税区分とは?正確な申告納税額を算出するために知識を身につけよう
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- 税区分とは、消費税に関わる商品やサービスの取引を分類するためのものである
- 税区分を間違えると、納税申告など申告内容も誤ってしまうためリスクが大きい
- 会計ソフトのメリットは、税区分を設定することで申告納税額を自動計算してくれること
税区分とは、消費税に関わる商品やサービスの取引を分類するためのものです。取引の内容や課税方式によって税区分が変わるため、申告する際に誤りがないように分類しなければいけません。本記事では、税区分の概要や、会計ソフトを利用して税区分を設定するメリットを解説します。
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税区分とは

税区分とは、消費税に関わる商品やサービスの取引を分類するための区分のことを指します。消費税には、課税・非課税・不課税・免税の税区分があり、取引の形態によって分けられます。
税区分を間違えると、納税申告など税金の申告内容も誤ってしまいます。また、消費税の計算方法には原則課税・簡易課税があり、課税売上高によっては簡易課税制度を適用できるケースもあるため、税区分を用いて適切に取引を管理しておくことが重要です。
消費税における税区分とは
消費税は商品の販売やサービスの提供に対して発生する税金ですが、消費税がかかる課税取引、消費税のかからない非課税取引・不課税取引・免税取引の4種類に分けられます。
取引の内容により、どの税区分に該当するかを明確にし、最終的な納税額を正確に算出できるようにしておく必要があります。なお、消費税の課税は国内取引に限られ、国外で行われる取引は対象になりません。
源泉徴収税額表の税区分は所得税の課税区分を指す
税区分という言葉は源泉徴収税額表でも見られます。この場合の税区分は、正社員・パート・アルバイトなど各従業員に課される所得税の課税区分を表します。
源泉徴収税額表の税区分は甲乙丙の3つの欄に分類され、月給で給与を支払う場合に用いられる月額表には「甲欄」「乙欄」、日給の場合に用いられる日額表には「甲欄」「乙欄」「丙欄」が記載されています。それぞれの適用は以下のようになっています。
| 税区分 | 適用 |
|---|---|
| 甲欄 | ・「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合に用いられる ・原則、日本国内で給与支給を受ける居住者はこの申告書を提出する |
| 乙欄 | ・甲欄の条件に当てはまらない場合に用いられる ・扶養控除等申告書の提出忘れや、2ヵ所以上の企業から給与の支払いを受けている場合に 申告書を提出していない方の企業の税額表で用いられる |
| 丙欄 | ・日雇賃金に対して用いる ・パートやアルバイトであらかじめ雇用契約期間が2ヵ月以内と決められている 場合も用いられる |
税区分を間違えると消費税の申告も誤る
税区分を間違えると、税額計算の際に間違った消費税額が算出されてしまいます。そのため、確定申告においても消費税の申告を誤ることになります。
間違えて申告した場合は、あらためて申告書等を作成し、正しい申告に訂正しなければなりません。再提出した場合、還付金の支払いまでに通常より時間がかかったり、過少申告加算税がかかったりする場合があります。
また、法定納期限を過ぎて修正申告する場合は、法定納期限の翌日から完納日までの期間について延滞税がかかるため、併せて納付しなければなりません。
税区分の分類

企業などの取引では、国内取引であること、事業者が事業として行うもの、対価を得て行うもの、資産の譲渡・資産の貸付・役務の提供であることの要件4つを満たしているものが課税対象とされています。
また、4つの要件を満たしていても、課税対象にふさわしくないものは消費税がかからないなど、取引の内容により課税の内容も変わります。以下で、4つの税区分を具体的に解説します。
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課税取引
課税取引とは課税される通常の取引を指し、消費税の課税対象の条件は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、および外国貨物の引き取り(輸入取引)です。
具体的にいうと、商品の売上やサービスの提供のほか、機械や建物など事業のための資産譲渡や貸付も課税取引に該当します。国内店舗の物品購入・国内でのサービス料の支払いなど、通常の国内取引で条件を満たすもののほとんどが課税取引です。
非課税取引
非課税取引とは、本来は課税対象となる取引でも課税対象としてふさわしくないものや、社会政策的配慮から消費税を課税しない取引を指します。
具体的にいうと、土地の譲渡や貸付・住宅の貸与・金券(郵便切手・印紙・章氏・商品券など)や有価証券(国際・社債・株式・小切手・約束手形など)の譲渡・社会保険診療などが挙げられます。
免税取引(輸出等)
消費税が免除される免税取引は、商品の輸出や国外の事業者に対する輸出類似取引を指します。いわゆる輸出取引や、国外事業者へのサービス提供、外国人への商品の販売やサービスを提供した場合が、免税取引に該当します。
免税取引の適用を受けるためには、輸出許可書や一定の事項が記載された書類を納税地に7年間保存することが条件で、その取引が輸出取引等である証明が必要です。
不課税取引
不課税取引とは、課税取引に該当しない取引を指します。海外での取引や給料の支払い、保険金や共済金、寄付金などが挙げられます。上記で解説した非課税取引と免税取引は、課税の4条件を満たしている一方で、条件にまったく該当しないものが不課税取引です。
税額の計算方法は課税方式によっても異なる

課税方式には一般課税と簡易課税の2種類あります。どちらも税区分の管理は必要ですが、課税方式によって税額の計算方法には違いが出てくるので、把握しておきましょう。
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一般課税の場合
消費税は、原則として一般課税方式で計算します。計算式は以下のとおりです。
課税売上げに係る消費税額 - 課税仕入れ等に係る消費税額=消費税額
つまり、取引で課税される消費税額は、売上によって受け取った消費税額から仕入れによって支払った消費税額を差し引いた金額になります(仕入税額控除)。この時、売上や仕入れにかかる消費税額は、8%分と10%分を合算して算出します。
参考:消費税の仕組み|国税庁
個別対応方式と一括比例配分方式
一般課税では、仕入れにかかる消費税額(控除額)の計算方法がさらに「個別対応方式」と「一括比例配分方式」の2つに分かれます。個別対応方式では、仕入れにかかる消費税額を以下の3つに分けて計算します。
- 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
- 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
- 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
一括比例配分方式ではこのような分類はせず、すべての課税仕入れにかかる消費税額に課税売上割合を乗じて控除額を計算します。
簡易課税の場合
簡易課税制度とは、中小企業者の納税事務負担を配慮するために、仕入税額控除の計算を簡素化できるように設けられた制度です。
基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、適用を受ける会計期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に届け出を行っていることが、適用要件となります。消費税額の計算式は以下のとおりです。
課税売上げに係る消費税額 - (課税売上げに係る消費税額 × みなし仕入率)=消費税額
みなし仕入率を用いることで控除額の計算を簡素化できるため、事務負担が軽減されるほか、節税に繋がるケースもあります。
事業区分ごとのみなし仕入率
簡易課税制度におけるみなし仕入率は、事業区分ごとに異なります。第1種から第6種までの6つの事業区分があり、それぞれで率が決まっています。
| 区分 | 該当する事業 | みなし仕入率 |
|---|---|---|
| 第1種 | 卸売業 | 90% |
| 第2種 | 小売業、農業・林業・漁業 (飲食料品の譲渡に係る事業) | 80% |
| 第3種 | 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、 鉱業、建設業、製造業、電気業、 ガス業、熱供給業、水道業 | 70% |
| 第4種 | 飲食店業など | 60% |
| 第5種 | 運輸通信業、金融・保険業 、 サービス業 (飲食店業に該当する事業を除く) | 50% |
| 第6種 | 不動産業 | 40% |
税区分は会計ソフトで管理するのがおすすめ

会計ソフトには税区分が設定できるものがあり、導入により多くのメリットが得られます。使用する税区分・消費税率が設定でき、インボイス制度への対応も容易になることに加え、納税額の計算も自動化できるため、効率化につながります。

会計ソフトとは?使い方やメリットを解説【初心者・個人事業主も】
会計ソフトとは、企業におけるお金の動きが管理でき、帳簿や決算書などの作成もできるシステムのことです。利用したいとは思いつつも、使い方がわからない、どのソフトを選んだらいいかわからない、といった方も多いでしょう。この記事では、会計ソフトの使い方やメリット、選び方などを解説します。
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税区分ができる会計ソフトのメリット
使用する税区分を設定できる
消費税を申告する際は、取引の内容により、消費税の税区分を正しく使用しなければなりません。税区分を間違えると、申告を誤るという結果を招いてしまいます。会計ソフトには税区分の設定が可能なものがあり、税区分の選択が自動化されます。
勘定科目ごとに税区分を設定することで、仕訳入力を行うと設定した税区分が反映されます。そのため、税区分の選択に迷ったり、確認したりする作業が減り、精度が高まるため業務の効率化が期待できます。
使用する消費税率を設定できる
会計ソフトでは、勘定科目に標準的な消費税取引で税区分が設定されています。設定で税区分に税率を紐付けておけば、判別された税区分ごとに自動的に該当する消費税率が計上されます。
通常は、仕訳の際に消費税込みの金額を入力すれば、自動的に本体価格と消費税相当額が区分けされる内税入力処理のケースが多い傾向にありますが、取引内容により外税別記入力にするなど、状況に応じて柔軟に設定が変更可能です。
インボイス制度にも対応できる
会計ソフトを利用することにより、2023年10月に開始されたインボイス制度にも対応できます。インボイス制度とは「適格請求書保存方式」を指し、買い手が仕入税額控除を適用するために、一定の事項が記載された帳簿・適格請求書の保存が必要になる制度です。
免税事業者や請求書発行事業者以外からの課税仕入は、仕入税額控除を受けられないため、適格請求書類とそれ以外の書類を区分して管理しなければなりません。
インボイスに対応した会計ソフトは、免税事業者からの仕入分の税区分を設定することで、取引先に応じて税区分を自動切り替えできる機能を搭載しています。

インボイス制度とは?適用による変更点、対応方法をわかりやすく解説
インボイス制度とは、インボイス(適格請求書)を用いて消費税の処理をより正確に行うための制度のことです。企業などの取引において、インボイスは仕入税額控除の要件となります。本記事では、インボイス制度の概要と適用による変更点、事業者の対応方法などについて解説します。
納税額を自動で計算できる
日々の取引において、消費税の税区分を会計ソフトに正しく設定しておくことで、申告納税額を自動計算してくれます。税区分を間違えると、確定申告の際に消費税の申告を誤ることになります。申告納税額を誤った場合、訂正を行い再提出しなけれなりません。
訂正により、過少申告加算税や延滞税がかかる可能性もあります。会計ソフトでは、正しい税区分で設定しておけば、正しい消費税を算出できるため、確定申告の際も安心です。
会計ソフトの選び方

会計ソフトを使えば正確な税区分や納税額の計算が可能になりますが、様々なソフトがあるため、以下のようなポイントに注意しながら、自社に適したものを選ぶ必要があります。
自社の事業規模に適しているか
会計ソフトによって、対象となる事業規模が異なります。個人事業主向けと法人向けがあり、法人向けはさらに大企業向けや中小企業向けに分けられます。事業規模によって必要な機能も異なってくるため、自社の規模に適合するソフトを選ぶことが重要です。
例えば、上場企業の場合では、貸借対照表と損益計算書に加え、株主資本等変動計算書や個別注記表も必要です。自社の規模に合っていないものを導入すると、機能が足りなくなったり、逆に不要な機能が多すぎてコストの無駄になったりします。
担当者が使いこなせるか
会計ソフトを選ぶ際は、担当者のスキルレベルに合っているかも確認しておきましょう。ソフトによって、求められる簿記や会計の知識に差があります。初心者が担当するなら、入力時に補助があるものや、自動仕訳の機能がある会計ソフトがおすすめです。
多くの会計ソフトは無料トライアル期間を設けているため、担当者が使いこなせるかを
実際に試してみましょう。加えて、操作や仕訳に迷った際にすぐに解決できるよう、ベンダーのサポート体制もチェックしておくと安心です。

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まとめ

税区分とは、消費税に関わる商品やサービスの取引を分類することを指します。税区分は、取引の内容や課税方式によって内容が変わるため、申告する際に誤りがないように分類しなけれなりません。
税区分を間違えると、納税申告など申告内容も誤ってしまうため、リスクが大きくなります。会計ソフトを利用すれば、消費税の税区分を正しく設定しておくことで、日々の取引において申告納税額を自動計算してくれます。
ほかにも、勘定科目に税区分を設定することにより、日々の会計業務負担も大幅に軽減され、効率化されるメリットがあります。適切な消費税の計上と、正しい申告納税額の計算を効率よく行うために、会計ソフトの導入を検討しましょう。
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