会計ソフトをバージョンアップする際の勘定科目は?除却の注意点も解説

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  • 会計ソフトをバージョンアップする費用の勘定科目は、基本的に3種類である
  • バージョンアップするかアップグレードするかで勘定科目が異なる
  • ソフトをアップグレードした後に除却する場合は、本当に処理するか検討する必要がある

会計ソフトをバージョンアップする際の費用は、その内容によっても勘定科目に違いが出るため、経費処理に迷ってしまう経理担当者も多いでしょう。本記事では、会計ソフトをバージョンアップする際の勘定科目やソフトをアップグレードした後の除却の際の注意点も解説します。

目次

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  1. 会計ソフトの勘定科目とは
  2. 会計ソフトのバージョンアップにかかる費用の勘定科目
  3. 会計ソフトのバージョンアップの内容
  4. バージョンアップ費用が月額料金に含まれている場合
  5. 会計ソフトアップグレード後の旧版の除却について
  6. 会計ソフトのバージョンアップ費用を仕訳する際のポイント
  7. まとめ

会計ソフトの勘定科目とは

会計ソフトを使う際はまず、製品そのものの購入料金や利用料がかかります。バージョンアップにかかる費用の前に、そもそも会計ソフトの費用はどの勘定科目を使うのか把握しておきましょう。クラウド型とインストール型では使う勘定科目が異なります。

会計ソフトの勘定科目とは

  1. クラウド型の場合
  2. インストール型の場合

クラウド型の場合

会計ソフトに限らず、勘定科目は基本的に自由に決めて良いものですが、クラウド型会計ソフトの利用料金は一般的に「通信費」が使われることが多いです。通信費は、電話代やインターネット料金、切手などの郵送にかかる費用に使われます。

クラウド型は料金を払い続けなければ利用できないサービスであり、物品を購入したとは言えないため、10万円以上であっても全額を経費算入できます。また、「通信費」の他にも、「支払手数料」や「外注費」などが使われるケースもあります。

インストール型の場合

インストール型会計ソフト購入には、多くの場合「消耗品費」が使われます。消耗品費は、社内で使う事務用品やコピー用紙など、幅広い物品の購入費用に使える勘定科目です。店頭で購入する場合にも、インターネット上でダウンロードする場合にも使えます。

なお、インストール型の場合、購入費用が10万円を超える場合には無形固定資産として計上します。ただし「少額減価償却資産の特例」の条件を満たせば、全額を経費計上することも可能です。また、「一括償却資産」の制度を使えば、3年間に分けて計上できます。

会計ソフトのバージョンアップにかかる費用の勘定科目

会計ソフトをバージョンアップした際にかかる費用の勘定科目は、基本的に「修繕費」「資本的支出」「資産の新規取得」の3種類に分類されます。適切な仕訳ができるように、更新料などがそれぞれどのような内容が該当するのかについて解説します。

参考:2 資本的支出と修繕費|国税庁

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会計ソフトのバージョンアップにかかる費用の勘定科目

  1. 修繕費
  2. 資本的支出
  3. 資産の新規取得

修繕費

修繕費とは、資産の機能を回復させたり、現状の性能を維持したりするためにかかる費用を指します。例えば、故障した部分の修理や不具合の解消といった支出が該当します。

会計ソフトのバージョンアップについても、プログラムの不具合を修正する場合や、現状の機能を維持するための更新であれば、修繕費として一括で経費に計上できます。

1つの修理や改良の費用が20万円未満の場合、または3年以内の期間を周期とし修理・改良が行われる場合に修繕費とすることが可能です。また、区分不明なものについては、60万円未満または固定資産の前期末取得価額の10%以下の場合とされています。

参考:No.1379 修繕費とならないものの判定|国税庁

資本的支出

資本的支出とは、資産の価値を高めたり、使用可能期間を延長したりするためにかかる費用を指します。プログラムの修正が、新たな機能の追加、または機能の向上等に該当する場合は、資本的支出として資産計上する必要があります。

バージョンアップによって、使用期間が延長したり資産価値が増加したりするため、減価償却を行い、税制上定められた年数で期間按分しなければなりません。

1つの修正や改良の費用が20万円以上の場合、または区分不明なものについて、法人が継続して支出した金額の30%相当額と、固定資産の前期末取得価額の10%相当額のいずれか少ない金額を修繕費、残額を資本的支出とすることが可能です。

参考:No.5402 修繕費とならないものの判定|国税庁

資産の新規取得

資産の新規取得とは、既存の資産とは別に、新たな資産を取得したとみなされるケースを指します。会計ソフトのバージョンアップにおいても、製品設計のやり直しや著しい改良の実施など、大幅なバージョンアップに該当する場合は、資産の新規取得として計上します。

この場合、原則として取得価額が10万円未満であれば必要経費となり、それ以上は固定資産として取り扱わなければなりません。なお、中小企業などにおいては、一定の要件を満たす場合、取得価額が30万円未満の資産を経費にできる特例があります。

参考:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁

会計ソフトのバージョンアップの内容

会計ソフトのバージョンアップは、大きく分けて、更新時のバージョンアップとアップグレードのためのバージョンアップの2種類です。それぞれバージョンアップがどのような目的で行われ、どの勘定科目に該当するのかについて解説します。

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更新等のバージョンアップ

バグの修正や消費税率の変更など、外部的要因により対応しなければならないような更新時のバージョンアップは、修繕費として一括で経費に計上します。

一方で、同じバージョンアップであっても、新たな機能の追加や性能の向上を伴う場合には、資産価値を高める支出とみなされ、資本的支出として計上しましょう。

なお、費用の金額のみで修繕費かどうかが一律に決まるわけではなく、20万円以上であっても内容によっては修繕費として処理できるケースもあります。そのため、金額だけで判断するのではなく、バージョンアップの内容に応じて適切に処理することが重要です。

アップグレードのためのバージョンアップ

今までになかった新しい機能が追加されたり、操作性が向上したりなどのアップグレードのためのバージョンアップは、会計ソフトの価値を高めるため、資本的支出として資産計上します。

資本的支出と資産の新規取得かの判断は難しい場合もありますが、アップグレードのためのバージョンアップパッケージを導入した際に、単独で機能する場合には、資産の新規取得としての計上が必要です。

バージョンアップ費用が月額料金に含まれている場合

クラウド型の会計ソフトでは、基本的にソフトの運用・保守利用などが月額料金に含まれているため、バージョンアップ費用も同様に月額料金の一部とされることがあります。

その場合、バージョンアップ費用を別で処理する必要はなく、月額料金としてそれまでと同様の勘定科目で処理できます。なお、クラウド型サービスの月額料金は、一般的には「通信費」として扱われます。

会計ソフト購入時の勘定科目とは?経費計上時の注意点も解説

会計ソフト購入時の勘定科目は、クラウド型とインストール型で異なります。クラウド型は導入の初期費用も含め「通信費」で経費計上するのが一般的です。この記事では会計ソフトの勘定科目の例や経費計上する際の注意点などを解説します。

会計ソフトアップグレード後の旧版の除却について

会計ソフトのアップグレード後に、旧版をアンインストールした場合は除却することが可能です。除却とは、事業での使用を中止し、帳簿から取り除く処理のことをいいます。

固定資産は耐用年数にわたって減価償却を行いますが、償却が完了していない段階で使用を中止した場合には、帳簿上に未償却残高が残ることがあります。そのため、会計ソフトの除却を行えば、未償却残高の部分を除却損として損益に算入でき、その分経費が増加します。

アンインストールしなくても除却処理が可能な場合もある

法人税法基本通達7-7-2の2により、ソフトウェアをアンインストールしていなくても除却することは可能です。ただし、今まで利用していた会計ソフトを、今後事業用に供しないことが明らかな事実がある場合に限られます。

例えば、利用していた会計ソフトによるデータ処理の対象の業務が廃止された場合、また、ハードウェアオペレーティングシステムが変更し、ほかの会計ソフトを利用することになった場合などです。

これにより、従来の会計ソフトの帳簿価額を、事実が生じた日の属する事業年度の損金に算入できます。ただし、ソフトウェアは目に見えるものではなく、通達で例示されているような証憑が必要となるため、社内で慎重な検討を行うことが大切です。

参考:基本通達・法人税法 第7節 第1款 除却損失等の損金算入|国税庁

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会計ソフトのバージョンアップ費用を仕訳する際のポイント

会計ソフトのバージョンアップ費用を適切に仕訳するためには、勘定科目の継続的な使用や最終的な確認作業が重要です。ここでは、バージョンアップ費用を仕訳する際に押さえておきたいポイントを解説します。

一度決めた勘定科目は継続的に使用する

バージョンアップ費用に関わらず仕訳をする際は、使用する勘定科目のルールをあらかじめ決め、継続して適用することが重要です。例えば、バージョンアップ費用を「修繕費」として処理したら、その後も同様の費用については同じ勘定科目で統一して処理しましょう。

会計においては、一度決めた処理方法を正当な理由なく変更しない「継続性の原則」があります。都度異なる勘定科目を使用してしまうと、費用の比較が難しくなるだけでなく、税務調査の際に不自然な処理と見なされることが考えられます。

そのため、用いる勘定科目や仕訳ルールは社内で統一して、継続的に運用することが大切です。

参考:企業会計原則・同注解|会計基準検索システム

借方と貸方の合計額が一致しているか確認する

仕訳を行う際は、借方と貸方の合計額が一致しているかを必ず確認しましょう。仕訳では、左側の借方と右側の貸方の金額は必ず同額になる必要があり、一致していない場合は、入力ミスや金額の記載漏れが発生している可能性が高いです。

特にバージョンアップ費用を銀行振込で支払った場合などは、振込手数料が別途発生するケースもあります。このような場合は、「支払手数料」などの勘定科目を追加して処理しますが、その際も借方と貸方の合計額は必ず一致させる必要があります。

ミスの早期発見にもつながるため、仕訳を入力するごとに合計額をチェックすることがおすすめです。

まとめ

会計ソフトのバージョンアップにかかる費用は、修繕費・資本的支出・資産取得の3種類の勘定科目に分類されます。バージョンアップの種類やかかった金額によって、会計処理も異なるため、適切な仕訳を行うことが大切です。

また、バージョンアップ後に旧版のアンインストールを行った場合や、アンインストールしていなくても今後事業で使用しないことが明らかな場合は、除却処理が可能です。

会計ソフトのバージョンアップ費用を仕訳する際は、本記事の内容を参考に会計処理のルールを社内で統一して、継続して運用することで、正確な経理処理につながるでしょう。

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