ホームページビルダーとは?使用するメリットとデメリット
ウェブサイトの構築にはさまざまな方法がありますが、その中でもとりわけ長く使われ続けているのが、インストール型のホームページ作成ソフトです。
ホームページビルダーはその代表格で、HTMLやCSSの知識がなくても、個人で手軽にウェブサイトを構築できます。
今回はホームページビルダーの概要とメリット、デメリットについて紹介します。
ホームページビルダーはどんなソフトか?
ホームページビルダーは、日本IBMの開発部門である大和開発研究所によって、1994年にバージョン1.0がリリースされた有料のホームページ作成ソフトです。
ウェブ作成ツールのパッケージソフトとしては、1999年10月から13年以上連続で売り上げ1位を記録している定番の製品で、2010年以降はジャストシステムが開発、販売、サポートを行っていますが、同社の一太郎やATOKなどのノウハウがホームページビルダーにも注入されたことで、さらに使いやすさが向上しています。
ローカルのパソコンでページを作成し、それをサーバーにアップロードすることで公開するホームページビルダーの方式は、サーバー上でページの構築処理を全て行うCMSが全盛の今日においては、ややクラシックに感じられるかもしれません。
とはいえ、ネットに繋がらない環境でもホームページの作成作業が行える、ウェブとローカルで二重にデータを保存できる、過去にホームページビルダーで作成したデータを継承できるなど、最近のウェブ開発ツールでは対応できない強みがあることから、発売から20年近くが経過した現在においても、ユーザーの根強い支持を得ているソフトです。
最新版のホームページビルダー22には、「ホームページビルダーSP」と「ホームページビルダークラッシック」の2つのモードがあります。それぞれの違いについては以下の通りです。
ホームページビルダーSP
ホームページビルダーSPは、パーツを選んでドラッグ&ドロップで並べるだけで、ウェブサイトを簡単に作成できます。
はじめてウェブサイトを作るという人でも、思いどおりのデザインやインタフェースを表現できる点が魅力で、幅広い層におすすめできるモードです。
ホームページビルダークラッシック
ホームページビルダークラシックは、より高度なウェブサイトを作成したい人のためのモードです。
HTMLやCSSを直接編集する機能があるので、独自のデザインをディテールにこだわって実現することができます。
また、バージョン18以前のホームページビルダーで作成したサイトの編集を行う場合にも必要になります。
前者のSPが初心者向け、後者のクラシックが上級者向けですが、ホームページビルダー22では、この2つのモードから好きな方を選択できるようになっています。
なお、ホームページビルダーには、スタンダード版(1万6000円)とビジネスプレミアム版(2万7000円)があり、ソフト本体の機能は同じですが、付属するテンプレートや画像素材の数に違いがある点に注意しましょう。
ホームページビルダーとCMSの違い
今日、ホームページを作成する仕組みとして主流なのはCMSですが、ホームページ作成ソフトであるホームページビルダーは、CMSとは全く違った仕組みでウェブサイトを構築します。
この両者には、どのような違いがあるのでしょうか。
CMSの特徴
CMSはContents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略で、ウェブサイトを構成しているテキスト、画像、デザイン、レイアウトなどの情報を、サーバー上で一元的に保存・管理するシステムです。
CMSはサーバーにインストールするソフトウェアで、管理画面にログインしてテキストを入力したり、画像をアップロードしたりすると、CMSはそれを素材にウェブページを生成します。
CMSでは、ページの作成作業の多くをサーバー上で行う点に特徴があり、複数名のユーザーが同時に作業することも可能です。
CMSの代表的なものとしてはWordPressやEC-CUBEなどが挙げられます。
ホームページ作成ソフトの特徴
ホームページ作成ソフトは、パソコンにインストールして利用します。
ローカルのパソコン上でホームページを完成させ、それをサーバーにアップロードして公開します。
更新する場合も、パソコン上で新しいページを作成したり、既存のページを修正したりして、それをサーバーにアップして反映させます。
この仕組みでは、ローカルとウェブで二重にデータが保存されるため、ファイル管理はやや複雑になりますが、データの保全性には優れ、ネットが繋がらない環境でも、ローカルでウェブページの編集作業を進められるなどの利点があります。
また、ウェブページを1ページずつ作成するため、素材から自動的にウェブページを生成するCMSよりも、ディテールにこだわったデザインが可能になります。
CMSはホームページ作成ソフトよりも新しい仕組みで、大量のウェブページを複数人で作成する場合には効率的です。
しかし、ページ数が少ないホームページの場合は、ホームページ作成ソフトで、丁寧に1ページずつ作成する方が、意図通りのデザインを実現しやすいでしょう。
ホームページビルダーを利用するメリット
ホームページビルダーを利用してウェブサイトを構築するメリットとしては、次のような点が挙げられます。
HTMLやCSSの知識が不要
ウェブサイトのデザインを自力で作るには、HTMLやCSSなどの専門的な知識が必要になります。
プロのウェブエンジニアやデザイナーがいないと、本格的なデザインの作成は困難ですが、ホームページビルダーの場合は、専門的な知識がない人でも、手軽に本格的なウェブサイトの構築が可能です。
ローカルで動作するソフトだけあって操作性に優れ、直感的な操作で高度なデザインが実現できる点も魅力的です。
テンプレートの種類が多い
ウェブサイトのデザインのベースに使われるテンプレートですが、他のサイトと重複するようなレイアウトはなるべく避けたいところです。
他社のホームページ作成ソフトでは、限られた数のテンプレートしか用意されていないケースがとても多いですが、ホームページビルダーはテンプレートの種類がとても多く、オリジナリティ溢れるウェブサイトを作成しやすいという特徴があります。
フォントや画像素材が豊富
ホームページビルダーでは、フォントや画像素材が豊富で、個性的なサイトを構築しやすくなっています。
フォントはページの読みやすさに関わってきますが、多くの種類から取捨選択することで、内容を読みやすいページを作ることが可能です。
また、イラストや写真といった画像素材も豊富に同梱されていることから、フリーの画像素材を使ったサイトよりも表現の選択の幅が広がります。
画像編集ソフトが併用できる
ホームページビルダーには「ウェブアートデザイナー」という画像編集ソフトが付属しています。
サイトで使用する画像はサイズを変更したり、トリミングしたり、明るさを調整したり、文字を追加したりといった処理が必要になるため、Photoshopなどの外部の画像編集ソフトでの加工が必要になりますが、ウェブアートデザイナーでは、ホームページビルダーと連携しながら画像編集の作業が行えます。
ファイル転送ツールを利用できる
ホームページビルダーのように、ローカル開発型のソフトウェアでウェブサイトを作成した場合、公開するためには、作ったデータをサーバーに転送しなければなりません。
データの転送にはFTPソフトを使用するのが一般的ですが、今日ではあまり使う機会のないソフトなので、そのためだけにインストールやセッティングを行うのは面倒です。
ホームページビルダーではファイル転送機能が内蔵されているので、ボタンひとつで作成したデータをサーバーに転送可能です。
SEO対策機能が付属している
ホームページビルダーのビジネスプレミアム版には「SEO Composer」と「Sitemap Creator」という機能が提供されています。
これはSEO対策(検索エンジン最適化)のためのもので、検索エンジンの検索結果での順位を上昇させるために必要な、ホームページへの施策についてのアドバイスを得ることができます。
ホームページの表示が軽くなる
ホームページビルダーでは、ローカルのパソコン上でいったんホームページを完成させて、その構成ファイルをサーバー上に設置することで、ホームページを外部に公開します。
この手法では、CMSと比較したときにサイトの表示が軽いというメリットがあります。
CMSではユーザーのアクセスがあるたびに、データベースとやり取りしてウェブページを生成しています。
そのためアクセスが集中するとサーバーに大きな負荷がかかりますが、ホームページビルダーで作ったファイルを設置したサイトでは、アクセスの際にはHTMLファイルを開くだけなのでサーバーの負荷は軽微です。
そのため、性能が低いサーバーでも安定した表示が行えます。
電話サポートが付属している
ホームページビルダーでは、初めてウェブサイトを作成する初心者に向けて、電話サポートが用意されています。
ホームページビルダーの使い方だけでなく、サイト構築に関する困りごとについての相談が無料で行えます。
ただし、後述するように利用回数に制限が設けられている点には注意が必要です。
ホームページビルダーのデメリット
ホームページビルダーですが、少なからずデメリットも存在します。主なデメリットは、以下の通りです。
スタンダード版の付属素材が少ない
ホームページビルダーには、スタンダード版とビジネスプレミアム版の2種類があります。
ビジネスプレミアム版の方が約1万円近く高価となりますが、本格的なホームページを作るためのテンプレートや画像素材が大量に付属しています。
一方、スタンダード版では、個人ユーザーがウェブサイトを構築することを想定していて、本体の機能は同等ですが、テンプレートや画像素材の種類は大幅に少なく、こちらはやや物足りなさが残るかもしれません。
作成や変更に時間がかかる
ホームページビルダーは、初心者でも扱いやすいソフトである反面、ウェブサイトを完成させるまでに時間がかかる傾向があります。
また、複数ページを一括で編集する機能がなく、一度公開した後のページの編集もスムーズには行なえません。
よって、頻繁に内容の変更が必要になる場合には向いていないでしょう。
複数の管理者でサイトを構築するのが難しい
ホームページビルダーはパソコンにインストールして利用するため、複数のユーザーでサイトを編集するような作業には向きません。
複数人で作業する場合には、それぞれのパソコンに個別にインストールする必要がある上、お互いの編集するページが重複しないように気をつける必要があります。
個人でホームページを作成する用途では問題ありませんが、多人数が関わる大規模なホームページの開発には向かない点には注意しましょう。
3回目以降のサポートやバージョンアップが有料
ホームページビルダーには、初心者向けのサポートがありますが、無料で利用できるのは2回までで、3回目以降のサポートは有料となります。
また、新しいバージョンのホームページビルダーを使いたい場合は、その都度アップグレード版を購入しなければなりません。
アップグレード版はやや費用は安くなっていますが、コストがかかる点はデメリットです。
Windowsでしか利用できない
ホームページビルダーはWindowsにのみ対応しています。
macOSへのインストールには対応しておらず、どうしてもmacOSで利用したい場合には、Windowsの仮想化環境を導入してその中にインストールするなどのイレギュラーな対応が必要になります。
まとめ
今回はホームページビルダーの特徴とメリット、デメリットについて解説しました。
ホームページビルダーは、サーバー上でコンテンツの管理と作成を行う昨今のCMSと比べると、一世代前のサイト制作方式となります。
しかしCMSは、大量のページ作成、頻繁な記事の更新、複数人での同時作業といった運営を前提としており、更新頻度の少ない静的なサイトを個人で運営するのには向いていません。
そういったサイトを作る場合、WordPressなどのCMSを使うと、外部の制作会社に依頼せざるをえない上に、ゴテゴテした重いホームページになってしまいがちです。
シンプルなホームページを、非エンジニアが個人規模で制作する場合、ホームページビルダーは今でも有力な選択肢です。
ホームページビルダーの長所を見極めて、適材適所で活用できるようになりましょう。
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