ホームページで正しく引用する方法とは?書き方と注意点を詳しく解説

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ホームページ上のコンテンツを作成するときは、他のサイトの情報や書籍を参考にすることもあるでしょう。

コンテンツ内容の補足や信頼性を持たせるために、他の人の著作物を自分のホームページに引用したいと感じる場面も多いのではないでしょうか。

引用は非常に便利な手段ですが、引用するためのルールや条件はきちんと守られているでしょうか。

もしルールを守らずに引用してしまうと、著作権違反となり厳しい罰則が発生する可能性があります。

トラブルを避けるためには、引用ルールについて正しく理解することが重要です。

今回は、ホームページ上で引用を行う際の正しいルールや書き方、注意点について詳しく解説します。

ホームページでの引用ルールとは?

「引用」という行為について、ネガティブな印象を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

インターネットの世界では、違法なファイル交換や海賊版が横行していることもあって、引用に関する正しい理解が進んでいません。

小説やマンガ、アニメなどの商業作品の一部をウェブサイトに掲載することは、著作権の侵害にあたるという誤解は未だに根強く残っていますが、ルールの範囲で行われる分には法的に認められた行為であり、掲載元や著作者への連絡や確認なしで行なうことができます。

正しい理解の元で行われる引用は、ウェブコンテンツを豊かにするので、ぜひともそのルールを身に着けておくべきです。

まずは引用の定義についてですが、引引用とは、他人が制作した文章やイラストなどの著作物を自分の制作物の中で使用することを指します。

著作物には文章などの文芸品、イラスト、音楽、美術、映画、コンピュータプログラムなどが該当し、著作権法で保護の対象となります。

他人の著作物を引用する行為にはルールが定められており、正しく守らないと著作権を侵害することになってしまいます。

文化庁では、以下のように引用における注意事項が定められています。

”引用における注意事項
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合、すなわち引用を行う場合、一般的には、以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど、自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)”

上記のルールについて詳しく解説します。

他人の著作物を引用する必然性があること

引用には必然性がなければなりません。

ただ「なんとなく使用したいから」という理由は認められず、「引用なしでは記事内容の説明ができない」「引用なしでは信頼性のある根拠が示せない」などといった場合のみ認められます。

例えば、著作物の一部を特に説明もなく羅列したり、切り貼りして再構成することには、引用の必然性はありません。

一方で、著作物を批評的に検討するために、論述内で一部分を抜き出して例示することには、引用の必然性があります。

引用を行なう際には、その部分を本当に引用する必要があるのか、客観的に考えてみましょう。

自分の著作物と引用部分とが区別されていること

自分で制作した部分と引用部分が誰の目で見てもわかるように区別されていなければなりません。

他人の文章の引用の中に自分の文章が前置きなく混在している状態は、それが解釈や補足であっても認められません。

ウェブページでは、テキストとテキストの境界線が曖昧で、引用した部分が分かりにくいことがあるので、引用タグで囲むなど、視覚的にはっきり差別化しましょう。

自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること

主従関係とは、コンテンツの中でメインとなるのが自分の著作物か、引用した著作物かということです。

例えば、著作物からの引用がコンテンツの大部分を占め、引用者の記述はごくわずかという場合、それは引用の名目で行われたコピーと見做されます。

自分のコンテンツより引用部分が多くなってしまうと、主従関係が逆転しルール違反になります。

引用を行なう場合には、引用箇所の割合が大きすぎないかに注意しましょう。

出所の明示がなされていること

引用する際には、どこから引用したのか引用元を記載しなければなりません。

一般的にホームページから引用した場合は「ホームページ名」や「URL」、書籍から引用した場合は「書籍名」や「著者名」を記載することが多いです。

引用や参考文献の書式については、後半で詳しく解説しているので、ホームページで引用を行なう際の参考にしてください。

引用部分を改変しない

もう一つのルールとして、引用する著作物を改変することは禁止されています。

引用したテキストや画像に対して、引用者側がこちらの都合で加工や切り取りなどを行うことはルール違反になります。

引用する部分に、誤字や脱字、明らかな記述ミスがあった場合でも、一切手を加えずにそのまま記載しましょう。

引用と転載とコピペの違いとは?

引用は「転載」や「コピペ」とはどう違うのでしょうか?

区別しにくいこの3つの違いについて解説します。

引用とは?

引用とは、先に解説した引用のルールを守って正当な範囲で他人の著作物を複製することです。

ルールを守っていない複製は引用とは言えません。

引用の場合、著作者へ使用許可を得る必要はありません

転載とは?

引用と同じ形でも、他人の著作物が自分のコンテンツの割合より多く、メインとなっている場合は転載となります。

転載とみなされる場合、著作者に使用許可を得る必要があります。

コピペとは?

コピペとは「コピー(複製)アンドペースト(貼付)」の略です。

他人の著作物をコピーして自分のホームページに貼り付け、自作のコンテンツとして公開することを指します。

これは盗作にあたり、著作権違反になります

Googleなどの検索エンジンも、コピペ行為を発見した場合にはSEO評価を下げます。

ホームページ上での引用の書き方

では、実際にホームページ上で正しく引用するための書き方について解説します。

文章を引用する場合

他のサイトの文章を引用する場合は、引用部分を自分のコンテンツとしっかり区別した上で引用元を明示します。

  • サイト名
  • URL
  • 著者名
  • 記事の公開日時

これらの情報があると良いでしょう。

「引用:◯◯」といった形で記載し、◯◯の部分のテキストにリンクを挿入することが多いです。

書き方に厳格な決まりはありませんが、最低限サイト名とURLは必ず記載します。

書籍や辞書から引用する場合

書籍や辞書などから引用する場合も同様で、引用元をきちんと明記します。

以下のような情報があると良いです。

  • 書籍のタイトル
  • 著者名
  • 出版社
  • 出版年
  • 引用ページ

こちらも最低限、書籍のタイトルは記載しましょう。

画像を引用する場合

画像を引用する場合も、引用元をきちんと記載します。

注意点として、画像は引用元から直リンクしてしまうと、相手のサーバーの負担になるため禁止されている場合があります。

引用元に確認し、直リンクが禁止されている場合は自分のサーバーにアップロードしてから引用を行いましょう。

著作権フリーの画像素材を配布しているサイトもありますが、商用利用の禁止やクレジット表記をルールとしている場合もあります。

使用前に利用規約を確認しましょう。

引用・参考・出典の違い

「引用:◯◯」と同じ形で「参考:〇〇」や「出典:〇〇」という記載もよく目にしますが、混同しがちなこれらの言葉には以下のような意味の違いがあります。

  • 引用:他の著作物からそのまま使用すること
  • 参考:他の著作物の内容を要約して使用すること
  • 出典:引や参考にした著作物

使用用途に合ったものを選択し、正しく記載しましょう。

参考文献の書き方

参考にした書籍や雑誌、ウェブサイトがあるものの、内容を引用するほとでもない場合は、参考文献として情報源について記載しておきましょう。

参考文献に使われるのは書籍、雑誌、ウェブページなどですが、後から他の人がその文献を参照できるようにしなければならないため、最低でも以下の4つの要素について記載しておく必要があります。

  • 著者名
  • 出版年、更新年
  • 書名、論文名
  • ウェブサイト名、URL など

例えば、文系の学術領域で使われているAPAスタイルでは、書籍、雑誌論文、ウェブサイトの引用はそれぞれ次のような書式で行われます。

書籍:著者名(出版年) . 『書名』 . 出版社 , [シリーズ名] , [総ページ数].

雑誌論文:著者名(出版年) . 「論文名」 『誌名』 巻数 , 号数 , pp.始め-終わり.

ウェブサイト:著者名(更新日) . 「ページ名」 . サイト名 . 入手先URL , (閲覧日).

注意したいのは、ウェブサイトの場合、閲覧日の記載があることで、これはウェブの情報は内容が変更される可能性があるため、参照した時点の日付を明らかにする意図で設けられています。

このほかにも理系の分野では「SIST 02」方式が使われていて、記号の使い方など細部の様式がAPSスタイルと異なりますが、上述の4要素を満たしている点に変わりはありません。

APAスタイルはアカデミズムの世界で使われている参考文献の記法ですが、正確な情報源を記述する上での標準的な書式として有効なので、ウェブの参考文献の記載でも活用しましょう。

引用タグの取得方法について

自分のコンテンツと引用部分を区別するためには、引用タグを使用するのが効果的です。

WordPressの場合

WordPressでは「blockquote」タグを使うことが一般的です。

ブロックエディタの「+」をクリックし、「ブロック」の「テキスト」カテゴリにある「引用」を選択しましょう。

引用ブロックが記事本文に挿入されるので、引用したいテキスト、引用元を入力しましょう。

HTMLの場合

HTMLでは<blockquote>タグと<cite>タグを使用し、以下のように記載します。

<blockquote>
<p><cite>引用:<a href="引用元URL">引用元サイト名など</a></cite></p>
</blockquote>

blockquoteタグはどこからどこまでが引用部分なのかを示し、citeタグは引用元を示します。

SNSの投稿を引用する場合

SNSの投稿をブログに引用するには、埋め込み機能を利用します。Twitterを例に紹介します。

Twitterで引用したいツイートの右上の「…」をクリックし、メニューから「ツイートを埋め込む」を選択します。

「Copy Code」ボタンで発行されたコードをクリップボードにコピーします。

後はコピーしたコードを自分のホームページに貼り付けたら完了です。

YouTube動画を引用する場合

YouTubeの動画を引用する場合も、埋め込み機能を利用します。

YouTubeで引用したい動画ページの「共有」を選択します。

「共有」のウインドウが表示されたら「埋め込む」を選択します。

「動画の埋め込み」に表示されたコードをクリップボードにコピーします。

後はコピーしたコードを自分のホームページに貼り付けたら完了です。

著作権違反をした場合の影響

もしルールを守らず、著作権違反をしてしまった場合にはどのようなことが起こるのでしょうか。

ここでは、著作権違反をした場合に考えられる影響について具体的に解説します。

民事上の請求

著作者などの著作権者から次のような民事上の請求を受けることがあります。

  • 差止請求
  • 損害賠償請求
  • 不当利得返還請求
  • 名誉回復などの措置請求

このうち、著作権侵害では差止請求と損害賠償請求が一般的です。

差止請求はルールを守っていないホームページの閉鎖など、侵害行為の停止・予防を請求されます。

損害賠償請求は、侵害行為により著作権者が被った損害を請求されます

損害賠償額は100万円程度といわれています。

刑事上の罰則

著作権法第119条により、著作権を侵害した者は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金のいずれか、または両方が科せられます。

法人の場合は3億円以下の罰金というとても厳しいものですので、違反にはくれぐれも注意しましょう。

ホームページで引用する際に注意するポイント

ホームページ上での引用のルール、書き方について解説しました。

実際に引用を行う際にはあわせて以下のポイントにも注意しておくと安心です。

信頼できる情報であることを確認する

引用は記事の内容を補足したり、信頼性を高めたりする目的で利用します。

そのため引用元の情報が信頼できるものであるかをしっかり確認した上で引用を行いましょう。

特にネット上に公開されている情報は専門家ではない一般人の意見も多いです。

どのような人が書いたのか、権威のある機関がチェックしているか、何を根拠にしているか、などを確認すると良いでしょう。

引用元のルールを確認する

引用は正しくルールを守って行えば、著作者に使用許可を得る必要はありません。

しかし引用元によっては、使用料の設定や商用利用の禁止など、独自のルールを定めている場合があります。

引用する際には念のため各引用元の利用規約を確認しておくと安心です。

ルールがわかりにくい場合は引用元に直接問い合わせてみても良いでしょう。

孫引きは避ける

孫引きとは、原典を直接引用せずにすでに他の場で引用された文章をそのまま引用することを意味します。

もし引用元が間違えて引用していた場合、孫引きすると自分も間違えた情報を掲載してしまう可能性があります。

孫引きは避け、必ずオリジナルの情報を確認するようにしましょう。

著作権者への敬意を持つ

著作者は労力をかけて著作物を制作しています。

引用する際には著作者への敬意を忘れないようにしましょう。

引用は他人の著作物の力を借りて自分のコンテンツをより良くするためのものです。

ルールや正しい書き方をしっかり守ることは敬意の表明になります。

トラブルを避けるためにも、引用元の著作者の立場で考えながら行動することが大切です。

まとめ

今回は、ホームページで引用を行う際のルールや書き方、注意するポイントについて解説しました。

自分のコンテンツの補足として他人の著作物を引用することは、ルールをきちんと守れば法的にも問題のない行為です。

今まで著作権違反などを不安に感じていた方も、ルールを一つ一つ確認していけば安心して引用できるのではないでしょうか。

自分のコンテンツの質や信頼性を高めるために、引用を行うことは効果的です。

著作者への敬意を忘れず、著作権を侵害しないよう細心の注意を払いましょう。

この記事を参考に、ルールをしっかり守って良質なコンテンツ作りに役立ててください。

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このサイトのライター
逢坂 秀範

ウェブメディアやメールマガジンのコンテンツ制作のプロ。
豊富な経験と知識でwebの作成や運用、用語などを分かりやすく解説します!

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