が多すぎると訪問者をいたずらに混乱させるので、掲載する情報を厳選し整理してユーザーが迷子にならないようにしましょう。
特にファーストビュー(最初の画面)に表示される情報は1個〜2個にしぼり、その分、インパクトとメッセージ性を重視しましょう。
スマホ対応を重視する
昨今のホームページでは、パソコン以上にスマホからのアクセスが増えているため、スマホで表示させたときのトップページの見え方は非常に重要です。
レスポンシブデザインによるスマホ対応は前提として、表示が崩れていないか、文字が読みづらくなっていないかといった基本のチェックはもちろん、スマホ版のトップページが魅力的なデザインになっているか、重要なコンテンツへの導線は確保されているかなどについても、充分に気を配りましょう。
レイアウトを入念に設計する
トップページには、インパクトのあるビジュアルを配置するのがベストですが、それ以上に重要なのは、要素のレイアウト(配置)です。
レイアウトが整理されていないと、どこに何の機能があるのか分かりづらく、訪れたユーザーは然るべきコンテンツに辿り着けません。
ビジュアル要素は後からでも変更することができますが、レイアウトに問題があった場合、後からの修正が難しく、最悪の場合ホームページの作り直しになる可能性もあります。
特にトップページのレイアウトは難易度が高いので、充分に時間をかけて洗練された設計を目指しましょう。
まとめ
今回は、ホームページ開設に必要な要素と制作方法について解説しました。
ホームページを開設する方法には様々なやり方がありますが、開設した後の運用は発注元が行うのが一般的です。
また、ホームページの開設後は、変更したい部分や追加したい機能が出てくることが多く、あちこち手を加え続けながら運用することになるケースがほとんどです。
そのため、単にホームページが完成すればOKではなく、その後の運用面までも視野に含めた開発を行う必要があります。
せっかくホームページを作ったのに、中身がブラックボックスで誰も触ることができないなんてことにならないように、自分たちで管理する部分をしっかりと決めておきましょう。
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