日本での会計ソフトの誕生と歴史|ERPとの統合・自動化の流れを解説

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  • 会計の歴史については、古代エジプトの時代から記録が残されている
  • 複式簿記は、企業の財政状態や経営状況を把握するのに優位である
  • インターネットの普及により、近年はクラウド型会計ソフトの導入が増えている

現代の企業においては、会計業務の自動化や効率化を図るために会計ソフトが普及していますが、その歴史はいつ頃から始まったのでしょうか。本記事では、会計の歴史や、日本での会計ソフトの誕生について、またERPとの統合や自動化の流れについて解説します。

目次

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  1. 会計の歴史
  2. 現在は複式簿記が主流
  3. 日本での会計ソフトの誕生
  4. ERPとの統合の流れも見られる
  5. 時代による会計ソフトの進化
  6. 会計ソフトの最新トレンドとは
  7. ニーズに合った会計ソフトを選ぼう
  8. まとめ

会計の歴史

会計の歴史は、古代エジプト時代まで遡ります。古代エジプト〜ギリシャ・ローマ時代までは、現在の単式簿記に当たる会計手法が使われていたことが記録に残っています。

中世(13〜15世紀)になると、イタリアのベニスの商人の間で、現在の複式簿記の原型となる手法が使われるようになり、16世紀にはフランス・イギリスをはじめとする、ヨーロッパ各地に広まりました。

18〜19世紀になると、イギリスの産業革命をきっかけに会計処理の需要が高まり、貸借対照表や公認会計士が誕生します。

1973年に国際会計基準(IFRS)が作成されると、2005年には、EU内の上場企業に適用が義務化されました。日本では国際会計基準は任意適用となり、今後も適用が拡大することが推測されます。

現在は複式簿記が主流

現在、企業の財政状態や経営成績を把握するには、複式簿記が優位とされています。ここからは、複式簿記と単式簿記の概要、複式簿記が優位になった背景について解説していきます。

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複式簿記とは

複式簿記とは、現金の出入りを「取引」と捉え、取引の原因と結果の2つの面を記録する方法です。具体的には、資産・負債・純資産・費用(収益)の勘定科目を用いて、借方・貸方の2つの面に記録していきます。原則、借方と貸方の合計は、常に同じ金額になります。

複式簿記と単式簿記の違いは、複式簿記が取引の「原因と結果」の2つの面を表すのに対し、単式簿記は「収支」という1つの面のみを表す点にあります。

複式簿記によって現金の流れが明確化されれば、貸借対照表・損益計算書といった財務諸表の作成が可能です。そして、財務諸表の分析により、自社の財務状況を把握することができれば、的確な経営判断を行うことができます。

以上のことから、複式簿記の目的は、貸借対照表・損益計算書を作成し、企業の財務状況や経営成績を把握することにあると言えます。

単式簿記とは

単式簿記とは、1つの取引において、資金の収支のみを記録する方法です。例えば、お小遣い帳・家計簿は現金の収支のみを記録するため、単式簿記に当たります。

単式簿記は小規模事業や家計管理には適していますが、収支の変化の原因が追えないため、企業の財政状態や経営成績を把握するには不十分で、適さないと考えられています。

複式簿記の誕生と普及

複式簿記の世界での誕生には諸説ありますが、一般的には、中世(13〜15世紀)イタリアのベニスの商人によって生み出されたと考えられています。

地中海貿易を行っていたベニスの商人たちは、一隻の船を共有していたため、一航海ごとに財産を分配する会計手法を採用していました。この会計手法が、現在の複式簿記の原型とされています。

イタリアの数学者パチョーリによって、複式簿記はベニスから世界中に広がり、1660年頃にフランスに定着し始めます。その後、イギリスの産業革命をきっかけに、複式簿記は経営の透明性確保に欠かせないものとなりました。

日本に複式簿記が広まったのは、明治6年に福沢諭吉が翻訳した「帳合之法」が始まりとされます。明治11年、複式簿記は政府により正式採用されましたが、明治14年に日本銀行が創立されてからは、官庁会計へと改められました。企業においては、複式簿記が採用されています。

日本での会計ソフトの誕生

日本でコンピュータの普及が始まったのは、1960年頃からです。当初は大企業の基幹情報システムを運用する大型コンピュータのみでしたが、1980年代にオフィスコンピュータが登場すると、経理業務に広く用いられるようになりました。

1980年代後半には、低価格なパーソナルコンピュータの普及が進み、日本経済の急速な成長も相まって、中小企業向け会計ソフトの需要が高まります。

従来、経理システムは自社開発で構築されていましたが、パーソナルコンピュータの普及に伴い、パッケージ型会計ソフトが登場したことにより、経理業務の自動化が一気に加速しました。

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ERPとの統合の流れも見られる

会計ソフトを含む業務システムのほとんどは、個別の業務に特化しています。そのため従来は、他の業務との連携は手作業に頼るしかなく、二重入力の手間や入力ミスが問題になっていました。そこで誕生したのが、「ERP」です。

ERP(Enterprise Resourse Planning)とは、企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ)を一元管理するシステムのことです。ERPを活用すれば、会計・販売管理・在庫管理などの基幹業務の連携が1つのシステム内で可能になります。

会計業務は複数の業務データを集計し、情報を記録・公開する必要があるため、従来の会計ソフトからERPに統合される流れが現れています。会計では企業全体のお金を管理するため、ERPでも中核的な機能です。

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時代による会計ソフトの進化

会計ソフトはますます進化し、さらに需要が高まっています。ここでは、会計ソフトの進化の変遷を解説します。

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自計化・クラウド化

近年、経理は自計化が一般的になりつつあります。自計化とは、経理処理を税理士に依頼せず、会計ソフトなどを使って自社で行うことです。

自計化のメリットは、直近の財務状況を把握することができ、的確な経営判断が行えることです。加えて、税理士事務所のコストも削減することができます。

自計化に伴い、会計処理は会計ソフトで行うのが主流となっていますが、インターネットの普及により、近年はクラウド型会計ソフトの導入が増加しています。

インストール型とクラウド型の違い

会計ソフトが誕生した当時からあるインストール型は、パソコンにインストールして利用するタイプです。オフラインでも操作できますが、そのパソコンでしか使うことができません。

対してクラウド型は、インターネットを介して利用するタイプです。インターネット環境があればどの端末からでもログインでき、データはクラウドサーバー上に保存されます。複数人でも作業できることや、ベンダー側で自動アップデートされることなどがメリットです。

消費税の複数税率への対応

日本では、消費税が1989年に当初3%で導入され、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%へと増税しました。10%課税においては軽減税率が導入されており、商品によって税率が異なります。

そのため、消費税に対応した会計処理が必要となります。手動では計算も複雑になるため、複数税率の管理に対応した会計ソフトが普及しました。

管理会計への対応

会計業務には、財務会計と管理会計の2種類があります。財務会計とは、社外の利害関係者に財務状況を報告する会計のことを指し、すべての企業に義務づけられています。

一方で、管理会計とは、社内の状況を把握するための社内向けの会計のことを指し、決まったルール等はありません。管理会計が広まったことで、会計ソフトは社内の経営に役立てられるような機能を搭載するようになりました。

IFRSへの対応

IFRS(International Financial Reporting Standards)は、「国際会計基準」を意味します。世界的にIFRSを採用する国は増加傾向にあり、日本でもIFRSを導入する企業が増えています。

日本ではEU加盟国とは異なり、IFRSの導入は義務付けられていません。しかし、IFRSを採用することでグローバルに展開しやすくなります。そのため、IFRSに対応した会計ソフトが普及しています。

会計ソフトの最新トレンドとは

上述のように、会計ソフトは年々進化を続けており、現在はAIを活用したものも多数登場しています。以下では、最新トレンドを押さえた会計ソフトで何ができるかを紹介します。

金融サービスとの連携

銀行口座やクレジットカードといった金融サービスと会計ソフトを連携させることで、入力工数を減らせるものも多くあります。口座やカードのWeb明細を取り込むことで、自動的に帳簿に反映される仕組みです。

明細が取り込まれると、勘定科目や金額などが借方・貸方に自動入力され、仕訳候補が作成されます。担当者は、それを確認して入力を確定させていけば良いので、工数削減・時間削減につながります。

AIによる自動化

近年の会計ソフトには、AIによる自動化機能が搭載されているものがあります。具体的には、AIによって仕訳・経費精算・月次決算といった定型作業の自動化が可能です。入力ミスを削減しながら、大幅な業務効率化を実現しています。

また、AI-OCRと連携して領収書・請求書を読み取り、品目や数値などを自動でデータ化できるものもあります。さらには、財務状況を分析して未来の数値を予測できるものもあり、的確な経営判断やリスク回避に役立ちます。

各種法令への自動対応

最新の会計ソフトは、各種法令・法改正にも迅速に対応可能です。特に、クラウド型はベンダーによって自動でバージョンアップされるため、常に最新の法令を遵守しながら業務を行うことができます。

電子帳簿保存法やインボイス制度など、経理担当は複雑な法令の内容を把握しておかなくてはなりません。クラウド型会計ソフトなら法的要件も自動で反映されるため、コンプライアンスを強化しつつ、業務負担を軽減できます。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

参考:インボイス制度について|国税庁

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ニーズに合った会計ソフトを選ぼう

現代では、さまざまなベンダーから多様な会計ソフトが提供されています。会計ソフトを利用することで経理業務が効率化することは間違いありませんが、大切なのは自社のニーズに合ったソフトを選ぶことです。

各ソフトによって、仕様は少しずつ異なります。会計ソフトを選ぶ際は、経営戦略と将来性を見据え、時代の流れと自社のニーズに合ったサービスを選ぶようにしましょう。

会計ソフトを選ぶ際のポイント

会計ソフトを選ぶ際は、以下のような項目をチェックして比較検討するのがおすすめです。

  1. 法人向けか個人向けか
  2. クラウド型かインストール型か
  3. 他システムと連携できるか
  4. 必要な機能があるか
  5. 操作しやすいか

会計ソフトには法人向けと個人向けがあり、両者は課される税率が異なるため、企業は法人向けを選ぶ必要があります。また、経費精算システムや販売管理システムなど既存システムと連携できるかも重要なポイントです。

なお、複数の個別の業務システムを使って管理している場合、全てを一元管理できるERPも視野に入れると良いでしょう。上述のように、会計ソフトと統合する流れもあり、全社的な業務効率化のためには検討する価値があります。

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まとめ

会計の歴史は古代エジプト時代まで遡りますが、日本で会計ソフトが使用されるようになったのは、1960年代からです。

1980年代後半になると、パーソナルコンピュータの普及により、パッケージ型会計ソフトの導入が拡大します。以後、会計ソフトによる経理業務の自動化が進みますが、他の業務との連携の必要性から、近年はERPに統合される流れもあります。

インターネットの普及が進んだ現在、経理は自計化が一般的になりつつあります。そして働き方改革に伴い、会計ソフトもクラウド化が進んでいます。経営戦略と将来性を見据え、時代の流れと自社のニーズに合った会計ソフトを導入しましょう。

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