無料でホームページを開設できるレンタルサーバーを選ぶポイント
レンタルサーバーはホームページの運用に欠かせませんが、月額料金を払わないと利用できない有料のサービスが主流です。
そんな中、無料で使えるレンタルサーバーは、少しでも費用を節約したい人にとっては大変ありがたいサービスとなっています。
しかし、無料のレンタルサーバーには、無料であるがゆえの難点も少なからずありますので、今回は、無料レンタルサーバーのおすすめサービスや、選ぶ際のポイントについて解説します。
無料レンタルサーバーとは?
レンタルサーバーとは、データセンター内のサーバーを借りることで利用できるサービスのことを指します。
サーバーは自分で手元に用意することも可能ですが、サーバーマシンは何十万〜何百万円もする上に、メンテナンスや温度管理などに大変な手間がかかるため、通常は遠隔地のデータセンターにあるサーバーをレンタルするという調達方法を選びます。
レンタルサーバーは、1台丸ごと借り受ける専有方式と、1台のサーバーを複数のユーザーでシェアする共有方式があります。
前者はサーバーの性能を独占して好きなように運用できますが、月額料金は数万円とかなり高額になります。
後者は、複数人のユーザーでサーバーを共有することになるため、容量や性能は数分の1になりますが、その分、価格はリーズナブルで、月額料金は2000円前後で済みます。
通常、個人がWordPressなどのCMSを導入する用途では、共有タイプのレンタルサーバーを利用するのが一般的です。
さらに、もうひとつの選択肢として、無料のレンタルサーバーが存在します。
無料のレンタルサーバーでは、コストを一切かけずにサーバーを利用できますが、性能はかなり低く、利用できるCMSが限られていたり、ウェブサイトに広告バナーが強制表示されたりするなどの制約も多数あります。
そのため、無料レンタルサーバーを利用する場合には、その欠点を熟知した上で、無料というメリットを最大限活かせるような運用をする必要があります。
今回は、無料のレンタルサーバーの特徴と選び方について解説しますが、まずは、無料レンタルサーバーを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
無料レンタルサーバーを選ぶ際のポイント
無料レンタルサーバーは費用の面でお得な反面、有料のレンタルサーバーと比較すると、劣っている点が多々あるのは事実です。
無料レンタルサーバーを選ぶ際には、以下の8つのポイントに着目しましょう。
独自ドメインに対応しているか
無料のレンタルサーバーの多くが、独自ドメインの設定には対応していません。
独自ドメイン不可のレンタルサーバーでホームページを運営する場合、そのホームページのURLはそのレンタルサービスのものになります。
独自ドメインを使えないとホームページのブランディングにおいてマイナスになるのはもちろんですが、もっと致命的なのは、長年使ったURLを保持したまま別のサーバーに移転することができない点です。
特に困るのが、レンタルサーバーがサービス終了になった場合で、別のサーバーに移転するとURLが変わってしまうため、それまでに得た外部リンクや検索エンジンに蓄積された評価が、すべて無効になってしまいます。
無料レンタルサーバーでホームページを運用する場合は、長年築いたホームページの価値を保持しての移転が事実上、不可能であることを覚悟しましょう。
商用利用が認められているか
レンタルサーバーによっては、商用利用を禁止していることがあります。
企業がビジネス目的で運営するホームページが商用利用にあたるのはもちろんのこと、個人運営のホームページであっても、アフィリエイトやアドセンスで、収益を得ている場合は商用利用に該当します。
商用利用が認められていないレンタルサーバーで、規約を無視してブログから広告収入を得ていた場合、強制退会になる可能性があるので、広告を掲載する場合には、規約で商用利用が認められているかどうかをよく確認しましょう。
サーバー容量は充分か
共用タイプのレンタルサーバーは、使用できるデータ容量に厳しい上限があることが多く、特に無料のレンタルサーバーは、かなり容量が小さくなっています。
特に注意が必要なのが、画像を多く利用するホームページで、テキストが中心のブログなどでは、容量の上限に達することはまずありませんが、ファイルサイズの大きな画像を頻繁にアップするようなホームページでは、簡単に容量の上限に到達します。
また、動画をサーバーにアップロードした場合は、それだけで簡単に容量を使い切ってしまうでしょう。
無料のレンタルサーバーを使う場合は、どれくらいの容量が使えるかを事前に把握し、その範囲内で利用できるコンテンツを選びましょう。
広告表示の有無
無料レンタルサーバーでは、公開したウェブコンテンツ上に広告が強制的に表示されることがほとんどです。
この広告表示によって、無料で提供しているサーバーのコストを確保しているわけですが、広告表示といっても一律に同じわけではなく、目立たない場所に表示させるだけのものから、ホームページの全面に表示するタイプもあります。
画面の隅に表示される広告であればそれほど気になりませんが、画面全体に大きく表示されると、ホームページのユーザビリティを左右し、特にアフィリエイト広告を掲載している場合は、収益性に悪影響が出ることもあります。
また、ホームページの雰囲気にそぐわない広告が表示されると、アクセスしたユーザーにネガティブな印象を与える可能性も懸念されます。
広告が強制表示されるサーバーでは、どんな種類の広告が表示されるかを事前にチェックしておきましょう。
WordPressをインストールできるか
レンタルサーバーを利用する場合、その目的の多くはWordPressのインストールだと思います。
ブログのCMSとして圧倒的なシェアを誇るWordPressですが、最新版をインストールして動作させるには、サーバー側にもある程度のスペックが求められます。
無料のレンタルサーバーの中には、WordPressをサポートしていなかったり、インストールを禁止していたりするものがあります。
WordPressのインストールがNGのサーバーに無理やりWordPressを導入した場合、不具合が多発する可能性が高く、また規約違反で強制退会になるリスクもあります。
WordPressが利用できるかどうか事前に情報をチェックしておきましょう。
サーバーの安定度
無料のレンタルサーバーの欠点のひとつが、サーバー本体のスペックが明らかに低いことです。
サーバーの能力が高い場合、ホームページに多くのアクセスが集中しても、表示速度に大きな影響はありませんが、無料レンタルサーバーでは基本的には高スペックのサーバーは提供されていないため、処理速度についてはあまり期待できません。
また、サーバーが落ちる(不通になる)ことも無料のレンタルサーバーでは珍しくないため、サーバーの安定性も事前に確認する必要があります。
サーバーの安定性については、実際に利用しているユーザーの口コミや評判を、SNSなどのコミュニティで調べてみるといいでしょう。
サポート体制はしっかりしているか
無料レンタルサーバーでは、適切なサポートが受けられる体制が整っているかも見るべきポイントです。
いざという時のサポートの窓口として、メール、チャットなどの連絡手段がどの程度、確保されているかを確認しておきましょう。
無料のレンタルサーバーでは手厚いサポートはまず期待できませんが、サーバーが落ちたときの報告先があるかどうかくらいはチェックしておきたいところです。
HTTP/2に対応しているか
HTTP/2とは、1つのTCPコネクションを使い回して、 その中でHTTPリクエストとHTTPレスポンスを多重化させて、複数のHTTPメッセージについて上限がなく並列的に処理できる技術のことです。
HTTP/2に対応していることで、ホームページの表示速度を格段に向上させることが可能になるため、ユーザビリティにも大きくかかわります。
無料のレンタルサーバーは、HTTP/2に対応した無料レンタルサーバーであることを確認して、導入してください。
おすすめの無料レンタルサーバー6選
この章では、おすすめの無料レンタルサーバーを4つ紹介します。無料のレンタルサーバーは、提供している事業者がそれほど多くないため、選択肢自体が限られます。
それぞれの特徴を正しく把握した上で、利用するサービスを選びましょう。
XFREE
XFREEは、レンタルサーバーの大手のひとつであるエックスサーバーが提供している、無料レンタルサーバーです。
エックスサーバーが蓄積したサーバーのノウハウがふんだんに盛り込まれており、無料でレンタルサーバーを利用したいユーザーにとっては第一の選択肢になるでしょう。
HTMLサイト限定の無料プランでは広告表示がないので、ホームページのテイストを崩すことなく利用できます。
また、PHP・MySQLサーバー機能が利用できる無料プランも用意されていて、こちらではWordPressなどの動的サイトの作成が可能となりますが、こちらは広告が表示される点には注意が必要です。
また、サーバーの容量が1GB〜2GBとかなり少ないので、画像ファイルを多様したホームページの構築は難しいでしょう。
スターサーバーフリー
スターサーバーフリーでは、「フリープラン」「フリー容量増加プラン」「フリー PHP+MySQLプラン」の3つのプランが用意されています。
いずれもパソコンからのアクセスでの広告表示はありません。
ただし、「フリー容量増加プラン」と「フリー PHP+MySQLプラン」ではスマートフォンでアクセスした場合にのみ、広告が強制表示されます。
また、独自ドメインの登録にも対応しており、関連サービスのスタードメインで取得したドメインだけでなく、他社のサービスで取得した独自ドメインも設定できます。
また、サーバーの容量も最大4GBと大きめに設定されている点も魅力的です。
XREA
XREAはXREA Freeという無料プランを提供しています。
容量が1GBと若干少なめですが、無料プランを含めて全プランで最新のCPU、SSDに対応しており、サーバー本体の性能に安定感があるのが特徴です。
契約の手続きや使い方など、気軽に問い合わせることが可能なサポート体制が整っている点も魅力的です。
ぶっとびねっと
ぶっとびねっとは容量無制限のレンタルサーバーを無料で提供しています。
ディスク容量とファイル数に上限は設けられていませんが、1つのファイルサイズの上限は3メガバイトとなっています。
ファイル置き場としての利用は認められていないので、サーバー上で何らかのサイトを公開する必要がありますが、MySQLやPHPに対応し、WordPressの自動インストールも可能なので、ブログやホームベージの運営には最適でしょう。
広告はバナーではなくページの上下にテキスト形式で表示されるため、ホームページのデザインを損なう心配がないのもメリットです。
TOK2 FREE HOMEPAGE
TOK2 FREE HOMEPAGEでは、容量制限のないレンタルサーバーを無料で利用できます。
サーバー容量に制限はありませんが、1つのファイルサイズには上限が設けられており、掲載したホームページには広告が強制的に表示されます。
PHPとPerlに対応しているため掲示板やチャットなどのプログラムの設置は行なえますが、無料プランではMySQLは利用できないため、WordPressなどの高度なCMSは導入できません。
月額200円の有料プランに変更すると、MySQLや独自ドメインを利用できるようになります。
000webhost
000webhostは海外のレンタルサーバーで、日本人ユーザーの利用も可能です。
ただし、日本語には対応していないため、母国語での手厚いサポートを受けたい方には向いていません。
広告表示がない無料サーバーでありながら、MySQLやPHP、CRONが利用できるなどのハイスペックなサービスが魅力的です。
最大で6000個のファイルまでしかアップロードできないなどの制限がありますが、小規模なホームページを無料で構築したい際にはおすすめです。
無料レンタルサーバーを選ぶ際の注意点
ここからは、無料レンタルサーバーを使う際に、注意すべきポイントを挙げていきましょう。
セキュリティが低い場合がある
無料レンタルサーバーは、有料レンタルサーバーと比較してセキュリティ対策が不十分な場合が多いです。
例えば、無料レンタルサーバーはSSLに対応していないことが多く、データの送受信の際に通信が暗号化されません。
そのため、ログインパスワードや問い合わせフォームの入力や送信には情報漏洩のリスクが伴います。
また、検索エンジンはSSL対応のホームページを高く評価するため、SEOの点からも不利を避けられません。
ホームページ側で安全対策を取っても、サーバー自体のセキュリティ対策に不備があると、大きなトラブルに発展する可能性があります。
特に、個人情報の流出はユーザーに対して多大な迷惑をかけることになるため、ユーザーの個人情報を取り扱う必要があるホームページでの利用は、おすすめできません。
表示速度に限界がある
無料レンタルサーバーはスペックに難があるため、サイトの表示速度が遅くなりがちなことは既に触れましたが、これはユーザーに不便を強いるのはもちろん、SEOにも悪影響があります。
表示にもたつくサイトは、検索エンジンやSNSからユーザーが訪れても、表示を待ちきれずに途中離脱する可能性が高くなりますし、検索エンジンは表示速度の遅いサイトを検索結果の上位には表示しません。
サイトのユーザビリティに大きなマイナスがある点は覚悟しましょう。
審査が必要な場合もある
無料レンタルサーバーでは、ユーザー登録時に所定の審査が行われる場合があります。
審査ではサーバーの利用目的やホームページの更新頻度などが確認され、この審査を通過しないとレンタルサーバーを利用できません。
基本的には、サーバーに過大な負荷をかけるユーザーを排除するためのものなので、それを念頭に審査に望みましょう。
規約変更やサービス終了のリスクがある
無料レンタルサーバーの事業継続性には信頼が置けません。
予告もなしにサービスが終了になる可能性は少なからずあり、実際これまでも「Yahoo!ジオシティーズ」をはじめ多くの無料レンタルサーバーが、問答無用で事業打ち切りとなっています。
また利用者から直接的に収益を得ていないため、利用規約やサービス内容の変更にも躊躇がなく、利用者に不利な条件が一方的に設定される可能性もあります。
無料レンタルサーバーの環境は、運営側の意向でいつ変わってもおかしくないことを理解しておきましょう。
アフィリエイトサイトとは相性が悪い
無料レンタルサーバーでは、強制的に広告が表示されたり、容量が極端に少なかったりするケースがあることから、長期的で安定したホームページ運営が難しいといえます。
そのため、長く運営を続けることが前提のアフィリエイトサイトの構築には向いていません。
アフィリエイトサイトを運用したい場合は、無料レンタルサーバーを選ぶべきではないということは頭に入れておきましょう。
まとめ
今回は、レンタルサーバーの種類と注目すべきポイントについて解説しました。
無料レンタルサーバーは、有料レンタルサーバーと比較してスペック的に見劣りしますが、その欠点を把握した上で使う分には、役に立つサービスです。
ホームページを本格運用する前のプレ段階の公開や、練習や実験用のサーバーなど、使い道はいろいろ考えられるので、上手く活用する方法を探ってみましょう。
誰でも10分!WordPressブログの始め方
ブログを始めるには、ライブドアブログやはてなブログといった無料ブログを使う方法、
あるいはWordPressなどを使用する方法があります。
まだWordPressを持っていない人でも、簡単に準備できる方法を以下の記事で解説してます。
初心者でもわずか10分で始められるので、参考にしてみてください。
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【完全ガイド】誰でも10分!WordPressブログの始め方
独自ドメインを取得するなら「お名前.com」
「お名前.com」は、国内No.1のドメイン登録サービス。独自ドメインと合わせて、WordPressの自動インストールに対応したレンタルサーバーも利用できます。WordPressや独自ドメインを一度も使ったことのない人でも、スムーズに始められるはず。
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