CMSとWordPressの違いとは?歴史や種類についても解説

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ブログやサイトの開発に関する情報を集めているとよく目にするのが「CMS」という言葉で、「WordPress」と合わせて使われていることが多くあります。

今回は、そもそもCMSとは何なのか、WordPressと違いはあるのか、WordPress以外のCMSには何があるのか、などを解説します。

CMSとWordPressは何が違う?

まず、CMSとWordPressの関係についてですが、この両者は別物ではなく、WordPressは数あるCMSの中に属しているソフトウェアのひとつです。

それぞれについて詳しく解説していきます。

CMSとは何か

CMSとは「Contents Management System」の略で「コンテンツ管理システム」のことを言います。

簡単にいうとウェブサイトを構成する文章やデザイン、画像やレイアウトなどの情報を、管理画面から管理し保存するシステムのことです。

CMSでは外部に公開するページとは別に管理画面が用意されていて、ユーザーはそこにアクセスすることで、サイトの情報を管理したり更新したりすることができます。

CMSではHTMLなどの知識がなくてもウェブサイトを簡単に構築、更新できるのが特徴です。

CMSを導入していない単純なHTMLで作られたサイトは「静的なサイト」と分類され、テキストを1行変更するだけでも、ソースコードの編集が必要になります。

一方、CMSを利用して構築されたサイトは「動的なサイト」という扱いになり、管理画面の入力欄に表示されているテキストをそのまま直せば良いので、ウェブエンジニアリングの知識がない人でも、サイトの管理が容易になります。

WordPressとは何か

WordPressはCMSの中の一種です。

2003年にブログツールとして公開され、現在では世界中で最も利用されているCMSとなりました。

さまざまなウェブ技術などについて調査を行っている企業「Q-Success」によると、全世界のウェブサイトの40%以上がWordPressで作られていると言われています。

2015年頃はこの数字が20%程度だったので、年々WordPressの普及率は高くなっていることがわかります。

WordPressはブロガーだけではなく、ウェブデザイナーやプログラマーなど幅広い層に使用されており、現在のインターネットにおいて非常に重要なソフトウェアであると言えます。

個人利用に限らず、企業ユースにおいてもWordPressは高く評価されています。

専門知識のない人でもコンテンツの更新が行えることから、運営が従来よりも容易になるのが主な理由で、外部の制作会社に依頼せずとも内製でコンテンツの更新ができるようになったことで、情報公開のスピードが大幅に短縮され、人件費の削減にも繋がります。

中小企業や上場企業、官公庁や大学などでもWordPressの導入は進んでいて、今後もWordPressを導入する企業や組織は増えていくことが予想されます。

ちなみに、日本WordPressには「わぷー」という公式のキャラクターがいます。

著作権はカネウチカズコさんに帰属していますが、基本的に誰でも自由に改変、利用できます。

CMSの歴史とWordPress

ウェブサイトの運営を便利にしたCMSですが、その歴史はそれほど古くなく、主要なCMSのほとんどが2000年以降に登場しています。

CMSとWordPress、それぞれの歴史を辿ってみましょう。

CMSの歴史

ウェブページが登場したのは1991年。欧州原子核研究機構(CERN)によって公開されたものが最初と言われています。

その後、インターネットは1990年後半に普及していきましたが、コンテンツ作成やシステムの開発、運用などに多くの時間が必要とされていた中で、2000年頃に作業の効率化とシステム改善のために生まれたのがCMSでした。

企業向けのウェブコンテンツ管理システムとして開発されたソフトウェアがCMSの始まりで、2001年に「Movable Type」や「Drupal」が登場し、2005年頃には個人でブログを書くことが流行しました。

CMSが普及した背景にはいくつか要因がありますが、この流行にともない無料でブログを開設、運用ができるCMSの活用が広まったことがそのひとつに挙げられます。

2010年頃には個人だけでなく企業もCMSを導入するようになりました。

誰もが知っている企業の公式サイトがCMSで構築されるような動きが海外で始まり、ブログだけでなくウェブサイト制作においてもCMSが注目されるようになりました。

WordPressの歴史

WordPressの創始者はマット・マレンウェッグ(Matthew Charles)という男性です。

彼は19歳の時、当時一番普及していたMovable TypeというCMSを使用していましたが、使い勝手の悪さに辟易していました。

その頃、b2という新しいブログツールに出会ったものの、b2の開発が休止となってしまい、ブログ上でb2の改造を呼びかけます。

そこで手を挙げたのがマイク・リトル(Mike Little)で、彼がもう一人のWordPressの創始者です。

彼らの手によって、WordPressは2003年に誕生、日々アップデートを重ね、今でも現在進行形で進化を続けています。

マット・マレンウェッグは2008年の「インターネットで最も影響力のある25人」に選出されています。

WordPressには2種類ある?!使用する前に知っておくこと

実はWordPressには「WordPress.org」と「WordPress.com」という2つの公式サイトが存在します。

この両者は同じWordPressという名称でも、提供しているサービスが全く異なります。

それぞれの違いについて解説していきましょう。

WordPress.org

「WordPress.org」は、サーバー上に構築して運用するタイプのWordPresを公開しているサイトです。

世間一般でWordPressとして知られているのは、この「WordPress.org」の方で、個人・法人を問わずに使用でき、商用利用もできます。

「WordPress.org」の公式サイトではWordPress最新版のインストーラーを無料で配布しています。

「WordPress.org」の場合、ブログの運用には、サーバーとドメインを自力で用意する必要がありますが、自由度の高いブログやウェブサイトを持ちたいのであれば、後述の「WordPress.com」よりも「WordPress.org」の方が適していると言えます。

WordPress.com

「WordPress.com」は無料で使用できるブログサービスの一種で、アメーバブログやはてなブログのようなログイン型のオンラインサービスとして利用できるWordPressのことです。

サーバーや独自ドメインを用意する必要がないので、すぐにブログを開設することができる一方、細かいカスタマイズには対応しておらず、自由度は低くなっています。

上述のWordPress.orgと違い、公式のサポートを受けられるのが特徴です。

基本的には無料で使用できますが、テーマを自由に選んだり、プラグインを入れたり、独自にカスタマイズしたいという場合には、有料プランの契約が必要になります。

ブログで収入を得たいと考えている場合、WordPress.comの利用には注意が必要で、有料のビジネスプラン以上でないとプラグインが使えないため、Googleアドセンスの設置ができません。

ブログ運営でお金を稼ぎたいという方は、WordPress.comではなく、WordPress.orgの方がおすすめです。

WordPress.comには4つのプランが用意されています。

  • パーソナル(個人向け):無料
  • プレミアム(フリーランサー向け):1,600円/月
  • ビジネス(中小企業向け):3,800円/月
  • eコマース(オンラインストアに最適):6,800円/月

上記は月額支払いですが、年額支払いにすると料金が安くなります。

また、年額支払いにすると「独自ドメイン初年度料金無料」「ライブチャットサポート」などサービスもランクアップしますので、契約する際は年額支払いがお得です。

CMSの2つの種類について

一口にCMSと言っても、その形態は様々です。

ここではCMSを大別する2つの種類、「オープンソース型」と「独自開発型(オンプレミス型、クラウド型)」の違いについて解説します。

オープンソース型

ソースコードが公開され、無償で利用できるCMSを「オープンソース型」と言います。

誰でも自由に利用・改変・再配布するソフトウェアで、運用の自由度が高いのが特徴です。

コストがかからないのがメリットですが、学習コストがかかることやセキュリティに関して課題があるところがデメリット。

オープンソース型の代表的なCMSはWordPress、Drupal、Joomla!です。

独自開発型

ウェブ制作会社やベンダー企業など国内外の会社が独自に開発したCMSは「独自開発型に分類されます。

多くの場合は有料ですが、サポートなどが充実している場合が多いです。

CMSをソフトウェアとして有料で配布しているケースのほかに、サーバーやネットワークを自社で管理するオンプレミス型や、オンラインのクラウドサービスとして提供するクラウド型といった形態があります。

WordPress以外の5つのCMSを紹介

WordPress以外にも、世界には様々なCMSがあります。

現在使われる機会の多い、主要な5つのCMSを紹介していきましょう。

Movable Type(ムーバブルタイプ)

Movable Typeはシックス・アパートというアメリカの会社が開発、提供しているCMSです。中規模〜大規模のウェブサイトの開発に向いています。

個人で利用する場合は無償ですが、ビジネス利用する場合はライセンスが必要になります。その分メーカーによるサポートを受けられるというメリットがあります。

ライセンスには利用用途によって複数用意されており、学校および教育団体の組織の場合は
アカデミック価格での利用が可能です。

concrete5(コンクリートファイブ)

アメリカのConcrete CMSという企業が開発したCMSで、企業や団体の公式サイトによく使われています。

ブログに限らない様々なスタイルのサイトを構築できる汎用型のCMSで、時系列だけではないコンテンツの自由な配置を行えるところに特徴があります。

サイトの構成要素であるブロックをドラッグ&ドロップして構築が行えるほか、アドオン(プラグイン)による機能拡張にも対応しています。

HTMLやCSSの知識に自信がない人でも運用できる点が魅力と言えるでしょう。

Joomla!(ジュームラ)

日本では知名度が高くないですが、世界では人気のあるCMSの一つです。

「ジュームラ」とは「一斉に」や「全体として」という意味が込められているスワヒリ語が語源となっています。

WordPressと比較するとセキュリティ面に優れているのが特徴ですが、初心者には扱いが難しいCMSです。

Drupal(ドゥルーパルまたはドルーパル)

世界規模の大企業、大学、NGO、政府機関など大規模なウェブサイトを中心に、世界中で利用され高く評価されているCMSです。

WordPressと比較すると拡張性やカスタマイズ性の高さに優れ、中〜大規模なウェブサイトの構築に向いており、初心者には扱いが難しいのが特徴です。

a-blog cms(エーブログ シーエムエス)

名古屋に拠点を置く企業アップルップルによって開発された国産のCMSです。

利用には料金がかかり、契約ライセンスによって料金が異なります。

a-blog cmsの最大のポイントはサポート体制が充実していることです。

WordPressで制作したサイトに何かしらトラブルがあった際には自力で解決する必要がありますが、a-blog cmsの場合は有償対応ではありますがメールや対面、オンラインビデオ通話でサポートをしてくれるサービスがあります。

まとめ

今回はCMSとWordPressの違いや、WordPress以外のCMSについて解説いたしました。

CMSには様々な種類が存在していますが、現在、世界で一番使われているCMSは圧倒的にWordPressです。

WordPressのメリットは数多くありますが、中でも普及率が高い分、困った時に解決につながるような情報がネットに豊富にあるのは大きな利点と言えます。

それぞれのCMSのメリットデメリットを理解した上で、運用の用途や目的を再確認し、最適なCMSを選ぶようにしましょう。

誰でも10分!WordPressブログの始め方

ブログを始めるには、ライブドアブログやはてなブログといった無料ブログを使う方法、あるいはWordPressなどを使用する方法があります。

まだWordPressを持っていない人でも、簡単に準備できる方法を以下の記事で解説してます。
初心者でもわずか10分で始められるので、参考にしてみてください。

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【完全ガイド】誰でも10分!WordPressブログの始め方

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このサイトのライター
逢坂 秀範

ウェブメディアやメールマガジンのコンテンツ制作のプロ。
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