SSLサーバー証明書おすすめ9選|選ぶ際のポイントや注意点も解説

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- SSLサーバー証明書は、異なる3つの認証レベルからサイトに適したものを選ぶ
- 複数サイトに対応したい場合、ワイルドカードやマルチドメインの形式がおすすめ
- SSLサーバー証明書を導入する際には、秘密鍵の管理や中間証明書の設定忘れに注意
SSLサーバー証明書の導入により、Webサイトと利用者間の通信を暗号化し、データを安全にやり取りできます。選ぶ際は、認証レベルや証明書の形式、認証局の実績などを比較するのが重要です。本記事では、SSLサーバー証明書のおすすめや選び方などを解説します。
目次
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SSLサーバー証明書でWebサイトの信用度を高めよう

SSLサーバー証明書(SSL証明書)を導入することで、Webサイトの信頼性と安全性を高めることができます。SSLサーバー証明書とは、インターネット上の通信を暗号化し、ユーザーがサイト上で入力するパスワードやクレジットカード番号、住所などの大切な個人情報を守るための仕組みです。
証明書は、認証局と呼ばれる第三者機関によって発行されます。認証局は、証明書の発行にあたって、Webサイトを運営する組織や個人の実在性・正当性を確認する役割を担っています。
そのため、認証局によって発行されたSSL証明書は、多くの企業やサービスで活用されています。SSLサーバー証明書を選ぶ際は、認証レベルや証明書の形式、認証局の実績などを比較するのが重要です。
本記事では、SSLサーバー証明書のおすすめや選び方などを解説します。
SSLサーバー証明書は認証レベル・種類・サポートで選ぶ

SSLサーバー証明書を導入する際は、どれを選べばいいのか分からないと感じる方も多いかもしれません。安全性を確保するための証明書ですが、種類や機能、サポート体制などは証明書ごとに大きく異なります。
そこで、失敗しない選び方として注目したいのが、認証レベル・対応可能なサイト数・発行元(認証局)の信頼性という3つのポイントです。次の章からは、それぞれのポイントをより詳しく解説していくため、自社に最適なSSLサーバー証明書を選ぶ参考にしてください。
【重要なポイント3つ】
- 認証レベルを確認
- 複数サイトに対応できるか
- 認証局の実績や知名度
【その他の比較ポイント】
- 証明書の取得にかかる時間
- 運用・更新にかかる費用
- サポートは充実しているか
SSLサーバー証明書の選び方で重要な3つのポイント

SSLサーバー証明書を選ぶ際には、セキュリティ対策だけでなく、サイトの運営スタイルや目的に合ったものを選ぶことが大切です。以下の章で、それぞれのポイントを分かりやすく詳しく解説していきます。
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SSLサーバー証明書の選び方で重要な3つのポイント
認証レベルを確認
SSLサーバー証明書は、発行時にどのような認証が行われるかによって、ドメイン認証(DV)、企業認証(OV)、EV認証(EV)の3種類に分かれます。認証レベルが高いほど、信頼性や情報の表示内容が充実します。
以下では、それぞれの認証レベルについてどのような認証か、どのような場合に適しているかを解説します。
ドメイン認証(DV)
ドメイン認証(DV)は、もっとも手軽でコストが低いSSL証明書です。この証明書は、申請者がそのドメインを所有しているかどうかを確認することで発行されるため、一般的な個人ブログや情報サイト、小規模なWebページに適しています。
メリットは、審査が簡易でスピーディーな発行が可能な点が挙げられます。費用も比較的安価なため、コストを抑えながら基本的な通信の暗号化を実現したい場合に便利です。
ただし、企業の実在性などは確認されないため、商用サイトやECサイトではユーザーの信頼を得るにはやや不十分な場合もあります。コスト重視の簡易サイト向けの選択肢と言えるでしょう。
企業認証(OV)
企業認証(OV)は、ドメイン所有者の確認に加えて、申請した企業や団体の実在性を審査する証明書です。
発行までに多少時間はかかりますが、ブラウザ上でサイトのSSL情報を確認すると「株式会社○○」「医療法人△△」などの正式な組織名が表示されるため、利用者に対して信頼感を与えることができます。
OV証明書は、企業のコーポレートサイト、法人向けサービス、官公庁とのやり取りがあるサイトなど、信頼性が求められる場面に最適です。とくに、顧客にクレジットカードや個人情報を入力してもらう場面では、OV証明書による組織名表示が信頼感を高めます。
コストと手間をかけてでも、ユーザーに安心してもらいたい企業にとっては、OV証明書がおすすめです。
EV認証(EV)
EV認証(EV)は、SSL証明書の中で最も厳格な認証レベルを持っています。発行には会社の登記情報、連絡先、所在地など複数の審査をクリアする必要があり、信頼性が極めて高いのが特徴です。
この証明書を使用すると、一部のブラウザではアドレスバーに会社名が表示され、利用者に強い安心感を与えられます。そのため、金融機関やECサイトなど、個人情報を扱う大規模なサービスなどに最適です。
一方で発行までには時間がかかり、費用も高めなので、本当に信頼性を最重視したいケースに限定して導入を検討すると良いでしょう。
複数サイトに対応できるか
複数のWebサイトやサブドメインを運用している場合、SSLサーバー証明書の形式選びがとても重要になります。
SSL証明書の形式には、主にシングルドメイン証明書、ワイルドカード証明書、マルチドメイン証明書の3種類があり、対応できるドメインの数や種類が異なります。
基本的に1つのドメインだけに対応したい場合は、シングルドメイン証明書で十分ですが、複数のサイトやサブドメインをまとめて管理したい場合には、ワイルドカード証明書やマルチドメイン証明書がおすすめです。以下の表に、各証明書の対応範囲をまとめました。
種類 | 内容 |
---|---|
シングルドメイン証明書 | 単一のドメインとその配下のページを保護する |
ワイルドカード証明書 | 1つのドメインとそのすべてのサブドメインを保護する |
マルチドメイン証明書 | 複数の異なるドメインやサブドメインを保護する 1枚で複数のサイトを一括管理できる |
認証局の実績や知名度
SSL証明書を選ぶ際には、どの認証局が発行しているかも非常に重要です。なぜなら、認証局の信頼性がそのままWebサイトの信用度に関わるためです。
また、信頼性のある認証局の証明書を使用していると、ブラウザやユーザーがそのサイトを安全と認識しやすくなり、表示エラーや警告を避けることにもつながります。コストだけでなく、発行元の実績と知名度も比較して選ぶようにしましょう。
SSLサーバー証明書のその他の比較ポイント

SSLサーバー証明書を選ぶときは、認証レベルや種類だけでなく、それ以外の細かなポイントも確認しておくことが大切です。以下では、SSLサーバー証明書を選ぶ際に確認しておきたいその他の比較ポイントについて、詳しく解説していきます。
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SSLサーバー証明書のその他の比較ポイント
証明書の取得にかかる時間
SSLサーバー証明書をすぐに使いたい場合、取得にかかる時間は重要なポイントです。証明書の発行スピードは、選ぶ認証レベルや認証局によって異なります。
ドメイン認証(DV)は確認項目が少なく、最短で即日発行されることもあります。一方で、企業認証(OV)やEV認証(EV)は企業の存在や書類確認などを伴うため、数日から1週間以上かかることも珍しくありません。
急ぎの案件や短期間で公開したいWebサイトには、発行スピードが速い認証局やDV証明書を選ぶのが現実的です。反対に時間に余裕があり、信頼性を重視したい場合は、時間がかかっても高レベルの認証を選ぶと安心です。
運用・更新にかかる費用
SSLサーバー証明書の費用は、初期取得費用だけでなく、継続的な運用・更新にもコストがかかることを忘れてはいけません。特に1年ごとに更新が必要な場合、毎年かかる費用を見込んでおかないと、想定以上のコストになることもあります。
有料の証明書では、認証レベルが上がるほど価格も高くなります。また、マルチドメイン対応やEV認証などの機能を加えると、さらに追加費用が発生することがあります。
一方で、個人や非商用サイトなどの無料SSL証明書も選択肢に入ります。ただし、無料証明書はサポートや有効期間、機能面で制限があるため、用途に合わせて選ぶことが重要です。
サポートは充実しているか
SSLサーバー証明書は、取得後も長期にわたって安定して運用していくことが求められるセキュリティ対策です。そのため、トラブル時や設定の不明点が発生した際に、すぐに相談できるサポート体制が整っているかは非常に重要です。
確認すべきサポート内容の例としては以下のようなものがあります。
- 日本語でのメール・チャット・電話サポートの有無
- 24時間対応しているか
- 技術的な質問に答えてくれるか
- 更新や再発行のサポート体制
- トラブル発生時の対応マニュアルやFAQの充実度
SSLサーバー証明書おすすめ9選
気になる情報を今すぐチェック
【無料版】SSLサーバー証明書おすすめ2選
Internet Security Research Group
Let’s Encrypt
ここがおすすめ!
- アメリカの非営利団体「ISRG」が提供
- 誰でも簡単に無料ですぐに利用ができるSSLサーバー証明書
- 2つのプロジェクトにより、無料でありながら安全性も高い
ここが少し気になる…
- 顧客情報を扱う際、信頼性では有償のサービスには劣る場合も
Amazon Web Services
AWS Certificate Manager
AWS Certificate Manager
ここがおすすめ!
- 無料で証明書の発行が行え、自動更新にも対応
- 「SSL/TLS 証明書」を一元管理でき、業務コスト削減に貢献
- 証明書のプライベートキーを保護し、高い安全性を保つ
ここが少し気になる…
- 自動更新には条件があり、提供はドメイン認証のみ
【有料版】SSLサーバー証明書おすすめ7選
GMOグローバルサイン株式会社
GMOグローバルサインのSSLサーバ証明書
ここがおすすめ!
- メールや電話サポートはもちろん、FAQとマニュアルも随時提供
- サービス保証制度が充実しており、安心して導入できる
- すべてのSSLサーバ証明書の申込みに対応と厳格な審査の実施
ここが少し気になる…
- 個人事業主はクイック認証SSL byGMOのみ
サイバートラスト株式会社
iTrust SSL/TLS サーバー証明書 Prime

ここがおすすめ!
- 厳格な審査でありながら入金を待たずに審査開始、最短当日発行
- 通常の証明書や階層違い対応のワイルドカードなど、さまざま提供
- サーバー台数に依存しない「FQDNライセンス」で多岐に渡る環境に対応
ここが少し気になる…
- メールや電話でのサポート対応は問い合わせで確認
デジサート・ジャパン合同会社
DigiCertのSSL/TLSサーバ証明書
ここがおすすめ!
- 企業のニーズにあわせて導入しやすい3つのプランと2つのオプション
- すべての主要なブラウザで利用が行え、手厚いサポートも受けられる
- プランにより、ブロックリストチェックや175万ドルの保証にも対応
ここが少し気になる…
- パブリックトラストを一元管理するにはセキュア・サーバID以上の契約が必要
GeoTrust
GeoTrust SSL/TLS証明書
ここがおすすめ!
- 購入したすべての証明書は一覧管理でき、自動更新や事前認証にも対応
- 製品選びから購入方法など、専門のスタッフによる手厚い支援
- 最大で3年間有効なSSLで、運用上の懸念を軽減
ここが少し気になる…
- 事前に組織とドメイン名の認証を完了することで即時発行が可能
株式会社日本レジストリサービス
JPRS SSL証明書

ここがおすすめ!
- 専門スタッフによるメール・電話はもちろん郵送でのサポートまで対応
- Webのマイページからドメイン名や証明書の有効期限を確認できる
- 登録と更新のタイミングで支払が発生するわかりやすい料金体系
ここが少し気になる…
- セコムパスポート for Web EVの利用は問い合わせで確認
セコムトラストシステムズ株式会社
セコムパスポート for Web

ここがおすすめ!
- 国内唯一のルート認証局から安全なSSL/TLSサーバー証明書を提供
- 豊富な料金プランから自社ニーズにあわせて無駄なく選べる
- 専用の問い合わせ窓口の設置と電話・メールでの迅速なサポート
ここが少し気になる…
- 無償再発行はセコムパスポート for Web SR3.0のみ
クラウドセキュア株式会社
クラウドセキュアSSLサーバー証明書
ここがおすすめ!
- セキュリティ診断機能を標準搭載しており、追加費用なしで使える
- サイトシールを発行するため、訪問者に安全性を伝えられる
- ハイコストパフォーマンスで一般企業だけでなく個人でも利用可能
ここが少し気になる…
- 日本国内の個人または企業・団体のみで、費用は問い合わせで確認
SSLサーバー証明書を導入する流れと注意点

SSLサーバー証明書を導入することで、Webサイトとユーザーとの通信を安全に保つことができますが、導入にはいくつかのステップがあります。また、セキュリティに関わる重要な作業であるため、手順の正確さや注意点を理解しておくことが大切です。
ここでは、SSLサーバー証明書を導入する一連の流れと、それぞれのステップで気をつけるべきポイントについて解説します。
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SSLサーバー証明書を導入する流れと注意点
1.秘密鍵を使ってCSRを生成
SSL証明書の取得にあたって最初に行うのが、CSRの生成です。CSRは、自分のWebサーバーの情報をまとめて、認証局に提出するためのデータです。このとき、同時に秘密鍵と呼ばれる暗号化通信に必要な重要情報も作成します。
CSRを作成する際に使う秘密鍵は、暗号通信の安全性を守る鍵となるもので、第三者に絶対に知られてはいけない情報です。誤って外部に流出したり、管理が甘かったりすると、通信が盗み見られるリスクがあります。
そのため、秘密鍵は厳重に保管し、誰にも見られない環境で作成・保存するようにしましょう。
2.申し込みと証明書発行・設定
CSRを作成したら、次は認証局に申し込んで証明書を発行してもらいましょう。認証局は、CSRの情報をもとにドメインや組織の確認を行い、問題がなければSSLサーバー証明書を発行します。
証明書が発行されたら、サーバーに設定する作業を行いますが、このとき注意したいのが中間証明書の設定です。多くのSSL証明書には、中間証明書(CA証明書)が付属しています。
これを設定し忘れると、ブラウザに信頼できない証明書などの警告が表示されることがあるため、必ず公式のマニュアルなどに従って正しく設定しましょう。
3.テスト・運用開始
証明書を設定したら、テストを経て運用開始となります。まずは、SSLチェッカーやブラウザなどで、正しく設定されているかを確認しましょう。証明書が有効であり、警告が出ないことを必ず確認してから、本番環境での公開に進むことが大切です。
また、SSL証明書には有効期限があります。有効期限が切れてしまうと、ユーザーのブラウザに「この接続は保護されていません」と表示され、Webサイトの信頼性が大きく損なわれます。
企業サイトやECサイトでは、致命的な問題にもなりかねないため、更新期限の管理は重要です。更新時期が近づいたらメールで通知してくれるサービスもあるため、導入時に登録しておくと安心です。
まとめ

SSLサーバー証明書を導入するには、「CSRの生成」「認証局への申し込みと設定」「テスト・運用開始」という3つのステップがあります。それぞれにおいて、秘密鍵の管理・中間証明書の設定・有効期限の管理といった重要な注意点があります。
SSL証明書は一度設定すれば終わりではなく、適切な導入と継続的な管理が必要なセキュリティ対策です。本記事を参考に正しい知識を持って導入することで、ユーザーからの信頼を守り、安全なWebサイト運営につながります。